説明

防かび剤としてのN−[(ピリジン−2−イル)メトキシ]複素環式カルボキサミド誘導体及び関連化合物

一般式(I)の化合物


(式中、
nは、1、2、3又は4であり;Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシであり;
Aは、酸素原子、NR基、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基又はSiR基であり;
及びRは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニルであるように互いに独立に選択され、
は、水素原子、C−C−アルキル又はC−C−シクロアルキルであり;
及びRは、水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニルであるように互いに独立に選択され;
Hetは、同じであり又は異なり得る、1、2又は3個のヘテロ原子を有する5−、6−又は7−員の非縮合複素環を表し、Hetは炭素原子により連結され、Hetは場合によって1以上の置換基により置換される。)。この化合物を調製するための方法。一般式(I)の化合物を含む防かび剤組成物。一般式(I)の化合物又はそれを含む組成物を散布することにより植物を処置するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ピリジン−2−イルメチル誘導体、これらの調製方法、防かび剤としての特に防かび組成物の形態でのこれらの使用及びこれらの化合物又はこれらの組成物を用いる植物の植物病原性真菌の駆除のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願WO01/11965は、本発明の化合物を包含する一般式の防かび化合物の広範なファミリーを記載する。しかし、前記化合物はこの特許出願において記載されておらず、防かび剤としてのこれらの活性は試験されなかった。
【0003】
国際特許出願WO03/6456は、防かび化合物の広範なファミリーを開示する。本発明によるピリジン−2−イルメチル誘導体はこの特許出願において開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願WO01/11965
【特許文献2】国際特許出願WO03/6456
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
活性が当業者に既知の化合物よりも高い農薬化合物を使用することは、農薬の分野で常に関心が高く、このことによって、同等の有効性を保持しながら化合物の使用を減少させることができる。
【0006】
さらに、より高い有効性を有する新しい農薬化合物の提供によって、処置すべき真菌における耐性株の出現のリスクが大幅に低下する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者らは、このような一般的に既知の化合物のファミリーよりも防かび活性が向上した化合物の新しいファミリーを今回発見した。
【0008】
従って、本発明は、一般式(I)のピリジン−2−イルメチル誘導体
【0009】
【化1】

(式中、
nは、1、2、3又は4であり;
Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル−スルホニル、C−C−アルコキシイミノ、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルケニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルキニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル又はフェニルアミノであり;
Aは、酸素原子、NR基、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基又はSiR基であり;
及びRは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル−スルホニル、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ又はフェニル基であるように互いに独立に選択され;ただし、R及びRは、両者ともがヒドロキシル基とはならず;
は、水素原子、C−C−アルキル又はC−C−シクロアルキルであり;
及びRは、水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル−スルホニル、ベンジル、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ又はフェニル基であるように互いに独立に選択され;
Hetは、同じであり得る又は異なり得る、1、2又は3個のヘテロ原子を有する5−、6−又は7−員の非縮合複素環を表し、Hetは炭素原子により連結され、Hetは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及び1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル又はC−C−アルキルスルホンアミドから互いに独立に選択される1以上の置換基により場合によっては置換されている。)
ならびにその塩、N−オキシド、金属錯体、半金属錯体及び光学活性異性体に関する。
【0010】
本発明の関連において、
ハロゲンは、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素を意味し、
カルボキシは−C(=O)OHを意味し;
カルボニルは−C(=O)−を意味し;
カルバモイルは−C(=O)NHを意味し;
N−ヒドロキシカルバモイルは−C(=O)NHOHを意味し;
アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基ならびにこれらの用語を含有する部分は、直鎖状又は分枝鎖状であり得;
ヘテロ原子は硫黄、窒素又は酸素を意味する。
【0011】
本発明の関連において、2置換アミノ基及び2置換カルバモイル基の場合、2個の置換基は、これらが位置する窒素原子とともに3から7原子を含有する飽和複素環を形成し得ることも理解されたい。本発明の化合物の何れも、化合物中の不斉中心の数に依存して、1以上の光学又はキラル異性体で存在し得る。このように、本発明は、等しく、全ての光学異性体及びこれらのラセミもしくはスカルミック(scalemic)混合物(「スカルミック」という用語は、様々な割合での鏡像異性体の混合物を示す。)及び全ての割合での全ての可能な立体異性体の混合物に関する。ジアステレオ異性体及び/又は光学異性体は、当業者にとってそれ自体公知の方法に従い分離することができる。
【0012】
本発明の化合物の何れも、化合物中の二重結合の数に依存して、1以上の幾何異性体の形態でも存在し得る。このように、本発明は、等しく、全ての幾何異性体及び全ての割合の全ての可能な混合物に関する。幾何異性体は、当業者にとってそれ自体公知の一般的方法に従い分離することができる。
【0013】
一般式(I)の化合物(式中、Xは、ヒドロキシ、スルファニル基又はアミノ基を表す。)の何れも、前記ヒドロキシ、スルファニル又はアミノ基のプロトンの変化の結果であるその互変異性体の形態で見出され得る。このような化合物のこのような互変異性形態も本発明の一部である。より一般的に言うと、Xがヒドロキシ、スルファニル基又はアミノ基を表す一般式(I)の化合物の全ての互変異性形態ならびに調製方法の中間体として場合によっては使用することができ、これらの方法の説明において定義されるであろう化合物の互変異性形態もまた本発明の一部である。
【0014】
本発明によると、(X)(X及びnは上記で定義されるとおりである。)により、一般式(I)の化合物の2−ピリジル部分が何れかの位置で置換され得る。好ましくは、本発明は、nに関して、nが1又は2であり、Xに関して、Xが、ハロゲン原子、シアノ基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−シクロアルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキルであるように、単独にて又は組み合わせて様々な特徴が選択され得る、一般式(I)のピリジン−2−イルメチル誘導体に関する。
【0015】
本発明によると、式(I)の化合物のメチレン部分の炭素原子は、R及びRにより置換され;R及びRは上記で定義されるとおりである。好ましくは、本発明はまた、R及びRが、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−シクロアルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキルであるように互いに独立に選択される、一般式(I)のピリジン−2−イルメチル誘導体にも関する。
【0016】
本発明によると、式(I)の化合物の「A」原子は、酸素原子、NR基、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基又はSiR基であるように選択され;R及びRは上記で定義のとおりである。好ましくは、本発明はまた、Aが、酸素原子、窒素原子、硫黄原子であるように選択され;
及びRが、水素原子、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−シクロアルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキルであるように互いに独立に単独にて又は組み合わせて様々な特徴が選択され得る、一般式(I)のピリジン−2−イルメチル誘導体にも関する。
【0017】
本発明によると、式(I)の化合物のカルボキサミド部分の窒素原子は、Rにより置換され、Rは、水素原子、C−C−アルキル又はC−C−シクロアルキルである。好ましくは、C−C−シクロアルキルはシクロプロピルである。
【0018】
本発明によると、一般式(I)の化合物の「Het」は、同じであり得る又は異なり得る、1、2又は3個のヘテロ原子を有する、5−、6−又は7−員の非縮合複素環であり、Hetは、炭素原子により連結され、場合によっては置換されている。好ましくは、本発明はまた、Hetが、2−フラン、3−フラン、4,5−ジヒドロ−3−フラン、2−チオフェン、3−チオフェン、2−ピロール、3−ピロール、5−オキサゾール、4−オキサゾール、5−チアゾール、4−チアゾール、5−ピラゾール、4−ピラゾール、3−ピラゾール、3−イソオキサゾール、4−イソオキサゾール、5−イソオキサゾール、3−イソチアゾール、4−1,2,3−トリアゾール、4−チアジアゾール、5−チアジアゾール、2−ピリジン、3−ピリジン、4−ピリジン、2−オキサチン、4,5ジヒドロ−3−ピラン、4,5ジヒドロ−2−チオピラン、4,5ジヒドロ−3−チオピラン又は2−ピラジンであるように選択され;Hetがオルト位で置換され;Hetが、ハロゲン原子、C−C−アルキル、アミノ基、C−C−アルキルアミノ又はジ−C−C−アルキルアミノにより置換されているように、単独にて又は組み合わせて様々な特徴が選択され得る、一般式(I)のピリジン−2−イルメチル誘導体にも関する。
【0019】
本発明によると、一般式(I)の化合物の「Het」は5員環式複素環であり得る。Hetが5員環式複素環である本発明の化合物の具体例には以下のものが含まれる。
【0020】
Hetが一般式(Het−1)
【0021】
【化2】

の複素環を表す(式中、R及びRは、同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC1−C−ハロゲノアルキルであり得;
はハロゲン原子、ニトロ基、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0022】
Hetが一般式(Het−2)
【0023】
【化3】

の複素環を表す(式中、Rは、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
10及びR11は、同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;ただし、R及びR11は両方ともが水素原子であることはない。)。
【0024】
Hetが一般式(Het−3)
【0025】
【化4】

の複素環を表す(式中、
12は、ハロゲン原子、C−Cアルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
13は、水素原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0026】
Hetが一般式(Het−4)
【0027】
【化5】

の複素環を表す(式中、R14及びR15は同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキルスルホニル、ハロゲン原子又はC−C−アルキルにより場合によっては置換されているフェニル、又は、ハロゲン原子又はC−C−アルキルにより場合によっては置換されているピリジルであり得;
16は、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシであり得る。)。
【0028】
Hetが一般式(Het−5)
【0029】
【化6】

の複素環を表す(式中、R17及びR18は、同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルキルオキシ、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
19は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;ただし、R18及びR19は両方ともが水素原子であることはない。)。
【0030】
Hetが一般式(Het−6)
【0031】
【化7】

の複素環を表す(式中、R20は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
21及びR23は、同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
22は、水素原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホニル、ジ(C−C−アルキル)アミノスルホニル、C−C−アルキルカルボニル、フェニルスルホニル(このフェニルスルホニルはハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されている。)又はベンゾイル(このベンゾイルはハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されている。)であり得;ただし、R20及びR23は両方ともが水素原子であることはない。)。
【0032】
Hetは一般式(Het−7)
【0033】
【化8】

の複素環を表す(式中、R24は、水素原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルスルホニル、ジ(C−C−アルキル)アミノスルホニル、C−C−アルキルカルボニル、フェニルスルホニル(このフェニルスルホニルはハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されている。)又はベンゾイル(このベンゾイルはハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されている。)であり得;
25、R26及びR27は、同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、又は、C−C−アルキルカルボニルであり得;ただし、R24及びR27は両方とも水素原子であることはない。)。
【0034】
Hetが一般式(Het−8)
【0035】
【化9】

の複素環を表す(式中、R28は、水素原子又はC−C−アルキルであり得;
29は、ハロゲン原子、C−C−アルキル又は1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0036】
Hetが一般式(Het−9)
【0037】
【化10】

の複素環を表す(式中、R30は、水素原子又はC−C−アルキルであり得;
31は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、又は、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されているフェニルであり得る。)。
【0038】
Hetが一般式(Het−10)
【0039】
【化11】

の複素環を表す(式中、R32は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、又は、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されているフェニルであり得;
33は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0040】
Hetが一般式(Het−11)
【0041】
【化12】

の複素環を表す(式中、R34は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、C−C−アルキルアミノ、ジ−(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
35は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0042】
Hetが一般式(Het−12)
【0043】
【化13】

の複素環を表す(式中、R36は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル基、又は、アミノカルボニル−C−C−アルキルであり得;
37は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ又はC−C−アルキルチオであり得;
38は、水素原子、フェニル、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ−C−C−アルキルであり得る。)。
【0044】
Hetが一般式(Het−13)
【0045】
【化14】

の複素環を表す(式中、R39は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル又はアミノカルボニル−C−C−アルキルであり得;
40は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ又はC−C−アルキルチオであり得;
41は、水素原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ−C−C−アルキル、又は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシアルキルもしくはニトロ基により場合によっては置換されているフェニルであり得;ただし、R39及びR40は両方とも水素原子であることはない。)。
【0046】
Hetが一般式(Het−14)
【0047】
【化15】

の複素環を表す(式中、R42は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、アミノカルボニル又はアミノカルボニル−C−C−アルキルであり得;
43は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
44は、水素原子、フェニル、ベンジル、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、ヒドロキシ−C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルチオ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ−C−C−アルキルであり得;ただし、R43及びR44が両方ともが水素原子であることはない。)。
【0048】
Hetが一般式(Het−15)
【0049】
【化16】

の複素環を表す(式中、R45は、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
46は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0050】
Hetが一般式(Het−16)
【0051】
【化17】

の複素環を表す(式中、R47及びR48は、同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されているフェニル、又は、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されている複素環であり得;ただし、R47及びR48は両方ともが水素原子であることはない。)。
【0052】
Hetが一般式(Het−17)
【0053】
【化18】

の複素環を表す(式中、R49は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
50は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0054】
Hetが一般式(Het−18)
【0055】
【化19】

の複素環を表す(式中、R51は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0056】
Hetが一般式(Het−19)
【0057】
【化20】

の複素環を表す(式中、R52は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
53は、水素原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、又は、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されているフェニルであり得る。)。
【0058】
Hetが一般式(Het−20)
【0059】
【化21】

の複素環を表す(式中、R54は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0060】
本発明によると、一般式(I)の化合物の「Het」は、6員環式複素環であり得る。Hetが6員環式複素環である本発明の化合物の具体例には、以下のものが含まれる。
【0061】
Hetが一般式(Het−21)
【0062】
【化22】

の複素環を表す(式中、R55は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシであり得;
56、R57及びR58は、同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルフィニル、又は、C−C−アルキルスルホニルであり得る。)。
【0063】
Hetが一般式(Het−22)
【0064】
【化23】

の複素環を表す(式中、R59は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルケニルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されているフェニルオキシ、又は、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されているフェニルチオであり得;
60、R61及びR62は、同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、又は、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されているN−モルホリン、又は、ハロゲン原子もしくはC−C−アルキルにより場合によっては置換されているチエニルであり得;ただしR59及びR62は両方ともが水素原子であることはない。)。
【0065】
Hetが一般式(Het−23)
【0066】
【化24】

の複素環を表す(式中、R63、R64、R65及びR66は、同じであり得又は異なり得、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルフィニル、又は、C−C−アルキルスルホニルであり得;ただしR63及びR66は両方ともが水素原子であることはない。)。
【0067】
Hetが一般式(Het−24)
【0068】
【化25】

の複素環を表す(式中、R67は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
68は、水素原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシカルボニル、1から3個のハロゲン原子により場合によっては置換されているベンジル、1から3個のハロゲン原子により場合によっては置換されているベンジルオキシカルボニル、又は、複素環式であり得る。)。
【0069】
Hetが一般式(Het−25)
【0070】
【化26】

の複素環を表す(式中、R69は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルチオ、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシであり得;
70は、水素原子、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、又は、ベンジルであり得る。)。
【0071】
Hetが一般式(Het−26)
【0072】
【化27】

の複素環を表す(式中、Xは、硫黄原子、−SO−、−SO−又は−CH−であり得;
71は、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得;
72及びR73は、同じであり得又は異なり得、水素原子又はC−C−アルキルであり得る。)。
【0073】
Hetが一般式(Het−27)
【0074】
【化28】

の複素環を表す(式中、R74は、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。);
Hetが一般式(Het−28)
【0075】
【化29】

の複素環を表す(式中、R75は、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0076】
Hetが一般式(Het−29)
【0077】
【化30】

の複素環を表す(式中、R76は、ハロゲン原子、C−C−アルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルであり得る。)。
【0078】
本発明はまた、一般式(I)の化合物の調製のための方法にも関する。このように、本発明のさらなる態様に従い、触媒存在下で、及び、Lがヒドロキシル基である場合は縮合剤の存在下で、一般式(II)のピリジン−2−イルメチル誘導体又はその塩の1つ
【0079】
【化31】

(式中、X、n、R、R、R及びAは上記で定義のとおりである。)を、一般式(III)
【0080】
【化32】

(式中、Y及びpは上記で定義のとおりであり、
は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−ORa、−OCORa(Raは、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル、ペンタフルオロフェニル又は式:
【0081】
【化33】

の基である。)であるように選択される離脱基である。)のカルボン酸誘導体と反応させることを含む、上記で定義されるとおりの一般式(I)の化合物の調製のための方法が提供される。
【0082】
本発明による方法は、触媒存在下で行なわれる。適切な触媒は4−ジメチル−アミノピリジン、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール又はジメチルホルムアミドであるように選択され得る。
【0083】
がヒドロキシ基である場合、本発明による方法は、縮合剤の存在下で行なわれる。適切な縮合剤は、酸ハロゲン化物形成剤、例えばホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、三塩化酸化リン又は塩化チオニルなど;無水物形成剤、例えばクロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル又は塩化メタンスルホニルなど;カルボジイミド、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又はその他の通常の縮合剤、例えば五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボニル−ジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/テトラクロロメタン、4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル−4−メチルモルホリニウムクロリド水和物又はブロモ−トリピロリジノ−ホスホニウム−ヘキサフルオロホスフェートなどであるように、選択され得る。
【0084】
本発明による化合物は上述の調製の一般的方法に従い調製され得る。そうではあるが、当業者の一般的知識及び利用可能な刊行物に基づき、当業者は、合成することが所望される各化合物の詳細に従い、この方法を適応させることができることを理解されたい。
【0085】
この一般的知識及び利用可能な刊行物に基づき、当業者はまた、本発明による式(II)の中間体化合物を調製することもできる。
【0086】
本発明はまた、一般式(I)の活性物質の有効量を含む防かび組成物にも関する。このように、本発明によると、活性成分として上記で定義のとおりの一般式(I)の化合物の有効量と及び農業において許容可能な補助剤、担体又は充填剤とを含む防かび組成物が提供される。
【0087】
本明細書において、「補助剤」という用語は、特に植物の部分への散布を容易にするために活性物質が組み合わせられる、天然又は合成の有機又は無機物質を示す。従って、この補助剤は一般には不活性であり、農学的に許容可能なものであるべきである。この補助剤は固体又は液体であり得る。適切な補助剤の例には、クレー、天然又は合成ケイ酸塩、シリカ、樹脂、ワックス、固形肥料、水、アルコール、特にブタノール、有機溶媒、鉱油及び植物油及びこれらの誘導体が含まれる。このような補助剤の混合物も用い得る。
【0088】
この組成物はさらなる成分も含み得る。特に、この組成物は界面活性剤をさらに含み得る。この界面活性剤は、イオン性又は非イオン性型の、乳化剤、分散剤又は湿潤剤又はこのような界面活性剤の混合物であり得る。例えば、ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩又はナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪族アルコール又は脂肪酸又は脂肪族アミンとの重縮合物、置換フェノール(特にアルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特にアルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコール又はフェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル及び、硫酸塩、スルホン酸塩及びリン酸塩官能基を含有する上記化合物の誘導体を挙げ得る。活性物質及び/又は不活性補助剤が水に不溶性である場合、及び散布用のベクター剤が水である場合、少なくとも1種類の界面活性剤が存在することが通常は必須である。好ましくは、界面活性剤含量は、組成物の5重量%から40重量%含まれ得る。
【0089】
場合によっては、さらなる成分、例えば、保護コロイド、接着剤、濃厚剤、チキソトロープ剤、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤も含まれ得る。より一般的には、活性物質は、通常の処方技術に適合するあらゆる固体又は液体添加物と組み合わせることができる。
【0090】
一般に、本発明による組成物は、活性物質0.05から99%(重量)、好ましくは、10から70重量%を含み得る。
【0091】
本発明による組成物は様々な形態、例えば、エアロゾルディスペンサー、カプセル懸濁液、冷噴霧濃厚剤、散布用粉剤、乳化可能濃厚剤、水中油乳剤、油中水乳剤、封入顆粒、細粒、種子処理用流動性濃厚剤、ガス(加圧下)、ガス発生製品、顆粒、温噴霧濃厚剤、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉末、油混和性流動性濃厚剤、油混和性液剤、ペースト、植物用棒状剤、乾燥種子処理用の粉末、農薬被覆種子、可溶性濃厚剤、可溶性粉剤、種子処理用溶液、懸濁剤(流動性剤)、極小量(ulv)液、極小量(ulv)懸濁液、顆粒又は錠剤水和剤、スラリー処理用の粉末水和剤、水溶性顆粒又は錠剤、種子処理用の水溶性粉末及び水和性粉剤で用いることができる。
【0092】
これらの組成物には、処理すべき植物又は種子に適切な装置、例えば、噴霧又は散布装置によって即時適用可能である組成物だけではなく、作物への散布前に希釈しなければならない濃縮された市販組成物も含まれる。
【0093】
本発明の化合物は、1以上の殺虫剤、防かび剤、殺菌剤、誘因性ダニ駆除剤又はフェロモン又は生物学的活性を有する他の化合物と混合することもできる。このようにして得られた混合物の活性スペクトルは拡大している。他の防かび剤との混合物が特に有利である。適切な防かび剤混合パートナーの例は以下のリストで選択し得る:
1)核酸合成を阻害することが可能な化合物、例えば、ベナラキシル、ベナラキシル−M、ブピリメート、クロジラコン、ジメチリモール、エチリモール、フララキシル、ヒメキサゾール、メフェノキサム、メタラキシル、メタラキシル−M、オフレース、オキサジキシル、オキソリン酸など;
2)有糸分裂及び細胞分裂を阻害することが可能な化合物、例えば、ベノミル、カルベンダジム、ジエトフェンカルブ、エタボキサム、フベリダゾール、ペンシクロン、チアベンダゾール、チオファネート−メチル、ゾキサミドなど;
3)呼吸を阻害し得る化合物、例えば、CI−呼吸阻害剤として、例えば、ジフルメトリムなど;
CII−呼吸阻害剤として、例えば、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルトラニル、フラメトピル、フルメシクロクス、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミドなど;
CIII−呼吸阻害剤として、例えば、アミスルブロム、アゾキシストロビン、シアゾファミド、ジモキシストロビン、エネストロビン、ファモキサドン、フェナミドン、フルオキサストロビン、クレソキシム−メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビンなど;
4)脱共役剤として作用することが可能な化合物、例えば、ジノキャプ、フルアジナム、メチルジノキャプ;
5)ATP産生を阻害することが可能な化合物、例えば、酢酸フェンチン、塩化フェンチン、水酸化フェンチン、シルチオファム;
6)AA及びタンパク生合成を阻害することが可能な化合物、例えば、アンドプリム、ブラスチシジン−S、シプロジニル、カスガマイシン、塩酸カスガマイシン水和物、メパニピリム、ピリメタニル;
7)シグナル伝達を阻害することが可能な化合物、例えば、フェンピクロニル、フルジオキソニル、キノキシフェン;
8)脂質及び膜合成を阻害することが可能な化合物、例えば、ビフェニル、クロゾリネート、エジヘンホス、エトリジアゾール、ヨードカルブ、イプロベンフォス、イプロジオン、イソプロチオラン、プロシミドン、プロパモカルブ、塩酸プロパモカルブ、ピラゾホス、トルクロフォス−メチル、ビンクロゾリン;
9)エルゴステロール生合成を阻害することが可能な化合物、例えば、アルジモルフ、アザコナゾール、ビタータノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジクロブトラゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンヘキサミド、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルキンコナゾール、フルルプリミドール、フルシラゾール、フルトリアフォール、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、ヘキサコナゾール、イマザリル、硫酸イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ナフチフィン、ヌアリモール、オキソポコナゾール、パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、ピリブチカルブ、ピリフェノクス、シメコナゾール、スピロキサミン、テブコナゾール、テルビナフィン、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ビニコナゾール、ボリコナゾール;
10)細胞壁合成を阻害することが可能な化合物、例えば、ベンチアバリカルブ、ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、マンジプロパミド、ポリオキシンス、ポリオキソリム、バリダマイシンA;
11)メラニン生合成を阻害することが可能な化合物、例えば、カルプロパミド、ジクロシメト、フェノキサニル、フタリド、ピロキロン、トリシクラゾール;
12)宿主の防御を誘導し得る化合物、例えば、アシベンゾラル−S−メチル、プロベナゾール、チアジニル;
13)多部位に作用し得る化合物、例えば、ボルドー液、カプタフォール、カプタン、クロロタロニル、ナフテン酸銅、酸化銅、オキシ塩化銅、銅調製品、例えば水酸化銅、硫酸銅など、ジクロフルアニド、ジチアノン、ドジン、ドジン遊離塩基、フェルバム、フルオロホルペット、ホルペット、グアザチン、酢酸グアザチン、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、マンカッパー、マンコゼブ、マネブ、メチラム、メチラム亜鉛、オキシン−銅、プロピネブ、イオウ及びイオウ調製品(カルシウムポリスルフィドを含む。)、チラム、トリルフルアニド、ジネブ、ジラム;
14)次のリストにおいて選択される化合物:(2E)−2−(2−{[6−(3−クロロ−2−メチルフェノキシ)−5−フルオロピリミジン−4−イル]オキシ}フェニル)−2−(メトキシイミノ)−N−メチルアセトアミド、(2E)−2−{2−[({[(1E)−1−(3−{[(E)−1−フルオロ−2−フェニルビニル]オキシ}フェニル)エチリデン]アミノ}オキシ)メチル]フェニル}−2−(メトキシイミノ)−N−メチルアセトアミド、1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル−1H−イミダゾール−1−カルボキシレート、1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−4H−クロメン−4−オン、2−クロロ−N−(1,1,3−トリメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−4−イル)ニコチンアミド、2−フェニルフェノール及び塩、3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−N−[2−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9R)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[(9S)−9−イソプロピル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1,4−メタノナフタレン−5−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3−(ジフルオロメチル)−N−[4’−(3,3−ジメチルブト−1−イン−1−イル)ビフェニル−2−イル]−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、3,4,5−トリクロロピリジン−2,6−ジカルボニトリル、3−[5−(4−クロロフェニル)−2,3−ジメチルイソオキサゾリジン−3−イル]ピリジン、3−クロロ−5−(4−クロロフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェニル)−6−メチルピリダジン、4−(4−クロロフェニル)−5−(2,6−ジフルオロフェニル)−3,6−ジメチルピリダジン、5−クロロ−7−(4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(2,4,6−トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、8−ヒドロキシキノリン硫酸塩、ベンチアゾール、ベトキサジン、カプシマイシン、カルボン、チノメチオナート、クフラネブ、シフルフェナミド、シモキサニル、ダゾメト、デバカルブ、ジクロロフェン、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェンゾクアト、ジフェンゾクアトメチル硫酸塩、ジフェニルアミン、エコメート、フェリムゾン、フルメトバー、フルオピコリド、フルオロイミド、フルスルファミド、フォセチル−アルミニウム、フォセチル−カルシウム、フォセチル−ナトリウム、ヘキサクロロベンゼン、イルママイシン、イソチアニル、メタスルホカルブ、メチル(2E)−2−{2−[({シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル}チオ)メチル]フェニル}−3−メトキシアクリレート、メチル1−(2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート、メチルイソチオシアネート、メトラフェノン、ミルジオマイシン、N−(3’,4’−ジクロロ−5−フルオロビフェニル−2−イル)−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−(3−エチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル)−3−(ホルミルアミノ)−2−ヒドロキシベンズアミド、N−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−エチル−4−メチルベンゼンスルホンアミド、N−(4−クロロベンジル)−3−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N−[(4−クロロフェニル)(シアノ)メチル]−3−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イン−1−イルオキシ)フェニル]プロパンアミド、N−[(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)メチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、N−[1-(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2,4−ジクロロニコチンアミド、N−[1−(5−ブロモ−3−クロロピリジン−2−イル)エチル]−2−フルオロ−4−ヨードニコチンアミド、N−[2−(1,3−ジメチルブチル)フェニル]−5−フルオロ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−{(Z)−[(シクロプロピルメトキシ)イミノ][6−(ジフルオロメトキシ)−2,3−ジフルオロフェニル]メチル}−2−フェニルアセトアミド、N−{2−[1,1’−ビ(シクロプロピル)−2−イル]フェニル}−3−(ジフルオロメチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]エチル}−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、ナタマイシン、N−エチル−N−メチル−N’−{2−メチル−5−(トリフルオロメチル)−4−[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}イミドホルムアミド、N−エチル−N−メチル−N’−{2−メチル−5−(ジフルオロメチル)−4−[3−(トリメチルシリル)プロポキシ]フェニル}イミドホルムアミド、ニッケルジメチルジチオカルバメート、ニトロタール−イソプロピル、O−{1−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−2,2−ジメチルプロピル}1H−イミダゾール−1−カルボチオエート、オクチリノン、オキサモカルブ、オキシフェンチン、ペンタクロロフェノール及び塩、リン酸及びその塩、ピペラリン、プロパモカルブ フォセチレート、プロパノシン−ナトリウム、プロキナジド、ピリベンカルブ、ピロルニトリン、キントゼン、S−アリル−5−アミノ−2−イソプロピル−4−(2−メチルフェニル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピラゾール−1−カルボチオエート、テクロフタラム、テクナゼン、トリアゾキシド、トリクラミド、バリフェナル、ザリラミド。
【0094】
式(I)の化合物と殺菌剤化合物との混合物を含む本発明による組成物も特に有利であり得る。適切な殺菌剤混合パートナーの例は以下のリストにおいて選択することができる:ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ニッケルジメチルジチオカルバメート、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及びその他の銅調製品。
【0095】
本発明の防かび組成物は、作物の植物病原性真菌を治療的に又は予防的に防除するために使用することができる。従って、本発明のさらなる態様によると、作物の植物病原性真菌を治療的又は予防的に防除するための方法が提供されるが、この方法は、本明細書中で前に定義されるとおりの防かび組成物を、種子、植物及び/又は植物の果実又は、植物が成長しているもしくは成長することが望まれる土壌に散布することを特徴とする。
【0096】
作物の植物病原性真菌に対して用いられる組成物は、一般式(I)の活性物質の有効であり及び植物非毒性である量を含む。
【0097】
「有効であり及び植物非毒性である量」という表現は、作物中に存在し又は出現しやすい真菌を防除する又は破壊するのに十分であり、該作物に対する植物毒性のいかなる感知し得る症状をも生じることのない、本発明による組成物の量を意味する。このような量は、防除すべき真菌、作物のタイプ、気候条件及び本発明による防かび組成物中に含まれる化合物に依存して広い範囲に変化し得る。
【0098】
この量は体系的な現場試験によって決定することができ、この決定は当業者の能力の範囲内である。
【0099】
本発明による処理方法は、繁殖物質、例えば、塊茎又は根茎の処理に有用であるが、種子、苗木又は移植苗木及び植物又は移植植物にも有用である。この処理方法は根の処理にも有用であり得る。本発明による処理方法は、植物の地上部分、例えば、関与している植物の幹、茎又は葉柄、葉、花及び果実の処理にも有用であり得る。
【0100】
本発明による方法によって保護することができる植物のうち、綿花;亜麻;蔓植物;果実又は野菜作物、例えば、バラ科の種(Rosaceae sp.)(例えば、種果実、例えばリンゴ及びナシなど、ならびに、石果、例えばアンズ、アーモンド及び桃など)、リベシオイデ科の種(Ribesioidae sp.)、クルミ科の種(Juglandaceae sp.)、カバノキ科の種(Betulaceae sp.)、ウルシ科の種(Anacardiaceae sp.)、ブナ科の種(Fagaceae sp.)、クワ科の種(Moraceae sp.)、モクセイ科の種(Oleaceae sp.)、マタタビ科の種(Actinidaceae sp.)、クスノキ科の種(Lauraceae sp.)、バショウ科の種(Musaceae sp.)(例えば、バナナ樹及びプランタン)、アカネ科の種(Rubiaceae sp.)、ツバキ科の種(Theaceae sp.)、アオギリ科の種(Sterculiceae sp.)、ミカン科の種(Rutaceae sp.)(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);ナス科の種(Solanaceae sp.)(例えばトマト)、ユリ科の種(Liliaceae sp.)、キク科の種(Asteraceae sp.)(例えばレタス)、セリ科の種(Umbelliferae sp.)、アブラナ科の種(Cruciferae sp.)、アカザ科の種(Chenopodiaceae sp.)、ウリ科の種(Cucurbitaceae sp.)、マメ科コチョウ亜科の種(Papilionaceae sp.)(例えばエンドウマメ)、バラ科の種(Rosaceae sp.)(例えばイチゴ);主要作物、例えば、イネ科の種(Graminae sp.)(例えばトウモロコシ、芝又は穀類、例えば、コムギ、コメ、オオムギ及びライムギなど)、キク科の種(Asteraceae sp.)(例えばヒマワリ)、アブラナ科の種(Cruciferae sp.)(例えばナタネ)、マメ科の種(Fabacae sp.)(例えばピーナッツ)、マメ科コチョウ亜科の種(Papilionaceae sp.)(例えばダイズ)、ナス科の種(Solanaceae sp.)(例えばジャガイモ)、アカザ科の種(Chenopodiaceae sp.)((例えば、ビート根);園芸及び森林作物;ならびにこれらの作物の遺伝子組み換えホモログを挙げることができる。
【0101】
本発明による方法によって防除できる植物又は作物の疾患のうち、以下を挙げることができる:
うどん粉病:
例えばブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)によって引き起こされるブルメリア病;例えばポドスフェラ・ロイコトリカ(Podosphaera leucotricha)によって引き起こされるポドスフェラ病;例えばスフェロテカ・フリギネ(Sphaerotheca fuliginea)によって引き起こされるスフェロテカ病;例えばウンシヌラ・ネカター(Uncinula necator)によって引き起こされるウンシヌラ病など;
サビ病:
例えばギムノスポランギウム・サビネ(Gymnosporangium sabinae)によって引き起こされるギムノスポランギウム病;
例えばヘミレイア・バスタトリックス(Hemileia vastatrix)によって引き起こされるヘミレイア病;
例えばファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)又はファコプソラ・メイボミエ(Phakopsora meibomiae)によって引き起こされるファコプソラ病;
例えばプクシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)によって引き起こされる、プクシニア病;
例えばウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)によって引き起こされる、ウロミセス病など;
卵菌病:
例えばブレミア・ラクツセ(Bremia lactucae)によって引き起こされるブレミア病;
例えばペロノスポラ・ピシ(Peronospora pisi)又はP.ブラシケ(P.brassicae)によって引き起こされるペロノスポラ病;
例えばフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)によって引き起こされるフィトフトラ病;
例えばプラスモパラ・ビチコラ(Plasmopara viticola)によって引き起こされるプラスモパラ病;
例えばシュードペロノスポラ・フムリ(Pseudoperonospora humuli)又はシュードペロノスポラ・クベンシス(Pseudoperonospora cubensis)によって引き起こされるシュードペロノスポラ病;
例えばピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)によって引き起こされるピチウム病など;
斑点病、褐斑病及び黒葉枯病:
例えばアルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)によって引き起こされるアルテルナリア病;
例えばセルコスポラ・ベチコラ(Cercospora beticola)によって引き起こされるセルコスポラ病;
例えばクラジオスポリウム・ククメリヌム(Cladiosporium cucumerinum)によって引き起こされるクラジオスポラム病;
例えばコクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)によって引き起こされるコクリオボルス病;
例えばコレトトリクム・リンデムタニウム(Colletotrichum lindemuthanium)によって引き起こされるコレトトリクム病;
例えばシクロコニウム・オレギヌム(Cycloconium oleaginum)によって引き起こされるシクロコニウム病;
例えばジアポルテ・シトリ(Diaporthe citri)によって引き起こされるジアポルテ病;
例えば、エルシノエ・ファウセチイ(Elsinoe fawcettii)によって引き起こされるエルシノエ病;
例えばグロエオスポリウム・レチコロル(Gloeosporium laeticolor)によって引き起こされるグロエオスポリウム病;
例えばグロメレラ・シングラタ(Glomerella cingulata)によって引き起こされるグロメレラ病;
例えばギグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwelli)によって引き起こされるギグナルジア病;
例えばレプトスフェリア・マクランス(Leptosphaeria maculans);レプトスフェリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)によって引き起こされるレプトスフェリア病;
例えば、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)によって引き起こされるマグナポルテ病;
例えばミコスフェレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola);ミコスフェレラ・アラキジコラ(Mycosphaerella arachidicola);ミコスフェレラ・フィジエンシス(Mycosphaerella fijiensis)によって引き起こされるミコスフェレラ病;
例えばフェオスフェリア・ノドルム(Phaeosphaeria nodorum)によって引き起こされるフェオスフェリア病;
例えばピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)によって引き起こされるピレノホラ病;
例えばラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo−cygni)によって引き起こされるラムラリア病;
例えばリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)によって引き起こされるリンコスポリウム病;
例えばセプトリア・アピイ(Septoria apii)又はセプトリア・リコペルシシ(Septoria lycopercisi)によって引き起こされるセプトリア病;
例えばチフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)によって引き起こされるチフラ病;
例えばベンツリア・イネカリス(Venturia inaequalis)によって引き起こされるベンツリア病;
根及び茎の病気:
例えばコルチシウム・グラミネアルム(Corticium graminearum)によって引き起こされるコルチシウム病;
例えばフサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)によって引き起こされるフサリウム病;
例えばゲウマンノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)によって引き起こされるゲウマンノミセス病;
例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)によって引き起こされるリゾクトニア病;
例えばタペシア・アクホルミス(Tapesia acuformis)によって引き起こされるタペシア病;
例えばチエラビプシス・バシコラ(Thielaviopsis basicola)によって引き起こされるチエラビプシス病;
穂及び円錐花序の病気:
例えばアルテルナリア属(Alternaria spp.)によって引き起こされる、アルテルナリア病;
例えばアスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)によって引き起こされるアスペルギルス病;
例えばクラドスポリウム属(Cladosporium spp.)によって引き起こされるクラドスポリウム病;
例えばクラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)によって引き起こされるクラビセプス病;
例えばフサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)によって引き起こされるフサリウム病;
例えばギベレラ・ゼエ(Gibberella zeae)によって引き起こされるギベレラ病;
例えばモノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)によって引き起こされるモノグラフェラ病など;
黒穂病(Smut and bunt diseases):
例えばスファセロテカ・レイリアナ(Sphacelotheca reiliana)によって引き起こされるスファセロテカ病;
例えばチレチア・カリエス(Tilletia caries)によって引き起こされるチレチア病;
例えばウロシスチス・オクルタ(Urocystis occulta)によって引き起こされるウロシスチス病;
例えばウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)によって引き起こされるウスチラゴ病など;
果実腐敗及びかびの病気:
例えばアスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)によって引き起こされるアスペルギルス病;
例えばボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)によって引き起こされる、ボトリチス病;
例えばペニシリウム・エクスパンスム(Penicillium expansum)によって引き起こされるペニシリウム病;
例えばスクレロチニア・スクレロチオルム(Sclerotinia sclerotiorum)によって引き起こされるスクレロチニア病;
例えばベルチシリウム・アルボアトルム(Verticilium alboatrum)によって引き起こされるベルチシリウム病;
種子及び土壌腐敗(decay)、カビ、萎凋病(wilt)、腐敗及び立ち枯れ病(damping−off disease):
例えばアルテルナリア・ブラシキコラ(Alternaria brassicicola)によって引き起こされるアルテルナリア病;
例えばアファノミセス・ユーテイケス(Aphanomyces euteiches)によって引き起こされるアファノミセス病;
例えばアスコチタ・レンチス(Ascochyta lentis)によって引き起こされるアスコチタ病;
例えばアスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)によって引き起こされるアスペルギルス病;
例えばクラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)によって引き起こされるクラドスポリウム病;
例えばコクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)分生子形態:ドレックスレラ(Drechslera)、ビオポラリス(Biopolaris 異名):ヘルミントスポリウム(Helminthosporium))によって引き起こされるコクリオボルス病;
例えばコレトトリクム・コッコデス(Colletotrichum coccodes)によって引き起こされるコレトトリクム病;
例えばフサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)によって引き起こされるフサリウム病;
例えばギベレラ・ゼエ(Gibberella zeae)によって引き起こされるギベレラ病;
例えばマクロフォミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)によって引き起こされるマクロフォミナ病;
例えばモノグラフェラ・ニバリス(Monographella nivalis)によって引き起こされるモノグラフェラ病;
例えばペニシリウム・エクスパンスム(Penicillium expansum)によって引き起こされるペニシリウム病;
例えばフォマ・リンガム(Phoma lingam)によって引き起こされるフォマ病;
例えばフォモプシス・ソジェ(Phomopsis sojae)によって引き起こされるフォモプシス病;
例えばフィトフトラ・カクトルム(Phytophthora cactorum)によって引き起こされるフィトフトラ病;
例えばピレノフォラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)によって引き起こされるピレノフォラ病;
例えばピリクラリア・オリゼ(Pyricularia oryzae)によって引き起こされるピリクラリア病;
例えばピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)によって引き起こされるピチウム病;
例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)によって引き起こされるリゾクトニア病;
例えばリゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)によって引き起こされるリゾプス病;
例えばスクレロチウム・ロルフシイ(Sclerotium rolfsii)によって引き起こされるスクレロチウム病;
例えばセプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)によって引き起こされるセプトリア病;
例えばチフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)によって引き起こされるチフラ病;
例えばベルチシリウム・ダリエ(Verticillium dahliae)によって引き起こされるベルチシリウム病;
潰瘍病、てんぐ巣病及び枝枯れ病:
例えばネクトリア・ガリゲナ(Nectria galligena)によって引き起こされるネクトリア病;
胴枯れ病:
例えばモニリニア・ラキサ(Monilinia laxa)によって引き起こされるモニリニア病;
葉ぶくれ病又は葉巻病:
例えばタフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans)によって引き起こされるタフリナ病;
木質植物の衰退病(decline disease):
例えばフェモニエラ・クラミドスポラ(Phaemoniella clamydospora)によって引き起こされるエスカ病;
花及び種子の病気:
例えばボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)によって引き起こされるボトリチス病など;
塊茎の病気:
例えばリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)によって引き起こされるリゾクトニア病;
ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)によって引き起こされるヘルミントスポリウム病。
【0102】
本発明による防かび組成物は木材上又はその内部で増殖しやすい真菌病に対して使用することもできる。「木材」という用語は、木の種の全てのタイプ及びこの木材の建築用の加工品の全てのタイプ、例えば、無垢材、高密度木材、合板及びベニヤ板を意味する。本発明による木材の処理方のための方法は、主として、1以上の本発明の化合物又は本発明による組成物を接触させることからなり、これには、例えば、直接散布、噴霧、浸漬、注入又はあらゆるその他の適切な手段が含まれる。
【0103】
本発明による処理において通常散布される活性物質の用量は、一般に及び有利に、葉の処理における散布に対して10から800g/ha、好ましくは50から300g/haである。散布される活性物質の用量は、一般に及び有利に、種子処理の場合、種子100kgあたり2から200g、好ましくは種子100kgあたり3から150gである。上記で示される用量は本発明の例示として示されることを明確に理解されたい。当業者は、処理すべき作物の性質に従い、散布量をどのように適合させるかを知っている。
【0104】
本発明による防かび組成物は、本発明による化合物又は本発明による農芸化学的組成物での遺伝子組み換え生物の処理においても使用し得る。遺伝子組み換え植物は、そのゲノム内に関心のあるタンパク質をコードする異種遺伝子が安定に組み込まれている植物である。「関心のあるタンパク質をコードする異種遺伝子」という表現は、新規の農学的特性を有する形質転換植物をもたらす遺伝子又は形質転換植物の農学的品質を向上させるための遺伝子を必須として意味する。
【0105】
本発明による組成物は、ヒト及び動物の真菌性疾患、例えば、真菌症、皮膚病、白癬菌病及びカンジダ症又はアスペルギルス属種(Aspergillus spp.)(例えば、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus))によって引き起こされる疾患の治療的又は予防的処置に有用な組成物の調製にも使用され得る。
【0106】
ここで、次の化合物の表及び実施例を参照して本発明の態様を説明する。次の表は本発明による防かび化合物の例を非限定的に示す。次の実施例において、M+1(又はM−1)は、それぞれ、質量分析において観察した場合の分子イオンピーク+又は−1a.m.u.(原子質量単位)を意味し、M(ApcI+)は、質量分析において陽性大気圧化学イオン化法(positive atmospheric pressure chemical ionisation)によって測定した場合の分子イオンピークを意味する。
【実施例】
【0107】
【表1】



【0108】
一般式(I)の化合物の調製のためのプロセスの例
【0109】
(実施例1)
N−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メトキシ}−3−メチルチオフェン−2−カルボキサミド(化合物C−1)の調製
2−[(アミノオキシ)メチル]−3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン150mg(0.00066モル)、3−メチルチオフェン−2−カルボン酸81mg(0.00046モル)及び4−(4,6−ジメトキシ[1.3.5]トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド水和物201mg(0.00073モル)をメタノール2mL中で室温にて3時間撹拌する。
【0110】
溶媒の濃縮後、反応混合物に酢酸エチル(5mL)を添加し、この反応混合物を塩化水素の1M水溶液(5mL)及び次いで重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(5mL)で洗浄する。
【0111】
分離後、有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固し、シリカ上で精製して、N−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メトキシ}−3−メチルチオフェン−2−カルボキサミド90mg(39%)を得る。質量スペクトル:[M+1]=351。
【0112】
一般式(I)の化合物の生物活性の例
【0113】
(実施例A)
アルテルナリア・ブラシケ(Alternaria brassicae)(アブラナ科植物の斑点病)におけるインビボ試験
アセトン/Tween/DMSOの混合液中で均質化することにより、試験する活性成分を、調製し、次いで水で希釈して所望の活性物質濃度を得る。
【0114】
ダイコン(Pernot品種)を、ポット育苗箱中の50/50泥炭土−ポゾラン担体に播種し、18−20℃で生育させ、上述のように調製した活性成分を噴霧することによって子葉期に処理する。
【0115】
活性物質不含のアセトン/Tween/DMSO/水の混合液で、対照として使用する植物を処理する。
【0116】
24時間後、アルテルナリア・ブラシケ(Alternaria brassicae)胞子の水性懸濁液(40,000個の胞子/mL)を植物に噴霧することによって、この植物を汚染させる。胞子は12から13日間培養したものから回収する。
【0117】
汚染ダイコンを約18℃で湿気のある環境にて6−7日間温置する。
【0118】
汚染から6−7日後に対照植物と比較して評価を行う。
【0119】
これらの条件下で、次の化合物により、330ppmの用量で、良好(少なくとも70%)又は完全な防御が観察される:A−2及びC−1。
【0120】
(実施例B)
ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(灰色かび病)におけるインビボ試験
アセトン/Tween/DMSOの混合液中で均質化することにより、試験する活性成分を、調製し、次いで水で希釈して、所望の活性物質を得る。
【0121】
ニシインドコキュウリ(Vert petit de Paris品種)を、ポット育苗箱中の50/50泥炭土−ポゾラン担体に播種し、18−20℃で生育させ、上述のように調製した活性成分を噴霧することにより、子葉Z11期に処理する。
【0122】
活性物質不含のアセトン/Tween/DMSO/水の混合液で、対照として使用する植物を処理する。
【0123】
24時間後、葉の上表面にボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)胞子の水性懸濁液(150,000個の胞子/mL)の液滴を付着させることにより、植物を汚染させる。胞子は、15日間培養したものから回収され、次のものからなる栄養溶液中で懸濁される:
−ゼラチン20g/L
−甘藷糖50g/L
−NHNO 2g/L
−KHPO 1g/L。
【0124】
汚染したキュウリを15−11℃(昼/夜)及び80%相対湿度の人工気象室に5/7日間置く。
【0125】
汚染から5−7日後に対照植物と比較して評価を行う。
【0126】
これらの条件下で、次の化合物により、330ppmの用量で、良好(少なくとも70%)又は完全な防御が観察される:B−1及びC−1。
【0127】
(実施例C)
ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)(オオムギ網斑病)におけるインビボ試験
アセトン/tween/DMSOの混合液中で均質化することにより、試験する活性成分を、調製し、次いで水で希釈して、所望の活性物質濃度を得る。
【0128】
オオムギ(Express品種)を、ポット育苗箱中の50/50泥炭土-ポゾラン担体上に播種し、12℃で生育させ、上述のように調製した活性成分を噴霧することにより、一葉期(高さ10cm)に処理する。活性物質不含のアセトン/tween/DMSO/水の混合液で、対照として使用する植物を処理する。
【0129】
24時間後、ピレノホラ・テレス(Pyrenophora teres)胞子の水性懸濁液(12,000個の胞子/mL)を植物に噴霧することによって、この植物を汚染させる。胞子は12日間培養したものから回収される。汚染オオムギを約20℃、100%相対湿度で24時間、次いで80%相対湿度で12日間温置する。
【0130】
汚染から12日後に対照植物と比較して評価を行う。
【0131】
これらの条件下で、次の化合物により、330ppmの用量で、良好(少なくとも70%)又は完全な防御が観察される:C−1。
【0132】
(実施例D)
アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)上での細胞試験
不可視光線下で20℃でPDA培養液において14日間、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)を生育させる。脱塩水1L中でPDA(Merck)39グラムを混合することにより、PDA培養液を調製する。
【0133】
121℃で15分間オートクレーブにかけることによりこの培養液を滅菌する。増殖14日後、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)の胞子を滅菌水中で回収し、胞子濃度を10個の胞子/mLに調整する。
【0134】
DMSO中で化合物を溶解し、2ppmの濃度になるように、滅菌液状のグルコース/マイコペプトン(mycopeptone)液(D−グルコース 14.6g/L、微生物用ペプトン(Oxoid)7.1g/L及び酵母抽出液(Merck)1.4g/L)に添加する。10個の胞子/mLの濃度になるようにこの液に胞子懸濁液を接種する。
【0135】
20℃で5日後に、620nmでODを測定することによって、対照と比較して、化合物の有効性を評価する。
【0136】
これらの条件下で、次の化合物により、2ppmの用量で、良好(少なくとも50%)又は完全な防御が観察される:A−1。
【0137】
同様の条件下で、2,6−ジクロロ−N−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メトキシ}ベンズアミド及びN−{[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メトキシ}−2,6−ジフルオロベンズアミドは全く活性を示さなかった。
【0138】
同様の条件下で、3−ヒドロキシ−4−(1H−イミダゾール−1−イル)−N−(2−ピリジン−2−イルエチル)ピリジン−2−カルボキサミドは全く活性を示さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物
【化34】

(式中、
nは、1、2、3又は4であり;
Xは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル−スルホニル、C−C−アルコキシイミノ、(C−C−アルコキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルケニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(C−C−アルキニルオキシイミノ)−C−C−アルキル、(ベンジルオキシイミノ)−C−C−アルキル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル又はフェニルアミノであり;
Aは、酸素原子、NR基、硫黄原子、スルフィニル基、スルホニル基又はSiR基であり;
及びRは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、カルバメート基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルアミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル−スルホニル、ベンジル、ベンジルオキシ、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、ベンジルアミノ、フェノキシ、フェニルスルファニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ又はフェニル基であるように互いに独立に選択され;ただし、R及びRは、両者ともがヒドロキシル基とはならず;
は、水素原子、C−C−アルキル又はC−C−シクロアルキルであり;
及びRは、水素原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルケニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルケニルオキシ、C−C−アルキニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキニルオキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニル、C−C−アルキルカルバモイル、ジ−C−C−アルキルカルバモイル、N−C−C−アルキルオキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルバモイル、N−C−C−アルキル−C−C−アルコキシカルバモイル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ−C−C−アルキルアミノカルボニルオキシ、C−C−アルキルオキシカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル−スルホニル、ベンジル、ベンジルスルファニル、ベンジルスルフィニル、ベンジルスルホニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニルアミノ又はフェニル基であるように互いに独立に選択され;
Hetは、同じであり得る又は異なり得る、1、2又は3個のヘテロ原子を有する5−、6−又は7−員の非縮合複素環を表し、Hetは炭素原子により連結され、Hetは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、スルファニル基、ペンタフルオロ−λ−スルファニル基、ホルミル基、ホルミルオキシ基、ホルミルアミノ基、カルボキシ基、C−C−アルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルケニル、C−C−アルキルスルファニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルファニル、C−C−アルコキシカルボニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルスルフェニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフェニル、C−C−アルキルスルフィニル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル及び1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルキルスルホニル又はC−C−アルキルスルホンアミドから互いに独立に選択される1以上の置換基により場合によっては置換されている。)
ならびにその塩、N−オキシド、金属錯体、半金属錯体及び光学活性異性体。
【請求項2】
nが1又は2であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xが、ハロゲン原子、シアノ基、(ヒドロキシイミノ)−C−C−アルキル基、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−シクロアルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキルであるように選択されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRが、水素原子、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、トリ(C−C−アルキル)シリル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−シクロアルキル、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキルであるように互いに独立に選択されることを特徴とする、請求項1から請求項3の何れかに記載の化合物。
【請求項5】
Aが、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子であるように選択されることを特徴とする、請求項1から請求項4の何れかに記載の化合物。
【請求項6】
及びRが、水素原子、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノアルコキシ、C−C−シクロアルキル、又は、1から5個のハロゲン原子を有するC−C−ハロゲノシクロアルキルであるように互いに独立に選択されることを特徴とする、請求項1から請求項5の何れかに記載の化合物。
【請求項7】
p,pが1又は2であることを特徴とする、請求項1から請求項6の何れかに記載の化合物。
【請求項8】
Yが、ハロゲン原子、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、1から5個のハロゲン原子を有する(C−C−ハロアルキル基又はC−C−ハロゲノアルコキシ)であるように選択されることを特徴とする、請求項1から請求項7の何れかに記載の化合物。
【請求項9】
Hetが、2−フラン、3−フラン、4,5−ジヒドロ−3−フラン、2−チオフェン、3−チオフェン、2−ピロール、3−ピロール、5−オキサゾール、4−オキサゾール、5−チアゾール、4−チアゾール、5−ピラゾール、4−ピラゾール、3−ピラゾール、3−イソオキサゾール、4−イソオキサゾール、5−イソオキサゾール、3−イソチアゾール、4−1,2,3−トリアゾール、4−チアジアゾール、5−チアジアゾール、2−ピリジン、3−ピリジン、4−ピリジン、2−オキサチン、4,5ジヒドロ−3−ピラン、4,5ジヒドロ−2−チオピラン、4,5ジヒドロ−3−チオピラン又は2−ピラジンであるように選択されることを特徴とする、請求項1から請求項8の何れかに記載の化合物。
【請求項10】
Hetが、オルト位で置換されていることを特徴とする、請求項1から請求項9の何れかに記載の化合物。
【請求項11】
Hetが、ハロゲン原子、C−C−アルキル、アミノ基、C−C−アルキルアミノ又はジ−C−C−アルキルアミノにより置換されていることを特徴とする、請求項1から請求項9の何れかに記載の化合物。
【請求項12】
Hetが5員環式複素環であることを特徴とする、請求項1から請求項11の何れかに記載の化合物。
【請求項13】
Hetが5員環式複素環であることを特徴とする、請求項1から請求項12の何れかに記載の化合物。
【請求項14】
触媒の存在下で、及びLがヒドロキシル基である場合、縮合剤の存在下で、一般式(II)のピリジン−2−イルメチル誘導体又はその塩の1つ
【化35】

(式中、X、n、R、R、R及びAは請求項1で定義されるとおりである。)を、
一般式(III)のカルボン酸誘導体
【化36】

(式中、Y及びpは請求項1で定義されるとおりであり;Lは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、−OR、−OCORa(RaはC−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ベンジル、4−メトキシベンジル、ペンタフルオロフェニル又は式
【化37】

の基である。)であるように選択される脱離基である。)と反応させることを含む、請求項1において定義されるとおりの一般式(I)の化合物の調製のための方法。
【請求項15】
請求項1から請求項13の何れかに記載の化合物の有効量及び農業的に許容可能な補助剤を含む、防かび組成物。
【請求項16】
請求項14に記載の組成物の有効であり及び植物非毒性である量が、植物の種子又は植物の葉及び/又は植物の果実又は植物を生育させるもしくはこれらを生育させることが所望される土壌に散布されることを特徴とする、作物の植物病原性真菌を予防的又は治療的に駆除するための方法。

【公表番号】特表2009−542599(P2009−542599A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517272(P2009−517272)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056800
【国際公開番号】WO2008/003741
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(503325538)バイエル・クロツプサイエンス・エス・アー (73)
【Fターム(参考)】