説明

防振架台用連結具

【課題】複数の防振架台を連結するための防振架台用連結具において、簡単な構造且つ組付けが容易でありながら、相隣接する上架台同士の上下方向の一体性を確保する。
【解決手段】各々上架台5及び下架台7の間にアイソレータ11を介在させた架台ユニット3,3と、上架台5の側壁5cにボルト締結される取付板43を有するコーナー部材41と、上架台5,5を連結する梁部材9,9とを備えた複数の防振架台1,1,…を、連結するための連結具51である。側壁部53と、側壁部53の上端縁から横方向に延びる頂壁部55と、側壁部53の縦方向両側縁から横方向に延びる妻壁部57,57とを備えている。頂壁部55には、取付板43の上縁に係合する第1係合部55a,55aが設けられている一方、妻壁部57,57には、上架台5,5の下壁5d,5dに係合する第2係合部55a,55aが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空調装置など振動の大きな設備機器を設置するための防振架台を、複数連結するための防振架台用連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、振動の大きな設備機器(振動機器)を設置するための防振架台では、運搬時及び在庫時の利便性を考慮して分解が可能なように、防振架台を構成する各部材を溶接ではなくネジ等の締結手段で接続する構造とし、建物の屋上などの設置場所で組み立てるようにしたものが知られている。また、防振架台は、設置場所に1台だけ設置される場合もあるが、各々振動機器が設置された状態で複数連結して設置されることが多い。
【0003】
このような複数連結して設置される防振架台として、例えば、特許文献1には、四角形の四隅に配した4本の垂直なポストの各間に水平に連結棹を掛け渡し、対向する2本の連結棹の間にエアコン取付用のベースを掛け渡した据え付け台ユニットが、隣接する据え付け台ユニットの間でポスト及び連結棹を共有した形で水平方向に複数連結される連結型エアコン据え付け台が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ベース(下架台)上に防振部材(アイソレータ等)を介して架台(上架台)を配設した空調設備用防振架台において、ベースを一体構造とする一方、架台を隣接するように分割し、かかる分割された架台に振動機器を設置するようにしたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2516921号公報
【特許文献2】実開平6−84226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のものでは、振動機器を増設する場合、振動機器が設置された既設の据え付け台に、新たな据え付け台ユニットを継ぎ足すことは困難であるとともに、2種類のポスト(端部に用いるポストと中間部に用いるポスト)が必要となるため、製造コストが上昇するという問題がある。
【0007】
他方、特許文献2のもののように、分割された上架台に振動機器を設置したものでは、隣接する上架台に一体性がないため、各上架台に設置された振動機器が個々に振動した場合、相隣接する上架台があたかもV字状をなすように傾き、相隣接する振動機器同士が当接するおそれがある。
【0008】
そこで、相隣接する上架台同士に上下方向の一体性を持たせるべく、例えば、特許文献2のものとは逆に上架台を一本のパイプ部材で構成することや、各防振架台の上架台とこれらに沿うように設置した一本の長尺の補強部材とをボルトで締結することが考えられるが、このような構造では、組み立てに手間がかかるとともに、運搬時及び在庫時の利便性に劣るという問題がある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、隣接して設置される複数の防振架台を連結するための防振架台用連結具において、簡単な構造且つ組付けが容易でありながら、相隣接する上架台同士の上下方向の一体性を確保する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明では、板状部材を立体形状に形成することでその強度が確保された連結具を、相隣接する上架台の隣接端部にボルト締結するとともに、かかる連結具に設けられた複数の係合部を、各上架台の隣接端部に異なる高さ位置で係合させることにより、相隣接する上架台同士の上下方向の一体性を高めるようにしている。
【0011】
第1の発明は、各々長尺の角パイプ材からなる上架台及び下架台の間に防振体を介在させてなる、横並びに配設された一対の架台ユニットと、当該各上架台の側面にボルト締結される取付板によって、当該各上架台の両端部に取り付けられたコーナー部材と、互いに対をなす当該上架台を、当該各コーナー部材を介して連結する梁部材とをそれぞれ備え、振動機器と基礎との間にそれぞれ介在され、且つ、当該上架台が一直線に並ぶように、当該上架台が延びる縦方向に隣接して設置される複数の防振架台を、連結するための防振架台用連結具を対象とする。
【0012】
そして、相隣接する上記上架台の隣接端部で、当該各上架台の側面と所定間隔を隔てて対向するように縦方向に延びる側壁部と、縦方向視で上記側壁部と略逆L字状をなすように、当該側壁部の上端縁から当該各上架台に向かって、上記架台ユニットの配列方向である横方向に延びる頂壁部と、上記側壁部の縦方向両側縁から、当該各上架台に向かって横方向にそれぞれ延びる妻壁部とを有し、当該各上架台の側面にボルトで取り付けられている連結具本体部を備え、上記頂壁部には、上記各取付板の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合する第1係合部が設けられている一方、上記側壁部又は上記各妻壁部には、当該各第1係合部よりも低い位置で上記各上架台又は当該各取付板にそれぞれ係合する第2係合部が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
第1の発明では、側壁部と頂壁部とが縦方向視で略逆L字状をなしているとともに、側壁部の縦方向両側縁から横方向にそれぞれ延びる妻壁部が側壁部に対し補強リブのような役割を果たすので、連結具本体部の上下方向における曲げや剪断に対する強度の向上が図られている。これにより、連結具の軽量化を図りつつその強度を確保することができる。
【0014】
また、かかる連結具本体部は、各上架台の側面にボルトで取り付けられるので、連結具の組み付けが容易になる。
【0015】
そうして、頂壁部には、各取付板の上縁にそれぞれ引っ掛かることで当該取付板を介して上架台に係合する第1係合部が設けられている一方、側壁部又は各妻壁部には、当該各第1係合部よりも低い位置で、直接又は各取付板を介して各上架台にそれぞれ係合する第2係合部が設けられているので、連結具本体部を相隣接する上架台の側面にボルトで取り付けると、上架台同士が上下方向に拘束される。
【0016】
このように、コーナー部材を上架台に取り付けるための取付板を利用することで、振動機器が設置されるため上架台の上面を利用し難い防振架台においても、第1係合部を上架台に対し、第2係合部よりも高い位置でしっかりと係合させることができる。これにより、各上架台と連結具本体部とのボルト締結箇所が1箇所であっても、連結具が各上架台に対してボルトを支点として回動するのが抑えられるとともに、強度が向上した連結具によって相隣接する上架台同士の上下方向の一体性が高められることから、相隣接する上架台同士が上下にV字状をなすように傾斜するのを抑えることができる。
【0017】
以上のように、第1の発明に係る防振架台用連結具によれば、縦方向に隣接して設置される複数の防振架台の上架台を、あたかも1本の上架台が連続して通っているように連結することができる。したがって、簡単な構造且つ組付けが容易でありながら、相隣接する上架台同士の上下方向の一体性を確保することが可能となる。
【0018】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記各第1係合部は、上記頂壁部の横方向の先端部で構成されていることを特徴とするものである。
【0019】
第2の発明では、取付板の上縁に引っ掛かるように係合している頂壁部の先端部が第1係合部を構成しているので、別途係合部を形成することなく、より簡単な構造で、相隣接する上架台同士の上下方向の一体性を確保することができる。
【0020】
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記各妻壁部の横方向の先端部には、上記側壁部と平行に縦方向外側に延びる固定板が形成されており、上記連結具本体部は、上記固定板を相隣接する上記上架台の側面にそれぞれボルト締結することによって、当該各上架台に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0021】
第3の発明では、固定板を上架台の側面にそれぞれボルト締結するので、上架台と連結具との接触面積が増えることから、連結具をより強固に上架台に取り付けることができる。
【0022】
第4の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記連結具本体部は、上記各取付板を上記上架台の側面に締結するためのボルトを用いて、上記側壁部を当該各上架台の側面にボルト締結することによって、当該各上架台に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0023】
第4の発明によれば、側壁部を各上架台の側面に締結するためのボルトと、取付板を各上架台の側面に締結するためのボルトとを兼用することにより、構造がより一層簡単になるとともに、部品点数を減らすことができる。
【0024】
第5の発明は、上記第3の発明において、上記第2係合部は、上記各固定板の下端部から上記上架台の下面に沿って横方向に延びる水平板であり、相隣接する上記各上架台の下面にそれぞれ重なるように係合していることを特徴とするものである。
【0025】
第5の発明では、固定板の下端部から延びる水平板が各上架台の下面にそれぞれ重なるように係合しているので、上架台同士が上下方向に確実に拘束される。したがって、相隣接する上架台同士の上下方向の一体性を確実に確保することができる。
【0026】
第6の発明は、上記第1〜第4のいずれか1つの発明において、上記第2係合部は、上記各妻壁部の横方向の先端縁の下端部から横方向にさらに延びる突出片であり、相隣接する上記各上架台の下面にそれぞれ引っ掛かって係合していることを特徴とするものである。
【0027】
第6の発明では、妻壁部の先端縁の下端部を延ばした極めて簡単な構造で、第2係合部を確実に上架台に係合させることができる。
【0028】
第7の発明は、上記第1〜第4のいずれか1つの発明において、上記第2係合部は、上記各妻壁部の横方向の先端縁の中央部から横方向にさらに延びる突出板であり、相隣接する上記各上架台の側面に形成されたスリットにそれぞれ差し込まれて係合していることを特徴とするものである。
【0029】
第7の発明では、第2係合部は、上架台の下面等に引っ掛かるのではなく、上架台の側面に形成されたスリットに差し込まれて係合しているので、第2係合部をより強固に上架台に係合させることができる。
【0030】
第8の発明は、上記第4の発明において、上記第2係合部は、上記側壁部の縦方向両端部における下端部から、相隣接する上記上架台に向かって横方向にそれぞれ延びる底壁部であり、上記各取付板の下縁にそれぞれ係合していることを特徴とするものである。
【0031】
第8の発明では、第1及び第2係合部は取付板にのみ係合するので、上架台の形状如何に拘わらず、相隣接する上架台の上下方向の一体性をより一層確実に確保することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係る防振架台用連結具によれば、立体形状とすることで上下方向における曲げや剪断に対する強度が向上した連結具本体部の頂壁部には、各取付板の上縁にそれぞれ係合する第1係合部が設けられている一方、側壁部又は妻壁部には、当該第1係合部よりも低い位置で各上架台又は各取付板にそれぞれ係合する第2係合部が設けられているので、かかる連結具本体部を相隣接する上架台の側面にボルトで取り付けると、各上架台は上下方向に拘束される。これにより、簡単な構造且つ組付けが容易でありながら、相隣接する上架台同士の上下方向の一体性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る防振架台用連結具によって連結された防振架台を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。
【図2】下側耐震ブラケットを示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図であり、同図(c)は側面図である。
【図3】ガイド部材及び上側耐震ブラケットの分解斜視図であり、同図(a)はガイド部材の斜視図であり、同図(b)は上側耐震ブラケットの斜視図である。
【図4】上架台の端部と梁部材の端部とが結合されるコーナー部の斜視図である。
【図5】上架台の端部と梁部材の端部とが結合されるコーナー部の拡大側面図である。
【図6】上架台の端部と梁部材の端部とが結合されるコーナー部の拡大正面図である。
【図7】上架台の端部と梁部材の端部とが結合されるコーナー部の拡大平面図である。
【図8】ガイド部材を上側耐震ブラケットに組み付けた状態を示す斜視図である。
【図9】実施形態1に係る梁部材を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図であり、同図(c)は側面図である。
【図10】梁部材の上架台への組み付け作業を説明する斜視図である。
【図11】実施形態1に係る防振架台用連結具を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図であり、同図(c)は側面図である。
【図12】相隣接する防振架台を連結具で連結した状態を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図である。
【図13】実施形態2に係る防振架台用連結具を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図であり、同図(c)は側面図である。
【図14】相隣接する防振架台を連結具で連結した状態を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図である。
【図15】実施形態3に係る防振架台用連結具を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図であり、同図(c)は側面図である。
【図16】相隣接する防振架台を連結具で連結した状態を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図である。
【図17】実施形態4に係る防振架台用連結具を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図であり、同図(c)は側面図である。
【図18】相隣接する防振架台を連結具で連結した状態を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図である。
【図19】実施形態5に係る防振架台用連結具を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図であり、同図(c)は側面図である。
【図20】相隣接する防振架台を連結具で連結した状態を示す図であり、同図(a)は平面図であり、同図(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0035】
(実施形態1)
図1は、本発明に係る防振架台用連結具によって連結された防振架台を示し、同図(a)は平面図であり、同図(b)は側面図である。各防振架台1は、図示しないエアコン室外機(振動機器)と基礎との間に介在されることで、当該エアコン室外機を基礎に対して設置するためのものであり、上架台5及び下架台7を有する長尺状の架台ユニット3(所謂レール式防振台である)を横並びに一対配設し、それらの両端に後述する梁部材9,9を架け渡して連結しているものである。なお、以下の説明では、上架台5の延びる方向を縦方向とし、架台ユニット3,3の配列方向を横方向とする。
【0036】
−防振架台の構造−
各防振架台1では、対をなす架台ユニット3,3は同じものであり、各々断面矩形状の角パイプ材(例えば構造用角形鋼管等)からなる長尺の上架台5及び下架台7が、互いに上下方向に所定の間隔を空けて配置され、その間には縦方向に離れて2つのアイソレータ(防振体)11,11が介設されている。アイソレータ11は、上架台5及び下架台7の間の振動伝達を軽減するものであり、例えばコイルばねとゴムを一体成形したものや樹脂ケース内にコイルばねを内蔵したものが用いられる。
【0037】
本実施形態の架台ユニット3においては、下架台7の両端部がそれぞれ上架台5の両端部よりも縦方向外側に突出しており、かかる下架台7の突出する部位の内側には、図2に示す、鉄板を折り曲げてなる下側耐震ブラケット21が取り付けられている。
【0038】
この下側耐震ブラケット21は、略矩形状の頂壁部21aと、当該頂壁部21aの横方向両側の側縁から下方に延びる側壁部21b,21bとを有していて、縦方向から見て断面略コ字状に形成されている。下側耐震ブラケット21は、頂壁部21aが下架台7の上壁7aの下面に接触するように、下架台7の両端部に嵌着されている。この頂壁部21aには、耐震ボルト23が挿通される丸孔21eと、下架台7を基礎に固定するアンカーボルト(図示せず)の挿通される長孔21fとが形成されている。
【0039】
さらに、下側耐震ブラケット21は、頂壁部21aの縦方向外側の側縁から下方に延びる妻壁部21cを有していて、横方向から見て断面略L字状に形成されている。また、妻壁部21cには、横方向内側の側壁部21bよりもさらに横方向内側に張り出す張出部21dが形成されており、これにより、下架台7の安定度が増して、防振架台1全体が捻れるのが抑えられるようになっている。
【0040】
一方、上架台5の両端部にはそれぞれ、図3(b)に示す上側耐震ブラケット(コーナー部材)19が取り付けられていて、これら上側耐震ブラケット19及び下側耐震ブラケット21が、以下に述べるように下架台7との間に、上架台5との相対変位を規制するための耐震ストッパ13を構成している。
【0041】
図4〜図7に示すように、上側耐震ブラケット19は、下架台7から上方に延びる耐震ボルト23と協働して耐震ストッパ13を構成する。上側耐震ブラケット19は、鉄板を曲げ加工及び溶接してなり、略矩形状の床壁部19aと、この床壁部19aの縦方向内側の側縁から上方に立ち上がる竪壁部19bと、床壁部19aの横方向内側の側縁から上方に立ち上がる側壁部19cとを備えている。
【0042】
側壁部19cには、図7に示すように、上架台5の横方向内側の側壁5bの内面に沿って延びる内側延出部19fが形成されている。この内側延出部19fには、横方向に延びる断面矩形のネジ孔19hが貫通形成されており、当該ネジ孔19hに挿通されるボルト25と、これに螺合するナット26とによって、内側延出部19fは上架台5の横方向内側の側壁5bに締結されている。
【0043】
竪壁部19bの上縁には、上架台5の下壁5dの端縁に沿って折り曲げられて、その下壁5dの上面に沿って縦方向内側に延びる延出部19eが形成されている。この延出部19eの縦方向内側の側縁には、上方に折れ曲がる妻壁部19gが形成されており、当該妻壁部19g及び内側延出部19fは、その側縁同士が平面視で略L字状に連繋している。
【0044】
さらに、竪壁部19bの横方向外側の側縁には、縦方向内側に折り曲げられて上架台5の横方向外側の側壁5cの外面に沿って延びる外側延出部(取付板)19dが形成されている。この外側延出部19dには、横方向に延びる断面矩形のネジ孔19hが形成されており、当該ネジ孔19hに挿通されるボルト25により、外側延出部19dが上架台5の横方向外側の側壁5cに締結されている。
【0045】
図3(b)に示すように、上側耐震ブラケット19の側壁部19cには、縦方向外側の側縁に、後述する梁部材9との結合に用いられる凸辺19jが形成されている。また、上側耐震ブラケット19の床壁部19aには、ボルト貫通孔19iが貫通形成されていて、当該ボルト貫通孔19iに耐震ボルト23の軸部が遊嵌状態で挿通されている。耐震ボルト23は、図5及び図6に示すように、その軸部が下側耐震ブラケット21(丸孔21e)と、下架台7の上壁7aとを貫通して上向きに延びるように配設されていて、この軸部の付け根に螺合するナット27,29によって、下架台7の上壁7aに締結されている。
【0046】
また、図5に示すように、耐震ボルト23の軸部において上側耐震ブラケット19の床壁部19aのボルト貫通孔19iに挿入されている部位には、ゴムブッシュ31が外挿されている。このゴムブッシュ31は、ボルト貫通孔19iよりも少しだけ直径の小さな円筒部と、その上に連なる鍔部とからなり、この鍔部がボルト貫通孔19iの周縁部に上方から接触している。また、その鍔部の上には平座金33を介在させて耐震ボルト23の軸部にナット35が螺合されている。
【0047】
すなわち、図4〜図7においては上側耐震ブラケット19の床壁部19a上にゴムブッシュ31の鍔部が接触する状態を示しているが、これは防振架台1を使用しないときであり、防振架台1を使用するときにはナット35の位置を調整して、床壁部19aの上面とゴムブッシュ31の鍔部下面との間に適当な大きさ(約2〜3mm程度)の隙間を形成する。このことで、地震等による上架台5及び下架台7の上下方向の相対変位を適切に規制することができ、しかも、地震等によって上架台5及び下架台7が比較的大きく相対変位したときでも、上側耐震ブラケット19と耐震ボルト23や平座金33との、即ち金属製部材同士の接触が回避される。
【0048】
なお、上側耐震ブラケット19の床壁部19aとその下方の下架台7との間隔は、上架台5に許容される傾きの上限等から例えば30mmくらいとされている。また、図4及び図7に示す符号5eは、上架台5を室外機の底部に固定する締結ボルト(図示せず)を挿通するために、上架台5の上壁5aに貫通形成された丸穴を示し、図4及び図5に示す符号5fは、後述する連結具51を上架台5の横方向外側の側面に固定するためのボルト45を挿通するために、上架台5の側壁5cに貫通形成された貫通孔を示す。
【0049】
本実施形態係る防振架台1では、前記の如き構成の上側耐震ブラケット19に、図3(a)に示すガイド部材(コーナー部材)15を取り付け、当該ガイド部材15に、梁部材9の横方向両端部を嵌め込んで、しっかりと結合できるようにしている。これにより、梁部材9,9が、互いに対をなす上架台5,5を、各コーナー部材41,41を介して連結するようになっている。
【0050】
ガイド部材15は、鉄板を曲げ加工したものであり、横方向に相対向する2つのガイド側壁部15a,15aと、当該ガイド側壁部15a,15aの上縁同士を繋ぎ且つ当該ガイド側壁部15a,15aの縦方向外側の側縁よりもさらに縦方向外側に延びるガイド頂壁部15bと、当該ガイド側壁部15a,15aの縦方向外側の側縁の下部(略下半分)から縦方向外側に延びるガイド延出部15c,15cとを有している。
【0051】
ガイド頂壁部15bは、略矩形状に形成されており、上側耐震ブラケット19の床壁部19aの上方に、その上面が上架台5の上壁5aの上面と面一なるように位置付けられている。このガイド頂壁部15bには、開口部15iが貫通形成されていて、当該開口部15iから耐震ボルト23を締め付ける際に用いる固定具(図示せず)が挿入可能となっている。また、この開口部15iを区画する縦方向外側の縁部には下方に突起する打出し部15jが、後述する梁部材9の貫通孔17fに対応する位置に形成されていて、当該貫通孔17fに嵌り込むようになっている。
【0052】
さらに、ガイド頂壁部15bの縦方向外側の端部、より具体的には、当該ガイド頂壁部15bの、後述する梁部材9の頂板部17aと重なる部分には、横方向両側の側縁で下方に折り曲げられてR部15kを介して下方に延び、且つ、縦方向にも延びるガイド突出壁部15d,15dが形成されている。これらガイド突出壁部15d,15dは、図6に示すように、横方向における両ガイド側壁部15a,15aの内側に形成されている。
【0053】
ガイド側壁部15a,15aは、各々略矩形状に形成されており、その縦方向外側の側縁に凸辺15h,15hがそれぞれ形成されている(図8参照)。また、両ガイド側壁部15a,15aの縦方向内側の側縁には、上架台5の横方向内側の側壁5bの内面及び外側の側壁5cの外面に沿って延びる取付壁部(取付板)15e,15eがそれぞれ形成されている。これら取付壁部15e,15eには、上側耐震ブラケット19の内側延出部19f及び外側延出部19dに形成されたネジ孔19h,19hと同形同大の、横方向に延びる断面矩形のネジ孔15f,15fがそれぞれ形成されている。
【0054】
ガイド部材15は、図8に示すように、取付壁部15e,15eを、上側耐震ブラケット19の内側延出部19fと外側延出部19dとの間に挟むとともに、取付壁部15e,15eのネジ孔15f,15fと、内側延出部19f及び外側延出部19dのネジ孔19h,19hとを合わせる(横方向から見て重なる)ようにして、上側耐震ブラケット19に取り付けられている。
【0055】
そうして、ガイド部材15は、取付壁部15e,15eが上架台5の側壁5b,5cと上側耐震ブラケット19の内側及び外側延出部19f,19dとに挟まれた状態で、ネジ孔15f,19hに挿通される上記ボルト25と、これに螺合するナット26とによって、上側耐震ブラケット19と共締めで上架台5の側壁5b,5cに締結されている。より詳しくは、図7に示すように、ガイド部材15の横方向内側の取付壁部15eは、上架台5の横方向内側の側壁5bの内面と上側耐震ブラケット19の内側延出部19fの外面とに挟まれた状態で、また、ガイド部材15の横方向外側の取付壁部15eは、上架台5の横方向外側の側壁5cの外面と上側耐震ブラケット19の外側延出部19dの内面とに挟まれた状態で、上架台5の側壁5b,5cに締結されている。
【0056】
これにより、本実施形態では、ガイド部材15と上側耐震ブラケット19とが、各上架台5の両端部に設けられ、これを介して梁部材9が互いに対をなす上架台5,5を連結する本発明のコーナー部材41を構成し、ガイド部材15の横方向外側の取付壁部15eと上側耐震ブラケット19の外側延出部19dとが、コーナー部材41を各上架台5の両端部に取り付けるための、各上架台5の側面にボルト締結される取付板43を構成する。
【0057】
ガイド延出部15c,15cの上縁は、縦方向外側に向かうほど下方に傾斜しており、これら上縁の縦方向外側の端部には、上方に向かって突起するストッパー部15g,15gがそれぞれ形成されている。また、ガイド延出部15c,15cの上縁における、ストッパー部15g,15gの縦方向内側には、下方に凹む凹部15l,15lがそれぞれ形成されている。
【0058】
上述の如く、各ガイド延出部15c,15cは、各ガイド側壁部15a,15aの縦方向外側の側縁の下部から縦方向外側に延びているので、ガイド側壁部15aとガイド延出部15cとは、横方向から見て略L字状をなしている。さらに、ガイド頂壁部15bは、ガイド側壁部15a,15aの縦方向外側の側縁よりもさらに縦方向外側に延びているので、ガイド頂壁部15bの下面と、ガイド側壁部15aの縦方向外側の側縁と、ガイド延出部15cの上縁とは、図5に示すように、横方向から見て略コ字状をなしている。このようにガイド部材15を形成することにより、ガイド頂壁部15bとガイド側壁部15aとガイド延出部15cとは、後述する梁部材9の取付部17が嵌め込まれる、縦方向外側に開口する嵌合部37を構成している。
【0059】
これに対し、互いに対をなす上架台5,5を連結する梁部材9は、ZAM鋼板(登録商標)を曲げ加工したものであり、図9に示すように、ガイド部材15の縦方向外側に配設され、横方向に延びる梁部材本体9aと、当該梁部材本体9aの上縁から縦方向内側に突設され、嵌合部37に嵌め込まれる取付部17とを有している。
【0060】
梁部材本体9aは、図9(b)に示すように、逆T字状に形成されていて、その下縁には、剛性を高めるために斜め上方に折り曲げられた折返し部9bが形成されている。また、梁部材本体9aの下端部おける横方向両外側の側縁には、横方向両外側に突起する突起片9c,9cがそれぞれ形成されている。これら突起片9c,9cは、梁部材9が上架台5,5に取り付けられた状態で、上側耐震ブラケット19の側壁部19cにおける縦方向外側の側縁に当たるようになっている。なお、この突起片9cの上端を、上側耐震ブラケット19の側壁部19cの縦方向外側の側縁に形成された凸辺19jの下端に当てることで、梁部材9をガイド部材15に嵌め込む際の、上下方向における位置決めが容易になる。
【0061】
取付部17は、梁部材本体9aの上縁で折り曲げられて縦方向内側に延びる頂板部17aと、当該頂板部17aの縦方向内側の側縁から下方に延びる竪板部17bと、当該竪板部17bの下縁から縦方向外側に向かうほど下方に傾斜して延びる傾斜板部17cとを有している。なお、頂板部17aと梁部材本体9aとのなす角度は、横方向から見てガイド頂壁部15bと上側耐震ブラケット19の側壁部19cの縦方向外側の側縁(上架台5の縦方向外側端)とのなす角度よりも小さく設定されている。また、頂板部17aと傾斜板部17cとのなす角度は、ガイド頂壁部15bの下面とガイド延出部15cの上縁とのなす角度よりも大きく設定されている。
【0062】
このように、頂板部17a、竪板部17b及び傾斜板部17cは、横方向から見て略コ字状をなしているとともに、傾斜板部17cが縦方向外側に向かうほど下方に傾斜しているので、主として上下方向に弾性変形し易くなっている。
【0063】
頂板部17aには、図9(a)に示すように、ガイド突出壁部15d,15dに対応する位置に、縦方向に延び且つ縦方向内側に開口する切欠き溝部17d,17dが2つ形成されている。これら切欠き溝部17d,17dに挟まれる舌状部17eには、貫通孔17fが形成されている。
【0064】
かかる取付部17を、図10に示すように、横方向内側の切欠き溝部17dの横方向内側の側縁を横方向内側のガイド突出壁部15dに、且つ、横方向外側の切欠き溝部17dの横方向外側の側縁を横方向外側のガイド突出壁部15dに当てながら、各嵌合部37に縦方向外側から嵌め入れると、傾斜板部17cがストッパー部15gに当接することで、取付部17は主として上下方向に弾性変形しながら嵌合部37に入り込む。
【0065】
そうして、傾斜板部17cがストッパー部15gを乗り越えると、頂板部17aの上面とガイド頂壁部15bの下面と、竪板部17bの縦方向内側面とガイド側壁部15aの縦方向外側の側縁と、傾斜板部17cの下面とガイド延出部15cの上縁とがそれぞれ接触した状態で、取付部17が嵌合部37に嵌め込まれる。このとき、傾斜板部17cは、その縦方向外側端がストッパー部15gに引っ掛かるように、当該ストッパー部15gとガイド側壁部15aとの間に挟まれるとともに、梁部材本体9aの突起片9c,9cが、上側耐震ブラケット19の側壁部19cにおける縦方向外側の側縁に当たる。
【0066】
また、ガイド突出壁部15d,15dは、2つ切欠き溝部17d,17dにそれぞれ入り込み、横方向内側の切欠き溝部17dの横方向内側の側縁が、横方向内側のガイド突出壁部15dのR部15kに乗り上げる一方、横方向外側の切欠き溝部17dの横方向外側の側縁が、横方向外側のガイド突出壁部15dのR部15kに乗り上げる。さらに、ガイド頂壁部15bの打出し部15jが、頂板部17aの貫通孔17fに嵌り込む。
【0067】
このように、取付部17を嵌合部37に嵌め込むと、上述の如く、頂板部17aと傾斜板部17cとのなす角度が、ガイド頂壁部15bの下面とガイド延出部15cの上縁とのなす角度よりも大きく設定されていることから、頂板部17aがガイド頂壁部15bの下面を上方に押圧するとともに傾斜板部17cがガイド延出部15cの上端縁を下方に押圧するので、図5の白抜き矢印の方向に作用するモーメントによる、梁部材9とガイド部材15との緩みが規制される。
【0068】
また、横方向内側の切欠き溝部17dの横方向内側の側縁が、横方向内側のガイド突出壁部15dのR部15kに乗り上げ、且つ、横方向外側の切欠き溝部17dの横方向外側の側縁が、横方向外側のガイド突出壁部15dのR部15kに乗り上げることから、頂板部17aがガイド頂壁部15bの下面に強く押し付けられるので、上下方向における、梁部材9とガイド部材15との相対的な移動が規制される。
【0069】
さらに、このように頂板部17aとガイド頂壁部15bとが強く密着しているとともに、頂板部17aと梁部材本体9aとのなす角度が、横方向から見てガイド頂壁部15bと、上側耐震ブラケット19の側壁部19cにおける縦方向外側の側縁とのなす角度よりも小さく設定されているので、梁部材本体9aの突起片9c,9cが側壁部19cを締め付けるように押圧する。換言すると、頂板部17aと梁部材本体9aとが、上架台5の端部を、あたかも上方及び縦方向外側から挟むように、梁部材9が上架台5,5に取り付けられることから、図5の白抜き矢印の方向に作用するモーメントによる、梁部材9とガイド部材15との緩みがより一層規制される。
【0070】
一方、取付部17が嵌合部37に嵌め込まれることにより、傾斜板部17cの縦方向外側端がストッパー部15g,15gに引っ掛かる(係合する)とともに、ガイド側壁部15a,15aの縦方向外側の側縁に形成された凸辺15h,15hが竪板部17bを押圧するので、縦方向における、梁部材9と上架台5との相対的な移動が規制される。
【0071】
また、ガイド頂壁部15bに形成された打出し部15jが、頂板部17aの貫通孔17fに嵌り込むことで、縦方向における、梁部材9と上架台5との相対的な移動が一層規制される。
【0072】
さらに、横方向内側の切欠き溝部17dの横方向内側の側縁が、横方向内側のガイド突出壁部15dのR部15kに乗り上げ、且つ、横方向外側の切欠き溝部17dの横方向外側の側縁が、横方向外側のガイド突出壁部15dのR部15kに乗り上げることで、頂板部17aが当該ガイド突出壁部15dによって横方向内側及び外側に押圧されるので横方向における、梁部材9とガイド部材15との相対的な移動が規制される。
【0073】
加えて、縦方向に延びるガイド突出壁部15dを縦方向に延びる切欠き溝部17d,17dに嵌挿する構造とすることにより、例えば、凸状部を凹状部に嵌めたようなものとは異なり、平面視で架台ユニット3と梁部材9とのなす角度が変化し難くなるので、長方形状に組み立てられた防振架台1が、平行四辺形状に変形するのを抑えることができる。
【0074】
以上のように、本実施形態の防振架台1は、組み立てが簡単でありながら、上下方向、縦方向及び横方向における、梁部材9と上架台5とのがたつきを抑えることが可能な構造となっている。
【0075】
−連結具の構造及び取付方法−
次いで、本実施形態に係る防振架台用連結具51について説明する。
【0076】
連結具51は、図1及び図12に示すように、上架台5,5,…が一直線に並ぶように縦方向に隣接して設置された複数の防振架台1,1,…を連結するためのものである。なお、図12では、破断線より右側は、図を見易くするために、連結具51によって隠れてしまう部分の図示を省略する一方、破断線より左側は、連結具51の取付構造を理解し易くするために、連結具51によって隠れてしまう部分を隠れ線で図示している。
【0077】
この連結具51は、鉄板を曲げ加工してなり、図11に示すように、略矩形状に形成され縦方向に延びる側壁部53と、当該側壁部53と略逆L字状をなすように当該側壁部53の上端縁から、当該側壁部53に対して略垂直に延びる頂壁部55と、当該側壁部53と略コ字状をなすように、当該側壁部53の縦方向両側縁から、当該頂壁部55の延びる方向と同方向に延びる妻壁部57,57とからなる連結具本体部51aを備えている。
【0078】
このように連結具51は、板状部材を立体形状に曲げ加工することによって、より詳しくは、側壁部53と頂壁部55とが縦方向視で略逆L字状をなしているとともに、各妻壁部57,57が側壁部53に対し補強リブのような役割を果たすことによって、その軽量化が図られつつ、上下方向における曲げや剪断に対する強度の向上が図られている。
【0079】
さらに、頂壁部55には、取付板43,43の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合する第1係合部55a,55aが設けられている。より具体的には、第1係合部55a,55aは、当該頂壁部55の縦方向両端部における横方向内側の先端縁部55a,55aで構成されている。また、頂壁部55の横方向内側の先端縁部における当該第1係合部55a,55a以外の部位には切欠き部55bが形成されている。このように、切欠き部55bを形成するのは、連結具51を各上架台5,5の側壁5c,5cに取り付けた際、かかる側壁5cの外面よりも横方向外側に飛び出している横方向外側のガイド側壁部15aと、頂壁部55の横方向内側の先端縁部とが干渉するのを抑えるためである。
【0080】
一方、妻壁部57,57には、第1係合部55aよりも低い位置で相隣接する上架台5,5の隣接端部に係合する第2係合部57a,57aが形成されている。より具体的には、各第2係合部57aは、各妻壁部57の横方向内側の先端縁の下端部から横方向にさらに延びる突出片57aで構成されている。加えて、各妻壁部57の横方向内側の先端縁部には、かかる先端縁部から側壁部53と平行に縦方向外側に延びる固定板59が形成されている。固定板59,59には貫通孔59a,59aがそれぞれ形成されており、かかる貫通孔59a,59aと、上架台5,5の側壁5c,5cに形成された貫通孔5fと、に挿通されたボルト45によって、連結具本体部51aは、相隣接する上架台5,5の側面(側壁5c,5cの外面)にそれぞれ締結されるようになっている。
【0081】
次いで、相隣接する上架台5,5の隣接端部への連結具51の取付方法について説明する。
【0082】
先ず、複数の防振架台1,1,…の上架台5,5,…が一直線に並ぶように縦方向に所定間隔を開けて隣接して設置する。そして、固定板59,59に形成された貫通孔59a59aを、上架台5,5の側壁5c,5cに形成された貫通孔5f,5fに合わせる(横方向から見て重なる)ようにして、両上架台5,5に対する連結具本体部51aの位置決めを行う。次いで、固定板59に形成された貫通孔59a、各上架台5の横方向外側の側壁5cに形成された貫通孔5f、各上架台5の横方向内側の側壁5bに形成された貫通孔5fの順に、横方向外側からボルト45を挿通する。そうして、固定板59,59を、かかるボルト45,45とこれに螺合するナット47,47とによって、上架台5,5の側壁5c,5cの外面(以下、単に「上架台5の側壁5c」という)にボルト締結する。このような簡単な作業により、連結具51を相隣接する上架台5,5の隣接端部に取り付けることができる。
【0083】
このように、連結具51が上架台5,5の隣接端部に取り付けられた状態では、図12(a)に示すように、側壁部53は、上架台5,5の側壁5c,5c(外側の側部)と所定間隔を隔てて対向するように縦方向に延びている。そうして、頂壁部55が側壁部53の上端縁から各上架台5,5の側壁5c,5cに向かって横方向に延びており、第1係合部55a,55aが取付板43,43の上側で上架台5,5の側壁5c,5cにそれぞれしっかりと当たっているとともに、各妻壁部57,57が側壁部53の縦方向両側縁から各上架台5,5の側壁5c,5cに向かって横方向に延びて、上架台5,5の側壁5c,5cにそれぞれしっかりと当たっている。これにより、強度が向上した連結具51によって相隣接する上架台5,5の横方向の一体性が確保され、当該上架台5,5同士が横方向にずれるのを抑えることができる。
【0084】
加えて、第1係合部55a,55aが、取付板43,43の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合している一方、第2係合部57a,57aが、上架台5,5の下面(下壁5d)にそれぞれ引っ掛かって係合している。換言すると、第1係合部55aが、各取付板43の上縁にそれぞれ引っ掛かることで当該取付板43を介して上架台5に係合している一方、各第2係合部57aが、相隣接する上架台5に直接係合している。これにより、相隣接する上架台5,5が、強度が向上した1つの連結具51によって上下方向に拘束されることになり、これらの上下方向の一体性が高められる。
【0085】
−効果−
本実施形態によれば、連結具本体部51aは、各上架台5,5の側壁5c,5cにボルト45,45で取り付けられるので、連結具の組み付けが容易になる。
【0086】
また、固定板59を各上架台5の側壁5cにボルト締結するので、上架台5と連結具51との接触面積が増えることから、連結具51を強固に上架台5に取り付けることができる。
【0087】
さらに、頂壁部55には、各取付板43の上縁にそれぞれ引っ掛かることで当該取付板43を介して上架台5に係合する第1係合部55aが設けられている一方、各妻壁部57には、当該各第1係合部55aよりも低い位置で、直接各上架台5に係合する第2係合部57aが設けられているので、連結具本体部51aを相隣接する上架台5,5の側壁5c,5cにボルト45,45で取り付けると、上架台5,5同士が上下方向に拘束される。
【0088】
このように、コーナー部材41を上架台5に取り付けるための取付板43を利用することで、振動機器が設置されるため上架台5の上面を利用し難い防振架台1においても、第1係合部55aを上架台5に対し、第2係合部57aよりも高い位置でしっかりと係合させることができる。これにより、各上架台5と連結具本体部51aとのボルト締結箇所が1箇所であっても、連結具51が各上架台5に対してボルト45を支点として回動するのが抑えられるとともに、強度が向上した連結具51によって相隣接する上架台5,5同士の上下方向の一体性が高められることから、相隣接する上架台5,5同士が上下にV字状をなすように傾斜するのを抑えることができる。
【0089】
以上のように、本実施形態に係る防振架台用連結具51によれば、縦方向に隣接して設置される複数の防振架台1,1,…の上架台5,5,…を、あたかも1本の上架台が連続して通っているように連結することができる。したがって、簡単な構造且つ組付けが容易でありながら、相隣接する上架台5,5同士の上下方向の一体性を確保することが可能となる。
【0090】
(実施形態2)
本実施形態は、連結具61の形状が実施形態1と異なるものである。以下、実施形態1と異なる点について図13及び図14を用いて説明する。なお、図14では、破断線より右側は、図を見易くするために、連結具61によって隠れてしまう部分の図示を省略する一方、破断線より左側は、連結具61の取付構造を理解し易くするために、連結具61によって隠れてしまう部分を隠れ線で図示している。
【0091】
連結具61は、鉄板を曲げ加工してなり、図13に示すように、略矩形状に形成され縦方向に延びる側壁部63と、当該側壁部63と略逆L字状をなすように当該側壁部63の上端縁から、当該側壁部63に対して略垂直に延びる頂壁部65と、側壁部63の縦方向両側縁から、当該頂壁部65の延びる方向と同方向に向かうほど、縦方向外側に傾斜して延びる妻壁部67,67とからなる連結具本体部61aを備えている。
【0092】
頂壁部65には、取付板43,43の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合する、当該頂壁部65の縦方向両端部における横方向内側の先端縁部で構成された第1係合部65a,65aが設けられている。また、頂壁部65の横方向内側の先端縁部における当該第1係合部65a,65a以外の部位には切欠き部65bが形成されている。
【0093】
一方、各妻壁部67の横方向内側の先端縁部には、かかる先端縁部から側壁部63と平行に縦方向外側に延びる固定板69が形成されている。固定板69,69には貫通孔69a,69aがそれぞれ形成されており、かかる貫通孔69a,69aと、上架台5,5の側壁5c,5cに形成された貫通孔5f,5fと、に挿通されたボルト45,45によって、連結具本体部61aは、相隣接する上架台5,5の側壁5c,5cにそれぞれ締結されるようになっている。また、固定板69,69には、その下端部から頂壁部65と平行且つ同方向に延びる、第2係合部としての水平板69b,69bが形成されている。
【0094】
次いで、相隣接する上架台5,5の隣接端部への連結具61の取付方法について説明する。
【0095】
先ず、複数の防振架台1,1,…の上架台5,5が一直線に並ぶように縦方向に所定間隔を開けて隣接して設置する。そして、固定板69,69に形成された貫通孔69a,69aを、上架台5,5の側壁5c,5cに形成された貫通孔5f,5fに合わせるようにして、相隣接する上架台5,5に対する連結具61の位置決めを行う。次いで、固定板69に形成された貫通孔69a、各上架台5の横方向外側の側壁5cに形成された貫通孔5f、各上架台5の横方向内側の側壁5bに形成された貫通孔5fの順に、横方向外側からボルト45を挿通する。そうして、固定板69,69を、かかるボルト45,45とこれに螺合するナット47,47とによって、上架台5,5の側壁5c,5cにボルト締結する。
【0096】
このように、連結具61が上架台5,5の隣接端部に取り付けられた状態では、図14に示すように、第1係合部65a,65aが各取付板43,43の上側で各上架台5,5の外側の側面にしっかりと当たっているとともに、各取付板43,43の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合している。一方、第2係合部である各水平板69b,69bは各上架台5,5の下壁5d,5dに沿って横方向に延びており、相隣接する上架台5,5の下壁5d,5dにそれぞれ重なるように係合している。これにより、相隣接する上架台5,5が、強度が向上した1つの連結具61によって上下方向に拘束されることになり、これらの上下方向の一体性が高められる。
【0097】
−効果−
本実施形態によれば、固定板69,69の下端部から延びる水平板69b,69bが各上架台5,5の下壁5d,5dにそれぞれ重なるように係合しているので、各上架台5,5が上下方向に確実に拘束される。したがって、相隣接する上架台5,5の上下方向の一体性を確実に確保することができる。
【0098】
(実施形態3)
本実施形態は、連結具71の形状が上記各実施形態と異なるものである。以下、上記各実施形態と異なる点について図15及び図16を用いて説明する。なお、図16では、破断線より右側は、図を見易くするために、連結具71によって隠れてしまう部分の図示を省略する一方、破断線より左側は、連結具71の取付構造を理解し易くするために、連結具71によって隠れてしまう部分を隠れ線で図示している。
【0099】
連結具71は、鉄板を絞り加工してなり、図15に示すように、下縁が円弧状の丸味を有する(円弧状部73bを有する)略矩形状に形成された側壁部73と、当該側壁部73と略逆L字状をなすように当該側壁部73の上端縁から、当該側壁部73に対して略垂直に延びる頂壁部75と、当該側壁部73と略コ字状をなすように、当該側壁部73の縦方向両側縁から、当該頂壁部75の延びる方向と同方向に延びる妻壁部77,77とからなる連結具本体部71aを備えている。このように、側壁部73が円弧状部73bを有していることにより、連結具71は、見た目が美しくし柔らかなイメージを与えることになる。また、絞り加工にて形成されることにより、頂壁部75の縦方向両端縁と、妻壁部77,77の上端縁とがそれぞれ連結されていることから、本実施形態の連結具71は、上下方向における曲げや剪断に対する強度がより一層向上する構造となっている。
【0100】
側壁部73の縦方向の両端部には、縦方向に延びる長孔73a,73aがそれぞれ形成されている。連結具本体部71aは、かかる長孔73a,73aに挿通された、取付板43,43を上架台5,5の側面に締結するためのボルト25,25によって、相隣接する上架台5,5の側壁5c,5cにそれぞれ締結されるようになっている。
【0101】
頂壁部75には、取付板43,43の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合する、当該頂壁部75の縦方向両端部における横方向内側の先端縁部で構成された第1係合部75a,75aが設けられている。また、頂壁部75の横方向内側の先端縁部における第1係合部75a,75a以外の部位には切欠き部75bが形成されている。
【0102】
妻壁部77,77には、第1係合部75aよりも低い位置で上架台5,5にそれぞれ係合する第2係合部として、当該妻壁部77,77の横方向内側の先端縁の下端部から横方向にさらに延びる突出片77a,77aがそれぞれ形成されている。
【0103】
次いで、相隣接する上架台5,5の隣接端部への連結具71の取付方法について説明する。
【0104】
先ず、複数の防振架台1,1,…の上架台5,5,…が一直線に並ぶように縦方向に所定間隔を開けて隣接して設置する。そして、側壁部73に形成された長孔73a,73aを、取付板43,43を上架台5,5の側壁5c,5cに締結するためのボルト25,25に合わせるようにして、相隣接する上架台5,5に対する連結具71の位置決めを行う。次いで、側壁部73に形成された長孔73a,73aから横方向外側に突出したボルト25,25とこれに螺合するナット39,39とによって、連結具本体部71aを上架台5,5の側壁5c,5cにボルト締結する。
【0105】
このように、連結具71が上架台5,5の隣接端部に取り付けられた状態では、図16に示すように、第1係合部75a,75aが取付板43,43の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合しているとともに、第2係合部である突出片77a,77aが相隣接する上架台5,5の下壁5d,5dにそれぞれ引っ掛かって係合している。これにより、相隣接する上架台5,5が、強度が向上した1つの連結具71によって上下方向に拘束されることになり、これらの上下方向の一体性が高められる。
【0106】
また、かかる状態では、第1係合部75a,75aが、取付板43,43の上側で上架台5,5の側壁5c,5cにしっかりと当たっているとともに、妻壁部77,77の横方向内側の先端部が、上架台5,5の側壁5c,5cにしっかりと当たっているので、相隣接する上架台5,5の横方向における一体性も高められる。
【0107】
さらに、かかる状態では、妻壁部77,77の横方向内側の先端部が、取付板43,43を縦方向両外側から挟むようにこれら取付板43,43の側縁にしっかりと当たっている。これにより、長孔73a,73aを用いていながら、連結具71の縦方向のズレを抑えることができる。
【0108】
−効果−
本実施形態によれば、側壁部73を上架台5に締結するためのボルトと、取付板43を上架台5の側壁5cに締結するためのボルト25とを兼用することができるので、構成がより一層簡単になるとともに、部品点数を減らすことができる。
【0109】
(実施形態4)
本実施形態は、連結具81の形状が上記各実施形態と異なるものである。以下、上記各実施形態と異なる点について図17及び図18を用いて説明する。なお、図18では、破断線より右側は、図を見易くするために、連結具81によって隠れてしまう部分の図示を省略する一方、破断線より左側は、連結具81の取付構造を理解し易くするために、連結具81によって隠れてしまう部分を隠れ線で図示している。
【0110】
連結具81は、鉄板を曲げ加工してなり、図17に示すように、略矩形状に形成され縦方向に延びる側壁部83と、当該側壁部83と略逆L字状をなすように当該側壁部83の上端縁から、当該側壁部83に対して略垂直に延びる頂壁部85と、当該側壁部83と略コ字状をなすように、当該側壁部83の縦方向両側縁から、当該頂壁部85の延びる方向と同方向に延びる妻壁部87,87とからなる連結具本体部81aを備えている。
【0111】
側壁部83の縦方向の両端部には、貫通孔83a,83aがそれぞれ形成されている。連結具本体部81aは、かかる貫通孔83a,83aに挿通された、取付板43,43を上架台5,5の側壁5c,5cに締結するためのボルト25,25によって、相隣接する上架台5,5の側壁5c,5cにそれぞれ締結されるようになっている。
【0112】
頂壁部85には、取付板43,43の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合する、頂壁部85の縦方向両端部における横方向内側の先端縁部で構成された第1係合部85a,85aが設けられている。また、頂壁部85の横方向内側の先端縁部における当該第1係合部85a,85a以外の部位には切欠き部85bが形成されている。
【0113】
各妻壁部87には、上架台5に係合する第2係合部として、当該妻壁部87の先端縁の中央部から、当該妻壁部87の延びる方向にさらに延びる突出板87aが形成されている。第2係合部としてのかかる突出板87aは、各上架台5の側壁5cに形成された矩形状のスリット5eに嵌合するようになっている。
【0114】
次いで、相隣接する上架台5,5の隣接端部への連結具81の取付方法について説明する。
【0115】
先ず、複数の防振架台1,1,…の上架台5,5が一直線に並ぶように縦方向に所定間隔を開けて隣接して設置する。そして、側壁部83に形成された貫通孔83a,83aを、取付板43,43を上架台5,5の側壁5c,5cに締結するためのボルト25,25に合わせるようにして、相隣接する上架台5,5に対する連結具81の位置決めを行う。次いで、側壁部83に形成された貫通孔83a,83aから横方向外側に突出したボルト25,25とこれに螺合するナット39,39とによって、連結具本体部81aを上架台5,5の側壁5c,5cにボルト締結する。
【0116】
このように、連結具81が上架台5,5の隣接端部に取り付けられた状態では、図18に示すように、第1係合部85a,85aが取付板43,43の上側で上架台5,5の外側の側壁5c,5cにしっかりと当たっているとともに、取付板43,43の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合している。一方、第2係合部としての突出板87a,87aは、相隣接する上架台5,5の側壁5c,5cに形成されたスリット5e,5eにそれぞれ差し込まれて係合するようになっている。これにより、相隣接する上架台5,5が、強度が向上した1つの連結具81によって上下方向に拘束されることになり、これらの上下方向の一体性が高められる。
【0117】
−効果−
本実施形態によれば、第2係合部87a,87aは、上架台5,5の下壁5d,5d等に引っ掛かるのではなく、上架台5,5の側面に形成されたスリット5e,5eに差し込まれて係合しているので、第2係合部87a,87aをより強固に上架台5,5に係合させることができる。
【0118】
(実施形態5)
本実施形態は、連結具91の形状が上記各実施形態と異なるものである。以下、上記各実施形態と異なる点について図19及び図20を用いて説明する。なお、図20では、破断線より右側は、図を見易くするために、連結具91によって隠れてしまう部分の図示を省略する一方、破断線より左側は、連結具91の取付構造を理解し易くするために、連結具91によって隠れてしまう部分を隠れ線で図示している。
【0119】
連結具91は、鉄板を曲げ加工してなり、図19に示すように、下縁が円弧状の丸味を有する(円弧状部93bを有する)略矩形状に形成された側壁部93と、当該側壁部93と略逆L字状をなすように当該側壁部93の上端縁から、当該側壁部93に対して略垂直に延びる頂壁部95と、当該側壁部93と略コ字状をなすように、当該側壁部93の縦方向両側縁から、当該頂壁部95の延びる方向と同方向に延びる妻壁部97,97と、底壁部99,99とからなる連結具本体部91aを備えている。
【0120】
側壁部93の縦方向の両端部には、貫通孔93a,93aがそれぞれ形成されている。連結具本体部91aは、かかる貫通孔93a,93aに挿通された、取付板43,43を上架台5,5の側壁5c,5cに締結するためのボルト25,25によって、相隣接する上架台5,5の側壁5c,5cにそれぞれ締結されるようになっている。
【0121】
底壁部99,99は略矩形状に形成されており、横方向から見て、妻壁部97,97の下端と、側壁部93の下縁における円弧状部93bの端とをあたかも繋ぐように傾斜している下縁の両端部から、頂壁部95の延びる方向と同方向に延びている。
【0122】
次いで、相隣接する上架台5,5の隣接端部への連結具91の取付方法について説明する。
【0123】
先ず、複数の防振架台1,1,…の上架台5,5が一直線に並ぶように縦方向に所定間隔を開けて隣接して設置する。そして、側壁部93に形成された貫通孔93a,93aを、取付板43,43を上架台5,5の側壁5c,5cに締結するためのボルト25,25に合わせるようにして、相隣接する上架台5,5に対する連結具91の位置決めを行う。次いで、側壁部93に形成された貫通孔93a,93aから横方向外側に突出したボルト25,25とこれに螺合するナット39,39とによって、連結具本体部91aを上架台5,5の側壁5c,5cにボルト締結する。
【0124】
このように、連結具91が上架台5,5の隣接端部に取り付けられた状態では、図20に示すように、頂壁部95の縦方向両端部における横方向内側の先端縁部で構成された第1係合部95a,95aが、取付板43,43の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合し、両妻壁部97,97が、取付板43,43を挟むように当該取付板43,43の側縁に係合し、第2係合部としての底壁部99,99が、取付板43,43の傾斜した下縁にそれぞれ係合している。これらにより、相隣接する上架台5,5に取り付けられた取付板43,43が、強度が向上した連結具91によってしっかりと拘束されることになり、かかる取付板43,43を介して相隣接する上架台5,5の一体性が高められる。
【0125】
−効果−
本実施形態によれば、第1及び第2係合部は取付板43にのみ係合するので、上架台5の形状如何に拘わらず、相隣接する上架台5,5の上下方向の一体性をより一層確実に確保することができる。
【0126】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0127】
上記各実施形態では、連結具51,61,71,81,91を上架台5の外側の側壁5cに取り付けるようにしたが、これに限らず、連結具51,61,71,81,91を上架台5の内側の側壁5bに取り付けるようにしてもよい。
【0128】
また、上記各実施形態では、第1係合部55a,65a,…を頂壁部55,65,…の横方向の先端部で構成したが、これに限らず、別途係合部を形成してもよい。
【0129】
さらに、上記各実施形態では、取付板43を略矩形状としたが、これに限らず、第1係合部55a,65a,75a,85a,95aが係合可能であれば、どのような形状でも良い。
【0130】
また、上記実施形態1〜3では上架台5の下壁5dに、上記実施形態4では上架台5のスリット5eに、上記実施形態5では取付板43に、第2係合部57a,69b,77a,87a,99をそれぞれ係合させたが、第2係合部57a,69b,77a,87a,99を第1係合部55a,65a,75a,85a,95aよりも低い位置で上架台5又は取付板43に係合させるのであれば、上架台5又は取付板43のその他の部位に第2係合部57a,69b,77a,87a,99を係合させてもよいし、例えば、上架台5の下壁5d及びスリット5eの両方に係合するように、第2係合部57a,69b,77a,87a,99を設けてもよい。
【0131】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0132】
以上説明したように、本発明は、振動の大きな設備機器を設置するための防振架台を複数連結するための連結具等について有用である。
【符号の説明】
【0133】
1 防振架台
3 架台ユニット
5 上架台
5c 側壁(上架台の側部)
5e スリット
7 下架台
9 梁部材
11 アイソレータ(防振体)
25,45 ボルト
41 コーナー部材
43 取付板
51,61,71,81,91 防振架台用連結具
53,63,73,83,93 側壁部
55,65,75,85,95 頂壁部
57,67,77,87,97 妻壁部
51a,61a,71a,81a,91a 連結具本体部
55a,65a,75a,85a,95a 第1係合部
57a,69b,77a,87a,99 第2係合部
57a,77a 突出片
59,69 固定板
69b 水平板
87a 突出板
99 底壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々長尺の角パイプ材からなる上架台及び下架台の間に防振体を介在させてなる、横並びに配設された一対の架台ユニットと、当該各上架台の側面にボルト締結される取付板によって、当該各上架台の両端部に取り付けられたコーナー部材と、互いに対をなす当該上架台を、当該各コーナー部材を介して連結する梁部材とをそれぞれ備え、振動機器と基礎との間にそれぞれ介在され、且つ、当該上架台が一直線に並ぶように、当該上架台が延びる縦方向に隣接して設置される複数の防振架台を、連結するための防振架台用連結具であって、
相隣接する上記上架台の隣接端部で、当該各上架台の側面と所定間隔を隔てて対向するように縦方向に延びる側壁部と、縦方向視で上記側壁部と略逆L字状をなすように、当該側壁部の上端縁から当該各上架台に向かって、上記架台ユニットの配列方向である横方向に延びる頂壁部と、上記側壁部の縦方向両側縁から、当該各上架台に向かって横方向にそれぞれ延びる妻壁部とを有し、当該各上架台の側面にボルトで取り付けられている連結具本体部を備え、
上記頂壁部には、上記各取付板の上縁にそれぞれ引っ掛かるように係合する第1係合部が設けられている一方、上記側壁部又は上記各妻壁部には、当該各第1係合部よりも低い位置で上記各上架台又は当該各取付板にそれぞれ係合する第2係合部が設けられていることを特徴とする防振架台用連結具。
【請求項2】
請求項1記載の防振架台用連結具において、
上記第1係合部は、上記頂壁部の横方向の先端部で構成されていることを特徴とする防振架台用連結具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の防振架台用連結具において、
上記各妻壁部の横方向の先端部には、上記側壁部と平行に縦方向外側に延びる固定板が形成されており、
上記連結具本体部は、上記固定板を相隣接する上記上架台の側面にそれぞれボルト締結することによって、当該各上架台に取り付けられていることを特徴とする防振架台用連結具。
【請求項4】
請求項1又は2記載の防振架台用連結具において、
上記連結具本体部は、上記各取付板を上記上架台の側面に締結するためのボルトを用いて、上記側壁部を当該各上架台の側面にボルト締結することによって、当該各上架台に取り付けられていることを特徴とする防振架台用連結具。
【請求項5】
請求項3記載の防振架台用連結具において、
上記第2係合部は、上記各固定板の下端部から上記上架台の下面に沿って横方向に延びる水平板であり、相隣接する上記各上架台の下面にそれぞれ重なるように係合していることを特徴とする防振架台用連結具。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の防振架台用連結具において、
上記第2係合部は、上記各妻壁部の横方向の先端縁の下端部から横方向にさらに延びる突出片であり、相隣接する上記各上架台の下面にそれぞれ引っ掛かって係合していることを特徴とする防振架台用連結具。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の防振架台用連結具において、
上記第2係合部は、上記各妻壁部の横方向の先端縁の中央部から横方向にさらに延びる突出板であり、相隣接する上記各上架台の側面に形成されたスリットにそれぞれ差し込まれて係合していることを特徴とする防振架台用連結具。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の防振架台用連結具において、
上記第2係合部は、上記側壁部の縦方向両端部における下端部から、相隣接する上記上架台に向かって横方向にそれぞれ延びる底壁部であり、上記各取付板の下縁にそれぞれ係合していることを特徴とする防振架台用連結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−2245(P2012−2245A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135438(P2010−135438)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000201869)倉敷化工株式会社 (282)
【Fターム(参考)】