説明

防振装置

【課題】防振装置において、構造を簡素化するとともにコスト安とする。
【解決手段】ゴム弾性体12は、内筒体10の外周面から第1軸直方向両側に延びて外筒体11の内周面に連結された一対の主ばね部12a,12bと、外筒体11の内周面から第1軸直方向と直交する第2軸直方向の内側に突出して、両筒体10,11の第2軸直方向の相対移動を規制する軸直方向ストッパー部12dとを有する。軸方向ストッパーゴム弾性体13と一方の主ばね部12bとの間に設けられて該両者を互いに連結する第1連結ゴム弾性体14と、軸方向ストッパーゴム弾性体13と軸直方向ストッパー部12dとの間に設けられて該両者を互いに連結する第2連結ゴム弾性体15とをさらに設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内筒体と、該内筒体の周囲に設けられた外筒体と、該両筒体の間に設けられて該両筒体を互いに連結する弾性体と、少なくとも一部が上記外筒体の軸方向一方側の端面よりも軸方向外側に位置するように設けられ、上記両筒体の軸方向の相対移動を規制する軸方向ストッパー弾性体とを備えている防振装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のエンジンマウント等に適用される防振装置が従来技術として知られている。
【0003】
例えば、特許文献1の防振装置は、内筒体と、この内筒体の周囲に設けられた外筒体と、これら両筒体の間に設けられて両筒体を互いに連結する弾性体とを備えている。そして、内筒体は、振動源側のパワープラントに連結される一方、外筒体は、振動受け側の車体フレームに連結されるようになっている。
【0004】
また、上記防振装置は、両筒体の軸方向の相対移動を規制する軸方向ストッパー弾性体をさらに備えている。この軸方向ストッパー弾性体は、外筒体の軸方向一方側の端部から径方向外側に延びるフランジの軸方向外側面に設けられている。そして、軸方向ストッパー弾性体がパワープラント側のブラケット等に当接することによって、両筒体の軸方向の相対移動が規制されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4290073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の防振装置では、上述の如く外筒体にフランジを形成しているので、構造が複雑化するとともにコスト高となるという課題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、内筒体と、該内筒体の周囲に設けられた外筒体と、該両筒体の間に設けられて該両筒体を互いに連結する弾性体と、少なくとも一部が上記外筒体の軸方向一方側の端面よりも軸方向外側に位置するように設けられ、上記両筒体の軸方向の相対移動を規制する軸方向ストッパー弾性体とを備えている防振装置において、構造を簡素化するとともにコスト安とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、内筒体と、該内筒体の周囲に設けられた外筒体と、該両筒体の間に設けられて該両筒体を互いに連結する弾性体と、少なくとも一部が上記外筒体の軸方向一方側の端面よりも軸方向外側に位置するように設けられ、上記両筒体の軸方向の相対移動を規制する軸方向ストッパー弾性体とを備えている防振装置であって、上記弾性体は、上記内筒体の外周面から第1軸直方向両側に延びて上記外筒体の内周面に連結された一対の主ばね部と、上記外筒体の内周面から第1軸直方向と直交する第2軸直方向の内側に突出して、上記両筒体の第2軸直方向の相対移動を規制する軸直方向ストッパー部とを有しており、上記軸方向ストッパー弾性体と一方の主ばね部との間に設けられて該両者を互いに連結する第1連結弾性体と、上記軸方向ストッパー弾性体と上記軸直方向ストッパー部との間に設けられて該両者を互いに連結する第2連結弾性体とをさらに備えていることを特徴とするものである。
【0009】
これによれば、軸方向ストッパー弾性体と一方の主ばね部との間に設けられて該両者を互いに連結する第1連結弾性体と、軸方向ストッパー弾性体と軸直方向ストッパー部との間に設けられて該両者を互いに連結する第2連結弾性体とを設けているので、これら第1及び第2連結弾性体によって軸方向ストッパー弾性体をその位置に確実に保持することができる。このため、従来のように外筒体に軸方向ストッパー弾性体設置用のフランジが不必要となり、構造を簡素化するとともにコスト安とすることができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記軸方向ストッパー弾性体は、軸方向から見て上記一方の主ばね部が配置された部分の径方向外側の部分から上記軸直方向ストッパー部が配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って、周方向に延びるように設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
これによれば、軸方向ストッパー弾性体を、軸方向から見て一方の主ばね部が配置された部分の径方向外側の部分から軸直方向ストッパー部が配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って、周方向に延びるように設けているので、軸方向ストッパー弾性体と一方の主ばね部との間に設けられて該両者を互いに連結する第1連結弾性体と、軸方向ストッパー弾性体と軸直方向ストッパー部との間に設けられて該両者を互いに連結する第2連結弾性体とを簡単な構造にすることができる。
【0012】
第3の発明は、上記第1又は2の発明において、上記第1及び第2連結弾性体は、上記弾性体及び上記軸方向ストッパー弾性体と一体に成形されていることを特徴とするものである。
【0013】
これによれば、第1及び第2連結弾性体を弾性体及び軸方向ストッパー弾性体と一体に成形しているので、第1及び第2連結弾性体によって軸方向ストッパー弾性体をその位置に、より一層確実に保持することができる。
【0014】
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、上記第1連結弾性体は、上記軸方向ストッパー弾性体と上記一方の主ばね部の周方向中央部との間に設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
ところで、主ばね部の周方向両端部は、周方向中央部と比較して、応力が生じやすく、一方の主ばね部の周方向一端部と軸方向ストッパー弾性体との間に第1連結弾性体を設けると、一方の主ばね部の耐久性が悪化する。
【0016】
ここで、本発明によれば、第1連結弾性体を軸方向ストッパー弾性体と一方の主ばね部の、応力が生じにくい周方向中央部との間に設けているので、一方の主ばね部の耐久性が悪化するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、軸方向ストッパー弾性体と一方の主ばね部との間に設けられて該両者を互いに連結する第1連結弾性体と、軸方向ストッパー弾性体と軸直方向ストッパー部との間に設けられて該両者を互いに連結する第2連結弾性体とを設けているので、これら第1及び第2連結弾性体によって軸方向ストッパー弾性体をその位置に確実に保持することができ、従来のように外筒体に軸方向ストッパー弾性体設置用のフランジが不必要となり、構造を簡素化するとともにコスト安とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンマウントの本体を示す正面図である。
【図2】エンジンマウントの本体を示す側面図である。
【図3】エンジンマウントの本体を示す斜視図である。
【図4】エンジンマウントを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
本実施形態では、本発明に係る防振装置を自動車のエンジンマウントに適用し、このエンジンマウントは、図示しない自動車のパワープラントと車体との間に介在されて、そのパワープラントの荷重を支持するとともに、当該パワープラントからの振動を吸収し或いは減衰させて、車体への振動伝達を抑制するためのものである。
【0021】
すなわち、エンジンマウントは、例えばエンジンルームに横置きに搭載されるパワープラントのトランスミッション側の端部を吊り下げるものであり、内筒体の軸線が概ね自動車の車体の前後方向を向くように配置されている。
【0022】
図1〜図4に示すように、エンジンマウントAの本体(以下、マウント本体という。)1は、中空筒状の金属製内筒体10と、この内筒体10の外周囲に内筒体10と同軸に設けられた中空円筒状の金属製外筒体11と、これら両筒体10,11の間に設けられて両筒体10,11を互いに連結するゴム弾性体12(本発明の「弾性体」に対応)と、略全部が外筒体11の軸方向一方側(図1では手前側)の端面よりも軸方向外側に位置するように設けられ、両筒体10,11の軸方向の相対移動を規制する軸方向ストッパーゴム弾性体13(本発明の「ストッパー弾性体」に対応)とを備えるものである。そして、内部にマウント本体1が圧入固定された筒状金具2が、その外周に径方向外側に延びるように一体的に設けられた金属製ブラケット20,21によって振動受け側の車体フレーム(図示せず)に連結される一方、内筒体10は、その軸方向両端部がそれぞれボルト等により結合されるブラケット(図示せず)によって、振動源側のパワープラントに連結されるようになっている。
【0023】
尚、図1〜図4は、パワープラントの静荷重が作用していない無負荷状態を示しており、この状態では内筒体10の中心軸が外筒体11の中心軸から上方にオフセットしているが、上記のように車体に取り付けられてパワープラントの静荷重が加わる1G状態では、ゴム弾性体12が撓んで内筒体10が下方に変位し、その中心軸が外筒体11の中心軸と概ね合致するようになる。
【0024】
上記内筒体10は、その軸方向長さが外筒体11よりも長くなっていて、その軸方向両端が外筒体11からそれぞれ突出している。内筒体10の外周形状は、軸方向から見て、円形状以外の非円形状である。具体的には、内筒体10の外周は、その上下部分を構成する直線形状の平面部分と、その左右部分を構成する曲線形状の曲面部分とからなる。
【0025】
上記ゴム弾性体12は、内筒体10の外周面から第1軸直方向(本実施形態では車幅方向(水平方向))の両側に延びて外筒体11の内周面に連結された一対の主ばね部12a,12bと、それぞれ、外筒体11の内周面における第1軸直方向と直交する第2軸直方向(本実施形態では上下方向)の互いに対向する部分から第2軸直方向の内側に突出して、両筒体10,11の第2軸直方向の相対移動を規制する一対の軸直方向ストッパー部12c,12dと、内筒体10の外周面を覆う第1被覆部12eと、外筒体11の内周面を覆う第2被覆部12fとを有している。また、ゴム弾性体12には、内筒体10の上側近傍及び下側近傍に軸方向に貫通する貫通孔12g,12hがそれぞれ形成されている。
【0026】
上記主ばね部12a,12bは、内筒体10から詳細には下側にハの字状に延びて内筒体10を外筒体11に対して弾性支持していて、所定の防振特性を発揮するようにその形状や大きさなどが設定されている。主ばね部12a,12bの軸方向両端面は、径方向内側から外側に行くに従って軸方向内側に傾斜しており、その径方向外側端部は、外筒体11の軸方向両端面よりも軸方向内側に位置している。
【0027】
軸直方向ストッパー部12c,12dは、外筒体11の軸方向略全域に亘って設けられている。上側の軸直方向ストッパー部12cは上側の貫通孔12gに、下側の軸直方向ストッパー部12dは下側の貫通孔12hに臨むように、それぞれ配設されている。下側の軸直方向ストッパー部12dの形状は、軸方向から見て、略台形形状である。そして、軸直方向ストッパー部12c,12dが内筒体10に当接することによって、両筒体10,11の第2軸直方向の相対移動が規制されるようになっている。
【0028】
上記軸方向ストッパーゴム弾性体13は、外筒体11の軸方向一方側(図1では手前側)の端面に沿うように、軸方向から見て一方の主ばね部12b(図1では右側の主ばね部12b)が配置された部分の径方向外側の部分から下側の軸直方向ストッパー部12dが配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って、周方向に延びるように設けられている。この範囲は、詳細には、一方の主ばね部12bの周方向中央部の、径方向外側近傍から下側の軸直方向ストッパー部12dの周方向の主ばね部12b側の端部(図1では右端部)の、径方向外側近傍までの範囲である。上記範囲は、長短二通りの範囲が考えられるが、本実施形態では短い方である。軸方向ストッパーゴム弾性体13の軸方向外側端面の形状は波形形状である。軸方向ストッパーゴム弾性体13は第2被覆部12fに連結されている。
【0029】
尚、図示しないが、内筒体10の軸方向他端部(図1では奥側の端部)には、両筒体10,11の軸方向の相対移動を規制するストッパーゴム弾性体が外嵌される。
【0030】
上記筒状金具2は、中空円筒状の筒部(図示せず)と、この筒部の軸方向一方側(図4では手前側)の端部を径方向外側に90度折り曲げて形成されたフランジ22とを有している。そして、軸方向ストッパーゴム弾性体13がパワープラント側のブラケットやフランジ22に当接することによって、両筒体10,11の軸方向の相対移動が規制されるようになっている。
【0031】
マウント本体1は、軸方向ストッパーゴム弾性体13と一方の主ばね部12b(図1では右側の主ばね部12b)との間に設けられてこの両者を互いに連結する、軸方向ストッパーゴム弾性体13保持用の第1連結ゴム弾性体14(本発明の「第1連結弾性体」に対応)と、軸方向ストッパーゴム弾性体13と下側の軸直方向ストッパー部12dとの間に設けられてこの両者を互いに連結する、軸方向ストッパーゴム弾性体13保持用の第2連結ゴム弾性体15(本発明の「第2連結弾性体」に対応)とをさらに備えるものである。これら第1及び第2連結ゴム弾性体14,15は、ゴム弾性体12及び軸方向ストッパーゴム弾性体13と一体に成形されている。
【0032】
上記第1連結ゴム弾性体14は、詳細には、軸方向ストッパーゴム弾性体13の径方向内側端縁部の、周方向の主ばね部12b側の端部(図1では上端部(右端部))と、主ばね部12bの軸方向一方側(図1では手前側)の端面における径方向外側端縁部(図1では下端部(右端部))の周方向中央部との間に軸方向に延びるように設けられていて、外筒体11の内周面から径方向内側に突出している。
【0033】
上記第2連結ゴム弾性体15は、詳細には、軸方向ストッパーゴム弾性体13の径方向内側端縁部の、周方向の軸直方向ストッパー部12d側の端部(図1では下端部(左端部))と、軸直方向ストッパー部12dの軸方向一方側(図1では手前側)の端部における基端縁部(図1では下端縁部)の、周方向の主ばね部12b側の端部(図1では右端部)との間に設けられている。
【0034】
−効果−
以上より、本実施形態によれば、軸方向ストッパーゴム弾性体13と一方の主ばね部12bとの間に設けられて該両者を互いに連結する第1連結ゴム弾性体14と、軸方向ストッパーゴム弾性体13と軸直方向ストッパー部12dとの間に設けられて該両者を互いに連結する第2連結ゴム弾性体15とを設けているので、これら第1及び第2連結ゴム弾性体14,15によって軸方向ストッパーゴム弾性体13をその位置に確実に保持することができる。このため、従来のように外筒体11に軸方向ストッパーゴム弾性体13設置用のフランジが不必要となり、構造を簡素化するとともにコスト安とすることができる。
【0035】
また、軸方向ストッパーゴム弾性体13を、軸方向から見て一方の主ばね部12bが配置された部分の径方向外側の部分から軸直方向ストッパー部12dが配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って、周方向に延びるように設けているので、軸方向ストッパーゴム弾性体13と一方の主ばね部12bとの間に設けられて該両者を互いに連結する第1連結ゴム弾性体14と、軸方向ストッパーゴム弾性体13と軸直方向ストッパー部12dとの間に設けられて該両者を互いに連結する第2連結ゴム弾性体15とを簡単な構造にすることができる。
【0036】
また、第1及び第2連結ゴム弾性体14,15をゴム弾性体12及び軸方向ストッパーゴム弾性体13と一体に成形しているので、第1及び第2連結ゴム弾性体14,15によって軸方向ストッパーゴム弾性体13をその位置に、より一層確実に保持することができる。
【0037】
ところで、主ばね部12a,12bの周方向両端部は、周方向中央部と比較して、応力が生じやすく、一方の主ばね部12aの周方向一端部と軸方向ストッパーゴム弾性体13との間に第1連結ゴム弾性体14を設けると、一方の主ばね部12aの耐久性が悪化する。
【0038】
ここで、本実施形態によれば、第1連結ゴム弾性体14を軸方向ストッパーゴム弾性体13と一方の主ばね部12bの、応力が生じにくい周方向中央部との間に設けているので、一方の主ばね部12bの耐久性が悪化するのを抑制することができる。
【0039】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、防振装置をエンジンマウントに適用しているが、これに限らず、車体マウントやサスペンションメンバマウント等に適用してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、軸方向ストッパーゴム弾性体13を、その略全部が外筒体11の軸方向一方側の端面よりも軸方向外側に位置するように設けているが、その少なくとも一部が外筒体11の軸方向一方側の端面よりも軸方向外側に位置するように設ければよい。
【0041】
また、上記実施形態では、軸方向ストッパーゴム弾性体13を一方の主ばね部12bが配置された部分の径方向外側の部分から下側の軸直方向ストッパー部12dが配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って設けているが、これに限らず、例えば、他方の主ばね部12aが配置された部分の径方向外側の部分から下側の軸直方向ストッパー部12dが配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って設けたり、主ばね部12a,12bのいずれか一方が配置された部分の径方向外側の部分から上側の軸直方向ストッパー部12cが配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って設けたりしてもよい。他方の主ばね部12aが配置された部分の径方向外側の部分から下側の軸直方向ストッパー部12dが配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って設けた場合は、第1連結ゴム弾性体14を軸方向ストッパーゴム弾性体13と他方の主ばね部12aとの間に設ける。一方、主ばね部12a,12bのいずれか一方が配置された部分の径方向外側の部分から上側の軸直方向ストッパー部12cが配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って設けた場合は、第1連結ゴム弾性体14を軸方向ストッパーゴム弾性体13と主ばね部12a,12bのいずれか一方との間に、第2連結ゴム弾性体15を軸方向ストッパーゴム弾性体13と上側の軸直方向ストッパー部12cとの間に、それぞれ設ける。
【0042】
また、上記実施形態では、第1連結ゴム弾性体14を上述の如く形状・構造にしているが、軸方向ストッパーゴム弾性体13と一方の主ばね部12bとの間に設けられてこの両者を互いに連結する限り、その形状・構造は上述のものに限定されない。例えば、第1連結ゴム弾性体14を主ばね部12bの径方向略全域に亘って設けてもよい。但し、軽量化の観点から、大きくないのが望ましい。
【0043】
また、上記実施形態では、第2連結ゴム弾性体15を上述の如く形状・構造にしているが、軸方向ストッパーゴム弾性体13と下側の軸直方向ストッパー部12dとの間に設けられてこの両者を互いに連結する限り、その形状・構造は上述のものに限定されない。
【0044】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0045】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上説明したように、本発明に係る防振装置は、構造を簡素化するとともにコスト安とすることが必要な用途等に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
A エンジンマウント(防振装置)
1 マウント本体
10 内筒体
11 外筒体
12 ゴム弾性体(弾性体)
12a,12b 主ばね部
12d 軸直方向ストッパー部
13 軸方向ストッパーゴム弾性体(軸方向ストッパー弾性体)
14 第1連結ゴム弾性体(第1連結弾性体)
15 第2連結ゴム弾性体(第2連結弾性体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内筒体と、該内筒体の周囲に設けられた外筒体と、該両筒体の間に設けられて該両筒体を互いに連結する弾性体と、少なくとも一部が上記外筒体の軸方向一方側の端面よりも軸方向外側に位置するように設けられ、上記両筒体の軸方向の相対移動を規制する軸方向ストッパー弾性体とを備えている防振装置であって、
上記弾性体は、上記内筒体の外周面から第1軸直方向両側に延びて上記外筒体の内周面に連結された一対の主ばね部と、上記外筒体の内周面から第1軸直方向と直交する第2軸直方向の内側に突出して、上記両筒体の第2軸直方向の相対移動を規制する軸直方向ストッパー部とを有しており、
上記軸方向ストッパー弾性体と一方の主ばね部との間に設けられて該両者を互いに連結する第1連結弾性体と、
上記軸方向ストッパー弾性体と上記軸直方向ストッパー部との間に設けられて該両者を互いに連結する第2連結弾性体とをさらに備えていることを特徴とする防振装置。
【請求項2】
請求項1記載の防振装置において、
上記軸方向ストッパー弾性体は、軸方向から見て上記一方の主ばね部が配置された部分の径方向外側の部分から上記軸直方向ストッパー部が配置された部分の径方向外側の部分までの範囲に亘って、周方向に延びるように設けられていることを特徴とする防振装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の防振装置において、
上記第1及び第2連結弾性体は、上記弾性体及び上記軸方向ストッパー弾性体と一体に成形されていることを特徴とする防振装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の防振装置において、
上記第1連結弾性体は、上記軸方向ストッパー弾性体と上記一方の主ばね部の周方向中央部との間に設けられていることを特徴とする防振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−252533(P2011−252533A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125884(P2010−125884)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000201869)倉敷化工株式会社 (282)
【Fターム(参考)】