説明

防水カメラ

【課題】少しでもパッキンの数を減らし、作業上の問題や信頼性の問題を減少させた防水カメラ。
【解決手段】前方から防水カメラ内部を被覆する前カバー部と、撮像レンズを保持する鏡筒部と、が一体に形成されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用カメラ、監視用カメラ、防水カメラ及び水中カメラ等の防水カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
車の運転席からは前方、後方及び助手席側の各々の下方が死角となり易い。そこで、死角となる方向をデジタルカメラで撮像し、その画像を運手席に設置したモニタで視認できるようにした車載用カメラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
車載用カメラは雨に晒されても水滴が内部に浸入しないように防水構造に構成されている。
【0004】
屋外に設置される監視用カメラも同様に防水構造に構成され、画像を監視ルームに設置したモニタで視認したり、録画したりする。
【0005】
また、水辺や雨天時に水滴が掛かっても撮影できるように防滴構造に構成されたカメラや、水中で撮影可能なように完全防水型に構成された水中カメラも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
このようにカメラを防滴構造や防水構造にするために、水が浸入すると思われる部材の間隙にゴム製のOリングからなるパッキンを装着することが多い。
【0007】
Oリングは二つの部材の外周面と内周面との間隙や、二つの部材の突き当て面の間隙に配置される。そして、Oリングが二つの部材の外周面と内周面との間隙に配置される場合は、Oリングは一方の部材の外周面や外周面に形成した溝にゴムの弾性で圧着した状態で装着される。従って、Oリングをこのような部材に装着するときには、Oリングの内径を若干拡大して装着する必要があり、このために治具を用いて装着することになる。治具は例えば棒状に形成され、一端はOリングを装着する部分の近傍に配置できるように形成され、他端はテーパーになっていてOリングを容易にはめ込めるようにOリングの内径より細く形成されている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
そして、Oリングを治具に他端からはめ込み、一端から抜き取って所定の部材に装着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−52077号公報
【特許文献2】特開平5−11160号公報
【特許文献3】特開2003−39257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の如き車載用カメラ、監視用カメラ、防滴カメラ及び水中カメラに関し、以下防水カメラと総称する。
【0011】
防水カメラにおいては、Oリングを装着するために上記の如き治具を用いなければならず、組み立て作業が面倒で作業工数が掛かり、原価高になる。また、Oリングには成型時にパーティングラインで生ずる微細なバリがあり、Oリングが捻れて装着されると水漏れが生ずることがあるので、注意深く作業する必要がある。従って、防水カメラには多数のOリングが用いられているが、Oリングの数はできるだけ少ないことが作業性の点で望ましい。
【0012】
また、車載用カメラや監視用カメラの場合は、雨に晒される頻度が高く、高温や低温に高湿度の環境下で用いられ、更に廃棄ガス等の有害な物質の影響を受け易いといった悪条件の下に配置される。更に、水中カメラの場合は、高温の砂浜に放置された後、低温の水中に持ち込まれるといったサーモショックを受け易い。これらの結果、Oリングが劣化し、水滴が内部に侵入してカメラの故障の原因となることが生じ易い。従って、Oリングの数はできるだけ少ないことが信頼性の点においても望ましい。
【0013】
更に、車を洗う際に高圧洗車機を用いることがあるが、このとき車載用カメラの正面から高い圧力の水が吹き付けられるので、水漏れの危険性を減少させるためには車載用カメラの正面側にOリングができるだけ少ない方が望ましい。
【0014】
なお、以上の問題はOリングに限定されるものではなく、断面形状が円でないパッキンについても同様である。
【0015】
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、防水カメラにおいてOリング等のパッキンの数を皆無にすることは困難であるが、少しでもパッキンの数を減らし、上述の如き作業上の問題や信頼性の問題を減少させた防水カメラを提案することを発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は下記に記載した発明により達成される。
【0017】
1.前方から防水カメラ内部を被覆する前カバー部と、撮像レンズを保持する鏡筒部と、が一体に形成されていることを特徴とする防水カメラ。
【0018】
2.前方から防水カメラ内部を被覆する前カバー部と、撮像レンズを構成する所定のレンズとが一体に形成されており、該所定のレンズの周辺に任意の光学部品が装着されていることを特徴とする防水カメラ。
【0019】
3.前記所定のレンズは、撮像レンズにおける最も物体側に位置する前方レンズと最も像面側に位置する後方レンズとの中間に位置する中間レンズであることを特徴とする前記2に記載の防水カメラ。
【0020】
4.前記前カバー部と前記中間レンズとから成る前カバー部材は、前記前方レンズを保持することを特徴とする前記3に記載の防水カメラ。
【0021】
5.前記前カバー部材は、前記後方レンズを保持することを特徴とする前記3又は前記4に記載の防水カメラ。
【0022】
6.前記所定のレンズは、撮像レンズにおける最も像面側に位置する後方レンズであることを特徴とする前記2に記載の防水カメラ。
【0023】
7.前記前カバー部と前記後方レンズとから成る前カバー部材は、最も物体側に位置する前方レンズを保持することを特徴とする前記6に記載の防水カメラ。
【0024】
8.前記前カバー部材は、前記前方レンズと前記後方レンズとの中間に位置する中間レンズを保持することを特徴とする前記6又は前記7に記載の防水カメラ。
【0025】
9.少なくとも前記前カバー部の外表面は遮光処理されていることを特徴とする前記2〜8の何れか1項に記載の防水カメラ。
【発明の効果】
【0026】
本発明の防水カメラによれば、従来の如く撮像レンズを保持する鏡筒と前カバーとの間にパッキンを設ける必要がなくなり、作業上の問題や信頼性の問題が減少し、原価低減される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の元となる防水カメラの断面図である。
【図2】第1の実施の形態の防水カメラにおける断面図である。
【図3】第2の実施の形態の防水カメラにおける断面図である。
【図4】第3の実施の形態の防水カメラにおける断面図である。
【図5】第4の実施の形態の防水カメラにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
最初に、本発明の元となる防水カメラの一例について図1に示す断面図を参照して説明する。なお、この防水カメラは、車載用カメラや屋外で用いられる監視用カメラに好適なものである。
【0029】
先ず、防水カメラに内蔵されるレンズユニット1について説明する。レンズユニット1は主として撮像レンズL及び撮像レンズLを保持する内鏡筒21から構成される。
【0030】
撮像レンズLは被写体側から第1レンズL1、第2レンズL2及び第3レンズL3より構成されている。第1レンズL1、第2レンズL2及び第3レンズL3は内鏡筒21に保持されている。
【0031】
第1レンズL1の後方には遮光板22が内鏡筒21に固定され、不要光を遮光すると共に、第2レンズL2を内鏡筒21に保持している。また、内鏡筒21は絞りを兼用している。第2レンズL2の後方には遮光板23が配置され内鏡筒21に接合されている。第3レンズL3の後方には遮光板24が接着剤Sで内鏡筒21に接合され、不要光を遮光すると共に、第3レンズL3を内鏡筒21に保持している。
【0032】
なお、本明細書においては、前面、前部及び前方が物体側(被写体側)であって、背面、後部及び後方がその逆側の像面側である。
【0033】
第1レンズL1の後部外周面にはOリング25が装着され、Oリング25は内鏡筒21の前部内周面に密着しているので、第1レンズL1と内鏡筒21との間隙は水密状態に構成されている。従って、第2レンズL2や第3レンズL3等の位置に水が浸入することはない。
【0034】
内鏡筒21の外周面には雄ネジ21aが螺設され、雄ネジ21aは内鏡筒21の外周側に位置する外鏡筒31に螺設された雌ネジ31aと螺合する。
【0035】
外鏡筒31の後端面にはプリント配線板12が固定されており、プリント配線板12には撮像素子11が実装されている。撮像素子11は、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ若しくはCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型イメージセンサであって、プリント配線板12に実装される。そして、プリント配線板12の各配線はケーブル13によって防水カメラの外部に位置する外部機器と接続されている。図示していないが、この接続は、例えばケーブル13の先端に設けられたコネクタとプリント配線板12に設けられた受けのコネクタによって行われる。
【0036】
以上により、内鏡筒21を回転させれば、雄ネジ21aと雌ネジ31aの螺合により、内鏡筒21は外鏡筒31に対して進退する。従って、撮像レンズLと撮像素子11との距離が変化し、被写体像を撮像素子11に適切に合焦させることができる。即ち、雄ネジ21aと雌ネジ31aとによりピント調整を行うことができる。
【0037】
以上の如く構成したレンズユニット1に外鏡筒31、撮像素子11、プリント配線板12等を加えて構成したユニットを撮像ユニット10と称する。
【0038】
この撮像ユニット10は前後より前カバー41と後カバー42とで被覆されている。
【0039】
後カバー42には、後部中央に空いた貫通孔にゴムから成るブッシュ43が装着されている。そして、撮像ユニット10の後方から後カバー42が挿入されるときに、ブッシュ43の貫通孔からケーブル13が引き出される。また、プリント配線板12の背面が、後カバー42の内面に貼着されたゴムから成るリング状の弾性部材44に当接していて、撮像レンズLは光軸方向に押圧されている。
【0040】
内鏡筒21の前部外周面にはOリング46が装着され、後カバー42の先端部に円状に形成された長溝にOリング45が装着されている。従って、前方から挿入した前カバー41の内周面とOリング46が密着するので、前カバー41と内鏡筒21の間隙は水密状態に保持される。また、前カバー41の後端部がOリング45に密着するので、前カバー41と後カバー42の間隙は水密状態に保持され、撮像ユニット10は水密状態になる。
【0041】
最後に、前カバー41と後カバー42は不図示の接着剤で接合されて、防水カメラが完成する。
【0042】
このように構成された防水カメラにおいて、被写体の光像は撮像レンズLにより撮像素子11に結像し、その光像は光電変換されて画像信号となり、ケーブル13を介して外部機器に送信される。外部機器に送信された画像信号は所定の画像処理が行われる。この防水カメラが車載用カメラであるならば、画像信号に基づいて形成された画像を運転席に設置したモニタで視認し、この防水カメラが監視用カメラであるならば、同様な画像を監視ルームに設置したモニタで視認したり録画したりする。
【0043】
ここで、以上の如く説明した防水カメラにはOリング25,45,46と3個のOリングが使用されている。そこで、作業性や信頼性をより向上させるために、Oリングの数を減らした実施の形態を以下に説明する。
[第1の実施の形態]
図2は第1の実施の形態の防水カメラにおける断面図である。
【0044】
撮像レンズL10は、第1レンズL11、第2レンズL12及び第3レンズL13により構成され、第1レンズL11(前方レンズ)は最も物体側に位置し、第3レンズL13は(後方レンズ)最も像面側に位置し、第2レンズL12(中間レンズ)は第1レンズL11と第3レンズL13の中間に位置する。
【0045】
前カバー部材140は、図1における前カバー41と内鏡筒21とを一体化した形状に形成され、前カバー部141と内鏡筒部121とから成る。従って、前カバー部141が前方から防水カメラ内部を被覆し、内鏡筒部121が第1レンズL11、第2レンズL12及び第3レンズL13を保持している。遮光板22、遮光板23及び遮光板24についても同様に内鏡筒部121が保持している。また、内鏡筒121は絞りを兼用している。
【0046】
そして、図1と同様にOリング25により第1レンズL11と前カバー部材140との間隙は水密状態に構成されている。
【0047】
また、内鏡筒部121の外周面に螺設した雄ネジ121aが同様に外鏡筒31に螺設された雌ネジ31aと螺合している。
【0048】
また、図1と同様に、前カバー部141における第1レンズL11に対して反対側に位置する端部と、後カバー42における第1レンズL11側の端部との間隙はOリング45によって水密状態に構成されている。
【0049】
なお、他の部材は図1の部材と共通であって図2に同じ符号で示してあり、説明は省略する。
【0050】
その他に、撮像レンズL10は3枚構成であるが、レンズ枚数は限定されるものではない。
【0051】
以上の如く防水カメラを構成することにより、図1におけるOリング46が不要になり、組立工数が低減すると共に信頼性が向上し、組立費とOリング46の部品費が不要になるので原価低減される。更に、前カバー部141と内鏡筒部121とが一体化されているので、この点においても組立費と部品費が低減される。更に、リング状の弾性部材44も不要となり、組立費と部品費が低減される。
【0052】
更に、本防水カメラが車載用カメラである場合には、図1と比較して正面側(第1レンズL11の側)にOリングの数が減少するので、高圧洗車機による洗車が行われても水漏れの虞が減少する。
[第2の実施の形態]
図3は第2の実施の形態の防水カメラにおける断面図である。
【0053】
撮像レンズL20は、第1レンズL21、第2レンズ部L22及び第3レンズL23により構成され、第1レンズL21(前方レンズ)は最も物体側に位置し、第3レンズL23は(後方レンズ)最も像面側に位置し、第2レンズ部L22(中間レンズ)は第1レンズL21と第3レンズL23の中間に位置する。
【0054】
前カバー部材240は、図1における前カバー41と第2レンズL2とを一体化した形状に形成され、前カバー部241と第2レンズ部L22とから成る。従って、前カバー部材240は第1レンズL21を保持すると共に、前方から防水カメラ内部を被覆している。また、第2レンズ部L22の外周面に内鏡筒221の内周面が嵌合して、第2レンズ部L22が内鏡筒221を担持し、内鏡筒221は第3レンズL23や遮光板23、遮光板24を保持している。また、内鏡筒221は絞りを兼用している。
【0055】
そして、図1と同様にOリング25により第1レンズL21と前カバー部材240との間隙は水密状態に構成されている。
【0056】
また、内鏡筒221の外周面に螺設した雄ネジ221aが同様に外鏡筒31に螺設された雌ネジ31aと螺合している。
【0057】
また、図1と同様に、前カバー部241における第1レンズL21に対して反対側に位置する端部と、後カバー42における第1レンズL21側の端部との間隙はOリング45によって水密状態に構成されている。
【0058】
なお、他の部材は図1の部材と共通であって図2に同じ符号で示してあり、説明は省略する。
【0059】
ここで、前カバー部材240には第2レンズ部L22が一体に形成されているため、アクリルやポリカーボネート等の透明な樹脂から成型されていて、前カバー部241も透明になる。このため、外部の不要光が第2レンズ部L22に到達するだけでなく、第3レンズL23や撮像素子11に入射する虞がある。これを防止するために、少なくとも前カバー部241の外表面を塗装、印刷若しくは不透明なシートのインモール成形等により遮光処理することが望ましい。
【0060】
なお、特許請求の範囲における任意の光学部品は、第1レンズL21、内鏡筒221、第3レンズL23、遮光板23、遮光板24に相当する。
【0061】
その他に、撮像レンズL20は3枚構成であるが、レンズ構成は限定されるものではなく、第1レンズL21や第3レンズL23が複数枚のレンズから構成されていてもよい。
【0062】
以上の如く防水カメラを構成することにより、図1におけるOリング46が不要になり、組立工数が低減すると共に信頼性が向上し、組立費とOリング46の部品費が不要になるので原価低減される。更に、前カバー部241と第2レンズ部L22とが一体化されているので、この点においても組立費と部品費が低減される。更に、リング状の弾性部材44も不要となり、組立費と部品費が低減される。
【0063】
更に、本防水カメラが車載用カメラである場合には、図1と比較して正面側(第1レンズL21の側)にOリングの数が減少するので、高圧洗車機による洗車が行われても水漏れの虞が減少する。
[第3の実施の形態]
図4は第3の実施の形態の防水カメラにおける断面図である。
【0064】
撮像レンズL30は、第1レンズL31、第2レンズL32及び第3レンズ部L33により構成され、第1レンズL31(前方レンズ)は最も物体側に位置し、第3レンズ部L33は(後方レンズ)最も像面側に位置し、第2レンズL32(中間レンズ)は第1レンズL31と第3レンズ部L33の中間に位置する。
【0065】
前カバー部材340は、図1における前カバー41と内鏡筒21と第3レンズL3とを一体化した形状に形成され、前カバー部341と内鏡筒部321と第3レンズ部L33とから成る。従って、前カバー部材340は第1レンズL31を保持すると共に、前方から防水カメラ内部を被覆している。また、内鏡筒部321は第2レンズL32を保持すると共に、遮光板23が接合された固定された絞り部材262も保持している。また、第3レンズ部L33の周辺には遮光板24が貼着されている。
【0066】
そして、図1と同様にOリング25により第1レンズL31と前カバー部材340との間隙は水密状態に構成されている。
【0067】
また、内鏡筒321の外周面に螺設した雄ネジ321aが同様に外鏡筒31に螺設された雌ネジ31aと螺合している。
【0068】
また、図1と同様に、前カバー部341における第1レンズL31に対して反対側に位置する端部と、後カバー42における第1レンズL31側の端部との間隙はOリング45によって水密状態に構成されている。
【0069】
他の部材は図1の部材と共通であって図3に同じ符号で示してあり、説明は省略する。
【0070】
ここで、前カバー部材340には第3レンズ部L33が一体に形成されているため、アクリルやポリカーボネート等の透明な樹脂から成型されていて、前カバー部341や内鏡筒部321も透明になる。このため、外部の不要光が第3レンズ部L33に到達するだけでなく、内鏡筒部321を透過して第2レンズL32や撮像素子11に入射する虞がある。これを防止するために、少なくとも前カバー部341の外表面を塗装、印刷若しくは不透明なシートのインモール成形等により遮光処理することが望ましい。
【0071】
なお、特許請求の範囲における任意の光学部品は、第1レンズL31、第2レンズL32、絞り部材262、遮光板22、遮光板23、遮光板24に相当する。
【0072】
その他に、撮像レンズL30は3枚構成であるが、レンズ構成は限定されるものではなく、第1レンズL31や第2レンズL32が複数枚のレンズから構成されていてもよいし、第1レンズL31と第3レンズ部L33との2枚構成であってもよい。
【0073】
以上の如く防水カメラを構成することにより、図1におけるOリング46が不要になり、組立工数が低減すると共に信頼性が向上し、組立費とOリング46の部品費が不要になるので原価低減される。更に、前カバー部341、内鏡筒部321及び第3レンズ部L33が一体化されているので、この点においても組立費と部品費が低減される。
【0074】
更に、本防水カメラが車載用カメラである場合には、図1と比較して正面側(第1レンズL31の側)にOリングの数が減少するので、高圧洗車機による洗車が行われても水漏れの虞が減少する。
[第4の実施の形態]
図5は第4の実施の形態の防水カメラにおける断面図である。
【0075】
本実施の形態は第3の実施の形態と類似している。
【0076】
本実施の形態においては、前カバー部材440は前カバー部441と内鏡筒部421と第3レンズ部L43とから成る。
【0077】
しかし、内鏡筒部421に雄ネジが螺設されてなく、外鏡筒31も配置されていない。その代わりに、内鏡筒部421から延在した筒部421aが設けられ、その後端部にプリント配線板12が固定されている。撮像レンズL40を構成する第1レンズL41、第2レンズL42は内鏡筒部421に保持され、第3レンズL42は内鏡筒部421と一体化されているので、筒部421aによってプリント配線板12に対する撮像レンズL40の位置が定まる。
【0078】
なお、第1〜3の実施の形態においても、第4の実施の形態の如く構成することは可能である。
【0079】
加えて、第1〜4の実施の形態は車載用カメラや監視用カメラに好適な形態であるが、同様な基本構成のままで防滴カメラや防水カメラにも適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
L,L10,L20,L30,L40 撮像レンズ
L1,L11,L21,L31,L41 第1レンズ
L2,L12,L32,L42 第2レンズ
L22 第2レンズ部
L3,L13,L23 第3レンズ
L33,L43 第3レンズ部
11 撮像素子
12 プリント配線板
21,221 内鏡筒
25,45,46 Oリング
31 外鏡筒
41 前カバー
42 後カバー
121,321,421 内鏡筒部
140,240,340,440 前カバー部材
141,241,341,441 前カバー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方から防水カメラ内部を被覆する前カバー部と、撮像レンズを保持する鏡筒部と、が一体に形成されていることを特徴とする防水カメラ。
【請求項2】
前方から防水カメラ内部を被覆する前カバー部と、撮像レンズを構成する所定のレンズとが一体に形成されており、該所定のレンズの周辺に任意の光学部品が装着されていることを特徴とする防水カメラ。
【請求項3】
前記所定のレンズは、撮像レンズにおける最も物体側に位置する前方レンズと最も像面側に位置する後方レンズとの中間に位置する中間レンズであることを特徴とする請求項2に記載の防水カメラ。
【請求項4】
前記前カバー部と前記中間レンズとから成る前カバー部材は、前記前方レンズを保持することを特徴とする請求項3に記載の防水カメラ。
【請求項5】
前記前カバー部材は、前記後方レンズを保持することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の防水カメラ。
【請求項6】
前記所定のレンズは、撮像レンズにおける最も像面側に位置する後方レンズであることを特徴とする請求項2に記載の防水カメラ。
【請求項7】
前記前カバー部と前記後方レンズとから成る前カバー部材は、最も物体側に位置する前方レンズを保持することを特徴とする請求項6に記載の防水カメラ。
【請求項8】
前記前カバー部材は、前記前方レンズと前記後方レンズとの中間に位置する中間レンズを保持することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の防水カメラ。
【請求項9】
少なくとも前記前カバー部の外表面は遮光処理されていることを特徴とする請求項2〜8の何れか1項に記載の防水カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−17839(P2011−17839A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161655(P2009−161655)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】