説明

防犯装置

【課題】防犯機能のコストダウンと機能向上を実現させた防犯装置を提供する。
【解決手段】充電装置2の充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続されると、家側システム3のパーソナルコンピュータ501のCPUは不審者情報の収集を行う。そして、車載カメラ117,118、モニタカメラ311,312によりそれぞれ撮像した画像中に不審者を検出すると、不審者を検出した画像を画像保存手段306によりメモリ307へ保存し、車両側システム1の電気自動車11のヘッドランプ111,112、室内灯113、ハザードランプ114、スピーカ116、ホーン装置115などの車載装置類を利用して警報を発するための警報信号を生成し、前記警報信号を警報信号多重化手段411により多重化して光ケーブルPLを介して車両側システム1へ送信し、電気自動車11の前記車載装置類を用いた警報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車を利用することで防犯機能のコストダウンと機能向上を実現できる防犯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電池に蓄えた電気エネルギーを利用しモータ駆動により走行する電気自動車の普及する兆しが目に見えて顕著になってきている。このような電気自動車では充電可能なバッテリに電気エネルギーを蓄え、この電気エネルギーを利用しモータを駆動源として走行する。従って、車を使用しない夜間、車を駐車しておく際に充電プラグを電気自動車側の充電コンセントへ差し込み充電しておく。
一方、車両の盗難防止のためのセキュリティシステムも普及している。このセキュリティシステムでは、車輪の回転を拘束して車両を走行不能にする機能を有するものや、車両に与えられた衝撃を検知してクラクションを一定時間、作動させ、クラクションが発する音を警報音として車両の盗難を防止する。
このような防犯装置としては、車両に設けられたドアを開放するためのドア開放機構に設けられたハンドルスイッチが操作状態にある場合に、携帯機に固有のIDコードの送信を要求するリクエストコードを送信部から送信しても、所定時間T1内に前記携帯機から返送信号が受信部を介して受信されないときには、コード照合部により所定時間T2だけ盗難行為をセンサユニットに検出させるように制御するとともに、威嚇警報信号をランプから発生させるように制御するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−109963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、従来の防犯装置は車両の盗難行為を防止する際の信頼性を向上させるものであり、例えば室内や敷地内への不審者の侵入行為、駐車場やガレージに止めてある車両を含む家財設備の盗難など、車両の盗難行為を超えた広い意味での犯罪には対応できず、防犯機能を発揮できないという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電気自動車を利用することで防犯機能のコストダウンと機能向上を実現させた防犯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、撮像装置により撮像した画像情報をもとに不審者を判定し、警報を出力する防犯装置であって、前記撮像装置は、電気自動車の車載カメラと、予め決められた防犯エリアを撮像する取り付け位置が固定された固定モニタカメラとを含み、前記固定モニタカメラにより撮像された画像情報と前記車載カメラにより撮像された画像情報とを収集し、前記画像情報から不審者の有無を判定し、不審者が有りと判定されると、前記電気自動車が備える車載装置類を作動させて警報を発せさせる警報信号を出力する制御手段と、前記電気自動車を充電する充電装置の充電プラグが前記電気自動車の充電コンセントへ接続されると、前記電気自動車と前記制御手段との間に通信路を確立し、前記通信路を経由して前記制御手段が収集する前記車載カメラにより撮像された画像情報を前記電気自動車から前記制御手段へ送信するとともに、前記制御手段が出力する前記警報信号を前記電気自動車へ送信する通信手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、固定モニタカメラにより撮像された画像情報および電気自動車の車載カメラにより撮像された画像情報を収集し、前記画像情報から不審者が有りと判定されると、前記電気自動車が備える車載装置類を作動させて警報を発せさせる警報信号を制御手段が出力し、通信手段は、前記電気自動車を充電する充電装置の充電プラグが前記電気自動車の充電コンセントへ接続されると、前記電気自動車と前記制御手段との間に通信路を確立し、前記通信路を経由して前記制御手段が収集する前記電気自動車の車載カメラにより撮像された画像情報を前記電気自動車から前記制御手段へ送信するとともに、前記制御手段が出力する前記警報信号を前記電気自動車へ送信するように構成したので、電気自動車の車載装置類を利用することで防犯機能のコストダウンと機能向上を実現させた防犯装置を提供できる効果がある。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、車載装置類は、電気自動車が備える警笛装置、スピーカ装置、ランプ装置を含むように構成したので、電気自動車の警笛装置、スピーカ装置、ランプ装置を利用することで防犯機能のコストダウンと機能向上を実現させる上でより有利となる。
【0009】
請求項3記載の発明によれば、通信手段は、電気自動車と制御手段との間に、充電装置の充電ケーブルと一体的に構成された光ケーブルによる通信路を確立するように構成したので、前記光ケーブルによる通信路により電気自動車の車載装置類を利用することが可能になり防犯機能のコストダウンと機能向上を実現させる上でより有利となる。
【0010】
請求項4記載の発明によれば、不審者が継続して検出される期間が予め定められた期間を超えると前記電気自動車が備えるバッテリ電源が遮断されるように構成したので、防犯機能のコストダウンと機能向上を実現させる上でより有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態である防犯装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の防犯装置における車側システムの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の防犯装置における充電装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態の防犯装置における家側システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態である防犯装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態である防犯装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態の防犯装置は、電気自動車に充電を行う充電施設の敷地、建屋、あるいは電気自動車の充電装置を備えた一般家庭の敷地、建屋に対する防犯、さらには前記電気自動車の盗難を効果的に防止するものである。この実施の形態の防犯装置は、図1に示すように、車両側システム1と、電気自動車11に対し充電を行う充電装置2を有した家側システム3とを備えている。家側システム3は、例えば電気自動車11に対し充電を行う充電装置2を有した一般家庭、あるいは充電施設である。
車両側システム1は、充電装置2により充電プラグ201が車両側の充電コンセントに接続された状態の電気自動車11を示す。この電気自動車11が備えているヘッドランプ111,112、室内灯113、ハザードランプ114、警笛装置115、車内スピーカ116および車載カメラ117,118は、充電装置2の充電プラグ201が車両側の充電コンセントに接続されていない状態では、通常の電気自動車の装備装置類として機能する。すなわち、乗員が電気自動車を運転している状態では、ヘッドランプ111,112は乗員の操作により、あるいは周囲の明るさに応じて自動的に点灯あるいは消灯する。また、室内灯113は、乗員の操作により、あるいはイグニッションスイッチのオフ操作やドアの開閉状態などの所定の条件に応じて点灯あるいは消灯する。また、ハザードランプ114や警笛装置115は所定の操作スイッチを乗員が操作することにより作動する。また、車内スピーカ116は、カーステレオや各種音声案内の音源として動作する。また、車載カメラ117,118は車両の走行状態、例えばバック走行状態になることでリア側の車載カメラ117が起動し、バック走行中の電気自動車後方の映像を運手席のモニタ画面に表示出力する。
電気自動車11が備えているヘッドランプ111,112、室内灯113、ハザードランプ114、警笛装置115、車内スピーカ116、車載カメラ117,118および車載カメラ117,118に設けられている高感度指向性マイクM1,M2と、バッテリ遮断回路119などの装備装置類は、充電装置2の充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続された状態になると、セキュリティECU120により制御される状態に切り替えられる。
バッテリ遮断回路119は、後述する不審者検出期間が予め定められた所定期間を超えると電気自動車11のバッテリ電源を遮断する。
【0013】
充電装置2は、充電ケーブル200が引き出し可能な構造になっており、充電ケーブル200の先端部には充電プラグ201が構成されている。この充電プラグ201は電気自動車11の充電コンセントに接続される。充電ケーブル200は、電気自動車11が搭載しているバッテリを充電するための電力線PWと光ケーブルPLを備えた構造となっている。また、電気自動車11の充電コンセントも、充電プラグ201の電力線PWの受け端子と、光ケーブル用受けコネクタとを備えた構成になっており、充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントへ接続されると、充電プラグ201の電力線PWは充電コンセントの受け端子と接続され、さらに充電プラグ201の光ケーブルPLは充電コンセントの光ケーブル用受けコネクタと接続される。電気自動車11の充電コンセント側の電力線PWの受け端子は電気自動車11が搭載しているバッテリへ接続されているため、充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続されると、充電装置2は電力線PWにより電力を供給し、電気自動車11が搭載しているバッテリを充電する。また、充電プラグ201の光ケーブルPLの先端が電気自動車11の充電コンセントの光ケーブル用受けコネクタへ接続される。電気自動車11の充電コンセントの光ケーブル用受けコネクタは光ケーブルによりセキュリティECU120と接続されている。このため充電ケーブル200の光ケーブルPLを介してセキュリティECU120は後述する家側システム3のパーソナルコンピュータ501との間で光信号を送受信可能な状態になる。
【0014】
家側システム3は、パーソナルコンピュータ501、キーボード502、マウス503、およびディスプレイ504と、この実施の形態の防犯装置に用いられる、電気自動車に充電を行う充電施設や一般家庭に設置されたモニタカメラ311,312、ドアスイッチ321および不審者の侵入を検知するための赤外線センサ322などを備えている。
パーソナルコンピュータ501は、車両側システム1の電気自動車11が備えている装備装置類を利用するこの実施の形態の防犯装置を実現するための防犯ソフトウェアと、モニタカメラ311,312、車両側システム1の車載カメラ117,118によりそれぞれ撮像した映像から不審者を判定する不審者判定用のアプリケーションソフトウェアを備えている。
前記防犯ソフトウェアは、パーソナルコンピュータ501においてユーザの操作により起動する。
窓の開閉を検出するドアスイッチ321は、例えばマグネットを利用して防犯対象であるドアや窓の開閉を検出する。
赤外線センサ322は、例えば人体から放射される赤外線を検出することで、防犯エリア内への人の侵入を検出する。
【0015】
図2は、充電装置2の充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続された状態の車両側システム1の機能ブロック図である。充電装置2の充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続された状態になると、車両側システム1は、セキュリティECU120により制御される状態に切り替えられる。そして、図2に示すように車載カメラ117,118と、車載カメラ117に設けられた高感度指向性マイクM1、車載カメラ118に設けられた高感度指向性マイクM2と、A/Dコンバータ151,152,161,162と、多重化手段163と、変換器164とにより多重化送信系が構成され、車載カメラ117,118と、高感度指向性マイクM1,M2により検出されたビデオ信号や音声信号が多重化されて光ケーブルPLに出力される。
【0016】
車載カメラ117は、電気自動車11の後方の状況を撮像するカメラ、車載カメラ118は電気自動車11の前方の状況を撮像するカメラである。
高感度指向性マイクM1は、電気自動車11の後方の状況の音を収音し、電気信号として出力する。高感度指向性マイクM2は、電気自動車11の前方の状況の音を収音し、電気信号として出力する。
A/Dコンバータ151は、車載カメラ117から出力されるビデオ信号1をディジタル信号に変換する。
A/Dコンバータ152は、車載カメラ118から出力されるビデオ信号2をディジタル信号に変換する。
A/Dコンバータ161は、高感度指向性マイクM1から出力される電気信号をディジタル信号に変換する。
A/Dコンバータ162は、高感度指向性マイクM2から出力される電気信号をディジタル信号に変換する。
多重化手段163は、車載カメラ117,118から出力されるビデオ信号と、高感度指向性マイクM1,M2から出力される電気信号とを多重化して変換器164へ出力する。
変換器164は、多重化された前記ビデオ信号、前記電気信号を光信号に変換して光ケーブルPLへ出力する。
【0017】
また、光ケーブルPLを介して送られてきた制御信号をもとに、電気自動車11のヘッドランプ111,112、室内灯113、ハザードランプ114、スピーカ116を作動させる警報出力系が構成される。この警報出力系は、電気自動車11のヘッドランプ111,112、室内灯113、ハザードランプ114、スピーカ116と、ホーン装置115と、バッテリ遮断回路119と、変換器171と、分離手段172と、音声警報出力手段173と、ランプ警報出力手段174と、警笛警報出力手段175と、バッテリ遮断手段176により構成される。
【0018】
ヘッドランプ111,112は電気自動車11の前方を明るくするランプであり、ランプ警報出力手段174により点灯、消灯、点滅が制御される。
室内灯113は、電気自動車11の室内を明るくするランプであり、ランプ警報出力手段174により点灯、消灯、点滅が制御される。
ハザードランプ114は、ランプ警報出力手段174により点滅が制御される。
スピーカ116は、音声警報出力手段173により制御されて予め決められた所定音量の警報アナウンス、警報音を出力する。
ホーン装置115は、警笛警報出力手段175により制御されて予め決められた警報クラクションを出力する。
バッテリ遮断回路119は、バッテリ遮断手段176により制御されて電気自動車11のバッテリ電源を遮断する。
変換器171は、光ケーブルPLを介して光を媒介として送られてきた制御信号を、電気を媒介とした制御信号に変換する。
分離手段172は、光ケーブルPLを介して送られてくる制御信号は多重化された信号として送られてくるため、この多重化された信号からそれぞれの制御信号を分離、復号する。
音声警報出力手段173は、分離手段172により分離された制御信号のうちのスピーカ制御信号によりスピーカ116からの警報アナウンス、警報音の出力を制御し、スピーカ116からの警報アナウンス、警報音の出力を制御する。
ランプ警報出力手段174は、分離手段172により分離された制御信号のうちのライト制御信号によりヘッドランプ111,112、室内灯113およびハザードランプ114の点灯、点滅を制御し、ヘッドランプ111,112、室内灯113およびハザードランプ114の点灯、点滅を制御する。
警笛警報出力手段175は、分離手段172により分離された制御信号のうちのホーン制御信号によりホーン装置115を制御し、ホーン装置115の作動と停止を制御する。
バッテリ遮断手段176は、分離手段172により分離された制御信号のうちのバッテリ遮断制御信号によりバッテリ遮断回路119を制御し、電気自動車11のバッテリ電源を遮断する。
【0019】
なお、図2に示すように光ケーブルPLによる光を媒介とした多重化通信は、同時に双方向通信が可能な全二重通信システムとして構成されている。
また、A/Dコンバータ151,152,161,162、多重化手段163と、分離手段172、音声警報出力手段173、ランプ警報出力手段174、警笛警報出力手段175、バッテリ遮断手段176は、セキュリティECU120に構成されている。
【0020】
図3は、充電装置2の構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように充電装置は、充電回路201と、増幅器202,203を備えている。充電回路201は、交流電源100ボルトあるいは200ボルトが給電されており、これら交流電源から生成された直流電源により充電ケーブルPWを介して電気自動車11のバッテリ電源を充電する。
増幅器202は、車両側システム1から充電装置2を経由して家側システム3へ光ケーブルPLにより送信される光を媒介とした各種信号を増幅する。
増幅器203は、家側システム3から充電装置2を経由して車両側システム1へ光ケーブルPLにより送信される光を媒介とした各種信号を増幅する。
【0021】
図4は、充電装置2の充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続された状態の家側システム3を示す機能ブロック図である。図4に示すように、家側システム3は、変換器301、分離手段302、信号処理手段303,304,305、画像保存手段306およびメモリ307と、この実施の形態の防犯装置が適用される、電気自動車に充電を行う充電施設や一般家庭に設置されたモニタカメラ311,312、ドアスイッチ321、赤外線センサ322、信号処理手段331,332を含む。また、さらに不審者判定手段400、音声警報信号生成手段401、ランプ警報信号生成手段402、警笛警報信号生成手段403、継続判定手段404、バッテリ遮断信号生成手段405および警報信号多重化手段411を備えている。
変換器301は、光ケーブルPLにより車両側システム1から光を媒介として送られてきた車載カメラ117,118、高感度指向性マイクM1,M2により検出され多重化されたビデオ信号、音声信号を電気信号に変換する。
分離手段302は、車両側システム1から送られてきた多重化されたビデオ信号、音声信号を分離、復号する。
信号処理手段303は、分離、復号されたビデオ信号1に対し例えばエッジ検出、移動体判定を行う。
信号処理手段304は、分離、復号されたビデオ信号2に対し例えばエッジ検出、移動体判定を行う。
信号処理手段305は、分離、復号された高感度指向性マイクM1,M2により検出された音声信号に対し、例えば所定の周波数領域の成分判定を行い、その判定結果を出力する。
画像保存手段306は、不審者判定手段400により不審者が有りと判定された画像をメモリ307へ保存する。
モニタカメラ311,312は、この実施の形態の防犯装置が適用される、電気自動車に充電を行う充電施設や一般家庭に設置されたカメラである。
ドアスイッチ321は、この実施の形態の防犯装置が適用される充電施設や一般家庭のドア、窓に設けられたセンサである。
赤外線センサ322は、この実施の形態の防犯装置が適用される充電施設や一般家庭に設けられ、人体から照射される赤外線を検出するセンサである。
信号処理手段331は、モニタカメラ311から出力されるビデオ信号3に対し例えばエッジ検出、移動体判定を行う。
信号処理手段332は、モニタカメラ312から出力されるビデオ信号4に対し例えばエッジ検出、移動体判定を行う。
【0022】
不審者判定手段400は、車載カメラ117,118、モニタカメラ311,312から出力されたビデオ信号に対するエッジ検出を行い移動体を判定したときの判定結果と、高感度指向性マイクM1,M2により検出された音声信号に対する信号処理手段305による判定結果と、ドアスイッチ321、赤外線センサ322の出力とをもとに車載カメラ117,118、モニタカメラ311,312により撮像された画像中の不審者の存在について判定を行う。
不審者判定手段400は、モニタカメラ311,312、車両側システム1の車載カメラ117,118によりそれぞれ撮像した映像と、高感度指向性マイクM1,M2により検出された音声信号と、ドアスイッチ321、赤外線センサ322の出力とから、前記撮像した画像中の不審者を判定する不審者判定用のアプリケーションソフトウェアである。
音声警報信号生成手段401は、不審者判定手段400により画像中に不審者が存在すると判定されると音声警報信号を生成し出力する。
ランプ警報信号生成手段402は、不審者判定手段400により画像中の不審者が存在すると判定されるとランプ警報信号を生成し出力する。
警笛警報信号生成手段403は、不審者判定手段400により画像中の不審者が存在すると判定されると警笛警報信号を生成し出力する。
継続判定手段404は、不審者判定手段400により不審者が存在すると判定されている期間が予め定められた所定期間継続しているか否かの判定を行う。
バッテリ遮断信号生成手段405は、継続判定手段404により予め定められた所定期間継続して不審者判定手段400により不審者が存在すると判定されると、バッテリ遮断信号を生成し出力する。
警報信号多重化手段411は、音声警報信号、ランプ警報信号、警笛警報信号およびバッテリ遮断信号を多重化して変換器412へ出力する。
変換器412は、多重化された前記音声警報信号、ランプ警報信号、警笛警報信号およびバッテリ遮断信号を光を媒介とする信号へ変換し光ケーブルPLへ出力する。
分離手段302、信号処理手段303,304,305、画像保存手段306、メモリ307、信号処理手段331,332、不審者判定手段400、音声警報信号生成手段401、ランプ警報信号生成手段402、警笛警報信号生成手段403、継続判定手段404、バッテリ遮断信号生成手段405および警報信号多重化手段411は、図1に示すパーソナルコンピュータ501に構成されている。
【0023】
次に動作について説明する。
図5は、この実施の形態の防犯装置の動作を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、この実施の形態の防犯装置を実現する防犯ソフトウェアを示す。以下、このフローチャートに従ってこの実施の形態の防犯装置の動作を説明する。
防犯ソフトウェアが起動すると、家側システム3のパーソナルコンピュータ501のCPUは、先ず、充電装置2の充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続されているか否かを判定する(ステップS1)。この充電装置2の充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続されているか否かの判定は、例えば家側システム3のパーソナルコンピュータ501のCPUと車両側システム1のセキュリティECU120とが光ケーブルPLを介して通信を行い、車両側システム1のセキュリティECU120からの応答の有無により判定することが可能である。充電装置2の充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続されていると、セキュリティECU120は、電気自動車11のヘッドランプ111,112、室内灯113、ハザードランプ114、警笛装置115、車内スピーカ116、車載カメラ117,118および車載カメラ117,118に設けられている高感度指向性マイクM1,M2と、バッテリ遮断回路119などの装備装置類を制御可能な状態に切り替える。さらに車載カメラ117,118により撮像したビデオ信号1、ビデオ信号2、車載カメラ117,118に設けられている高感度指向性マイクM1,M2により収集した音声信号をディジタル信号に変換し、多重化手段により多重化して光ケーブルPLへ出力する。
【0024】
充電装置2の充電プラグ201が電気自動車11の充電コンセントに接続されていると、家側システム3のパーソナルコンピュータ501のCPUは、続いて、不審者情報の収集を行う。この不審者情報の収集は、光ケーブルPLを介して車両側システム1から送られてくる車載カメラ117,118により撮像したビデオ信号1、ビデオ信号2などの画像情報、高感度指向性マイクM1,M2により収集した音声信号、家側システム3のモニタカメラ311,312により撮像されたビデオ信号3、ビデオ信号4などの画像情報、ドアスイッチ321、赤外線センサ322の出力とから、不審者判定手段400が、車載カメラ117,118およびモニタカメラ311,312によりそれぞれ撮像した画像中の不審者を判定する(ステップS3)。この結果、車載カメラ117,118、モニタカメラ311,312によりそれぞれ撮像した画像中に不審者を検出すると、その不審者を検出した画像を画像保存手段306によりメモリ307へ保存する(ステップS4)。さらに、車両側システム1の電気自動車11のヘッドランプ111,112、室内灯113、ハザードランプ114、スピーカ116、ホーン装置115を利用して警報を発するための警報信号を、音声警報信号生成手段401、ランプ警報信号生成手段402および警笛警報信号生成手段403により生成する(ステップS5)。そして、前記生成した警報信号を警報信号多重化手段411により多重化して光ケーブルPLを介して車両側システム1へ送信する(ステップS6)。さらに続いて、継続判定手段404により前記ステップS3で検出した不審者の検出が予め定められた所定期間Ct継続したかを判定する不審者検出タイマを起動させ(ステップS7)、不審者検出タイマのタイマ値がCtを超えたか否かを判定する(ステップS8)。この結果、不審者検出タイマのタイマ値がCt未満であればステップS2へ戻り、不審者を検出すれば、車両側システム1の電気自動車11のヘッドランプ111,112、室内灯113、ハザードランプ114、スピーカ116、ホーン装置115を利用して警報を発する。一方、ステップS8において不審者検出タイマのタイマ値がCtを超えた、つまり前記所定期間Ct継続して不審者を検出したと判定するとステップS9へ進み、バッテリ遮断信号生成手段405によりバッテリ遮断信号を生成し、警報信号多重化手段411によりバッテリ遮断信号を光ケーブルPLを介して車両側システム1へ送信する。車両側システム1では、セキュリティECU120は分離手段により前記バッテリ遮断信号を分離復号し、バッテリ遮断手段176によりバッテリ遮断回路119を制御して電気自動車を駆動するためのバッテリ電源を遮断し(ステップS9)、電気自動車を走行不能に制御する。
【0025】
以上、説明したようにこの実施の形態によれば、電気自動車の車載装置類を防犯装置のセンサ、警報手段として利用できるため、安価に構成できる。
また、電気自動車の車載装置類のホーンやライトにより警報を発することができるため、通常の室内照明やチャイム、ブザーに比べ、より効果的な警報を発することができる。
また、電気自動車を含む充電施設、一般家庭の防犯機能を向上できる。
また、電気自動車は充電装置に接続され充電されている状態であるから、長期間無人の状態であってもバッテリ上がりなどが生じない。
【符号の説明】
【0026】
11……電気自動車、111,112……ヘッドランプ、113……室内灯、114……ハザードランプ、115……警笛装置、116……車内スピーカ、117,118……車載カメラ、201……充電プラグ、200……充電ケーブル、311,312……モニタカメラ(固定モニタカメラ)、501……パーソナルコンピュータ(制御手段)、176……バッテリ遮断手段、119……バッテリ遮断回路、400……不審者判定手段(制御手段)、401……音声警報信号生成手段(制御手段)、402……ランプ警報信号生成手段(制御手段)、403……警笛警報信号生成手段(制御手段)、404……継続判定手段、405……バッテリ遮断信号生成手段、PL……光ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置により撮像した画像情報をもとに不審者を判定し、警報を出力する防犯装置であって、
前記撮像装置は、電気自動車の車載カメラと、予め決められた防犯エリアを撮像する取り付け位置が固定された固定モニタカメラとを含み、
前記固定モニタカメラにより撮像された画像情報と前記車載カメラにより撮像された画像情報とを収集し、前記画像情報から不審者の有無を判定し、不審者が有りと判定されると、前記電気自動車が備える車載装置類を作動させて警報を発せさせる警報信号を出力する制御手段と、
前記電気自動車を充電する充電装置の充電プラグが前記電気自動車の充電コンセントへ接続されると、前記電気自動車と前記制御手段との間に通信路を確立し、前記通信路を経由して前記制御手段が収集する前記車載カメラにより撮像された画像情報を前記電気自動車から前記制御手段へ送信するとともに、前記制御手段が出力する前記警報信号を前記電気自動車へ送信する通信手段と、
を備えたことを特徴とする防犯装置。
【請求項2】
前記車載装置類は、前記電気自動車が備える警笛装置、スピーカ装置、ランプ装置を含むことを特徴とする請求項1記載の防犯装置。
【請求項3】
前記通信手段は、前記電気自動車と前記制御手段との間に、充電装置の充電ケーブルと一体的に構成された光ケーブルによる通信路を確立することを特徴とする請求項1記載の防犯装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記画像情報から不審者が継続して検出される期間が予め定められた期間を超えたか否かを判定する継続判定手段と、
前記継続判定手段により前記期間が前記予め定められた期間を超えたと判定されると前記電気自動車が備えるバッテリ電源を遮断するバッテリ遮断信号を生成するバッテリ遮断信号生成手段とを備え、
前記通信手段は、前記バッテリ遮断信号生成手段が生成したバッテリ遮断信号を前記電気自動車へ送信することを特徴とする請求項1記載の防犯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−248127(P2012−248127A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121171(P2011−121171)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】