説明

防眩性反射防止コーティング組成物、及びこれを用いた防眩性反射防止フィルム、偏光板並びに表示装置

【課題】粒子径の大きい透光性微粒子を使用しなくても、簡単な方法で防眩性と反射防止性を具現することができ、コーティングの厚さに制約を受けずに防眩性反射防止層を持つ防眩性反射防止フィルムを製造することができる防眩性反射防止コーティング組成物、これを用いた防眩性反射防止フィルム、偏光板及び表示装置を提供すること。
【解決手段】(メタ)アクリレートモノマー(A)と、ナノシリカ粒子(B)と、第四級アンモニウム塩(C)と、アルコール系溶剤(D)と、光開始剤(F)とを含んでなることを特徴とする防眩性反射防止コーティング組成物、これを用いた防眩性反射防止フィルム、偏光板及び表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防眩性反射防止コーティング組成物、及びこれを用いた防眩性反射防止フィルム、偏光板並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
防眩フィルムは、表面凹凸による光散乱性を用いて光反射を減少させる機能を持つものである。このような防眩フィルムは各種ディスプレイパネル、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、電子発光ディスプレイ(EL)などの表面に配置されて、外部光の反射によるコントラストの減少を防止するか、イメージ反射によるディスプレイの視認性の低下を防止するなどの目的で用いられている。
【0003】
上記防眩フィルムは、通常、透明基材にミクロン単位のシリカまたは樹脂ビーズのような透光性微粒子を含む防眩性コーティング組成物をコーティングして形成された防眩層を含んでなる。上記防眩層は、表面に凹凸が容易に形成できるようにするために、通常的に粒子径の大きい透光性微粒子が用いられる。しかし、粒子径の大きい透光性微粒子を用いる場合、フィルムの表面に白化現象とキラキラ輝くシンチレーションが生じて、画像情報の視覚性が低下する問題点がある。
【0004】
最近は、優れた画像効果のために、上記防眩性フィルムに反射防止層をさらに形成する場合がある。すなわち、防眩層上に反射防止層を形成することにより防眩性と反射防止性を共に確保しようとする試みがあった。反射防止性の確保のためには防眩層上に薄厚で反射防止層を形成しなければならない。しかし防眩層上に反射防止層を薄くて、且つ均一な厚さで形成することは難しいため、厚さのばらつきによる表面視認性の低下などの問題点を持っている。また表面薄膜の機械的強度が弱いため、スクラッチに弱いという短所があり、防眩層と反射防止層の形成という少なくとも2回以上の工程が必要となって、高価の工程費がかかるなどの短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来の問題点を解消するためのものであって、粒子径の大きい透光性微粒子を使用しなくても、簡単な方法で防眩性と反射防止性を具現することができ、コーティング厚さに制約を受けずに防眩性反射防止層を形成することができる防眩性反射防止コーティング組成物を提供することにその目的がある。
【0006】
また本発明は、防眩性と反射防止性に優れた防眩性反射防止フィルムを提供することに他の目的がある。
【0007】
また本発明は、防眩性と反射防止性に優れた偏光板及び表示装置を提供することにまた他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、(メタ)アクリレートモノマー(A)と、ナノシリカ粒子(B)と、第四級アンモニウム塩(C)と、アルコール系溶剤(D)と、光開始剤(F)とを含んでなることを特徴とする防眩性反射防止コーティング組成物を提供する。
【0009】
上記ナノシリカ粒子は平均粒径が1〜100nmであることが好ましい。
【0010】
上記ナノシリカ粒子の含量は、防眩性反射防止コーティング組成物全体100重量部に対して0.5〜20重量部、特に1〜20重量部含まれることが好ましい。
【0011】
上記第四級アンモニウム塩は、数平均分子量が4000以上の高分子型第四級アンモニウム塩であることが好ましい。
【0012】
上記第四級アンモニウム塩は、防眩性反射防止コーティング組成物全体100重量部に対して0.01〜10重量部、特に0.01〜5重量部含まれることが好ましい。
【0013】
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、基材の一面または両面に、上記の本発明による防眩性反射防止コーティング組成物を塗布させてから乾燥して、ナノシリカまたはナノシリカと第四級アンモニウム塩との凝集によって表面凹凸を形成させた後、硬化して形成された防眩性反射防止層を含むことを特徴とする防眩性反射防止フィルムを提供する。
【0014】
上記表面凹凸は下式1〜4の条件を満たすことが好ましい。
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】

【0015】
上記防眩性反射防止層は、内部ヘーズ(Hi)が0超過〜0.5以下であり、外部ヘーズ(Ha)が0.5〜20であり、上記内部ヘーズ及び外部ヘーズは下式5の条件を満たすことが好ましい。
【数5】

【0016】
上記防眩性反射防止フィルムは、暗部と明部の幅の比が1:1であり、その幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmである像鮮明度測定に使用する光学くしを用いて測定された像鮮明度の合計が全体400%のうち250%以上であることが好ましい。
【0017】
本発明のまた他の目的を達成するために、本発明は、上記防眩性反射防止フィルムが備えられたことを特徴とする偏光板を提供する。
【0018】
上記偏光板は、表面コーティング処理されなかった偏光板(Glare偏光板)対比コントラスト低下率が10% 以下であることが好ましい。
【0019】
本発明のまた他の目的を達成するために、本発明は、上記防眩性反射防止フィルムが備えられたことを特徴とする表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0020】
上記の本発明による防眩性反射防止コーティング組成物は、第四級アンモニウム塩と、ナノサイズのシリカ粒子と、アルコール系溶剤とを含んでなる。上記アルコール系溶剤が揮発する過程でアルコール系溶剤に溶解された第四級アンモニウム塩が上方に浮び上がるが、このときアルコール系溶剤が蒸発されると、第四級アンモニウム塩はナノサイズのシリカ粒子が上部に浮び上がることを手伝い、上部に浮び上がったナノサイズのシリカ粒子は互いに凝集するか、第四級アンモニウム塩と互いに凝集することになる。それにより、ナノサイズのシリカ粒子の凝集によって表面に凹凸が形成される。したがって、本発明による防眩性反射防止コーティング組成物を用いると、粒子径の大きい透光性微粒子を使用しなくても、簡単な方法で防眩性と反射防止性を具現することができ、コーティング厚さに制約を受けずに防眩性反射防止層を備える防眩性反射防止フィルムを製造することができる。上記の防眩性反射防止フィルムは偏光板及び表示装置に有用に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1によって製造された防眩性反射防止フィルムの表面状態を示す拡大写真(顕微鏡写真)である。
【図2】比較例1によって製造された防眩性反射防止フィルムの表面状態を示す拡大写真(顕微鏡写真)である
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明による防眩性反射防止コーティング組成物は、(メタ)アクリレートモノマー(A)と、ナノシリカ粒子(B)と、第四級アンモニウム塩(C)と、アルコール系溶剤(D)と、光開始剤(F)とを含んでなる。各構成成分についての詳細は以下のとおりである。
【0023】
(メタ)アクリレートモノマー(A)
上記(メタ)アクリレートモノマーはコーティング層の硬度を向上するために含まれる。
上記(メタ)アクリレートモノマーは当該分野で一般的に使用されているものであれば、制限なく使用することができる。
【0024】
上記(メタ)アクリレートモノマーとしては、具体的に、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルネオール(メタ)アクリレートなどからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0025】
上記(メタ)アクリレートモノマーの使用量は制限されないが、防眩性反射防止コーティング組成物全体100重量部に対して0.1〜50重量部含まれることが好ましい。上記(メタ)アクリレートモノマーの含量が上記基準で0.1重量部未満であれば、防眩性反射防止層の表面硬化に問題があり、50重量部を超過すると、粘度の上昇によるコーティング性の低下及び均一な凹凸の形成が低下することがある。
【0026】
ナノシリカ粒子(B)
上記ナノシリカ粒子は防眩性及び反射防止特性を与えるために添加される。
本発明では防眩性形成のために粒子径の大きいものを使用せず、ナノサイズの直径を持つものを使用した。すなわち、本発明ではナノサイズの直径を持つナノシリカ粒子を使用することで、溶剤が揮発する過程でナノシリカ粒子が互いに凝集して表面に凹凸を形成することを可能にした。
【0027】
上記ナノシリカ粒子は平均粒径が1〜100nmであることが好ましい。上記ナノシリカ粒子の平均粒径が100nmを超過する場合は、表面凝集が酷く生じて所望する防眩性フィルムが生成されず、コーティング表面状態が良くない場合がある。またナノシリカ粒子の平均粒径が1nm未満の場合は、シリカ凝集効果が僅かであって十分な防眩性が得られない問題点がある。
【0028】
上記ナノシリカ粒子は、好ましくは1nm〜100nmの平均粒径を持つ粉末性またはコロイド状シリカを使用することができる。
【0029】
上記ナノシリカ粒子の形態は球状、空洞、多孔性、棒型、板型、纎維型または無形であることができる。そのうち、球状シリカ粒子が好ましい。上記シリカ粒子の比表面積は0.1〜3000m/gであり、特に10〜1500m/gであることが好ましい。
【0030】
上記ナノシリカ粒子はシランカップリング剤でコーティングしたものを使用することができる。上記シランカップリング剤としては、具体的に、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシメチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(β−グリシドキシメトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、3−ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−(アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシランからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
【0031】
上記ナノシリカ粒子は乾燥粉末の状態で使用するか、あるいは、水または有機溶媒で分散した状態で使用することができる。
【0032】
上記ナノシリカ粒子は当該分野でコロイド状シリカとして公知されている微細なナノシリカ粒子の分散液もまた使用することができる。
【0033】
上記コロイド状ナノシリカに対する分散媒質が水である場合、好ましくはpH2〜10、特に好ましくはpH3〜7の酸性コロイド状ナノシリカが用いられる。コロイド状ナノシリカに対する分散媒質が有機溶媒である場合、溶媒としてメタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン及びジメチルホルムアミドを含むことができる。上記溶媒は水との混合物として使用することができる。このうち、好ましい分散媒質はメタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンまたはキシレンである。
【0034】
上記ナノシリカ粒子の市販品には、コロイド状シリカとして、例えばメタノールシリカゾル(Methanol Silica Sol)、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50及びST−OL(Nissan Chemical Industries Co.,Ltd.製)などが挙げられる。また上記シリカ粒子の市販品には、シリカ粉末として、例えばエアロシル(AEROSIL)130、300、380、TT600及びOX50(Japan Aerosil Co.,Ltd.製)、シルデックス(Sildex)H31、H32、H51、H52、H121、H122(Asahi Glass Co.,Ltd.製)、E220A、E220(Nippon Silica Industrial Co.,Ltd.製)、シリシア(Silicia)470(Fuji Silycia Chemical Co.,Ltd.製)と、SGフレーク(Flake)(Nippon Sheet Glass Co.,Ltd.製)などが挙げられる。
【0035】
上記ナノシリカ粒子の含量は、防眩性反射防止コーティング組成物全体100重量部に対して0.5〜20重量部、特に1〜20重量部含まれることが好ましい。上記ナノシリカ粒子の含量が上記基準で0.5重量部未満であれば、防眩性反射防止層表面で凝集効果を期待し難いため、十分な防眩性が得られない問題点があり、20重量部を超過すると透過率も低下される短所がある。
【0036】
第四級アンモニウム塩(C)
上記第四級アンモニウム塩は、ナノシリカ粒子の表面への浮上及び凝集を促進させる役目をする。
【0037】
さらに具体的に作用関係を説明すると、第四級アンモニウム塩は後述するアルコール系溶剤に溶解される。上記アルコール系溶剤が揮発する過程でアルコール系溶剤に溶解された第四級アンモニウム塩が上方に浮び上がるが、このときアルコール系溶剤が蒸発すると、第四級アンモニウム塩はナノサイズのシリカ粒子が上部に浮び上がることを手伝う。上部に浮び上がったナノサイズのシリカ粒子は互いに凝集するか、第四級アンモニウム塩と凝集する。それにより、ナノサイズのシリカ粒子の凝集によって表面に凹凸が形成される。したがって、本発明ではナノサイズのシリカ粒子を使用することだけで表面凹凸の形成が可能になる。
【0038】
上記第四級アンモニウム塩に特に制限はなく、低分子型第四級アンモニウム塩あるいは高分子型第四級アンモニウム塩を使用することができ、好ましくは数平均分子量が4000以上の高分子型第四級アンモニウム塩を使用することができる。
【0039】
上記高分子型第四級アンモニウム塩には、市販品としてソケン社製のPQ−10、PQ−50などが挙げられる。
【0040】
上記第四級アンモニウム塩は防眩性反射防止コーティング組成物全体100重量部に対して0.01〜10重量部、特に0.01〜5重量部含まれることが好ましい。上記第四級アンモニウム塩の含量が上記基準で0.01重量部未満であれば、防眩性反射防止層の表面に凹凸が形成されないため十分な防眩性が得られず、10重量部を超過すると、フィルムが白化現象を起こして透過率を低下させる短所がある。
【0041】
アルコール系溶剤(D)
上記アルコール系溶剤に特に制限はなく、第四級アンモニウム塩を溶解できるアルコール系溶剤であれば、いずれも使用することができる。
例えば上記アルコール系溶剤としては、具体的にメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどを使用することができる。
【0042】
上記アルコール系溶剤は防眩性反射防止コーティング組成物全体100重量部に対して10〜50重量部含まれることが好ましい。上記アルコール系溶剤の含量が上記基準で10重量部未満であれば各成分の相溶性が落ちて防眩性反射防止コーティング組成物の安全性が落ち、50重量部を超過すると防眩性反射防止層の表面に凹凸が形成され難く、防眩性反射防止層と透明基材と間の密着性が低下する短所がある。
【0043】
ケトン系溶剤(E)
ケトン系溶剤は本発明において任意成分であるが、表面の凹凸をより一層有効に形成させる観点から、含有させることが好ましい。上記ケトン系溶剤は、乾燥中にアルコール系溶剤と共に蒸発されながら第四級アンモニウム塩の相溶性を低下させて、表面に配置されているナノシリカ粒子と第四級アンモニウム塩の凝集あるいはナノシリカ粒子間の凝集を促進させて表面の凹凸を形成させる役目を遂行する。
【0044】
上記ケトン系溶剤は特に制限されないが、好ましくはメチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトンからなる群から選ばれる少なくとも1つを使用することができる。
【0045】
上記ケトン系溶剤は防眩性反射防止コーティング組成物100重量部に対して10〜40重量部含まれることが好ましい。
【0046】
光開始剤(F)
上記光開始剤は当該分野で使用されているものであれば、制限なく使用することができる。上記光開始剤は、好ましくはヒドロキシケトン類、アミノケトン類及び水素奪還形光開始剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを使用することができる。
【0047】
上記光開始剤は、具体例として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]2−モルホリンプロパン−1−オン、ジフェニルケトンベンジルジメチルケタル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、4−ヒドロキシシクロフェニルケトン、ジメトキシ−2−フェニルアテトフェノン、アントラキノン、フルオレン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロアセトフェノン、4,4−ジメトキシアセトフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノンからなる群から選ばれる少なくとも1つを使用することができる。
【0048】
上記光開始剤は防眩性反射防止コーティング組成物全体100重量部に対して0.05〜5重量部含まれることが好ましい。上記光開始剤の含量が上記基準で0.05重量部未満であれば、防眩性反射防止コーティング組成物の硬化速度が遅くなり、5重量部を超過すると、過硬化によって防眩性反射防止層にクラックが生じることがある。
【0049】
本発明の防眩性反射防止コーティング組成物は、上記成分の他にも必要に応じて抗酸化剤、UV吸収剤、光安定剤、レベリング剤、界面活性剤、防汚剤からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことができる。
【0050】
本発明では、上述の本発明の防眩性反射防止コーティング組成物を用いて製造された防眩性反射防止フィルムを提供する。すなわち、本発明の防眩性反射防止フィルムは、透明基材の一面または両面に上述の本発明による防眩性反射防止コーティング組成物を塗布させてから乾燥して、ナノシリカまたはナノシリカと第四級アンモニウム塩との凝集によって表面凹凸を形成させた後、硬化して形成された防眩性反射防止層を備える。
【0051】
上記基材としては、透明性のあるフィルムであれば、いずれのフィルムも使用可能である。例えば、上記透明基材としては、ノルボルネンや多環ノルボルネン系単量体のような、シクロオレフィンを含む単量体の単位を有するシクロオレフィン系誘導体など、セルロース(ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、イソブチルエステルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアクリル、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、エポキシの中から選ばれるものを使用することができ、未延伸、1軸または2軸延伸フィルムを使用することができる。好ましくは透明性及び耐熱性に優れた1軸または2軸延伸ポリエステルフィルムや、透明性及び光学的に異方性のないトリアセチルセルロースフィルムを使用することができる。
【0052】
上記透明基材の厚さは、好ましくは8〜1000μm程度であり、より好ましくは40〜100μmである。
【0053】
上記防眩性反射防止コーティング組成物の塗布はダイコータ、エアーナイフ、リバースロール、スプレイ、ブレード、キャスティング、グラビア、スピンコーティングなどの公知の方式で適宜に行うことができる。
【0054】
上記防眩性反射防止コーティング組成物の塗布厚さは、好ましくは3〜50μmであり、より好ましくは5〜30μmであり、最も好ましくは10〜25μmである。塗布した後、防眩性反射防止コーティング組成物を30〜150℃の温度で10秒〜1時間、好ましくは30秒〜10分間揮発物の蒸発によって乾燥させることができる。
【0055】
上記乾燥過程で溶剤が揮発されながらナノシリカ粒子は第四級アンモニウム塩との相互作用により上部に浮び上がる。上部に浮び上がったナノシリカ粒子は互いに凝集するか、第四級アンモニウム塩と凝集する。それにより、ナノサイズのシリカ粒子が凝集して表面に凹凸が形成される。
【0056】
上記防眩性反射防止コーティング組成物の乾燥が完了すると、UV光を照射して硬化させる。UV光の照射量は約0.01〜10J/cmであり、好ましくは0.1〜2J/cmである。
【0057】
上記のようにして製造された本発明による防眩性反射防止フィルムは、表面凹凸を含みながらもナノサイズのシリカ粒子によって防眩性及び反射防止特性を共に表すようになる。
【0058】
本発明によれば、上記表面凹凸は下式1〜4の条件を満たすことが好ましい。
【数6】

【数7】

【数8】

【数9】

【0059】
ここで、中心線平均表面粗さRa、十点平均表面粗さRz(μm)、凹凸の平均間隔Sm(μm)及び平均傾斜角度θa(゜)はJIS B 0601−1994の規定に準じて容易に測定することができる。特に防眩性反射防止層の表面凹凸が上式1〜4の条件を満たす場合、優れた防眩性が得られる。
【0060】
上記防眩性反射防止層は内部ヘーズ(Hi)が0超過〜0.5以下であり、外部ヘーズ(Ha)は0.5〜20であり、上記内部ヘーズ及び外部ヘーズは下式5の条件を満たすことが好ましい。
【数10】

【0061】
本発明による防眩性反射防止層が上記範囲の内部ヘーズ値と外部ヘーズ値を有する場合、光損失を最小化することができる。
すなわち、一般的な防眩性フィルムの場合は、粒子径の大きいミクロン単位の透光性微粒子を使用することにより、光の内部散乱と外部散乱を用いて防眩感が得られるが、この場合、内部散乱と外部散乱による光の損失が大きい。しかし、本発明のように粒子径の小さい透光性微粒子を使用しながらもその透光性微粒子が上部に浮び上がって表面凹凸を形成する場合は、内部ヘーズ値が小さいので外部ヘーズだけで防眩性が達成されて、その分光損失を最小化することができるようになる。
【0062】
よって、本発明による防眩性反射防止層の内部ヘーズと外部ヘーズの値が上記の範囲内に含まれる場合、外部ヘーズだけでも十分な防眩性を達成することができて、光の損失を最小化することができるようになる。
【0063】
本発明による防眩性反射防止フィルムは、暗部と明部の幅の比が1:1であり、その幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmである像鮮明度測定用光学くしを用いて測定された像鮮明度の合計が250%以上であることが好ましい。
【0064】
この定義による場合の透過鮮明度の最大値は400%である。この定義による透過鮮明度は大きいことが好ましい。透過鮮明度が小くなると、防眩性反射防止フィルムを表示装置に配置したとき、像が不鮮明になる傾向があり、きらめきが生じやすくなる傾向があるため好ましくない。よって、透過鮮明度は全体400%のうち、200%以上であることが好ましく、250%以上であればより好ましく、300%以上であればより一層好ましい。
【0065】
本発明は上述の本発明による防眩性反射防止フィルムが備えられた偏光板を提供する。
すなわち、本発明の偏光板は通常の偏光子の一面または両面に上述の本発明による防眩性反射防止フィルムを積層して形成されたものであることができる。上記偏光子は少なくとも一面に保護フィルムが備えられたものであることもできる。
【0066】
上記偏光子は、例えばポリビニルアルコール系フィルム、エチレン−ビニルアセテート共重合体系部分ケン化フィルムなどの親水性高分子フィルムに、ヨウ素または2色性染料などの2色性物質を吸着させて1軸延伸したフィルム、ポリビニルアルコールの脱水処理物またはポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などポリエン系配向フィルムなどを使用することができる。好ましくは、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの2色性物質からなるものであることができる。これらの偏光子の厚さは、特に制限されないが、一般的には5〜80μmである。
【0067】
上記偏光子が少なくとも一面に保護フィルムが備えられたものである場合、上記保護フィルムは透明性、機械的強度、熱安定性、遮水性、等方性などに優れたものが好ましく適用される。
【0068】
例えば、上記保護フィルムはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルムと、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロースなどのセルロース系フィルムと、ポリカーボネート系フィルムと、 ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系フィルムと、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのスチレン系フィルムと、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系またはノルボルネン構造を持つポリオレフィン系フィルム、エチレンプロピレン共重合体などのポリオレフィン系フィルムと、ポリイミド系フィルムと、ポリエーテルスルホン系フィルムと、スルホン系フィルムなどを使用することができる。上記例示した保護フィルムのうち、透明性が優秀で且つ光学的に異方性がないという点でトリアセチルセルロースフィルムが好ましく使われることができる。上記保護フィルムの厚さは特に制限されないが、8〜1000μmであることが好ましく、40〜100μmであることがより好ましい。
【0069】
本発明によれば、上記偏光板は表面コーティング処理されなかった偏光板(Glare偏光板)対比コントラスト低下率が10%以下であることが好ましい。上記範囲内のコントラスト低下率を持つ本発明による偏光板は優れたコントラスト特性を表す。
【0070】
本発明は、上述の本発明による防眩性反射防止フィルムが備えられた表示装置を提供する。
一例として、上述の本発明による防眩性反射防止フィルムが取り付けられた偏光板を表示装置に内蔵することで、本発明による表示装置を製造することができる。また、本発明の防眩性反射防止フィルムは表示装置のウィンドウに取り付けることもできる。本発明の防眩性反射防止フィルムは反射型、透過型、半透過型LCDまたはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型、IPS型などの各種駆動方式のLCDに好ましく用いられる。また、本発明の防眩性反射防止フィルムはプラズマディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ、電子ペーパーなどの各種表示装置にも好ましく用いられる。
【0071】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。これら実施例はただ本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲がこれら実施例により限定されないことは当業者にとって自明である。
【実施例】
【0072】
(実施例1〜14、比較例1及び2)防眩性反射防止コーティング組成物の製造
下記の表1及び表2に示すような割合で各成分を混合して防眩性反射防止コーティング組成物を製造した。
【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
上記の表1で使用された各成分は次のとおりである。
(メタ)アクリレートモノマー:ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(ミウォン商事社製、M340)
PQ−10(Soken Chemical社製;第四級アンモニウム塩含有高分子、固形分含量:50重量%)(表に記載の第四級アンモニウム塩の配合量は当該水溶液の重量である)
Purisol HM21−MK82(ゲマテック社製;粒子大きさ10〜50nm、固形分含量:40重量%)(表に記載のナノシリカの配合量は当該分散液の重量である)
MEK:メチルエチルケトン(大井化金社製)
IPA:イソプロピルアルコール(大井化金社製)
I−184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製(旧CIBA社製)
【0076】
<実験例>
上記実施例と比較例で製造した組成物を1時間撹拌した後、透明基材フィルム(80μm、TAC)の上に厚さが5μmになるようにマイアバ(グラビアコータの一種)で塗布した後、70℃で1分間乾燥して、500mJ/cmで硬化させて防眩性反射防止フィルムを製造した。
【0077】
製造されたフィルムは下記のように物性を測定し、その結果は下記の表3及び表4に示した、また、表面凹凸の形成有無を確認するために実施例1及び比較例1で製造された防眩性反射防止フィルムの表面拡大写真をそれぞれ図1(実施例1)及び図2(比較例1)に示した。
【0078】
1)透過率及びヘーズ
分光光度計(HZ−1、日本スガ社製)を用いてTAC面を光源(D65)に向けて全光線透過率(Total Transmittance)及び全体ヘーズ(Ha)値と、上記防眩フィルムの内部ヘーズ(Hi)値を測定した。
【0079】
2)鉛筆硬度
製造された防眩性反射防止フィルムの表面を鉛筆硬度試験機(PHT、韓国ソックボ科学社製)で500g荷重をかけて鉛筆硬度を測定した。鉛筆は三菱製品を使用し、1つの鉛筆硬度当たり5回実施した。傷が2個以上であると不良と判定し、不良が発生する以前の鉛筆で鉛筆硬度を表示した。
傷:0 OK
傷:1 OK
傷:2以上 NG
【0080】
3)耐スクラッチ性
スチールウール試験機(WT−LCM100、韓国プロテック社製)を用いて1kg/(2cmx2cm)下で、10回往復運動させて耐スクラッチ性を試した。
スチルウールは#0000を使用した。
A:スクラッチが0個
A':スクラッチが1〜10個
B:スクラッチが11〜20個
C:スクラッチが21〜30個
D:スクラッチが31個以上
【0081】
4)密着性
フィルムの塗布された面に1mm間隔で横縦それぞれ11個の直線を引いて100個の正四角形を作った後、テープ(CT−24、日本ニチバン社製)を用いて3回剥離テストを行った。上記正四角形が100個である四角形3個をもってテストして平均値を記録した。密着性は以下のように記録した。
密着性=n/100
n:全体四角形のうち、剥離されない四角形の数
100: 全体四角形の個数
よって、1つも剥離されなかったときを100/100で記録した。
【0082】
5)表面粗さ
製造されたフィルムを光学的に透明な粘着剤を使用して凹凸面が表面になるようにガラス基板に接合した後、表面粗さ測定器(SE4000、小阪研究所製作、測定範囲1.5mm、測定速度0.1mm/sでJIS B0601−1994の規定に準じて算術平均粗さRa(μm)、十点平均粗さRz(μm)及び凹凸の平均間隔Sm(μm)及び平均傾斜角度θa(゜)を測定した。
【0083】
6)透過鮮明度の測定
透過鮮明度はJIS K 7105に規定された方法で測定した。具体的には、この規格に準じた写像性測定器ICM−IDP(スガ試験機(株)製造)を使用して防眩フィルムの透過鮮明度を測定した。この規格では、像鮮明度測定に使用する光学くしとして、暗部と明部の幅の比が1:1であり、その幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmである4種類が規定されている。これら4種類の光学くしを用いて測定された像鮮明度の合計を透過鮮明度にした。
測定の時、防眩フィルムの撓みを防止するために、光学的に透明な粘着剤を使用して凹凸面が表面になるようにガラス基板に接合した後、測定に使用した。この状態でガラス基板側から光を入射させて測定を行った。
【0084】
7)コントラスト
製造されたフィルムを偏光板に取り付けた後、これを32インチの液晶パネル上に接合して液晶駆動下で分光放射計(SR−3、Topcon社製)を用いてGlare偏光板(表面コーティング処理されなかった偏光板)対比コントラストの低下率(%)を表記した。
【0085】
8)シンチレーション(面きらめき)
製造されたフィルムを偏光板に取り付けた後、これを32インチの液晶パネル上に接合して液晶駆動下で観察してシンチレーション(面きらめき)の視認性を確認した。
【0086】
9)蛍光灯反射視認性
製造されたフィルムを黒色アクリル板に接合した後、蛍光灯の反射視認性を通じて防眩有無を確認した。
【0087】
【表3】

【0088】
【表4】

【0089】
上記の表3及び表4と、図1及び図2から分かるように、本発明に従ってナノシリカ粒子と第四級アンモニウム塩とアルコール系溶剤を含む実施例の場合は、表面凹凸が形成されて、これらをすべて含まない比較例に比べて優れた防眩性(蛍光灯反射視認性)を持ちながらも、シンチレーション(面きらめき)がないことが確認できた。
特に上記の表3及び表4から分かるように、表面粗さ及びヘーズが本発明の好ましい範囲内に含まれる場合は、優れたコントラストの性能を発揮するフィルムの製造が可能であることが分かる。比較例の場合、透過鮮明度に優れていることが確認できるが、これは図2に示すように、表面凹凸が形成されないため防眩性がないことによって高く表れたのである。一方、本発明の実施例の場合は、防眩性がありながらも透過鮮明度が高いことが確認できた。同様に、本発明による実施例の場合は、防眩性に優れていながらもコントラストの低下率が低いことが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリレートモノマー(A)と、ナノシリカ粒子(B)と、第四級アンモニウム塩(C)と、アルコール系溶剤(D)とを含んでなることを特徴とする防眩性反射防止コーティング組成物。
【請求項2】
前記ナノシリカ粒子は、平均粒径が1〜100nmであることを特徴とする請求項1に記載の防眩性反射防止コーティング組成物。
【請求項3】
前記ナノシリカ粒子の含量は、防眩性反射防止コーティング組成物全体100重量部に対して0.5〜20重量部含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の防眩性反射防止コーティング組成物。
【請求項4】
前記第四級アンモニウム塩は、数平均分子量が4000以上の高分子型第四級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防眩性反射防止コーティング組成物。
【請求項5】
前記第四級アンモニウム塩は、防眩性反射防止コーティング組成物全体100重量部に対して0.01〜10重量部含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防眩性反射防止コーティング組成物。
【請求項6】
前記組成物が、ケトン系溶剤(E)をさらに含んでなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防眩性反射防止コーティング組成物。
【請求項7】
前記組成物が、光開始剤(F)をさらに含んでなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防眩性反射防止コーティング組成物。
【請求項8】
基材の一面または両面に請求項1〜7のいずれか1項の防眩性反射防止コーティング組成物を塗布させてから乾燥して、ナノシリカまたはナノシリカと第四級アンモニウム塩との凝集によって表面凹凸を形成させた後、硬化して形成された防眩性反射防止層を含むことを特徴とする防眩性反射防止フィルム。
【請求項9】
前記表面凹凸は、下式1〜4の条件を満たすことを特徴とする請求項8に記載の防眩性反射防止フィルム。
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】

【請求項10】
前記防眩性反射防止層は、内部ヘーズ(Hi)が0超過〜0.5以下であり、外部ヘーズ(Ha)は0.5〜20であり、前記内部ヘーズ及び外部ヘーズは下式5の条件を満たすことを特徴とする請求項8または9に記載の防眩性反射防止フィルム。
【数5】

【請求項11】
前記防眩性反射防止フィルムは、暗部と明部の幅の比が1:1であり、その幅が0.125mm、0.5mm、1.0mm及び2.0mmである像鮮明度測定に使用する光学くしを用いて測定された像鮮明度の合計が全体400%のうち250%以上であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルム。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルムを備えたことを特徴とする偏光板。
【請求項13】
前記偏光板は、表面コーティング処理されなかった偏光板(Glare偏光板)対比コントラスト低下率が10%以下であることを特徴とする請求項12に記載の偏光板。
【請求項14】
請求項8〜11のいずれかに記載の防眩性反射防止フィルムを備えたことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−37362(P2013−37362A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172575(P2012−172575)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【出願人】(503454506)東友ファインケム株式会社 (42)
【Fターム(参考)】