説明

降雨検出装置

【課題】 使用環境に影響を受けない動作の安定した降雨検出装置を提供する。
【解決手段】 水滴の介在によって電気抵抗が変化する降雨検出部と、前記降雨検出部を通じた後の電位をレベル弁別するレベル弁別手段とを含む降雨検出装置であって、ヒステリシス動作を有する回路素子を含む前記レベル弁別手段と、前記レベル弁別手段の出力に応答し、予め定める時間以上、前記降雨検出部を通じた後の電位が弁別レベル以上の状態を継続したとき、降雨信号出力手段によって降雨信号を出力する。
降雨信号出力手段は、入力部と出力部とが電気的に絶縁されている回路素子を含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降雨を検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、降雨を検出する降雨検出装置が実用に供されている。第1の従来の技術の降雨検出装置は、雨滴を貯溜可能な容器内に、浮子であるフロートを配設する。降雨検出装置は、貯溜される雨滴によって変動するフロートの位置に基づいて、降雨を検出する(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来の技術の降雨検出装置は、水分の含有率に基づいて抵抗値が変動する半導体を備える。前記半導体は、浸透する雨滴の量によって、抵抗値が下降する。降雨検出装置は、この抵抗値の下降を検出することによって、降雨を検出する。
【0004】
【特許文献1】特願平4−258950
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来の技術の降雨検出装置は、雨滴が容器内に貯溜される。それ故、降雨を検出する度に、貯溜される雨滴を放出する必要がある。また温度が低下すると、貯溜される雨滴が氷結する場合があり、保守点検上問題がある。
【0006】
第2の従来の技術の降雨検出装置は、半導体に雨滴を侵入させるため、外方に露出させる必要がある。半導体は、その使用環境によって性能および寿命が影響を受ける。したがって降雨検出装置は、その使用環境によって、降雨を誤判定するなどの不具合および故障などが生じる。
本発明の目的は、使用環境に影響を受けない降雨検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水滴の介在によって電気抵抗が変化する降雨検出部と、電源から前記降雨検出部を通じた後の電位をレベル弁別するレベル弁別手段とを含む降雨検出装置であって、
ヒステリシス動作を有する回路素子を含む前記レベル弁別手段と、
前記レベル弁別手段の出力に応答し、予め定める時間以上、電源から前記降雨検出部を通じた後の電位が弁別レベル以上の状態を継続したとき、降雨信号を出力する降雨信号出力手段とを含むことを特徴とする降雨検出装置である。
【0008】
また本発明では、隙間を隔てた第1検出板と第2検出板とを含み、少なくとも前記第1検出部には孔を有し、前記水滴が前記隙間に一定時間滞留する構造、つまり降雨検出部を水はけの良い構造とすることを特徴とする。
【0009】
また本発明では、降雨信号出力手段は、前記レベル弁別手段の出力が入力される入力部と、外部に信号が出力される出力部とが電気的に絶縁されている回路素子を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、降雨検出部がどのような構成であっても、レベル弁別手段にヒステリシス動作を有する回路素子を使用するため、降雨検出回路動作を安定させることができる。また、IC化も容易なため、部品点数を削減できると同時に、装置自体の省スペース化も達成できる。たとえチャタリングを起こす降雨検出部であっても、安定した検出動作を迅速に行うことができる。
【0011】
本発明によれば、降雨検出部が隙間を隔てた第1検出板と第2検出板とを含む水はけの良い構成であるため、手入れを要することがない。また、特別な手段を講じなくても、復帰動作を迅速に行うことができる。
【0012】
本発明によれば、入力部と出力部とが電気的に絶縁されている回路素子を含む降雨信号出力手段によって、それぞれの回路を独立に構成できるため、雨を検出した後の処理を極めて柔軟に行うことができる。
【0013】
出力部については、モータやアクチュエータを直接駆動できる交流回路で構成することができ、雨が降った際に、自動的にモータなどを操作して、必要な雨対策を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。また実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0015】
図1は、降雨検出装置1を示す斜視図である。図2は、降雨検出部2の切断面線I−Iで切断して見た拡大断面図である。図3は、降雨検出装置1の回路図を示す。降雨検出装置1は、雨滴を検出し、降雨信号を出力する。降雨検出装置1は、降雨信号に基づいて降雨をLEDおよび警報器などの報知手段で降雨を報知する。降雨検出装置1は、窓および屋根などを駆動する駆動装置に降雨信号を伝送し、これらの駆動装置を駆動させる。降雨検出装置1は、回路筐体3、支持部材4、降雨検出本体5および降雨検出回路6を含む。
【0016】
回路筐体3は、非導電材料、たとえば樹脂から成る直方体状の箱体であり、その内方に降雨検出回路6が収納される。ただし回路筐体3は、直方体状に限定されず、降雨検出回路6が収納可能な箱体であればよい。支持部材4は、導電性材料、たとえば金属材料からなる板状体である。支持部材4は、回路筐体3に配設され、降雨検出本体5を支持する。
【0017】
降雨検出本体5は、本体フレーム7、降雨検出部2、太陽電池8および本体挟持部材9を含む。本体フレーム7は、上層板10と下層板11とを備える。上層板10は、非導電材料から成り、平面視で矩形状の平板である。上層板10は、上層板貫通孔12および太陽電池配設孔13が形成される。上層板貫通孔12および太陽電池配設孔13は、上層板10を厚み方向に貫通し、幅方向に平行に形成される。上層板10には、上層板貫通孔12と上層板12の外方とを連通する2つの水抜き溝80が形成される。各水抜き溝80は、上層板貫通孔12に開放する開口部が外方に開放する開口部より小さいすり鉢状に形成される。水抜き溝80は、2つに限定されず、1つでもよく、3つ以上であってもよい。下層板11は、非導電材料から成り、平面視で矩形状の平板である。下層板11は、その外形が上層板10と同一に形成される。ただし、下層板11および上層板10の外形が同一に形成されることに限定されない。下層板11は、その厚み方向に貫通する下層板貫通孔14が形成される。
【0018】
降雨検出部2は、第1検出板15a、非導電板16、第2検出板15bおよび緊締具17を含む。第1検出板15aは、導電材料から成り、平面視で矩形状の平板である。第1検出板15aには、厚み方向に貫通する複数の検出孔18aが散在させて形成される。第1検出板15aは、本実施の形態では、銅から成る金網である。ただし第1検出板15aは、銅に限定されず、ステンレス鋼およびアルミであってもよい。また第1検出板15aは、金網に限定されず、パンチングメタルであってもよく、少なくとも雨滴を落下可能な板であればよい。第1検出板15aは、その外周縁部に第1導電部材19aが配設される。第1導電部材19aは、導電材料から成る箔板であり、たとえばアルミ箔の粘着テープである。第2検出板15bは、第1検出板15aと同一の構成であり、「第1」の記載を「第2」に代え、符号の付記「a」を「b」に代えて、その説明を省略する。各金網の互いに隣接する線材の間隔およびパンチングメタルの検出孔の径は、雨滴が第1検出板15aから下方に落下し、かつ第2検出板との間に雨滴が介在するように決定される。第2検出板15bは、導電性材料から成り、孔が形成されない板状体の金属板であってもよい。
【0019】
非導電板16は、非導電性材料から成り、格子状の平板に形成される。非導電板16は、具体的には、非導電性のプラスチック樹脂から成り、田の字状の平板に形成される。非導電板16は、第2検出板15b上に積層され、その上に第1検出板15aが積層される。第1検出板15aおよび第2検出板15bは、厚み方向一表面部が互いに臨んで積層される。非導電板16は、第1検出板15aと第2検出板15bとを間隔t離隔させるために第1検出板15aと第2検出板15bとの間に配設される。間隔tは、雨滴が、第1検出板15aと第2検出板15bとの間に介在するように決定される。具体的には、0.2mm以上1.0mm以下の範囲であればよく、本実施の形態では、t=0.5mmである。非導電板16は、その外周縁部を第1導電部材19aと第2導電部材19bとの間に介在させて、第1導電部材19aと第2導電部材19bとの導通を防止する機能を有する。
【0020】
緊締具17は、第1検出板15aと第2検出板15bとを挟持するために設けられる。具体的には、緊締具17は、非導電材料から成るボルト20、非導電性材料かなるワッシャ21およびナット22を含む。緊締具17は、第1検出板15a、非導電板16および第2検出板15bにボルト20を挿通する。ワッシャ21は、ボルト20に外嵌され、第2検出板15bに当接される。第2検出板15bとナット22との間にワッシャ21を介在させナット22を締付けることによって、第1検出板15aと第2検出板15bとを導通することなく挟持できる。
【0021】
下層板11には、その厚み方向一表面部に降雨検出本体5が積層される。降雨検出本体5は、第2検出板15bの他表面部の大部分が下層板貫通孔14から下方に臨む。下層板11の厚み方向一表面部には、さらに上層板10が積層される。上層板10は、その厚み方向一表面部が下層板11の厚み方向一表面部に臨んで配設される。上層板10の上層板貫通孔12は、下層板貫通孔14に連通する。降雨検出本体5は、第1検出板15aの他表面部の大部分が上層板貫通孔12から上方に臨む。降雨検出本体5は、上層板10と下層板11とによって、その外周縁部が挟持される。具体的には、第1検出板15aおよび第2検出板15bの外周縁部が挟持され、第1検出板15aが上層板10によって接地される。
【0022】
太陽電池8は、平板状に形成される。太陽電池8は、受光することによって発電可能な電池である。太陽電池8は、降雨検出回路6に電気的に接続され、降雨検出装置1を駆動するための電気を降雨検出回路6に供給する。太陽電池8は、上層板10の太陽電池配設孔13に嵌合して配設される。
【0023】
本体挟持部材9は、長手状であって、長手方向に垂直な仮想平面で切断して見た断面がコ字状に形成される。本体挟持部材9は、降雨検出本体5が介在する本体フレーム7の外周縁部の一部を嵌合して、本体フレーム7を挟持する。具体的には、2つの本体挟持部材9によって、本体フレーム7の外周縁部のうち、幅方向両端部が挟持される。
【0024】
支持部材4は、このように構成される降雨検出本体5を、その長手方向に向かうにつれて上方に向かって傾斜させて支持する。本実施の形態では、降雨検出本体5の上層板貫通孔12内の溜まる雨滴を水抜き溝80から外方に排出可能に支持される。たとえば斜度20度である。ただし、これの角度に限定されない。ただし、雨滴を排するための手段は、水抜き溝80に限定されず、上層板貫通孔12と外方とを連通する水抜き孔であってもよい。第1検出板15aは、支持部材4に電気的に接続される。換言すると、第1検出板15aは、支持部材4を介して降雨検出回路6に電気的に接続される。第2検出板15bは、検出導電路64を介して降雨検出回路6に電気的に接続される。
【0025】
降雨検出回路6は、第1導電路23、回路スイッチ24、ヒューズ25、フォトトランジスタ27、第1抵抗28、第2抵抗29、補助スイッチ30、第2導電路31、第3抵抗32、第1増幅トランジスタ33、第3導電路34、分圧抵抗35、第4抵抗36、第5抵抗37、第2増幅トランジスタ38、第6抵抗39、抵抗検出LED40、第1コンデンサ41、FETトランジスタ42、第4導電路43、第7抵抗44、充電抵抗45、第2コンデンサ46、第5導電路47、入力導電路48、レベル弁別回路49、第8抵抗50、報知トランジスタ51、降雨信号送信部52、第9抵抗53、報知LED54、ブザー55、放電抵抗56、放電スイッチ57、論理回路58、第10抵抗59、駆動トランジスタ60、ダイオード61およびリレースイッチ62を含む。
【0026】
第1導電路23は、一端が定圧電源63の高電位側に電気的に接続され、他端が支持部材4に電気的に接続される。定圧電源63は、太陽電池8である。ただし、太陽電池8に限定されず、1次電池および2次電池であってもよく、太陽電池8、1次電池および2次電池のうち複数備えるものであってもよい。1次および2次電池を備える場合、これらは、回路筐体3に収納される。第1導電路23には、定圧電源63側から支持部材4に向かって順に回路スイッチ24、ヒューズ25、フォトトランジスタ27、第1抵抗28、第2抵抗29が介在する。
【0027】
回路スイッチ24は、回路の電源をONおよびOFFを切替えるためのスイッチである。フォトトランジスタ27は、受光素子の受光状態に基づいて、フォトトランジスタ27の両端の間の導電状態を切替える。フォトトランジスタ27の受光素子は、回路筐体3から外方に露出させて太陽光を受光可能に配設される。フォトトランジスタ27の両端には、補助スイッチ30が設けられる。補助スイッチ30をONにすると、フォトトランジスタ27の両端が導通する。補助スイッチ30は、たとえばディップスイッチである。
【0028】
第2導電路31は、一端が検出導電路64を介して第2検出板15bに電気的に接続され、他端が第3抵抗32を介して、第1増幅トランジスタ33のベース33aに電気的に接続される。第2導電路31は、第3抵抗32より検出導電路64側に第3導電路34の一端が電気的に接続される。第3導電路34には、分圧抵抗35が介在する。分圧抵抗35は、その抵抗値は、たとえば1MΩ以上であり、本実施の形態では1MΩである。
【0029】
npn型のバイポーラトランジスタである第1増幅トランジスタ33は、そのコレクタ33bが第4抵抗36を介して第1導電路23の第1抵抗28と第2抵抗29との間に電気的に接続される。第1増幅トランジスタ33は、そのエミッタ33cが第5抵抗37を介して第2増幅トランジスタ38のベース38aに電気的に接続される。npn型のバイポーラトランジスタである第2増幅トランジスタ38は、そのコレクタ38bが、コレクタ38b側から順に第6抵抗39および抵抗検出LED40を介して第1導電路23のフォトトランジスタ27とヒューズ25との間に電気的に接続される。抵抗検出LED40は、発光して第1検出板15aおよび第2検出板15bの間が導通していることを報知するために設けられる。抵抗検出LED40は、発光部分が回路筐体3の外方に露出して配設され、回路筐体3の外方から発光が確認可能に設けられる。第2増幅トランジスタ38は、そのエミッタ38cが第5導電路47に電気的に接続される。第1増幅トランジスタ33および第2増幅トランジスタ38は、信号を60倍以上800倍以下に増幅する機能を有する。第3導電路は、その他端が第2増幅トランジスタ38のエミッタ38cに電気的に接続される。
【0030】
レベル弁別手段であるFETトランジスタ42は、たとえばp型のMOSFETトランジスタである。FETトランジスタ42は、そのゲート42aが第1コンデンサ41を介して第2増幅トランジスタ38のコレクタ38bと第6抵抗39との間に電気的に接続される。FETトランジスタ42は、そのソース42bが第1導電路23において第2増幅トランジスタ38よりヒューズ25側に電気的に接続される。FETトランジスタ42は、そのドレイン42cが論理回路58に電気的に接続される。FETトランジスタ42は、ゲート42aの電圧を予め定められる検出レベルでレベル弁別する機能を有する。FETトランジスタ42は、検出レベル以下になると、ソース42b−ドレイン42c間を導通する機能を有する。換言すると、FETトランジスタ42は、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値を検出レベルに対応する弁別レベルでレベル弁別し、弁別レベル未満になると、ソース42b−ドレイン42c間を導通する機能を有する。
【0031】
第4導電路43は、その一端がFETトランジスタ42のドレイン42cに電気的に接続される。第4導電路43は、一端側から他端に向かって順に第7抵抗44および充電抵抗45が介在し、他端にコンデンサCである第2コンデンサ46の一端が電気的に接続される。抵抗R1である充電抵抗45は、いわゆる可変抵抗であり、第2コンデンサ46を充電するために設けられる。充電抵抗45は、その抵抗値を調節して、第2コンデンサ46に与える充電電流を調整する機能を有する。換言すると、充電抵抗45によって充電時の第2コンデンサ46における電位の上昇速度を調整できる。
【0032】
第5導電路47は、その一端が第2コンデンサ46の他端に、他端が定圧電源63の低電位側に電気的に接続される。入力導電路48は、その一端が充電抵抗45と第2コンデンサ46との間に電気的に接続され、他端がレベル弁別回路49に電気的に接続される。
【0033】
レベル弁別回路49は、ドレイン電源端子(以下、「D電源端子」と称する)49a、ゲート−ソース間電源端子(以下、「GS電源端子」と称する)49b、入力端子49cおよび降雨信号出力端子49dを備える。D電源端子49aは、回路内のトランジスタのドレインに電圧を供給するための端子であり、GS電源端子49bは、回路内のトランジスタのゲート−ソース間に電圧を供給するための端子である。レベル弁別回路49は、入力端子49cの電圧を予め定められる非報知電圧でレベル弁別する。レベル弁別回路49は、入力端子49cが非報知電圧以下であると、降雨信号出力端子49dからハイレベルの降雨出力信号を出力し、入力端子49cが非報知電圧以上であると、降雨信号出力端子49dからローレベルの降雨出力信号を出力する機能を有する。レベル弁別回路49は、いわゆるNOR回路である。レベル弁別回路49は、D電源端子49aが第4導電路43の第7抵抗44よりその一端側に電気的に接続される。GS電源端子49bは、第5導電路47に電気的に接続される。入力端子49cは、入力導電路48の他端が電気的に接続される。降雨信号出力端子49dは、第8抵抗50を介して報知トランジスタ51のベース51aに電気的に接続される。
【0034】
npn型のバイポーラトランジスタである報知トランジスタ51は、そのコレクタ51bが、コレクタ51b側から順に第9抵抗53および報知LED54を介在させて第4導電路43においてD電源端子49aより一端側に電気的に接続される。報知LED54は、雨滴信号に基づいて発光する、すなわち降雨を光によって報知するために設けられる。報知LED54は、発光部分が回路筐体3の外方に露出して配設され、回路筐体3の外方から発光が確認可能に設けられる。報知トランジスタ51は、そのエミッタ51cが第5導電路47においてGS電源端子49bより他端側に電気的に接続される。降雨信号送信部52は、第8抵抗50と報知トランジスタ51との間に電気的に接続される。
【0035】
降雨信号送信部52は、ハイレベルの降雨信号に基づいて、無線方式の図示しない警報器に無線信号を送信する機能を有する。警報器は、たとえば室内に配設され、無線信号に基づいて、利用者に降雨を報知する。ブザー55は、一端が第4導電路43において報知トランジスタ51より一端側に電気的に接続される。ブザー55は、予め定められるブザー電圧が印加されると、音によって報知する機能を有する。
【0036】
放電抵抗56および放電スイッチ57は、直列して接続される。放電抵抗56および放電スイッチ57は、第2コンデンサ46に並列して、入力導電路48と第5導電路47とを電気的に接続する。放電抵抗56は、第2コンデンサ46を放電するために設けられる。放電スイッチ57は、開状態および閉状態に切替可能に構成される。放電スイッチ57を閉状態にすると、第2コンデンサ46、入力導電路48、放電抵抗56および第5導電路47によって放電回路65を形成する。放電回路65は、第2コンデンサ46に充電される電気を放電する機能を有する。
【0037】
論理回路58は、D電源端58a、GS電源端子58b、第1入力端子58c、第2入力端子58dおよび駆動信号出力端子58eとを備える。D電源端58aは、第6導電路66の一端に電気的に接続される。第6導電路66の他端は、第1導電路23においてヒューズ25とFETトランジスタ42のソース42bとの間に電気的に接続される。GS電源端子58bは、第5導電路47において報知トランジスタ51のエミッタ51cより他端側に電気的に接続される。第1入力端子58cは、FETトランジスタ42のドレイン42cが電気的に接続される。第2入力端子58dは、入力導電路48において放電抵抗56と入力端子49cとの間に電気的に接続される。駆動信号出力端子58eは、第10抵抗59を介して駆動トランジスタ60のベース60aに電気的に接続される。論理回路58は、第1入力端子58cおよび第2入力端子58dのうち少なくとも一方を予め定める駆動電圧でレベル弁別し、予め定められる駆動電圧以上になると、駆動信号出力端子58eからハイレベルの駆動信号を出力する機能を有する。論理回路58は、いわゆるOR回路である。
【0038】
npn型のバイポーラトランジスタである駆動トランジスタ60は、そのコレクタ60bがダイオード61を介して第6導電路66に電気的に接続される。駆動トランジスタ60のエミッタ60cは、第5導電路47において論理回路58のGS電源端子58bより他端側に電気的に接続される。リレースイッチ62は、高電位側の端子が第6導電路66においてダイオード61より第1導電路23側に電気的に接続される。リレースイッチ62は、低電位側の端子がダイオード61と駆動トランジスタ60のコレクタ60bとの間に電気的に接続される。リレースイッチ62は、駆動装置を駆動させるためのスイッチである。リレースイッチ62は、たとえば窓を閉めるための駆動装置、折畳式の屋根を開くための駆動装置などを駆動させるためのスイッチである。リレースイッチ62は、駆動トランジスタ60に電流が流れると、スイッチをONにし、前記駆動装置を駆動させる。
【0039】
本実施の形態では、第1抵抗28が10kΩ、第2抵抗29が50kΩ、第3抵抗32が50kΩ、第4抵抗36が10kΩ、第5抵抗37が10kΩ、第6抵抗39が1kΩ、第7抵抗44が5kΩ、第8抵抗50が15kΩ、第9抵抗53が10kΩ、第10抵抗59が15kΩである。第1コンデンサ41が10μF、第2コンデンサ46が300μFである。レベル弁別回路49は、東芝製のTC4001BPであり、論理回路58は、東芝製のTC4071BPである。また太陽電池は、5.0Vである。
【0040】
本実施の形態において、抵抗測定手段67は、第2抵抗29、第3抵抗32、第4抵抗36、第1増幅トランジスタ33、第5抵抗37、第2増幅トランジスタ38および第1コンデンサ41に相当する。時定数回路68は、充電抵抗45と第2コンデンサ46に相当し、降雨信号出力手段69は、レベル弁別回路49、時定数回路68および放電回路65に相当する。
【0041】
以下では、このようにして構成される降雨検出装置1の降雨を検出する降雨検出動作について説明する。降雨検出装置1の回路スイッチ24をONにし、フォトトランジスタ27が光を受光すると、降雨の検出が開始される。降雨検出本体5の第1検出板15aと第2検出板15bとの間に雨滴が介在すると、雨滴によって非導通状態であった第1検出板15aと第2検出板15bとが導通する。導通すると、第1検出板15aと第2検出板15bとの導通状態に対応する電位の検出信号が検出導電路64を介し、降雨検出部を通じた後の電位として第2導電路31に出力される。
【0042】
雨の降り方によって、第2導電路31の電圧波形(電位)は、たとえば図8に示すような場合が考えられる。図8(a)は通常の雨が降り出した場合、図8(b)はパラパラと雨が降り始めたり止んだりを、たとえば5分程度の間隔を空けて断続的に繰り返す場合、つまり降雨検出部が接触・非接触を繰り返すチャタリングを起こしている場合を意味する。図8(c)はパラパラっと雨が落ちてその後、雨が止んだ場合である。これは、あくまでも分かりやすく表示した一例であり、これ以外にもいろいろなパターンが種々考えられる。図8で示す一点鎖線は、トランジスタ33が導通する信号レベルを表している。
【0043】
検出信号は、分圧抵抗35によって分圧されて、第1増幅トランジスタ33および第2増幅トランジスタ38によって増幅される。第2増幅トランジスタ38が検出信号を増幅する際、コレクタ38b−エミッタ38c間が導通する。これによって、抵抗検出LED40が発光し、第1検出板15aと第2検出板15bとが導通する、すなわち雨滴が介在することを報知する。
【0044】
図8(a),(b),(c)に対応する第2増幅トランジスタ38のコレクタ38bの電圧波形は、図9(a),(b),(c)に示す波形になる。
【0045】
第2増幅トランジスタ38のコレクタ38b−エミッタ38c間が導通することによって、第2増幅トランジスタ38のコレクタ38bの電位が一気に正の電源電圧から第5導電路47のゼロボルトに下がる。その結果、FETトランジスタ42のゲート42aの電位もゼロボルトに下がり、FETトランジスタ42のソース42b−ドレイン42c間が導通する。換言すると、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値が弁別レベル未満になると、FETトランジスタ42のソース42b−ドレイン42c間が導通する。具体的には、第1検出板15aと第2検出板15bとの間隔が0.5mmに配設され、分圧抵抗35が1MΩであると、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値が5MΩ以下でFETトランジスタ42のソース42b−ドレイン42c間が導通する。このようにソース42b−ドレイン42c間を導通することによって、FETトランジスタ42は、第1導電路23と同電位のハイレベルの雨滴信号をドレイン42cから出力する。
【0046】
ハイレベルの雨滴信号は、論理回路58の第1入力端子58cおよび第7抵抗44と充電抵抗45とを介して第2コンデンサ46に与えられ、第2コンデンサ46を充電する。第2コンデンサ46は、たとえば2sec以上30sec以下で充電される。本実施の形態では、第2コンデンサ46は、10secで充電される。またハイレベルの雨滴信号によって、レベル弁別回路49のD電源端49aに電圧が供給され、レベル弁別回路49がレベル弁別を開始する。
【0047】
レベル弁別回路49は、第2コンデンサ46の電位が非報知電位以下であると、ハイレベルの降雨信号を出力する。降雨信号送信部52は、このハイレベルの降雨信号に基づいて、警報器に無線信号を送信する。警報器によって降雨が利用者に報知される。ハイレベルの降雨信号が報知トランジスタ51に入力されると、報知トランジスタ51のコレクタ51b−エミッタ51c間が導通する。導通すると、報知LED54およびブザー55に電圧が印加され、報知LED54が発光し、ブザー55が鳴って、利用者に光と音とによって降雨を報知する。
【0048】
第2コンデンサ46の電位が非報知電位以上になると、レベル弁別回路49は、降雨信号出力端子49dからローレベルの降雨信号を出力する。降雨信号送信部52からの無線信号を送信が停止される。ローレベルの降雨信号が報知トランジスタ51に入力されると、報知トランジスタ51のコレクタ51b−エミッタ51c間が非導通状態になり、報知LED54およびブザー55の動作が停止する。
【0049】
論理回路58は、第1入力端子58cに入力される雨滴信号の電位および第2コンデンサ46の電位のうち少なくとも一方を予め定められる駆動電圧でレベル弁別し、少なくとも一方が駆動電圧以上であると、駆動信号出力端子58eからハイレベルの駆動信号を出力する。ハイレベルの駆動信号が駆動トランジスタ60に入力され、駆動トランジスタ60のコレクタ60b−エミッタ60c間を導通する。導通されると、リレースイッチ62に電流が流れ、スイッチがONになり、駆動装置を駆動させる。
【0050】
放電回路65に設けられる放電スイッチ57を閉状態にすると、第2コンデンサ46に充電される電荷を放電抵抗56によって放電する。充電完了した第2コンデンサ46から放電回路65を用いずに放電すると、放電の完了に1時間程度かかる。放電回路65を用いて放電すると、たとえば12秒で放電を完了できる。
【0051】
夜間では、フォトトランジスタ27が太陽光を受光不能であるので、フォトトランジスタ27の両端を非導電状態にし、降雨検出装置1の機能を停止させる。また補助スイッチ30を閉状態にすると、フォトトランジスタ27との両端を導通し、夜間でも使用できる。また降雨検出装置1は、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値が所定値、たとえば8MΩ以上になると、復帰する。
【0052】
以下では、このようにして構成される降雨検出装置1が奏する効果について説明する。本実施の形態の降雨検出装置1によれば、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値が5MΩ以下になると、降雨検出装置1が降雨を検出する。第1検出板15aと第2検出板15bとの間に一滴の雨滴が介在すると、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値は、1MΩ程度になる。また第1検出板15aと第2検出板15bとに埃が付着する際、第1検出板15aと第2検出板15bとの間に介在すると、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値は、5MΩ程度になる。従来の降雨検出装置では、0.1MΩ以下の抵抗を検出可能に構成される。それ故、複数の雨滴が検出板に付着し、第1検出板15aおよび第2検出板15bの各所が導通しなければ、降雨の検出が不可能である。降雨検出装置1では、抵抗値が5MΩ以下で降雨検出可能であるので、一滴の雨滴が付着するだけで検出できる。また第1検出板15aおよび第2検出板に埃が付着する場合も、一滴の雨滴が付着するだけで検出ができる。このように高感度の降雨検出装置1が実現でき、降雨を即座に報知できる。それ故、雨滴が小さく、第1検出板15aおよび第2検出板15bに付着する雨滴が数滴となる霧雨であっても、検出できる高感度の降雨検出装置1が実現できる。また降雨検出装置1は、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値が所定値以上、たとえば8MΩ以上になると、復帰し降雨検出動作を再開できる。
【0053】
本体実施の形態の降雨検出装置1によれば、降雨を検出すると、報知LED54が発光し、ブザー55が鳴る。このように光と音とによって利用者に降雨を報知できる。また降雨信号に基づいて警報器に無線信号を送信するので、降雨検出装置1から離れた場所であっても、警報器によって利用者に降雨を報知することができる。論理回路58からの駆動信号に基づいて、リレースイッチ62をONにして駆動装置を駆動する。これによって降雨時に駆動装置を駆動させることができる。
【0054】
具体的には、リレースイッチ62のON動作に連動して窓を閉めることが可能な駆動装置を設けることによって、降雨時に窓が自動的に閉じる駆動装置を実現できる。これによって降雨時の窓の閉め忘れがなくなる。またリレースイッチ62のON動作に連動して折畳式の屋根を開くことが可能な駆動装置を設けることによって、降雨時に屋根が自動的に開く駆動装置を実現できる。これによって降雨時に屋根を開くことによって、干している洗濯物を濡らすことを抑制できる。
【0055】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、昼間では、フォトトランジスタ27が太陽光を受光し、フォトトランジスタ27の両端が導通する。夜間において就寝中であれば、警報器などを鳴らして、注意喚起することが好ましくない。また夜間、結露が付着することで警報器が鳴ることも好ましくない。それ故、夜間に降雨を検出する機能を停止することが好ましい。夜間では、フォトトランジスタ27が太陽光を受光不能であるので、フォトトランジスタ27の両端が非導通する。これによって昼間では、降雨を検出するけれども、夜間では、降雨を検出する機能が停止する。よって、夜間に結露が付着することのみによって、警報器が不所望に鳴ることを防止することができる。また補助スイッチ30が設けられているので、補助スイッチ30をONにすることによって、夜間に降雨を検出させることも可能である。このように夜間も降雨を検出できるので、就寝中の降雨の検出も可能になる。
【0056】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、時定数回路68は、レベル弁別回路49の入力端子49cおよび論理回路58の第2入力端子58dに電気的に接続される。これによって、入力端子49および第2入力端子58dに入力される信号が急激に変化することを防ぐ。従来の技術の降雨検出装置は、感度を上昇させると、2、3滴の雨滴が第1検出板15aと第2検出板15bとの間に介在するだけ、降雨を検出する。それ故、雨滴の付着および落下の繰返しに起因する前記入力信号の急激な変化にともなって、降雨信号および駆動信号にチャタリング現象が生じる。時定数回路69を設けることによって、前記入力信号の急激な変化を防ぎ、降雨信号および駆動信号にチャタリング現象が生じることを抑制できる。これによってリレースイッチ62のチャタリング現象にともなう接点焼損を抑制できる。降雨検出の感度を上げると、チャタリング現象が生じ、動作が困難であったけれども、このようにチャタリング現象の抑制が可能であるので、降雨検出の感度を上げることができる。
【0057】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、時定数回路68とレベル弁別回路49とを備える。レベル弁別回路49がNOR回路であるので、雨滴信号が伝送されてから第2コンデンサ46が充電され、入力端子49cが非報知電圧以上になるまで、降雨を報知する。それ故、報知される時間が2sec以上30sec以下、本実施の形態では10sec以下である。これによって降雨を報知し続けることがない。これによって利用者は、わざわざ報知を止めに行く必要がなく、報知による電力消費も少なくすることができる。
【0058】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、放電回路65が設けられる。降雨検出装置1では、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の雨滴を除去した後、第2コンデンサ46に充電される電荷を放電するためには、1時間かかる。それ故、連続して降雨を検出することができない。放電回路65を設けることによって、放電スイッチ57を閉状態にするだけで、第2コンデンサ46に充電される電荷が直ぐに放電される。したがって第1検出板15aと第2検出板15bとの間の雨滴を除去した後、直ぐに雨滴を検出することができ、2次的または3次的な降雨を検出することが可能となる。
【0059】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、第2検出板15bには複数の検出孔18bが形成される。これによって第1検出板15aと第2検出板15bとの間に介在する雨滴を、前記検出孔18bから下方に落下させることができる。第1検出板15aと第2検出板15bとの間に付着する雨滴の水はけが非常に良いため、熱を加えて蒸発されたり、雨滴をふき取ったりする必要がないので、何もしなくても降雨検出装置の機能の復帰を早く行うことができる。そして、たとえ埃が検出板に付着しても、雨滴と共に流れ落ちる構成のため、特に掃除をする必要もない。この第2検出板15bの反第1検出板側に、検出孔18bを通じて雨滴を吸収する、たとえばスポンジのような吸収体を取付ければ、水はけをさらに良くすることも可能である。
【0060】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、降雨検出本体5が上方に向かって傾斜して配設される。それ故、第1検出板15aおよび第2検出板15bに介在する雨滴がこれらを伝って下方に移動し、さらに本体フレーム7を伝って下方に落下するので、単に第2検出板15bから落下させるより、雨滴を早く除去することができる。これによって降雨検出装置1の復帰を早くすることができる。また第1検出板15aおよび第2検出板15bが銅、ステンレス鋼またはアルミによって構成されるので、雨滴の落下が早い。また熱伝導性が高いので、熱を加えることによって素早く乾燥させることができる。
【0061】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、FETトランジスタ42を用いているので、リレースイッチなどを用いる場合に比べて、消費電力を小さくできる。さらにレベル弁別回路49および論理回路58に高感度IC回路が設けられるので、消費電力を小さくできる。このように消費電力を小さくできるので、太陽電池8のような発電力が小さいものでも、降雨検出装置1を駆動できる。本実施の形態では、雨滴非検出動作時における電流は、0.0075mAであり、ブザー55が停止後の抵抗検出LED40の点灯時の電流は、3mAである。
【0062】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、埃などの異物が第1検出板15aに付着すると、第1検出板15aの雨滴の付着力が低下する。これによって第1検出板15a上の雨滴が下方に落下し、第1検出板15aと第2検出板15bとの間に介在する。それ故、埃などの異物が第1検出板15aに付着すれば付着するほど、第1検出板15aと第2検出板15bとの間に介在し、降雨検出の感度が上昇する。換言すると、使用すれば使用するほど、第1検出板15aが汚れ、降雨検出の感度が上昇する。
【0063】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、分圧抵抗35の抵抗値が1MΩ以上に設定される。抵抗値を1MΩより小さくすると、第1増幅トランジスタ33に印加される分圧が小さくなり、降雨検出の感度が低くなる。それ故、分圧抵抗35の抵抗値は、1MΩであることが望ましい。
【0064】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、第1検出板15aは、全体の形状が平板状であり、厚み方向の一方面が上方に臨む。第1検出板15aは、その厚み方向に貫通する多数の検出孔18aが散在して形成される。第1検出板15aは、各検出孔18aの少なくとも内面が導電性材料から成る。第2検出板15bは、第1検出板15aより下方に配置され、少なくとも厚み方向一表面部が導電性材料から成る。第1検出板15aおよび第2検出板15bは、第1検出板15aの厚み方向一表面部と第2検出板15bの厚み方向一表面部との間隔が、検出されるべき雨滴が、前記検出孔18aと前記上面との間にわたって介在する値に設定される。第1検出板15aの検出孔18aの内面と第2検出板15bの上面との間に雨滴が介在すると、抵抗測定手段67によって抵抗の低下を検出する。FETトランジスタ42は、雨滴信号を降雨信号出力手段69に出力する。降雨信号出力手段69は、雨滴信号から抵抗が弁別レベル未満である状態が予め定める時間以上継続すると、降雨信号を出力する。これによって降雨が予め定められる時間継続すると、降雨信号を出力させることができる。これによって第1検出板15aの検出孔18aの内面と第2検出板15bの上面との間に雨滴が介在するか否かを、レベル弁別回路42によって確実に検出することができる。したがって第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値に基づいて、降雨を検出するので、使用環境に影響されることなく降雨を検出できる。
【0065】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、第1検出板15aは、パンチングメタルまたは金網から成り、第2検出板15bは、パンチングメタル、金網または金属板から成る。これによって第1検出板15aおよび第2検出板15bを実現できる。
【0066】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、時定数回路68は、第1検出板15aと第2検出板15bとの間の抵抗値が弁別レベル未満である状態になると、FETトランジスタ42から第2コンデンサ46に雨滴信号が与えられ、充電抵抗45が与える充電電流によって第2コンデンサ46が充電される。第2コンデンサ46は、放電抵抗56を有する放電回路65によって放電できる。レベル弁別回路49は、第2コンデンサ46の電圧を非報知電圧でレベル弁別し、第2コンデンサ46の電圧が非報知電圧以上になると、降雨信号を出力する。これによって降雨信号出力手段69を実現できる。また時定数回路68を設けることによって、チャタリング現象を防止することができる。
【0067】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、水抜き溝80が形成されるので、第1検出板15a上に溜まる雨滴を外方に排出させることができる。これによって第1検出板15aから落下しない雨滴であっても、外方に排出させることができ、第1検出板15aの乾燥を早めることができる。それ故、降雨検出装置1の降雨検出動作の復帰を、従来技術の降雨検出装置より早めることができる。
【0068】
本実施の形態の降雨検出装置1によれば、第1検出板15aに複数の検出孔18aが形成されるので、ブラシなどで第1検出板15aと第2検出板15bとの間に介在する埃を除去すること容易である。これによって、埃が介在することによって、検出感度が低下することを抑制できる。
【0069】
本実施の形態では、第1増幅トランジスタ33と第2増幅トランジスタ38とが設けられ、2段階で、増幅されているけれども、必ずしも2つ設けられることに限定されない。FETトランジスタ42に検出レベル以上の電圧を印加可能であれば、1つのバイポーラトランジスタであってもよい。また放電回路65が設けられているけれども、必ずしも、これがなくてもよい。
【0070】
本実施の形態の降雨検出装置1では、定圧電源として太陽電池が設けられているけれども、必ずしも太陽電池に限定されない。たとえば商用電源を整流器を介して第1導電路31および第5導電路47に電気的に接続してもよく、その定圧電圧を供給可能なものであれば限定されない。
【0071】
図4は、実施の第2の形態の降雨検出装置1Aを示す斜視図である。図に示す上側の多孔質のメタル板70aは、ステンレス、アルミなどの防錆に優れた金属製のパンチングボードの多孔質の板となっている。したがって、降り注いだ雨滴はその検出孔71aより下側に流れ落ちる。図5は、降雨検出装置1Aを示す拡大断面図、図6は、降雨検出装置1Aを示す分解斜視図であって、上側メタル板70aと電気的に絶縁をなす様一定間隔を置いて下側メタル板70bを対向させている。降雨時、前記上側メタル板70aの検出孔71aより流れ落ちる雨水は下側メタル板70bに流入することとなる。これにより、この雨水を媒体として上下側メタル板70a,70b間は、電気的に導通する。
【0072】
上下側メタル板70a,70b間の電気的絶縁をなす様一定間隔は、絶縁リングを介し、ボルト、ナットなどの緊締具74にて維持する。
【0073】
さらに、この上下側メタル板70a、70bは、同様に防錆に優れた金属性の上下四周枠75、さらには絶縁中枠76にて保持され緊締具74とともに一体化する。この上側メタル板70aは、開閉可能なカバー77に覆われており、降雨検出状態においては、そのカバーを開蓋状態とし、非検出状態においては、閉蓋状態とし、不要な検出器の動作状態を防ぐ、さらにカバーは、その開き角度の調整によって雨滴を多く吸収するとともに、上側メタル板70aの集雨に加え注ぎ込み、動作を速める。
【0074】
図7は、第3実施の形態の降雨検出装置1Bを示す分解斜視図である。而して、下側メタル板72bは、上側メタル板71aの如く検出孔を有しない金属板としており、実施の第3の形態の降雨検出装置1Bは、上側メタル板70aと同じ多孔質の金属板を用いている。これらはいずれでもよい。すなわち、下側メタル板70bに流入した雨水は、一定時間滞留させ、換言すると一時的に電気的に導通状態を維持すればよく、その検出穴73a,73bの個数、孔径によって選択できる。この雨水の滞留時間については、雨の状況によって大幅に変わってくるが、早ければ1分以内の場合も考えられる。
【0075】
図10は、降雨検出装置1のその他の回路図を示す。
以下の実施の形態は、図3に示す回路をさらに、省スペース化と安定化させることを主眼に、次の事柄について改良している。
【0076】
・取り扱いにくいFETトランジスタを、ヒシテリシス動作を有する応答の速い回路素子に置き換える。FETトランジスタは、電源電圧が低い場合に動作が不安定になりやすく、またゲートの電位が不安定になりやすい。
・IC化を進めて、部品点数を減らす。
・後段に影響を与えないように、電源ライン上には、できるだけ回路素子を挿入しない。
【0077】
図3で示す回路では、降雨検出装置1の感度を上げると、第1コンデンサ41を通じた入力信号で動作するFETトランジスタ42の動作が不安定になる場合があり、復帰動作を思うように早めに設定できない。復帰動作を早めに設定できれば、断続的に降り続ける雨に対して、柔軟に対応することができ、装置の実用性をより高めることができる。
【0078】
図中、図3と同一の符号のものは、同一のもの、あるいは同一機能のものを示す。
論理否定回路を構成するインバータ100は、図3のFETトランジスタ42に変わる素子で、レベル弁別手段の一部を構成するものである。このインバータ100の各端子と内部回路について、図11に示す。上下に隣り合う一組の端子どうしでは、それぞれ反転信号が出力される構成になっている。このインバータ100については、入力波形の立ち上がり時と立下り時とで、しきい値が異なるヒシテリシスを有し、入力信号がチャタリングを生じても簡単に反応しないように、信号処理の安定化を図っている。
【0079】
VDDとVGSはインバータ100を動作させるための電源電圧を印加させる端子である。端子1には抵抗99を介して第2増幅トランジスタ38のコレクタが接続され、端子1の反転信号が端子2から出力され、ダイオード101を介して、端子3に接続されるとともに、ダイオード201と充電抵抗45と抵抗45、および後述するインバータ200の端子VDDに接続される。ダイオード201と充電抵抗45とは並列に接続されている。
【0080】
インバータ100の端子1にローレベル信号が入力されると、端子2にハイレベル信号が出力され、ダイオード101を通じて端子3にも、ハイレベル信号が入力される。また、インバータ100の端子1にハイレベル信号が入力されると、端子2にローレベル信号が出力され、場合に応じダイオート101によってインバータ100の端子3の電位は、インバータ100の端子2とは切り離される。インバータ100の端子4は、端子3とは反転する信号が出力され、インバータ100の端子5と接続されている。インバータ100の端子2がローレベルの電位になっても、ダイオード101によって、インバータ100の端子3がハイレベルの電位を維持できるように構成しており、逆の電圧が端子2に印加されないようにして、回路の保護を図っている。
【0081】
インバータ100の端子6は、端子5とは反転する信号が出力されるが、インバータ100の端子3の信号に対してヒステリシスを有する信号が出力され、第8抵抗50に接続される。
【0082】
次に、論理否定回路を構成するインバータ200は、ブザー55を鳴らすための素子である。インバータ200の端子1と端子2に関する内部回路については、図11に示すインバータ100と同じである。
【0083】
端子VDDとVGSはインバータ200を動作させるための電源電圧を印加させる端子である。インバータ200の端子VDDにはインバータ100の端子3が接続されている。インバータ200の端子1には充電抵抗45と第2コンデンサ46とダイオード201との接続箇所が接続されている。
【0084】
このダイオード201と充電抵抗45とは並列に接続され、インバータ100の端子3とインバータ200の端子1との間に、この並列回路が接続されている。インバータ200の端子2は、インバータ200の端子1に対する反転信号が出力され、第10抵抗59を介してトランジスタ60のベースに接続されている。
【0085】
コンデンサ102と抵抗103との並列回路はインバータ100の端子3と第5導電路47との間に接続され、たとえば5分程度の報知LED54の遅延保持動作を行わせる機能を有している。即ち、インバータ100の端子3の電位をコンデンサ102で、一定時間保持することによって、インバータ100の端子6の電位を保持し、トランジスタ51の導通状態を維持して、報知LED54を点灯継続させる。
【0086】
電源確認用LED120とツェナーダイオード122との並列回路が抵抗121を介して導電路23と47との間に接続されている。
【0087】
スイッチ104は、ブザー55を鳴らすために、リレー105に対して電源を供給するスイッチである。ワイヤレス発信器110は回路スイッチ24を通じての電源供給を受けて、インバータ200の端子2の出力信号を発信する。
【0088】
以下、この実施の形態の動作について、説明する。
降雨検出装置1の回路スイッチ24をONすると、第1導電路23から抵抗121を通じ、ツェナーダイオード122および電源確認用LED120を経て、第5導電路47に電流が流れて,電源確認用LEDが発光する。ツェナーダイオード122の定電圧作用によって、安定的に電源確認用LEDは発光する。また、フォトトランジスタ27が受光すると、図3の場合と同様に降雨の検出が開始される。降雨検出体5の第1検出板15aと第2検出板15bとの間に雨滴が介在すると、雨滴によって第1検出板と第2検出板とが導通する。導通すると、導電路64、31、抵抗32を通じて第1増幅トランジスタ33のベースとエミッタ間、および抵抗37、フォトトランジスタ27を通じて第2増幅トランジスタ38のベースとエミッタ間に電流が流れて、トランジスタ33とトランジスタ38とが共に導通して、抵抗検出LED40が発光し、雨滴が介在することを近くにいる人に報知する。雨が一滴もしくは数滴介在すれば、LEDによる報知をするが、無くなれば直ちに抵抗検知LED40は消灯する。
【0089】
第2増幅トランジスタ38が導通すると、コレクタの電位がハイレベルからローベルに変化する。すると、インバータ100の端子1の電位も同じようにハイレベルからローレベルに変化する。
【0090】
インバータ100では、端子2は端子1とは反転する電位を出力し、端子3はダイオード101を通じて端子2と同じ電位を出力し、端子4,5は端子3と反転する電位を、端子6は端子5と反転する電位を出力する。このため、インバータの端子2,3,6はローレベルからハイレベルに変化し、端子4,5はハイレベルからローレベルに変化する。
【0091】
この電位の変化を受けて、報知トランジスタ51のベースとエミッタ間には抵抗50を通じてインバータ100の端子6から電流が流れ、報知トランジスタ51が導通し、報知LED54も発光する。
【0092】
一方、インバータ200では、インバータ100の端子3から、インバータ200の端子VDDに電源電圧としてハイレベルの信号が印加され、またコンデンサ102と、充電抵抗45を通じてコンデンサ46とに充電電流が流れ込み、インバータ200の端子1に接続されているコンデンサ46の電位、即ちインバータ200の端子1の電位が徐々に上昇する。
【0093】
インバータ200の端子VDDにハイレベルの信号が印加されてインバータ200が動作し始めると、インバータ200の端子2には、端子1がローレベルの間、ハイレベルの信号が出力され、インバータ200の端子1がハイレベルに変化すると、インバータ200の端子2はローレベル信号を出力する。
【0094】
このコンデンサ46には、抵抗45を短絡するダイオード201と抵抗103とによる長時間の放電回路が接続され、あるいは抵抗45を短絡するダイオード201と抵抗56と放電スイッチ57とを含む強制放電回路が接続されている。コンデンサ102にも抵抗103による長時間放電回路が接続されている。長時間経過すれば、コンデンサ46およびコンデンサ102の電荷は放電され、放電スイッチ57をONにすれば直ちにコンデンサ46およびコンデンサ102の電荷は放電されるが、それ以外はコンデンサ46に電荷が蓄積され、コンデンサの電位が徐々に上昇していく。
【0095】
端子VDDにハイレベルの信号が印加されて既に動作しているインバータ200では、端子1がローレベル状態の間、端子2はハイレベル状態にあり、このコンデンサ46の電位が非報知電位以上になると、インバータ200の端子1に印加される信号がローレベルからハイレベルに変化するのに際し、インバータ200の端子2はハイレベルからローレベルに変化する。インバータ200の端子2がハイレベル状態の間、トランジスタ60には抵抗59を通じてベースとエミッタ間に電流が流れてトランジスタ60が導通し、第1導電路23からスイッチ104、リレー105、トランジスタ60を通じてリレー105を励磁させる。
【0096】
すると、リレー105の接点を介してブザー55に電流が流れ、ブザー55を鳴らし、利用者に雨が降り始めていることを音で報知する。
【0097】
また、インバータ200の端子2がハイレベル状態の間、ワイヤレス発信機110にも信号が送られ、離れた場所いる利用者にも発信器を通じて降雨を報知するようにする。
【0098】
その後、コンデンサ46の電位が非報知電位以上になると、インバータ200の端子1に印加される信号がローレベルからハイレベルに変化するため、インバータ200の端子2はハイレベルからローレベルに変化して、トランジスタ60が導通しなくなり、ブザー55が鳴り止む。同時に、ワイヤレス発信器110にも信号が送られなくなり、ワイヤレス発信器110の動作も停止する。
【0099】
雨滴が降雨検出本体5から無くなれば,インバータ100の端子2の電位が多少のヒスシテリシスを経てローレベルに戻る。しかし、端子3の電位はコンデンサ102に蓄積された電荷によってハイレベルを維持する。
【0100】
ある程度の時間の間、雨滴が降雨検出本体5に維持されるか、一粒の雨もしくは数滴の雨でも何回も断続的に降雨検出本体5に降りそそげば、コンデンサ46の電位は非報知電位以上に到達する。その結果、ブザー55が一瞬もしくは短時間だけ鳴ったり、ワイヤレス発信器11が瞬間的に動作することになる。したがって、悪戯にブザー55などが鳴り続けて、周囲に騒音を撒き散らすことはない。このブザー55がたとえ鳴り止んでも報知LED54の点灯状況を見れば、これまでの降雨状況を簡単に知ることができる。
【0101】
雨の降り方によって、前述の場合と同様、導電路31の電圧波形(信号波形)は、たとえば図8(a),(b),(c)に示すような場合が考えられる。図8(a)は通常の雨が降り出した場合、図8(b)はパラパラと雨が降り始めたり止んだりを断続的に繰り返す場合、図8(c)はパラパラっと雨が落ちてその後、雨が止んだ場合である。
【0102】
図12は図10におけるその時々のインバータ100の端子1,3とインバータ200の端子1,2の電圧波形(信号波形)をそれぞれ示し、図12(a),(a),(a),(a)については、導電路31が図8(a)に示す電圧波形(信号波形)の場合、図12(b),(b),(b),(b)については、導電路31が図8(b)に示す電圧波形(信号波形)の場合、図12(c),(c),(c),(c)については、導電路31が図8(c)に示す電圧波形(信号波形)の場合である。即ち、雨が降り出した図8(a)の場合と、パラパラと断続的に繰り返す図8(b)の場合と、パラパラっと雨が降って止んだ図8(c)の場合のいずれの場合も、図12に示すとおり、インバータ200の端子2が一瞬だけハイレベル状態になるため、その間にブザー55が鳴って、直ぐに鳴り止むことになる。パラパラと断続的に雨が続く場合は、その都度ブザー55が鳴る。ブザー55を一瞬だけ鳴らすだけでなく、短時間の間、ブザー55を鳴らすように回路を構成することも可能である。
【0103】
この対応のさせ方については、抵抗45とコンデンサ46との充電回路やコンデンサ46とダイオード201と抵抗103との放電回路、コンデンサ102と抵抗103との放電回路の設定によって、変更が可能である。どの程度の雨に対して、どのような対応を取るべきかについては、この装置が設置される場所の今までの状況や環境によって最適な設定を行えばよい。
【0104】
特に、インバータ100の端子3の電位は、コンデンサ102によって、ある程度の間ハイレベルに維持されるが、ダイオード101によって、インバータ100の端子3の逆電圧が端子2に直接印加しないように保護している。
【0105】
インバータ100の端子3と端子6とは、ヒステリシス動作を介してほぼ同一電位を維持するため、端子3がコンデンサ102によって、ハイレベルが維持される間は、端子6もハイレベル状態にあるため、トランジスタ51の導通によって、報知LED54は、たとえば5分程度の一定時間の間、点灯を続ける。また、インバータ100の端子3がローレベル状態に変化すれば、インバータ200の端子VDDにはローレベル信号が印加されるので、インバータ200は動作を停止する。
【0106】
インバータ100の端子2,3,6を使い分けている理由は、ヒステリシス動作を利用して動作を安定させると共に、それらの各端子に接続している回路がお互いに影響を及ぼし合わないようにするためである。
【0107】
電源63については、乾電池や蓄電池を使用している例を挙げているが、太陽電池63Aであってもかまわない。
【0108】
以上の実施の形態では、IC化されたインバータ100,200を利用して部品点数を減らすと同時に、省スペースを図り、かつ回路動作の安定化を達成することができる。たとえ降雨検出装置の感度を上げても、回路動作が安定しているため、より実用的な装置を得ることができる。このインバータ100については、ヒステリシス動作を有する回路素子であればよく、実施の形態に限定されない。
【0109】
図13はたとえばアダプターのような電源変換器130を介してAC100ボルト電源を使用する場合の実施の形態を示す回路図である。
【0110】
図中、図10と同一の符号のものは同一もしくは同一機能のものを示す。動作については、図10の場合とほとんど同じなため、詳細な説明は省略する。
【0111】
ヒューズ131が電源ラインに挿入され、入力保護用のダイオード132がリレー105の入力部に設けられている。
【0112】
図10の回路と比べて、フォトトランジスタ27と補助スイッチ30とが省略されているが、その理由は、電源変換器130によって装置の電源を商用電源にすれば、日中だけこの装置を働かせて省エネを図る必要が特にないからである。
【0113】
次に、図14は電源には蓄電池63と太陽電池63Aとを並列に接続した併用型を採用し、出力には降雨信号出力手段の一つとしてソリッドステートリレー150を使用する場合を示す回路図である。ソリッドステートリレー150は、入出力間を図示しないフォトカプラによって電気的に絶縁するため、入力側は直流回路でも出力側を汎用的な交流回路で簡単に構成することができる。入力部と出力部とが電気的に絶縁される回路素子であれば、ソリッドステートリレー以外のものであってもよい。
【0114】
図13と比べて、ブザー55が省略されており、ソリッドステートリレー150によって、交流100ボルトの電源151を含む電気回路に、このソリッドステートリレー150の出力接点150aと負荷152とを挿入する。この負荷152には、たとえば交流モータを採用して、リレー150の出力接点150aの閉路によって、交流モータを駆動させ、直接物干し竿を引き入れたり、窓を閉めたりなど、雨が降った時に必要な対応を自動的に行わせることができる。この場合は、自動的に雨が降った場合の対応を図るため、敢えてブザーを鳴らす必要はない。
【0115】
図中、図10および図13と同一符号のものは同一のもの、あるいは同一機能のものを示す。動作については、前述の実施の形態と相違する箇所のみ説明を行い、同じ動作の説明については、省略する。
【0116】
雨が降って、報知トランジスタ51が導通すると、報知トランジスタ51のコレクタが正の電源電圧からゼロボルトに下がり、ソリッドステートリレー150に電源電圧が印加される。すると、ソリッドステートリレー150の接点150aが閉路して、負荷152に交流電圧が印加される。負荷152がモータあるいはアクチュエータならば、それらが駆動される。ここで、抵抗153は、ソリッドステートリレー150への入力電流を適当な値に抑えるための保護抵抗である。
【0117】
長短切り替えスイッチ160はインバータ100の端子6と、抵抗50の反トランジスタ51側の一端との間に接続され、ダイオード161はインバータ200の端子2と抵抗50の反トランジスタ51側の一端との間に接続されている。ダイオード161は、長短切り替えスイッチ160がON状態で、インバータ200の端子2に、逆電圧が印加されないようにするものである。
【0118】
この長短切り替えスイッチ160がONの状態では、図13の場合と同じように報知トランジスタ51が導通して、インバータ100の端子6がハイレベル状態の間、報知LED54が点灯を続けるのに対し、長短切り換えスイッチ160がOFF状態では、インバータ200の端子2にハイレベルの信号が出力されている間だけ、つまり一瞬もしくは短時間の間だけ、報知LED54を点灯させるものである。
【0119】
この実施の形態では、ソリッドステートリレーを利用して、電源回路の種別に関係なく直接、モータやアクチュエータを駆動する回路を簡単に組めるため、雨が降ったときの対応に幅を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】降雨検出装置1を示す斜視図である。
【図2】降雨検出部2の切断面線I−Iで切断して見た拡大断面図である。
【図3】降雨検出装置1の回路図を示す。
【図4】実施の第2の形態の降雨検出装置1Aを示す斜視図である。
【図5】降雨検出装置1Aを示す拡大断面図である。
【図6】降雨検出装置1Aを示す分解斜視図である。
【図7】第3実施の形態の降雨検出装置1Bを示す分解斜視図である。
【図8】第2導電路31の電圧波形を示す図である。
【図9】第2導電路31の電圧波形に対する第2増幅トランジスタ38のコレクタ38bの電圧波形である。
【図10】降雨検出装置1のその他の回路図である。
【図11】インバータ100,200の内部回路図である。
【図12】第2導電路31の電圧波形に対するインバータ100の端子1,3とインバータ200の端子1,4の電圧波形を示す図である。
【図13】AC100ボルト電源130を使用する場合の実施の形態を示す回路図である。
【図14】電源には蓄電池63と太陽電池63Aとを並列に接続し、出力にはソリッドステートリレー150を使用している場合の実施の形態を示す回路図である。
【符号の説明】
【0121】
1 降雨検出装置
15a 第1検出板
15b 第2検出板
42 FETトランジスタ
45 充電抵抗
46 第2コンデンサ
49 レベル弁別回路
56 放電抵抗
65 放電回路
67 抵抗検出手段
68 時定数回路
69 降雨信号出力手段
100 インバータ
150 ソリッドステートリレー
200 インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水滴の介在によって電気抵抗が変化する降雨検出部と、電源から前記降雨検出部を通じた後の電位をレベル弁別するレベル弁別手段とを含む降雨検出装置であって、
ヒステリシス動作を有する回路素子を含む前記レベル弁別手段と、
前記レベル弁別手段の出力に応答し、予め定める時間以上、電源から前記降雨検出部を通じた後の電位が弁別レベル以上の状態を継続したとき、降雨信号を出力する降雨信号出力手段とを含むことを特徴とする降雨検出装置。
【請求項2】
前記降雨検出部は、隙間を隔てた第1検出板と第2検出板とを含み、少なくとも前記第1検出部には孔を有し、前記水滴が前記隙間に一定時間滞留する構造であることを特徴とする請求項1記載の降雨検出装置。
【請求項3】
降雨信号出力手段は、前記レベル弁別手段の出力が入力される入力部と、外部に信号が出力される出力部とが電気的に絶縁されている回路素子を含むことを特徴とする請求項1または2記載の降雨検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−64725(P2008−64725A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246150(P2006−246150)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(503312837)
【Fターム(参考)】