説明

除湿機

【課題】都市部の大気汚染、花粉などのアレルギーにより、室内での洗濯物乾燥の機会が増えるに従い、衣類乾燥用のデシカント式除湿機が求められている。同時に、室内での洗濯物乾燥時には室内を閉め切る事が多いため、生活臭やVOCなどの有機ガスを同時に取り除くことが求められている。
【解決手段】除湿ロータ1とロータが吸った水分を放出するための加熱手段2と、前記除湿ロータに空気を送るファン3と、放出された水分を回収する結露用熱交換器4を備え、除湿ロータ1の処理空気後段に通気できる穴が開き、触媒を担持した触媒フィルタ10を配置した除湿機を提供する。触媒フィルタ10は、除湿ロータ1から望ましくは1〜30mm程度の距離に配置し、除湿ロータ1の通気後段の中でも、除湿ロータ1が回転し、加熱手段2を通過した直後から4分の1回転するまでの後段に配置するのが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除湿機に関し、除湿機内に触媒フィルタを有することにより、吸い込んだにおいなどの有機ガスを分解する脱臭機能付き除湿機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高湿状態の室内を除湿するためや、室内での衣類乾燥をするために、一般に除湿機が広く使用されている。従来、この種の除湿機の除湿ロータは、除湿ロータに触媒を混ぜて、吸湿剤に付着した臭い成分を分解する機能を付与したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、吸湿脱臭フィルタとそれを使用した除湿機について図17および図18を参照しながら説明する。
【0004】
図16および図17に示すように、除湿ロータ101はロータ基材102と吸湿剤103からなり、通気ファン104を備えることにより空気中の水分を吸着し、乾燥した処理空気105を提供する。また、回転手段106によって除湿ロータ101は回転し、加熱手段107より吹き出る再生空気108によって吸湿剤103に吸着した水分が脱着され、同時に吸湿剤103に吸着した臭い成分を分解する。脱着した水は結露用熱交換器109中にはいり、そこで吸い込み空気110によって冷やされ結露し水滴111ができる。これをタンク112に回収する。
【0005】
このとき、空気中の臭い成分が吸湿剤103に吸着するが、これを触媒113によって分解することを特徴としている。
【特許文献1】特開2002−195604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年の住宅の高気密化などもあり、除湿する室内では、換気されないことが多く、室内には多種多様な生活臭やVOCといった有機ガスが充満することが多い。そのため、従来の除湿機に脱臭機能を付与した除湿機が求められている。
【0007】
しかしながら前述のような従来の触媒入り除湿ロータでは、除湿ロータのもつ吸湿剤が除湿目的の吸着剤であり、親水性の吸着剤や、水のような低分子量の分子に対して吸着能力の高い有効細孔径の小さい吸湿剤であるため、臭気成分など比較的分子量の大きい分子に対する吸着能力は高くなく、脱臭能力としては低いものであった。
【0008】
また、触媒などのにおい分解成分を、除湿ロータにバインダなどを介して添着すると、触媒と吸着剤が近いため、触媒とにおい成分の接触確率は上がるが、同時に、吸着剤の吸着サイトを埋めて、吸湿自体を邪魔してしまうために、除湿能力が触媒を添着しないものに比べて低下するという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来に課題を解決するものであり、除湿ロータは変更せずとも、触媒フィルタを装置内に設けることで、装置内で発生する熱を用いて触媒活性を得、処理空気を脱臭することが出来る除湿機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の除湿機は上記目的を達成するために、除湿機筐体内の処理用ファンもしくは再生用ファンが作り出す風路中に触媒を添着した通気構造体である触媒フィルタを配し、除湿ロータが吸着した水分を放出させるための加熱手段からの熱、もしくは前記加熱手段に温められて除湿ロータからの放熱、もしくは除湿ロータが吸湿した際に発生する吸着熱等を利用して熱を得、触媒を活性化し、除湿機内に入った有機ガスを触媒と反応させて分解する。これにより、脱臭機能を持つ除湿機を提供できるものである。
【0011】
また、本発明の除湿機は、処理風路上で除湿ロータと隣り合わせて触媒フィルタを配すことで、除湿ロータと触媒ロータの両方を通過できるようにし、また除湿ロータのように回転して吸着と再生を繰り返す構造とすることで、触媒フィルタが加熱装置によって加熱された際には、触媒フィルタに吸着した有機ガスや、加熱手段によって熱され除湿ロータから脱着した有機ガスが触媒フィルタに接触することによって、分解することが出来る。
【0012】
また、本発明の除湿機は、触媒フィルタに触媒だけでなく吸着剤を添着することで、温度が低いときや吸着のみを目的とするときは、触媒フィルタに有機ガスを溜め込み、熱がかかったときには触媒によって有機ガスを分解することが出来る。
【0013】
また、本発明の除湿機は、前述の触媒を活性化させるための熱を得るために、除湿機からの吹き出し口を、意図的に自由に塞ぐことの出来る構造とし、およびその制御を備えることで、筐体内の温度を高めることが出来、それによって触媒の反応をすすめることが出来、より高温で反応する有機ガスも分解することが出来る。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば除湿だけでなく脱臭機能を有した除湿機を提供できる。
【0015】
また、本発明によれば、除湿ロータの変更が無く、そのために従来の除湿能力からの低下が起こらず、風路上に新たに触媒フィルタを加えるだけで容易に脱臭機能を付与でき、それに対する新たなエネルギーを使用しないもしくは比較的低入力化を図った除湿機が提供できる。
【0016】
また、本発明では従来の除湿ロータでは取れなかった有機ガスにおい成分も、前記触媒フィルタに新たな吸着剤を用いることや、風路上に活性を持った触媒を配置することによって吸着、分解することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の請求項1記載の発明は、吸い込み口および吹き出し口をもつ筐体を備え、前記筐体中に空気中の水分を吸着する除湿ロータ、および輻射熱および温風の両方もしくはいずれかによって前記除湿ロータが吸着した水分を放出して再生するための加熱手段と前記温風を送るための再生用ファン、および前記除湿ロータに除湿するための処理空気を送るための処理用ファンと、前記除湿ロータより放出された水分を冷却し結露させて回収するための結露用熱交換器を備え、前記再生用ファンと前記処理用ファンのいずれかによってつくられる空気の風路中に、熱によって有機ガス成分を分解する触媒を担持した触媒フィルタを備えたことを特徴とする除湿機であり、吸い込んだ有機ガス成分が除湿ロータの再生用加熱手段や除湿ロータからでる熱によって活性化した触媒フィルタと接触することによって、反応し、有機ガスが分解することとなり、除湿再生時の熱あるいは/および除湿再生時に発生する熱を有効活用して脱臭するもので、それによって、除湿し脱臭した空気を供給することが出来る。
【0018】
なお、前記除湿ロータとしては、波型シートと平型シートを積層して作成したコルゲートハニカム構造体や、材料を押出して通気孔をもたせたハニカム構造体などがあり、ゼオライトやシリカゲルなどの吸湿剤を添着した空気抵抗の低い構造体が望ましい。
【0019】
本発明の請求項2記載の発明は、処理ファンによって筐体内に吸い込み、除湿ロータを通過した空気の全てもしくは一部が通過するように、前記除湿ロータの通気後段に触媒フィルタを備えた除湿機である。除湿ロータを通過したのち、その空気は吸着熱を持っており、それが触媒フィルタを温めて触媒を活性化する。またその空気は水分が少ないため、除湿ロータを通過した有機ガスが触媒フィルタに吸着、反応しやすくなるため、分解効率が高い除湿機を得ることが出来る。
【0020】
本発明の請求項3記載の発明は、加熱手段によって再生された直後である除湿ロータの通気後段位置に触媒フィルタをそなえた除湿機である。加熱手段によって再生された直後の除湿ロータを通過した空気は、水分を吸着する際の吸着熱だけでなく除湿ロータが加熱手段による再生で温められた分の熱を持っており、それが触媒フィルタを温めて触媒を活性化する。またその空気は水分が少ないため除湿ロータを通過した有機ガスが触媒フィルタに吸着そして反応しやすくなり、分解効率の高い除湿機を得ることが出来る。
【0021】
本発明の請求項4記載の発明は、除湿ロータが回転し、加熱手段によって再生された直後から除湿ロータの少なくとも4分の1回転するまでの通気後段位置に触媒フィルタを備えた除湿機である。除湿ロータが回転し、吸着エリアと再生エリアを交互に連続して通過し、連続して除湿する除湿機であり、再生エリアにて加熱手段にて再生された除湿ロータは、その直後から約4分の1回転する程度までの間、ロータ通気後の空気温度が特に高温となるため、その部位に触媒フィルタを配することによって、触媒が活性化し、効率よく、除湿ロータを通過した有機ガスを分解することが出来るものである。また、温度が上がりにくい位置への触媒フィルタの配置は、コストがかかり、筐体内の圧力損失をあげてしまい、処理ファンへの負荷がかかり消費電力が上がるなどが起こる場合があるため、十分に温度が得られる部分のみへの触媒フィルタの配置が望ましい。
【0022】
本発明の請求項5記載の発明は、前記触媒フィルタが、特に加熱手段と接触しており、伝熱によって温められ、フィルタに添着している触媒を活性化することの出来る除湿機である。そのため、触媒は効率よく温められ、触媒が活性化するため風路内に入った有機ガス成分が触媒フィルタと接触することによって、反応し、有機ガスが分解し、それによって脱臭した空気を供給することが出来る。
【0023】
本発明の請求項6記載の発明は、再生用ファンによって加熱手段から流れた温風が除湿ロータと結露用熱交換器を通過し、再度加熱手段に導入される風路をもち、前記加熱手段の容器内に触媒フィルタを備えた除湿機である。除湿ロータによって吸着され、加熱手段によって脱着した有機ガスは、熱交換器から加熱手段を循環する。このときに、加熱手段の容器内に触媒フィルタを配する。触媒は加熱手段内で温められているため活性が常に高い状態であり、加熱容器内に戻った臭気成分は触媒と接触して分解される。そのため、有機ガスが熱交換器と加熱手段を循環するあいだにもれだし、再度除湿ロータに吸着して再度筐体外に放出されることがなく、脱臭した空気を供給できる。
【0024】
本発明の請求項7記載の発明は、筐体外から加熱手段へ再生用ファンによって外気を導入し、再生空気として除湿ロータを加熱する風路をもち、前記加熱手段の容器内に触媒フィルタを備えた除湿機である。外気を直接加熱手段に導入することで、外気中の有機ガスを、加熱手段内で温められて活性が高い状態となった触媒と接触させて分解することができ、脱臭が出来る。
【0025】
本発明の請求項8記載の発明は、再生用ファンによって加熱手段から流れた温風が除湿ロータを通過したその後段風路内に触媒フィルタを備えた除湿機である。除湿ロータによって吸着され、加熱手段によって脱着した有機ガスは、再生の温風と共に熱交換器へと導入されるが、その前の除湿ロータからの出口に触媒フィルタを配することによって、加熱空気からの暖かい空気によって触媒が温められるため、触媒は常に活性の高い状態になり、脱着した有機ガスと接触することによって分解させることが出来、脱臭できる。また、この方法で、除湿ロータに吸着し、脱着した有機ガスが結露した水に溶け込む量を減らすことが出来る。
【0026】
本発明の請求項9記載の発明は、除湿ロータと触媒フィルタが処理ファンによって作られる風路上で隣り合っており、かつそれぞれが回転する除湿機である。触媒フィルタも除湿ロータのように回転し、吸着エリアと再生エリアを交互に連続して通過し、吸着エリアで触媒フィルタおよび除湿ロータは有機ガスを吸着し、再生エリアで加熱させ触媒フィルタに吸着した有機ガスはそのまま、そして除湿ロータから脱着した有機ガスは加熱された触媒フィルタと接触したときにそれぞれ分解される。これによって脱臭できる。
【0027】
なお、触媒フィルタと除湿ロータは別々の回転手段で処理空気の流れに対して垂直方向に回転しても良いし、重なり合っていて一つの回転手段によって、同調して回転しても良い。触媒フィルタが前段にある場合、触媒フィルタに吸着する有機ガスが増えてよい。また、再生エリアでは、加熱手段側に触媒フィルタがあることで熱を受けやすくなるが、除湿ロータから脱着した有機ガスは接触が不利になる。一方、加熱手段の反対側に触媒フィルタがある場合、除湿ロータから脱着した有機ガスとは接触するが、加熱手段側に配したときほどの熱は得られない。そのため、分解したい対象ガスやガス濃度、装置の細かい構成などでそれぞれの位置関係や回転数を決定する。
【0028】
本発明の請求項10記載の発明は、上記、触媒フィルタの触媒を担持する基材が、少なくとも金属物質を含む基材である除湿機である。触媒フィルタの基材が金属であることで、熱伝導が良くなり、加熱手段や空気の熱を均一に伝導し、より触媒活性をたかめることが出来、そのため効率よく脱臭が出来る。
【0029】
本発明の請求項11記載の発明は、触媒を担持する基材が少なくともガラス繊維もしくはセラミック繊維のいずれかもしくは両方を含む基材である触媒フィルタを備えた除湿機である。触媒や吸着剤を担持する際に、ガラス繊維やセラミック繊維であると、その担持のためのバインダを少なくもしくはゼロに出来る。そのため、触媒と空気との接触確率があがり、効率よく有機ガスを分解することができる。
【0030】
なお、金属とセラミック繊維とガラス繊維との複数を用いて基材としても良い。
【0031】
本発明の請求項12記載の発明は、上記の触媒フィルタに触媒だけでなく吸着剤を添着したものである。触媒フィルタの基材上に吸着剤を担持し、その上に触媒を添着しても良いし、吸着剤に触媒を添着して、それをフィルタの基材に担持しても良い。吸着剤を担持することで、触媒フィルタを通気する有機ガスを、見かけ上高濃度に濃縮することができ、そのため触媒との反応効率があがり、より高効率での有機ガスの分解が出来る。
【0032】
本発明の請求項13記載の発明は、触媒がマンガン、コバルト、銅、鉄、スズ、チタン、ニッケル、銀、金、白金、パラジウムのいずれかひとつもしくは複数で、単体もしくは複合酸化物の状態の触媒フィルタである除湿機である。それぞれ単体や複合酸化物の状態で加熱による触媒活性が得られる。また、例えば、特開平11−104495号のように、マンガンと鉄、コバルト、銅などとの複数の金属種からなる複合酸化物を形成することによって、より高活性な触媒を得ることができ、そのためより高効率での有機ガスの分解が出来る。
【0033】
本発明の請求項14記載の発明は、触媒の基材が、ニクロム線、PTC等の発熱材料からなり、触媒および触媒固着吸着剤を基材に添着した触媒フィルタである除湿機である。触媒自体を風路内で加熱することができるため、通過する臭気ガスを分解するのに必要な熱量を加えることが出来る。
【0034】
本発明の請求項15記載の発明は、運転中に処理ファンによる風量と再生ファンによる風量の両方もしくは一方を一時的に少なくすることで、筐体内の触媒フィルタの温度を上昇させられる除湿機である。処理風量を少なくするには空気を導入するためのファンの入力を抑え、ファンの回転数を減らす方法などがある。導入される外気の温度が低いときや、本体の加熱手段が、低湿などのため消費電力をおさえるために入力を抑え、所望の熱量が得られないときであっても、前記手段によって触媒フィルタが温められるため、触媒活性をえることが出来、有機ガスの分解が出来る。
【0035】
また、除湿ロータを再生する空気の風路内においても、風量が少なくなることによって、より高温の再生空気を得られるので、触媒フィルタを高温にすることができ、触媒活性を得ることが出来るため、有機ガスの分解が出来る。
【0036】
本発明の請求項16記載の発明は、運転中に筐体の吹き出し口を閉じて、処理風の風量を少なくする制御および機構を備えた除湿機である。前記の処理風の風量を抑えるために、吹き出し口を閉じることで、吹き出し口の圧力損失を故意にあげることで、筐体内の温度を上昇させることが可能である。また、閉じるときでも完全に密閉はしなくともよく、圧力損失をあげることが出来ればよい。導入される外気の温度が低いときや、本体の加熱手段が低湿などのため、もしくは消費電力をおさえるために入力を抑え、所望の熱量が得られないときであっても、前記手段によって触媒フィルタが温められるため、触媒活性をえることが出来、有機ガスの分解が出来る。
【0037】
本発明の請求項17記載の発明は、筐体の吹き出し口に、可動式のルーバーを持ち、制御により運転中にルーバーを閉じて、処理風の風量を少なくする機構を有する除湿機である。ルーバー機構を採用したことによって、通常運転時は除湿機によって処理された空気をルーバーの稼動によって広く室内に供給できるものであり、さらにルーバーを閉じたまま運転することで、筐体内の温度を上昇させることが可能である。導入される外気の温度が低いときや、本体の加熱手段が、低湿などのため、もしくは消費電力をおさえるために加熱手段への入力を抑え、所望の熱量が得られないときであっても、前記手段によって触媒フィルタが温められるため、触媒活性をえることが出来、有機ガスの分解が出来る。
【0038】
本発明の請求項18記載の発明は、脱臭用運転モードを本体に設け、前記脱臭用運転モードの運転時には処理風の風量が少なくなる制御および機構を備えた除湿機である。脱臭用運転モードを搭載することで、ユーザーの意思で室内の脱臭をしたいときは、脱臭用運転モードを選択でき、このとき導入される外気の温度が低いときや、本体の加熱手段が、低湿などのため、もしくは消費電力をおさえるために加熱手段への入力を抑え、所望の熱量が得られないときであっても、筐体内の温度を上昇させることが可能である。こうして触媒フィルタが温められ、触媒活性を得ることができ、有機ガスが分解できる。
【0039】
本発明の請求項19記載の発明は、除湿機に有機ガスを検知するケミカルセンサーを設けた除湿機であり、有機ガスを検知できたときは、前記脱臭運転モードに自動的に切り替わる制御をすることで脱臭運転を開始する。これによって、脱臭でき、快適な空気を提供できる。
【0040】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0041】
(実施の形態1)
図1および図2に示すように、除湿ロータ1および除湿ロータ1が吸った水分を放出するためのヒーターなどの加熱手段2と、前記除湿ロータ1に空気を送るためのファン3と、放出された水分を回収するための結露用熱交換器4を配し、除湿ロータ1は、回転手段5によって回転し、ファン3によって筐体6内に吸い込まれる処理風路7と加熱手段2によって再生される再生風路8の通過を連続して繰り返すことによって、処理空気9を除湿して供給する。このとき除湿ロータ1を通過する処理空気9の除湿ロータ1の通気の下流位置、すなわち通気後段位置に通気できる穴が開き、触媒を担持した触媒フィルタ10を配置する。
【0042】
触媒フィルタ10の位置は、除湿ロータ1から望ましくは1〜30mm程度の距離がのぞましく、その中でも触媒フィルタ10と除湿ロータ1とが近いほうが水分を吸着した際の吸着熱を受けやすく良い。ただし、除湿ロータ1とこすりあわないように1mm程度以上は間隔を取るべきである。
【0043】
また、除湿ロータ1に対して出来る限り平行になるように配置することで、風の流れが均一に出来るのでよい。
【0044】
また、触媒フィルタ10は、除湿ロータ1の後段に配置する際には、除湿ロータ1の通気後段の中でも、除湿ロータ1が回転方向11に従って回転し、加熱手段2を通過した直後から4分の1回転するまでのうちの後段に配置するのが、除湿ロータ1がヒータなどの加熱手段2によって温められており、その熱を処理空気7が運ぶために、望ましい。
【0045】
また、触媒フィルタ10はヒーターなどの加熱手段2と接触しており、望ましくは、ヒーターボックス内のヒーター近傍まで触媒フィルタ10とつながった構造が、熱をより多く伝導させることがで、触媒を温めやすくなるため望ましい。
【0046】
また、筐体6には処理風の吹き出し口に風の方向を任意に変化させることの出来るルーバー12を有しているのが望ましい。これによって、除湿および脱臭された空気を除湿機からの空気を室内に広角に届けることが出来る。さらに、図3に示すように、このルーバー12を閉じることによって処理空気9の吹き出し量が少なくなり、減り、筐体6内の温度が上がる。触媒を活性化し有機ガスを分解し、脱臭する温度までルーバー12を閉じればよい。例えば、後述する実施例2を参照。そのため、処理風路7内の触媒フィルタ10は温められるため、脱臭性能の向上が可能になり、ユーザーが脱臭運転を望むときや、自動であっても、ルーバー12を例えばステッピングモータなどのモータで閉じる制御を行なう脱臭運転モードを搭載してもよい。
【0047】
また、脱臭運転モードに関しては、脱臭運転モードでファン3の例えばインバータなどで周波数を変え、処理風量を少なくし、筐体6内の温度を上げ、触媒を活性化し有機ガスを分解し、脱臭できる。上記ルーバー12を閉じる運転と併用したりもしくは単独でおこなってもよい。
【0048】
また、脱臭運転モードとしては、半導体ガスセンサーなどの有機ガスを検知するケミカルセンサー(図示せず)を備えることで、自動的に前記のような風量を少なくする制御を行ってもよく、これによって処理空気9の吹き出し量を少なくし、筐体6内の温度をあげ、触媒を活性化し有機ガスを分解し、脱臭することができる。
【0049】
また、触媒フィルタ10は通気孔をもち、その構造は押出して成形したハニカム(図示せず)や、図4に示すような波型シートと平型シートを積層した形のコルゲートハニカム構造体13や、通気スポンジ状(図示せず)や、図5に示すようなメッシュ構造体14などがある。触媒フィルタ10の基材としては銅やアルミ、鉄などの金属が望ましく、伝熱性の高い材料が、加熱手段2からの熱を伝えやすく、また触媒フィルタ10が均一に温まるため望ましい。
【0050】
また、触媒としてマンガン、コバルト、銅、鉄、スズ、チタン、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム等の硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の無機酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩等の有機酸塩、酸化物、錯塩等がある。前記基材を前記触媒化合物水溶液ないしは水分分山中に浸漬する。これを乾燥するか、乾燥せずアルカリ処理、あるいは還元剤、あるいは酸化剤によって、もし必要であればその後焼成し析出することによって、基材上に固着する。なお、アルカリ処理、酸化処理、還元処理については、触媒として選ばれる金属化合物によって決定される。
【0051】
(実施の形態2)
実施の形態1と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。前記、実施の形態1では触媒を基材上に固着する方法をとったが、図6に示すようにゼオライトやシリカゲル、活性炭等の吸着剤15上に触媒16を固着したものを基材17に添着しても良いし、もしくは基材17に吸着剤15を添着し、添着した吸着剤15上に触媒16を固着しても良い。
【0052】
(実施の形態3)
実施の形態1、2と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。前記、触媒フィルタ10の基材として金属を用いたが、セラミックやガラス繊維を用いたものであっても良い。この場合、前記金属基材よりも、触媒材料もしくは触媒と吸着剤材料が基材に担持しやすく、粉落ちなどが起こらないといったメリットがある。また、形状の加工の面からも選択できる形状が多い。
【0053】
(実施の形態4)
実施の形態1乃至3と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。前記、触媒フィルタ10の基材として、セラミックやガラス繊維のなかに、前記、金属の基材の材料を用いてもよい。金属がセラミック基材の触媒、吸着剤に熱を伝えやすくなるため、両方のメリットが生かされて良い。
【0054】
(実施の形態5)
実施の形態1乃至4と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。前記、触媒フィルタ10の基材として、ニッケルクロム合金や、PTCヒーターなどの発熱体を用いてもよい。触媒自体を風路内で加熱することができるため、通過する有機ガスを分解するのに必要な熱量を加えることが出来る。
【0055】
また、吸着熱や除湿ロータの加熱手段からの熱を加えることで、触媒フィルタ基材の発熱量を必要量だけに抑える制御を施すことで、消費電力を低下させることができ、望ましい。
【0056】
また、加熱手段としてのヒーター等の表面に触媒を塗付して加熱手段と触媒フィルタを併用しても良い(図示せず)。
【0057】
(実施の形態6)
実施の形態1乃至5と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。図7に示すように、再生用のヒーターなどの加熱手段2から流れた温風18が除湿ロータ1を通過し、結露用熱交換器4を通過し、再生空気用ファン19などによって再度加熱手段2に導入される再生空気経路20をもち、加熱手段2の容器内に前述の構成の触媒フィルタ10を配した除湿機である。
【0058】
除湿ロータ1によって吸着され、加熱手段2によって脱着した有機ガスは、結露用熱交換器4から加熱手段2を循環する。このときに、加熱手段2の容器内に触媒フィルタ10を配する。触媒は加熱手段2内で温められているため活性が常に高い状態であり、加熱容器内に戻った臭気成分である有機ガスは触媒と接触して分解される。そのため、有機ガスが結露用熱交換器4と加熱手段2を循環するあいだにもれて空気中に放出されることや、再度除湿ロータ1に吸着して再度筐体6外に放出されることがなく、脱臭した空気を供給できる。
【0059】
(実施の形態7)
実施の形態1乃至6と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。図8に示すように再生空気用ファン19などによって外気を加熱手段2へと導入し、再生空気として除湿ロータ1を加熱する再生空気経路21をもち、ヒーターなどの加熱手段2の容器内に前述の構成の触媒フィルタ10を配し、加熱手段2の熱によって触媒を活性化する除湿機である。外気を直接加熱手段2に導入することで、再生空気経路21内に外気中の有機ガスを取り込み、加熱手段2中で温められ活性が高い状態の触媒と接触させて分解することができ、脱臭が出来る。
【0060】
なお、実施の形態6および7で示したような加熱手段2の容器内に前述の触媒フィルタ10を配置するだけでなく、実施の形態5で述べたような加熱手段の1種であるヒーターなどの表面に触媒を塗付する方法もある。
【0061】
(実施の形態8)
実施の形態1乃至7と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。図9に示すように、ヒーターなどの加熱手段2よりでる再生空気22が除湿ロータ1を通り、結露用熱交換器4の入り口までに、前述の構成の触媒フィルタ10を配置する。除湿ロータ1によって吸着され、加熱手段2によって脱着した有機ガスは、再生空気22と共に結露用熱交換器4へと導入されるが、その前の触媒フィルタ10によって、脱着した有機ガスを分解することが出来、脱臭できる。
【0062】
(実施の形態9)
実施の形態1乃至8と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。図10に示すように、除湿ロータ1と触媒フィルタ10が処理空気9の風路上で重なっており、それぞれが回転する除湿機である。触媒フィルタ10も除湿ロータ1のように回転し、吸着エリアと再生エリアを交互に連続して通過し、吸着エリアで触媒フィルタ10および除湿ロータ1は有機ガスを吸着し、再生エリアで加熱させ触媒フィルタ10に吸着した有機ガスはそのまま、また除湿ロータ1から脱着した有機ガスは加熱された触媒フィルタと接触したときにそれぞれ分解される。これによって脱臭できる。
【0063】
なお、図示しないが触媒フィルタ10と除湿ロータ1は別々の回転手段で回転しても良いし、重なり合っていて一つの回転手段によって、同調して回転しても良い。
【0064】
なお、図10のように触媒フィルタ10が前段にある場合、触媒フィルタ10に吸着する有機ガスが増えてよい。再生エリアでは、加熱手段2側に触媒フィルタ10があることで熱を受けやすくなるが、除湿ロータ1から脱着した有機ガスは接触が不利になる。
【0065】
なお、図11のように、加熱手段2の反対側に触媒フィルタ10があってもよい。除湿ロータ1から脱着した有機ガスとは接触できる。しかしながら加熱手段2側に配したときほどの熱は得られない。そのため、分解したい対象ガスやガス濃度、装置の細かい構成などでそれぞれの位置関係や回転数を決定する。
【0066】
また、図12に示すように、ヒーターなどの加熱手段2を処理空気9の吸い込み側と同じ方向に配置し、処理空気9と再生空気22の方向を同じにすることで、前記の問題は解決でき、除湿ロータ1の前段で触媒フィルタ10が有機ガスと接触が出来、加熱手段2の高温を得て、分解能力を向上させることが出来る。
【0067】
また、触媒フィルタ10が除湿ロータ1を処理空気9の前段、後段ではさんでも良い。
【0068】
(実施の形態10)
実施の形態1乃至9と同一部分は同一符号を附し詳細な説明は省略する。図13に示すように、複数の除湿ロータ1と触媒フィルタ10から構成し、除湿ロータ1後段に触媒フィルタ10を、上流下流に通気孔を設けた吸着管23内に備える構造でも良い。除湿時24は外気25を除湿し、後段で触媒フィルタ10にて有機ガスを吸着するか、もしくは吸着熱等で分解する。そしてその空気を室内に供給する。再生時26はヒーターなどの加熱手段27の熱によって除湿ロータ1は再生され、触媒フィルタ10も有機ガスを分解できる。それぞれの除湿ロータ1および触媒フィルタ10は時間で入れ替わり、連続して除湿、脱臭を行なうことが出来る。
【0069】
なお、もちろん除湿ロータ1の前段に触媒フィルタ10があってもよい。
【実施例1】
【0070】
図14に示すように除湿機の除湿ロータ1、ヒーター28、前記除湿ロータ1に空気を送るためのファン3と、放出された水分を回収するための結露用熱交換器4を配し、この除湿ロータ1の処理空気9後段にメッシュ状のアルミ29−A、29−B、29−Cを3箇所設置した。このとき除湿ロータ1とメッシュ状アルミ板29の距離は10mmとした。1箇所目として29−Aは、除湿ロータ1再生直後の通気後段で再生直後から約90°回転する位置までの面をもち、ヒーター容器30と接触する。2箇所目として29−Bは、除湿ロータ1の回転順で29−Aのあとにくる、吸湿中の除湿ロータ1の通気後段。そして3箇所目として29−Cは、吸着終了間際、再生エリアへ入る直前の除湿ロータ1の通気後段でヒーターの容器30と接触する。この29−A、29−B、29−Cの温度を、除湿機の運転モードなどを変更して観察した。ちなみに、除湿ロータ1は回転方向31にしたがって0.535回転毎分で回転する。その結果を表1に示す。各運転モードでの3点の温度測定結果を表1に示す。
【0071】
【表1】

【0072】
29−Aのエリアが最も高温になることがわかった。また、ヒーターの入力が強いときに特に温度が上がり、ヒーターと、ヒーターによって熱せられた除湿ロータからの熱が温度の上昇に影響していると考えられる。
【0073】
また、導入する外気が高温であるほうが、触媒フィルタの温度も高くなることがわかった。そのため、閉めきった室内で室温が上昇したときに、室内でにおいが発生しても、そのほうがにおいの分解には有利に働くといえる。
【0074】
また、除湿機のルーバーを閉めることで、各部位において、とくに29−Aの部位について温度が上昇することがわかる。そのため処理風量をコントロールすることで触媒フィルタの温度を上げ、触媒活性を上げることが出来る。
【実施例2】
【0075】
波型のシートと平型のシートを積層して作成した、コルゲートハニカムタイプの通気構造体に、コバルト1マンガン2の割合で作成した複合酸化物触媒コバルトマンガン酸化物を担持し、アセトアルデヒドガス、トルエンガスを流し、温度による分解能力を評価した。
【0076】
また、ガス中に水分を入れることで空気中の水分量による触媒への影響を評価した。その結果をアセトアルデヒドガスについて図15に示す。図15で、縦軸はアセトアルデビドの除去率(%)であり、横軸は反応温度(℃)であり、加湿なしを△印で、加湿0.04ml/Lを□印で示す。トルエンガスについて表2に示す。トルエンの分解率実験結果を表2に示す。
【0077】
【表2】

【0078】
また、このときのガスの流量は200mL/分で濃度は20ppmとし、ハニカム構造体のサイズはφ20mm厚み10mmとした。
【0079】
この結果、乾燥空気の場合において、最低でも40℃以上、望ましくはアセトアルデヒドでは85℃、トルエンでは110℃程度の温度が、触媒活性を得るために必要であることがわかった。そのため、実施例1における29−Aの部位への、触媒フィルタの配置は有効であるといえる。
【0080】
また、空気に湿度をあたえると、その触媒活性は低下してしまった。そのため、処理空気の通気後段に触媒フィルタを配置することによって、除湿ロータで除湿された空気を触媒フィルタに与えることが出来るため、触媒活性が高く出来る。
【産業上の利用可能性】
【0081】
触媒フィルタを処理用ファンもしくは再生用ファンによって作られる風路内に備えることによって、吸い込んだ空気を除湿だけでなく脱臭できる脱臭機能付除湿機を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態1の除湿機を示す概略図
【図2】本発明の実施の形態1の除湿ロータと触媒フィルタの位置関係を示す概略図
【図3】本発明の実施の形態1の除湿機(ルーバー閉じ)を示す概略図
【図4】本発明の実施の形態1のコルゲートハニカム構造体を示す概略図
【図5】本発明の実施の形態1のメッシュ構造体を示す概略図
【図6】本発明の実施の形態2の触媒フィルタのミクロ的な概念図
【図7】本発明の実施の形態6の除湿機を示す概略図
【図8】本発明の実施の形態7の除湿機を示す概略図
【図9】本発明の実施の形態8の除湿機を示す概略図
【図10】本発明の実施の形態9の除湿機(触媒フィルタが処理空気後段)を示す概略図
【図11】本発明の実施の形態9の除湿機(触媒フィルタが処理空気前段)を示す概略図
【図12】本発明の実施の形態9の除湿機(処理空気と再生空気が同方向)を示す概略図
【図13】本発明の実施の形態10の除湿ロータと触媒フィルタを示す概念図
【図14】本発明の実施例1の実験系と温度測定箇所の概略図
【図15】本発明の実施例2の温度とアセトアルデヒドの分解率の関係を示す図
【図16】従来例の除湿機を示す図
【図17】従来例の除湿ロータのミクロ的な概念図
【符号の説明】
【0083】
1 除湿ロータ
2 加熱手段
3 ファン
4 結露用熱交換器
5 回転手段
6 筐体
7 処理風路
8 再生風路
9 処理空気
10 触媒フィルタ
11 回転方向
12 ルーバー
13 コルゲートハニカム構造体
14 メッシュ構造体
15 吸着剤
16 触媒
17 基材
18 温風
19 再生空気用ファン
20 再生空気経路
21 再生空気経路
22 再生空気
23 吸着管
24 除湿時
25 外気
26 再生時
27 加熱手段
28 ヒーター
30 ヒーター容器
31 回転方向
101 除湿ロータ
102 ロータ基材
103 吸湿剤
104 通気ファン
105 処理空気
106 回転手段
107 加熱手段
108 再生空気
109 結露用熱交換器
110 吸い込み空気
111 水滴
112 タンク
113 触媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸い込み口および吹き出し口をもつ筐体を備え、前記筐体中に空気中の水分を吸着する除湿ロータと、輻射熱および温風の両方もしくはいずれかによって前記除湿ロータに吸着した水分を脱着させて再生する加熱手段と前記温風を送風する再生用ファンと、前記除湿ロータに除湿するための処理空気を送風する処理用ファンと、前記除湿ロータより放出された水分を冷却し結露させて回収する結露用熱交換器を備え、前記再生用ファンと前記処理用ファンのいずれかによってつくられる風路中に、有機ガス成分を分解する触媒を担持した触媒フィルタを備えたことを特徴とする除湿機。
【請求項2】
処理ファンによって筐体内に吸い込まれ、除湿ロータを通過した空気の全てもしくは一部が通過するように前記除湿ロータの後段に触媒フィルタを備えたことを特徴とする請求項1記載の除湿機。
【請求項3】
加熱手段によって再生された直後である除湿ロータの通気後段位置に触媒フィルタをそなえたことを特徴とする請求項2記載の除湿機。
【請求項4】
除湿ロータが回転し、かつ前記除湿ロータが加熱手段によって再生された直後からの少なくとも4分の1回転するまでの、前記除湿ロータの通気後段位置に触媒フィルタを備えたことを特徴とする請求項3記載の除湿機。
【請求項5】
触媒フィルタを加熱手段もしくは加熱手段を収容した容器に接触して備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の除湿機。
【請求項6】
再生用ファンによって加熱手段から流れ出た温風が除湿ロータと結露用熱交換器を通過し、再度加熱手段に導入される風路をもち、かつ前記加熱手段の容器内に触媒フィルタを備えたことを特徴とする請求項1記載の除湿機。
【請求項7】
筐体外から加熱手段へ再生用ファンによって外気を導入し、再生空気として除湿ロータを加熱する風路をもち、前記加熱手段の容器内に触媒フィルタを備えたことを特徴とする請求項1記載の除湿機。
【請求項8】
再生用ファンによって加熱手段から流れた温風が除湿ロータを通過したその後段風路内で前記結露用熱交換器の前に触媒フィルタを備えたことを特徴とする請求項1記載の除湿機。
【請求項9】
除湿ロータと触媒フィルタが処理ファンによって作られる風路上で隣り合っており、かつそれぞれが回転することを特徴とする請求項1記載の除湿機。
【請求項10】
触媒フィルタの触媒を担持する基材が、少なくとも金属であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の除湿機。
【請求項11】
触媒フィルタの触媒を担持する基材が、少なくともガラス繊維もしくはセラミック繊維のいずれかもしくは両方からなること特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の除湿機。
【請求項12】
触媒フィルタに触媒とともに吸着剤が含まれることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の除湿機。
【請求項13】
触媒がマンガン、コバルト、銅、鉄、スズ、チタン、ニッケル、銀、金、白金、パラジウムのいずれかひとつもしくは複数で、単体もしくは複合酸化物の状態の触媒フィルタであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の除湿機。
【請求項14】
触媒を担持した基材が発熱体であることを特徴とした請求項1乃至13のいずれかに記載の除湿機。
【請求項15】
運転中に処理ファンによる風量と再生ファンによる風量の両方もしくは一方を少なくすることで、筐体内の触媒フィルタの温度を上昇させることを特徴とした請求項1乃至13のいずれかに記載の除湿機。
【請求項16】
運転中に筐体の吹き出し口を閉じて、処理風の風量を少なくするように制御することを特徴とした請求項15記載の除湿機。
【請求項17】
筐体の吹き出し口に、可動式のルーバーを持ち、制御により運転中にルーバーを閉じて、処理風の風量を少なくすることを特徴とした請求項16記載の除湿機。
【請求項18】
脱臭用運転モードを本体に設け、前記脱臭用運転モードの運転時には処理風の風量が少なくなり、前記触媒フィルタの触媒活性が得られる温度になるまで温度をかけるよう制御することを特徴とした請求項15乃至17のいずれかに記載の除湿機。
【請求項19】
有機ガスを検知するケミカルセンサーを備え、室内に有機ガスが存在することをセンサーが感知した場合に前記脱臭運転モードに自動的に変更される運転制御機能を備えた請求項18記載の除湿機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−221174(P2008−221174A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66130(P2007−66130)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】