説明

除湿装置

【課題】本発明は除湿装置に関するもので、安全性を更に向上できるものである。
【解決手段】そしてこの目的を達成するために本発明は、吸湿経路7内の再生チャンバー9と熱交換器10との間に第1の温度検出手段20を設けると共に、第1の送風路における吸気口2と除湿ロータ4との間に第2の温度検出手段21を設け、第1の温度検出手段20または第2の温度検出手段21が所定の設定値を上回るとヒータ8への通電を遮断する制御部22を備えたことを特徴としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空気を除湿する除湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸気口と排気口を有する本体ケースと、操作部を有す表示手段と、この本体ケース内に設けられるとともに、吸湿部と放湿部を有する除湿ロータと、この除湿ロータを回転させる駆動手段と、前記本体ケースの前記吸気口から吸込んだ空気を、第1の送風路により、前記除湿ロータの吸湿部を通過後、前記排気口から本体ケース外に排気する第1の送風手段と、前記本体ケース内に設けられた吸湿経路とを備え、前記吸湿経路は、前記除湿ロータの放湿部と、この放湿部の風上側に設けた発熱手段と、この放湿部の風下側に設けた再生チャンバーと、この再生チャンバーの風下側に設けた熱交換器と、この吸湿経路内の空気を循環させる第2の送風手段とを有し、前記再生チャンバーと前記熱交換器との間に温度検出手段を設け、前記温度検出手段が所定の設定値を上回ると前記発熱手段への通電を遮断する制御部を備えたことを特徴とした除湿装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−193098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の除湿装置における課題は、吸気口または排気口が閉塞状態において、本体内部の温度上昇を更に速やかに検知するということであった。
【0005】
すなわち、従来は吸湿経路内の再生チャンバーと熱交換器との間に温度検出手段を設け、温度検出手段が所定の設定値を上回ると発熱手段への通電を停止していた。これにより、除湿ロータを回転させる駆動手段のロック時等は、吸湿経路内の温度上昇が速いので、本体内部の温度上昇を温度検出手段が速やかに検知することが出来ていた。
【0006】
ところが、洗濯物を乾かしている時に、洗濯物が落下し、吸気口または排気口を塞いだ場合に、吸気口または排気口が閉塞状態においては、除湿ロータを回転させる駆動手段のロック時ほど速く温度上昇が起こらない場合があった。
【0007】
そこで本発明は、吸気口または排気口の閉塞状態時において、本体内部の温度上昇を更に速やかに検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
吸気口と排気口を有する本体ケースと、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内には、吸湿部と放湿部を有する除湿ロータと、この除湿ロータを回転させる駆動手段と、第1の送風路と、吸湿経路とを備え、前記第1の送風路には、前記吸気口と、前記除湿ロータの前記吸湿部と、第1の送風手段と、前記排気口とを有し、前記吸湿経路には、前記除湿ロータの放湿部と、この放湿部の風上側に設けた発熱手段と、この放湿部の風下側に設けた再生チャンバーと、この再生チャンバーの風下側に設けた熱交換器と、この吸湿経路内の空気を循環させる第2の送風手段とを有し、前記再生チャンバーと前記熱交換器との間に第1の温度検出手段を設けると共に、前記第1の送風路における前記吸気口と前記除湿ロータとの間に第2の温度検出手段を設け、前記第1の温度検出手段または前記第2の温度検出手段が所定の設定値を上回ると前記発熱手段への通電を遮断する制御部を備えたものであり、これにより初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内には、吸湿部と放湿部を有する除湿ロータと、この除湿ロータを回転させる駆動手段と、第1の送風路と、吸湿経路とを備え、前記第1の送風路には、前記吸気口と、前記除湿ロータの前記吸湿部と、第1の送風手段と、前記排気口とを有し、前記吸湿経路には、前記除湿ロータの放湿部と、この放湿部の風上側に設けた発熱手段と、この放湿部の風下側に設けた再生チャンバーと、この再生チャンバーの風下側に設けた熱交換器と、この吸湿経路内の空気を循環させる第2の送風手段とを有し、前記再生チャンバーと前記熱交換器との間に第1の温度検出手段を設けると共に、前記第1の送風路における前記吸気口と前記除湿ロータとの間に第2の温度検出手段を設け、前記第1の温度検出手段または前記第2の温度検出手段が所定の設定値を上回ると前記発熱手段への通電を遮断する制御部を備えたことを特徴としたものである。
【0010】
すなわち、吸湿経路内における再生チャンバーと熱交換器との間に第1の温度検出手段を設けると共に、第1の送風路における吸気口と除湿ロータとの間に第2の温度検出手段を設け、第1の温度検出手段または第2の温度検出手段が所定の設定値を上回ると発熱手段への通電を遮断する制御部を備えたことにより、閉塞状態時における本体内部の温度上昇を速やかに検知することができる。
【0011】
第1の温度検出手段は、閉塞状態時においても、通常状態よりは高温ではあるが、通常状態と同じ風量が吸湿経路内に循環送風され、この循環送風の温度を検出する。
【0012】
一方、第2の温度検出手段は、通常状態では、除湿され室内へ排気される除湿空気の温度を検出しているが、閉塞状態時では、この除湿空気が本体ケース内で滞留するので、この滞留した除湿空気の温度を検出する。
【0013】
つまり、この滞留した除湿空気は、わずかな空気の流れしか発生しないため、閉塞状態時では、第2の温度検出手段で検出する温度は、第1の温度検出手段で検出する温度より、速く高温となるので、閉塞状態時における本体内部の温度上昇を速やかに検知することができる。これにより、更に安全性を向上できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を示す平面断面図
【図2】同分解斜視図
【図3】同断面概略図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下本発明の1実施形態を添付図面を用いて説明する。図1、2に示すように、本実施形態の除湿装置は、吸気口2と排気口3を有する本体ケース1と、この本体ケース1内に、吸湿部5と放湿部6を有する除湿ロータ4と、吸湿経路7とを備えている。
【0016】
吸湿経路7は、除湿ロータ4の放湿部6と、この放湿部6の風上側に設けた発熱手段であるヒータ8と、この放湿部6の風下側に設けた再生チャンバー9と、この再生チャンバー9の風下側に設けた熱交換器10と、この熱交換器10の風下側に設け吸湿経路7内の空気を循環させる第2の送風手段11とを有し、吸気口2と第1の送風手段14との間の風路に除湿ロータ4の吸湿部5を設けた構成としたものである。
【0017】
更に詳細に説明すると、図2において、本体ケース1の背面側に吸気口2、上方に排気口3を有し、この本体ケース1の前面の下方には、受皿12が出没自在に設けられている。また、この本体ケース1内には、吸湿部5と放湿部6を有する除湿ロータ4が回転自在に配置されており、その回転駆動は駆動手段であるモータ13によって行われるようになっている。
【0018】
さらに、この本体ケース1内の前方には、図1の矢印Aに示す第1の送風路のごとく、本体ケース1の吸気口2から吸込んだ室内空気を、除湿ロータ4の吸湿部5を通過後、排気口3から本体ケース1外に排気する第1の送風手段14を設けている。
【0019】
この第1の送風手段14は、背面側の第1の吸込口15と、図2に示す上方の第1の吹出口16を有する第1のケーシング17と、この第1のケーシング17内に設けた第1の羽根18と、この第1の羽根18を駆動する第1の電動機19とを有し、除湿ロータ4の吸湿部5を通過後の室内空気は、第1の吸込口15から第1のケーシング17に流入し、第1の羽根18で加圧され、第1の吹出口16と、排気口3を介して本体ケース外に排気される。
【0020】
また、本体ケース1内には、図1に示すように吸湿経路7が設けられており、この吸湿経路7は、除湿ロータ4の放湿部6と、この放湿部6の風上側に設けた発熱手段であるヒータ8と、この放湿部6の風下側に設けた再生チャンバー9と、この再生チャンバー9の風下側に設けた熱交換器10と、この吸湿経路7内の空気を循環させる第2の送風手段11とを有している。なお、この吸湿経路7は本体ケース1内の通気路としては独立している。
【0021】
さらに、この本体ケース1内には図1の矢印Bに示すごとく、第1の送風手段14によって吸気口2から本体ケース1内に吸込んだ室内空気を、吸湿経路7の熱交換器10を通過後、第1の送風手段14を経由し、排気口3から本体ケース1外に排気する送風路が形成されている。
【0022】
ただし、矢印Bの室内空気は、熱交換器10内を通過する吸湿経路7の空気とは、この熱交換器10を構成する熱伝導面を介して熱交換されるだけで、この熱交換器10部分で混合されることはない。
【0023】
ここで、吸湿経路7の動作について説明すると、ヒータ8で加熱された、吸湿経路7の空気は、放湿部6(除湿ロータ4の吸湿部5が回転してこの放湿部6)において、湿気を放出させ、この高温、過湿状態の空気が、風下側に設けた再生チャンバー9を介して、更に風下側の熱交換器10に送られる。
【0024】
この熱交換器10には上述のごとく、矢印Bに示すごとく、第1の送風手段14によって室内空気が送風されているので、高温、過湿状態の空気は冷却され、これにより結露し、これが受皿12内に溜められる。
【0025】
除湿ロータ4の吸湿部5は、矢印Aで示すごとく室内空気が通過するごとに、湿気を吸着し、これが除湿ロータ4の回転により、次に上述した放湿部6となって、吸湿経路7内に湿気を放出させ、このような循環により室内空気の除湿が行われる。
【0026】
本実施形態における特徴は、吸湿経路7内の再生チャンバー9と熱交換器10との間に第1の温度検出手段20を設けると共に、第1の送風路における吸気口2と除湿ロータ4との間に第2の温度検出手段21を設け、第1の温度検出手段20または第2の温度検出手段21が所定の設定値を上回るとヒータ8への通電を遮断する制御部22を備えたことを特徴とした点である。
【0027】
具体的には、図1、2に示すように、第1の温度検出手段20は、再生チャンバー9と熱交換器10との間の吸湿経路7内上方に位置し、この吸湿経路7の循環送風の温度を検出する。第2の温度検出手段21は、吸気口2と除湿ロータ4との間に位置し、また再生チャンバー9下部に接しており、第1の送風路内の除湿空気の温度を検出する。これらの第1の温度検出手段20または第2の温度検出手段21が検出する温度が、所定の設定値の温度を上回ると、制御部22がヒータ8への通電を遮断する。
【0028】
すなわち、第1の温度検出手段20は、閉塞状態時においても、通常状態よりは高温ではあるが、通常状態と同じ風量が吸湿経路7内に循環送風され、この循環送風の温度を検出する。
【0029】
一方、第2の温度検出手段21は、通常状態では、除湿され室内へ排気される除湿空気の温度を検出しているが、閉塞状態時では、この除湿空気が本体ケース1内で滞留するので、この滞留した除湿空気の温度を検出する。
【0030】
つまり、この滞留した除湿空気は、わずかな空気の流れしか発生しないため、閉塞状態時では、第2の温度検出手段21で検出する温度は、第1の温度検出手段20で検出する温度より、速く高温となるので、閉塞状態時における本体ケース1内部の温度上昇を速やかに検知することができる。これにより、更に安全性を向上できるものである。
【0031】
また、第2の温度検出手段21を設けずに、第1の温度検出手段20の設定値の温度を単に下げると、以下のような不具合が発生する場合がある。
【0032】
すなわち、室内の湿度が低い低湿状態においては、除湿ロータ4に水分の吸着が十分になされず、それに伴い除湿ロータ4からの水分の発散も十分に行われなくなり、吸湿経路7内の温度が高温状態になる為、通常状態にもかかわらず制御部22がヒータ8への通電を遮断してしまう不具合が発生する場合がある。よって、再生チャンバー9と熱交換器10との間に第1の温度検出手段20を設けると共に、第1の送風路における吸気口2と除湿ロータ4との間に第2の温度検出手段21を設けることにより、上記課題を解決できるものである。
【0033】
なお、第1の温度検出手段20、および第2の温度検出手段21は、一例としてサーミスターである。そして、第2の温度検出手段21の設定値は、第1の温度検出手段20の設定値よりも低くてもよい。つまり、第1の送風路における除湿ロータ4の上流側に位置するので、第2の温度検出手段21は、通常状態で、室内の湿度が低い低湿状態による影響を受けないので、第1の温度検出手段20の設定値より、第2の温度検出手段21の設定値を低く設定しても、上記の室内の湿度が低い低湿状態において発生する不具合は発生しないものである。
【0034】
すなわち、第2の温度検出手段21の設定値を、第1の温度検出手段20の設定値よりも低く設定することにより、閉塞状態時における本体ケース1内部の温度上昇を更に速やかに検知することができる。
【0035】
また、第2の温度検出手段21は、再生チャンバー9の除湿ロータ4の回転方向下流側に構成されたものである。
【0036】
具体的には、除湿ロータ4は、中央部に回転支持部30を有す、円板形状を成し、Al2O3/SiO2を主成分とする吸湿材を基材に所定量担持させた水分を吸着する素子である。この除湿ロータ4は、モータ13によって回転する。そして、除湿ロータ4の放湿部6は、ヒータ8と再生チャンバー9とによって挟まれている。この再生チャンバー9は、略扇形の椀形状で、本体ケース1背面側の吸気口2側に位置する。すなわち、メインフレーム23内の本体ケース1上方側に位置し、風上側に除湿ロータ4、風下側に熱交換器10が配置された構成としている。第2の温度検出手段21は、円筒形状のチューブで保護され、また除湿ロータ4の回転方向下流側で、再生チャンバー9に固定されたものである。なお、除湿ロータ4は、吸気口2から見て時計の針と同じ方向に回転する。
【0037】
これにより、除湿ロータ4がヒータ8からの熱により、水分を放出しながらモータ13によって回転している為、回転方向下流側は絶乾状態の除湿ロータ4がさらされ、気化熱による冷却効果が得られない為、最も高温な領域の熱を検出できる作用を有し、本体ケース1内部の温度上昇を速やかに検知できる効果を奏する。
【0038】
また、第2の温度検出手段21は、再生チャンバー9の除湿ロータ4の半径方向の中央部に構成されたものである。具体的には、略扇形の略椀形状で、除湿ロータ4の放湿部6を覆うように装着されている。この再生チャンバー9の底面、つまり除湿ロータ4が回転する中心から斜め上方へ延びた再生チャンバー9の面の中央部に、第2の温度検出手段21を設けたものである。
【0039】
これにより、第1の送風路の除湿ロータ4風上側の再生チャンバー9周辺の滞留した除湿空気の温度、除湿ロータ4からの輻射熱、再生チャンバー9からの伝達熱を検出し、本体ケース1内部の温度上昇を速やかに検知できる効果を奏する。また、再生チャンバー9の底面の下部には、高温の空気が滞留し易いので、本体ケース1内部の温度上昇をより速やかに検知できる効果を奏する。
【0040】
また、第2の温度検出手段21は、再生チャンバー9と所定の距離を設けたものである。このように、第2の温度検出手段21は、再生チャンバー9から距離を設けることで、低湿時の再生チャンバー9の伝達熱による影響を回避できるので、低湿状態の早切れを回避し、閉塞状態時においては本体ケース1内部の温度上昇を速やかに検知することができる。
【0041】
具体的には、第2の温度検出手段21は、再生チャンバー9から延びた略コの字形状である支持部24に固定された構成としたものである。この支持部24は、再生チャンバー9から延びた除湿ロータ4の回転方向における下流方向へ延びた2本の脚部25と、この一方の脚部25の先端から他方の脚部25の先端へ延びた取付部26とから形成している。そして、この取付部26に第2の温度検出手段21を取付けたものである。
【0042】
すなわち、第2の温度検出手段21は、再生チャンバー9と所定の距離を有すると共に、更に第2の温度検出手段21は、再生チャンバー9との間に空間である空間部27を有しているので、空間部27に空気が流れ、再生チャンバー9からの伝達熱の影響を低減でき、低湿状態の早切れを回避し、閉塞状態時においては本体ケース1内部の温度上昇を速やかに検知することができる。
【0043】
また、第2の温度検出手段21は、所定の設定値を上回ると一定時間後に第2の送風手段11への通電を遮断し、続いて一定時間後に第1の送風手段14とモータ13への通電を遮断する制御部22を備えたものである。
【0044】
これにより、第2の送風路のヒータ8より下流への熱負荷を低減させ、また第1の送風路へ一定時間送風することで本体ケース1内部を冷却することができる。
【0045】
また、本体ケース1に表示手段を設け、第2の温度検出手段21は、所定の設定値を上回ると表示手段に設けられたLED31が点灯し、操作部28による操作を無効とする制御を備えたものである。
【0046】
これにより、お客様に速やかにお知らせすることで拡大被害を防止することができる。
【0047】
また、再生チャンバー9は、略扇形状を成し、再生チャンバー9内の結露水を回収するチャンバーガイド29を設けたものである。
【0048】
具体的には、チャンバーガイド29は中空円柱形状を成し、再生チャンバー9の下面に位置し、再生チャンバー9の下面から結露水の受皿12の上部まで延びている。これにより、再生チャンバー9に付着した結露水をチャンバーガイド29を介して、受皿12へ回収でき、第2の温度検出手段21への結露水の付着を抑制でき、温度検知の精度を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内には、吸湿部と放湿部を有する除湿ロータと、この除湿ロータを回転させる駆動手段と、第1の送風路と、吸湿経路とを備え、前記第1の送風路には、前記吸気口と、前記除湿ロータの前記吸湿部と、第1の送風手段と、前記排気口とを有し、前記吸湿経路には、前記除湿ロータの放湿部と、この放湿部の風上側に設けた発熱手段と、この放湿部の風下側に設けた再生チャンバーと、この再生チャンバーの風下側に設けた熱交換器と、この吸湿経路内の空気を循環させる第2の送風手段とを有し、前記再生チャンバーと前記熱交換器との間に第1の温度検出手段を設けると共に、前記第1の送風路における前記吸気口と前記除湿ロータとの間に第2の温度検出手段を設け、前記第1の温度検出手段または前記第2の温度検出手段が所定の設定値を上回ると前記発熱手段への通電を遮断する制御部を備えたことを特徴としたものである。
【0050】
すなわち、再生チャンバーと熱交換器との間に第1の温度検出手段を設けると共に、第1の送風路における吸気口と前記除湿ロータとの間に第2の温度検出手段を設け、第1の温度検出手段または第2の温度検出手段が所定の設定値を上回ると発熱手段への通電を遮断する制御部を備えたことにより、閉塞状態時における本体内部の温度上昇を速やかに検知することができる。
【0051】
すなわち、第1の温度検出手段は、閉塞状態時においても、通常状態よりは高温ではあるが、通常状態と同じ風量が吸湿経路内に循環送風され、この循環送風の温度を検出する。
【0052】
一方、第2の温度検出手段は、通常状態では、除湿され室内へ排気される除湿空気の温度を検出しているが、閉塞状態時では、この除湿空気が本体ケース内で滞留するので、この滞留した除湿空気の温度を検出する。
【0053】
つまり、この滞留した除湿空気は、わずかな空気の流れしか発生しないため、閉塞状態時では、第2の温度検出手段で検出する温度は、第1の温度検出手段で検出する温度より、速く高温となるので、閉塞状態時における本体内部の温度上昇を速やかに検知することができる。
【0054】
従って、家庭用や事務所用などの、除湿装置として活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0055】
1 本体ケース
2 吸気口
3 排気口
4 除湿ロータ
5 吸湿部
6 放湿部
7 吸湿経路
8 ヒータ
9 再生チャンバー
10 熱交換器
11 第2の送風手段
12 受皿
13 モータ
14 第1の送風手段
15 第1の吸込口
16 第1の吹出口
17 第1のケーシング
18 第1の羽根
19 第1の電動機
20 第1の温度検出手段
21 第2の温度検出手段
22 制御部
23 メインフレーム
24 支持部
25 脚部
26 取付部
27 空間部
28 操作部
29 チャンバーガイド
30 回転支持部
31 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内には、吸湿部と放湿部を有する除湿ロータと、この除湿ロータを回転させる駆動手段と、第1の送風路と、吸湿経路とを備え、前記第1の送風路には、前記吸気口と、前記除湿ロータの前記吸湿部と、第1の送風手段と、前記排気口とを有し、前記吸湿経路には、前記除湿ロータの放湿部と、この放湿部の風上側に設けた発熱手段と、この放湿部の風下側に設けた再生チャンバーと、この再生チャンバーの風下側に設けた熱交換器と、この吸湿経路内の空気を循環させる第2の送風手段とを有し、前記吸湿経路内における前記再生チャンバーと前記熱交換器との間に第1の温度検出手段を設けると共に、前記第1の送風路における前記吸気口と前記除湿ロータとの間に第2の温度検出手段を設け、前記第1の温度検出手段または前記第2の温度検出手段が所定の設定値を上回ると前記発熱手段への通電を遮断する制御部を備えたことを特徴とした除湿装置。
【請求項2】
前記第2の温度検出手段は、前記再生チャンバーの前記除湿ロータの回転方向下流側に構成された請求項1記載の除湿装置。
【請求項3】
前記第2の温度検出手段は、前記再生チャンバーの前記除湿ロータの半径方向の中央部に構成された請求項1または2記載の除湿装置。
【請求項4】
前記第2の温度検出手段は、前記再生チャンバーと所定の距離を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の除湿装置。
【請求項5】
前記第2の温度検出手段は、前記再生チャンバーから延びた略コの字形状である支持部に固定された構成とした請求項1〜4のいずれかに記載の除湿装置。
【請求項6】
前記第2の温度検出手段は、所定の設定値を上回ると一定時間後に前記第2の送風手段への通電を遮断し、続いて一定時間後に前記第1の送風手段と前記駆動手段への通電を遮断する制御部を備えた請求項1〜5のいずれかに記載の除湿装置。
【請求項7】
前記本体ケースに表示手段を設け、前記第2の温度検出手段は、所定の設定値を上回ると前記表示手段に設けられたLEDが点灯し、操作部による操作を無効とする制御を備えた請求項1〜6のいずれかに記載の除湿装置。
【請求項8】
前記再生チャンバーは、略扇形状を成し、前記再生チャンバー内の結露水を回収するチャンバーガイドを設けた請求項4〜7のいずれかに記載の除湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−166163(P2012−166163A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30491(P2011−30491)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】