説明

障害監視装置

【課題】障害監視装置により複数の機器の障害を監視するとき、LAN障害,共通の電源異常など共通の原因で各機器が異常検知する場合において、障害通報を集約し、かつ、障害通報の即時性を確保する。
【解決手段】複数の被監視機器11の障害を監視して監視センタ13へ通報する障害監視装置12において、被監視機器11からの障害通報を受け付けると、障害現象テーブル122を参照して、予め登録された共通部位の障害現象に対してタイマー123に待ち時間をセットし、タイマー123にセットされた待ち時間が終了するまでに共通原因の障害通報であるか否かを判定して通報蓄積ファイル125に通報を蓄積する動作を繰り返し、待ち時間が終了すると、通報蓄積ファイル125に蓄積された通報を集約して、監視センタ13へ通報する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の被監視装置の障害を監視する障害監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
監視装置で複数の機器の障害を監視する場合に各種の監視方式が採用されている。例えば、特許文献1には、障害通報の通知方法およびシステムが記載されている。また、特許文献2には、保守サービス方式,方法およびプログラムが記載されている。また、特許文献3には、障害情報の待ち合わせによる対象外情報の削除方式が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−80035号公報
【特許文献2】特開2004−164389号公報
【特許文献3】特開平5−095357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、障害監視装置により複数の機器の障害を監視するとき、LAN障害,共通の電源異常など共通の原因で各機器が異常検知する場合がある。このとき、障害監視装置から監視センタへの異常が監視対象機器台数分の回数通報されてしまい、通報受付が煩雑になってしまう。
【0005】
本発明は、共通原因の障害通報を集約し、かつ、障害通報の即時性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の障害監視装置は、予め障害監視装置に障害現象の集約待ち時間を登録し、通報受信時にこれに基き待ち時間を制御することで、障害現象に合わせた通報集約を行う。
【0007】
また、本発明の障害監視装置は、障害監視装置で被監視装置の異常を検知し、これが予め登録された共通部位の障害現象であるときのみ、センタへの通報を一定時間待ち、この間に発生する異常を一つにまとめて通報することで、複数回の通報を1回に集約する。
【0008】
ただし、全ての障害で一定時間待つと常に通報が遅れてしまうので、以下内容で通報の即時性も確保する。
(1)障害の現象に合わせて待ち時間をフレキシブルに変える。
(2)待ち時間内に別の障害現象が発生した場合は、即時通報する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、監視センタでの障害受け付けの煩雑性を解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施例の障害監視装置により複数の被監視装置の障害を監視する障害監視システムの構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施例の障害監視装置の動作のフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施例の障害監視装置の待ち時間の設定処理の動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施例の障害監視装置の障害現象テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
【実施例】
【0012】
図1は、本発明の実施例の障害監視装置により複数の被監視装置の障害を監視する障害監視システムの構成図である。
【0013】
図1において、11は被監視装置、12は障害監視装置、13は監視センタ、14は監視員を示している。障害監視装置12は、複数の被監視装置11の障害を監視し、監視センタ13へ通報する。監視センタ13の監視員14は通報された情報をもとに被監視装置11の障害を検知する。
【0014】
図1の障害監視装置において、121は障害通報受付部、122は障害現象テーブル、123はタイマー、124は同件障害判定部、125は通報蓄積ファイルを示している。
【0015】
障害通報受付部121が被監視装置11の一つから障害通報を受け付けると、障害現象テーブルを参照して、タイマー123に待ち時間をセットする。次に他の被監視装置11から障害通報を受け付けると、同件障害判定部124は、共通原因の障害通報であるか否かを判定して通報蓄積ファイル12に通報を蓄積する。この動作をタイマー123にセットされた待ち時間が終了するまで繰り返し、待ち時間が終了すると、通報蓄積ファイル12に蓄積された通報を集約して、監視センタ13へ通報する。
【0016】
図2は、本発明の実施例の障害監視装置の動作のフローチャートである。図2のステップ201において、障害監視装置の動作が開始すると、ステップ202において、(1)被監視対象の機器から最初の通報を受け付けると、ステップ203において、(2)障害現象テーブル122を参照して、予め登録された共通部位の障害現象については、ステップ204において、障害現象テーブル122に示された(3)待ち時間をタイマーにセットする。
【0017】
ステップ205において、タイマーがスタートする。ステップ206において、他の機器からの通報があるか否かが判定され、他の機器からの通報がある場合(Yes)には、ステップ207において、その通報か(4)同件障害であるか否かが判定される。ステップ206において、他の機器からの通報がない場合(No)には、ステップ209に移行し、タイムオーバーか否かが判定される。
【0018】
ステップ207において、その通報か同件障害である場合(Yes)には、ステップ208において、(5)同件通報として蓄積され、その通報か同件障害でない場合(No)には、ステップ210へ移行する。
【0019】
その後、ステップ209において、タイマーでセットされた待ち時間を(6)タイムオーバーしたか否かが判定される。タイムオーバーしていない場合(No)には、ステップ206に移行し、他の危機からの通報があるか否かの判定を行い、この動作を繰り返す。
【0020】
そして、ステップ209において、タイムオーバーした場合(Yes)には、ステップ210において、通報蓄積した結果を集約し、ステップ211において、(7)監視センタへ集約結果を通報する。
【0021】
図3は、本発明の実施例の障害監視装置の待ち時間の設定処理の動作を示すフローチャートを示している。図3において、ステップ301において、予め登録された共通部位の障害現象については、障害現象により待ち時間を設定して、ステップ302において、一定時間待ちを行う。この場合、一定時間が‘0’の場合は、一定時間待ちを行うことなく、即通報を行う。
【0022】
一定時間待ちの間に、例えば、ステップ303において、機器1からの異常を受け付け、ステップ304において、機器2からの異常を受け付けた場合に、一定時間tの経過後に、ステップ305において、被監視装置からの異常を集約して監視センタへ通報する。
【0023】
図4は、本発明の実施例の障害監視装置の障害現象テーブル122を示している。障害現象テーブル122には、予め定められた共通原因の障害通報となる障害現象41の項目と、障害現象41に対応した待ち時間42の項目が格納されている。障害現象41としては、例えば、LAN障害、CPU障害あるいは、電源障害などが障害監視対象とされている。そして、各障害現象毎に、被監視装置からの異常を集約するための待ち時間が設定されている。
【0024】
本発明の実施例では、例えば、CPU障害の場合には、待ち時間が‘0’に設定されており、一定時間待ちを行うことなく、直ちに障害通報を行うように設定されている。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の障害監視装置は、LAN障害、CPU障害あるいは、電源障害などの障害以外の障害についても複数の被監視装置を監視する広範囲な監視システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0026】
11 被監視装置
12 障害監視装置
13 監視センタ
14 監視員
41 障害現象
42 待ち時間
121 障害通報受付部
122 障害現象テーブル
123 タイマー
124 同件障害判定部
125 通報蓄積ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被監視装置の障害を監視する障害監視装置において、
前記被監視装置から障害通報を受け付けると、共通部位の障害現象に対してタイマーに待ち時間をセットし、前記待ち時間が終了するまで、共通原因の障害通報であるか否かの判定を繰り返し、前記待ち時間が終了すると、前記通報蓄積ファイルに蓄積された通報を集約して通報することを特徴とする障害監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の障害監視装置において、
予め登録された共通部位の障害現象と前記待ち時間の組を格納した障害現象テーブルを備えており、
前記被監視装置から障害通報を受け付けると、前記障害現象テーブルを参照して、前記タイマーに前記待ち時間をセットし、検知した被監視装置の異常が予め登録された共通部位の障害現象であるときのみ、監視センタへの通報を一定時間待ち、この間に発生する複数回の通報を1回に集約して、前記監視センタへ通報することを特徴とする障害監視装置。
【請求項3】
請求項2に記載の障害監視装置において、
前記障害現象に合わせて前記待ち時間をフレキシブルに変更することが可能であることを特徴とする障害監視装置。
【請求項4】
請求項2に記載の障害監視装置において、
前記待ち時間内に、前記予め登録された共通部位の障害現象以外の別の障害現象が発生した場合は、即時に前記監視センタへ通報することを特徴とする障害監視装置。
【請求項5】
複数の被監視装置の障害を監視して監視センタへ通報する障害監視装置において、前記被監視装置からの障害通報を受付ける障害通報受付部と、登録された障害現象と待ち時間の組を格納した障害現象テーブルと、前記待ち時間を設定可能なタイマーと、前記被監視装置からの障害通報が共通部位の障害現象であるか否かを判定する同件障害判定部と、前記共通部位の障害現象の障害を蓄積する通報蓄積ファイルと、を備えており、
前記障害通報受付部が前記被監視装置から前記障害通報を受け付けると、前記障害現象テーブルを参照して、予め登録された共通部位の障害現象に対して前記タイマーに前記待ち時間をセットし、
前記障害判定部は、前記タイマーにセットされた待ち時間が終了するまで、前記被監視装置から障害通報を受け付けると、共通原因の障害通報であるか否かを判定して前記通報蓄積ファイルに通報を蓄積する動作を繰り返し、
前記待ち時間が終了すると、前記通報蓄積ファイルに蓄積された通報を集約して、前記監視センタへ通報することを特徴とする障害監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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