説明

雄コネクタ、コネクタ及びバックプレーン

【課題】伝送速度を向上させるため2枚のバックプレーン接続可能なコネクタを提供する。
【解決手段】一方に基板と接続される接続端子を有し、他方にジャック端子と接続されるプラグ端子を有するプラグ電極を複数有し、前記接続端子は前記基板面に対し垂直方向に伸び、前記プラグ端子は、前記ジャック端子との着脱方向に伸びており、前記プラグ電極は長手方向において、角度α(0°<α<90°)の角度で曲げられていることを特徴とする雄コネクタを提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雄コネクタ、コネクタ及びバックプレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
通信機器等においては、内部にバックプレーンとバックプレーンに対して垂直に接続される基板が複数配置され構成されるものがある。バックプレーンにはプラグコネクタが装着されており、接続される基板の端部には、ジャックコネクタが装着されている。このジャックコネクタとプラグコネクタとを接続することにより、バックプレーンと各々の基板とが電気的に接続される。
【0003】
近年、信号の伝送速度が高速になってきており、上述のジャックコネクタにおいて、信号伝送用コンタクトを有するコンタクトモジュールと、シールド部材とが交互に並んで密に組み込まれているものを複数段有する構造、即ち、信号伝送用コンタクトが2次元的に配列された構造のものが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−319753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、パックプレーンに接続可能なコネクタの数には限界があり、このため伝送速度の高速化にも限界を有していた。
【0006】
本発明は、基板とバックプレーンとの間により多くのコネクタを接続可能とするものであり、基板とバックプレーンとにおける伝送速度を向上させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一方に基板と接続される接続端子を有し、他方にジャック端子と接続されるプラグ端子を有するプラグ電極を複数有し、前記接続端子は前記基板面に対し垂直方向に伸び、前記プラグ端子は、前記ジャック端子との着脱方向に伸びており、前記プラグ電極は長手方向において、角度α(0°<α<90°)の角度で曲げられていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、一方に基板と接続されるグランド接続端子を有し、他方にグランドジャック端子と接続されるグランドプラグ端子を有するグランド電極を複数有し、前記グランド接続端子は前記基板面に対し垂直方向に伸び、前記グランドプラグ端子は、前記グランドジャック端子との着脱方向に伸びており、前記グランド電極は長手方向において、角度α(0°<α<90°)の角度で曲げられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記雄コネクタは、ハウジングと電極モジュールからなり、前記電極モジュールは、複数の前記プラグ電極が樹脂材料部により一列に固定された電極モジュール上部と、複数の前記プラグ電極が樹脂材料部により一列に固定された電極モジュール下部と、複数の前記グランド電極とにより構成されており、複数の前記グランド電極を前記電極モジュール上部と、前記電極モジュール下部により挟み込むことにより固定し形成されており、前記電極モジュールを積み重ね、絶縁体により形成されたハウジングに固定されたものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記電極モジュール上部の樹脂材料部と前記電極モジュール下部の樹脂材料部には、各々溝部が形成されており、前記グランド電極は各々の前記溝部において固定されているものであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記グランド電極は、前記溝部において固定されるためのバルジ部を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記電極モジュール上部又は前記電極モジュール下部において、前記ハウジングに固定させるためのバルジ部を前記プラグ電極に有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記プラグ端子と前記グランドプラグ端子とは交互に配列したものであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記プラグ端子の先端及び前記グランドプラグ端子の先端は、前記プラグ端子及び前記グランドプラグ端子の延びる方向に対し垂直面において揃っていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記角度αは45°または60°であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記接続端子または前記グランド接続端子は、コンプライアントピン構造により前記基板とハンダを用いることなく電気的に接続されるものであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記記載の雄コネクタと、前記基板に接続される他の基板に装着されており、前記雄コネクタとの着脱方向に前記プラグ端子が挿入されるジャック端子を有する雌コネクタと、を有するものであることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記基板はバックプレーンであって、前記記載の雄コネクタが装着されたことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記バックプレーンの両面に前記雄コネクタが装着されたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記バックプレーンが形成する面が、相互に90°又は120°の角度で配置されているものであって、前記バックプレーンが相互に90°の角度で配置されている場合には、前記角度αは45°の雄コネクタが前記バックプレーンに装着されており、前記バックプレーンが相互に120°の角度で配置されている場合には、前記角度αは60°の雄コネクタが前記バックプレーンに装着されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記バックプレーンに接続される他の基板には、前記雄コネクタとの着脱方向に前記ジャック端子が挿入される雌コネクタが装着されており、前記他の基板は、前記雌コネクタと、前記バックプレーンに装着された雄コネクタとの接続により、2枚の前記バックプレーンと電気的に接続されるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、基板とバックプレーンとの間により多くコネクタを設けることができるため、伝送速度を向上させた雄コネクタ、コネクタ及びバックプレーンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態におけるバックプレーンと接続される基板の一例を示す概念図
【図2】本実施の形態におけるバックプレーンと接続される基板の一例を示す上面図
【図3】本実施の形態におけるバックプレーンと接続される基板の一例を示す斜視図
【図4】本実施の形態におけるコネクタを構成する雌コネクタの斜視図(1)
【図5】本実施の形態におけるコネクタを構成する雌コネクタの斜視図(2)
【図6】本実施の形態における雄コネクタの斜視図(1)
【図7】本実施の形態における雄コネクタの斜視図(2)
【図8】本実施の形態における雄コネクタを構成する電極モジュールの斜視図
【図9】本実施の形態における雄コネクタを構成する電極モジュールの構成図
【図10】電極モジュール下部の上面図
【図11】電極モジュール上部の裏面図
【図12】グランド電極の斜視図
【図13】本実施の形態における雄コネクタの上面図
【図14】本実施の形態における雄コネクタを構成するハウジングの斜視図(1)
【図15】本実施の形態における雄コネクタを構成するハウジングの斜視図(2)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
【0025】
(バックプレーン)
最初に、本実施の形態におけるバックプレーンと、このバックプレーンに接続される基板について説明する。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態においては、基板の一種であるバックプレーン11、12、13、14は、4枚から構成されており互いに直角(90°)となるように設置されている。各々のバックプレーン11、12、13、14は両面に、それぞれ複数の雄コネクタ21が設置されている。尚、本実施の形態におけるバックプレーンとは、一方の面にコネクタが配置されるもののみならず、両面にコネクタが配置される一般にミッドプレーンと称するものも含むものである。バックプレーン11、12、13、14に接続される他の基板である基板31、32、33、34には、それぞれ雄コネクタ21に対応する雌コネクタ41が複数設置されている。
【0027】
基板31、32、33、34とバックプレーン11、12、13、14との電気的接続は、基板31、32、33、34に設けられた複数の雌コネクタ41と、バックプレーン11、12、13、14に設けられた複数の雄コネクタ21とが接続されることにより行われる。
【0028】
具体的には、本実施の形態ではバックプレーン11、12、13、14の両側には、一列に複数の雄コネクタ21が設けられている。一方、基板31、32、33、34は、3つの直角の角を有する略5角形の形状で形成されており、1つの直角の角を形成する2つの辺に沿って、雌コネクタ41が一列に配置されている。
【0029】
基板31の雌コネクタ41と、バックプレーン11及び12に設けられた雄コネクタ21とを接続することにより、基板31とバックプレーン11及び12とが接続される。また、基板32の雌コネクタ41と、バックプレーン12及び13に設けられた雄コネクタ21とを接続することにより、基板32とバックプレーン12及び13とが接続される。また、基板33の雌コネクタ41と、バックプレーン13及び14に設けられた雄コネクタ21とを接続することにより、基板33とバックプレーン13及び14とが接続される。また、基板34の雌コネクタ41と、バックプレーン14及び11に設けられた雄コネクタ21とを接続することにより、基板34とバックプレーン14及び11とが接続される。即ち、基板31と2枚のバックプレーン11及び12、基板32と2枚のバックプレーン12及び13、基板33と2枚のバックプレーン13及び14、基板34と2枚のバックプレーン14及び11が各々接続される。尚、これら各々の基板31、32、33、34は、矢印Aに示す方向であって、雄コネクタ21と雌コネクタ41が離れる方向に引っ張ることにより、バックプレーン11、12、13、14より基板31、32、33、34を取り外すことが可能である。また、矢印Aに示す方向であって、雄コネクタ21と雌コネクタ41が接続される方向に、基板31、32、33、34をバックプレーン11、12、13、14に差込むことにより、基板31、32、33、34とバックプレーン11、12、13、14とを接続することができる。尚、矢印Aに示す方向を着脱方向という。
【0030】
図2及び図3に基づきより詳しく説明する。図2は、バックプレーン11及び12と基板31との関係を示す上面図であり、図3は斜視図である。図に示されるように、基板31は、バックプレーン11及び12と接続される基板31の辺の部分は階段状に形成されており、この階段状の部分に複数の雌コネクタ41が設置される。
【0031】
一方、バックプレーン11及び12には、複数の雌コネクタ41に対応して複数の雌コネクタ21が配置されている。図2及び図3は、一枚の基板31を2枚のバックプレーン11及び12に装着する場合について示しているが、バックプレーン11及び12は、同様の方法により、図2における紙面に垂直方向に重ねて複数の基板31を装着することが可能である。この場合バックプレーン11及び12の図2における紙面に垂直方向に複数の雄コネクタ21を配置し、基板31に設けられた雌コネクタ41と嵌合することにより、複数の基板31を装着することが可能である。
【0032】
(雌コネクタ)
次に、図4及び図5に基づき雌コネクタ41について説明する。図4は、雌コネクタ41の背面方向からの斜視図であり、図5は、雌コネクタ41の前面方向からの斜視図である。この雌コネクタ41は、ハウジング42の前面に開口部43と開口部44が交互に配列されており、2次元的に複数設けられている。開口部43の内部にはグランドジャックが設けられており、開口部44の内部にはジャックコンタクトが設けられている。グランドジャックとジャックコンタクトは、略90°曲げられてハウジング42の下部の接続端子45を形成しており、この接続端子45と図2等に示す基板31等に設けられた端子とが電気的に接続されている。
【0033】
(雄コネクタ)
次に、図6及び図7に基づき雄コネクタ21について説明する。図6は、雄コネクタ21の前面左方向からの斜視図であり、図7は、雄コネクタ21の前面右方向からの斜視図である。この雄コネクタ21には、ハウジング22の前面にグランドプラグ端子であるグランドプラグ23とプラグ端子であるプラグコンタクト24が2次元的に複数設けられている。また、雄コネクタ21の背面にはグランドプラグ23及びプラグコンタクト24と導通する接続端子25が設けられており、この接続端子25とバックプレーン11における端子とが電気的に接続されている。尚、グランドプラグ23とプラグコンタクト24は矢印Aに示す着脱方向に延びた形状で形成されており、前述の雌コネクタ41と電気的に接続される。
【0034】
次に、図8及び図9に基づきグランドプラグ23とプラグコンタクト24について説明する。雄コネクタ21は、図8に示すように、一列に配列されたグランドプラグ23とプラグコンタクト24が一体化された電極モジュール51が複数段積み重ねられたもの(図面では5段)をハウジング22内に収納することにより形成される。
【0035】
この電極モジュール51は、図9に示すように、電極モジュール上部52、グランド電極53及び電極モジュール下部54により構成されている。尚、電極モジュール51の接続端子25は、後述するプラグ接続端子25aとグランド接続端子25bにより構成されている。
【0036】
電極モジュール上部52は、一方にプラグコンタクト24、他方にプラグ接続端子25aが設けられた複数の棒状のプラグ電極56を並べ、絶縁性を有する樹脂材料部55aにより一体化したものである。このプラグ電極56は、金属等の導電性材料により形成されており、樹脂材料部55aの内部において45°曲げられている。また、プラグコンタクト24の先端と、プラグ接続端子25aの先端とが各々揃うように一列に配列されている。即ち、プラグコンタクト24は、プラグコンタクト24の延びる方向に対し垂直面に先端が揃うように配列されており、プラグ端接続子25aは、プラグ接続端子25aの延びる方向に対し垂直面に先端が揃うように配列されている。このため、一方の端から他方の端までプラグ電極56の長さが長くなるよう順に配置されている。図9では、一例として10本の長さの異なるプラグ電極56が、長さの順に配置され、樹脂材料部55aにより一体化されたものを示す。各々のプラグ電極56間においては樹脂材料55aにより絶縁性が保たれている。尚、後述するように、電極モジュール上部52の裏面には、グランド電極53が固定される溝部が設けられている。
【0037】
また、グランド電極53は、板状の金属等の導電性材料により形成されており、一方にグランドプラグ23、他方にグランド接続端子25bが設けられている。グランド電極53は、プラグ電極56と同様に45°曲げられており、グランドプラグ23の先端と、プラグ接続端子25bの先端とが各々揃うように一列に配列されている。即ち、グランドプラグ23は、グランドプラグ23の延びる方向に対し垂直面に先端が揃うように配列されており、グランド端接続子25bは、グランド接続端子25bの延びる方向に対し垂直面に先端が揃うように配列されている。このため、一方の端から他方の端に並べられたグランド電極53は、一方の端から他方の端までグランド電極53の長さが長くなるよう順に配置されている。図9では、一例として11本の長さの異なるグランド電極53が長さの順に配置されたものを示す。
【0038】
また、電極モジュール下部54は、電極モジュール上部52と同様に一方にプラグコンタクト24、他方にプラグ接続端子25aが設けられた複数の棒状のプラグ電極56を並べ、絶縁性を有する樹脂材料部55bにより一体化したものである。このプラグ電極56は、金属等の導電性材料により形成されており、樹脂材料部55bの内部において45°曲げられている。また、プラグコンタクト24の先端と、プラグ接続端子25aの先端とが各々揃うように一列に配列されている。即ち、プラグコンタクト24は、プラグコンタクト24の延びる方向に対し垂直面に先端が揃うように配列されており、プラグ端接続子25aは、プラグ接続端子25aの延びる方向に対し垂直面に先端が揃うように配列されている。このため、一方の端から他方の端までプラグ電極56の長さが長くなるよう順に配置されている。図9では、一例として10本の長さの異なるプラグ電極56が、長さの短いものから順に配置され、樹脂材料部55bにより一体化されたものを示す。各々のプラグ電極56間においては樹脂材料部55bにより絶縁性が保たれている。また、電極モジュール下部54の上面には、グランド電極53が固定される溝部57が11本設けられており、同様に電極モジュール上部52の裏面に設けられた11本の溝部とにより、各々のグランド電極53は挟み込まれ固定される。このように電極モジュール上部52と電極モジュール下部54によりグランド電極53を挟み込み固定することにより電極モジュール51が形成される。
【0039】
次に、図10及び図11に基づき電極モジュール上部52及び電極モジュール下部54についてより詳細に説明する。図10は電極モジュール下部54の上面図であり、図11は、電極モジュール上部52の裏面図である。前述のとおり、電極モジュール上部52及び電極モジュール下部54にはグランド電極53を固定するための溝部57が設けられている。プラグ電極56は略中央の折曲部60で45°曲げられており、長さの短いものから順に並べられ配置されている。プラグ電極56のコンタクトプラグ24の近傍の折曲部60側には、バルジ部61を有しており、ハウジング22に電極モジュール51を装着する際に、バルジ部61により保持される。また、プラグ電極56のプラグ接続端子25aは、コンプライアントピン構造の接続部62を有しており、バックプレーン11等とハンダを用いることなく電気的に接続することができる。また、電極モジュール上部52と電極モジュール下部54を接続するため、電極モジュール上部52には3ヶ所のロック部63が設けられており、電極モジュール下部54には3ヶ所のロック部64が設けられている。これらロック部63及び64は、樹脂材料により電極モジュール上部52の樹脂材料部55a及び電極モジュール下部54の樹脂材料部55bを形成する際に同時に形成され、このロック部63とロック部64とによる接合により、電極モジュール上部52と電極モジュール下部54が一体化されグランド電極53を挟み込んだ電極モジュール51が形成される。
【0040】
次に、図12に基づきグランド電極53についてより詳細に説明する。グランド電極53は、前述のとおり略中央の折曲部70で45°曲げられている。グランド電極53のグランドプラグ23の近傍の折曲部70側にはバルジ部71が設けられており、また、グランド接続端子25bの近傍の折曲部70側にはバルジ部72が設けられている。このバルジ部71及び72は、グランド電極53を電極モジュール上部52及び電極モジュール下部54により固定する際、溝部57においてグランド電極53を保持する役割を有している。また、プラグ電極56のプラグ接続端子25bは、コンプライアントピン構造の接続部73を有しており、バックプレーン11等との接続においてはハンダを用いることなく電気的に接続することができる。尚、グランド電極53は各々電極モジュール上部52及び電極モジュール下部54の溝部57に固定されるため、プラグ電極56とグランド電極53は、樹脂材料部55a及び55bを介し絶縁性が確保されている。このようにして、電極モジュール51が形成される。
【0041】
このように形成された複数の電極モジュール51をハウジング22に装着することにより雄コネクタ21が構成される。図13に示すようにハウジング22に装着される電極モジュール51においては、雄コネクタ21が装着されるバックプレーン11等の表面と平行な面を有する平行部81a、81b、81cを有している。この平行部81a、81b、81cは、1つの電極モジュール51について1ヶ所以上有していればよく、位置あわせ等に用いられる。
【0042】
次に、図14及び図15に基づき雄コネクタ21のハウジング22について説明する。図14は、ハウジング22の前面方向からの斜視図であり、図15は、ハウジング22の背面方向からの斜視図である。ハウジング22の前面には、雌コネクタ41と嵌合する嵌合面82が形成されており、この嵌合面82は、バックプレート11等の表面に対し45°の角度を有している。また、ハウジング22の嵌合面82の背面側には、複数の電極モジュール51の揃えるための溝部83が設けられており、複数の電極モジュール51を揃えることにより、グランドプラグ23及びプラグコンタクト24の先端が、グランドプラグ23及びプラグコンタクト24の延びる方向の垂直面に揃う。これにより、グランドプラグ23及びプラグコンタクト24の先端が縦方向に揃えることができ、2次元的にグランドプラグ23及びプラグコンタクト24の先端を全てグランドプラグ23及びプラグコンタクト24の延びる方向の垂直面に揃えることができる。
【0043】
尚、本実施の形態では、4枚のバックプレーン11、12、13、14の面が相互に垂直(90°)となるように配置した構成のものについて説明したが、バックプレーンの配置は平行となる場合以外であればどのような角度で配置されていてもよい。即ち、2枚のパックプレーンの形成する角度βは、0°<β<180°であれば、どのようなバックプレーンの配置についても適用可能である。この場合、雄コネクタ21のグランド電極53及びプラグ電極56が曲げられる角度αは、β/2となる。よって、角度αは、0°<α<90°である。尚、本実施の形態で説明した構成のものについては、αの値は45°である。
【0044】
更に、2枚のバックプレーンに装着される雄コネクタのグランド電極53及びプラグ電極56が曲げられる角度αは、2枚のバックプレーンにおいて異なっていてもよく、一方のバックプレーンに装着される雄コネクタ21のグランド電極53及びプラグ電極56が曲げられる角度α1とし、他方のバックプレーンに装着される雄コネクタ21のグランド電極53及びプラグ電極56が曲げられる角度α2とした場合、α1+α2=βの条件を満たしていればよい。
【0045】
また、本実施の形態では、3枚のバックプレーンを相互に120°の角度をなすように配置してもよい。この場合、バックプレーンには、αの値が60となる雄コネクタを両面に配置することにより、本実施の形態と同様の効果を得ることができるものとなる。
【0046】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0047】
11、12、13、14 バックプレーン
21 雄コネクタ
22 ハウジング
23 グランドプラグ
24 プラグコンタクト
25 接続端子
25a プラグ接続端子
25b グランド接続端子
31、32、33、34 基板
41 雌コネクタ
42 ハウジング
43 開口部
44 開口部
45 接続端子
51 電極モジュール
52 電極モジュール上部
53 グランド電極
54 電極モジュール下部
55a 樹脂材料部
55b 樹脂材料部
56 プラグ電極
57 溝部
60 折曲部
61 バルジ部
62 接続部
63 ロック部
64 ロック部
70 折曲部
71 バルジ部
72 バルジ部
73 接続部
81a、81b、81c 平行部
82 嵌合面
83 溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方に基板と接続される接続端子を有し、他方にジャック端子と接続されるプラグ端子を有するプラグ電極を複数有し、
前記接続端子は前記基板面に対し垂直方向に伸び、前記プラグ端子は、前記ジャック端子との着脱方向に伸びており、
前記プラグ電極は長手方向において、角度α(0°<α<90°)の角度で曲げられていることを特徴とする雄コネクタ。
【請求項2】
一方に基板と接続されるグランド接続端子を有し、他方にグランドジャック端子と接続されるグランドプラグ端子を有するグランド電極を複数有し、
前記グランド接続端子は前記基板面に対し垂直方向に伸び、前記グランドプラグ端子は、前記グランドジャック端子との着脱方向に伸びており、
前記グランド電極は長手方向において、角度α(0°<α<90°)の角度で曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の雄コネクタ。
【請求項3】
前記雄コネクタは、ハウジングと電極モジュールからなり、
前記電極モジュールは、複数の前記プラグ電極が樹脂材料部により一列に固定された電極モジュール上部と、複数の前記プラグ電極が樹脂材料部により一列に固定された電極モジュール下部と、複数の前記グランド電極とにより構成されており、複数の前記グランド電極を前記電極モジュール上部と、前記電極モジュール下部により挟み込むことにより固定し形成されており、
前記電極モジュールを積み重ね、絶縁体により形成されたハウジングに固定されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の雄コネクタ。
【請求項4】
前記電極モジュール上部の樹脂材料部と前記電極モジュール下部の樹脂材料部には、各々溝部が形成されており、前記グランド電極は各々の前記溝部において固定されているものであることを特徴とする請求項3に記載の雄コネクタ。
【請求項5】
前記グランド電極は、前記溝部において固定されるためのバルジ部を有することを特徴とする請求項4に記載の雄コネクタ。
【請求項6】
前記電極モジュール上部又は前記電極モジュール下部において、前記ハウジングに固定させるためのバルジ部を前記プラグ電極に有することを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の雄コネクタ。
【請求項7】
前記プラグ端子と前記グランドプラグ端子とは交互に配列したものであることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の雄コネクタ。
【請求項8】
前記プラグ端子の先端及び前記グランドプラグ端子の先端は、前記プラグ端子及び前記グランドプラグ端子の延びる方向に対し垂直面において揃っていることを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の雄コネクタ。
【請求項9】
前記角度αは45°または60°であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の雄コネクタ。
【請求項10】
前記接続端子または前記グランド接続端子は、コンプライアントピン構造により前記基板とハンダを用いることなく電気的に接続されるものであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の雄コネクタ。
【請求項11】
請求項1から10に記載の雄コネクタと、
前記基板に接続される他の基板に装着されており、前記雄コネクタとの着脱方向に前記プラグ端子が挿入されるジャック端子を有する雌コネクタと、
を有するものであることを特徴とするコネクタ。
【請求項12】
前記基板はバックプレーンであって、請求項1から10のいずれかに記載の雄コネクタが装着されたことを特徴とするバックプレーン。
【請求項13】
前記バックプレーンの両面に前記雄コネクタが装着されたことを特徴とする請求項12に記載のバックプレーン。
【請求項14】
前記バックプレーンが形成する面が、相互に90°又は120°の角度で配置されているものであって、
前記バックプレーンが相互に90°の角度で配置されている場合には、前記角度αは45°の雄コネクタが前記バックプレーンに装着されており、
前記バックプレーンが相互に120°の角度で配置されている場合には、前記角度αは60°の雄コネクタが前記バックプレーンに装着されていることを特徴とする請求項12または13に記載のバックプレーン。
【請求項15】
前記バックプレーンに接続される他の基板には、前記雄コネクタとの着脱方向に前記ジャック端子が挿入される雌コネクタが装着されており、
前記他の基板は、前記雌コネクタと、前記バックプレーンに装着された雄コネクタとの接続により、2枚の前記バックプレーンと電気的に接続されるものであることを特徴とする請求項12から14のいずれかに記載のバックプレーン。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−82048(P2011−82048A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234156(P2009−234156)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】