集塵機能を備えた吸引風力式選別装置
【課題】小型、省スペースの構成で、複数の材料からなる原料から軽量の材料を吸引風力で選別するとともに、吸引用空気から塵埃を分離する集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の提供。
【解決手段】複数の材料が含まれた原料から軽量の材料を吸引風力で選別する装置1であって、傾斜スクリーンの上方に、原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であり、巻回運動軌跡上を移動する巻回ベルトと、巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させる巻回駆動機構と、軽量な材料を吸引するための空気を生成する送風機84と、巻回ベルトの中間に、傾斜スクリーン側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクト83と、送風機84の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、巻回ベルトの面を通過した空気から所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵する軸流式サイクロン集塵装置90とを備えている。
【解決手段】複数の材料が含まれた原料から軽量の材料を吸引風力で選別する装置1であって、傾斜スクリーンの上方に、原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であり、巻回運動軌跡上を移動する巻回ベルトと、巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させる巻回駆動機構と、軽量な材料を吸引するための空気を生成する送風機84と、巻回ベルトの中間に、傾斜スクリーン側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクト83と、送風機84の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、巻回ベルトの面を通過した空気から所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵する軸流式サイクロン集塵装置90とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築廃材、混合産業廃棄物等原料から、軽量な不純物、不要材料を選別してリサイクル可能な材料にするための吸引風力式選別装置に関する。さらに詳しくは、小型、かつ、簡素な構成で、軽量な不純物、不要材料を吸引風力で選別するとともに、空気とともに吸い込んだ所定の大きさ以下の軽量物を、排気する空気から除去することができる集塵機能を備えた吸引風力式選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート廃材、アスファルト廃材等の建築廃材は、建築工事、解体工事、土木工事などにおいて、建設副産物(建設廃棄物)として排出される。この建設副産物は、産業廃棄物として廃棄するのでなく有効利用することが求められている。すなわち、建築廃材は、ふるい装置により、所定の大きさ(例えば40mm)以上の物と所定の大きさ以下の物とに分ける粗ぶるいを行い、再生路盤材などとして再利用するとよい。しかし、建築廃材には、木くず、紙、プラスチックなどいろいろな物が混ざっており、そのままでは再利用することができない。
【0003】
言い換えると、所定の大きさ以下に分別された建築廃材は、例えば、再生路盤材などとして利用可能であるが、その建築廃材の中に木くず、紙、ビニール等プラスチックなどの不純物、不要材料、ゴミと呼ばれるものが多く混ざっていると、再生路盤材等に再利用することができない。そこで、建築廃材は、作業者による手選別で、木くず、紙、プラスチックなどを選別して取り除く作業が必要であった。
【0004】
しかしながら、手選別で、建築廃材、混合産業廃棄物から不純物、不要材料を取り除く作業はたいへんな作業である。また、混合産業廃棄物に含まれている小さい物(例えば、40mm以下のもの)は、手選別が容易でなく、埋め立て処理されてしまうことが多い。そのため、自動で選別することが可能な選別装置、選別方法、選別システムが、種々、提案されている。このような選別装置等について、特許文献を例にとって、さらに説明を行う。
【0005】
従来の建築廃材の処理システムとして、スクリーン及び振動付与機構を有する振動ふるい装置と、吸引ノズル、サイクロン及びファン装置を有する不純物除去装置と、吸引ノズル下方のスリット網に下方から風を送る第1の送風機構とを具備しているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の建築廃材の処理システムでは、建設廃材が、振動ふるい装置のスクリーンにおいてふるい分けられ、スクリーンをオーバーしたオーバー材はスリット網側へ送られ、比較的軽量な不純物が吸引ノズルにより吸引除去されている。
【0006】
また、空き缶や空き瓶等の固形ごみと収容袋等の可塑性ごみとが混在した混合ごみを落下させる落下シュートの途中に、収容袋等の可塑性ごみを空気の吸引力により網状コンベアベルトの表面に吸着させた状態で落下シュートとは別の箇所まで搬送する吸引選別手段を備え、吸引力を利用することにより空缶,空瓶以外のものを選別することができる風力選別装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。そして、この技術では、吸引選別手段に集塵器が備えられ、集塵器で集塵処理された空気が排出されている。
【0007】
一方、本出願人は、小型かつ簡素な構成で、複数の材料からなる原料から、大きさ別、重量別の材料に、確実に選別を行うことができる吸引風力式選別装置を提案している(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−117492号公報
【特許文献2】特許第3249415号公報
【特許文献3】特開2009−78265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、吸引ノズル、サイクロン、吸引用ファン装置、第1及び第2のダクトとから構成されている不純物除去装置を必要とするなど、設備が大型化し、設備費も高額なものとなり、メンテナンスも容易でないという問題点があった。また、圧力損失が伴う接線流入式のサイクロンの採用は、ファン装置の大型化を招き、この建築廃材の処理システムは広い設置面積を必要とするものとなるおそれがあった。
【0010】
また、特許文献2に記載された技術は、シュート側垂直面、下側水平面に亘る断面L字状の開口面を有する吸引シュートから自然落下する可塑性ごみを吸引するものであり、吸引に相当な風量を必要とするものである。集塵器について種類が特定されていないが、一般的なバグフィルタ方式の集塵機、接線流入式サイクロンとすれば、この風量に対応して設備が大型化し、広い設置面積を必要とし、設備費も高額なものになるおそれがあるという問題点があった。
特許文献3の技術は、吸引選別を行うための吸引用空気から塵埃を分離して排気できるように改良することが要望されている。
【0011】
本発明は、前記した問題点を解決するためになされたもので、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、小型かつ簡素な構成で、複数の材料からなる原料から、軽量の材料を吸引風力で選別するとともに、吸引選別する際、吸引用空気に含まれる塵埃を空気とともに外部に排気しないようにすることができる集塵機能を備えた吸引風力式選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、
複数の材料が含まれた原料が、所定の角度傾斜しているとともに振動が付与されている傾斜スクリーンの一方の側から供給され、前記傾斜スクリーンの他方の側、または、前記傾斜スクリーンの他方の側の先端に、前記所定の角度より緩い角度に設けられたシュート部材上に位置したとき、前記原料から軽量の材料を選別するための吸引風力式選別装置であって、前記軽量な材料を吸引するための吸引用空気を生成するための送風機と、前記傾斜スクリーンの他方の側の上方に、前記原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であるとともに所定の幅を有する無端ベルトであって、前記横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を移動可能に、前記巻回運動軌跡の前記傾斜スクリーン側の面が、前記傾斜スクリーンに対して所定の間隔を有するとともに平行または略平行になるように設けられ、所定の大きさ以上であって軽量の材料を、前記吸引用空気により前記面に吸引させて前記横切る方向に回収するための巻回ベルトと、前記巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させるための巻回駆動機構と、前記巻回ベルトの中間に、前記傾斜スクリーン側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクトと、前記送風機の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、前記巻回ベルトを通過して前記吸引ダクトに流入した前記吸引用空気から前記所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵するための軸流式サイクロン集塵装置とを備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明2の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明1において、
前記傾斜スクリーンは、所定の大きさのふるい目を有するものであり、前記原料が前記傾斜スクリーンの一方の側から他方の側に移動している間に、所定の大きさ以下の材料を、前記ふるい目を介して前記傾斜スクリーンの下方側に落下させて選別するものであることを特徴とする。
【0014】
本発明3の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、
複数の材料が含まれた原料が、搬送装置の一方の側から供給され、前記搬送装置の他方の側に位置したとき、前記原料から軽量の材料を選別するための吸引風力式選別装置であって、前記軽量な材料を吸引するための吸引用空気を生成するための送風機と、前記搬送装置の他方の側の上方に、前記原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であるとともに所定の幅を有する無端ベルトであって、前記横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を移動可能に、前記巻回運動軌跡の前記搬送装置側の面が、前記搬送装置に対して所定の間隔を有するとともに平行または略平行になるように設けられ、所定の大きさ以上であって軽量の材料を、前記吸引用空気により前記面に吸引させて前記横切る方向に回収するための巻回ベルトと、前記巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させるための巻回駆動機構と、前記巻回ベルトの中間に、前記搬送装置側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクトと、前記送風機の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、前記巻回ベルトを通過して前記吸引ダクトに流入した前記吸引用空気から前記所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵するための軸流式サイクロン集塵装置とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明4の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明1から3において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、一方の端部側の流入部と、他方の端部側の流出部と、前記流出部近傍の外周に設けられた塵埃排出部とを有し、筒状に形成されたサイクロン筒体と、前記サイクロン筒体のサイクロン室の中央部に設けられ、前記流入部から流入し、前記サイクロン筒体の軸線方向と平行に流れていく前記中央部近傍の空気の流れを、前記中央部側から前記サイクロン筒体の内壁面側に向かう方向に変える第1案内部材と、前記サイクロン筒体と前記第1案内部材との間に、所定角度傾斜するとともに、所定の角度毎に、複数枚、設けられた案内羽根からなり、前記流入部から流入し、前記サイクロン筒体の軸線方向と平行に流れていく前記中央部近傍の空気以外の他の空気の流れを、前記案内羽根の傾斜により、前記サイクロン室内を螺旋状に、前記流入側から前記流出側に流れる旋回流に変える第2案内部材とを有していることを特徴とする。
【0016】
本発明5の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明4において、
前記塵埃排出部には、所定の角度毎に、放射状に設けられた複数の羽根を有するロータを回転させることで、前記羽根間の空間に落下した前記塵埃を外部に排出するためのロータリーバルブが設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明6の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明5において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、前記吸引ダクトの他方の側と前記送風機の吸込口との間に設けられており、前記傾斜スクリーンまたは前記搬送装置の下方には、前記傾斜スクリーンまたは前記搬送装置の下方に位置するとともに、他方の側が前記ロータリーバルブの下方位置まで延在するように設けられ、前記ロータリーバルブから排出されベルト上に載った前記塵埃を前記他方の側から前記一方の側に移動させるためのベルトコンベアを有していることを特徴とする。
【0018】
本発明7の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明1から6において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、前記吸引ダクトの他方の側と前記送風機の吸気口との間に直結するように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、本発明の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、軸流サイクロン式集塵装置で、巻回ベルトの孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を含む空気から、所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃と清浄な空気との分離を行って、清浄な空気を吸引風力式選別装置の外部に排気するため、吸引風力式選別装置の設置場所の周辺環境を悪化させることがない。また、軸流サイクロン式集塵装置を、吸引風力式選別装置に一体に直結する構成にしており、吸引風力式選別装置を大型化させることがない。また、この軸流サイクロン式集塵装置は、他の集塵装置に比べ、構成が簡素で小型化することができ、かつ、安価に製造できるという経済的効果も有する。さらに、軸流サイクロン式集塵装置を採用することで、集塵性能を高くすることと圧力損失を少なくすることの両立が図れ、送風機等を小型化することができ、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の小型化、省スペース化を図ることができる。
【0020】
また、この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置では、原料から、軽量な材料(所定の大きさ以上であって軽量の材料、及び、巻回ベルトの孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃)を分離することができ、リサイクル可能な材料のみを、容易に、選別、回収することができる。
さらに、この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、送風機の吸気口側に設けられる場合、軸流サイクロン式集塵装置の塵埃排出部にロータリーバルブを設けることによって、巻回ベルトの孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を排出する機能と、軸流サイクロン式集塵装置のサイクロン室の密閉状態の維持を行う機能の両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態1を示す正面図である。
【図2】図2は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置のの実施の形態1を示す側面図である。
【図3】図3は、図1をX−X線で切断した断面図である。
【図4】図4は、図1をY−Y線で切断した断面図である。
【図5】図5は、図3をZーZ線で切断した断面図である。
【図6】図6は、軸流サイクロン式集塵装置を示す断面図である。
【図7】図7は、図6をUーU線で切断した断面図である。
【図8】図8は、ロータリーバルブを一部断面にして模式的に示した正面図である。
【図9】図9は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態2を部分的に示す正面図である。
【図10】図10は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態3を部分的に示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置について、図面に基づいて、その実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態1を示す正面図、図2は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の側面図、図3は、図1をX−X線で切断した断面図、図4は、図1をY−Y線で切断した断面図、図5は、図3をZーZ線で切断した断面図である。図6は、軸流サイクロン式集塵装置を一部断面にして示す正面図、図7は、図6をUーU線で切断した断面図である。図8は、ロータリーバルブを一部断面にして模式的に示した正面図である。
【0023】
〔実施の形態1〕
図1に示すように、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置(以下、吸引風力式選別装置と記載する。)1は、選別装置本体(以下、本体と記載する)50、振動ふるい選別手段10、吸引選別手段20、軸流サイクロン式集塵装置90等から構成されている。振動ふるい選別手段10は、本体50の上部に設けられ、ふるい枠体11、傾斜スクリーン12(図5参照)、加振装置13、弾性支持体16等から構成されている。ふるい枠体11は、本体50に対して弾性支持体16を介して弾性支持されている。弾性支持体16は、ばね部材、ゴム弾性体等を介して、ふるい枠体11を弾性支持するものである。ふるい枠体11には、加振装置13が設けられている。加振装置13は、加振モータ14が回転するとベルトを介して回転し、ふるい枠体11を振動させるものである。
【0024】
ふるい枠体11の内部には、所定の大きさ(例えば40mm)のメッシュ(ふるい目)を有する傾斜スクリーン12が設けられている。傾斜スクリーン12は、後方側(一方の側)が高く、前方(シュート部材70)側(他方の側)が低くなるような所定の角度(第1の角度)の傾斜をしている。傾斜スクリーン12に供給された原料Gは、この傾斜と、傾斜スクリーン12に付与される振動とによって、後方側(一方の側)より前方側(他方の側)に移動する。この傾斜スクリーン12は、原料Gを一方の側から他方の側に搬送する機能を備えた搬送装置でもある。
【0025】
投入された原料は、振動ふるい選別手段10でふるわれ、所定の大きさ以下の原料は、傾斜スクリーン12のメッシュを介して落下し選別される。落下したものは、ベルトコンベア60のベルトの矢印P方向への移動によって、吸引風力式選別装置1の後方側の選別収集位置に収集される。
【0026】
傾斜スクリーン12の前端側には、振動ふるい選別手段10でふるわれて落下しなかった原料、言い換えると所定の大きさ以上の原料が移動してくるシュート部材70が設けられている。シュート部材70は、ふるい枠体11の前端部に固定され、底面部70aと側面部70bとから形成されている。底面部70aは、網目状、長目状、格子状、くし状等に穴、溝等が形成され、空気の流通がたいへんよい形状の部材になっている。このシュート部材70は、傾斜スクリーン12が傾斜している第1の角度より小さい第2の角度に傾斜している。すなわち、シュート部材70は、水平面に対して、ほぼ水平または緩い傾斜になっている。シュート部材70が傾斜している第2の角度は、例えば、0〜5度の傾斜であるとよい。言い換えると、シュート部材70が傾斜している第2の角度は、傾斜スクリーン12が傾斜している第1の角度に比べ、大幅に小さな角度となっている。
【0027】
すなわち、投入され、ふるわれた原料は、この緩い傾斜面である底面部70a上を移動することにより、一時滞留したり、大幅に遅い速度で移動することになる。言い換えると、後から移動してくる原料に押される力と付与される振動によって、シュート部材70の前方側に押されるように移動する。
なお、シュート部材70は、ふるい枠体11に対して取付角度の調整が可能になっているとよい。例えば、図5の実線で示したシュート部材と、二点鎖線で示したシュート部材の間で取付角度の調整が行えるようになっているとよい。
【0028】
シュート部材70上の所定の大きさ以上の原料は、吸引選別手段20によって、吸引されて移動される所定の大きさ以上であって軽量の材料(所定の大きさ以上であって重量が軽い材料)と、吸引されない所定の大きさ以上で重量が重い材料に吸引選別される。吸引されない所定の大きさ以上で重量が重い材料は、シュート部材70上を押し出されるように移動し、前端側から排出されベルトコンベア60上に落下する。吸引風力式選別装置1の後方側の選別収集位置に収集される。
なお、シュート部材の下方に、前述したベルトコンベア60とは別に、他のベルトコンベアを設け、所定の大きさ以上であって重量が重い材料を、他のベルトコンベアで吸引風力式選別装置の側方の他方の側に回収する形態にしてもよい。この構成については、本出願人が特許文献3(明細書の段落番号0061、0077、図8等)で詳細に説明を行っているので、ここでは説明を省略する。
【0029】
所定の大きさ以上であって軽量の材料は、吸引選別手段20、搬出シュート75を介して、吸引風力式選別装置1の側方の一方の側(図3における左側)に、所定の大きさ以上であって軽量の材料MBとして選別回収される。
【0030】
吸引選別手段20について、図2〜4に従って、さらに説明を行う。
図2〜4に示すように、本体50には、支柱82、片持ちはり部材82aが設けられている。片持ちはり部材82aには、吸引選別手段20の吸引枠体21が吊設されている。すなわち、吸引枠体21の被取付部21cが吊り下げボルト51bで吊り下げられ、ナット51c等により片持ちはり部材82aに固定されている。吸引枠体21には、メッシュコンベア22が支持されている。
【0031】
シュート部材70の上方には、吸引選別手段20の吸引枠体21が設けられている。吸引枠体21は、略直方体状のものであり、下側が開口していて吸引口21aを形成している。吸引口21aの搬出シュート75側には、側面視、三角状の三角状吸引口21dが形成されている。この三角状吸引口21dは、吸引口21a側より、吸引する風力を除々に小さくするためのものであり、吸引した所定の大きさ以上であって軽量の材料が自重により落下することを補助するためのものである。また、吸引枠体20の一方の側面には、吸引ダクト83が接続される吸引ダクト接続口21bが形成されている。
【0032】
吸引枠体20の両方の側面には、各々、側面視、一対の取付部材65a、取付部材65bがボルト等締結手段で固定されている。取付部材65a、取付部材65bは、みぞ形鋼などであるとよい。
一対の取付部材65a、65aには軸受ユニット60a、60dが取り付けられている。一対の取付部材65b、65bには軸受ユニット60b、60cが取り付けられている。図5に示すように、軸受ユニット60c、60cは、支持ローラ23cが設けられている軸体62cの両端を回転可能に支持している。また、軸受ユニット60d、60dは、支持ローラ23dが設けられている軸体62dの両端を回転可能に支持している。同様に、軸受ユニット60a、60aは、支持ローラ23aが設けられている軸体62aの両端を回転可能に支持している。軸受ユニット60b、60bは、支持ローラ23bが設けられている軸体62bの両端を回転可能に支持している。
【0033】
支持ローラ23a、23b、23c、23dには、メッシュ状巻回ベルト24が、図8、9に図示したような略台形状の移動軌跡上を回転動作可能に巻回されている。図10に示すように、軸体62cの一方の側には、メッシュコンベア用駆動モータ25が設けられ、軸体62cを回転駆動している。すなわち、巻回ベルト用駆動モータ25が軸体62cを回転駆動すると、メッシュ状巻回ベルト24は、支持ローラ23a、23b、23c、23dに支持されて回転する。
【0034】
メッシュコンベア22は、支持ローラ23a〜23d、支持ローラ23a〜23d間に巻回されているメッシュ状巻回ベルト24、メッシュコンベア用駆動モータ25等から構成されている。
メッシュ状巻回ベルト24には、ガイド部24aが形成されており、支持ローラ23a、23b、23c、23dに形成されたガイド溝部に係合している。メッシュ状巻回ベルト24は、ガイド部24aが支持ローラのガイド溝部に係合して回転することにより、蛇行などしないようになっている。メッシュ状巻回ベルト24は、所定の幅、長さを有する無端ベルトである。
【0035】
メッシュ状巻回ベルト24は、所定の大きさ(例えば、10〜1mm)の孔(例えば、丸孔、角孔、長孔、亀甲孔)が複数形成された薄板状のベルト、所定の網目(例えば、長目20〜1*短目3〜1mm)に形成された長目状のメッシュベルト等であってもよく、要するに、支持ローラ間を巻回できるとともに、そのベルト面の孔、網目等を介して空気の流通がたいへんよいものであればよい。メッシュ状巻回ベルトは、薄板金属、合成樹脂などで製作されているとよい。
【0036】
メッシュ状巻回ベルト24は、原料が傾斜スクリーン12上を移動していく方向を横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を、支持ローラ23a、23b、23c、23dに支持されて巻回運動する。また、メッシュ状巻回ベルト24は、少なくともシュート部材70の上部を移動するベルト面が、シュート部材70の面に対して、所定の間隔を有するとともに、平行または略平行に移動するように設けられて巻回する。
【0037】
吸引枠体21の吸引口21a側には、メッシュ状巻回ベルト24が吸引する風力によって、内側に変形しない(引き込まれない)ように、複数(この形態2では、吸引枠体21の両側と中央に各々5個)のガイドローラ64、64・・が設けられている。このガイドローラ64は、いわゆるカムフォロワ(ローラフォロワ)などと呼ばれているものが使用できる。ガイドローラ64は、軸部が吸引枠体21に形成された穴部を挿通し、ナット64aで吸引枠体21に固定されている。吸引枠体21には、ロールブラシ状の軽材料分離部材63が設けられている。すなわち、軽材料分離部材63のブラシの先端が、メッシュ状巻回ベルト24の網目内に入って、メッシュ状巻回ベルト24と吸引された所定の大きさ以上であって軽量の材料との分離を図ることができる。
【0038】
また、メッシュ状巻回ベルト24には、長手方向の所定の間隔毎に、横桟部24bが設けられている。この横桟部24bは、長く薄い原料がメッシュ状巻回ベルト24に吸着されてしまうのを防止したり、吸引力が低下する位置またはなくなる位置で、吸引した所定の大きさ以上であって軽量の材料が自重で落下するのを容易にするためのものである。なお、メッシュ状巻回ベルトは、横桟部が設けられていないものであってもよい。
【0039】
吸引本体21の吸引ダクト接続口21bには、吸引ダクト83の一方の接続口が接続されている。吸引ダクト83の他方の接続口と、送風機84の吸込口との間には、軸流サイクロン式集塵装置90が設けられている。軸流サイクロン式集塵装置90は、吸引選別手段20において原料を吸引選別しているとき、メッシュ状巻回ベルト24に形成された孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃(以下、塵埃と記載する)を含有している吸引用空気から、塵埃を分離するためのものである。なお、この形態の説明でいう「所定以上の質量を持った塵埃」とは、空気より質量が大きい塵埃のことである。また、この形態の説明でいう「塵埃」は、メッシュ状巻回ベルトの孔、網目を通過した粉塵、ゴミを含むものである。送風機84の吐出口には、排気口87が形成された排気ダクト86が接続されている。送風機84は、送風機支持台81に支持固定され、送風機用駆動モータ85に駆動されるファン等で送風動作を行う。
【0040】
送風機84は、操作盤が前面に設けられた選別装置用制御盤88で制御される。作業者は、この選別装置用制御盤88で、送風機用駆動モータ85の出力を調整し、送風機84が発生する風力の調整を行うことができる。例えば、選別される原料の種類、所定の大きさ以上であって軽量の材料として吸引される材料の種類等により、メッシュ状巻回ベルト24のベルト面を介して吸引する吸引力に相当する送風機84の風力調整を行うことができる。送風機84、吸引ダクト83、排気ダクト86、送風機用駆動モータ85等により送風手段80が構成されている。
【0041】
軸流サイクロン式集塵装置90には、筒状のサイクロン筒体90Aが設けられている。サイクロン筒体90Aは、吸引ダクト側サイクロン筒体92と、送風機側サイクロン筒体91とから構成され、両方の筒体はボルト・ナット等で一体に連結されている。吸引ダクト側サイクロン筒体92には、一方の側(流入部側)に、吸引ダクト83の他方の側に接続するための一方の接続部92aが設けられている。送風機側サイクロン筒体91には、他方の側(流出部側)に、送風機84の吸気部に接続するための他方の接続部91aが設けられている。吸引ダクト側サイクロン筒体92の内部空間であるサイクロン室91fの中央部には、流入部(一方の接続部92a)側から流出部(他方の接続部91a)側に、サイクロン筒体90Aの軸線方向と平行な方向に流れる空気の流れの向きを、サイクロン筒体90Aの内壁面(内壁面92b、内壁面91b)に向かう方向に変える第1案内部材94が設けられている。
【0042】
第1案内部材94は、内周部94eが形成されている内筒部94aと、内筒部94aの一方の側の外周に一端が固定され、他端側に開口部94dを形成するための円弧状板部94bと、円弧状板部の一方の端部に蓋をするための蓋板部94cとから形成されている。すなわち、吸引ダクト側サイクロン筒体92内を、図6における矢印Pで示す方向にサイクロン筒体90Aの中央部近傍を流れていく空気は、第1案内部材94によって、矢印P1方向、矢印P2方向と流れる向きを変え、開口部94dから矢印P3方向に流出する。すなわち、内壁面(内壁面92b、内壁面91b)に向かう方向(矢印P3方向)に強制的に流れを変えている。なお、円弧状板部94bで形成される開口部94dは、この形態では等角度に4個設けた例で説明を行っているが、1個以上設けられていればよく、吸引用空気の流量、内筒部94aの断面積、開口部94dの断面積等の関係から適宜選定されるとよい。また、内筒部94eの断面積は、サイクロン筒体90Aの断面積の5〜3.5%の範囲内になっているとよい。
【0043】
吸引ダクト側サイクロン筒体92と第1案内部材94の内筒部94aの外周面との間には、サイクロン筒体90Aの中心軸線に対して所定角度〔図6のα度(例えば、45度)〕傾斜しているとともに、所定の角度(例えば、30度)毎に設けられた複数枚(例えば、12枚)の案内羽根93aを有する第2案内部材93が設けられている。案内羽根93aは、吸引ダクト側サイクロン筒体92の内周面92bと、第1案内部材94の内筒部94aの外周面とに、各々、溶接等で固定されている。すなわち、吸引ダクト83側サイクロン筒体92内を、図6における矢印Qで示す方向にサイクロン筒体90Aの中央部近傍以外を流れていく空気(中央部近傍の空気以外の他の空気)は、案内羽根93a、案内羽根93aの間の空間を通過する。そして、この案内羽根93a間を通過するとき、案内羽根93aの傾斜によって、矢印Q1方向、矢印Q2方向、矢印Q3方向、矢印Q4方向へと流れの向きを変えて流れる。なお、案内羽根の傾斜角度は、45〜60度の範囲であればよく、案内羽根の枚数も10〜20枚の範囲にあればよい。この案内羽根の傾斜角度、枚数は、吸引用空気の流量、サイクロン筒体の断面積等の関係から適宜選択されるとよい。
【0044】
第1案内部材94、第2案内部材93によって流れの向きが変えられた空気は、サイクロン筒体90Aの内壁面(内壁面92b、内壁面91b)に沿って旋回するとともに、一方の接続部92a側から他方の接続部91a側に流れる螺旋状の流れ(矢印Q5)となる。言い換えると、サイクロン室91f内を流れる空気は、サイクロン室91f内を旋回運動しながら、一方の側(吸引ダクト83側)から他方の側(送風機84側)に流れる。このとき、空気より質量が大きい塵埃等は、遠心力の作用でサイクロン筒体90Aの内壁面(内壁面92b、内壁面91b)に衝突し、内壁面92b、内壁面91bとの摩擦で速度が低下し、送風機側サイクロン筒体91の他方の側近傍の下方に位置している塵埃排出部90Bに遠心力、及び、重力により落下する。送風機側サイクロン筒体91の他方の側には、分離用内筒部91c、端面板部91dが設けられている。吸引ダクト83側から流入してくる空気に含まれている塵埃の量が多い場合、他方の側に旋回流として流れてきた空気に塵埃が少量含まれている可能性があるが、残りの塵埃が端面板部91dに衝突し、摩擦により速度が低下した塵埃は重力により塵埃排出部90Bに矢印R2方向に落下する。塵埃が分離され清浄になった空気は、矢印Q6、Q7方向に流れ、他方の接続部91aの内周側を矢印R1方向に流れていく。
【0045】
空気より分離された塵埃等は、塵埃排出部90Bの排出用ホッパー部91eに落下する。排出用ホッパー部91eの下部には、ロータリーバルブ98が設けられており、吸引用空気から分離・除去され排出用ホッパー部91eに堆積した塵埃は、ロータリーバルブ98の回転運動により軸流サイクロン式集塵装置90の外部に排出される。ロータリーバルブ98は、複数枚(例えば、8枚)の羽根98cを所定の角度毎に放射状設けられたロータ98bを、ロータリーバルブ本体98aの水平円筒98d内で回転させることで、羽根98cによって区切られた部屋である羽根空間部98eに、上方から塵埃を受け入れ、かつ、下方から外部に排出するものである(図8参照)。言い換えると、羽根空間部98eは、回転運動をしているとき、排出用ホッパー部91e側に位置したとき塵埃を受け入れ、排出用ホッパー部91eの反対側に位置したときロータリーバルブ98の下方から外部に塵埃を排出するものである。
【0046】
この形態では、ロータ98bを駆動用モータ(図示せず)で回転させている。また、羽根98cとロータリーバルブ本体98aとは、気密性が保つようになっているため、塵埃を軸流サイクロン式集塵装置90の外部へ排出する機能と、サイクロン室91f内の密閉性を維持する機能の両立が図れるようになっている。すなわち、塵埃排出部90B側からサイクロン室91f内に空気を吸い込まないようになっている。
なお、この形態1では、塵埃排出部の下方にロータリーバルブを設けた例で説明を行っているが、サイクロン室の密閉を維持しながら塵埃の回収を行うために密閉された回収容器(例えば、密閉されたバケツ)を設けた構成のものであってもよい。
【0047】
次に、吸引風力式選別装置1の作用について、説明を行う。
原料Gは、図示しないベルトコンベア等によって、図1に示した矢印で示すように、ふるい枠体11の上方の後方側からふるい枠体11内に投入される。投入された原料Gは、ふるい枠体11内でふるわれ、傾斜スクリーン12のメッシュより小さい原料がベルトコンベア60上に落下する。この落下した原料は、ベルトコンベア60によって、吸引風力式選別装置1の後方に搬送される。
【0048】
ふるい枠体11内でふるわれ、傾斜スクリーン12より落下しない原料は、所定の大きさ以上の原料であり、傾斜スクリーン12の振動及び傾斜に沿って、シュート部材70上に移動する。シュート部材70は、傾斜スクリーン12より傾斜が緩やかになっているので、所定の大きさ以上の原料は、しばらく、滞留状態または滞留に近い状態のようになる。すなわち、後からシュート部材70上に移動してくる原料に押されるように、少しずつ、移動する。
【0049】
シュート部材70の上方には、吸引選別手段20が設けられている。吸引選別手段20は、送風機84の作用により、シュート部材70の下方、シュート部材70近傍の空気が、吸引枠体21の吸引口21aから、吸引ダクト83等を介して吸引されている。吸引された空気は軸流サイクロン集塵装置90内に流入し、軸流サイクロン集塵装置90で空気と空気に含まれている塵埃とが分離され、清浄になった空気が排気ダクト86の排気口87より排気される。すなわち、空気の流通がたいへんよい形状に形成されているシュート部材70、メッシュ状巻回ベルト24を介して、吸引口21aからシュート部材70の下方または近傍の空気が吸引されている。従って、この吸引力で、シュート部材70上の所定の大きさ以上であって軽量の材料がメッシュ状巻回ベルト24に吸引され、メッシュ状巻回ベルト24の巻回運動によって、D1方向に移動する。メッシュ状巻回ベルト24の孔、網目等を通過した塵埃を含む吸引用空気は、軸流サイクロン式集塵装置90内で塵埃と清浄な空気とに分離され、塵埃は軸流サイクロン式集塵装置90の塵埃排出部90Bから軸流サイクロン式集塵装置90の外部に排出される。言い換えると、送風機84は、清浄になった空気を吸気して排気口87から排気する。
【0050】
このとき、シュート部材70上の原料は、遅い速度で少しずつ移動しているので、長い時間、シュート部材70の下方または近傍の空気が吸引口21aから吸引される状態の中におかれていることになる。また、シュート部材70は、ふるい枠体11と一体に振動しているので、シュート部材70上の原料も振動している。すなわち、メッシュ状巻回ベルト24は、軽量の材料を確実に吸引して巻回することができる。
【0051】
メッシュ状巻回ベルト24は、吸引口21aと対向している位置をはずれると吸引力がなくなるので、所定の大きさ以上であって軽量の材料は自重によりメッシュ状巻回ベルト24から離れ落下する。落下した所定の大きさ以上であって軽量の材料は、搬出シュート75を介して、側方の一方の側(図3の左側)に設けられた回収箱76内に、所定の大きさ以上であって軽量の材料MBとして選別回収される。このとき、吸引口21aには三角状吸引口21dが形成されており、徐々に吸引力が小さくなるようになっているので、メッシュ状巻回ベルト24と所定の大きさ以上であって軽量の材料との分離が容易となる。また、メッシュ状巻回ベルト24に形成された横桟部24b、吸引枠体21に設けられた軽材料分離部材63も、メッシュ状巻回ベルト24と所定の大きさ以上であって軽量の材料との分離を補助し、分離をさらに容易にする作用をする。
【0052】
シュート部材70上にあって、吸引選別手段20によって、吸引されない材料は、後からくる原料の重さ、付与された振動等により押し出されるようにシュート部材70上を移動し、シュート部材70の前端側から排出されてベルトコンベア60のベルト60a上に落下し、吸引風力式選別装置1の後方側に、所定の大きさ以上であって重量が重い材料として搬送される。
【0053】
メッシュ状巻回ベルト24の孔、網目を通過した塵埃は、吸引用空気とともに吸引ダクト83を介して軸流サイクロン式集塵装置90に流入する。塵埃を含む吸引用空気は、軸流サイクロン式集塵装置90において、塵埃と清浄な空気とに分離される。清浄な空気は、送風機84に流入する。塵埃は、塵埃排出部90B、ロータリーバルブ98を介して軸流サイクロン式集塵装置90の外部に排出される。
【0054】
〔実施の形態2〕
図9に基づいて、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態2の説明を行う。図9は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態2を部分的に示す正面図である。なお、この実施の形態2の説明では、実施の形態1と同一のものに、同一の符号を付与して詳細な説明を省略している。
【0055】
この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置101では、ベルトコンベア160が、軸流サイクロン式集塵装置90の塵埃排出部90Bの下方まで延在するように構成している。軸流サイクロン式集塵装置90は、本体50、支持部材99で支持されている。そして、軸流サイクロン式集塵装置90で、塵埃(メッシュ状巻回ベルト24の孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃)と清浄な空気との分離が行われる。この分離により、塵埃は、ベルトコンベア160のベルト160a上に落下し、傾斜スクリーン12等から落下した材料(所定の大きさ以下の材料、所定の大きさ以上であって重量が重い材料)とともに、吸引風力式選別装置101の後方側に搬送するようにしている。また、この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置101の塵埃排出部90Bにはロータリーバルブ98が設けられている。
【0056】
この形態2は、複数の材料が含まれた原料から、所定の大きさ以上であって軽量の材料(例えば、木片、プラスチック、紙等)をゴミとして選別すればよい簡素な機能の選別装置に好適な構成とすることができる。ゴミが取り除かれた複数の材料が含まれた原料は、ベルトコンベア160等で搬送された場所等で、他の処理(例えば、破砕処理、分級処理など)が施され、リサイクル可能な原料となる。また、塵埃の排出処理に関する作業を行う必要がないためメンテナンスフリーとすることができる。
【0057】
〔実施の形態3〕
図10に基づいて、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態3の説明を行う。図10は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態3を部分的に示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。なお、この実施の形態3の説明では、実施の形態1と同一のものに、同一の符号を付与して詳細な説明を省略している。
【0058】
この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置201は、送風機84の排気口側に、軸流サイクロン式集塵装置190を設けた形態のものである。この軸流サイクロン式集塵装置190は、サイクロン筒体190Aの軸線が鉛直方向または略鉛直方向に向くように設けられている。サイクロン筒体190Aは、前述したサイクロン筒体90Aとほぼ同一の構成のものであり、サイクロン室内に第1案内部材93、第2案内部材94が設けられている。サイクロン筒体190Aのサイクロン室内を流れる空気は、第1案内部材93、第2案内部材94により旋回流となり、この旋回流による遠心力の作用で、塵埃は空気から分離され、塵埃排出部190Bから排出される。塵埃排出部190Bには、塵埃を下方側に落下させるための排出用ホッパー191eが設けられている。清浄な空気は排気口87から排気される。塵埃排出部190Bの下方には、塵埃回収容器(図示せず)を設けてあり、塵埃は塵埃回収容器に回収される。このような構成にすることにより、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置201の小型化、省スペース化を更に図ることができる。
なお、この形態3では、塵埃排出部から直に塵埃を塵埃回収容器に回収するようになっているが、塵埃排出部に配管を設け、任意の位置まで塵埃を搬送するようにしてもよい。この場合に、塵埃は排気の力で圧送される。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明がこの実施の形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。例えば、シュート部材を不要な構成にして、吸引選別手段が傾斜スクリーンの他端側に設けられているものであってもよい。また、吸引選別手段は、スクリーン装置の上部でなく、コンベア装置等搬送装置の上部に設けられていてもよい。すなわち、複数の材料が含まれた原料は、コンベア装置の一方の側から供給され、他方の側に搬送される。そして、複数の材料が含まれた原料がコンベア装置の他方の側に位置したとき、吸引選別手段による選別が行われる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1、101、201 … 集塵機能を備えた吸引風力式選別装置
10 … 振動ふるい選別手段
11 … ふるい枠体
12 … 傾斜スクリーン
20 … 吸引選別手段
21 … 吸引枠体
22 … メッシュコンベア
24 … メッシュ状巻回ベルト
50 … 選別装置本体
60 … ベルトコンベア
70 … シュート部材
83 … 吸引ダクト
84 … 送風機
86 … 排気ダクト
90、190… 軸流サイクロン式集塵装置
93 … 第1案内部材
94 … 第2案内部材
98 … ロータリーバルブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築廃材、混合産業廃棄物等原料から、軽量な不純物、不要材料を選別してリサイクル可能な材料にするための吸引風力式選別装置に関する。さらに詳しくは、小型、かつ、簡素な構成で、軽量な不純物、不要材料を吸引風力で選別するとともに、空気とともに吸い込んだ所定の大きさ以下の軽量物を、排気する空気から除去することができる集塵機能を備えた吸引風力式選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート廃材、アスファルト廃材等の建築廃材は、建築工事、解体工事、土木工事などにおいて、建設副産物(建設廃棄物)として排出される。この建設副産物は、産業廃棄物として廃棄するのでなく有効利用することが求められている。すなわち、建築廃材は、ふるい装置により、所定の大きさ(例えば40mm)以上の物と所定の大きさ以下の物とに分ける粗ぶるいを行い、再生路盤材などとして再利用するとよい。しかし、建築廃材には、木くず、紙、プラスチックなどいろいろな物が混ざっており、そのままでは再利用することができない。
【0003】
言い換えると、所定の大きさ以下に分別された建築廃材は、例えば、再生路盤材などとして利用可能であるが、その建築廃材の中に木くず、紙、ビニール等プラスチックなどの不純物、不要材料、ゴミと呼ばれるものが多く混ざっていると、再生路盤材等に再利用することができない。そこで、建築廃材は、作業者による手選別で、木くず、紙、プラスチックなどを選別して取り除く作業が必要であった。
【0004】
しかしながら、手選別で、建築廃材、混合産業廃棄物から不純物、不要材料を取り除く作業はたいへんな作業である。また、混合産業廃棄物に含まれている小さい物(例えば、40mm以下のもの)は、手選別が容易でなく、埋め立て処理されてしまうことが多い。そのため、自動で選別することが可能な選別装置、選別方法、選別システムが、種々、提案されている。このような選別装置等について、特許文献を例にとって、さらに説明を行う。
【0005】
従来の建築廃材の処理システムとして、スクリーン及び振動付与機構を有する振動ふるい装置と、吸引ノズル、サイクロン及びファン装置を有する不純物除去装置と、吸引ノズル下方のスリット網に下方から風を送る第1の送風機構とを具備しているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の建築廃材の処理システムでは、建設廃材が、振動ふるい装置のスクリーンにおいてふるい分けられ、スクリーンをオーバーしたオーバー材はスリット網側へ送られ、比較的軽量な不純物が吸引ノズルにより吸引除去されている。
【0006】
また、空き缶や空き瓶等の固形ごみと収容袋等の可塑性ごみとが混在した混合ごみを落下させる落下シュートの途中に、収容袋等の可塑性ごみを空気の吸引力により網状コンベアベルトの表面に吸着させた状態で落下シュートとは別の箇所まで搬送する吸引選別手段を備え、吸引力を利用することにより空缶,空瓶以外のものを選別することができる風力選別装置に関する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。そして、この技術では、吸引選別手段に集塵器が備えられ、集塵器で集塵処理された空気が排出されている。
【0007】
一方、本出願人は、小型かつ簡素な構成で、複数の材料からなる原料から、大きさ別、重量別の材料に、確実に選別を行うことができる吸引風力式選別装置を提案している(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−117492号公報
【特許文献2】特許第3249415号公報
【特許文献3】特開2009−78265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、吸引ノズル、サイクロン、吸引用ファン装置、第1及び第2のダクトとから構成されている不純物除去装置を必要とするなど、設備が大型化し、設備費も高額なものとなり、メンテナンスも容易でないという問題点があった。また、圧力損失が伴う接線流入式のサイクロンの採用は、ファン装置の大型化を招き、この建築廃材の処理システムは広い設置面積を必要とするものとなるおそれがあった。
【0010】
また、特許文献2に記載された技術は、シュート側垂直面、下側水平面に亘る断面L字状の開口面を有する吸引シュートから自然落下する可塑性ごみを吸引するものであり、吸引に相当な風量を必要とするものである。集塵器について種類が特定されていないが、一般的なバグフィルタ方式の集塵機、接線流入式サイクロンとすれば、この風量に対応して設備が大型化し、広い設置面積を必要とし、設備費も高額なものになるおそれがあるという問題点があった。
特許文献3の技術は、吸引選別を行うための吸引用空気から塵埃を分離して排気できるように改良することが要望されている。
【0011】
本発明は、前記した問題点を解決するためになされたもので、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、小型かつ簡素な構成で、複数の材料からなる原料から、軽量の材料を吸引風力で選別するとともに、吸引選別する際、吸引用空気に含まれる塵埃を空気とともに外部に排気しないようにすることができる集塵機能を備えた吸引風力式選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、
複数の材料が含まれた原料が、所定の角度傾斜しているとともに振動が付与されている傾斜スクリーンの一方の側から供給され、前記傾斜スクリーンの他方の側、または、前記傾斜スクリーンの他方の側の先端に、前記所定の角度より緩い角度に設けられたシュート部材上に位置したとき、前記原料から軽量の材料を選別するための吸引風力式選別装置であって、前記軽量な材料を吸引するための吸引用空気を生成するための送風機と、前記傾斜スクリーンの他方の側の上方に、前記原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であるとともに所定の幅を有する無端ベルトであって、前記横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を移動可能に、前記巻回運動軌跡の前記傾斜スクリーン側の面が、前記傾斜スクリーンに対して所定の間隔を有するとともに平行または略平行になるように設けられ、所定の大きさ以上であって軽量の材料を、前記吸引用空気により前記面に吸引させて前記横切る方向に回収するための巻回ベルトと、前記巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させるための巻回駆動機構と、前記巻回ベルトの中間に、前記傾斜スクリーン側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクトと、前記送風機の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、前記巻回ベルトを通過して前記吸引ダクトに流入した前記吸引用空気から前記所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵するための軸流式サイクロン集塵装置とを備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明2の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明1において、
前記傾斜スクリーンは、所定の大きさのふるい目を有するものであり、前記原料が前記傾斜スクリーンの一方の側から他方の側に移動している間に、所定の大きさ以下の材料を、前記ふるい目を介して前記傾斜スクリーンの下方側に落下させて選別するものであることを特徴とする。
【0014】
本発明3の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、
複数の材料が含まれた原料が、搬送装置の一方の側から供給され、前記搬送装置の他方の側に位置したとき、前記原料から軽量の材料を選別するための吸引風力式選別装置であって、前記軽量な材料を吸引するための吸引用空気を生成するための送風機と、前記搬送装置の他方の側の上方に、前記原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であるとともに所定の幅を有する無端ベルトであって、前記横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を移動可能に、前記巻回運動軌跡の前記搬送装置側の面が、前記搬送装置に対して所定の間隔を有するとともに平行または略平行になるように設けられ、所定の大きさ以上であって軽量の材料を、前記吸引用空気により前記面に吸引させて前記横切る方向に回収するための巻回ベルトと、前記巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させるための巻回駆動機構と、前記巻回ベルトの中間に、前記搬送装置側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクトと、前記送風機の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、前記巻回ベルトを通過して前記吸引ダクトに流入した前記吸引用空気から前記所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵するための軸流式サイクロン集塵装置とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明4の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明1から3において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、一方の端部側の流入部と、他方の端部側の流出部と、前記流出部近傍の外周に設けられた塵埃排出部とを有し、筒状に形成されたサイクロン筒体と、前記サイクロン筒体のサイクロン室の中央部に設けられ、前記流入部から流入し、前記サイクロン筒体の軸線方向と平行に流れていく前記中央部近傍の空気の流れを、前記中央部側から前記サイクロン筒体の内壁面側に向かう方向に変える第1案内部材と、前記サイクロン筒体と前記第1案内部材との間に、所定角度傾斜するとともに、所定の角度毎に、複数枚、設けられた案内羽根からなり、前記流入部から流入し、前記サイクロン筒体の軸線方向と平行に流れていく前記中央部近傍の空気以外の他の空気の流れを、前記案内羽根の傾斜により、前記サイクロン室内を螺旋状に、前記流入側から前記流出側に流れる旋回流に変える第2案内部材とを有していることを特徴とする。
【0016】
本発明5の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明4において、
前記塵埃排出部には、所定の角度毎に、放射状に設けられた複数の羽根を有するロータを回転させることで、前記羽根間の空間に落下した前記塵埃を外部に排出するためのロータリーバルブが設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明6の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明5において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、前記吸引ダクトの他方の側と前記送風機の吸込口との間に設けられており、前記傾斜スクリーンまたは前記搬送装置の下方には、前記傾斜スクリーンまたは前記搬送装置の下方に位置するとともに、他方の側が前記ロータリーバルブの下方位置まで延在するように設けられ、前記ロータリーバルブから排出されベルト上に載った前記塵埃を前記他方の側から前記一方の側に移動させるためのベルトコンベアを有していることを特徴とする。
【0018】
本発明7の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、本発明1から6において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、前記吸引ダクトの他方の側と前記送風機の吸気口との間に直結するように設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、本発明の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、軸流サイクロン式集塵装置で、巻回ベルトの孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を含む空気から、所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃と清浄な空気との分離を行って、清浄な空気を吸引風力式選別装置の外部に排気するため、吸引風力式選別装置の設置場所の周辺環境を悪化させることがない。また、軸流サイクロン式集塵装置を、吸引風力式選別装置に一体に直結する構成にしており、吸引風力式選別装置を大型化させることがない。また、この軸流サイクロン式集塵装置は、他の集塵装置に比べ、構成が簡素で小型化することができ、かつ、安価に製造できるという経済的効果も有する。さらに、軸流サイクロン式集塵装置を採用することで、集塵性能を高くすることと圧力損失を少なくすることの両立が図れ、送風機等を小型化することができ、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の小型化、省スペース化を図ることができる。
【0020】
また、この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置では、原料から、軽量な材料(所定の大きさ以上であって軽量の材料、及び、巻回ベルトの孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃)を分離することができ、リサイクル可能な材料のみを、容易に、選別、回収することができる。
さらに、この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置は、送風機の吸気口側に設けられる場合、軸流サイクロン式集塵装置の塵埃排出部にロータリーバルブを設けることによって、巻回ベルトの孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を排出する機能と、軸流サイクロン式集塵装置のサイクロン室の密閉状態の維持を行う機能の両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態1を示す正面図である。
【図2】図2は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置のの実施の形態1を示す側面図である。
【図3】図3は、図1をX−X線で切断した断面図である。
【図4】図4は、図1をY−Y線で切断した断面図である。
【図5】図5は、図3をZーZ線で切断した断面図である。
【図6】図6は、軸流サイクロン式集塵装置を示す断面図である。
【図7】図7は、図6をUーU線で切断した断面図である。
【図8】図8は、ロータリーバルブを一部断面にして模式的に示した正面図である。
【図9】図9は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態2を部分的に示す正面図である。
【図10】図10は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態3を部分的に示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置について、図面に基づいて、その実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態1を示す正面図、図2は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の側面図、図3は、図1をX−X線で切断した断面図、図4は、図1をY−Y線で切断した断面図、図5は、図3をZーZ線で切断した断面図である。図6は、軸流サイクロン式集塵装置を一部断面にして示す正面図、図7は、図6をUーU線で切断した断面図である。図8は、ロータリーバルブを一部断面にして模式的に示した正面図である。
【0023】
〔実施の形態1〕
図1に示すように、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置(以下、吸引風力式選別装置と記載する。)1は、選別装置本体(以下、本体と記載する)50、振動ふるい選別手段10、吸引選別手段20、軸流サイクロン式集塵装置90等から構成されている。振動ふるい選別手段10は、本体50の上部に設けられ、ふるい枠体11、傾斜スクリーン12(図5参照)、加振装置13、弾性支持体16等から構成されている。ふるい枠体11は、本体50に対して弾性支持体16を介して弾性支持されている。弾性支持体16は、ばね部材、ゴム弾性体等を介して、ふるい枠体11を弾性支持するものである。ふるい枠体11には、加振装置13が設けられている。加振装置13は、加振モータ14が回転するとベルトを介して回転し、ふるい枠体11を振動させるものである。
【0024】
ふるい枠体11の内部には、所定の大きさ(例えば40mm)のメッシュ(ふるい目)を有する傾斜スクリーン12が設けられている。傾斜スクリーン12は、後方側(一方の側)が高く、前方(シュート部材70)側(他方の側)が低くなるような所定の角度(第1の角度)の傾斜をしている。傾斜スクリーン12に供給された原料Gは、この傾斜と、傾斜スクリーン12に付与される振動とによって、後方側(一方の側)より前方側(他方の側)に移動する。この傾斜スクリーン12は、原料Gを一方の側から他方の側に搬送する機能を備えた搬送装置でもある。
【0025】
投入された原料は、振動ふるい選別手段10でふるわれ、所定の大きさ以下の原料は、傾斜スクリーン12のメッシュを介して落下し選別される。落下したものは、ベルトコンベア60のベルトの矢印P方向への移動によって、吸引風力式選別装置1の後方側の選別収集位置に収集される。
【0026】
傾斜スクリーン12の前端側には、振動ふるい選別手段10でふるわれて落下しなかった原料、言い換えると所定の大きさ以上の原料が移動してくるシュート部材70が設けられている。シュート部材70は、ふるい枠体11の前端部に固定され、底面部70aと側面部70bとから形成されている。底面部70aは、網目状、長目状、格子状、くし状等に穴、溝等が形成され、空気の流通がたいへんよい形状の部材になっている。このシュート部材70は、傾斜スクリーン12が傾斜している第1の角度より小さい第2の角度に傾斜している。すなわち、シュート部材70は、水平面に対して、ほぼ水平または緩い傾斜になっている。シュート部材70が傾斜している第2の角度は、例えば、0〜5度の傾斜であるとよい。言い換えると、シュート部材70が傾斜している第2の角度は、傾斜スクリーン12が傾斜している第1の角度に比べ、大幅に小さな角度となっている。
【0027】
すなわち、投入され、ふるわれた原料は、この緩い傾斜面である底面部70a上を移動することにより、一時滞留したり、大幅に遅い速度で移動することになる。言い換えると、後から移動してくる原料に押される力と付与される振動によって、シュート部材70の前方側に押されるように移動する。
なお、シュート部材70は、ふるい枠体11に対して取付角度の調整が可能になっているとよい。例えば、図5の実線で示したシュート部材と、二点鎖線で示したシュート部材の間で取付角度の調整が行えるようになっているとよい。
【0028】
シュート部材70上の所定の大きさ以上の原料は、吸引選別手段20によって、吸引されて移動される所定の大きさ以上であって軽量の材料(所定の大きさ以上であって重量が軽い材料)と、吸引されない所定の大きさ以上で重量が重い材料に吸引選別される。吸引されない所定の大きさ以上で重量が重い材料は、シュート部材70上を押し出されるように移動し、前端側から排出されベルトコンベア60上に落下する。吸引風力式選別装置1の後方側の選別収集位置に収集される。
なお、シュート部材の下方に、前述したベルトコンベア60とは別に、他のベルトコンベアを設け、所定の大きさ以上であって重量が重い材料を、他のベルトコンベアで吸引風力式選別装置の側方の他方の側に回収する形態にしてもよい。この構成については、本出願人が特許文献3(明細書の段落番号0061、0077、図8等)で詳細に説明を行っているので、ここでは説明を省略する。
【0029】
所定の大きさ以上であって軽量の材料は、吸引選別手段20、搬出シュート75を介して、吸引風力式選別装置1の側方の一方の側(図3における左側)に、所定の大きさ以上であって軽量の材料MBとして選別回収される。
【0030】
吸引選別手段20について、図2〜4に従って、さらに説明を行う。
図2〜4に示すように、本体50には、支柱82、片持ちはり部材82aが設けられている。片持ちはり部材82aには、吸引選別手段20の吸引枠体21が吊設されている。すなわち、吸引枠体21の被取付部21cが吊り下げボルト51bで吊り下げられ、ナット51c等により片持ちはり部材82aに固定されている。吸引枠体21には、メッシュコンベア22が支持されている。
【0031】
シュート部材70の上方には、吸引選別手段20の吸引枠体21が設けられている。吸引枠体21は、略直方体状のものであり、下側が開口していて吸引口21aを形成している。吸引口21aの搬出シュート75側には、側面視、三角状の三角状吸引口21dが形成されている。この三角状吸引口21dは、吸引口21a側より、吸引する風力を除々に小さくするためのものであり、吸引した所定の大きさ以上であって軽量の材料が自重により落下することを補助するためのものである。また、吸引枠体20の一方の側面には、吸引ダクト83が接続される吸引ダクト接続口21bが形成されている。
【0032】
吸引枠体20の両方の側面には、各々、側面視、一対の取付部材65a、取付部材65bがボルト等締結手段で固定されている。取付部材65a、取付部材65bは、みぞ形鋼などであるとよい。
一対の取付部材65a、65aには軸受ユニット60a、60dが取り付けられている。一対の取付部材65b、65bには軸受ユニット60b、60cが取り付けられている。図5に示すように、軸受ユニット60c、60cは、支持ローラ23cが設けられている軸体62cの両端を回転可能に支持している。また、軸受ユニット60d、60dは、支持ローラ23dが設けられている軸体62dの両端を回転可能に支持している。同様に、軸受ユニット60a、60aは、支持ローラ23aが設けられている軸体62aの両端を回転可能に支持している。軸受ユニット60b、60bは、支持ローラ23bが設けられている軸体62bの両端を回転可能に支持している。
【0033】
支持ローラ23a、23b、23c、23dには、メッシュ状巻回ベルト24が、図8、9に図示したような略台形状の移動軌跡上を回転動作可能に巻回されている。図10に示すように、軸体62cの一方の側には、メッシュコンベア用駆動モータ25が設けられ、軸体62cを回転駆動している。すなわち、巻回ベルト用駆動モータ25が軸体62cを回転駆動すると、メッシュ状巻回ベルト24は、支持ローラ23a、23b、23c、23dに支持されて回転する。
【0034】
メッシュコンベア22は、支持ローラ23a〜23d、支持ローラ23a〜23d間に巻回されているメッシュ状巻回ベルト24、メッシュコンベア用駆動モータ25等から構成されている。
メッシュ状巻回ベルト24には、ガイド部24aが形成されており、支持ローラ23a、23b、23c、23dに形成されたガイド溝部に係合している。メッシュ状巻回ベルト24は、ガイド部24aが支持ローラのガイド溝部に係合して回転することにより、蛇行などしないようになっている。メッシュ状巻回ベルト24は、所定の幅、長さを有する無端ベルトである。
【0035】
メッシュ状巻回ベルト24は、所定の大きさ(例えば、10〜1mm)の孔(例えば、丸孔、角孔、長孔、亀甲孔)が複数形成された薄板状のベルト、所定の網目(例えば、長目20〜1*短目3〜1mm)に形成された長目状のメッシュベルト等であってもよく、要するに、支持ローラ間を巻回できるとともに、そのベルト面の孔、網目等を介して空気の流通がたいへんよいものであればよい。メッシュ状巻回ベルトは、薄板金属、合成樹脂などで製作されているとよい。
【0036】
メッシュ状巻回ベルト24は、原料が傾斜スクリーン12上を移動していく方向を横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を、支持ローラ23a、23b、23c、23dに支持されて巻回運動する。また、メッシュ状巻回ベルト24は、少なくともシュート部材70の上部を移動するベルト面が、シュート部材70の面に対して、所定の間隔を有するとともに、平行または略平行に移動するように設けられて巻回する。
【0037】
吸引枠体21の吸引口21a側には、メッシュ状巻回ベルト24が吸引する風力によって、内側に変形しない(引き込まれない)ように、複数(この形態2では、吸引枠体21の両側と中央に各々5個)のガイドローラ64、64・・が設けられている。このガイドローラ64は、いわゆるカムフォロワ(ローラフォロワ)などと呼ばれているものが使用できる。ガイドローラ64は、軸部が吸引枠体21に形成された穴部を挿通し、ナット64aで吸引枠体21に固定されている。吸引枠体21には、ロールブラシ状の軽材料分離部材63が設けられている。すなわち、軽材料分離部材63のブラシの先端が、メッシュ状巻回ベルト24の網目内に入って、メッシュ状巻回ベルト24と吸引された所定の大きさ以上であって軽量の材料との分離を図ることができる。
【0038】
また、メッシュ状巻回ベルト24には、長手方向の所定の間隔毎に、横桟部24bが設けられている。この横桟部24bは、長く薄い原料がメッシュ状巻回ベルト24に吸着されてしまうのを防止したり、吸引力が低下する位置またはなくなる位置で、吸引した所定の大きさ以上であって軽量の材料が自重で落下するのを容易にするためのものである。なお、メッシュ状巻回ベルトは、横桟部が設けられていないものであってもよい。
【0039】
吸引本体21の吸引ダクト接続口21bには、吸引ダクト83の一方の接続口が接続されている。吸引ダクト83の他方の接続口と、送風機84の吸込口との間には、軸流サイクロン式集塵装置90が設けられている。軸流サイクロン式集塵装置90は、吸引選別手段20において原料を吸引選別しているとき、メッシュ状巻回ベルト24に形成された孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃(以下、塵埃と記載する)を含有している吸引用空気から、塵埃を分離するためのものである。なお、この形態の説明でいう「所定以上の質量を持った塵埃」とは、空気より質量が大きい塵埃のことである。また、この形態の説明でいう「塵埃」は、メッシュ状巻回ベルトの孔、網目を通過した粉塵、ゴミを含むものである。送風機84の吐出口には、排気口87が形成された排気ダクト86が接続されている。送風機84は、送風機支持台81に支持固定され、送風機用駆動モータ85に駆動されるファン等で送風動作を行う。
【0040】
送風機84は、操作盤が前面に設けられた選別装置用制御盤88で制御される。作業者は、この選別装置用制御盤88で、送風機用駆動モータ85の出力を調整し、送風機84が発生する風力の調整を行うことができる。例えば、選別される原料の種類、所定の大きさ以上であって軽量の材料として吸引される材料の種類等により、メッシュ状巻回ベルト24のベルト面を介して吸引する吸引力に相当する送風機84の風力調整を行うことができる。送風機84、吸引ダクト83、排気ダクト86、送風機用駆動モータ85等により送風手段80が構成されている。
【0041】
軸流サイクロン式集塵装置90には、筒状のサイクロン筒体90Aが設けられている。サイクロン筒体90Aは、吸引ダクト側サイクロン筒体92と、送風機側サイクロン筒体91とから構成され、両方の筒体はボルト・ナット等で一体に連結されている。吸引ダクト側サイクロン筒体92には、一方の側(流入部側)に、吸引ダクト83の他方の側に接続するための一方の接続部92aが設けられている。送風機側サイクロン筒体91には、他方の側(流出部側)に、送風機84の吸気部に接続するための他方の接続部91aが設けられている。吸引ダクト側サイクロン筒体92の内部空間であるサイクロン室91fの中央部には、流入部(一方の接続部92a)側から流出部(他方の接続部91a)側に、サイクロン筒体90Aの軸線方向と平行な方向に流れる空気の流れの向きを、サイクロン筒体90Aの内壁面(内壁面92b、内壁面91b)に向かう方向に変える第1案内部材94が設けられている。
【0042】
第1案内部材94は、内周部94eが形成されている内筒部94aと、内筒部94aの一方の側の外周に一端が固定され、他端側に開口部94dを形成するための円弧状板部94bと、円弧状板部の一方の端部に蓋をするための蓋板部94cとから形成されている。すなわち、吸引ダクト側サイクロン筒体92内を、図6における矢印Pで示す方向にサイクロン筒体90Aの中央部近傍を流れていく空気は、第1案内部材94によって、矢印P1方向、矢印P2方向と流れる向きを変え、開口部94dから矢印P3方向に流出する。すなわち、内壁面(内壁面92b、内壁面91b)に向かう方向(矢印P3方向)に強制的に流れを変えている。なお、円弧状板部94bで形成される開口部94dは、この形態では等角度に4個設けた例で説明を行っているが、1個以上設けられていればよく、吸引用空気の流量、内筒部94aの断面積、開口部94dの断面積等の関係から適宜選定されるとよい。また、内筒部94eの断面積は、サイクロン筒体90Aの断面積の5〜3.5%の範囲内になっているとよい。
【0043】
吸引ダクト側サイクロン筒体92と第1案内部材94の内筒部94aの外周面との間には、サイクロン筒体90Aの中心軸線に対して所定角度〔図6のα度(例えば、45度)〕傾斜しているとともに、所定の角度(例えば、30度)毎に設けられた複数枚(例えば、12枚)の案内羽根93aを有する第2案内部材93が設けられている。案内羽根93aは、吸引ダクト側サイクロン筒体92の内周面92bと、第1案内部材94の内筒部94aの外周面とに、各々、溶接等で固定されている。すなわち、吸引ダクト83側サイクロン筒体92内を、図6における矢印Qで示す方向にサイクロン筒体90Aの中央部近傍以外を流れていく空気(中央部近傍の空気以外の他の空気)は、案内羽根93a、案内羽根93aの間の空間を通過する。そして、この案内羽根93a間を通過するとき、案内羽根93aの傾斜によって、矢印Q1方向、矢印Q2方向、矢印Q3方向、矢印Q4方向へと流れの向きを変えて流れる。なお、案内羽根の傾斜角度は、45〜60度の範囲であればよく、案内羽根の枚数も10〜20枚の範囲にあればよい。この案内羽根の傾斜角度、枚数は、吸引用空気の流量、サイクロン筒体の断面積等の関係から適宜選択されるとよい。
【0044】
第1案内部材94、第2案内部材93によって流れの向きが変えられた空気は、サイクロン筒体90Aの内壁面(内壁面92b、内壁面91b)に沿って旋回するとともに、一方の接続部92a側から他方の接続部91a側に流れる螺旋状の流れ(矢印Q5)となる。言い換えると、サイクロン室91f内を流れる空気は、サイクロン室91f内を旋回運動しながら、一方の側(吸引ダクト83側)から他方の側(送風機84側)に流れる。このとき、空気より質量が大きい塵埃等は、遠心力の作用でサイクロン筒体90Aの内壁面(内壁面92b、内壁面91b)に衝突し、内壁面92b、内壁面91bとの摩擦で速度が低下し、送風機側サイクロン筒体91の他方の側近傍の下方に位置している塵埃排出部90Bに遠心力、及び、重力により落下する。送風機側サイクロン筒体91の他方の側には、分離用内筒部91c、端面板部91dが設けられている。吸引ダクト83側から流入してくる空気に含まれている塵埃の量が多い場合、他方の側に旋回流として流れてきた空気に塵埃が少量含まれている可能性があるが、残りの塵埃が端面板部91dに衝突し、摩擦により速度が低下した塵埃は重力により塵埃排出部90Bに矢印R2方向に落下する。塵埃が分離され清浄になった空気は、矢印Q6、Q7方向に流れ、他方の接続部91aの内周側を矢印R1方向に流れていく。
【0045】
空気より分離された塵埃等は、塵埃排出部90Bの排出用ホッパー部91eに落下する。排出用ホッパー部91eの下部には、ロータリーバルブ98が設けられており、吸引用空気から分離・除去され排出用ホッパー部91eに堆積した塵埃は、ロータリーバルブ98の回転運動により軸流サイクロン式集塵装置90の外部に排出される。ロータリーバルブ98は、複数枚(例えば、8枚)の羽根98cを所定の角度毎に放射状設けられたロータ98bを、ロータリーバルブ本体98aの水平円筒98d内で回転させることで、羽根98cによって区切られた部屋である羽根空間部98eに、上方から塵埃を受け入れ、かつ、下方から外部に排出するものである(図8参照)。言い換えると、羽根空間部98eは、回転運動をしているとき、排出用ホッパー部91e側に位置したとき塵埃を受け入れ、排出用ホッパー部91eの反対側に位置したときロータリーバルブ98の下方から外部に塵埃を排出するものである。
【0046】
この形態では、ロータ98bを駆動用モータ(図示せず)で回転させている。また、羽根98cとロータリーバルブ本体98aとは、気密性が保つようになっているため、塵埃を軸流サイクロン式集塵装置90の外部へ排出する機能と、サイクロン室91f内の密閉性を維持する機能の両立が図れるようになっている。すなわち、塵埃排出部90B側からサイクロン室91f内に空気を吸い込まないようになっている。
なお、この形態1では、塵埃排出部の下方にロータリーバルブを設けた例で説明を行っているが、サイクロン室の密閉を維持しながら塵埃の回収を行うために密閉された回収容器(例えば、密閉されたバケツ)を設けた構成のものであってもよい。
【0047】
次に、吸引風力式選別装置1の作用について、説明を行う。
原料Gは、図示しないベルトコンベア等によって、図1に示した矢印で示すように、ふるい枠体11の上方の後方側からふるい枠体11内に投入される。投入された原料Gは、ふるい枠体11内でふるわれ、傾斜スクリーン12のメッシュより小さい原料がベルトコンベア60上に落下する。この落下した原料は、ベルトコンベア60によって、吸引風力式選別装置1の後方に搬送される。
【0048】
ふるい枠体11内でふるわれ、傾斜スクリーン12より落下しない原料は、所定の大きさ以上の原料であり、傾斜スクリーン12の振動及び傾斜に沿って、シュート部材70上に移動する。シュート部材70は、傾斜スクリーン12より傾斜が緩やかになっているので、所定の大きさ以上の原料は、しばらく、滞留状態または滞留に近い状態のようになる。すなわち、後からシュート部材70上に移動してくる原料に押されるように、少しずつ、移動する。
【0049】
シュート部材70の上方には、吸引選別手段20が設けられている。吸引選別手段20は、送風機84の作用により、シュート部材70の下方、シュート部材70近傍の空気が、吸引枠体21の吸引口21aから、吸引ダクト83等を介して吸引されている。吸引された空気は軸流サイクロン集塵装置90内に流入し、軸流サイクロン集塵装置90で空気と空気に含まれている塵埃とが分離され、清浄になった空気が排気ダクト86の排気口87より排気される。すなわち、空気の流通がたいへんよい形状に形成されているシュート部材70、メッシュ状巻回ベルト24を介して、吸引口21aからシュート部材70の下方または近傍の空気が吸引されている。従って、この吸引力で、シュート部材70上の所定の大きさ以上であって軽量の材料がメッシュ状巻回ベルト24に吸引され、メッシュ状巻回ベルト24の巻回運動によって、D1方向に移動する。メッシュ状巻回ベルト24の孔、網目等を通過した塵埃を含む吸引用空気は、軸流サイクロン式集塵装置90内で塵埃と清浄な空気とに分離され、塵埃は軸流サイクロン式集塵装置90の塵埃排出部90Bから軸流サイクロン式集塵装置90の外部に排出される。言い換えると、送風機84は、清浄になった空気を吸気して排気口87から排気する。
【0050】
このとき、シュート部材70上の原料は、遅い速度で少しずつ移動しているので、長い時間、シュート部材70の下方または近傍の空気が吸引口21aから吸引される状態の中におかれていることになる。また、シュート部材70は、ふるい枠体11と一体に振動しているので、シュート部材70上の原料も振動している。すなわち、メッシュ状巻回ベルト24は、軽量の材料を確実に吸引して巻回することができる。
【0051】
メッシュ状巻回ベルト24は、吸引口21aと対向している位置をはずれると吸引力がなくなるので、所定の大きさ以上であって軽量の材料は自重によりメッシュ状巻回ベルト24から離れ落下する。落下した所定の大きさ以上であって軽量の材料は、搬出シュート75を介して、側方の一方の側(図3の左側)に設けられた回収箱76内に、所定の大きさ以上であって軽量の材料MBとして選別回収される。このとき、吸引口21aには三角状吸引口21dが形成されており、徐々に吸引力が小さくなるようになっているので、メッシュ状巻回ベルト24と所定の大きさ以上であって軽量の材料との分離が容易となる。また、メッシュ状巻回ベルト24に形成された横桟部24b、吸引枠体21に設けられた軽材料分離部材63も、メッシュ状巻回ベルト24と所定の大きさ以上であって軽量の材料との分離を補助し、分離をさらに容易にする作用をする。
【0052】
シュート部材70上にあって、吸引選別手段20によって、吸引されない材料は、後からくる原料の重さ、付与された振動等により押し出されるようにシュート部材70上を移動し、シュート部材70の前端側から排出されてベルトコンベア60のベルト60a上に落下し、吸引風力式選別装置1の後方側に、所定の大きさ以上であって重量が重い材料として搬送される。
【0053】
メッシュ状巻回ベルト24の孔、網目を通過した塵埃は、吸引用空気とともに吸引ダクト83を介して軸流サイクロン式集塵装置90に流入する。塵埃を含む吸引用空気は、軸流サイクロン式集塵装置90において、塵埃と清浄な空気とに分離される。清浄な空気は、送風機84に流入する。塵埃は、塵埃排出部90B、ロータリーバルブ98を介して軸流サイクロン式集塵装置90の外部に排出される。
【0054】
〔実施の形態2〕
図9に基づいて、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態2の説明を行う。図9は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態2を部分的に示す正面図である。なお、この実施の形態2の説明では、実施の形態1と同一のものに、同一の符号を付与して詳細な説明を省略している。
【0055】
この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置101では、ベルトコンベア160が、軸流サイクロン式集塵装置90の塵埃排出部90Bの下方まで延在するように構成している。軸流サイクロン式集塵装置90は、本体50、支持部材99で支持されている。そして、軸流サイクロン式集塵装置90で、塵埃(メッシュ状巻回ベルト24の孔、網目等を通過した所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃)と清浄な空気との分離が行われる。この分離により、塵埃は、ベルトコンベア160のベルト160a上に落下し、傾斜スクリーン12等から落下した材料(所定の大きさ以下の材料、所定の大きさ以上であって重量が重い材料)とともに、吸引風力式選別装置101の後方側に搬送するようにしている。また、この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置101の塵埃排出部90Bにはロータリーバルブ98が設けられている。
【0056】
この形態2は、複数の材料が含まれた原料から、所定の大きさ以上であって軽量の材料(例えば、木片、プラスチック、紙等)をゴミとして選別すればよい簡素な機能の選別装置に好適な構成とすることができる。ゴミが取り除かれた複数の材料が含まれた原料は、ベルトコンベア160等で搬送された場所等で、他の処理(例えば、破砕処理、分級処理など)が施され、リサイクル可能な原料となる。また、塵埃の排出処理に関する作業を行う必要がないためメンテナンスフリーとすることができる。
【0057】
〔実施の形態3〕
図10に基づいて、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態3の説明を行う。図10は、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置の実施の形態3を部分的に示す図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。なお、この実施の形態3の説明では、実施の形態1と同一のものに、同一の符号を付与して詳細な説明を省略している。
【0058】
この集塵機能を備えた吸引風力式選別装置201は、送風機84の排気口側に、軸流サイクロン式集塵装置190を設けた形態のものである。この軸流サイクロン式集塵装置190は、サイクロン筒体190Aの軸線が鉛直方向または略鉛直方向に向くように設けられている。サイクロン筒体190Aは、前述したサイクロン筒体90Aとほぼ同一の構成のものであり、サイクロン室内に第1案内部材93、第2案内部材94が設けられている。サイクロン筒体190Aのサイクロン室内を流れる空気は、第1案内部材93、第2案内部材94により旋回流となり、この旋回流による遠心力の作用で、塵埃は空気から分離され、塵埃排出部190Bから排出される。塵埃排出部190Bには、塵埃を下方側に落下させるための排出用ホッパー191eが設けられている。清浄な空気は排気口87から排気される。塵埃排出部190Bの下方には、塵埃回収容器(図示せず)を設けてあり、塵埃は塵埃回収容器に回収される。このような構成にすることにより、集塵機能を備えた吸引風力式選別装置201の小型化、省スペース化を更に図ることができる。
なお、この形態3では、塵埃排出部から直に塵埃を塵埃回収容器に回収するようになっているが、塵埃排出部に配管を設け、任意の位置まで塵埃を搬送するようにしてもよい。この場合に、塵埃は排気の力で圧送される。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明がこの実施の形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。例えば、シュート部材を不要な構成にして、吸引選別手段が傾斜スクリーンの他端側に設けられているものであってもよい。また、吸引選別手段は、スクリーン装置の上部でなく、コンベア装置等搬送装置の上部に設けられていてもよい。すなわち、複数の材料が含まれた原料は、コンベア装置の一方の側から供給され、他方の側に搬送される。そして、複数の材料が含まれた原料がコンベア装置の他方の側に位置したとき、吸引選別手段による選別が行われる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
1、101、201 … 集塵機能を備えた吸引風力式選別装置
10 … 振動ふるい選別手段
11 … ふるい枠体
12 … 傾斜スクリーン
20 … 吸引選別手段
21 … 吸引枠体
22 … メッシュコンベア
24 … メッシュ状巻回ベルト
50 … 選別装置本体
60 … ベルトコンベア
70 … シュート部材
83 … 吸引ダクト
84 … 送風機
86 … 排気ダクト
90、190… 軸流サイクロン式集塵装置
93 … 第1案内部材
94 … 第2案内部材
98 … ロータリーバルブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の材料が含まれた原料が、所定の角度傾斜しているとともに振動が付与されている傾斜スクリーンの一方の側から供給され、前記傾斜スクリーンの他方の側、または、前記傾斜スクリーンの他方の側の先端に、前記所定の角度より緩い角度に設けられたシュート部材上に位置したとき、前記原料から軽量の材料を選別するための吸引風力式選別装置であって、
前記軽量な材料を吸引するための吸引用空気を生成するための送風機と、
前記傾斜スクリーンの他方の側の上方に、前記原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であるとともに所定の幅を有する無端ベルトであって、前記横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を移動可能に、前記巻回運動軌跡の前記傾斜スクリーン側の面が、前記傾斜スクリーンに対して所定の間隔を有するとともに平行または略平行になるように設けられ、所定の大きさ以上であって軽量の材料を、前記吸引用空気により前記面に吸引させて前記横切る方向に回収するための巻回ベルトと、
前記巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させるための巻回駆動機構と、
前記巻回ベルトの中間に、前記傾斜スクリーン側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクトと、
前記送風機の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、前記巻回ベルトを通過して前記吸引ダクトに流入した前記吸引用空気から前記所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵するための軸流式サイクロン集塵装置とを備えている
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項2】
請求項1に記載された吸引風力式選別装置において、
前記傾斜スクリーンは、所定の大きさのふるい目を有するものであり、前記原料が前記傾斜スクリーンの一方の側から他方の側に移動している間に、所定の大きさ以下の材料を、前記ふるい目を介して前記傾斜スクリーンの下方側に落下させて選別するものである
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項3】
複数の材料が含まれた原料が、搬送装置の一方の側から供給され、前記搬送装置の他方の側に位置したとき、前記原料から軽量の材料を選別するための吸引風力式選別装置であって、
前記軽量な材料を吸引するための吸引用空気を生成するための送風機と、
前記搬送装置の他方の側の上方に、前記原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であるとともに所定の幅を有する無端ベルトであって、前記横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を移動可能に、前記巻回運動軌跡の前記搬送装置側の面が、前記搬送装置に対して所定の間隔を有するとともに平行または略平行になるように設けられ、所定の大きさ以上であって軽量の材料を、前記吸引用空気により前記面に吸引させて前記横切る方向に回収するための巻回ベルトと、
前記巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させるための巻回駆動機構と、
前記巻回ベルトの中間に、前記搬送装置側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクトと、
前記送風機の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、前記巻回ベルトを通過して前記吸引ダクトに流入した前記吸引用空気から前記所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵するための軸流式サイクロン集塵装置とを備えている
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された集塵機能を備えた吸引風力式選別装置において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、
一方の端部側の流入部と、他方の端部側の流出部と、前記流出部近傍の外周に設けられた塵埃排出部とを有し、筒状に形成されたサイクロン筒体と、
前記サイクロン筒体のサイクロン室の中央部に設けられ、前記流入部から流入し、前記サイクロン筒体の軸線方向と平行に流れていく前記中央部近傍の空気の流れを、前記中央部側から前記サイクロン筒体の内壁面側に向かう方向に変える第1案内部材と、
前記サイクロン筒体と前記第1案内部材との間に、所定角度傾斜するとともに、所定の角度毎に、複数枚、設けられた案内羽根からなり、前記流入部から流入し、前記サイクロン筒体の軸線方向と平行に流れていく前記中央部近傍の空気以外の他の空気の流れを、前記案内羽根の傾斜により、前記サイクロン室内を螺旋状に、前記流入側から前記流出側に流れる旋回流に変える第2案内部材とを有している
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項5】
請求項4に記載された集塵機能を備えた吸引風力式選別装置において、
前記塵埃排出部には、所定の角度毎に、放射状に設けられた複数の羽根を有するロータを回転させることで、前記羽根間の空間に落下した前記塵埃を外部に排出するためのロータリーバルブが設けられている
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項6】
請求項5に記載された集塵機能を備えた吸引風力式選別装置において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、前記吸引ダクトの他方の側と前記送風機の吸込口との間に設けられており、
前記傾斜スクリーンまたは前記搬送装置の下方には、前記傾斜スクリーンまたは前記搬送装置の下方に位置するとともに、他方の側が前記ロータリーバルブの下方位置まで延在するように設けられ、前記ロータリーバルブから排出されベルト上に載った前記塵埃を前記他方の側から前記一方の側に移動させるためのベルトコンベアを有している
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載された集塵機能を備えた吸引風力式選別装置において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、前記吸引ダクトの他方の側と前記送風機の吸気口との間に直結するように設けられている
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項1】
複数の材料が含まれた原料が、所定の角度傾斜しているとともに振動が付与されている傾斜スクリーンの一方の側から供給され、前記傾斜スクリーンの他方の側、または、前記傾斜スクリーンの他方の側の先端に、前記所定の角度より緩い角度に設けられたシュート部材上に位置したとき、前記原料から軽量の材料を選別するための吸引風力式選別装置であって、
前記軽量な材料を吸引するための吸引用空気を生成するための送風機と、
前記傾斜スクリーンの他方の側の上方に、前記原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であるとともに所定の幅を有する無端ベルトであって、前記横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を移動可能に、前記巻回運動軌跡の前記傾斜スクリーン側の面が、前記傾斜スクリーンに対して所定の間隔を有するとともに平行または略平行になるように設けられ、所定の大きさ以上であって軽量の材料を、前記吸引用空気により前記面に吸引させて前記横切る方向に回収するための巻回ベルトと、
前記巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させるための巻回駆動機構と、
前記巻回ベルトの中間に、前記傾斜スクリーン側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクトと、
前記送風機の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、前記巻回ベルトを通過して前記吸引ダクトに流入した前記吸引用空気から前記所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵するための軸流式サイクロン集塵装置とを備えている
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項2】
請求項1に記載された吸引風力式選別装置において、
前記傾斜スクリーンは、所定の大きさのふるい目を有するものであり、前記原料が前記傾斜スクリーンの一方の側から他方の側に移動している間に、所定の大きさ以下の材料を、前記ふるい目を介して前記傾斜スクリーンの下方側に落下させて選別するものである
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項3】
複数の材料が含まれた原料が、搬送装置の一方の側から供給され、前記搬送装置の他方の側に位置したとき、前記原料から軽量の材料を選別するための吸引風力式選別装置であって、
前記軽量な材料を吸引するための吸引用空気を生成するための送風機と、
前記搬送装置の他方の側の上方に、前記原料の移動方向を横切るように設けられ、空気の流通が可能であるとともに所定の幅を有する無端ベルトであって、前記横切る方向に延びた巻回運動軌跡上を移動可能に、前記巻回運動軌跡の前記搬送装置側の面が、前記搬送装置に対して所定の間隔を有するとともに平行または略平行になるように設けられ、所定の大きさ以上であって軽量の材料を、前記吸引用空気により前記面に吸引させて前記横切る方向に回収するための巻回ベルトと、
前記巻回ベルトを所定の方向に巻回運動させるための巻回駆動機構と、
前記巻回ベルトの中間に、前記搬送装置側を向いている吸引口が一方の側に設けられた吸引ダクトと、
前記送風機の吸込口、または、排気口に接続可能に設けられ、前記巻回ベルトを通過して前記吸引ダクトに流入した前記吸引用空気から前記所定の大きさ以下であって所定以上の質量を持った塵埃を遠心力で分離して集塵するための軸流式サイクロン集塵装置とを備えている
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された集塵機能を備えた吸引風力式選別装置において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、
一方の端部側の流入部と、他方の端部側の流出部と、前記流出部近傍の外周に設けられた塵埃排出部とを有し、筒状に形成されたサイクロン筒体と、
前記サイクロン筒体のサイクロン室の中央部に設けられ、前記流入部から流入し、前記サイクロン筒体の軸線方向と平行に流れていく前記中央部近傍の空気の流れを、前記中央部側から前記サイクロン筒体の内壁面側に向かう方向に変える第1案内部材と、
前記サイクロン筒体と前記第1案内部材との間に、所定角度傾斜するとともに、所定の角度毎に、複数枚、設けられた案内羽根からなり、前記流入部から流入し、前記サイクロン筒体の軸線方向と平行に流れていく前記中央部近傍の空気以外の他の空気の流れを、前記案内羽根の傾斜により、前記サイクロン室内を螺旋状に、前記流入側から前記流出側に流れる旋回流に変える第2案内部材とを有している
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項5】
請求項4に記載された集塵機能を備えた吸引風力式選別装置において、
前記塵埃排出部には、所定の角度毎に、放射状に設けられた複数の羽根を有するロータを回転させることで、前記羽根間の空間に落下した前記塵埃を外部に排出するためのロータリーバルブが設けられている
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項6】
請求項5に記載された集塵機能を備えた吸引風力式選別装置において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、前記吸引ダクトの他方の側と前記送風機の吸込口との間に設けられており、
前記傾斜スクリーンまたは前記搬送装置の下方には、前記傾斜スクリーンまたは前記搬送装置の下方に位置するとともに、他方の側が前記ロータリーバルブの下方位置まで延在するように設けられ、前記ロータリーバルブから排出されベルト上に載った前記塵埃を前記他方の側から前記一方の側に移動させるためのベルトコンベアを有している
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載された集塵機能を備えた吸引風力式選別装置において、
前記軸流式サイクロン集塵装置は、前記吸引ダクトの他方の側と前記送風機の吸気口との間に直結するように設けられている
ことを特徴とする集塵機能を備えた吸引風力式選別装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−239934(P2012−239934A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109282(P2011−109282)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000150291)株式会社中山鉄工所 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000150291)株式会社中山鉄工所 (35)
【Fターム(参考)】
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