説明

集積作業装置

【課題】腰を曲げ伸ばしせずに腰を曲げたままの姿勢で次々と被搬送物を搬送装置へと積み込むことができ、搬送装置により被搬送物を所望位置まで自動搬送することができ、また、作業者や装置の移動距離を少なくすることができる集積作業装置を提供する。
【解決手段】先端部に載置される被搬送物1を基端部へと搬送する搬送装置2の基端側に軸支取付部を設け、軸支取付部を基端側支持部4に設けた軸支部に旋回自在に軸支すると共に、搬送装置2の途中部を中間支持部6に移動自在に支持して、軸支取付部若しくは軸支部を支点に搬送装置2を中間支持部6に対して移動させながら水平旋回自在に構成し、搬送装置2を先端側から基端側に向かって登り傾斜状態に配設して、中間支持部6より搬送装置2の先端側を突出状態に配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ビニールハウスで育てた苗を、田植する田圃へ移送するための車両に積み込む作業に際して用いることができ、この作業を容易に行うことが可能となる集積作業装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
田植に際しては、先ず、ビニールハウスで育てた苗を、育苗箱ごと車両(例えば、軽トラック)に多数積み込んで田圃へと移送するが、現状、この育苗箱を車両へ積み込みする作業は、手作業で行われている。
【0003】
具体的には、ビニールハウス内の地面に多数並べて敷設されている育苗箱を、作業者が端から一枚ずつ腰を曲げて持ち上げた後、腰を伸ばして軽トラックまで歩いて行って積み込みするか又は積み込み作業者に手渡し、積み込みが終わったら又は積み込み作業者に手渡したら、育苗箱の存する位置まで歩いて戻り再び上記作業を行う。この作業をビニールハウス内の育苗箱がなくなるまで繰り返す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この育苗箱の車両への積み込み作業は、作業者が幾度となく腰の曲げ伸ばしを行うので、非常に辛い作業であった。
【0005】
出願人は、この作業の辛さを何とか軽減できないかと試行錯誤した末、腰を曲げたままの姿勢での作業はさほど辛くないことに注目し、例えば、腰を曲げたままの姿勢で次々と育苗箱(被搬送物)を搬送装置へと積み込むことができ、搬送装置により育苗箱を移送車両付近まで自動的に搬送することができ、しかも、搬送装置を広範囲に旋回移動可能とすると共に、搬送装置の先端側を突出状態に配設することで、作業者や装置の移動距離を少なくすることができる画期的な集積作業装置を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
次々と先端部に載置される被搬送物1を基端部へと搬送する搬送装置2の基端側に軸支取付部3を設け、この軸支取付部3を基端側支持部4に設けた軸支部5に旋回回動自在に軸支すると共に、この搬送装置2の途中部を中間支持部6に移動自在に支持して、前記搬送装置2の基端側に設けた軸支取付部3若しくは前記軸支部5を支点にこの搬送装置2を前記中間支持部6に対して移動させながら水平方向に旋回移動自在に構成し、この搬送装置2を先端側から基端側に向かって登り傾斜状態に配設して、前記中間支持部6より搬送装置2の先端側を突出状態に配設し且つこの搬送装置2の突出先端部が基端部に比して低くして基端部に比して接地面と近くなるように配設したことを特徴とする集積作業装置に係るものである。
【0008】
また、前記中間支持部6若しくは前記搬送装置2の途中部に、この中間支持部6に対する搬送装置2の旋回移動をガイドする旋回ガイド機構7を設けたことを特徴とする請求項1記載の集積作業装置に係るものである。
【0009】
また、前記旋回ガイド機構7は、前記搬送装置2の途中部に前記搬送装置2の旋回移動に伴って移動する旋回移動部8を設け、前記中間支持部6にこの旋回移動部8の旋回移動をガイドするガイド部9を設けた構成としたことを特徴とする請求項2記載の集積作業装置に係るものである。
【0010】
また、前記中間支持部6は、接地部10の上部に少なくとも左右方向に長さを有する支持上部11を設け、前記搬送装置2の途中部をこの支持上部11の長さ方向に移動自在に支持されるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の集積作業装置に係るものである。
【0011】
また、前記搬送装置2の基端部位置若しくは搬送装置2の基端部から搬送される位置に被搬送物1の受取部12を設定し、この受取部12に被搬送物1の有無を検知する受取部検知装置13を備え、この受取部12の被搬送物1が取り去られると前記受取部検知装置13により搬送駆動を再開し、次の被搬送物1がこの受取部12に搬送されると前記受取部検知装置13により搬送駆動を停止するように構成した搬送制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の集積作業装置に係るものである。
【0012】
また、前記搬送装置2の先端部位置若しくは搬送装置2の先端部に搬送し得る位置に被搬送物1を載置する載置部14を設定し、この載置部14に被搬送物1の有無を検知する載置部検知装置15を備え、この載置部14に被搬送物1が載置されると前記載置部検知装置15により搬送駆動を開始し、この搬送により載置部14に被搬送物1が無くなるか若しくは前記搬送開始から所定時間経過するかあるいは所定位置まで被搬送物1が搬送されると搬送駆動を停止するように構成した搬送制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の集積作業装置に係るものである。
【0013】
また、前記搬送装置2の先端部位置若しくは搬送装置2の先端部に搬送し得る位置に被搬送物1を載置する載置部14を設定し、この載置部14に被搬送物1の有無を検知する載置部検知装置15を備え、この載置部14に被搬送物1が載置されると前記載置部検知装置15により搬送駆動を開始し、この搬送により載置部14に被搬送物1が無くなるか若しくは前記搬送開始から所定時間経過するかあるいは所定位置まで被搬送物1が搬送されると搬送駆動を停止するように構成し、且つ前記搬送装置2の基端部位置若しくは搬送装置2の基端部から搬送される位置に被搬送物1の受取部12を設定し、この受取部12に被搬送物1の有無を検知する受取部検知装置13を備え、この受取部12の被搬送物1が取り去られると前記受取部検知装置13により搬送駆動を再開し、次の被搬送物1がこの受取部12に搬送されると前記受取部検知装置13により搬送駆動を停止するように構成し、この受取部12に被搬送物1が搬送されるとこの被搬送物1を取り去らない限り前記載置部14の被搬送物1の有無にかかわらず搬送駆動を停止させるように構成した搬送制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の集積作業装置に係るものである。
【0014】
また、前記搬送装置2の先端部から基端部への搬送方向を基端部から先端部へと逆方向に搬送可能となるように搬送方向を正逆切り替え自在に構成し、この搬送装置2の搬送方向を逆方向に切り替えた際、前記載置部14を逆転時受取部14とし、前記載置部検知装置15を逆転時受取部検知装置15として、この逆転時受取部14の被搬送物1が取り去られると前記逆転時受取部検知装置15により前記逆転駆動が再開し、次の被搬送物1がこの逆転時受取部14に搬送されると前記逆転時受取部検知装置15により前記逆転駆動が停止するように前記搬送制御部を構成したことを特徴とする請求項6,7のいずれか1項に記載の集積作業装置に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、接地面と近くなるように配設する搬送装置の突出先端部付近で、作業者が腰を曲げて屈んだ姿勢のまま被搬送物を次々と搬送装置先端側に載置することができるので、これまでのように腰の曲げ伸ばしを要する作業に比して著しく楽に作業を行うことができるし、この搬送装置に載置された被搬送物は、搬送装置基端側へと搬送されることになるので、一つ一つ被搬送物を目的の場所まで運んで何往復もせずとも良いこととなり、また、本装置自体を移動することなく、広範囲に搬送装置を向けて(旋回させて)沢山の育苗箱を搬送装置に載置することが可能であると共に、中間支持部より搬送装置の先端側が突出状態に配設していることで、例えば、搬送前の被搬送物に対して手前の位置でなく、被搬送物より奥側の位置にまで搬送装置の先端部を配設することが可能であるので、作業者が搬送装置の先端部の周囲でほとんど移動せずに多数の被搬送物を積み込みできる上、一度本装置の設置位置を決めたら、かなり奥側までの被搬送物も本装置の位置を動かさなくても腰をかがめたまま搬送することができるので、作業終了までの本装置の移動距離も少なくて済むことになるなど、極めて作業性に秀れ、実用性に秀れた画期的な集積作業装置となる。
【0016】
また、請求項2記載の発明においては、旋回ガイド機構により搬送装置をスムーズに且つ確実に旋回移動できるので、作業性が一層向上することになる極めて実用性に秀れた構成の集積作業装置となる。
【0017】
また、請求項3記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する旋回ガイド機構を、簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成の集積作業装置となる。
【0018】
また、請求項4記載の発明においては、搬送装置を旋回可能に支持する前記中間支持部の構成を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に秀れた構成の集積作業装置となる。
【0019】
また、請求項5記載の発明においては、受取部で被搬送物が受け取られない限りは、搬送駆動が再開されないため、受取部で被搬送物が受け取られておらないのに、次々と被搬送物が受取部へ搬送されるような誤作動を確実に防止できる一層実用性に秀れた構成の集積作業装置となる。
【0020】
また、請求項6記載の発明においては、搬送装置に被搬送物を一つずつ順次載置することができるので、搬送装置の載置スペースを有効に利用して効率良く被搬送物を搬送することができる一層実用性に秀れた構成の集積作業装置となる。
【0021】
また、請求項7記載の発明においては、搬送装置の載置スペースを有効に利用して効率良く被搬送物を搬送することができる上に、受取部で被搬送物が受け取られていないうちに次々と被搬送物が受取部へ搬送されるような誤作動を確実に防止できる極めて作業性に秀れ、実用性に秀れた構成の集積作業装置となる。
【0022】
また、請求項8記載の発明においては、搬送装置を逆転させて例えば逆に地面に被搬送物を並べることも容易にでき、この場合前記載置部を逆転時受取部とし、前記載置部検知装置を逆転時受取部検知装置とすることで、逆転時受取部で被搬送物が取り去られない限りは、逆転搬送駆動が再開されないため逆転時受取部で被搬送物が取り去られていないのに、次々と被搬送物が逆転時受取部へ搬送されるような誤作動を確実に防止できる一層実用性に秀れた構成の集積作業装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0024】
ビニールハウス22で育てた苗(育苗箱)を被搬送物1とし、この育苗箱1を田圃へ移送するための車両19に積み込む場合に基づいて説明する。
【0025】
例えば、ビニールハウス22内に搬送装置2の少なくとも先端部を配設し、搬送装置2基端側の軸支取付部3が軸支部5を介して軸支される基端側支持部4をビニールハウス22外に停車させてある移送車両19付近に配設する。
【0026】
すると、先端側から基端側に向かって登り傾斜する搬送装置2の突出先端部が、基端部に比して低く基端部に比して接地面と近くなるように配設される。
【0027】
この接地面に近く配設された搬送装置2の突出先端部付近で、作業者が腰を曲げて屈んだ姿勢のままビニールハウス22内の接地面に並べて敷設された育苗箱1を次々と搬送装置2先端側に載置することができ、この搬送装置2に載置された育苗箱1は、搬送装置2基端側(前記移送車両19付近)へと搬送されることになる。
【0028】
従って、作業者は、腰を曲げたままで連続的に育苗箱1を搬送装置2に載置する作業を行うことができるので、腰の曲げ伸ばしを要する作業に比してこの搬送装置2への積み込み作業を著しく楽に行うことができる。
【0029】
また、この際、中間支持部6より搬送装置2の先端側が突出状態に配設しているため、搬送装置2の先端部をビニールハウス22内に並べられた最も本装置側に位置している育苗箱1の手前の位置でなく、図1,図6に示すように、この端に位置する育苗箱1より奥側の位置にまで搬送装置2の先端部を配設することができる。そのため、搬送装置2の先端部を、端に位置する育苗箱1の手前の位置にしか配設できない構成であると、育苗箱1が積み込まれていくに従って育苗箱1と搬送装置2先端部との距離が拡大して積み込み時の作業者の移動距離が徐々に増えていくが、本発明によれば、搬送装置2の途中の周囲に育苗箱1が載置されている状態で積み込み作業を開始できるため、作業者は搬送装置2先端部の周囲でほとんど移動せずに多数の育苗箱1を積み込みできることになる。
【0030】
また、一度本装置の設置位置を決めたら、ビニールハウス22のかなり奥側までの育苗箱1までをも本装置の位置を動かさなくても作業を行うことができるし、本装置を更にビニールハウス22奥側へ動かす場合も、元々最初に配設した段階で、搬送装置2の先端部を奥側へ配設可能であるために、このように最初に奥側へ配設しておくことで、本装置の作業終了までに要するビニールハウス22奥側への移動距離が少なくて済むこととなる。
【0031】
しかも、搬送装置2の基端部に設けた軸支取付部3若しくは軸支部5を支点にしてこの搬送装置2を中間支持部6に対して移動させながら水平方向に旋回移動することができるので、本装置自体を移動することなく、広範囲に搬送装置2を向けて(旋回させて)沢山の育苗箱1を搬送装置2に載置することが可能である。
【0032】
また、例えば、前記中間支持部6若しくは前記搬送装置2の途中部に、この中間支持部6に対する搬送装置2の旋回移動をガイドする旋回ガイド機構7を設ければ、搬送装置2をスムーズに且つ確実に旋回移動できるので、作業性が一層向上する。
【0033】
また、例えば、前記搬送装置2の基端部位置若しくは搬送装置2の基端部から搬送される位置に被搬送物1の受取部12を設定し、この受取部12に被搬送物1の有無を検知する受取部検知装置13を備え、この受取部検知装置13により、受取部12の被搬送物1が取り去られたことが検知されると搬送駆動を再開し、次の被搬送物1がこの受取部12に搬送されたことが検知されると搬送駆動を停止するように構成した搬送制御部を備えれば、受取部12で被搬送物1(育苗箱1)が受け取られない限りは、搬送駆動が再開されないため、受取部12で被搬送物1が受け取られておらないのに、次々と被搬送物1が受取部12へ搬送されてしまうような誤作動を確実に防止できるので、一層実用的となる。
【0034】
また、例えば、前記搬送装置2の先端部位置若しくは搬送装置2の先端部に搬送し得る位置に被搬送物1を載置する載置部14を設定し、この載置部14に被搬送物1の有無を検知する載置部検知装置15を備え、この載置部検知装置15により、載置部14に被搬送物1が載置されたことが検知されると搬送駆動を開始し、この搬送により載置部14に被搬送物1が無くなるか若しくは前記搬送開始から所定時間経過するかあるいは所定位置まで被搬送物1が搬送されたことが検知されると搬送駆動を停止するように構成した搬送制御部を備えれば、搬送装置2に被搬送物1を一つずつ一定間隔で整然と並べて載置することができるので、搬送装置2の載置スペースを有効に利用して効率良く被搬送物1を搬送することができ、一層実用的となる。
【0035】
また、例えば、前記搬送装置2の先端部位置若しくは搬送装置2の先端部に搬送し得る位置に被搬送物1を載置する載置部14を設定し、この載置部14に被搬送物1の有無を検知する載置部検知装置15を備え、この載置部検知装置15により、載置部14に被搬送物1が載置されたことが検知されると搬送駆動を開始し、この搬送により載置部14に被搬送物1が無くなるか若しくは前記搬送開始から所定時間経過するかあるいは所定位置まで被搬送物1が搬送されたことが検知されると搬送駆動を停止するように構成し、且つ前記搬送装置2の基端部位置若しくは搬送装置2の基端部から搬送される位置に被搬送物1の受取部12を設定し、この受取部12に被搬送物1の有無を検知する受取部検知装置13を備え、この受取部検知装置13により、受取部12の被搬送物1が取り去られたことが検知されると搬送駆動を再開し、次の被搬送物1がこの受取部12に搬送されたことが検知されると搬送駆動を停止するように構成し、この受取部12に被搬送物1が搬送されるとこの被搬送物1を取り去らない限り前記載置部14の有無にかかわらず搬送駆動を停止させるように構成した搬送制御部を備えれば、搬送装置2に被搬送物1を一つずつ一定間隔で整然と並べて載置することができるので、搬送装置2の載置スペースを有効に利用して効率良く被搬送物1を搬送することができる上に、受取部12で被搬送物1が受け取られておらないのに、次々と被搬送物1が受取部12へ搬送されるような誤作動を確実に防止できるので、一層作業性に秀れることとなる。
【0036】
また、前記載置部14を逆転時受取部14とし、前記載置部検知装置15を逆転時受取部検知装置15として、この逆転時受取部14の被搬送物1が取り去られると前記逆転時受取部検知装置15により前記逆転駆動が再開し、次の被搬送物1がこの逆転時受取部14に搬送されると前記逆転時受取部検知装置15により前記逆転駆動が停止するように前記搬送制御部を構成すれば、搬送装置2を逆転駆動させて例えば逆に地面に被搬送物1を並べることも容易にできる。即ち、逆の作業もスムーズに効率良く行なえる。
【実施例1】
【0037】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0038】
本実施例は、図1に示すように、次々と先端部に載置される被搬送物1を基端部へと搬送する搬送装置2の基端部を基端側支持部4で支持し、搬送装置2の途中部を中間支持部6で支持した集積作業装置に係るもので、前記搬送装置2の基端側に軸支取付部3を設け、この軸支取付部3を前記基端側支持部4に設けた軸支部5に旋回回動自在に軸支すると共に、この搬送装置2の途中部を中間支持部6に移動自在に支持して、前記搬送装置2の基端側に設けた軸支取付部3若しくは前記軸支部5を支点にこの搬送装置2を前記中間支持部6に対して移動させながら水平方向に旋回移動自在に構成している。
【0039】
具体的には、搬送装置2はベルトコンベア2を採用し、このベルトコンベア2の基端部と中間部とを、接地面に接地する基端側支持部4と中間支持部6とで支持して、ベルトコンベア2を接地面より浮上状態に設置できる装置構成としている。
【0040】
更に詳しくは、図2〜図4に示すように、左右一対の長尺フレーム20A間に間隔を置いて桟杆20Bを複数架設固定して略長方形枠状の装置基枠20を構成し、この装置基枠20の先端部と基端部並びにこの先端部と基端部の間の数箇所に回転軸2Aを架設状態に軸支し、各回転軸2A間に複数の細帯状の無端ベルト2Bを横方向に間隔を置いた並設状態にして装着している。また、この装置基枠20の基端側の下部に駆動源2Dを設け、この駆動源2Dに装置基枠20基端部の回転軸2Aをチェーン2Cを介して連結することにより、この駆動源2Dによって各無端ベルト2Bが駆動制御される構成としている。図中符号2Eは駆動源2Dを装置基枠20に取付固定するための取付枠である。
【0041】
また、本実施例では、少なくとも被搬送物1としての育苗箱1をその長さ方向を搬送装置2の長さ方向と直交させて搬送装置2上に載置した際に、最多で11枚(後述する受取部12に搬送載置するものも含めれば12枚)の育苗箱1を並べて載せることができるように搬送装置2の長さ寸法を設定構成している(図7参照。)。
【0042】
本実施例の基端側支持部4は、図4に示すようにコ字状の支持フレーム4Aで成り、この支持フレーム4Aの遊離両端部が上方を向くように縦設して、この際下端部となる支持フレーム4Aの中間枠部を接地面に接地する接地部4Bとしている。
【0043】
また、この基端側支持部4を構成する支持フレーム4Aの接地部4Bに、円筒状の軸支部5を立設状態に固定し、この軸支部5に前記搬送装置2の基端部に設けた軸支取付部3を旋回自在に軸支している。
【0044】
軸支取付部3は、図2〜図4に示すように、上方から見ても側方から見ても略三角枠状を呈する枠部に形成して成り、上から見た際の所定の頂角部に前記軸支部5と連通可能な円筒状の軸受部3Aを縦設し、この軸受部3Aを前記基端側支持枠5の軸支部5の上方に配設した上で、軸受部3Aと軸支部5とを連通させ、この上下の連通部分にパイプ状の枢支軸16を縦設状態に挿通配設することで、軸支部5(枢支軸16)を支点に軸支取付部3が水平旋回自在となるように設けている。即ち、接地面に接地された基端側支持部4の軸支部5を動かない支点部として、軸支取付部3と共に搬送装置2が水平方向に旋回自在となる構成としている。
【0045】
また、この軸支取付部3と前記搬送装置2とは着脱自在に設けている。
【0046】
具体的には、図4に示すように、軸支取付部3の先端部左右位置に差し込みピン3Bを立設状態に突設する一方、この差し込みピン3Bを着脱自在に挿通する挿通孔(図示省略)を搬送装置2の前記駆動源2D取付用の取付枠2Eの底面に形成し、この取付枠2Eを軸支取付部3上に載置すると共に、前記差し込みピン3Bを取付枠2E底面の挿通孔に挿通することで、軸支取付部3に搬送装置2が取付られて搬送装置2の基端部に軸支取付部3が固定される構成としている(図3参照。)。
【0047】
従って、本実施例では、基端側支持部4に対し軸支取付部3も搬送装置2も分離可能に設けている。尚、軸支取付部3に対し搬送装置2を枢着して、この軸支取付部3を支点に搬送装置2が旋回自在となる構成を採用しても良いし、基端側支持部4(軸支部5)に対し軸支取付部3が旋回自在となる構成と、軸支取付部3に対し搬送装置2が旋回自在となる構成とを併用する構成を採用しても良い。
【0048】
本実施例の中間支持部6は、接地部10の上部に少なくとも左右方向に長さを有する支持上部11を設け、前記搬送装置2の途中部をこの支持上部11の長さ方向に移動自在に支持されるように構成している。
【0049】
具体的には、図2,図4に示すように、横広で高さのない台形枠状のフレームを前記支持上部11とし、この支持上部11の左右両端部の下部に接地部10としての車輪10を垂設して成る構成としている。
【0050】
また、この中間支持部6は、その支持上部11が長方形枠状の連結フレーム17の先端部に固定され、この連結フレーム17の基端部には、前記基端側支持部4が固定された構成としている。
【0051】
即ち、本実施例では、基端側支持部4と中間支持部6とを連結フレーム17により一体化した支持本体18を構成し、基端側支持部4の接地部4Bと中間支持部6の左右の車輪10との三点接地によりこの支持具本体18が接地面に安定的に載置され、且つ接地部4Bを上方へ持ち上げることでこの支持具本体18を車輪10により自由に移動できる構成としている。また、この支持本体18の基端側支持部4と中間支持部6とに搬送装置2を装着すると、中間支持部6より先端側に搬送装置2の略中間より先端側が長く突出してこの搬送装置2先端側が接地面より浮上状態となるように構成している(図1,図3参照。)。
【0052】
また、この中間支持部6には、搬送装置2の旋回移動をガイドする旋回ガイド機構7を設けている。
【0053】
この旋回ガイド機構7は、前記搬送装置2の途中部に前記搬送装置2の旋回移動に伴って移動する旋回移動部8を搬送装置2に対して着脱自在に設け、前記中間支持部6にこの旋回移動部8の旋回移動をガイドするガイド部9を設けた構成としている。
【0054】
更に詳しくは、旋回移動部8は、図4,図5に示すように、帯板状の基体の下部左右部に、外周面形状が断面凹溝状をなす車輪8Aを設け、上部左右部に前記搬送装置2の略中間部の下部左右部を載置支承する板状の支承部8Bを設けて構成している。
【0055】
また、前記ガイド部9は、図4に示すように、前記支持上部11の上面部に上方から見て前記軸支部5を中心とした略円弧形状をなすガイドレール9を一体的に突設して構成し、このガイドレール9に前記旋回移動部8の車輪8Aを嵌合装着することで、このガイドレール9上をこのガイドレール9に沿って前記旋回移動部8(の車輪8A)が滑走し得るように設けている。
【0056】
また、本実施例では、図5に示すように、ガイドレール9の数箇所に車輪8Aを位置決めするための凹部9Aを設け、接地面が平坦でなく傾斜地であった場合でも、この適所の凹部9Aに車輪8Aを位置決めすることにより搬送装置2の旋回向き(位置)を動かないように保持でき、これにより搬送装置2の位置ずれを心配せずに安心して作業を行える構成としている。
【0057】
また、搬送装置2は、ガイドレール9上に載置された旋回移動部8の支承部8Bに単に載置する構成として、搬送装置2を旋回移動部8(中間支持部6)に対して簡単に分離できるようにし、旋回移動部8も車輪8Aをガイドレール9(支持上部11)に単に載置装着する構成として、この旋回移動部8を支持上部11に対して簡単に分離できるように構成している。
【0058】
従って、本実施例では、図4に示すように、支持具本体18に対して簡単に搬送装置2を分離させることができるように構成したもので、これにより運搬や格納を容易に行えることになると共に、簡易構成のために使用時の組み立ても容易に行うことができる構成としている。
【0059】
また、本実施例では、図1,図3に示すように、搬送装置2を先端側から基端側に向かって登り傾斜状態に配設して、この搬送装置2の前記突出先端部が基端部に比して低くして基端部に比して接地面と近くなる浮上状態に配設している。
【0060】
具体的には、基端側支持部4に対する搬送装置2基端部の前記軸支取付部3の取付(軸支)位置を、前記中間支持部6(旋回移動部8)に対する搬送装置2の略中間部の支持位置よりも高くなるように設定構成して、搬送装置2が先端側から基端側に向かって登り傾斜状態となるようにしている。また、旋回移動部8の支承部8Bも、斜設状態の搬送装置2を良好に載置支承できるように傾斜支承部8Bに構成している(図4,図5参照。)。
【0061】
また、この搬送装置2は、接地面と近くなる先端部の高さを、作業者が腰を曲げて接地面に載置された被搬送物1を持ち上げ、この持ち上げた被搬送物1を腰を伸ばさずに曲げたまま搬送装置2の先端部へ載置できるような高さに設定構成している(図1参照。)。
【0062】
本実施例では、前記搬送装置2の基端部位置若しくは搬送装置2の基端部から搬送される位置に被搬送物1の受取部12を設定し、この受取部12に被搬送物1の有無を検知する受取部検知装置13を備え、この受取部検知装置13により、受取部12の被搬送物1が取り去られたことが検知されると搬送駆動を再開し、次の被搬送物1がこの受取部12に搬送されたことが検知されると搬送駆動を停止するように構成した搬送制御部を備えている。
【0063】
具体的には、受取部12は、図2〜図4に示すように、前記基端側支持部4を構成する支持フレーム4Aの遊離両端部を、夫々搬送装置2の基端方向へ向けて屈曲形成し、この夫々の屈曲先端部を受取部12として、前記搬送装置2の基端部からこの受取部12へ被搬送物1が搬送される構成としている(図1,図9,図10参照。)。即ち、本実施例では、搬送装置2の基端部から搬送される位置であって、搬送装置2の旋回支点部となる前記基端側支持部4に受取部12を設けている。
【0064】
また、この受取部12の接地面からの高さを、この受取部12近傍にいる作業者が受取部12に搬送された被搬送物1を腰を曲げずに直立姿勢のまま持ち上げることができる高さに設定して、この受取部12側で作業する作業者が直立姿勢(楽な作業姿勢)を保ったまま連続的に作業を行うことができる構成としている(図1参照。)。
【0065】
また、この受取部12は、本装置移動用のハンドルとしても機能するように設けたもので、前記のような高さに設定したこの受取部12を作業者が両手で持って前記接地部4Bを上方へ持ち上げることが容易にでき、このまま自由に本装置を移動させることが容易にできるようにしている。
【0066】
また、この受取部12の付近の前記支持フレーム4Aの遊離両端部間に補強桟4Cを架設固定し、この補強桟4Cに前記受取部検知装置13としてのリミットスイッチ13を設けている。このリミットスイッチ13は、常に起動状態に付勢される起伏動作スイッチを採用し、このリミットスイッチ13の起動状態では前記駆動源2Dが作動して搬送駆動が行われ、伏動状態では前記駆動源2Dが停止して搬送駆動を停止するように搬送制御部によって制御される構成としている。
【0067】
また、このリミットスイッチ13は、付勢起動状態で受取部12より上方へ突出するようにして取付固定され、受取部12に被搬送物1が搬送されて載置すると、被搬送物1の底面がリミットスイッチ13に接触しその自重によりリミットスイッチ13を伏動押圧して搬送駆動が停止され、この受取部12から被搬送物1を取り去ると、リミットスイッチ13が自動的に付勢起動して搬送駆動が再開されることになる構成としている。
【0068】
即ち、この駆動制御により、受取部12で被搬送物1が受け取られない限りは搬送駆動が再開されないため、受取部12で被搬送物1が受け取られておらないのに次々と被搬送物1が受取部12へ搬送されて接地面に落下してしまうような誤作動を確実に防止できる構成としている。
【0069】
また、このリミットスイッチ13と搬送制御部による受取作業に有用な駆動制御をオン・オフするスイッチ(図示省略)を、搬送装置2の基端部若しくは軸支取付部3に設けて、このスイッチを搬送装置2の基端側で作業する受取作業者Uが容易にオン・オフ操作できるようにしている。
【0070】
また、本実施例では、前記搬送装置2の先端部位置若しくは搬送装置2の先端部に搬送し得る位置に被搬送物1を載置する載置部14を設定し、この載置部14に被搬送物1の有無を検知する載置部検知装置15を備え、この載置部検知装置15により、載置部14に被搬送物1が載置されたことが検知されると搬送駆動を開始し、この搬送により載置部14に被搬送物1が無くなるか若しくは前記搬送開始から所定時間経過するかあるいは所定位置まで被搬送物1が搬送されたことが検知されると搬送駆動を停止するように構成した搬送制御部を備えている。
【0071】
具体的には、搬送装置2の先端部上面位置を載置部14に設定し、この載置部14に載置部検知装置15としてのリミットスイッチ15を設けている。このリミットスイッチ15は、常に起動状態に付勢される起伏動作スイッチを採用し、このリミットスイッチ15の起動状態では前記駆動源2Dが停止して搬送駆動を停止し、伏動状態では前記駆動源2Dが作動して搬送駆動が行われるように搬送制御部によって制御される構成としている。
【0072】
また、このリミットスイッチ15は、付勢起動状態で載置部14の無端ベルト2Bより上方へ突出するようにして取付固定され、この載置部14に被搬送物1を載置すると、被搬送物1の底面がリミットスイッチ15に接触しその自重によりリミットスイッチ15を伏動押圧して搬送駆動が開始され、この搬送駆動により載置部14から被搬送物1が搬送装置2基端側へ移動してしまうと(被搬送物1がリミットスイッチ15上よりなくなると)、リミットスイッチ15が自動的に付勢起動して搬送駆動が停止されることになる構成としている。
【0073】
即ち、この駆動制御により、搬送装置2に被搬送物1を一つずつ可及的に隙間なく整然と並べて載置することができるので、搬送装置2の載置スペースを有効に利用して効率良く被搬送物1を搬送することができる。
【0074】
また、このリミットスイッチ15と搬送制御部による積み込み作業に有利なの駆動制御をオン・オフするスイッチ(図示省略)を、搬送装置2の先端側に設けて、このスイッチを搬送装置2の先端側で作業する積み込み作業者Tが容易にオン・オフ操作できるように構成している。
【0075】
また、本実施例では、この積み込み作業を有利にする駆動制御スイッチと前記受取作業を有利にする駆動制御スイッチとの双方をオンにした場合、受取部12に被搬送物1が搬送されるとこの被搬送物1を取り去らない限り前記載置部14の被搬送物1の有無にかかわらず搬送駆動を停止させるように搬送制御部により駆動制御される構成としている。
【0076】
以上のように構成された本実施例の集積作業装置は、決して構造的に複雑なものではなく、簡易に設計実現可能な構成であり、量産性に秀れ安価な製品を提供可能となる。
【0077】
次に、本実施例の集積作業装置の使用方法を説明する。尚、本実施例では、ビニールハウス22で育てた苗(育苗箱)を被搬送物1(以下、育苗箱1と称す。)とし、この育苗箱1を田圃へ移送するための車両19(例えば、軽トラック19)の荷台のコンテナ21に積み込みする作業に本装置を使用した場合である。
【0078】
ビニールハウス22内の最も端に載置されている育苗箱1に、中間支持部6が臨設状態となるようにして本装置を接地する。また、本装置の近傍に車両19を停車させて基端側支持部4(受取部12)と車両19の荷台に載置されたコンテナ21とをできるだけ近接状態となるようにする(図1,図6参照。)。
【0079】
すると、先端側から基端側に向かって登り傾斜する搬送装置2の突出先端部が、基端部に比して低く基端部に比して接地面と近くなるように配設されると共に、搬送装置2の突出先端部は載置された端の育苗箱1上ではなく、ビニールハウス22奥側の育苗箱1の上方に浮上状態で配設されることになる。
【0080】
例えば、予め、積み込み作業を有利する駆動制御スイッチと受取作業を有利にする駆動制御スイッチとの双方をオンにしておく。
【0081】
接地面に近い状態で配設された搬送装置2の突出先端部付近で、積み込み作業者Tが腰を曲げて屈んだ姿勢のままビニールハウス22内の接地面に並べて敷設された育苗箱1を端から次々と搬送装置2先端側の載置部14に載置することができ、この搬送装置2に載置された育苗箱1は、搬送装置2基端側(前記移送車両19付近)へと搬送されることになる。
【0082】
また、この際、軸支部5を支点にしてこの搬送装置2を中間支持部6に対して移動させながら水平方向に旋回移動することができるので、本装置自体を移動することなく、広範囲に搬送装置2を向けて(旋回させて)沢山の育苗箱1を搬送装置2に載置することが可能である。尚、図示していないが、搬送装置2に旋回操作用の取手を設けても良い。
【0083】
従って、積み込み作業者Tは、腰を曲げたままで連続的に育苗箱1を搬送装置2に載置する作業を行うことができるので、これまでのような一回一回腰の曲げ伸ばしを要する作業に比して著しく楽に作業を行うことができる。
【0084】
また、この際、載置部14に育苗箱1を載置すると、図8,図10に示すように、育苗箱1の自重によってリミットスイッチ15が伏動して搬送駆動を開始し、この搬送駆動により載置部14から育苗箱1が搬送装置2基端側へ移動して育苗箱1がリミットスイッチ15上よりなくなると、リミットスイッチ15が自動付勢起動して搬送駆動を停止するので、搬送装置2に被搬送物1を一つずつ大きな隙間をあけずに整然と並べて載置することができる。従って、搬送装置2の載置スペースを有効に利用して効率良く育苗箱1を搬送することができる。本実施例では、最多で11枚の育苗箱1を搬送装置2に載置することができる(受取部12に載置するものも含めれば12枚)。
【0085】
また、最初に載せた育苗箱1が搬送装置2の基端部にまで移動すると、図9,図10に示すように受取部12に搬送されて、この育苗箱1の自重により前記リミットスイッチ13が伏動押圧されて搬送駆動が停止する。この状態では、受取部12に搬送された育苗箱1を取り去らない限り前記載置部14の育苗箱1の有無にかかわらず搬送駆動を停止させるように搬送制御部が駆動制御するので、受取部12に次々と育苗箱1が搬送されて接地面に落下してしまうようなことはない。
【0086】
そして、受取部12側に受取作業者Uが待機している場合には、この受取部12から被搬送物1を取り去り、車両19の荷台のコンテナ21に積み込むと、リミットスイッチ13が自動付勢起動して搬送駆動を再開し、次の育苗箱1が受取部12に搬送されると共に、搬送装置2先端側の載置部14に更に育苗箱1を載置可能となる。
【0087】
また、この作業は一人でも行うことが可能である。
【0088】
即ち、搬送装置2に育苗箱1を積み込みできなくなるまで搬送装置2先端側でこの搬送装置2への積み込み作業を行った後、搬送装置2基端側へと移動して受取部12から育苗箱1を次々と車両19のコンテナ21に積み込み、全て積み込み終わったら、再び搬送装置2先端側へと移動して前記作業を繰り返すことで、一人で作業を行うことができる。
【0089】
また、本実施例の場合、中間支持部6より搬送装置2の先端側が突出状態に配設していることで、この搬送装置2先端部をビニールハウス22内の最も端に並べられている育苗箱1の手前の位置でなく、図1,図6に示すように奥側の位置にまで搬送装置2の先端部を配設することができるので、搬送装置2の略中間部の周囲に育苗箱1が多数載置された状態で積み込み作業を開始することができ、しばらくはこの搬送装置2の略中間部より先端側の周囲で作業者はほとんど移動せずに多数の育苗箱1を積み込みできることになる上、搬送装置2を旋回させることでかなり広範囲の育苗箱1を積み込み可能である。
【0090】
また、一度本装置の設置位置を決めたら、よほどビニールハウス22の奥側までの育苗箱1を持ち出さない限りは、本装置の位置を動かさなくても作業を行うことができる。
【0091】
搬送装置2先端部付近の育苗箱1を全て積み込み終わったら、本装置を更にビニールハウス22の奥側へと移動し、上記作業を行う。
【0092】
また、この本装置を作業終了までにビニールハウス22奥側へと移動する移動距離も、元々最初に配設した段階で、搬送装置2の先端部を奥側へ配設しているために少ない移動距離で済むこととなる。
【0093】
従って、例えば、軽トラック19用の荷台に載せるコンテナ21には、96枚の育苗箱1を積み込み可能であり、従来のように育苗箱を拾ってはコンテナ21に積み込む作業を行う場合には、このコンテナ21がいっぱいになるまでに軽トラック19とビニールハウス22内の地面に載置された育苗箱1との間を96往復する必要があり、更に1往復毎に腰の曲げ伸ばしを伴うために、非常に辛い作業であったが、本実施例によれば、搬送装置2と受取部12に最多で12枚の育苗箱1を載せることができるので、たとえ一人での作業であっても搬送装置2の先端側と基端側との間をわずか8往復することで作業を完了させることも可能であり、作業時間を著しく短縮できる。また、搬送装置2先端側の積み込み作業者Tは腰を曲げたままの姿勢で育苗箱1の積み込み作業を行うことができるし、搬送装置2基端側(受取部12)の受取作業者Uは直立姿勢のまま作業を行うことができるので、このいずれの立場の作業も非常に楽に行うことができる。
【0094】
また、積み込み作業に有利な駆動制御スイッチだけをオンにして作業を行う場合は、受取部12の育苗箱1が取り去られなくても、この受取部12に次々と育苗箱1を搬送可能となるため、受取部12に育苗箱1が搬送されたか否かを注意しながら作業を行う必要がある。尚、一人で作業を行う場合、作業の効率化の面から少なくともこの積み込み作業に有利な駆動制御スイッチをオンにしておくことが望ましい。
【0095】
また、受取作業に有利な駆動制御スイッチだけをオンにして作業を行う場合は、育苗箱1を搬送装置2上に大きな隙間なく整然と並べることが難しく、やや効率的に劣ることになるが、受取部12の育苗箱1が取り去られない限りこの受取部12には次の育苗箱1が搬送されないため、受取部12からの育苗箱1の落下を心配せずに安心して作業を行うことができる。
【実施例2】
【0096】
また、前記実施例1に加えて、本実施例では、被搬送物1を逆転駆動できるモードスイッチを設け、トラック19から地面へと逆に下方へ搬送し、搬送先端部の逆転時受取部14から被搬送物1を取り去りつつ地面に被搬送物1を並べることも容易にできるように構成している。
【0097】
即ち、前記載置部14を逆転時受取部14とし、前記載置部検知装置15を逆転時受取部検知装置15として、この逆転時受取部14の被搬送物1が取り去られると前記逆転時受取部検知装置15により前記逆転駆動が再開し、次の被搬送物1がこの逆転時受取部14に搬送されると前記逆転時受取部検知装置15により前記逆転駆動が停止するように前記搬送制御部を構成している。
【0098】
従って、逆転駆動モードスイッチを押して搬送装置2を逆転させて例えば逆に地面に被搬送物1を並べることができ、逆転時受取部14の被搬送物1が取り去られない限りは、逆転搬送駆動が再開されないため逆転時受取部14で被搬送物1がまだ受け取られていないのに、次々と被搬送物1が逆転時受取部14へ搬送されるような誤作動を確実に防止できる一層実用性に秀れた構成の集積作業装置となる。
【0099】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本実施例の使用状態を示す説明斜視図である。
【図2】本実施例を示す平面図である。
【図3】本実施例を示す側面図である。
【図4】本実施例の分解斜視図である。
【図5】本実施例の旋回ガイド機構を示す部分拡大説明図である。
【図6】本実施例の使用状態における作業開始前の状態を示す説明平面図である。
【図7】本実施例の使用状態における作業途中の状態を示す説明平面図である。
【図8】本実施例の搬送装置先端側での作動を示す部分拡大説明図である。
【図9】本実施例の搬送装置基端側での作動を示す部分拡大説明図である。
【図10】本実施例の作動を示す説明図である。
【符号の説明】
【0101】
1 被搬送物
2 搬送装置
3 軸支取付部
4 基端側支持部
5 軸支部
6 中間支持部
7 旋回ガイド機構
8 旋回移動部
9 ガイド部
10 接地部
11 支持上部
12 受取部
13 受取部検知装置
14 載置部(逆転時受取部)
15 載置部検知装置(逆転時受取部検知装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次々と先端部に載置される被搬送物を基端部へと搬送する搬送装置の基端側に軸支取付部を設け、この軸支取付部を基端側支持部に設けた軸支部に旋回回動自在に軸支すると共に、この搬送装置の途中部を中間支持部に移動自在に支持して、前記搬送装置の基端側に設けた軸支取付部若しくは前記軸支部を支点にこの搬送装置を前記中間支持部に対して移動させながら水平方向に旋回移動自在に構成し、この搬送装置を先端側から基端側に向かって登り傾斜状態に配設して、前記中間支持部より搬送装置の先端側を突出状態に配設し且つこの搬送装置の突出先端部が基端部に比して低くして基端部に比して接地面と近くなるように配設したことを特徴とする集積作業装置。
【請求項2】
前記中間支持部若しくは前記搬送装置の途中部に、この中間支持部に対する搬送装置の旋回移動をガイドする旋回ガイド機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の集積作業装置。
【請求項3】
前記旋回ガイド機構は、前記搬送装置の途中部に前記搬送装置の旋回移動に伴って移動する旋回移動部を設け、前記中間支持部にこの旋回移動部の旋回移動をガイドするガイド部を設けた構成としたことを特徴とする請求項2記載の集積作業装置。
【請求項4】
前記中間支持部は、接地部の上部に少なくとも左右方向に長さを有する支持上部を設け、前記搬送装置の途中部をこの支持上部の長さ方向に移動自在に支持されるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の集積作業装置。
【請求項5】
前記搬送装置の基端部位置若しくは搬送装置の基端部から搬送される位置に被搬送物の受取部を設定し、この受取部に被搬送物の有無を検知する受取部検知装置を備え、この受取部の被搬送物が取り去られると前記受取部検知装置により搬送駆動を再開し、次の被搬送物がこの受取部に搬送されると前記受取部検知装置により搬送駆動を停止するように構成した搬送制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の集積作業装置。
【請求項6】
前記搬送装置の先端部位置若しくは搬送装置の先端部に搬送し得る位置に被搬送物を載置する載置部を設定し、この載置部に被搬送物の有無を検知する載置部検知装置を備え、この載置部に被搬送物が載置されると前記載置部検知装置により搬送駆動を開始し、この搬送により載置部に被搬送物が無くなるか若しくは前記搬送開始から所定時間経過するかあるいは所定位置まで被搬送物が搬送されると搬送駆動を停止するように構成した搬送制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の集積作業装置。
【請求項7】
前記搬送装置の先端部位置若しくは搬送装置の先端部に搬送し得る位置に被搬送物を載置する載置部を設定し、この載置部に被搬送物の有無を検知する載置部検知装置を備え、この載置部に被搬送物が載置されると前記載置部検知装置により搬送駆動を開始し、この搬送により載置部に被搬送物が無くなるか若しくは前記搬送開始から所定時間経過するかあるいは所定位置まで被搬送物が搬送されると搬送駆動を停止するように構成し、且つ前記搬送装置の基端部位置若しくは搬送装置の基端部から搬送される位置に被搬送物の受取部を設定し、この受取部に被搬送物の有無を検知する受取部検知装置を備え、この受取部の被搬送物が取り去られると前記受取部検知装置により搬送駆動を再開し、次の被搬送物がこの受取部に搬送されると前記受取部検知装置により搬送駆動を停止するように構成し、この受取部に被搬送物が搬送されるとこの被搬送物を取り去らない限り前記載置部の被搬送物の有無にかかわらず搬送駆動を停止させるように構成した搬送制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の集積作業装置。
【請求項8】
前記搬送装置の先端部から基端部への搬送方向を基端部から先端部へと逆方向に搬送可能となるように搬送方向を正逆切り替え自在に構成し、この搬送装置の搬送方向を逆方向に切り替えた際、前記載置部を逆転時受取部とし、前記載置部検知装置を逆転時受取部検知装置として、この逆転時受取部の被搬送物が取り去られると前記逆転時受取部検知装置により前記逆転駆動が再開し、次の被搬送物がこの逆転時受取部に搬送されると前記逆転時受取部検知装置により前記逆転駆動が停止するように前記搬送制御部を構成したことを特徴とする請求項6,7のいずれか1項に記載の集積作業装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−39243(P2007−39243A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184343(P2006−184343)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(000241821)株式会社ホクエツ (2)
【出願人】(500196892)
【Fターム(参考)】