説明

集積回路およびその作製方法、ならびに該集積回路を用いた化学分析システム

【課題】 周期性構造物の特性を利用して精度よく、反応物質を検出することが可能な集積回路とその作製方法ならびに化学分析システムを提供すること。
【解決手段】 集積回路100は、単一基板1上に、液体もしくは気体試料を導入する箇所2,3と、液体もしくは気体試料を蓄積・輸送する流路4と、該液体もしくは気体試料を検出するためのセンサ5となる周期性構造物を有する。周期性構造物は反応部およびセンサ部の役割を有し、反応により物質が形成された場合には周期性構造物の平均屈折率を変えるため、光学特性シグナルが見られる波長がシフトし、シフトした波長位置を換算(シフトの程度から反応物質の屈折率を計算)し、既知の物質の値とを対比することにより、反応により物質が形成されたか否か、どのような物質が得られたかを高精度に調べることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周期性構造物を用いた集積回路技術に係り、特に、微粒子を周期的に配列させた微粒子周期構造物またはその反転構造を利用したバイオセンサや環境センサなどのセンサ、また、フォトニック結晶光学デバイス、また、表示デバイスに好適な集積回路およびその作製方法ならびに化学分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フォトニックバンドギャップにより、特定の波長範囲の光を反射することが可能なフォトニック結晶は、その光学特性を利用した素子の開発が期待されており、様々な提案がなされている。
【0003】
従来のフォトニック結晶形成技術として、微粒子の自己組織化を利用した方法が知られている。
【0004】
自己組織化を利用して配列された微粒子膜(周期性構造物、フォトニック結晶)は、簡易な周期性構造物として期待される。永山は、特開平7−116502号公報(特許文献1)および特許第2828386号(特許文献2)において、コロイド溶液を用いた「微粒子薄膜の製造方法」を報告している。
【0005】
これは、液体の毛管力を利用し、溶媒の蒸発速度、微粒子の体積分率を制御することにより集積される結晶の高品質化を図ったものである。
【0006】
また、2枚の平行な面の間の狭い間隙にコロイド結晶を成長させる方法もピュージ、ピーター・ニカラスら(特許第2693844号(特許文献3))をはじめとしていくつか報告されている。
【0007】
また、下部基板に型を施しておくことによって、形成される微粒子の形状を制御する技術としてはYounan XiaらによるB.T.Mayers, et al.,Advanded Materials,12,No.21,pp.1629-1632,2000. (非特許文献1)、S.H.Park,et al.,Advanded Materials,11,No.6,pp. 462-466,1999.(非特許文献2)がある。
【0008】
微粒子としては単分散の良いシリカやポリスチレンが用いられるのが一般的である。しかしながら、これらの物質ではデバイス材料としては平均屈折率が十分に高くない。
【0009】
そこで、平均屈折率のより高い結晶を作製するために、上記の方法により作製された微粒子膜を利用した例が報告されている。
【0010】
その代表的なものが、微粒子膜の微粒子間の空隙に光硬化性樹脂などのモノマーを流し込み、固体させた後、微粒子をエッチングにより取り除いて、ポリマーによる周期性構造物(これは反転構造、逆オパール構造、あるいはインバースオパール構造と呼ばれている)を得るインバースオパール法と呼ばれる方法である。
【0011】
インバースオパール法については、V. L. ColvinらによるP.Jiang,et al.,J.Am.Chem.Soc.,121,pp.11630-11637,1999.(非特許文献3)、K.M.Kulinowski,et al.,Advanded Materials,12, No.11,pp.833-838, 2000.(非特許文献4)、特開2003−2687号公報(特許文献4)がある。
【0012】
インバースオパール法で作製された周期性構造物は、上記のようにして作製された結果、自己組織化によって最初に得られた周期構造とほぼ同等な周期性構造物を材質が変わった形で得ることができる(Science, Vol.291, pp.453−457,2001(非特許文献5))。また、インバースオパール構造は、多孔体であるため、ガス、液体の透過量などのセンサとしても応用が可能である。
【0013】
なお、フォトニック結晶に関する文献としては、K.Yoshino,et al.,Jpn.J.Appl.Phys.,vol.38,ppL786-788,1999.(非特許文献6)、Y.Shimoda,et al.,Appl.Phys.Lett.,vol.79,pp.3627-3629,2001.(非特許文献7)、S.Noda,et al.,Nature 407, pp 608, 2000.(非特許文献8)などがあるので参照されたい。
【0014】
さらに、近年、数mm〜数cm四方のチップ上に、半導体技術を応用して集積回路を作製し、生体物質を反応させるデバイス(ラボラトリーオンチップ)が考案されている。試料を溜める箇所(リザーバ)や、流路には液体物質が蓄積、輸送される。
【0015】
最終的には反応結果として得られた物質はバイオセンサで検出されることが必要であるが、できる限り再利用でき、検出精度が高く、簡易に形成できるセンサを含む集積回路が好ましい。しかしながら、そのような集積回路はまだない。
【0016】
なお、流体物質を扱う集積回路の流路のバルブとしては、PH応答型ハイドロゲルを用いたバルブが知られている。PH応答型ハイドロゲルを流路に配置した場合には、pH変化により、膨張した場合には流路を閉じ、収縮した場合には流路を開き試料を流す(例えば、J.Beebe,et al.,Nature,404,589,2000.(非特許文献9)参照)。
【0017】
【特許文献1】特開平7−116502号公報
【特許文献2】特許第2828386号公報
【特許文献3】特許第2693844号公報
【特許文献4】特開2003−2687号公報
【非特許文献1】B.T.Mayers, et al.,Advanded Materials,12,No.21,pp.1629-1632,2000.
【非特許文献2】S.H.Park,et al.,Advanded Materials,11,No.6,pp. 462-466,1999.
【非特許文献3】P.Jiang,et al.,J.Am.Chem.Soc.,121,pp.11630-11637,1999.
【非特許文献4】K.M.Kulinowski,et al.,Advanded Materials,12, No.11,pp.833-838, 2000.
【非特許文献5】Science, Vol.291, pp.453−457,2001.
【非特許文献6】K.Yoshino,et al.,Jpn.J.Appl.Phys.,vol.38,ppL786-788,1999.
【非特許文献7】Y.Shimoda,et al.,Appl.Phys.Lett.,vol.79,pp.3627-3629,2001.
【非特許文献8】S.Noda,et al.,Nature 407, pp 608, 2000.
【非特許文献9】J.Beebe,et al.,Nature,404,589,2000.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記背景技術の項で述べたように、センサを含む集積回路は、再利用ができ、簡易に作製できる構成はまだ提案されていなかった。本発明は、このようなセンサを含む集積回路を提案することを目的としている。以下、請求項毎の目的を述べる。
【0019】
1)請求項1に記載の発明の目的
請求項1に係る本発明の目的は、周期性構造物の特性を利用して精度よく、反応物質を検出することが可能な集積回路を提供することである。
【0020】
2)請求項2に記載の発明の目的
請求項2に係る本発明の目的は、試薬や試料の流れを制御することが可能な集積回路を提供することである。
【0021】
3)請求項3に記載の発明の目的
請求項3に係る本発明の目的は、簡易なセンサ部を提供することが可能な集積回路を提供することである。
【0022】
4)請求項4に記載の発明の目的
請求項4に係る本発明の目的は、検出精度が高く、信頼性に優れたセンサ部を有する集積回路を提供することである。
【0023】
5)請求項5に記載の発明の目的
請求項5に係る本発明の目的は、検出精度が高く、信頼性に優れたセンサ部を有する集積回路を提供することである。
【0024】
6)請求項6に記載の発明の目的
請求項6に係る本発明の目的は、再利用でき、信頼性に優れたセンサ部を有する集積回路を提供することである。
【0025】
7)請求項7に記載の発明の目的
請求項7に係る本発明の目的は、再利用でき、信頼性に優れた集積回路を提供することである。
【0026】
8)請求項8に記載の発明の目的
請求項8に係る本発明の目的は、単分散性の良い微粒子を用いることにより周期性構造物の欠陥数を低減することが可能な集積回路を提供することである。
【0027】
9)請求項9に記載の発明の目的
請求項9に係る本発明の目的は、ポリマーを使用することにより、信頼性の高いセンサ部を有する集積回路を提供することである。
【0028】
10)請求項10に記載の発明の目的
請求項10に係る本発明の目的は、金属もしくは半導体を使用することにより、信頼性の高いセンサ部を有する集積回路を提供することである。
【0029】
11)請求項11に記載の発明の目的
請求項11に係る本発明の目的は、集積回路の簡易な作製方法を提供することである。
【0030】
12)請求項12に記載の発明の目的
請求項12に係る本発明の目的は、液相における化学反応を利用して微粒子を除去し、簡易に球形空隙からなる周期構造を作製することである。
【0031】
13)請求項13に記載の発明の目的
請求項13に係る本発明の目的は、集積回路の簡易な作製方法を提供することである。
【0032】
14)請求項14に記載の発明の目的
請求項14に係る本発明の目的は、集積回路の簡易な作製方法を提供することである。
【0033】
15)請求項15に記載の発明の目的
請求項15に係る本発明の目的は、微小集積回路を利用し、試料や試薬の分離・分析、検出などを行うことができる化学分析システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、上記目的を達成するために、次のような構成を採用したものである。以下、請求項毎の構成を述べる。
【0035】
1)請求項1記載の発明は、単一基板上に、少なくとも、液体もしくは気体試料を蓄積・輸送する流路と、該液体もしくは気体試料を検出するためのセンサとなる周期性構造物を具備する集積回路である。
【0036】
2)請求項2記載の発明は、請求項1に記載の集積回路において、前記流路の一部にマイクロバルブを備えたものである。
【0037】
3)請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の集積回路において、前記周期性構造物を微粒子の配列体から構成している。
【0038】
4)請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の集積回路において、前記周期性構造物はほぼ球形の形状からなる空隙箇所が連結した構造を有する。
【0039】
5)請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の集積回路において、前記周期性構造物はその一部に周期性をくずす領域を含んでいる。
【0040】
6)請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の集積回路において、前記周期性構造物は単一基板上に固定されている。
【0041】
7)請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の集積回路において、前記流路を形成する材質と前記周期性構造物を形成する材質は同一材質を含む。
【0042】
8)請求項8記載の発明は、請求項3に記載の集積回路において、前記微粒子として、シリカ、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、硫化亜鉛、酸化チタンのいずれかを用いている。
【0043】
9)請求項9記載の発明は、請求項4〜7のいずれかに記載の集積回路において、前記ほぼ球形の形状からなる空隙箇所が連結してなる周期性構造物は、ポリマーが球形空隙を覆って形成されている。
【0044】
10)請求項10記載の発明は、請求項4〜7のいずれかに記載の集積回路において、前記ほぼ球形の形状からなる空隙箇所が連結してなる周期性構造物は、金属もしくは半導体が球形空隙を覆って形成されている。
【0045】
11)請求項11記載の発明は、基板Aと基板Bの材質は互いに異なり、微粒子Cと材料Dの材質は互いに異なるものとして、以下の工程順に作製することを特徴とする請求項1、2、4〜7、9、または10のいずれかに記載の集積回路の作製方法である。
(a)凹凸形状をもつ基板を用意し、凹凸形状に接するように一部に微粒子Cを配列させ、第一の周期性構造物を作製する行程。
(b)第一の周期性構造物の表面側から、基板Bを第一の周期性構造物に対面させ、その後、微粒子C間に材料Dを充填する工程。
(c)工程(b)において充填された材料Dを固化もしくは固定化する工程。
(d)微粒子Cを除去し、基板Aを基板Bおよび第一の周期性構造物から取り外すことにより、基板Bの上に、基板Aの反転構造および、第一の周期性構造物の反転周期性構造物を作製する工程。
【0046】
12)請求項12記載の発明は、請求項11に記載の周期性構造物の作製方法において、前記工程(a)にて使用する微粒子を最終的に除去する工程は、液相における化学反応による除去である。
【0047】
13)請求項13記載の発明は、以下の工程順に作製することを特徴とする請求項1〜3、または8のいずれかに記載の集積回路の作製方法である。、
(a)凹凸形状をもつ基板を作製する行程。
(b)その後、凹形状箇所に微粒子を配列させる行程。
【0048】
14)請求項14記載の発明は、以下の工程順に作製することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の集積回路の作製方法である。
(a)凹凸形状をもつ基板を作製する行程。
(b)その後、周期性構造物を実装する行程。
【0049】
15)請求項15記載の発明は、請求項1〜10のいずれかに記載の集積回路と、白色もしくは単色光源と、受光部とを具備することを特徴とする化学分析システムである。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、再利用ができ、簡易に作製できるセンサを含む集積回路およびその製造方法、ならびに化学分析システムを実現できる。以下、請求項毎の効果を述べる。
【0051】
1)請求項1に記載の発明の効果
請求項1における集積回路上では、一つの集積回路内に液体もしくは気体試料を保存・輸送させる箇所と周期性構造物をもつため、高精度の検出が可能であるという効果を奏する。
【0052】
2)請求項2に記載の発明の効果
請求項2における集積回路では、流路にマイクロバルブを含むため、試料や試薬の流れを制御できるという効果を奏する。
【0053】
3)請求項3に記載の発明の効果
請求項3における集積回路では、周期性構造物は微粒子配列体からなるため、高精度の検出が可能であるという効果を奏する。
【0054】
4)請求項4に記載の発明の効果
請求項4に記載の集積回路では、周期性構造物はほぼ球形の形状からなる箇所が連結して周期性構造物となるため、反応物質の高精度の検出が可能であるという効果を奏する。
【0055】
5)請求項5に記載の発明の効果
請求項5に記載の集積回路では、周期性構造物はその一部に周期性をくずす領域を含むため、反応物質の高精度の検出が可能であるという効果を奏する。
【0056】
6)請求項6に記載の発明の効果
請求項6に記載の集積回路では、周期性構造物は集積回路基板上に固定されているため、信頼性に優れた集積回路であるという効果を奏する。
【0057】
7)請求項7に記載の発明の効果
請求項7に記載の集積回路では、液体もしくは気体試料を保存・輸送させる箇所と、周期性構造物の材質は一致するため、信頼性に優れた集積回路であるという効果を奏する。
【0058】
8)請求項8に記載の発明の効果
請求項8に記載の集積回路では、微粒子として、シリカ、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、硫化亜鉛、酸化チタンのいずれかを用いるため、高精度のセンサ部であるという効果を奏する。
【0059】
9)請求項9に記載の発明の効果
請求項9における周期性構造物の作製方法では、周期性構造物にポリマーを利用するため、簡易に作製でき、信頼性に優れている効果を奏する。
【0060】
10)請求項10に記載の発明の効果
請求項10における周期性構造物の作製方法では、周期性構造物に金属もしくは半導体を利用するため、簡易に作製でき、信頼性に優れている効果を奏する。
【0061】
11)請求項11に記載の発明の効果
請求項11における集積回路の作製方法では、簡易に高精度で、信頼性の優れた集積回路を形成できるという効果を奏する。
【0062】
12)請求項12に記載の発明の効果
請求項12における周期性構造物の作製方法では、液相における化学反応を利用するため、簡易に微粒子を除去できるという効果を奏する。
【0063】
13)請求項13に記載の発明の効果
請求項13における集積回路の作製方法では、簡易に高精度で、信頼性の優れた集積回路を形成できるという効果を奏する。
【0064】
14)請求項14に記載の発明の効果
請求項14における集積回路の作製方法では、簡易に高精度で、信頼性の優れた集積回路を形成できるという効果を奏する。
【0065】
15)請求項15に記載の発明の効果
請求項15における化学分析システムでは、微小集積回路を含む光学測定システムを提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
以下、本発明の実施例を、請求項に対応付けて詳細に説明する。なお、各実施例において同様のものについては共通の図面および共通の参照符号を用いて説明するが、材質(材料)などは実施例により異なる場合もある。
【0067】
<実施例1>
本実施例において、図1は、請求項1、4、6、7、9、11、12に記載の本発明に係る集積回路の模式図を示す図である。
【0068】
図1に示すように、本実施例において作製された集積回路100は、液体や気体などの試薬(試料)もしくは反応物質を検出する箇所すなわちセンサ部5となる周期性構造物、および試薬(試料)を導入する箇所2,3は、流路4により連結されている。試薬(試料)を導入する箇所は、図1では2個の場合を示しているが、1個でも複数個でもよい。
【0069】
試薬(試料)を導入する箇所が複数個あり、異なる試薬(試料)を別箇所に導入する場合には、流路4を通過した試薬(試料)は、周期性構造物は反応部およびセンサ部の役割を有し、周期性構造物にて反応が生じ、そのまま反応の有無が検出される。
【0070】
また、一種類の試薬(試料)が導入部2から流路4を通りそのままセンサ部5まで到達する場合には、周期性構造物から成るセンサ部5はその試薬(試料)の検出部の役割を果たす。
【0071】
センサ部5は、図2に示されるようにほぼ球形の空隙50からなる周期構造(周期間隔:約300nm、層数:約20層)であり、その周りは光硬化型樹脂51から形成されている。
【0072】
このような周期構造では、物質の屈折率および周期間隔により決定される特定波長にて光学特性にフォトニックバンドギャップによるシグナル(透過率ではディップ、反射率では反射ピーク)が見られる。
【0073】
新たに反応により物質が形成された場合には、球形空隙50の内部に物質が入り込み、その結果、周期性構造物の平均屈折率(実効屈折率)を変えるため、光学特性シグナルが見られる波長がシフトする。
【0074】
そのシフトした波長位置を換算(シフトの程度から反応物質の屈折率を計算)し、予めテーブルなどに登録されている既知の物質の値とを対比することにより、反応により新たに物質が形成されたか否かや、またどのような物質が得られたかを高精度に調べることができる。
【0075】
図1の集積回路100では、基板およびセンサ部がともに樹脂から成るため、互いに強固に固定されており、試薬や試料液体の流れによりセンサ部が破壊されることや周期性が崩されることはなく、再利用も可能である。
【0076】
以下に図1の集積回路の作製方法を示す。まず、凹凸加工が形成された石英基板(ガラス基板)を用意した。凸部(この部分が最終的にポリカーボネイト基板上に形成された凹部の流路になる)の端部にシリカコロイド液(粒径:約300nm、粒径分布の変動係数:3%以下、コロイド液濃度:3wt%)を滴下し、乾燥させ、シリカ微粒子からなる周期構造を形成した。石英基板上の微粒子膜の硬度を高めるために600℃にて1時間の加熱を行った。
【0077】
その後、作製した基板同士が接するように、ポリカーボネイト基板を石英基板と平行に配置した。その後、シリカ微粒子間に液状の光硬化型樹脂(モノマーおよびオリゴマーなど)を流しこみ、紫外線を照射し、重合により硬化させた。
【0078】
その後、フッ酸中にシリカ微粒子および石英基板が除去されるのに充分な時間浸し、純水にて洗浄後、乾燥させた。
【0079】
その結果、図1に示すように光硬化型樹脂からなる球形空隙の周期構造体、および試料、試薬の導入箇所、流路をもつ集積回路をポリカーボネイト基板上に得た。
【0080】
図1に示す集積回路は、微粒子の反転周期性構造物を利用して、バイオセンサなどのセンサ箇所を設けたものである。光硬化型樹脂は石英基板からはずれるが、ポリカーボネイト基板に周期構造物が残る形になり、ともに樹脂材質であることから互いに強固に固定されている。
【0081】
このように、基板上に形成された、球形空隙からなる周期構造物は応用範囲が広く、気体・液体の透過量や吸着量の測定を利用したセンサとしての利用も可能である。
【0082】
ほぼ球形の空隙からなる周期構造では、周期構造の特性の一つであるフォトニックバンドギャップ(ストップバンド)をシグナルとして利用しており、測定精度は高い。
【0083】
プロセスとしても材料の無駄がなく、容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。
【0084】
<実施例2>
本実施例において、図1は、請求項1、3、8、13に記載の本発明に係る集積回路の模式図を示す図である。
【0085】
試薬を導入する箇所および、試料を導入する箇所は流路により連結されている。また、反応の結果得られる物質はセンサ部に形成される。センサ部は、本実施例においては、図3に示されるようにほぼ球形の微粒子からなる周期構造(周期間隔:約300nm、層数:約20層)である。
【0086】
このような周期構造では、物質の屈折率および周期間隔により決定される特定波長にて光学特性にフォトニックバンドギャップによるシグナル(透過率ではディップ、反射率では反射ピーク)が見られる。
【0087】
新たに反応により物質が形成された場合には、球形の微粒子の外側にその物質が入り込み、その結果、周期性構造物の平均屈折率(実効屈折率)を変えるため、光学特性シグナルが見られる波長がシフトする。
【0088】
その波長位置を換算(シフトの程度から反応物質の屈折率を計算)することにより、反応により新たに物質が形成されたか否かや、どのような物質が得られたかを高精度に調べることができる。
【0089】
図1の集積回路におけるセンサ部を形成する微粒子は、互いに強固に固定されており、試薬や試料液体の流れによりセンサ部が破壊されることや周期性が崩れることはなく、再利用も可能である。
【0090】
次に、図1に示す集積回路の作製方法を説明する。
まず、シリコン基板を用意し、エッチングにより、試薬や試料を導入する箇所、反応部、流路を形成した。反応部にシリカコロイド液(粒径:約300nm、粒径分布の変動係数:3%以下、コロイド液濃度:3wt%)を滴下し、乾燥させ、シリカ微粒子からなる周期構造を形成した。基板上の微粒子膜の硬度を高めるために600℃にて1時間の加熱を行った。
【0091】
図1に示す集積回路は、微粒子の周期性構造物を利用して、バイオセンサなどのセンサ箇所としたものである。このような周期構造では、周期構造の特性の一つであるフォトニックバンドギャップ(ストップバンド)をシグナルとして利用しており、測定精度は高い。
【0092】
プロセスとしても材料の無駄がなく、容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。
【0093】
<実施例3>
本実施例において、図4は、請求項1、2,4,7,9,13に記載の本発明に係る集積回路の模式図を示す図である。
【0094】
試薬を導入する箇所および、試料を導入する箇所は流路により連結されている。また、反応の結果得られる物質はセンサ部に形成される。センサ部は、本実施例においては、図3に示されるようにほぼ球形の微粒子からなる周期構造(周期間隔:約300nm、層数:約20層)である。
【0095】
このような周期構造では、物質の屈折率および周期間隔により決定される特定波長にて光学特性にフォトニックバンドギャップによるシグナル(透過率ではディップ、反射率では反射ピーク)が見られる。
【0096】
新たに反応により物質が形成された場合には、球形の微粒子の外側にその物質が入り込み、その結果、周期性構造物の平均屈折率(実効屈折率)を変えるため、光学特性シグナルが見られる波長がシフトする。
【0097】
そのシフトした波長位置を換算(シフトの程度から反応物質の屈折率を計算)し、予めテーブルなどに登録されている既知の物質の値とを対比することにより、反応により新たに物質が形成されたか否かや、またどのような物質が得られたかを高精度に調べることができる。
【0098】
図1の集積回路におけるセンサ部を形成する微粒子は、互いに強固に固定されており、試薬や試料液体の流れによりセンサ部が破壊されることや周期性が崩れることはなく、再利用も可能である。
【0099】
また、各流路に、pHにより応答して拡大または収縮するハイドロゲルからなるマイクロバルブ(非特許文献9参照)が形成されており、試薬や、リザーバ、センサ部を選択することにより、反応試薬およびセンサ部を選択することができる。
【0100】
図4に示す集積回路は、センサ部が2箇所備えられている場合を示したが、これらの個数などは限定されない。センサ部では、周期構造の特性の一つであるフォトニックバンドギャップ(ストップバンド)をシグナルとして利用しており、測定精度は高い。
【0101】
プロセスとしても材料の無駄がなく、容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。
【0102】
<実施例4>
本実施例において、図1は、請求項1、4、6、9、14に記載の本発明に係る集積回路の模式図を示す図である。試薬を導入する箇所および、試料を導入する箇所は流路により連結されている。
【0103】
また、反応の結果得られる物質はセンサ部に形成される。センサ部は、本実施例においては、図2に示されるようにほぼ球形の空隙からなる周期構造(周期間隔:約300nm、層数:約20層)であり、その周りは光硬化型樹脂から形成されている。
【0104】
このような周期構造では、物質の屈折率および周期間隔により決定される特定波長にて光学特性にシグナル(透過率ではディップ、反射率では反射ピーク)が見られる。
【0105】
新たに反応により物質が形成された場合には、球形空隙の内部に物質が入り込み、その結果、周期性構造物の平均屈折率(実効屈折率)を変えるため、光学特性シグナルが見られる波長がシフトする。
【0106】
そのシフトした波長位置を換算(シフトの程度から反応物質の屈折率を計算)し、予めテーブルなどに登録されている既知の物質の値とを対比することにより、反応により新たに物質が形成されたか否かや、またどのような物質が得られたかを高精度に調べることができる。
【0107】
図1の集積回路では、基板はシリコン、センサ部は樹脂から成る。周期性構造物は自己保持型のフィルムとして作製された後に、実装され、樹脂により固定された。このように、球形空隙の周期性構造物を別途作製して、集積回路に実装することにより、実施例1と同様な機能をもつ素子を作製することができる。
【0108】
<実施例5>
本実施例において、図1は、請求項1、4、5、6、9、14に記載の本発明に係る集積回路とその作製方法を説明するための図であり、また、図5は請求項15に記載の化学分析システムの模式図を示す図である。
【0109】
図1に示すように、集積回路100は、試薬を導入する箇所2、および、試料を導入する箇所3は流路により連結されている。図5に示すように化学分析システム(光学測定システム)は、集積回路1のほか、白色の光源10およびフォトディテクター11より構成される。
【0110】
反応の結果得られる物質はセンサ部5に形成され、検出される。センサ部5は、本実施例においては、図6に示されるように、基板1a上に設けられたほぼ球形の空隙50からなる周期構造(周期間隔:約300nm、層数:約20層)で構成され、ほぼ球形の空隙50の周りは光硬化型樹脂(ポリマー)51から形成されているが、周期性がくずされた箇所12が一部存在している。
【0111】
このような非周期構造を一部含む周期構造は、物質の屈折率および周期間隔により決定される特定波長にて光学特性にシグナル(光の共振による強まった光の放射)が見られる。
【0112】
新たに反応により物質が形成された場合には、球形空隙50の内部に物質が入り込み、その結果、周期性構造物の平均屈折率(実効屈折率)を変えるため、光学特性シグナルが見られる波長がシフトする。
【0113】
そのシフトした波長位置を換算(シフトの程度から反応物質の屈折率を計算)し、予めテーブルなどに登録されている既知の物質の値とを対比することにより、反応により新たに物質が形成されたか否かや、またどのような物質が得られたかを高精度に調べることができる。
【0114】
図1の集積回路では、基板はシリコン、センサ部は樹脂(ポリマー)から成る。周期性構造物は自己保持型のフィルムとして作製された後に、実装され、樹脂により固定された。
【0115】
このように、球形空隙の周期性構造物を別途作製して、集積回路100に実装することにより、光の共振スペクトルをシグナルとする化学分析システム(光学測定システム)を構築することができた。光学シグナルは、周期構造中に存在する非周期構造体の共振器構造を利用しており、高精度に検出することができる。
【0116】
<実施例6>
本実施例において、図1は、請求項1、4、5、6、10、14に記載の本発明に係る集積回路とその作製方法を説明するための図であり、また、図5は請求項15に記載の化学分析システムの模式図を示す図である。
【0117】
図1に示すように、集積回路では、試薬を導入する箇所2および試料を導入する箇所3は流路により連結されている。図5に示すように、化学分析システム(光学測定システム)は、集積回路のほか、白色光源およびフォトディテクターより構成される。
【0118】
反応の結果得られる物質はセンサ部5に形成され、検出される。センサ部5は、図6に示されるようにほぼ球形の空隙からなる周期構造(周期間隔:約300nm、層数:約20層)であり、ほぼ球形の空隙の周りはシリコン(金属または半導体)から形成されているが、周期性がくずされた箇所12が一部存在している。
【0119】
このような非周期構造を一部含む周期構造は、物質の屈折率および周期間隔により決定される特定波長にて光学特性にシグナル(光の共振による強まった光の放射)が見られる。
【0120】
新たに反応により物質が形成された場合には、球形空隙の内部に物質が入り込み、その結果、周期性構造物の平均屈折率(実効屈折率)を変えるため、光学特性シグナルが見られる波長がシフトする。
【0121】
そのシフトした波長位置を換算(シフトの程度から反応物質の屈折率を計算)し、予めテーブルなどに登録されている既知の物質の値とを対比することにより、反応により新たに物質が形成されたか否かや、またどのような物質が得られたかを高精度に調べることができる。
【0122】
図1の集積回路では、周期性構造物は球形空隙をシリコン(金属または半導体)が覆う形になっている。シリコン、ゲルマニウムなどは化学気相法により微粒子間に充填でき、その後、微粒子を除去することによって、球形空隙の周期性構造物を得ることができる。金属や半導体は信頼性が高く、強固な構造を作製することができる。
【0123】
以上、本発明を説明するために実施例を示してきたが、本発明はこれらの実施例にとどまることなく応用できることは言うまでもない。
【0124】
微粒子の種類は、周期性の点から単分散性粒子が好ましい。同一物質からなる粒子以外の、例えば、被覆が施された粒子などでも単分散性の良い粒子であれば周期性構造物は形成でき、問題はない。
【0125】
微粒子径は、通常数nmから数百nmのものが市販されているが、これらのサイズに限定されない。微粒子周期性構造物を作製するために使用する微粒子径を変えることによって、閉じ込める光の波長を選択することができる。
【0126】
また、微粒子周期性構造物の作製方法は、例えば、プローブを用いて個々に微粒子を配列させるなど、溶液を滴下させる以外の作製方法による周期性構造物であってもよい。
【0127】
また、球形空隙構造を形成する樹脂の材質や特性(光硬化、熱硬化などの硬化方法や成分など)は限定されない。
【0128】
マイクロバルブの材質や拡大・収縮など、バルブ開閉などのメカニズムは限定されない。
【0129】
作製される周期性構造物の横幅は数百μm程度、1チップとしては数mm〜数cm程度が好ましいが、請求項を満たす範囲で限定されない。周期性構造物作製時における溶液濃度、温度などは限定されない。ウェハーなどでまとめて作製し、チップ上に切り出すか、個々に作製するかは限定されない。
【0130】
光学特性の測定では、フォトニックバンドギャップや、共振器構造による光放出を利用する以外にも、周期性構造物の特性を利用した測定方法であれば限定されない。
【0131】
化学分析システムでは、小さなチップの中で試料や試薬の分離・分析、検出を行うことができるため、応用分野は幅広く、バイオセンサ、環境センサなど限定されない。
【0132】
また、溶媒の乾燥を利用して、微粒子が規則配列する現象は自己組織化であり、ボトムアップ手法の一つであるが、エッチング装置などを用いて材料を加工するトップダウン手法と比較して、材料の無駄がなく、プロセスとしても容易であるため、省資源・省エネルギーであり、環境面でも優れている。トップダウン方式では、真空装置は真空ポンプ、ヒータなども用いるので電力を大量に長時間使用する上、材料が無駄になる。
【0133】
一方、本発明などのようなボトムアップ手法では基板を微粒子分散液に浸すことにより微粒子が集積し、周期性構造物が形成されるので、作製に要するエネルギーが格段に小さく、プロセスそのものも省エネルギーになる。作製プロセスに用いる溶媒なども回収が容易で、省資源かつ環境に優しい。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】実施例1、2、4にて作製された集積回路の模式図である。
【図2】実施例1のセンサ部拡大概略図である。
【図3】実施例2のセンサ部拡大概略図である。
【図4】実施例3にて作製された集積回路の模式図である。
【図5】実施例5にて作製された化学分析システムの模式図である。
【図6】実施例5のセンサ部拡大概略図である。
【符号の説明】
【0135】
1:基板
2:試薬(試料)導入箇所
3:試薬(試料)導入箇所
4:流路
5:センサ部
50:球状空隙
51:球状空隙間の充填材(ポリマー、金属、半導体)
6:基板
7:微粒子からなる周期性構造物
8:リザーバ
9:マイクロバルブ
10:光源
11:フォトディテクター
12:周期性をくずす部分(非周期構造)
100:集積回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一基板上に、少なくとも、液体もしくは気体試料を蓄積・輸送する流路と、該液体もしくは気体試料を検出するためのセンサとなる周期性構造物を具備することを特徴とする集積回路。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路において、前記流路の一部にマイクロバルブを備えたことを特徴とする集積回路。
【請求項3】
請求項1または2に記載の集積回路において、前記周期性構造物は微粒子の配列体からなることを特徴とする集積回路。
【請求項4】
請求項1または2に記載の集積回路において、前記周期性構造物はほぼ球形の形状からなる空隙箇所が連結した構造を有することを特徴とする集積回路。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の集積回路において、前記周期性構造物はその一部に周期性をくずす領域を含むことを特徴とする集積回路。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の集積回路において、前記周期性構造物は前記単一基板上に固定されていることを特徴とする集積回路。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の集積回路において、前記流路を形成する材質と前記周期性構造物を形成する材質は同一材質を含むことを特徴とする集積回路。
【請求項8】
請求項3に記載の集積回路において、前記微粒子として、シリカ、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、硫化亜鉛、酸化チタンのいずれかを用いることを特徴とする集積回路。
【請求項9】
請求項4〜7のいずれかに記載の集積回路において、前記ほぼ球形の形状からなる空隙箇所が連結してなる周期性構造物は、ポリマーが球形空隙を覆って形成されていることを特徴とする集積回路。
【請求項10】
請求項4〜7のいずれかに記載の集積回路において、前記ほぼ球形の形状からなる空隙箇所が連結してなる周期性構造物は、金属もしくは半導体が球形空隙を覆って形成されていることを特徴とする集積回路。
【請求項11】
以下の工程順に作製することを特徴とする請求項1、2、4〜7、9、または10のいずれかに記載の集積回路の作製方法。ここで、基板Aと基板Bの材質は互いに異なり、微粒子Cと材料Dの材質は互いに異なるものとする。
(a)凹凸形状をもつ基板を用意し、凹凸形状に接するように一部に微粒子Cを配列させ、第一の周期性構造物を作製する行程。
(b)第一の周期性構造物の表面側から、基板Bを第一の周期性構造物に対面させ、その後、微粒子C間に材料Dを充填する工程。
(c)工程(b)において充填された材料Dを固化もしくは固定化する工程。
(d)微粒子Cを除去し、基板Aを基板Bおよび第一の周期性構造物から取り外すことにより、基板Bの上に、基板Aの反転構造および、第一の周期性構造物の反転周期性構造物を作製する工程。
【請求項12】
請求項11に記載の周期性構造物の作製方法において、前記工程(a)にて使用する微粒子を最終的に除去する工程は、液相における化学反応による除去であることを特徴とする集積回路の作製方法。
【請求項13】
以下の工程順に作製することを特徴とする請求項1〜3、または8のいずれかに記載の集積回路の作製方法。
(a)凹凸形状をもつ基板を作製する行程。
(b)その後、凹形状箇所に微粒子を配列させる行程。
【請求項14】
以下の工程順に作製することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の集積回路の作製方法。
(a)凹凸形状をもつ基板を作製する行程。
(b)その後、周期性構造物を実装する行程。
【請求項15】
請求項1〜10のいずれかに記載の集積回路と、白色もしくは単色光源と、受光部とを具備することを特徴とする化学分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−250632(P2006−250632A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−65873(P2005−65873)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】