離脱分別装置、及びその方法
【課題】 栓とカバー材を針から離脱し分別できる離脱分別装置、及びその方法を提供する。
【解決手段】 離脱分別装置20によれば、針5が開栓位置Oを起点として移動する行程で、針5に突き刺された栓2から垂れ下がるカバー材Pが、把持手段21によって把持される。更に、針5が移動することにより栓2が把持手段21から離れるに従って、カバー材Pが把持手段21に引き取られる。把持手段21がカバー材Pを解放すると、カバー材Pは把持手段21から落下し、一の収集手段23によって受止められる。更に針5が移動する行程で、栓2にガイドレール22が滑り接触しながら、栓2を下方へ案内することにより、栓2が針5から落下し、他の収集手段24によって受止められる。
【解決手段】 離脱分別装置20によれば、針5が開栓位置Oを起点として移動する行程で、針5に突き刺された栓2から垂れ下がるカバー材Pが、把持手段21によって把持される。更に、針5が移動することにより栓2が把持手段21から離れるに従って、カバー材Pが把持手段21に引き取られる。把持手段21がカバー材Pを解放すると、カバー材Pは把持手段21から落下し、一の収集手段23によって受止められる。更に針5が移動する行程で、栓2にガイドレール22が滑り接触しながら、栓2を下方へ案内することにより、栓2が針5から落下し、他の収集手段24によって受止められる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開栓装置を用いて容器から栓とカバー材を取外した後、開栓装置から栓とカバー材をそれぞれ離脱させ、栓とカバー材を分別できる離脱分別装置、及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳等の飲料を封入する容器を開栓する開栓装置の一例として、下記の特許文献1乃至3に、容器の栓をその真上から針で突き刺した状態で、栓を容器から取外す技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−180497号公報
【特許文献2】特開2000−203691号公報
【特許文献3】特開2003−54691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、容器の清潔を確保するために、容器の上端口部を栓で塞ぎ、更にシュリンクフィルム等から成るカバー材を容器に被せることがある。同カバー材は、容器に被せた状態で熱収縮されると、容器の上端口部から栓の下側まで及ぶ範囲で容器の周面に密着する。このような容器を開栓する場合、針で突き刺した栓を容器から取外す動作に伴なわせて、カバー材も栓と一緒に容器から外すようにする。この場合、開栓後不用になる栓とカバー材を針から離脱させた後、これらを人手によって分別しなければならず、多くの手間を要する。
【0004】
そこで、本発明の目的は、栓とカバー材を針から離脱し分別できる離脱分別装置、及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺した状態で、前記上端口部から前記栓の下側までを覆うカバー材を、前記栓に伴なわせて前記容器から取外す開栓装置が、前記針を水平に移動させる行程で、前記栓及び前記カバー材を前記針から離脱させ分別する離脱分別装置に係るものであって、前記針に突き刺された前記栓の下側に配置され前記カバー材を着脱自在に把持する把持手段と、前記針の移動方向に対して下降傾斜したガイドレールと、前記把持手段及び前記ガイドレールの下方にそれぞれ配置された2つの収集手段とを備え、前記把持手段が前記カバー材を把持し、前記針が移動することにより前記栓が前記把持手段から離れるに従って、前記カバー材が前記把持手段に引き取られ、前記把持手段が、前記カバー材を解放することにより、前記カバー材を落下させ、前記ガイドレールが、前記針に突き刺された前記栓に滑り接触しながら、前記栓を下方へ案内することにより、前記栓を前記針から落下させ、前記栓及び前記カバー材を、それぞれ前記2つの収集手段に受けさせることを特徴とする。
【0006】
更に、本発明に係る離脱分別装置は、前記把持手段が、相対向する挟着片と、該挟着片を相互に開閉させる開閉手段とを備え、前記挟着片同士が、前記カバー材の通過できる間隙を隔てる開位置、又は前記挟着片同士の間に前記カバー材を挟着できる閉位置に変位することを特徴とする。
【0007】
更に、本発明に係る離脱分別装置は、前記ガイドレールを移動させるレール移動手段を備え、前記レール移動手段が、前記ガイドレールを前記針に突き刺された前記栓から逸れる位置、又は前記栓に上側から接触できる位置に移動することを特徴とする。
【0008】
本発明は、容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺した状態で、前記上端口部から前記栓の下側までを覆うカバー材を、前記栓に伴なわせて前記容器から取外す開栓装置が、前記針を水平に移動させる行程で、前記栓及び前記カバー材を前記針から離脱させ分別する離脱分別方法に係るものであって、前記針に突き刺された前記栓の下側で前記カバー材を把持する工程と、前記カバー材の把持を維持し、前記針の移動に従って前記針に突き刺された前記栓から前記カバー材を引き離す工程と、前記カバー材を解放することにより落下させ、前記カバー材を収集する工程と、前記針に突き刺された前記栓を下方へ案内し、前記針から前記栓を落下させて収集する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、開栓装置が容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺し、この容器を覆うカバー材を栓に伴なわせて同容器から取外し、針に栓を突き刺したまま同針を水平に移動させる行程で、針からカバー材及び栓を個別に離脱させ、これらを更に分別することができる。
【0010】
即ち、容器の上端口部から栓の下側までを覆うカバー材は、針を水平に移動させる行程で、針に突き刺された栓よりも下方へ垂れ下がることになる。一方、把持手段は、針に突き刺された栓の下側に針より低く配置されているので、把持手段はカバー材だけを把持することができる。この状態から更に針が水平に移動することにより栓が把持手段から離れると、これに従ってカバー材が把持手段に引き取られる。
【0011】
そして、把持手段が、カバー材を解放することにより、カバー材を落下させれば、このカバー材は、把持手段の下方に配置された一の収集手段に受けられる。更に、針が水平に移動する行程で、針の移動方向に対して下降傾斜したガイドレールが、針と共に移動する栓に滑り接触しながら、栓を下方へ案内する。これにより、針から落下する栓は、ガイドレールの下方に配置された他の収集手段に受けられる。
【0012】
以上のように、把持手段に引き取られたカバー材が同把持手段から落下する位置と、栓がガイドレールに案内されつつ針から落下する位置が、互いに針の移動方向に違えている。しかも、把持手段及びガイドレールの下方にそれぞれ配置された2つの収集手段によって、把持手段から落下したカバー材と、針から落下した栓とをそれぞれ個別に回収できるので、カバー材と栓が混ざることがない。
【0013】
従って、本発明によれば、開栓後不用になる栓とカバー材を分別するのに人手が不要となり、開栓装置が容器を開栓する工程を終えてから、栓とカバー材の分別に至るまでの工程時間を大幅に短縮するとができる。しかも、2つの収集手段に個別に回収されたカバー材と栓の少なくとも一方を、そのまま再生、廃棄、又は何かの原料に加工する等の次工程へ送ることができるので、カバー材と栓を処分する作業も簡単に行える。
【0014】
また、把持手段が、相対向する挟着片と、挟着片を相互に開閉させる開閉手段とを備える場合、挟着片同士がカバー材の通過できる間隙を隔てる開位置に変位したとき、針に突き刺されて栓より垂れ下がったカバー材を、挟着片同士の間に進入させられる。この状態で、挟着片を閉位置にすれば、挟着片同士の間にカバー材を挟着できる。これにより、針と共に移動する栓が、挟着片同士の間に挟着されたカバー材から離れるので、栓からカバー材を確実に引き離すことができる。
【0015】
また、開栓装置が針を水平に移動させる方向は、開栓装置が容器から栓とカバー材を取外した開栓位置を起点にしても良い。このような開栓位置を起点に針を往動させた後、その反対方向へ針を復動させて開栓位置まで復帰させれば、針を上下方向へ移動させなくて済むので、針を水平に移動した後で別の容器から栓とカバー材を取外すまでの針の動作、及びその制御を最も簡単に行うことができる。また、開栓装置が針を水平方向に移動させる動作は、開栓装置に新たな動作を付加するものではいので、既存の開栓装置の制御を別段変更しなくて良いという利点がある。
【0016】
カバー材が把持手段によって把持された後で更に針を往動させても良いが、この位置で針が復動に転じるようにしても良い。特に、把持手段を針が往動から復動に転じる位置に設けると、ガイドレールと把持手段との間で針を移動させる距離を最小限に短縮できるので、当該離脱分別装置を小型化するのに有利である。カバー材が把持手段によって把持された後で針が往動又は復動する方向の何れに移動しても、針と共に移動する栓が、把持手段に把持されたカバー材から離れることになるので、栓からカバー材を確実に引き離すことができる。
【0017】
また、上記のように、カバー材が把持手段によって把持された後で針が復動に転じる場合、針が往動する行程、言い換えればカバー材が把持手段によって把持される前に、ガイドレールが栓に滑り接触しないように、レール移動手段がガイドレールを針と共に移動する栓から逸れる位置に移動させることができる。これにより、針と共に復動する栓は、開栓位置から把持手段へ向ってガイドレールから逸れた位置を通過し、その前途で、栓より垂れ下がるカバー材が把持手段によって把持される。更に、針が復動する行程で、レール移動手段がガイドレールを、針に突き刺された栓に上側から接触できる位置に移動させれば、上記の通り、栓がガイドレールに案内されつつ針から落下する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
先ずは、本発明の実施形態に係る開栓装置を説明した上で、同開栓装置に組合せて使用できる離脱分別装置を説明する。また、以下に記す駆動源、案内手段、駆動手段、又は移動手段には、それぞれ周知の技術を適用できるので、その図示又は説明は省略する。
【0019】
例えば、駆動源としてサーボモータ等の回転機、エアシリンダ、又は油圧シリンダを適用できる。案内手段としては、スライドレールに滑子を滑動自在に係合させて成る滑り対遇を適用できる。駆動手段としては、送りねじにボールナット等を螺合させて成る回り対遇の一方を滑子に接続し、駆動源を用いて相対的に回り対遇を回転させ、これらの変位に従わせて滑子を所望の位置に移動又は停止できるよう構成しても良い。
【0020】
図1〜図3に示す開栓装置10は、上端口部1が栓2で塞がれた複数の容器3を、函体4の内側に位置決めした状態で、これら複数の容器3を開栓することに加え、上端口部1から栓2の下側までを覆うカバー材Pを、栓2に伴なわせて容器3から取外すものである。開栓装置10の主な構成要素は、複数の針5をそれぞれの先端6が下方へ向く姿勢、又はそれぞれの先端6が矢印cで指した時計回りに起上がった姿勢にする旋回手段7と、矢印Tで指した方向(以下で「搬送方向T」と記す。)へ函体4を搬送するチェーンコンベヤ8と、複数の針5を旋回手段7と共に移動自在に支持する移動手段9である。
【0021】
図3の矢印Wは、搬送方向Tに直交する水平方向を指している。この方向を以下で「幅方向W」と記す。移動手段9は、可動ヘッド部90を鉛直方向に案内する第1の案内手段91と、可動ヘッド部90を昇降させる第1の駆動手段92と、可動ヘッド部90を幅方向Wへ案内する第2の案内手段93と、可動ヘッド部90を第2の案内手段93に従わせて移動させる第2の駆動手段(図示せず)とを備える。
【0022】
旋回手段7は、図4及び図5に示すように、幅方向Wに延びる複数本の回転軸11と、回転軸11を可動ヘッド部90に回転自在に支持する軸受部材13と、複数の回転軸11を連動させる連動手段14と、回転軸11に針5を固定するホルダブロック15とを備える。1本の回転軸11には、複数個のホルダブロック15を介して複数の針5が固定される。連動手段14は、複数本の回転軸11のそれぞれの適所に固定されたピニオン18に、ラック19を噛み合せ、駆動手段(図示せず)によりラック19を搬送方向Tに沿う向きに進退動するものである。
【0023】
更に、旋回手段7は、ホルダブロック15に固定されたゴム片等から成る摩擦材71と、針5の上方に重なるように軸受部材13の適所に固定された保持部材72とを備える。保持部材72は、ステンレス鋼製の板ばねであり、針5の先端6へ向うに従い下降傾斜する形状である。
【0024】
次に、開栓装置10の動作を図1〜図6を参照しながら説明する。開栓装置10の動作は、既述の構成要素がオペレータの指令、センサ類からの電気信号、又は開栓装置10の制御を担うCPUがアクセスできる記憶媒体に書き込まれたプログラムに基づいて成されるものとする。以下の説明は、特に断らない限り1本の針5に注目して行うとする。また、文頭に付した英文字は動作工程を区分する指標である。
【0025】
A:移動手段9が、可動ヘッド部90をチェーンコンベヤ8の真上に位置決めし、可動ヘッド部90と共に総ての針5を上昇させる。更に、旋回手段7が、総ての針5をそれぞれの先端6が下方へ向いた姿勢とする。
【0026】
B:チェーンコンベヤ8に載せられた函体4が、可動ヘッド部90の真下まで搬入されたところで、チェーンコンベヤ8を停止させる。そして、移動手段9が、図1に示すように、先端6を下方へ向けた総ての針5を、可動ヘッド部90と共に下降させる。これにより、図6(a),(b)に示すように、複数の容器3のそれぞれの上端口部1を塞ぐ栓2に、総ての針5を各々突き刺すことができる。
【0027】
C:旋回手段7が、図6(c)に示すように、回転軸11を矢印cで指した時計回りに回転させると、総ての針5のそれぞれの先端6が起上がる。これにより、栓2は、針5に引っ掛けられ、図6(d)に示すように変形しながら容器3の上端口部1から浮き上がる。そして、栓2の周縁と容器3との引っ掛が断たれた時点で、移動手段9が可動ヘッド部90を上昇させると、図6(e)に示すように、針5に突き刺された栓2が、カバー材Pを伴なって容器3から上昇する。この時点で、針5が到達した位置を以下で「開栓位置」とする。
【0028】
上記Cの工程で、栓2及びカバー材Pは、図6(e)に示すように摩擦材71と保持部材72の間に保持され、更に摩擦材71は、カバー材Pが栓2から脱落するのを予防する滑り止めとなるので、容器3から離脱する栓2に伴ってカバー材Pも確実に容器3から離脱する。
【0029】
D:移動手段9が、可動ヘッド部90を幅方向Wに沿う方向、例えば図3に矢印X1で指した方向へ水平に移動させる。これは、可動ヘッド部90の真下から函体4及びチェーンコンベヤ8が逸れる位置まで、可動ヘッド部90を移動させるためである。矢印X1は針5の移動方向を限定するものではない。上記の「水平に移動」とは、水平方向に一致する方向に針5が移動することに限らず、水平方向に対して傾斜する方向へ針5が移動しても良く、或いは針5が水平方向へ移動する途中で鉛直方向に変位しても良い。
【0030】
本発明の実施形態に係る離脱分別装置は、上記Dの工程で、可動ヘッド部90に支持されながら移動する総ての針5から、栓2及びカバー材Pを各々離脱させ分別するものである。その原理は次の通りである。
【0031】
図7に示すように、離脱分別装置20は、カバー材Pを着脱自在に把持する把持手段21と、針5の移動方向に対して下降傾斜したガイドレール22と、把持手段21及びガイドレール22の下方にそれぞれ配置された2つの収集手段23,24とを備える。説明を簡単にするため、ここでは針5の姿勢は考慮しない。針5が開栓位置Oを起点として移動する行程で、針5に突き刺された栓2より垂れ下がるカバー材Pは、栓2より低く配置された把持手段21によって把持(挟着)され、その位置に固定される。
【0032】
更に、針5が移動することにより栓2が把持手段21から離れるに従って、カバー材Pが把持手段21に引き取られる。言い換えると、把持手段21にカバー材Pが残り、針5と共に栓2が移動し続ける。そして、把持手段21がカバー材Pを解放すると、カバー材Pは、把持手段21から落下し、把持手段21の下方に配置された一の収集手段23によって受止められる。針5が更に移動する行程で、針5に突き刺された栓2にガイドレール22が滑り接触しながら、栓2を下方へ案内する。これにより、栓2は針5から落下し、ガイドレール22の下方に配置された他の収集手段24によって受止められる。
【実施例1】
【0033】
次に、離脱分別装置20の実施例を説明する。既に図1〜図7に示した対象には、以下で同じ符号、又は同じ呼称を用いるとし、その図示又は説明は省略する。
【0034】
図8(a),(b)に示すように、本実施例では、開栓位置Oを起点に針5を矢印X1で指した方向へ往動させた後、矢印X2で指した反対方向へ針5を復動させて開栓位置Oに復帰させる。また、針5が往動から復動に転じる反転位置Rの下方に把持手段21を配置し、栓2にガイドレール22を滑り接触させるのは、針5が復動する行程で行うようにする。
【0035】
図9は、チェーンコンベヤ8に載せられた函体4、把持手段21、ガイドレール22、及び個別のシュートから成る2つの収集手段23,24のそれぞれの位置関係を示している。同図に表れた函体4の断面は、図1のa−a線断面に相当する。図10は、把持手段21を構成する複数の挟着片25,26を図9のb−b線断面として表している。図示の16枚の挟着片25,26は、その中の一の挟着片25が、可動ロッド27の長手方向に等間隔に8枚並べられた状態で、相互に可動ロッド27を介して結束されている。他の挟着片26は、固定ロッド28の長手方向に等間隔に8枚並べられた状態で、固定ロッド28を介して結束されている。
【0036】
固定ロッド28の両端は、離脱分別装置20の主フレーム29に固定されているので、他の挟着片26は図示の位置に固定されている。可動ロッド27は、その両端がガイドスリーブ271を介して主フレーム29に支持され、他の挟着片26を貫く挿通孔261を通り抜けている。このため、可動ロッド27は、エアシリンダを主体とする開閉手段30の作動ロッド31に従い進退動できるので、一の挟着片25の位置は開閉手段30の作動ロッド31に従い変位する。
【0037】
図10に示すように、開閉手段30の作動ロッド31が可動ロッド27と共に図中の左側へ後退すると、一の挟着片25は開位置に変位する。この状態で、一の挟着片25とその右側に位置する他の挟着片26とは、互いに寸法dの間隙を隔て対面する。作動ロッド31が図中を右側へ前進すると、一の挟着片25は、その右側の他の挟着片26に突き当たる閉位置まで変位する(d→0)。
【0038】
ガイドレール22は、図11〜図13に示すように、支持体32に立ち上げた薄板から成り、この下辺のエッジ部33を、針5が復動する方向に対して下降傾斜させたものである。更に、ガイドレール22に対して、針5が先端6を下方へ向けた姿勢で通過できる間隙を隔てた位置に、補助レール34を設けるのが望ましい。補助レール34は、ガイドレール22に一面を向けた角形パイプを主体とし、その一面を切除することにより、針5が復動する方向に対して下降傾斜するエッジ部35を形成したものである。
【0039】
支持体32は、エアシリンダを主体とするレール移動手段36の作動ロッド37に接続されている。作動ロッド37が鉛直方向に上下動すると、ガイドレール22及び補助レール34が、支持体32と共に図9に実線で表した下限位置、又は仮想線で表した上限位置に移動する。
【0040】
以上に述べた離脱分別装置20を用いた栓2とカバー材Pの離脱分別方法について、図8〜図12を参照しながら説明する。既に上記Cの工程で、図6(d)に示すように先端6を起上らせた針5の姿勢は、上記Dの工程に至っても同様であるので、以下の説明は、針5が図6(e)に示した高さと姿勢を保ちながら水平に移動(往動)する時点から始める。
【0041】
E:開閉手段30が、作動ロッド31と共に可動ロッド27を後退することにより、一の挟着片25を開位置に変位させる。レール移動手段36が、作動ロッド37を下降することにより、ガイドレール22を下限位置まで移動させる。この工程は、上記Dの工程の直前までに完了する。
【0042】
F:針5が往動する行程で、下限位置にあるガイドレール22は栓2に滑り接触しないので、栓2は針5に突き刺されたまま把持手段21へ向ってガイドレール22の上方を通過する。そして、針5に突き刺された栓2より垂れ下がるカバー材Pは、開位置に変位した一の挟着片25と、他の挟着片26との間隙(寸法d)に進入する。
【0043】
G:針5が反転位置Rに達したところで、開閉手段30が、作動ロッド31と共に可動ロッド27を前進する。これにより一の挟着片25が閉位置に変位するので、栓2より垂れ下がるカバー材Pが、把持手段21に把持される。つまり、一の挟着片25と他の挟着片26の間にカバー材Pが挟着され、その位置にカバー材Pが固定される。この工程で、針5が反転位置Rに達した時点で針5が直ちに復動に転じるか、又は所定の時間停止した後で復動に転じるかは、開栓装置10の動作に依存するが、何れにしても、可動ヘッド部90が移動する速度に比較して、開閉手段30の動作速度を高速にすれば、カバー材Pを把持手段21によって確実に把持できる。
【0044】
H:カバー材Pが把持手段21に把持された時点で、旋回手段7が回転軸11を図中で反時計回りに回転させることにより、図9に示すように、針5を先端6が下方へ向いた姿勢にする。これにより、栓2は、図6(e)に示した姿勢から、回転軸11が回転した分傾くので、栓2はその周縁の一方を他方より跳ね上げた傾斜姿勢となる。この栓2の傾斜姿勢は、後述の図12に表れている。
【0045】
上記C〜G工程で、針5を先端6が起上る姿勢に維持したのは、栓2から垂れ下がるカバー材Pを、図6(e)に示した状態に保ちながら反転位置Rまで到達させるためである。これは、カバー材Pがある程度の弾性を有するため、カバー材Pを把持手段21によって把持する前に、針5の先端6を下方へ向けると、栓2から垂れ下がっていたカバー材Pが横向きになり、開位置に変位した一の挟着片25と他の挟着片26の間にカバー材Pが収まらなくなることを配慮している。従って、針5の姿勢に関わりなくカバー材Pが栓2から垂れ下がるのであれば、上記Cの工程を終えた時点で、針5の先端6を下方へ向けても良い。この場合、上記Hの工程は省略できる。
【0046】
I:針5が反転位置Rから復動すると、針5と共に復動する栓2が把持手段21に把持されたカバー材Pから離れ、針5と把持手段21の距離が広がる。これに従って栓2からカバー材Pが引き離され、栓2からカバー材Pが離脱することになる。
【0047】
J:開閉手段30が、作動ロッド31と共に可動ロッド27を後退することにより、一の挟着片25が再び開位置に変位し、一の挟着片25と他の挟着片26の間からカバー材Pが解放される。そのままカバー材Pは、一の挟着片25と他の挟着片26の間から落下し、一の収集手段23に受止められる。
【0048】
K:レール移動手段36が、作動ロッド37を上昇することにより、ガイドレール22及び補助レール34を上限位置まで移動させる。そして、針5が復動を続けると、図12に示すように、針5に突き刺されて傾斜姿勢をとる栓2が、ガイドレール22と補助レール34の間に進入することにより、栓2の周縁の一方に、その上側からガイドレール22のエッジ部33が滑り接触し、栓2の周縁の他方に、その上側から補助レール34のエッジ部35が滑り接触する。
【0049】
L:針5が更に復動するに従って、栓2はエッジ部33及びエッジ部35によって針5の先端6へ案内され、針5がガイドレール22と補助レール34の間を通過する前に、栓2は針5から落下し、他の収集手段24に受止められる。2つの収集手段23,24に受止められたカバー材Pと栓2を、それぞれベルトコンベヤ等を利用して他所へ搬出しても良い。針5は、ガイドレール22と補助レール34の間を通過した後、開栓位置Oに復帰し、上記B〜Lの工程が繰り返される。
【0050】
上記K,Lの工程で、ガイドレール22及び補助レール34の両方を適用したのは、次の理由による。即ち、栓2の周縁の一方がガイドレール22に案内される過程で、栓2の周縁の一方はガイドレール22から相対的に押下げられる力を受けるが、その分、栓2は針5で突き刺された箇所を支点にして周縁の他方が跳ね上がる方向へ傾こうとする。このため、ガイドレール22から受ける力が逃げることになるので、栓2の周縁の他方に補助レール34を当てることにより、栓2の周縁の他方が跳ね上がることを規制する。
【0051】
以上に述べた通り、把持手段21に引き取られたカバー材Pが把持手段21から落下する位置と、栓2がガイドレール22及び補助レール34に案内されつつ針5から落下する位置とは、互いに針5の移動方向に違えている。しかも、2つの収集手段23,24によって、把持手段21から落下したカバー材Pと、針5から落下した栓2とを、それぞれ個別に回収できるので、カバー材Pと栓2が混ざることがない。
【0052】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様で実施できる。例えば、レール移動手段36は省略しても良い。この場合、ガイドレール22は始めから下限位置に固定すれば良い。そして、上記Iの工程を終えた時点で、開栓装置10が可動ヘッド部90を下降させることにより、針5に突き刺された栓2に、下限位置に固定されたガイドレール22が滑り接触する高さまで、針5を下降させる。これにより上記Lの工程を実現できる。
【0053】
この他、図13に示すように、ガイドレール22を補助レール34から離れる向きに約6°傾けても良い。また、レール移動手段36の両側に、支持体32の振れを抑えるための案内手段361を設けても良い。また、符号39は鋸刃状板を指している。これは、上記Iの工程を終えてら、復動する針5に突き刺された栓2に、尚もカバー材Pが残留する不具合が起こった場合に、このようなカバー材Pがガイドレール22と補助レール34の間に進入するのを阻止するものである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、あらゆる用途の栓及びカバー材を離脱し分別するのに有益な技術である。また、栓又はカバー材は、針の突き刺し又は把持手段による把持が可能なものであれば、厚紙、合成樹脂、又は金属薄板等、その材質は何でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係る開栓装置の正面図。
【図2】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部を一部破断した正面図。
【図3】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部を示した図1のa−a線断面図。
【図4】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部の動作の一例を示す斜視図。
【図5】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部の動作の他例を示す斜視図。
【図6】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部の動作例を(a)から(e)の順に説明する正面図。
【図7】本発明の実施形態に係る離脱分別装置の動作原理を説明する概略図。
【図8】本発明の実施例1に係る離脱分別装置の動作原理を(a)から(b)の順に説明する概略図。
【図9】本発明の実施例1に係る離脱分別装置の要部を示した断面図。
【図10】本発明の実施例1に係る離脱分別装置に適用した把持手段の平面図。
【図11】本発明の実施例1に係る離脱分別装置に適用したガイドレールの取付構造を示す平面図。
【図12】本発明の実施例1に係る離脱分別装置に適用したガイドレールの作用を説明する斜視図。
【図13】本発明の実施例1に係る離脱分別装置に適用したガイドレールの取付構造を示す正面図。
【符号の説明】
【0056】
1:上端口部
2:栓
3:容器
5:針
6:先端
10:開栓装置
20:離脱分別装置
21:把持手段
22:ガイドレール
23,24:収集手段
25,26:挟着片
30:開閉手段
36:レール移動手段
P:カバー材
【技術分野】
【0001】
本発明は、開栓装置を用いて容器から栓とカバー材を取外した後、開栓装置から栓とカバー材をそれぞれ離脱させ、栓とカバー材を分別できる離脱分別装置、及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳等の飲料を封入する容器を開栓する開栓装置の一例として、下記の特許文献1乃至3に、容器の栓をその真上から針で突き刺した状態で、栓を容器から取外す技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−180497号公報
【特許文献2】特開2000−203691号公報
【特許文献3】特開2003−54691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、容器の清潔を確保するために、容器の上端口部を栓で塞ぎ、更にシュリンクフィルム等から成るカバー材を容器に被せることがある。同カバー材は、容器に被せた状態で熱収縮されると、容器の上端口部から栓の下側まで及ぶ範囲で容器の周面に密着する。このような容器を開栓する場合、針で突き刺した栓を容器から取外す動作に伴なわせて、カバー材も栓と一緒に容器から外すようにする。この場合、開栓後不用になる栓とカバー材を針から離脱させた後、これらを人手によって分別しなければならず、多くの手間を要する。
【0004】
そこで、本発明の目的は、栓とカバー材を針から離脱し分別できる離脱分別装置、及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺した状態で、前記上端口部から前記栓の下側までを覆うカバー材を、前記栓に伴なわせて前記容器から取外す開栓装置が、前記針を水平に移動させる行程で、前記栓及び前記カバー材を前記針から離脱させ分別する離脱分別装置に係るものであって、前記針に突き刺された前記栓の下側に配置され前記カバー材を着脱自在に把持する把持手段と、前記針の移動方向に対して下降傾斜したガイドレールと、前記把持手段及び前記ガイドレールの下方にそれぞれ配置された2つの収集手段とを備え、前記把持手段が前記カバー材を把持し、前記針が移動することにより前記栓が前記把持手段から離れるに従って、前記カバー材が前記把持手段に引き取られ、前記把持手段が、前記カバー材を解放することにより、前記カバー材を落下させ、前記ガイドレールが、前記針に突き刺された前記栓に滑り接触しながら、前記栓を下方へ案内することにより、前記栓を前記針から落下させ、前記栓及び前記カバー材を、それぞれ前記2つの収集手段に受けさせることを特徴とする。
【0006】
更に、本発明に係る離脱分別装置は、前記把持手段が、相対向する挟着片と、該挟着片を相互に開閉させる開閉手段とを備え、前記挟着片同士が、前記カバー材の通過できる間隙を隔てる開位置、又は前記挟着片同士の間に前記カバー材を挟着できる閉位置に変位することを特徴とする。
【0007】
更に、本発明に係る離脱分別装置は、前記ガイドレールを移動させるレール移動手段を備え、前記レール移動手段が、前記ガイドレールを前記針に突き刺された前記栓から逸れる位置、又は前記栓に上側から接触できる位置に移動することを特徴とする。
【0008】
本発明は、容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺した状態で、前記上端口部から前記栓の下側までを覆うカバー材を、前記栓に伴なわせて前記容器から取外す開栓装置が、前記針を水平に移動させる行程で、前記栓及び前記カバー材を前記針から離脱させ分別する離脱分別方法に係るものであって、前記針に突き刺された前記栓の下側で前記カバー材を把持する工程と、前記カバー材の把持を維持し、前記針の移動に従って前記針に突き刺された前記栓から前記カバー材を引き離す工程と、前記カバー材を解放することにより落下させ、前記カバー材を収集する工程と、前記針に突き刺された前記栓を下方へ案内し、前記針から前記栓を落下させて収集する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、開栓装置が容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺し、この容器を覆うカバー材を栓に伴なわせて同容器から取外し、針に栓を突き刺したまま同針を水平に移動させる行程で、針からカバー材及び栓を個別に離脱させ、これらを更に分別することができる。
【0010】
即ち、容器の上端口部から栓の下側までを覆うカバー材は、針を水平に移動させる行程で、針に突き刺された栓よりも下方へ垂れ下がることになる。一方、把持手段は、針に突き刺された栓の下側に針より低く配置されているので、把持手段はカバー材だけを把持することができる。この状態から更に針が水平に移動することにより栓が把持手段から離れると、これに従ってカバー材が把持手段に引き取られる。
【0011】
そして、把持手段が、カバー材を解放することにより、カバー材を落下させれば、このカバー材は、把持手段の下方に配置された一の収集手段に受けられる。更に、針が水平に移動する行程で、針の移動方向に対して下降傾斜したガイドレールが、針と共に移動する栓に滑り接触しながら、栓を下方へ案内する。これにより、針から落下する栓は、ガイドレールの下方に配置された他の収集手段に受けられる。
【0012】
以上のように、把持手段に引き取られたカバー材が同把持手段から落下する位置と、栓がガイドレールに案内されつつ針から落下する位置が、互いに針の移動方向に違えている。しかも、把持手段及びガイドレールの下方にそれぞれ配置された2つの収集手段によって、把持手段から落下したカバー材と、針から落下した栓とをそれぞれ個別に回収できるので、カバー材と栓が混ざることがない。
【0013】
従って、本発明によれば、開栓後不用になる栓とカバー材を分別するのに人手が不要となり、開栓装置が容器を開栓する工程を終えてから、栓とカバー材の分別に至るまでの工程時間を大幅に短縮するとができる。しかも、2つの収集手段に個別に回収されたカバー材と栓の少なくとも一方を、そのまま再生、廃棄、又は何かの原料に加工する等の次工程へ送ることができるので、カバー材と栓を処分する作業も簡単に行える。
【0014】
また、把持手段が、相対向する挟着片と、挟着片を相互に開閉させる開閉手段とを備える場合、挟着片同士がカバー材の通過できる間隙を隔てる開位置に変位したとき、針に突き刺されて栓より垂れ下がったカバー材を、挟着片同士の間に進入させられる。この状態で、挟着片を閉位置にすれば、挟着片同士の間にカバー材を挟着できる。これにより、針と共に移動する栓が、挟着片同士の間に挟着されたカバー材から離れるので、栓からカバー材を確実に引き離すことができる。
【0015】
また、開栓装置が針を水平に移動させる方向は、開栓装置が容器から栓とカバー材を取外した開栓位置を起点にしても良い。このような開栓位置を起点に針を往動させた後、その反対方向へ針を復動させて開栓位置まで復帰させれば、針を上下方向へ移動させなくて済むので、針を水平に移動した後で別の容器から栓とカバー材を取外すまでの針の動作、及びその制御を最も簡単に行うことができる。また、開栓装置が針を水平方向に移動させる動作は、開栓装置に新たな動作を付加するものではいので、既存の開栓装置の制御を別段変更しなくて良いという利点がある。
【0016】
カバー材が把持手段によって把持された後で更に針を往動させても良いが、この位置で針が復動に転じるようにしても良い。特に、把持手段を針が往動から復動に転じる位置に設けると、ガイドレールと把持手段との間で針を移動させる距離を最小限に短縮できるので、当該離脱分別装置を小型化するのに有利である。カバー材が把持手段によって把持された後で針が往動又は復動する方向の何れに移動しても、針と共に移動する栓が、把持手段に把持されたカバー材から離れることになるので、栓からカバー材を確実に引き離すことができる。
【0017】
また、上記のように、カバー材が把持手段によって把持された後で針が復動に転じる場合、針が往動する行程、言い換えればカバー材が把持手段によって把持される前に、ガイドレールが栓に滑り接触しないように、レール移動手段がガイドレールを針と共に移動する栓から逸れる位置に移動させることができる。これにより、針と共に復動する栓は、開栓位置から把持手段へ向ってガイドレールから逸れた位置を通過し、その前途で、栓より垂れ下がるカバー材が把持手段によって把持される。更に、針が復動する行程で、レール移動手段がガイドレールを、針に突き刺された栓に上側から接触できる位置に移動させれば、上記の通り、栓がガイドレールに案内されつつ針から落下する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
先ずは、本発明の実施形態に係る開栓装置を説明した上で、同開栓装置に組合せて使用できる離脱分別装置を説明する。また、以下に記す駆動源、案内手段、駆動手段、又は移動手段には、それぞれ周知の技術を適用できるので、その図示又は説明は省略する。
【0019】
例えば、駆動源としてサーボモータ等の回転機、エアシリンダ、又は油圧シリンダを適用できる。案内手段としては、スライドレールに滑子を滑動自在に係合させて成る滑り対遇を適用できる。駆動手段としては、送りねじにボールナット等を螺合させて成る回り対遇の一方を滑子に接続し、駆動源を用いて相対的に回り対遇を回転させ、これらの変位に従わせて滑子を所望の位置に移動又は停止できるよう構成しても良い。
【0020】
図1〜図3に示す開栓装置10は、上端口部1が栓2で塞がれた複数の容器3を、函体4の内側に位置決めした状態で、これら複数の容器3を開栓することに加え、上端口部1から栓2の下側までを覆うカバー材Pを、栓2に伴なわせて容器3から取外すものである。開栓装置10の主な構成要素は、複数の針5をそれぞれの先端6が下方へ向く姿勢、又はそれぞれの先端6が矢印cで指した時計回りに起上がった姿勢にする旋回手段7と、矢印Tで指した方向(以下で「搬送方向T」と記す。)へ函体4を搬送するチェーンコンベヤ8と、複数の針5を旋回手段7と共に移動自在に支持する移動手段9である。
【0021】
図3の矢印Wは、搬送方向Tに直交する水平方向を指している。この方向を以下で「幅方向W」と記す。移動手段9は、可動ヘッド部90を鉛直方向に案内する第1の案内手段91と、可動ヘッド部90を昇降させる第1の駆動手段92と、可動ヘッド部90を幅方向Wへ案内する第2の案内手段93と、可動ヘッド部90を第2の案内手段93に従わせて移動させる第2の駆動手段(図示せず)とを備える。
【0022】
旋回手段7は、図4及び図5に示すように、幅方向Wに延びる複数本の回転軸11と、回転軸11を可動ヘッド部90に回転自在に支持する軸受部材13と、複数の回転軸11を連動させる連動手段14と、回転軸11に針5を固定するホルダブロック15とを備える。1本の回転軸11には、複数個のホルダブロック15を介して複数の針5が固定される。連動手段14は、複数本の回転軸11のそれぞれの適所に固定されたピニオン18に、ラック19を噛み合せ、駆動手段(図示せず)によりラック19を搬送方向Tに沿う向きに進退動するものである。
【0023】
更に、旋回手段7は、ホルダブロック15に固定されたゴム片等から成る摩擦材71と、針5の上方に重なるように軸受部材13の適所に固定された保持部材72とを備える。保持部材72は、ステンレス鋼製の板ばねであり、針5の先端6へ向うに従い下降傾斜する形状である。
【0024】
次に、開栓装置10の動作を図1〜図6を参照しながら説明する。開栓装置10の動作は、既述の構成要素がオペレータの指令、センサ類からの電気信号、又は開栓装置10の制御を担うCPUがアクセスできる記憶媒体に書き込まれたプログラムに基づいて成されるものとする。以下の説明は、特に断らない限り1本の針5に注目して行うとする。また、文頭に付した英文字は動作工程を区分する指標である。
【0025】
A:移動手段9が、可動ヘッド部90をチェーンコンベヤ8の真上に位置決めし、可動ヘッド部90と共に総ての針5を上昇させる。更に、旋回手段7が、総ての針5をそれぞれの先端6が下方へ向いた姿勢とする。
【0026】
B:チェーンコンベヤ8に載せられた函体4が、可動ヘッド部90の真下まで搬入されたところで、チェーンコンベヤ8を停止させる。そして、移動手段9が、図1に示すように、先端6を下方へ向けた総ての針5を、可動ヘッド部90と共に下降させる。これにより、図6(a),(b)に示すように、複数の容器3のそれぞれの上端口部1を塞ぐ栓2に、総ての針5を各々突き刺すことができる。
【0027】
C:旋回手段7が、図6(c)に示すように、回転軸11を矢印cで指した時計回りに回転させると、総ての針5のそれぞれの先端6が起上がる。これにより、栓2は、針5に引っ掛けられ、図6(d)に示すように変形しながら容器3の上端口部1から浮き上がる。そして、栓2の周縁と容器3との引っ掛が断たれた時点で、移動手段9が可動ヘッド部90を上昇させると、図6(e)に示すように、針5に突き刺された栓2が、カバー材Pを伴なって容器3から上昇する。この時点で、針5が到達した位置を以下で「開栓位置」とする。
【0028】
上記Cの工程で、栓2及びカバー材Pは、図6(e)に示すように摩擦材71と保持部材72の間に保持され、更に摩擦材71は、カバー材Pが栓2から脱落するのを予防する滑り止めとなるので、容器3から離脱する栓2に伴ってカバー材Pも確実に容器3から離脱する。
【0029】
D:移動手段9が、可動ヘッド部90を幅方向Wに沿う方向、例えば図3に矢印X1で指した方向へ水平に移動させる。これは、可動ヘッド部90の真下から函体4及びチェーンコンベヤ8が逸れる位置まで、可動ヘッド部90を移動させるためである。矢印X1は針5の移動方向を限定するものではない。上記の「水平に移動」とは、水平方向に一致する方向に針5が移動することに限らず、水平方向に対して傾斜する方向へ針5が移動しても良く、或いは針5が水平方向へ移動する途中で鉛直方向に変位しても良い。
【0030】
本発明の実施形態に係る離脱分別装置は、上記Dの工程で、可動ヘッド部90に支持されながら移動する総ての針5から、栓2及びカバー材Pを各々離脱させ分別するものである。その原理は次の通りである。
【0031】
図7に示すように、離脱分別装置20は、カバー材Pを着脱自在に把持する把持手段21と、針5の移動方向に対して下降傾斜したガイドレール22と、把持手段21及びガイドレール22の下方にそれぞれ配置された2つの収集手段23,24とを備える。説明を簡単にするため、ここでは針5の姿勢は考慮しない。針5が開栓位置Oを起点として移動する行程で、針5に突き刺された栓2より垂れ下がるカバー材Pは、栓2より低く配置された把持手段21によって把持(挟着)され、その位置に固定される。
【0032】
更に、針5が移動することにより栓2が把持手段21から離れるに従って、カバー材Pが把持手段21に引き取られる。言い換えると、把持手段21にカバー材Pが残り、針5と共に栓2が移動し続ける。そして、把持手段21がカバー材Pを解放すると、カバー材Pは、把持手段21から落下し、把持手段21の下方に配置された一の収集手段23によって受止められる。針5が更に移動する行程で、針5に突き刺された栓2にガイドレール22が滑り接触しながら、栓2を下方へ案内する。これにより、栓2は針5から落下し、ガイドレール22の下方に配置された他の収集手段24によって受止められる。
【実施例1】
【0033】
次に、離脱分別装置20の実施例を説明する。既に図1〜図7に示した対象には、以下で同じ符号、又は同じ呼称を用いるとし、その図示又は説明は省略する。
【0034】
図8(a),(b)に示すように、本実施例では、開栓位置Oを起点に針5を矢印X1で指した方向へ往動させた後、矢印X2で指した反対方向へ針5を復動させて開栓位置Oに復帰させる。また、針5が往動から復動に転じる反転位置Rの下方に把持手段21を配置し、栓2にガイドレール22を滑り接触させるのは、針5が復動する行程で行うようにする。
【0035】
図9は、チェーンコンベヤ8に載せられた函体4、把持手段21、ガイドレール22、及び個別のシュートから成る2つの収集手段23,24のそれぞれの位置関係を示している。同図に表れた函体4の断面は、図1のa−a線断面に相当する。図10は、把持手段21を構成する複数の挟着片25,26を図9のb−b線断面として表している。図示の16枚の挟着片25,26は、その中の一の挟着片25が、可動ロッド27の長手方向に等間隔に8枚並べられた状態で、相互に可動ロッド27を介して結束されている。他の挟着片26は、固定ロッド28の長手方向に等間隔に8枚並べられた状態で、固定ロッド28を介して結束されている。
【0036】
固定ロッド28の両端は、離脱分別装置20の主フレーム29に固定されているので、他の挟着片26は図示の位置に固定されている。可動ロッド27は、その両端がガイドスリーブ271を介して主フレーム29に支持され、他の挟着片26を貫く挿通孔261を通り抜けている。このため、可動ロッド27は、エアシリンダを主体とする開閉手段30の作動ロッド31に従い進退動できるので、一の挟着片25の位置は開閉手段30の作動ロッド31に従い変位する。
【0037】
図10に示すように、開閉手段30の作動ロッド31が可動ロッド27と共に図中の左側へ後退すると、一の挟着片25は開位置に変位する。この状態で、一の挟着片25とその右側に位置する他の挟着片26とは、互いに寸法dの間隙を隔て対面する。作動ロッド31が図中を右側へ前進すると、一の挟着片25は、その右側の他の挟着片26に突き当たる閉位置まで変位する(d→0)。
【0038】
ガイドレール22は、図11〜図13に示すように、支持体32に立ち上げた薄板から成り、この下辺のエッジ部33を、針5が復動する方向に対して下降傾斜させたものである。更に、ガイドレール22に対して、針5が先端6を下方へ向けた姿勢で通過できる間隙を隔てた位置に、補助レール34を設けるのが望ましい。補助レール34は、ガイドレール22に一面を向けた角形パイプを主体とし、その一面を切除することにより、針5が復動する方向に対して下降傾斜するエッジ部35を形成したものである。
【0039】
支持体32は、エアシリンダを主体とするレール移動手段36の作動ロッド37に接続されている。作動ロッド37が鉛直方向に上下動すると、ガイドレール22及び補助レール34が、支持体32と共に図9に実線で表した下限位置、又は仮想線で表した上限位置に移動する。
【0040】
以上に述べた離脱分別装置20を用いた栓2とカバー材Pの離脱分別方法について、図8〜図12を参照しながら説明する。既に上記Cの工程で、図6(d)に示すように先端6を起上らせた針5の姿勢は、上記Dの工程に至っても同様であるので、以下の説明は、針5が図6(e)に示した高さと姿勢を保ちながら水平に移動(往動)する時点から始める。
【0041】
E:開閉手段30が、作動ロッド31と共に可動ロッド27を後退することにより、一の挟着片25を開位置に変位させる。レール移動手段36が、作動ロッド37を下降することにより、ガイドレール22を下限位置まで移動させる。この工程は、上記Dの工程の直前までに完了する。
【0042】
F:針5が往動する行程で、下限位置にあるガイドレール22は栓2に滑り接触しないので、栓2は針5に突き刺されたまま把持手段21へ向ってガイドレール22の上方を通過する。そして、針5に突き刺された栓2より垂れ下がるカバー材Pは、開位置に変位した一の挟着片25と、他の挟着片26との間隙(寸法d)に進入する。
【0043】
G:針5が反転位置Rに達したところで、開閉手段30が、作動ロッド31と共に可動ロッド27を前進する。これにより一の挟着片25が閉位置に変位するので、栓2より垂れ下がるカバー材Pが、把持手段21に把持される。つまり、一の挟着片25と他の挟着片26の間にカバー材Pが挟着され、その位置にカバー材Pが固定される。この工程で、針5が反転位置Rに達した時点で針5が直ちに復動に転じるか、又は所定の時間停止した後で復動に転じるかは、開栓装置10の動作に依存するが、何れにしても、可動ヘッド部90が移動する速度に比較して、開閉手段30の動作速度を高速にすれば、カバー材Pを把持手段21によって確実に把持できる。
【0044】
H:カバー材Pが把持手段21に把持された時点で、旋回手段7が回転軸11を図中で反時計回りに回転させることにより、図9に示すように、針5を先端6が下方へ向いた姿勢にする。これにより、栓2は、図6(e)に示した姿勢から、回転軸11が回転した分傾くので、栓2はその周縁の一方を他方より跳ね上げた傾斜姿勢となる。この栓2の傾斜姿勢は、後述の図12に表れている。
【0045】
上記C〜G工程で、針5を先端6が起上る姿勢に維持したのは、栓2から垂れ下がるカバー材Pを、図6(e)に示した状態に保ちながら反転位置Rまで到達させるためである。これは、カバー材Pがある程度の弾性を有するため、カバー材Pを把持手段21によって把持する前に、針5の先端6を下方へ向けると、栓2から垂れ下がっていたカバー材Pが横向きになり、開位置に変位した一の挟着片25と他の挟着片26の間にカバー材Pが収まらなくなることを配慮している。従って、針5の姿勢に関わりなくカバー材Pが栓2から垂れ下がるのであれば、上記Cの工程を終えた時点で、針5の先端6を下方へ向けても良い。この場合、上記Hの工程は省略できる。
【0046】
I:針5が反転位置Rから復動すると、針5と共に復動する栓2が把持手段21に把持されたカバー材Pから離れ、針5と把持手段21の距離が広がる。これに従って栓2からカバー材Pが引き離され、栓2からカバー材Pが離脱することになる。
【0047】
J:開閉手段30が、作動ロッド31と共に可動ロッド27を後退することにより、一の挟着片25が再び開位置に変位し、一の挟着片25と他の挟着片26の間からカバー材Pが解放される。そのままカバー材Pは、一の挟着片25と他の挟着片26の間から落下し、一の収集手段23に受止められる。
【0048】
K:レール移動手段36が、作動ロッド37を上昇することにより、ガイドレール22及び補助レール34を上限位置まで移動させる。そして、針5が復動を続けると、図12に示すように、針5に突き刺されて傾斜姿勢をとる栓2が、ガイドレール22と補助レール34の間に進入することにより、栓2の周縁の一方に、その上側からガイドレール22のエッジ部33が滑り接触し、栓2の周縁の他方に、その上側から補助レール34のエッジ部35が滑り接触する。
【0049】
L:針5が更に復動するに従って、栓2はエッジ部33及びエッジ部35によって針5の先端6へ案内され、針5がガイドレール22と補助レール34の間を通過する前に、栓2は針5から落下し、他の収集手段24に受止められる。2つの収集手段23,24に受止められたカバー材Pと栓2を、それぞれベルトコンベヤ等を利用して他所へ搬出しても良い。針5は、ガイドレール22と補助レール34の間を通過した後、開栓位置Oに復帰し、上記B〜Lの工程が繰り返される。
【0050】
上記K,Lの工程で、ガイドレール22及び補助レール34の両方を適用したのは、次の理由による。即ち、栓2の周縁の一方がガイドレール22に案内される過程で、栓2の周縁の一方はガイドレール22から相対的に押下げられる力を受けるが、その分、栓2は針5で突き刺された箇所を支点にして周縁の他方が跳ね上がる方向へ傾こうとする。このため、ガイドレール22から受ける力が逃げることになるので、栓2の周縁の他方に補助レール34を当てることにより、栓2の周縁の他方が跳ね上がることを規制する。
【0051】
以上に述べた通り、把持手段21に引き取られたカバー材Pが把持手段21から落下する位置と、栓2がガイドレール22及び補助レール34に案内されつつ針5から落下する位置とは、互いに針5の移動方向に違えている。しかも、2つの収集手段23,24によって、把持手段21から落下したカバー材Pと、針5から落下した栓2とを、それぞれ個別に回収できるので、カバー材Pと栓2が混ざることがない。
【0052】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様で実施できる。例えば、レール移動手段36は省略しても良い。この場合、ガイドレール22は始めから下限位置に固定すれば良い。そして、上記Iの工程を終えた時点で、開栓装置10が可動ヘッド部90を下降させることにより、針5に突き刺された栓2に、下限位置に固定されたガイドレール22が滑り接触する高さまで、針5を下降させる。これにより上記Lの工程を実現できる。
【0053】
この他、図13に示すように、ガイドレール22を補助レール34から離れる向きに約6°傾けても良い。また、レール移動手段36の両側に、支持体32の振れを抑えるための案内手段361を設けても良い。また、符号39は鋸刃状板を指している。これは、上記Iの工程を終えてら、復動する針5に突き刺された栓2に、尚もカバー材Pが残留する不具合が起こった場合に、このようなカバー材Pがガイドレール22と補助レール34の間に進入するのを阻止するものである。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、あらゆる用途の栓及びカバー材を離脱し分別するのに有益な技術である。また、栓又はカバー材は、針の突き刺し又は把持手段による把持が可能なものであれば、厚紙、合成樹脂、又は金属薄板等、その材質は何でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係る開栓装置の正面図。
【図2】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部を一部破断した正面図。
【図3】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部を示した図1のa−a線断面図。
【図4】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部の動作の一例を示す斜視図。
【図5】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部の動作の他例を示す斜視図。
【図6】本発明の実施形態に係る開栓装置の要部の動作例を(a)から(e)の順に説明する正面図。
【図7】本発明の実施形態に係る離脱分別装置の動作原理を説明する概略図。
【図8】本発明の実施例1に係る離脱分別装置の動作原理を(a)から(b)の順に説明する概略図。
【図9】本発明の実施例1に係る離脱分別装置の要部を示した断面図。
【図10】本発明の実施例1に係る離脱分別装置に適用した把持手段の平面図。
【図11】本発明の実施例1に係る離脱分別装置に適用したガイドレールの取付構造を示す平面図。
【図12】本発明の実施例1に係る離脱分別装置に適用したガイドレールの作用を説明する斜視図。
【図13】本発明の実施例1に係る離脱分別装置に適用したガイドレールの取付構造を示す正面図。
【符号の説明】
【0056】
1:上端口部
2:栓
3:容器
5:針
6:先端
10:開栓装置
20:離脱分別装置
21:把持手段
22:ガイドレール
23,24:収集手段
25,26:挟着片
30:開閉手段
36:レール移動手段
P:カバー材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺した状態で、前記上端口部から前記栓の下側までを覆うカバー材を、前記栓に伴なわせて前記容器から取外す開栓装置が、前記針を水平に移動させる行程で、前記栓及び前記カバー材を前記針から離脱させ分別する離脱分別装置であって、
前記針に突き刺された前記栓の下側に配置され前記カバー材を着脱自在に把持する把持手段と、前記針の移動方向に対して下降傾斜したガイドレールと、前記把持手段及び前記ガイドレールの下方にそれぞれ配置された2つの収集手段とを備え、
前記把持手段が前記カバー材を把持し、前記針が移動することにより前記栓が前記把持手段から離れるに従って、前記カバー材が前記把持手段に引き取られ、前記把持手段が、前記カバー材を解放することにより、前記カバー材を落下させ、
前記ガイドレールが、前記針に突き刺された前記栓に滑り接触しながら、前記栓を下方へ案内することにより、前記栓を前記針から落下させ、
前記栓及び前記カバー材を、それぞれ前記2つの収集手段に受けさせることを特徴とする離脱分別装置。
【請求項2】
前記把持手段が、相対向する挟着片と、該挟着片を相互に開閉させる開閉手段とを備え、前記挟着片同士が、前記カバー材の通過できる間隙を隔てる開位置、又は前記挟着片同士の間に前記カバー材を挟着できる閉位置に変位することを特徴とする請求項1に記載の離脱分別装置。
【請求項3】
前記ガイドレールを移動させるレール移動手段を備え、前記レール移動手段が、前記ガイドレールを前記針に突き刺された前記栓から逸れる位置、又は前記栓に上側から接触できる位置に移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の離脱分別装置。
【請求項4】
容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺した状態で、前記上端口部から前記栓の下側までを覆うカバー材を、前記栓に伴なわせて前記容器から取外す開栓装置が、前記針を水平に移動させる行程で、前記栓及び前記カバー材を前記針から離脱させ分別する離脱分別方法であって、
前記針に突き刺された前記栓の下側で前記カバー材を把持する工程と、
前記カバー材の把持を維持し、前記針の移動に従って前記針に突き刺された前記栓から前記カバー材を引き離す工程と、
前記カバー材を解放することにより落下させ、前記カバー材を収集する工程と、
前記針に突き刺された前記栓を下方へ案内し、前記針から前記栓を落下させて収集する工程と、
を含むことを特徴とする離脱分別方法。
【請求項1】
容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺した状態で、前記上端口部から前記栓の下側までを覆うカバー材を、前記栓に伴なわせて前記容器から取外す開栓装置が、前記針を水平に移動させる行程で、前記栓及び前記カバー材を前記針から離脱させ分別する離脱分別装置であって、
前記針に突き刺された前記栓の下側に配置され前記カバー材を着脱自在に把持する把持手段と、前記針の移動方向に対して下降傾斜したガイドレールと、前記把持手段及び前記ガイドレールの下方にそれぞれ配置された2つの収集手段とを備え、
前記把持手段が前記カバー材を把持し、前記針が移動することにより前記栓が前記把持手段から離れるに従って、前記カバー材が前記把持手段に引き取られ、前記把持手段が、前記カバー材を解放することにより、前記カバー材を落下させ、
前記ガイドレールが、前記針に突き刺された前記栓に滑り接触しながら、前記栓を下方へ案内することにより、前記栓を前記針から落下させ、
前記栓及び前記カバー材を、それぞれ前記2つの収集手段に受けさせることを特徴とする離脱分別装置。
【請求項2】
前記把持手段が、相対向する挟着片と、該挟着片を相互に開閉させる開閉手段とを備え、前記挟着片同士が、前記カバー材の通過できる間隙を隔てる開位置、又は前記挟着片同士の間に前記カバー材を挟着できる閉位置に変位することを特徴とする請求項1に記載の離脱分別装置。
【請求項3】
前記ガイドレールを移動させるレール移動手段を備え、前記レール移動手段が、前記ガイドレールを前記針に突き刺された前記栓から逸れる位置、又は前記栓に上側から接触できる位置に移動することを特徴とする請求項1又は2に記載の離脱分別装置。
【請求項4】
容器の上端口部を塞ぐ栓に針を突き刺した状態で、前記上端口部から前記栓の下側までを覆うカバー材を、前記栓に伴なわせて前記容器から取外す開栓装置が、前記針を水平に移動させる行程で、前記栓及び前記カバー材を前記針から離脱させ分別する離脱分別方法であって、
前記針に突き刺された前記栓の下側で前記カバー材を把持する工程と、
前記カバー材の把持を維持し、前記針の移動に従って前記針に突き刺された前記栓から前記カバー材を引き離す工程と、
前記カバー材を解放することにより落下させ、前記カバー材を収集する工程と、
前記針に突き刺された前記栓を下方へ案内し、前記針から前記栓を落下させて収集する工程と、
を含むことを特徴とする離脱分別方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−306454(P2006−306454A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131679(P2005−131679)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】
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