説明

難燃剤ハロゲン化ポリマー組成物

ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーは、アリールエーテルオリゴマーのハロゲン化によって作られ、そして可燃性の高分子物質に対する難燃剤として有用である。一般的に、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーは、次の繰返しモノマー単位を含む。


(Rは水素又はアルキル、特にC〜Cのアルキルであり、Halはハロゲンであり、mは少なくとも1であり、nは0〜3であり、そしてxは少なくとも2である)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年4月25日出願の、米国仮出願番号60/926,374号の出願日の便益を請求するものであって、その完全な内容をここに参考として引用する。
【0002】
本発明は、難燃剤ハロゲン化ポリマー組成物に関するものである。
【背景技術】
【0003】
デカブロモジフェニルオキサイド(deca)、およびデカブロモジフェニルエタン(deca−DPE)は、市販の入手可能な物質であり、難燃性の各種ポリマー樹脂のシステムに広く用いられている。これらの物質の構造は次の通りである。
【化1】

【0004】
ハイインパクトポリスチレン(HIPS)およびポリオレフィンのような、燃焼を遅くすることが難しいポリマー樹脂中に、deca及びdeca−DPEを用いることの一つの利点は、その物質が非常に高い(82〜83%)臭素含有量を持つことである。これは全般的な配合の中で低レベルの負荷を可能とし、これは同様にそのポリマーの機械的な性質における難燃剤の任意の負の効果を、最小にすることに役立つのである。
【0005】
decaの工業的な成功にもかかわらず、同等または更に効果的な、代替ハロゲン化難燃剤材料の開発に著しい関心が残されており、これは経済的な圧力のためだけでなくまた、より少ない難燃剤の使用量を可能とするためであり、これは同様に更に改良された性能を与えるものである。ブルーミングを起こさない処方、又はより良い機械的な性質などの改良された特性は、ポリマー又はオリゴマーの難燃剤配合物を作ることによって、もしかすると対処することができるのである。これらのタイプの物質は、相溶性に依存しそしてそれ故に、ベースの樹脂ポリマー中でよく絡み合うようになり、より少ないブルーミングの傾向を示すのである。
【0006】
数多くの市販で入手可能な難燃剤物質があり、これらはハロゲン化されたモノマーの、オリゴマー又はポリマーと考えられる。これらのモノマーの例として、テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)、およびジブロモスチレン(DBS)を含み、これらは次のような構造を持っている。
【化2】

【0007】
商業的には、TBBPA及びDBSは一般に、これらのモノマー状の形態では用いられず、オリゴマー又はポリマー状の化学種に変換される。一つのクラスのオリゴマーは、TBBPAを基にした臭素化されたカーボネートオリゴマーである。Chemtura社(例として、Great Lakes BC−52(登録商標)、Great Lakes BC−52HP(登録商標)及びGreat Lakes BC−58(登録商標)を含み)及びTeijin Chemical(FireGuard7500及びFireGuard8500)から、市販され入手することができる。これらの製品は主として、ポリカーボネート、及びポリエステル用の難燃剤として用いられる。
【0008】
TBBPAとエピクロロヒドリンの縮合を基にした、臭素化エポキシオリゴマーは市場で入手することができ、そしてDainippon Ink chemicalsよりEpiclon(登録商標)シリーズとして、そしてまたICL Industrial製品より(例としてF−2016、及びF−2100)、そして他の供給会社からも販売されている。臭素化エポキシオリゴマーは、単独で、そして他の難燃剤とブレンドされ、いずれも各種熱可塑性樹脂用難燃剤としての用途を見出している。
【0009】
TBBPAを基にした、臭素化ポリマー難燃剤の他のクラスとしては、TBBPAと1,2−ジブロモエタンのコポリマー、Teijin FG−3000が例示される。このアラルキルエーテルは、ABS及び他のスチレンポリマーにその用途を見出している。このポリマー上のアリール又はメトキシのような、代替末端基はまた、米国特許第4,258,175号、及び米国特許5,530,044号の記載物質として例示されているようによく知られている。非反応性の末端基が、難燃剤の熱安定性を改良するため特許請求されている。
【0010】
TBBPAはまた、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルとの反応による、他の二官能エポキシ樹脂化合物との連鎖延長反応によって、多くの他の異なるタイプのエポキシ樹脂コポリマーのオリゴマーに変換される。これらのタイプのエポキシ樹脂生成物の代表例は、Dow Chemical社による、D.E.R(登録商標)539であり、或いはHexion社によるEpon(登録商標)828である。これらの製造品は主に、プリント回路基板の製造に用いられる。
【0011】
DBSはChemtura社によって自家消費用に作られており、そしてポリ(ブロモスチレン)タイプの難燃剤を作るための、幾つかの異なるポリマー種(Great Lakes PDBS−80(登録商標)、Great Lakes PBS−64HW(登録商標)、及びFiremaster CP44−HF(登録商標)として販売されている。これらの物質はホモポリマー又はコポリマーを表す。その上に、類似の臭素化ポリスチレンタイプの難燃剤としては、Albemarle Chemical社から(Saytex(登録商標)HP−3010、Saytex(登録商標)Hp−7010、及びPyroChek 68PB)が市販され入手できる。これら全てのポリマー生成物は、ポリアミド、及びポリエステルのような難燃性熱可塑性樹脂に用いられている。
【0012】
しかしながら、現在の臭素化ポリマー物質の一つの鍵となる欠点は、それらの比較的低い臭素含有量にあり、これは難燃剤としての効果をより小さくし、そしてその結果一般的に、それを含む難燃剤処方の、例えば衝撃強度のような望ましい物理特性に負の効果を与えてしまう。例えば、deca、及びdeca−DPEは82〜83%の臭素を含んでいるのに、上記の臭素化モノマーを基にするオリゴマー又はポリマーは、その物質に依存するが、一般に52%〜68%の範囲の臭素含有量を有している。それゆえ、これは一般にポリマー処方中の難燃剤の負荷レベルを、decaに要求されるそれよりも著しく高くすることを必要とし、しばしば処方に対して劣った物理特性を結果として生じてしまう。
【0013】
難燃剤がまた衝撃を及ぼす他の考慮すべき事柄としては、処方された樹脂の最終的な性質に関するものである。これらの考慮すべき事柄は難燃剤の熱的安定性であり、そしてホスト樹脂との共溶性を含むものである。これらの他の考慮すべき事柄は、相対的に一定である状態では、臭素の含有量そしてこの故に難燃剤の負荷レベルが、全体の調合物の性質に大きな影響を与える。
【0014】
難燃剤物質に対する要求を処理するため、目標とする樹脂の機械的な性質を下げないために、我々はここで、ハロゲン化されたそして特に臭素化された、アリールエーテルのオリゴマーとして分類することのできる系統の物質を開発したのである。特に、これらのハロゲン化されたアリールエーテルオリゴマーを用いるとき、HIPSやポリオレフィンのような樹脂に優れた機械的な性質を結果としてもたらすことを、そしてこの物質がまたポリアミドやポリエステルのようなエンジニアリングサーモプラスチックスに優れた性質を与えることを見出したのである。アリールエーテルオリゴマーは、現在市販で入手できるオリゴマーやポリマーよりもより高いレベルでハロゲン化することができ、そしてこれは、これらの機械的な性質特性にプラスの効果を与えるのである。これらのアリールアリールエーテルオリゴマーは、ハロゲン化が低レベルであっても、許容される機械特性を有する配合物を与えることをまた見出したのである。
【0015】
日本未審査特許出願公報2−129,137号は、ポリマーが、一般式[I]で示される、ハロゲン化ビス(4−フェノキシフェニル)エーテルと配合された、難燃性ポリマー組成物を開示している。
【化3】


(Xはハロゲン原子であり、a及びdは1〜5の範囲の数であり、そしてb及びcは1〜4の範囲の数である)
しかしながら、難燃剤は、別個の化合物としてビス(4−フェノキシフェニル)エーテルを臭素化することによって作られており、そしてオリゴマー物質はアリールエーテルモノマーを重合することによっては得られていない。対照的に、本発明における如く、オリゴマーの分布を有する物質を用いることが難燃剤としての挙動特性を改良すると信じられる。
“Synthesis and Stationary Phase Properties of Bromo Phenyl Ethers,Journal Chromatography,267(1983),293−301頁,Dhancsar他”と題する文献において、2〜7のベンゼン環を含むフェニルエーテルの、特定の位置の臭素化の方法が開示されている。再度、このエーテルは、オリゴマーとの分布を有していない別個の化合物であると思われ、そして生成物は有機化合物の分離には有用であると言われているが、難燃剤として使用する可能性について何ら言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第4,258,175号
【特許文献2】米国特許第5,530,044号
【特許文献3】日本未審査特許出願公報2−129,137号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】“Synthesis and Stationary Phase Properties of Bromo Phenyl Ethers,Journal Chromatography,267(1983),293−301頁,Dhancsar他
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
一つの態様において、本発明は、アリールエーテルオリゴマーのハロゲン化によって形成された、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーに属する。
ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーのハロゲン含有量は、オリゴマーの65〜80重量%の範囲であるように、都合よくは、50〜83重量%の範囲である。一般にハロゲンは、臭素を含む。
都合よくは、ハロゲン化されたアリールエーテルオリゴマーは、平均で最小3個のアリール環を有し、そして一般的に少なくとも5個のアリール環を有する。一般にハロゲン化されたオリゴマーの分子量は、1,000,000ダルトンまでである。
一つの態様において、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーは、次の繰り返しモノマー単位を含む。
【化4】


(Rは、水素又はアルキル、特にC〜Cのアルキルであり、Halはハロゲン、普通は臭素であり、mは少なくとも1であり、nは0〜3であり、そしてxは3〜100,000のような少なくとも2以上で、例えば5〜20である)
【0019】
更なる態様において、本発明は、(a)可燃性の高分子物質と(b)アリールエーテルオリゴマーのハロゲン化によって形成された、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーの難燃剤を含む難燃剤ポリマー組成物に属する。
【0020】
更なる態様において、本発明は、(a)可燃性の高分子物質と(b)アリールエーテルオリゴマーのハロゲン化によって形成された、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーの難燃剤を含む難燃剤ポリマー組成物に属するものであって、前記のハロゲン化アリールエーテルオリゴマーが、以下の繰り返しモノマー単位を含むものである。
【化5】


(Rは水素又はアルキル、特にC〜Cのアルキルであり、Halはハロゲン、普通は臭素であり、mは少なくとも1であり、nは0〜3であり、そしてxは3〜100,000のような少なくとも2以上で、例えば5〜20である)
【0021】
都合よくは、前記のハロゲン化アリールエーテルオリゴマーはまた、それぞれ独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、水素、ハロゲン、又はヒドロキシル基を含む、末端基を有する。
【0022】
なお更なる態様において、本発明は、(a)可燃性の高分子物質と(b)以下の式を有する、ハロゲン化されたアリールエーテル難燃剤を含む、難燃剤ポリマー組成物に属する。
【化6】


(少なくとも1つのR、そして通常は少なくとも1つのRがハロゲン、通常は臭素であるという条件で、それぞれのRは独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン及びアルキルから選択され、それぞれのRは独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン及びアルキルから選択され、nは5であり、mは4であり、そしてxは1〜10、例えば2〜6である)
【0023】
都合よくは、可燃性の高分子物質(a)は、ポリスチレン、ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエステル、及び/又はポリアミドのような熱可塑性のポリマーである。
【0024】
一つの態様において、可燃性の高分子物質(a)はポリスチレンであり、そして組成物中のハロゲン化アリールエーテルオリゴマーの難燃剤の量は、5〜25重量%であり、例えば10〜20重量%である。
【0025】
他の態様において、可燃性の高分子物質(a)はポリプロピレンであり、そして組成物中のハロゲン化アリールエーテルオリゴマーの難燃剤の量は、20〜50重量%であり、例えば25〜40重量%である。
【0026】
更に他の態様において、可燃性の高分子物質(a)はポリエチレンであり、そして組成物中のハロゲン化アリールエーテルオリゴマーの難燃剤の量は、5〜35重量%であり、例えば20〜30重量%である。
【0027】
さらに他の態様において、可燃性の高分子物質(a)はポリアミド又はポリエステルであり、そして組成物中のハロゲン化アリールエーテルオリゴマーの難燃剤の量は、5〜25重量%であり、例えば10〜20重量%である。
【0028】
あるいは、可燃性高分子物質(a)は、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン及び/又はゴムのような熱硬化性のポリマーである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
アリールエーテルオリゴマーのハロゲン化、特に臭素化によって形成されたハロゲン化アリールエーテルオリゴマーを、そして可燃性高分子ポリマーの難燃剤としてのハロゲン化オリゴマーの使用法をここに記載する。適当な高分子ポリマーとしては、ポリスチレン、ポリ(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエステル、及びポリアミドのような熱可塑性のポリマー、そしてエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、及びゴムのような熱硬化性のポリマーを包含する。
【0030】
ここで用いられている“オリゴマー”という用語は、前記繰り返し単位の数に関係なく、前記のモノマーから誘導された繰り返し単位を持つように、1種又はそれ以上のモノマーのオリゴマー化によって形成された化合物を意味する。製造にはアリールエーテル前駆体を用い、本発明の難燃剤はオリゴマー化の方法によって作られるので、前駆体とハロゲン化された製品は一般に一つの分子量分布を有している。特にオリゴマーは平均で最小3個のアリールそして一般的に少なくとも5個のアリール環を一般に有しており、ハロゲン化オリゴマーは1,000,000ダルトンまでの平均分子量を持っている。
【0031】
一般的に、本ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーは、次の繰り返しモノマー単位を含む。
【化7】


(Rは水素又はアルキル、特にC〜Cのアルキルであり、Halはハロゲンであり、mは少なくとも1であり、nは0〜3であり、そしてxは3〜100,000のような少なくとも2以上で、例えば5〜20である)
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素、及び/又は沃素であり、特に臭素であることができる。一般に、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーはまた、各々独立してアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、水素、ハロゲン化物、ヒドロキシル基を含む末端基を包含する。
【0032】
一つの態様において、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーの難燃剤は次の式を持っている。
【化8】


(それぞれのRは、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン及びアルキルから選択され、少なくとも1個のRはハロゲン、通常は臭素であるという条件で、それぞれのRは、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン及びアルキルから選択され、nは5であり、mは4であり、そしてxは1〜100,000、例えば、3〜20である)
【0033】
一般に、本ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーのハロゲン含有量は、50〜83重量%の範囲であり、例えば、オリゴマーの65〜80重量%の範囲である。
【0034】
他の態様において、ここに用いられる難燃剤は、次の式を有するハロゲン化アリールエーテルを含有する。
【化9】


(それぞれのRは、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン及びアルキルから選択され、少なくとも1個のR及び通常少なくとも1個のRはハロゲン、通常は臭素であるという条件で、それぞれのRは、独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン及びアルキルから選択され、nは5であり、mは4であり、そしてxは1〜10、例えば、2〜6である)
【0035】
この態様の場合において、ハロゲン化アリールエーテルは、オリゴマー状の分布を持つことができ、或いは個別の化合物であることもできる。
本難燃剤は、ポリアリールエーテル前駆体のハロゲン化、通常は臭素化によって作られる。順次、ブロモフェノールのようなヒドロキシハロアリール物質のオリゴマー化によって、又はジブロモベンゼンのようなジハロアリール物質とレゾルシノールのようなジヒドロキシアリール物質との、ウルマンエーテル合成のようなエーテル合成法を用いた反応によって、作ることができる。この方法において、試薬は、強塩基及び銅を含む触媒の存在下で、N,N−ジメチルホルムアミド又はベンゾフェノンのような極性有機溶媒中、還流下で一般に125℃〜200℃に加熱される。代表的なウルマンエーテルの合成法はLaskoski他、により“Oligomeric Cyanate Ester Resins: Application of a Modified Ullmann Synthesis in the Preparation of Thermosetting Polymer”,Journal of Polymer Science: Part A : polymer Chemistry,Vol.44,(2006),pages 4559−4565.の中で開示されている。
【0036】
その結果得られたポリアリールエーテルの臭素化は、塩化アルミニウムのようなルイス酸触媒の存在下で、ポリアリールエーテルを臭素と反応させることによって、容易に達成することができる。望みの量に従って、臭素がアリールエーテルオリゴマー中に導入され、臭素化の反応に用いられる臭素とオリゴマーの重量比は、一般に1:1〜100:1の間であり、例えば、3:1〜20:1の間である。最終の臭素化されたアリールエーテルオリゴマーは、オリゴマーのアリールエーテル繰り返し単位当たり、一般に少なくとも1個、一般には2〜4個の臭素原子を持つように配置されている。
【0037】
あるいは、同様なやり方で望みの製品を生成するように、塩化臭素を臭素化剤として用いることができる。この場合、少量の有機的に結合した塩素がまた存在するだろうが、最終的な難燃剤の性質を減じることは無い。
【0038】
結果として得られたハロゲン化アリールエーテルオリゴマーは、その高い熱安定性のために、そして又、臭素化ポリスチレンのような現存するポリマー難燃剤製品と比較して、その比較的高いハロゲン含有量のために、多くの異なるポリマー樹脂システムの難燃剤として用いることができる。一般に、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーは、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ポリ(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)(ABS)、ポリカーボネート(PC)、PC−ABSのブレンド、ポリオレフィン、ポリエステル、及び/またはポリアミドのような、熱可塑性のポリマーと共に難燃剤として用いられる。このようなポリマーを用い、保険業者の試験所の燃焼性テスト実施要綱に曝されたとき、V−0の分類を与えることが必要とされ、ポリマー処方中でのハロゲン化オリゴマーのレベルは、一般に次の範囲の中にある。
ポリマー 有用 好ましい
ポリスチレン 5〜25重量% 10〜20重量%
ポリプロピレン 20〜50重量% 25〜40重量%
ポリエチレン 5〜35重量% 20〜30重量%
ポリアミド 5〜25重量% 10〜20重量%
ポリエステル 5〜25重量% 10〜20重量%
【0039】
本ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーはまた、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、及び/又はゴムのような、熱硬化性のポリマーと共に用いることができる。基材のポリマーが熱硬化性のポリマーの場合、可燃性を減少させるに適当なオリゴマーの量は、5重量%〜35重量%、例えば10重量%〜25重量%である。
【発明の効果】
【0040】
難燃剤として、本ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーを含むポリマー処方の代表的な応用分野は、自動車の成形構成部品、接着剤及びシーラント、織物の背面塗布、電線及びケーブルの外被、そして電気及び電子のハウジング、構成部品、及びコネクターを含む。ビルディングや建造物の分野における、本難燃剤の代表的な用途は、自己消火ポリフィルム、ワイヤーやケーブルのワイヤー被覆物、壁の処理を含む敷物類や織物の裏塗布、木材や他の天然繊維を充填した構造物の構成品、ルーフィング膜、ルーフィング複合マトリックスを含むルーフィング材料、そして複合材料の構造中に用いられる接着剤を包含する。一般の消費者向け製品において、本難燃剤は、可燃性の必要条件の要求を伴う及び伴わない両者の、電気製品の部品、ハウジング、そして構成要素の組み立てに用いられる。
【実施例】
【0041】
発明をここで、限定することのない以下の例と関連して、更に特別に記載する。
【0042】
(例1〜7: アリールエーテル樹脂の臭素化)
臭素(3176g、19.87モル)を、6.5gのAlCl触媒を含み、1L中に500gのアリールエーテル樹脂(Santovac OS−124)を含む、ジクロロエタン溶液に添加する。Santovac OS−124は、メタ位で連結している5個のアリール環を含むアリールエーテル樹脂であり、オリゴマー状の物質をシミュレートするために用いた。反応後、臭素化した樹脂を分離し、生成品として淡いクリーム色の粉末、2013.6gを得た。その物質を分析し、75.7%の臭素を含み、そしてTGA分析では420℃で5%の重量損失を示した。示差走査熱分析(DSC)分析では、154℃のガラス転移点(Tg)を示した。
【0043】
幾つかの追加の物質を同じやり方で作成し、異なるレベルの臭素を含有する、又は環の連結性が異なる、臭素化アリールエーテルを得た。結果を表1に示す。臭素化のレベルは、観察されたガラス転移温度そして生成物の溶融範囲に影響することが分かった。
【表1】

【0044】
(例8: レゾルシノールと1,4−ジブロモベンゼンからのポリアリールエーテルの合成)
反応フラスコに、レゾルシノール(15.0g、0.137モル)、1,4−ジブロモベンゼン(32.3g、0.137モル)、N,N−ジメチルホルムアミド(205g;2.58モル)、トルエン(20g、0.22モル)、そして90%KOH(17.05g、0.274モル)を蒸留水に溶解して作った、50%のKOH溶液を、充填する。一般に、塩基の量はレゾルシノールの1モルに対して1.8〜2.2モルの範囲である。反応混合物を加熱し、共沸的に水を除去するために還流する。理論量の水を除去した後、最終的なポット温度を148〜150℃にして、大部分のトルエンを反応フラスコから取り去る。その後、反応物を〜120℃に冷却し、CuI(0.52g、0.00274モル)及び1,10−フェナントロリン(0.74g、0.0041モル)を激しい窒素流下で同時に添加する。反応フラスコを窒素下で覆い、そして素材を還流下で24時間加熱(150以下〜155℃)し、その後、後処理のため冷却する。後処理は、混合物を2%のHClでpH2〜3に酸性化することを含み、次いで、メチレンクロライド又はクロロホルムで抽出する。有機相を抜き取り粘性の樹脂性生物、単離した収率=92%の残液を得た。生成物のGPC分析で、605の分子量(Mw)、及び1.97の多分散性(Pd)を得た。
【0045】
このアプローチによって作られた、種々の反応性生物の分子量Mwは、GPC解析で600〜3100の範囲を示した。
【0046】
(例9: DMF/トルエン中、3−ブロモフェノールからのポリアリールエーテルの合成)
3−ブロモフェノール(100g、0.58モル)、トルエン(700g)、そして50%KOH(72g、0.58モル)を標準の反応フラスコに加える。内容物を還流しそして共沸で水が除去されるように加熱した。追加の540gのトルエンを、反応フラスコから取り去った。フラスコの内容物を100℃に冷却し、そしてDMF(467g)、CuI(0.22g、0.0012モル)、及び1,10−フェナントロリン(0.31g、0.0017モル)を加えた。フラスコの内容物を還流するように再加熱した。追加のトルエンを、温度が140℃に達するまで取り去り、そしてブロモベンゼン(4.55g、0.029モル)をその後添加した。反応が完了した後、生成物が粘凋な琥珀色の樹脂になるまで、後処理を行い、収率は93.1%であった。この生成されたポリマーは、GPC解析で、2270Mwの分子量を持っていた。
【0047】
(例10: 溶媒としてベンゾフェノンを用いた、4−ブロモフェノールからのポリアリールエーテルの合成)
反応フラスコに、4−ブロモフェノール(232.5g、1.34モル)、ベンゾフェノン(1435g、8.04モル)、及びトルエン(900g、1.34モル)を充填する。フラスコをNでパージし、そして<100℃に加熱しベンゾフェノンを溶解する。90%KOH(83.5g、1.34モル)を83.5g蒸留水中に溶解することによって、50%KOH溶液を用意した。KOH溶液をフラスコに5分以上をかけて添加し、フラスコ内容物を加熱して還流した。水を共沸的に除去しそして、トルエンを溜出した。ブロモベンゼン(10.5g、0.07モル)を、ピリジン(90g、0.0134モル)に溶解したCuCl(1.33g、0.0134モル)の溶液と一緒に加えた。反応は204℃、5時間に保たれた。反応物を冷却し後処理を行い、薄い黄褐色の固体165.7g、(65%収量)を得た。GPC(THF溶媒系)による解析で、Mw=1790、pd=1.70(全物質は溶解しない)を得た。
【0048】
GPC測定に用いた溶媒に対し完全な溶解性を示さなかったので、DSCを基本とする分子量の第2の解析を行った。3,4、及び5個の環を含む一連のパラアリールエーテルのモデル化合物をDSCで解析し、融点が直線状の化学反応式に合致することを見出した。この解析に含まれるのはジフェニルエーテルであり、これは予期したとおり直線に合致した。一連のパラモデル(2個の環〜5個の環)に対する融点のデータは次の通りである:26、75.6、108.2、147.4℃。この線は、作られたポリマー上のアリール基の数を推定することに有用であり、単なる分子量のおおまかな評価にも用いられる。このアプローチによって、アリール環の数は8であると予言された。
【0049】
(例11及び12:4−ブロモフェノール重合からのアリールエーテルの臭素化)
反応フラスコに、例10で作った100gのポリフェニルエーテル、600mlのクロロホルム、そして10.2gの塩化アルミニウムを充填する。得られたスラリーを加熱、還流(60℃)し、そして1202.8gの乾燥臭素を、その間、還流を維持しつつ、6時間に亘って添加した。反応物の塊を還流温度で2時間保ち、固体の沈殿物を得るため後処理を行った。得られたポリマー生成物(223.2g)は、次の解析結果を有し、黄褐色固体であった:68.8%のOBr、230〜313℃の融点範囲。生成物の性質を表2に示す。
【0050】
上記の臭素化の方法を繰り返し、表2に示す異なるレベルの臭素を含む、臭素化したオリゴマーのアリールエーテル物質を得た。
【0051】
(例12〜14: 3−BrPhOH重合からアリールエーテルの臭素化)
例9の大きいスケールの反応を、末端キャップブロモベンゼンと3−ブロモフェノールのモル比を0.2にして、GPC解析で700Mwの分子量より僅かに低い分子量を持つ物質を生成するように実施した。反応フラスコに108.2gのこのポリフェニルエーテル、1000mlのクロロホルム、そして10.8gの塩化アルミニウムを充填した。得られたスラリーを還流するよう(60℃)加熱し、そして1044.1gの乾燥臭素を8時間かけ、その間還流しつつ添加した。反応物の本体を還流温度に1時間保ち、固体の沈殿物を与えるように後処理を行った。得られたポリマー生成物(319.9g)は、次の解析結果を有する褐色の固体であった。:70.2%のOBr、141〜161℃の融点範囲、DSCは117℃のガラス転移温度(Tg)を示した。生成物の性質を表2に示す。
【0052】
上記の臭素化の方法を繰り返し、表2に示すような、異なるレベルの臭素を含む、臭素化オリゴマー状アリールエーテル物質を得た。
【0053】
表2に得られた結果を比較すると、オリゴマーの化学部位(メタ対パラ)を変えることによって、異なるガラス転移温度、そして目視での融点範囲を有するオリゴマーが作られたことが分かる。反応の間、適当な試薬や比率を用いることによって、メタやパラ位の結合のブレンドを有する、混合物のオリゴマーを作ることがまた可能である。
【表2】

【0054】
(例15: 臭素化されたアリールエーテルオリゴマーのHIPS中への配合)
例1〜4(表1)で作られたそれぞれの臭素化アリールエーテルオリゴマーを、別々に、円筒シリンダー温度200〜220℃のツインスクリュー押し出し機を用いて、酸化アンチモン(ATO)相乗剤を含むHIPS(高衝撃ポリスチレン)樹脂調合物と配合した。比較として、deca及びdeca−DPEを難燃剤として用い、同様な配合物を作った。得られた配合物をテストバーに射出成形し、表3に示すごとく評価した。機械的な性質、及びMFIテストは通常のASTMの方法に従って行った。臭素化アリールエーテルオリゴマーのガラス転移温度は、全て樹脂の配合温度以下であり、オリゴマーはこのシステムにおいて、溶融ブレンドが可能であることを示している。Deca及びdeca−DPEは溶融ブレンドが可能ではなく、フィルタータイプの物質として行動することに注意されたい。このデータは、配合された物質のメルトフローインデックス(MFI)と、用いたFRのTgとの間に相関があることを示しており、これはある程度予想されたことである。データはまた、ビカー軟化点が、低いTgサンプルを除いて、用いた難燃剤のタイプによって、実際には影響されないことを示しており、これはまた理にかなったことである。
【表3】

【0055】
驚くべき結果が、衝撃強度のデータに存在している。2つの対照サンプルとその配合物を比較するとき、アリールエーテルオリゴマー系は、実際に衝撃強度を増加させることを示している。なお良好な機械的な性質を得ているので、広い範囲のTgを用いることができる。この結果はFR−樹脂の相溶性、テストバー中の、FR物質のドメインサイズ、または何か他の要因の改良によるものである。これらのデータは、最終的な配合物の性質を、FRオリゴマーのガラス転移温度を調節することによって、最高に活用できることを示している。これらは一般に高融点固体であるので、臭素化された小さい分子では不可能である。
【0056】
(例16: 臭素化アリールエーテルオリゴマーのHIPS樹脂への配合)
例12(表2)で用意された臭素化アリールエーテルオリゴマーを、別々に、200〜220℃のシリンダー温度を有するツインスクリュー押し出し機を用いて、相乗剤の酸化アンチモンを含むHIPS(高衝撃ポリスチレン)樹脂の配合で調合した。これらの配合物はテストバーに射出成形され、そして表4に示すように評価した。2つのこれらのFRオリゴマー物質は、配合温度より低いTgの値を持ち、そして2つは、大体その温度以上のTgを有していた。それ故に、後者の2種は溶融ブレンドすることができず、そして得られたMFIは予期したとおり低い。興味深いことに、パラアリールエーテルを基にする、これらのサンプルは減少した衝撃強度を与え、メタアリールエーテルを基にするものは良好な衝撃強度の値を示した。これはFRタイプと樹脂との間の異なる相溶性を反映するものであり、或いはその物質がどのように、冷却又は幾つかの他の要因で、配合物中で凝集するかに関係するものである。
【表4】

【0057】
(例17: HIPS樹脂中、臭素化アリールエーテルの配合)
例15及び16の幾つかの処方の衝撃強度は、実際に、標準のdecaタイプのコントロール実験の値より高かったので、表5に示すように、例1の難燃剤を採用しそして衝撃改質剤(Kraton D1101)を減少させて実験を行った。この研究は、衝撃改質剤を実際に減少させることができ、或いは潜在的にHIPS処方から除去することができ、そしてなおdecaコントロールの配合と同等(又は近い)であることを示しており、そして更に配合物の性質を最高に活用する余地があることを示している。
【表5】

【0058】
(例18: 臭素化アリールエーテルオリゴマーのポリアミド中への配合)
表1に示した臭素化アリールエーテルオリゴマーを、酸化アンチモン相乗剤を含む、ガラス繊維強化PA66樹脂に調合した。これらの配合物をテストバーに成形し、そして表6に示すように評価した。このセットのデータは、オリゴマー状アリールエーテル難燃剤と、市販の臭素化ポリスチレン(Saytex(登録商標)HP−3010)とを比較している。20%負荷HP−3010物質と比較するとき、その結果は、13.3%負荷でV−0を、16%負荷で強いV−0を示しており、アリールエーテルは更に効果的であることを示している。データはまた、機械的な性質に僅かな改善を示しており、引っ張り強さはほぼ同一であるが、引張り伸びはほぼ20%の改善を示している。
【表6】

【0059】
改善された難燃剤の効率が、より高い臭素の含有量の結果であるのか、又はオリゴマーの構造に関係するのかどうかを決めるため、より低い臭素含有量のサンプルで同様にテストした。68%の臭素含有量の臭素化ポリスチレン物質(即ち総体的により低い臭素含有量)と同一の負荷レベルで、調合物は強いV−0を示す結果を得た。これは構造が改善されたFRの効率に寄与するということを示している。
【0060】
(例19: ポリプロピレン中へ異なる難燃剤の調合)
例3の臭素化アリールエーテルオリゴマーを、相乗剤の酸化アンチモンを含むポリプロピレンホモポリマーprofax 6323と共に配合した。比較のため、deca及びdeca−DPEを難燃剤として用い、同様な配合物を用意した。配合物を、円筒シリンダーの温度約200℃のツインスクリュー押出機を用いてコンパウンドとし、試験バーに射出成形し、表7に示すとおり評価した。
【表7】

【0061】
これらの結果は、deca及びdeca−DPEのコントロールサンプルと比較するとき、オリゴマーFR生成物は、加熱撓み温度(HDT)に僅かに高い増加を示すと共に、溶融流れの性質に著しく大きな増加を示している。
【0062】
配合物はまた、80℃のオーブン中にULテストバーを置くことによって、かぶり試験にさらされる。バーはオーブンから24時間、そして1週間後に引き出され、もし存在するなら、黒い布でふき取り、かぶりを取り上げる。かぶりは難燃剤や他の添加物の表面へのマイグレーションであり、そして通常試験布上の目に見える埃として示される。オリゴマーのFR配合のバーの上にはかぶりは存在しなかったが、一方他の2つの難燃剤配合物は、かぶりを示した。
【0063】
(例20: 低密度ポリエチレン中へ異なる難燃剤の調合)
例3の臭素化されたアリールエーテルオリゴマーを、低密度ポリエチレン、Petrothene NA820000NTと調合した。そして比較として、deca及びdeca−DPEを難燃剤として用い類似の配合物を用意した。配合物を、シリンダー温度約190℃のツインスクリュー押出し機を用いて調合し、テストバーに射出成形しそして表8に示すように評価した。
【表8】

【0064】
この樹脂のシステムに対し、比較の臭素化されたコントロールサンプルとしてオリゴマー状難燃剤を用いるとき、MFI及びHDTの性質はいずれも増加した。更に、曲げ特性もまた、増加することが分かった。かぶり試験を先の例に記載の通り行い、そしてオリゴマー状のFR配合は、ほんの僅かトレース状のかぶりを示したが、一方deca配合物は試験布上に多量のかぶりを示した。
【0065】
本発明は、特別の態様と関連して記載及び説明を行ったが、当業者らはここに必ずしも説明しなかった変異も、本発明の対象になることを認識すべきである。この理由で、更に又引用文は、本発明の真実の範囲を決定する目的のため、添付の請求の範囲に単独で作られるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アリールエーテルオリゴマーのハロゲン化によって形成された、ハロゲン化アリールエーテルオリゴマー。
【請求項2】
ハロゲン化アリールエーテルオリゴマーのハロゲン含有量が、オリゴマーの約50〜約90重量%の範囲にある、請求項1に記載のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー。
【請求項3】
そして平均で最小3個のアリール環を有する、請求項1又は請求項2に記載のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー。
【請求項4】
ハロゲンが臭素である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー。
【請求項5】
アリールエーテルオリゴマーが、臭素化され、少なくとも5個のアリール環を含有し、そして1,000,000ダルトンまでの分子量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー。
【請求項6】
次の繰返しモノマー単位を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー。
【化1】


(Rは、水素又はアルキル、特にC〜Cのアルキルであり、Halはハロゲンであり、mは少なくとも1であり、nは0〜3であり、そしてxは少なくとも2である)
【請求項7】
xが5〜20の、請求項6に記載のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー。
【請求項8】
Halが臭素を含有する、請求項6又は請求項7に記載のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー。
【請求項9】
アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、水素、ハロゲン、及びヒドロキシルをそれぞれ独立して含む末端基を含有する、請求項6〜8のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のオリゴマーの、難燃剤としての使用法。
【請求項11】
(a)可燃性の高分子物質、及び(b)請求項1〜10いずれか一項に記載のハロゲン化アリールエーテルオリゴマーを含む難燃剤、を含有する難燃剤ポリマー組成物。
【請求項12】
(a)可燃性の高分子物質、及び(b)次の式を有するハロゲン化アリールエーテル、を含有する難燃剤ポリマー組成物。
【化2】


(各々のRは独立して、水素、ヒドロキシ、ハロゲン及びアルキルから選択され、少なくとも1個のRはハロゲンという条件で、Rは独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン及びアルキルから選択され、nは5であり、mは4であり、そしてxは1〜10、好ましくは2〜8である)
【請求項13】
可燃性の高分子物質(a)が、熱可塑性のポリマー、又は熱硬化性のポリマーである、請求項11又は請求項12の難燃剤ポリマー組成物。
【請求項14】
可燃性の高分子物質(a)がポリスチレンであり、そして組成物中のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー難燃剤の量が5〜25重量%である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の難燃剤ポリマー組成物。
【請求項15】
可燃性の高分子物質(a)がポリプロピレンであり、そして組成物中のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー難燃剤の量が20〜50重量%である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の難燃剤ポリマー組成物。
【請求項16】
可燃性の高分子物質(a)がポリエチレンであり、そして組成物中のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー難燃剤の量が5〜35重量%である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の難燃剤ポリマー組成物。
【請求項17】
可燃性の高分子物質(a)がポリアミドまたはポリエステルであり、そして組成物中のハロゲン化アリールエーテルオリゴマー難燃剤の量が5〜25重量%である、請求項11〜13のいずれか一項に記載の難燃剤ポリマー組成物。

【公表番号】特表2010−525153(P2010−525153A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506422(P2010−506422)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/061097
【国際公開番号】WO2008/134294
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(508201282)ケムチュア コーポレイション (69)
【Fターム(参考)】