説明

雷保護用接続方式、及び雷保護用接続方法

【課題】雷保護装置とホームゲートウェイ装置(HGW装置)は、正しく接続しないと雷サージから確実に保護することができない。
【解決手段】雷保護装置には、ホームゲートウェイ装置との間の電力線が正しく接続されたか否かを検出するための機能と、正しく接続されていない場合には、ホームゲートウェイ装置との間の通信回線をオープン(開放)の状態にして、ホームゲートウェイ装置からの多機能通信端末等による通信を制限する機能を持たせる。ホームゲートウェイ装置には、雷保護装置との間の通信回線が正しく接続されたか否かを検出するための機能と、正しく接続されていない場合には、光や音によるアラーム通知等により、ユーザに接続の不備を気付かせて接続の見直しを促す機能を持たせる。これにより、雷保護装置とホームゲートウェイ装置との間の適切な接続を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雷保護用接続方式に関し、特に雷保護装置と多機能通信端末を接続するための雷保護用接続方式に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、各家庭には、HGW装置(ホームゲートウェイ装置)が設置され、VoIP(Voice over Internet Protocol)電話を使用するユーザが増えてきている。
【0003】
HGW装置のように、VoIP電話に対応したアナログポートを有している装置には、電話回線側からの給電(電力の供給、送電)のみで動作する電話端末だけではなく、留守番電話やFAX(facsimile)のように、通話以外の機能を有するため電力線側からの給電を要する多機能通信端末が接続されることが多くある。
【0004】
多機能通信端末は、通話以外の機能を動作させるために、独自に電源を有している。
【0005】
通常、多機能通信端末は雷サージ対策として、電力線に印加された雷サージは電話回線(通信回線)側に、逆に電話回線側に印加された雷サージは電力線側にバイパス(迂回)させるようになっている。
【0006】
多機能通信端末の電話回線が公衆電話交換回線網に繋がっている場合は、これでも良かったが、VoIP電話端末としてHGW装置のアナログポートに接続される場合には、問題があった。
【0007】
例えば、多機能通信端末の電源から電話回線側にバイパスされた雷サージは、HGW装置のアナログポートに直接印加されてしまうため、HGW製品に接続された留守番電話やFAX等の多機能通信端末の電源から電話回線を介して雷サージがHGW装置のアナログポートに印加されて、HGW装置が破壊されてしまい、HGW装置が故障したとして返却される事例が増えてきている。
【0008】
現状のHGW装置も雷対策を盛り込んではいるものの、更に、大きな雷サージに対しての耐量と、雷サージを逃がすパス(通路)が必要となってきている。特に、日本ではTTシステムと呼ばれる電源系統の接続であり、電力線と共に保護接地導体は供給されない。なお、「TT」の第1文字は電力系統と大地との関係を示し、第1文字目の「T」は「一点を大地に直接接続する」という旨を示す。また、「TT」の第2文字は設備の露出導電性部分と大地との関係を示し、第2文字目の「T」は「電力系統の接地とは無関係に露出導電性部分を大地に直接接地する」という旨を示す。TTシステムでは、機器の保護設置と電力系の保護接地は、それぞれ独立した保護接地に接続されてしまうため、完全に同電位とはならず、雷サージが流れる原因となっている。
【0009】
更に、一般的な家庭のコンセントは2極であり、保護接地端子を持っていない場合がほとんどであるため、雷サージを保護接地に逃がすことができない。すなわち、HGW装置のような機器は、雷サージを逃がすパスがないため、雷サージの影響を受けてしまっていた。
【0010】
上記で説明した問題について、以下に詳細に説明する。
【0011】
図1に、一般的な通信端末の電話回線と商用電力線との間に印加される雷サージのバイパス方式を示す。
【0012】
商用電力線と電話回線にそれぞれ、SPD(Surge Protect Device:サージ保護素子)を配置させる。SPDは、規定以上の電圧が印加された場合にオン(ON)の状態となり、商用電力線と電話回線の間の回線をショート(短絡)の状態にする素子である。また、SPDは、通常時(印加される電圧が規定の範囲内である場合)にはオフ(OFF)の状態となり、商用電力線と電話回線の間の回線をオープン(開放)の状態にする。SPDの例として、サイリスタ(Thyristor)、バリスタ(Varister)、アレスタ(Arrester)等が知られている。なお、SPDは、サージアブソーバ(Surge Absorber)でも良い。
【0013】
ここでは、商用電力線に、SPD1〜SPD3を配置させる。また、電話回線に、SPD4〜SPD6を配置させる。また、SPD2−SPD3の中点と、SPD5−SDP6の中点とを結ぶ。
【0014】
こうすることによって、商用電力線に雷サージが印加された場合、SPD2、SPD3、SPD5、及びSPD6がオン(ON)の状態となり、雷サージを電話回線側にバイパスさせることができる。図1において、点線で示した経路が、雷サージの経路となる。
【0015】
逆に、電話回線から雷サージが印加された場合も同様に、商用電力線側にバイパスされる。
【0016】
すなわち、留守番電話やFAX等の多機能通信端末は、図1で示したようなSPDで雷サージをバイパスさせる回路を内蔵していることになる。
【0017】
このような通信端末が公衆電話交換回線網に直接接続されている場合は問題なかったが、HGW装置のアナログポートに接続された場合には、このバイパスされた雷サージがHGW装置のアナログポートに直接印加されてしまうため、HGW装置が破壊されてしまうという問題があった。
【0018】
このような問題を回避するために、通信端末と電話回線の間に配置される外付けタイプの雷保護装置と呼ばれる装置が既に開発され、販売されている。一般的には、このような雷保護装置は、サージ対策部品で構成されたサンダーカット、雷ガード等と呼ばれる。雷保護装置の例として、避雷器、遮断器、耐雷変圧器(耐雷トランス)、スタブフィルタ、サージプロテクタ等が知られている。
【0019】
しかしながら、このような雷保護装置を購入してまで取り付けるユーザは少なく、仮に取り付けたとしても、接続が間違っている場合には、その効果を充分に得られないという問題があった。すなわち、雷保護装置とHGW装置を正しく接続させなければならないという問題があった。
【0020】
特許文献1−4においても、様々な雷サージに対する対策案が提案されているが、雷保護装置を確実に接続するための具体的な対策案については、これまで提案されていなかった。
【0021】
[従来の雷保護装置とHGW装置の接続方式]
以下に、従来の雷保護装置とHGW装置の接続方式について説明する。
【0022】
図2に示すように、従来の雷保護用接続方式(雷保護用接続システム)は、雷保護装置10は、HGW装置20と、ACコンセント30と、電話機40と、ACコンセント50を含む。
【0023】
雷保護装置10は、図2に示すような接続形態で、HGW装置20と、ACコンセント30と、電話機40と接続される。電話機40は、ACコンセント50と接続される。
【0024】
雷保護装置10は、ACコンセント11と、ACプラグ12と、モジュラコネクタ13と、モジュラコネクタ14を備える。
【0025】
ACコンセント11は、HGW装置20と商用電力線で接続される。ACプラグ12は、ACコンセント30と商用電力線で接続される。モジュラコネクタ13は、HGW装置20と電話回線で接続される。モジュラコネクタ14は、電話機40と電話回線で接続される。なお、モジュラコネクタ13及びモジュラコネクタ14は、それぞれアナログポートを有する。
【0026】
ACコンセント11には、SPD1〜SPD3が接続される。モジュラコネクタ13及びモジュラコネクタ14には、SPD4〜SPD6が接続される。ここでは、モジュラコネクタ13とモジュラコネクタ14の間に、SPD4〜SPD6が配置される。また、SPD2−SPD3の中点と、SPD5−SDP6の中点とが接続される。
【0027】
HGW装置20は、モジュラコネクタ21と、ACプラグ22を備える。
【0028】
モジュラコネクタ21は、モジュラコネクタ13と電話回線で接続される。なお、モジュラコネクタ21は、アナログポートを有する。ACプラグ22は、ACコンセント11と商用電力線で接続される。
【0029】
図示しないが、一般的には、電子回路は直流電流(DC)を利用するため、交流電流(AC)として供給される家庭用電源から給電するために、ACプラグ22と共にAC−DC変換回路(AC−DC converter:AC−DCコンバータ)が配置される。ここでは、AC−DC変換回路は、ACプラグ22と一体化しているものとする。なお、ACプラグ22は、ACアダプタでも良い。すなわち、AC−DC変換回路は、ACプラグ22と共にACアダプタとしてHGW装置20の外部に付属していても良い。
【0030】
電話機40は、ACプラグ41を備える。
【0031】
ACプラグ41は、ACコンセント50と商用電力線で接続される。
【0032】
ここで問題となるのは、図2で示したような正しい接続が行なわれないと、期待した効果を得ることができないということである。
【0033】
例えば、ACプラグ22は、ACコンセント11に接続する必要がある。なぜなら、ACプラグ22を別のACコンセント(図示しない)に接続してしまうと、仮にそのACコンセントに雷サージが印加された場合に、電話回線側にバイパスすることができないため、HGW装置が壊れてしまうからである。
【0034】
以下に、考え得る配線状態を列挙し、どのような配線ミスが考えられるのかについて考察する。
【0035】
(1)「電話機40が雷保護装置10を経由せずHGW装置20のモジュラコネクタ21に直接接続され、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11以外のACコンセントと接続されている状態」
【0036】
この場合は、雷保護装置10を全く利用しない状態であるため、雷サージに対しては確実に保護できる状態にならない。
【0037】
(2)「電話機40が雷保護装置10を経由してHGW装置20のモジュラコネクタ21に正しく接続され、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11に正しく接続されているが、雷保護装置10のACプラグ12がACコンセント30に接続されていない状態」
【0038】
この場合は、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11に正しく接続されているが、ACコンセント30から雷保護装置10に電力が供給されないため、雷保護装置10からHGW装置20に電力が供給されず、HGW装置20の電源が入らない(HGW装置20が起動しない)ので、雷サージに関しては問題ない。
【0039】
(3)「電話機40が雷保護装置10を経由してHGW装置20のモジュラコネクタ21に正しく接続されているが、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11以外のACコンセントと接続され、雷保護装置10のACプラグ12がACコンセント30に接続されていない状態」
【0040】
この場合は、ACコンセント30から雷保護装置10に電力が供給されないが、雷保護装置10のACコンセント11以外のACコンセントからHGW装置20に電力が直接供給されるため、HGW装置20は動作し、電話機40も使用できる。その一方で、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11と正常に接続されていないため、雷サージに対しては確実に保護できる状態にならない。上述したように、仮に、HGW装置20のACプラグ22が接続されたACコンセントに雷サージが印加された場合に、電話回線側にバイパスすることができないため、HGW装置20が壊れてしまう可能性があるからである。
【0041】
(4)「電話機40が雷保護装置10を経由してHGW装置20のモジュラコネクタ21に正しく接続され、雷保護装置10のACプラグ12がACコンセント30に正しく接続されているが、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11以外のACコンセントと接続されている状態」
【0042】
この場合には、上記(3)の状態と同様に、雷保護装置10のACコンセント11以外のACコンセントからHGW装置20に電力が供給されるため、HGW装置20、電話機40も使用できる状態になる。その一方で、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11と正常に接続されていないため、雷サージに対しては確実に保護できる状態にならない。
【0043】
(5)「電話機40が雷保護装置10を経由してHGW装置20のモジュラコネクタ21に正しく接続され、雷保護装置10のACプラグ12がACコンセント30に正しく接続され、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11に正しく接続されている状態」
【0044】
この場合は、正常な接続なので、問題ない。すなわち、雷サージに対して確実に保護できる状態になる。
【0045】
以上で説明したように、雷保護装置とHGW装置は正しく接続しないと雷サージから確実に保護することができないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特許第4020210号公報
【特許文献2】特許第3253003号公報
【特許文献3】特開2004−140669号公報
【特許文献4】特開2001−339849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0047】
本発明の目的は、HGW装置(ホームゲートウェイ装置)に、雷保護装置が正しく接続されたか否かを検出できるような機能を持たせ、正しく接続されていない場合には、光や音等によるアラーム通知によりユーザに接続の不備を気付かせると共に、通信回線をオープン(開放)の状態にして、多機能通信端末による通信をできなくさせる雷保護用接続方式を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0048】
本発明に係る雷保護用接続方式(雷保護用接続システム)は、電力線と通信回線との間に印加されるサージをサージ保護素子でバイパスさせる雷保護装置と、該雷保護装置を経由して受電(電力を受けること)及び通信を行うホームゲートウェイ装置とを含む。該雷保護装置は、該雷保護装置に該ホームゲートウェイ装置の電力線が接続されていない場合、該ホームゲートウェイ装置の通信回線を不通状態にしておき、該雷保護装置に該ホームゲートウェイ装置の電力線が接続された際に、該ホームゲートウェイ装置の通信回線の不通状態を解除する。該ホームゲートウェイ装置は、該ホームゲートウェイ装置の通信回線が該雷保護装置と接続された際に、別途(当該接続とは別に/当該接続に付随して)、該雷保護装置の筐体の接近/接触を検出し、該雷保護装置の筐体の接近/接触を検出していない場合、接続の見直しを促すための処理(警告の通知等)を行う。
【0049】
本発明に係る雷保護用接続方法では、電力線と通信回線との間に印加されるサージをサージ保護素子でバイパスさせる雷保護装置と、該雷保護装置を経由して受電及び通信を行うホームゲートウェイ装置とを接続する。また、該雷保護装置において、該雷保護装置に該ホームゲートウェイ装置の電力線が接続されていない場合、該ホームゲートウェイ装置の通信回線を不通状態にしておき、該雷保護装置に該ホームゲートウェイ装置の電力線が接続された際に、該ホームゲートウェイ装置の通信回線の不通状態を解除する。また、該ホームゲートウェイ装置において、該ホームゲートウェイ装置の通信回線が該雷保護装置と接続された際に、別途、該雷保護装置の筐体の接近/接触を検出し、該雷保護装置の筐体の接近/接触を検出していない場合、接続の見直しを促すための処理を行う。
【0050】
本発明に係るプログラムは、上記の雷保護用接続方法における処理を、雷保護装置又はホームゲートウェイ装置に実行させるためのプログラムである。すなわち、本発明に係る雷保護用接続方法は、ファームウェア(Firmware)等によるソフトウェア制御で実現しても良い。なお、本発明に係るプログラムは、記憶装置や記憶媒体に格納することが可能である。
【発明の効果】
【0051】
ユーザの接続不備によってHGW装置(ホームゲートウェイ装置)が雷サージを受けて破壊されるような不具合の回避が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】一般的な通信端末の電話回線と商用電力線との間に印加される雷サージのバイパス方式の例を示す概念図である。
【図2】従来の雷保護用接続方式(雷保護用接続システム)の例を示す概念図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る雷保護用接続方式の例を示す概念図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る雷保護装置の外観のイメージ図である。
【図5】雷保護装置のACコンセントにHGW装置のACプラグが挿されていないときのスライドカバー及びスイッチ(SW:Switch)の状態を示す概念図である。
【図6】雷保護装置のACコンセントにHGW装置のACプラグが挿されたときのスライドカバー及びスイッチ(SW)の状態を示す概念図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る雷保護用接続方式の例を示す概念図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る雷保護用接続方式の例を示す概念図である。
【図9】本発明の第4実施形態において、HGW装置のモジュラコネクタに雷保護装置のモジュラプラグが挿されていないときのスライドカバー及びスイッチ(SW)の状態を示す概念図である。
【図10】本発明の第4実施形態において、HGW装置のモジュラコネクタに雷保護装置のモジュラプラグが挿されたときのスライドカバー及びスイッチ(SW)の状態を示す概念図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る雷保護用接続方式の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0054】
[システム構成例]
図3に示すように、本発明の第1実施形態に係る雷保護用接続方式(雷保護用接続システム)は、雷保護装置10と、HGW装置(ホームゲートウェイ装置)20を含む。
【0055】
雷保護装置10は、図3に示すような接続形態で、HGW装置20と接続される。
【0056】
[雷保護装置の構成例]
雷保護装置10は、ACコンセント11と、ACプラグ12と、モジュラコネクタ14と、スイッチ(SW:Switch)15と、モジュラプラグ16と、突起17を備える。
【0057】
ACコンセント11は、HGW装置20用の電源端子である。ACコンセント11は、HGW装置20と商用電力線で接続される。ACコンセント11は、この商用電力線を介して、HGW装置20に交流電流(AC)を給電する。
【0058】
ACプラグ12は、雷保護装置10用のACプラグである。ACプラグ12は、外部のACコンセントと商用電力線で接続される。ACプラグ12は、この商用電力線を介して、この外部のACコンセントから交流電流(AC)を受電し(電力の供給を受けて)、ACコンセント11に交流電流(AC)を配電する。
【0059】
モジュラコネクタ14は、多機能通信端末を接続するためのモジュラコネクタである。モジュラコネクタ14は、複数でも良い。なお、モジュラコネクタは一例に過ぎない。実際には、LAN(Local Area Network)コネクタやUSB(Universal Serial Bus)コネクタ等、他の規格のコネクタでも良い。
【0060】
スイッチ(SW)15は、通信回線をオープン(開放)/ショート(短絡)の状態にするためのスイッチである。ここでは、スイッチ(SW)15は、モジュラコネクタ14とモジュラプラグ16の間に配置される。
【0061】
モジュラプラグ16は、HGW装置20のモジュラコネクタのアナログポートと接続するためのモジュラプラグである。なお、モジュラプラグは一例に過ぎない。実際には、LANプラグやUSBプラグ等、他の規格のプラグでも良い。
【0062】
突起17は、HGW装置20にあるスイッチ(SW)を物理的に押下し、オン(ON)の状態にする。突起17の形状については問わない。突起17は可動式でも良い。なお、実際には、突起17は、HGW装置20にあるスイッチ(SW)に相当する回路を電気的に通電させるものでも良い。また、突起17は、雷保護装置10とHGW装置20とを接合/嵌合させるものでも良い。すなわち、突起17は、雷保護装置10とHGW装置20との物理的な接近/接触に応じて、HGW装置20にあるスイッチ(SW)をオン(ON)の状態にするものであれば良い。
【0063】
モジュラコネクタ14、ACコンセント11、及びモジュラプラグ16の間には、雷サージをバイパスさせるためのSPD回路(SPDで形成された回路)が設けられている。なお、SPDは、サージアブソーバ(Surge Absorber)でも良い。
【0064】
ACコンセント11には、SPD1〜SPD3が接続される。モジュラコネクタ14及びモジュラプラグ16には、SPD4〜SPD6が接続される。ここでは、スイッチ(SW)15とモジュラプラグ16の間に、SPD4〜SPD6が配置される。また、SPD2−SPD3の中点と、SPD5−SDP6の中点とが接続される。なお、実際には、モジュラコネクタ14とスイッチ(SW)15の間に、SPD4〜SPD6が配置されていても良い。
【0065】
図4に、雷保護装置10の外観イメージを示す。
【0066】
[モジュラプラグ16及び突起17の補足]
必須ではないが、モジュラプラグ16がHGW装置20のモジュラコネクタのアナログポートと接続すると同時に、突起17がHGW装置20にあるスイッチ(SW)をオン(ON)の状態にするように構成することも可能である。例えば、モジュラプラグ16と突起17を一体化するか、モジュラプラグ16と突起17が連動する形状にしても良い。モジュラプラグ16自体に突起17をつけるといったことも可能である。
【0067】
これにより、モジュラプラグ16と突起17が同時に伸縮する構成にすることが可能となり、モジュラプラグ16と突起17を雷保護装置10の本体から延伸することが可能となる。
【0068】
また、モジュラプラグ16と突起17の組(セット)を複数用意することが可能となり、雷保護装置10が、複数のHGW装置20と接続可能となる。この場合、モジュラプラグ16と突起17の組は、一組につき1台のHGW装置20と接続するものとする。
【0069】
すなわち、雷保護装置に接続されるHGW装置の台数は、1台とは限らず、複数でも良い。この場合、雷保護装置10の内部には、複数のHGW装置20の各々に対して(接続されるHGW装置20毎に)、ACコンセント11、ACプラグ12、モジュラコネクタ14、スイッチ(SW)15、モジュラプラグ16、及び突起17の組が配置されるものとする。
【0070】
[HGW装置の構成例]
HGW装置20は、モジュラコネクタ21と、ACプラグ22と、スイッチ(SW)23と、CPU(Central Processing Unit)24と、アラームランプ25と、スピーカー26と、ネットワークアダプタ27を備える。
【0071】
モジュラコネクタ21は、雷保護装置10のモジュラプラグ16を接続するためのアナログポートを有する。なお、モジュラコネクタは一例に過ぎない。実際には、LANコネクタやUSBコネクタ等、他の規格のコネクタでも良い。但し、モジュラコネクタ21は、必ずモジュラプラグ16と対になるものとする。すなわち、モジュラコネクタ21のアナログポートの形状は、モジュラプラグ16と接合可能であるものとする。
【0072】
ACプラグ22は、HGW装置20の電源装置のACプラグである。ACプラグ22は、雷保護装置10のACコンセント11と商用電力線で接続される。ACプラグ22は、この商用電力線を介して、ACコンセント11から交流電流(AC)を受電する。
【0073】
図示しないが、一般的には、HGW装置20の内部の電子回路が直流電流(DC)を利用するため、交流電流(AC)として供給される家庭用電源から給電するために、ACプラグ22と共にAC−DC変換回路(AC−DC converter:AC−DCコンバータ)が配置される。ここでは、AC−DC変換回路は、ACプラグ22と一体化しているものとする。なお、ACプラグ22は、ACアダプタでも良い。すなわち、AC−DC変換回路は、ACプラグ22と共にACアダプタとしてHGW装置20の外部に付属していても良い。
【0074】
スイッチ(SW)23は、雷保護装置10が接続された場合に突起17によりオン(ON)の状態になる。ここでは、スイッチ(SW)23は、突起17によりオン(ON)の状態になった際に、接地(GND)される。なお、接地(GND)は一例に過ぎない。実際には、スイッチ(SW)23は、突起17によりオン(ON)の状態になった際に、電源端子(VDD)等に接続されても良い。これにより、スイッチ(SW)23は、雷保護装置10の接続に応じて電位の状態が変化する検出信号231を出力する。
【0075】
CPU24は、ケーブル及び基板等を介して、記憶装置や電源装置等、HGW装置20の他の内部構成に接続されている。CPU24は、突起17によりスイッチ(SW)23がオン(ON)の状態になった際に、スイッチ(SW)23からの検出信号231の検出を行う。
【0076】
アラームランプ25は、発光(点灯、点滅等)により、ユーザにアラーム(警告)を通知し、注意喚起する。
【0077】
スピーカー26は、音声出力(音声ガイダンス、ビープ音等)により、ユーザにアラーム(警告)を通知し、注意喚起する。
【0078】
ネットワークアダプタ27は、公衆回線網を経由して、基地局(base station)又はサーバに、当該HGW装置20における雷保護装置10の接続状態を通知する。ネットワークアダプタ27の例として、NIC(Network Interface Card)や同様の拡張カード、又は携帯電話やPHSの通信規格に準拠した無線通信機器等が考えられる。
【0079】
[ネットワークアダプタの補足]
必須ではないが、ネットワークアダプタ27は、雷保護装置10とは別の雷保護装置を経由して公衆回線網に接続されていると好適である。また、ネットワークアダプタ27は、モジュラコネクタ21とは別のモジュラコネクタでも良い。なお、ネットワークアダプタ27は、モジュラコネクタ21と共通でも良いが、この場合は、雷保護装置10とHGW装置20が正しく接続されたときにのみ、基地局又はサーバに、雷保護装置10の接続状態を通知することになる。
【0080】
[HGW装置の補足]
必須ではないが、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11と接続すると同時に、雷保護装置10の突起17がHGW装置20のスイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にするように構成することも可能である。例えば、HGW装置20のACプラグ22を雷保護装置10のACコンセント11に接続すると、雷保護装置10の突起17がHGW装置20のスイッチ(SW)23を押し込むように配置/構成しても良い。
【0081】
[代替例]
HGW装置20の代替例として、モデム(MODEM:MOdulator−DEModulator)、ADSLモデム(ADSL modem)、アクセスポイント(access point)、ネットワークスイッチ(network switch)、ルータ(router)、プロキシ(proxy)、ゲートウェイ(gateway)、ファイアウォール(firewall)、ロードバランサ(load balancer:負荷分散装置)、帯域制御装置/セキュリティ監視制御装置(gatekeeper)、PC(パソコン)、アプライアンス(appliance)、プリントサーバ、デジタルチューナー、デジタルレコーダー、情報家電(information home appliance)、OA(Office Automation)機器等が考えられる。
【0082】
CPU24の代替例として、ネットワークプロセッサ(NP:Network Processor)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコントローラ、或いは、専用の機能を有する半導体集積回路(IC:Integrated Circuit)等が考えられる。すなわち、CPU24は、何らかの処理装置であれば良い。
【0083】
アラームランプ25、スピーカー26、及びネットワークアダプタ27の代替例として、LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)等の表示装置、出力内容を用紙等に印刷するプリンタ等の印刷装置、出力内容を壁やスクリーンに投影するプロジェクタ等の映写装置、或いは、外部の表示装置や記憶装置等に情報を出力するためのインターフェース(I/F:interface)等を使用する例も考えられる。すなわち、アラームランプ25、スピーカー26、及びネットワークアダプタ27は、何らかの出力装置であれば良い。
【0084】
但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0085】
[HGW装置による雷保護装置との接続の検出]
まず、HGW装置が雷保護装置と接続されたか否かを検出する状況について説明する。
【0086】
HGW装置20と雷保護装置10を接続するために、モジュラプラグ16をモジュラコネクタ21に接続する。
【0087】
このとき、モジュラプラグ16とモジュラコネクタ21との接続に伴って、雷保護装置10の突起17が、HGW装置20のスイッチ(SW)23を押し込んで(押下して)、オン(ON)の状態にする。HGW装置20のスイッチ(SW)23は、オン(ON)の状態となった場合、スイッチ(SW)23からCPU24に入力される検出信号231を変化させる。例えば、通常時にはハイレベル(High)にある検出信号231が、スイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にすることにより、ロウレベル(Low)に変化したとする。
【0088】
CPU24は、検出信号231の変化を検出して、スイッチ(SW)23がオン(ON)の状態であるかオフ(OFF)の状態であるか判断し、雷保護装置10が接続されたか否か判断する。例えば、CPU24は、検出信号231の電位がハイレベル(High)であれば、スイッチ(SW)23がオフ(OFF)の状態で、雷保護装置10が接続されていないと判断する。反対に、検出信号231の電位がロウレベル(Low)であれば、スイッチ(SW)23がオン(ON)の状態で、雷保護装置10が接続されていると判断する。
【0089】
無論、ハイレベル(High)とロウレベル(Low)は、逆にしても良い。
【0090】
CPU24は、検出信号231により、スイッチ(SW)23がオフ(OFF)の状態で、雷保護装置10が接続されていないと判断すると、常時/定期的に/一定時間、アラームランプ25の点灯、点滅や、スピーカー26による音声ガイダンス、ビープ音等により、ユーザに雷保護装置10が接続されていない旨の警告を通知する。
【0091】
更に、CPU24は、ネットワークアダプタ27を利用し、公衆回線網を経由して、基地局又はサーバに、雷保護装置10の接続状態を通知するようにしても良い。
【0092】
[CPUの補足]
必須ではないが、CPU24は、検出信号231により、スイッチ(SW)23がオフ(OFF)の状態で、雷保護装置10が接続されていないと判断した場合、HGW装置20を停止させるか、スタンバイ/休止の状態にしても良い。このとき、CPU24は、検出信号231により、スイッチ(SW)23がオン(ON)の状態で、雷保護装置10が接続されていると判断すると、HGW装置20を起動するか、スタンバイ/休止から回復させる。
【0093】
或いは、CPU24は、検出信号231により、スイッチ(SW)23がオン(ON)の状態で、雷保護装置10が接続されていると判断した際に、ACプラグ22の電力線をショート(短絡)の状態にし、HGW装置20の内部への給電を開始する。
【0094】
[スイッチ(SW)15のオン(ON)/オフ(OFF)の切り替え]
次に、雷保護装置とHGW装置との間の電力線が正しく接続されていない場合には、通信回線をオープン(開放)の状態とし、雷保護装置とHGW装置との間の電力線が正しく接続された場合には、通信回線をショート(短絡)の状態にする状況について説明する。
【0095】
ここでは、図5、及び図6を用いて、ACコンセント11とスイッチ(SW)15との関係について説明する。
【0096】
[スイッチ(SW)15がオフ(OFF)の状態]
図5に、ACコンセント11にACプラグ22が挿されていない通常の状態を示す。
【0097】
図5の上段に示した図がACコンセント11の外観のイメージ図であり、図5の下段に示した図がACコンセント11の断面のイメージ図である。
【0098】
通常時には、ACコンセント11は、スライドカバー111の下に隠れた状態となる。スライドカバー111は、ACコンセント11の2極(2つの電極)を覆うカバー(コンセントカバー)である。
【0099】
スライドカバー111には、スイッチ(SW)15を押し込み(押下し)、スイッチ(SW)15をオン(ON)の状態にするための突起112が設けられている。通常時には、突起112はスイッチ(SW)15に届いていないため、スイッチ(SW)15はオフ(OFF)の状態である。
【0100】
[スイッチ(SW)15がオン(ON)の状態]
図6に、ACコンセント11にACプラグ22が挿入されたときの状態を示す。
【0101】
図6も、図5と同様に、図6の上段に示した図がACコンセント11の外観のイメージ図であり、図6の下段に示した図がACコンセント11の断面のイメージ図である。
【0102】
まず、ACプラグ22を挿入するために、スライドカバー111に開けられた2極用の穴に、ACプラグ22を軽く差し込む。具体的には、ACプラグ22を、2極用の穴の深さを超えない程度(雷保護装置10の本体に接触しない程度)に差し込む。
【0103】
スライドカバー111に開けられた2極用の穴に、ACプラグ22を軽く差し込んだ状態のまま、ACプラグ22とスライドカバー111をスライドさせると、スライドカバー111に開けられた2極用の穴とACコンセント11の2極との位置が一致するため、ACコンセント11にACプラグ22を挿すことができるようになる。
【0104】
このとき、スライドカバー111と連動して突起112もスライドし、スイッチ(SW)15を押し込むため、スイッチ(SW)15はオン(ON)の状態となる。
【0105】
このように、スライドカバー111と連動してスイッチ(SW)15をオン(ON)/オフ(OFF)の状態にする機能で構成することにより、ACコンセント11にACプラグが接続されていない状態では、通信回線はオープン(開放)の状態となる。
【0106】
なお、実際には、スライドカバー111を手動でスライドさせてスイッチ(SW)15をオン(ON)の状態にし、スライドカバー111に開けられた2極用の穴とACコンセント11の2極との位置が一致した段階で、スライドカバー111に開けられた2極用の穴に、ACプラグ22を深く差し込んで、ACコンセント11の2極にACプラグ22を挿入し、ACプラグ22によりスライドカバー111の位置を固定するようにしても良い。
【0107】
[スライドカバーの補足]
必須ではないが、通常時には、突起17を雷保護装置10の筐体内部に格納しておき、スライドカバー111と連動して突起112がスライドする際、突起17もスライドカバー111と連動してスライドして雷保護装置10の筐体の外側に露出するようにしても良い。
【0108】
また、スライドカバー111に開けられた2極用の穴から、ACプラグ22を抜いた場合、バネ等の弾性部材や小型モータ等の動力機構により、スライドカバー111が自動的にスライドし、元の位置(図5に示す状態)に戻るようにしても良い。
【0109】
また、図5、図6では、スライドカバー111のスライドによってスイッチ(SW)15を押し込む仕組みについて説明したが、実際には、スライドに限らず、スライドカバー111の移動/動作によってスイッチ(SW)15をオン(ON)/オフ(OFF)の状態にする構造であれば、どのような仕組みを使用しても良い。
【0110】
例えば、スライドカバー111を回転させることで、ACプラグ22が挿入できるようなると同時にスイッチ(SW)15をオン(ON)の状態にする方式や、スライドカバー111を取り外すことで、スイッチ(SW)15をオン(ON)の状態にする方式、スライドカバー111が変形することで、スイッチ(SW)15をオン(ON)の状態にする方式等も考えられる。
【0111】
更に、スイッチ(SW)15は、通信回線がオープン(開放)/ショート(短絡)の状態となる機能であれば、押し込みタイプのスイッチでなくても良い。
【0112】
例えば、スイッチ(SW)15は、スライドカバー111のスライドによって導体が接触するようなタイプのスイッチでも良い。
【0113】
また、スイッチ(SW)15は、機械スイッチだけではなく、アナログスイッチICを制御するような論理回路でも良い。
【0114】
また、スイッチ(SW)15は、スライドカバー111の移動/動作を検出した際にオン(ON)の状態となるようなタイプのスイッチでも良い。例えば、スイッチ(SW)15は、スライドカバー111の移動/動作を検出するセンサ等から、スライドカバー111の移動/動作を示す信号を受信した際に、オン(ON)の状態となるようなタイプのスイッチでも良い。
【0115】
[配線状態]
以上で説明した機能を基に、背景技術において説明した配線状態(1)〜(5)の各状態での動作について説明する。
【0116】
まず、(1)の状態として、HGW装置20に雷保護装置10が接続されていない状態での動作について説明する。
【0117】
まず、CPU24は、検出信号231により、スイッチ(SW)23がオフ(OFF)の状態で、雷保護装置10が接続されていないと判断すると、常時/定期的に/一定時間、アラームランプ25の点灯、点滅や、スピーカー26による音声ガイダンス、ビープ音等により、ユーザに雷保護装置10が接続されていない旨の警告を通知する。
【0118】
更に、CPU24は、ネットワークアダプタ27を利用し、公衆回線網を経由して、基地局又はサーバに、雷保護装置10の接続状態を通知することも可能である。
【0119】
次に、(2)(3)の状態として、雷保護装置10はHGW装置20に正しく接続されているが、雷保護装置10のACプラグ12がACコンセントに接続されていない状態での動作について説明する。
【0120】
ここでは、正しく接続された状態とは、モジュラプラグ16がモジュラコネクタ21に接続されるのと同時に、突起17によりスイッチ(SW)23が押し込まれてオン(ON)した状態を指す。
【0121】
(2)の状態では、仮にACプラグ22がACコンセント11に正しく接続されていても、ACプラグ12がACコンセントに接続されていないため、HGW装置20に電源が供給されず動作(起動)しない。そのため、ユーザは接続に問題があると気が付くことができる。
【0122】
(3)の状態では、ACプラグ22が別のACコンセントに接続されており、HGW装置20は電源供給を受けることができるので、動作を開始することはできる。しかし、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11に接続されていないため、ACコンセント11のスライドカバー111と連動する突起112がスライドせず、スイッチ(SW)15を押し込まないため、スイッチ(SW)15はオン(ON)の状態にならず、オフ(OFF)の状態のままである。すなわち、ACコンセント11にACプラグ22が接続されていない状態では、通信回線はオープン(開放)となり、不通状態となる。よって、ユーザは接続に問題があることに気が付くことができる。
【0123】
最後に、(4)(5)の状態として、雷保護装置10はHGW装置20に正しく接続されていて、ACプラグ12もACコンセントに接続されている状態での動作について説明する。
【0124】
(4)の状態では、(3)の状態と同様に、ACプラグ22が別のACコンセントに接続されており、HGW装置20は電源供給を受けることができるので、動作を開始することはできる。しかし、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11に接続されていないため、ACコンセント11のスライドカバー111と連動する突起112がスライドせず、スイッチ(SW)15を押し込まないため、スイッチ(SW)15はオン(ON)の状態にならず、オフ(OFF)の状態のままである。すなわち、ACコンセント11にACプラグ22が接続されていない状態では、通信回線はオープン(開放)となり、不通状態となる。よって、ユーザは接続に問題があることに気が付くことができる。
【0125】
(5)の状態では、正しい接続であるため、問題はない。スイッチ(SW)15はオン(ON)となり、多機能通信端末による通信も可能となる。
【0126】
[本実施形態による効果]
本実施形態では、雷保護装置とHGW装置のアナログポートが間違いなく接続されるため、ユーザの接続不備によってHGW装置が雷サージを受けて破壊されるような不具合の回避が見込まれる。
【0127】
また、基地局側で接続状態を監視することができ、顧客サービスの向上に寄与する。
【0128】
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0129】
本発明の第1実施形態では、図3に示すように、HGW装置20が、雷保護装置10の突起17とHGW装置20のスイッチ(SW)23を使用して、雷保護装置10の接続状態を検出しているが、その代わりとなる専用のインターフェースを用意することも可能である。
【0130】
本発明の第2実施形態では、雷保護装置10の接続状態を突起17とHGW装置20のスイッチ(SW)23の代わりに、図7に示すように、雷保護装置10の信号用プラグ18をHGW装置20の信号用コネクタ28に接続した際に、雷保護装置10の接続状態を検出するようにする。
【0131】
[システム構成例]
図7に示すように、本発明の第2実施形態に係る雷保護用接続方式は、雷保護装置10と、HGW装置20を含む。
【0132】
雷保護装置10は、図7に示すような接続形態で、HGW装置20と接続される。
【0133】
[雷保護装置の構成例]
雷保護装置10は、ACコンセント11と、ACプラグ12と、モジュラコネクタ14と、スイッチ(SW)15と、モジュラプラグ16と、信号用プラグ18を備える。
【0134】
[HGW装置の構成例]
HGW装置20は、モジュラコネクタ21と、ACプラグ22と、CPU24と、アラームランプ25と、スピーカー26と、ネットワークアダプタ27と、信号用コネクタ28を備える。
【0135】
上記のACコンセント11、ACプラグ12、モジュラコネクタ14、スイッチ(SW)15、モジュラプラグ16、モジュラコネクタ21、ACプラグ22、CPU24、アラームランプ25、スピーカー26、及びネットワークアダプタ27については、基本的に、第1実施形態(図3に示すもの)と同様である。
【0136】
信号用プラグ18は、信号用コネクタ28と信号用ケーブルで接続される。
【0137】
信号用コネクタ28は、信号用プラグ18の接続に応じて電位の状態が変化する検出信号281を出力する。
【0138】
例えば、通常時にはロウレベル(Low)にある検出信号281が、雷保護装置10の信号用プラグ18をHGW装置20の信号用コネクタ28に接続することにより、ハイレベル(High)に変化したとする。
【0139】
ここでは、信号用プラグ18は、信号用ケーブルを経由して信号用コネクタ28に、ハイレベル(High)の検出信号281を入力するものとする。
【0140】
CPU24は、検出信号281の変化を検出して、雷保護装置10が接続されたか否か判断する。例えば、CPU24は、検出信号281の電位がロウレベル(Low)であれば、雷保護装置10が接続されていないと判断し、検出信号281の電位がハイレベル(High)であれば、雷保護装置10が接続されたと判断する。
【0141】
無論、ハイレベル(High)とロウレベル(Low)は、逆にしても良い。
【0142】
なお、信号用プラグ18は、I2C(Inter−Integrated Circuit)、SPI(Serial Peripheral Interface)、又はUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等における通信方式を利用して、信号用コネクタ28に、検出信号281を入力しても良い。なお、図示しないが、この場合には、雷保護装置10は、HGW装置20が上記の通信方式で接続されたことを検出するための検知用回路と、上記の通信方式をサポートしたCPU等のプロセッサを備える。
【0143】
また、CPU24は、検出信号281の電位変化に限らず、信号用プラグ18から信号用コネクタ28に検出信号281として予め決められたデータが入力された際に、雷保護装置10が接続されたと判断するようにしても良い。
【0144】
[検出信号の補足]
信号用プラグ18と信号用コネクタ28との間の信号用ケーブルに割り当てられた検出信号281を、モジュラプラグ16とモジュラコネクタ21との間の通信回線の空きピンに割り当てることで、信号用プラグ18と信号用コネクタ28も削除することが可能となる。
【0145】
電話回線を利用する場合、モジュラプラグ16とモジュラコネクタ21との間の通信回線として、電話回線のモジュラケーブルが使用されている。通常、電話回線のモジュラケーブルとして、6極2芯のケーブルが使用されている。
【0146】
ここで、モジュラプラグ16とモジュラコネクタ21との間の通信回線として、6極4芯、又は6極6芯のケーブルを使用して、電話回線で使用しているピン以外の空きピンに、検出信号281を割り当てることで、信号用プラグ18と信号用コネクタ28の代用として、モジュラプラグ16及びモジュラコネクタ21を使用することが可能となる。
【0147】
[本実施形態による効果]
本実施形態では、CPU24は、配線状態(3)(4)で問題となっていたACプラグ22がACコンセント11以外のACコンセントに接続された場合でも、スイッチ(SW)15の状態変化について、ユーザへのアラーム通知(アラームランプ、音声等)や、基地局又はサーバ側への通知が可能となる。
【0148】
<第3実施形態>
以下に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0149】
本発明の第2実施形態では、図7に示すように、雷保護装置10の信号用プラグ18をHGW装置20の信号用コネクタ28に接続した際に、雷保護装置10の接続状態を検出しているが、その応用として近距離無線通信方式を利用することも可能である。
【0150】
本発明の第3実施形態では、雷保護装置10の接続状態を突起17とHGW装置20のスイッチ(SW)23の代わりに、図8に示すように、雷保護装置10のRFID(Radio Frequency Identification)タグ19をHGW装置20のRFIDリーダ29に接近/接触した際に、雷保護装置10の接続状態を検出するようにする。
【0151】
[システム構成例]
図8に示すように、本発明の第3実施形態に係る雷保護用接続方式は、雷保護装置10と、HGW装置20を含む。
【0152】
雷保護装置10は、図8に示すような接続形態で、HGW装置20と接続される。
【0153】
[雷保護装置の構成例]
雷保護装置10は、ACコンセント11と、ACプラグ12と、モジュラコネクタ14と、スイッチ(SW)15と、モジュラプラグ16と、RFIDタグ19を備える。
【0154】
[HGW装置の構成例]
HGW装置20は、モジュラコネクタ21と、ACプラグ22と、CPU24と、アラームランプ25と、スピーカー26と、ネットワークアダプタ27と、RFIDリーダ29を備える。
【0155】
上記のACコンセント11、ACプラグ12、モジュラコネクタ14、スイッチ(SW)15、モジュラプラグ16、モジュラコネクタ21、ACプラグ22、CPU24、アラームランプ25、スピーカー26、及びネットワークアダプタ27については、基本的に、第1実施形態(図3に示すもの)と同様である。
【0156】
RFIDタグ19は、無線ICチップである。接触型/非接触型を問わない。また、パッシブタグ/アクティブタグを問わない。RFIDタグ19は、RFIDリーダ29から近距離無線通信で読み取られる。RFIDタグは、様々な用途で用いられており、商品管理用のRFIDタグ等、別の用途で雷保護装置10に添付されたRFIDタグを、本実施形態におけるRFIDタグ19として転用することも可能である。
【0157】
RFIDリーダ29は、RFIDタグ19の読取装置である。RFIDリーダ29は、RFIDタグ19を読み取った際に電位の状態が変化する検出信号291を出力する。
【0158】
例えば、通常時にはロウレベル(Low)にある検出信号291が、雷保護装置10のRFIDタグ19をHGW装置20のRFIDリーダ29に接近/接触することにより、ハイレベル(High)に変化したとする。
【0159】
ここでは、RFIDリーダ29は、近距離無線通信でRFIDタグ19を読み取った際に検出信号291を出力するものとする。
【0160】
CPU24は、検出信号291の変化を検出して、雷保護装置10が接続されたか否か判断する。例えば、CPU24は、検出信号291の電位がロウレベル(Low)であれば、雷保護装置10が接続されていないと判断し、検出信号291の電位がハイレベル(High)であれば、雷保護装置10が接続されたと判断する。
【0161】
無論、ハイレベル(High)とロウレベル(Low)は、逆にしても良い。
【0162】
[近距離無線通信の補足]
なお、RFIDは一例に過ぎない。実際には、IrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth(登録商標)、FeliCa(登録商標)、ISO/IEC 14443(MIFARE(登録商標))、ISO/IEC 18092(NFC:Near Field Communication)等、他の近距離無線通信の方式を利用しても良い。
【0163】
<第4実施形態>
以下に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0164】
本発明の第1実施形態では、図5、及び図6に示すように、雷保護装置10のACコンセント11にHGW装置20のACプラグ22が正しく接続された場合に、ACプラグ22がACコンセント11のスライドカバー111をスライドし、スライドカバー111と連動して突起112もスライドし、スイッチ(SW)15を押し込んで、スイッチ(SW)15をオン(ON)の状態にしている。これと同様に、HGW装置20のモジュラコネクタ21にスライドカバーを設けて、スイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にする構成にすることも可能である。
【0165】
本発明の第4実施形態では、図9、及び図10に示すように、HGW装置20のモジュラコネクタ21に雷保護装置10のモジュラプラグ16が正しく接続された場合に、モジュラプラグ16がモジュラコネクタ21のスライドカバー211をスライドし、スライドカバー211と連動して突起212もスライドし、スイッチ(SW)23を押し込んで、スイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にする。
【0166】
この場合、雷保護装置10の突起17は不要である。言い換えれば、突起212が、雷保護装置10の突起17に相当する。
【0167】
[スイッチ(SW)23のオン(ON)/オフ(OFF)の切り替え]
雷保護装置とHGW装置との間の通信回線が正しく接続されていない場合には、検出信号の信号回線をオープン(開放)の状態とし、雷保護装置とHGW装置との間の通信回線が正しく接続された場合には、検出信号の信号回線をショート(短絡)の状態にする状況について説明する。
【0168】
ここでは、図9、及び図10を用いて、モジュラコネクタ21とスイッチ(SW)23との関係について説明する。
【0169】
[スイッチ(SW)23がオフ(OFF)の状態]
図9に、モジュラコネクタ21にモジュラプラグ16が挿されていない通常の状態を示す。
【0170】
図9の上段に示した図がモジュラコネクタ21の外観のイメージ図であり、図9の下段に示した図がモジュラコネクタ21の断面のイメージ図である。
【0171】
通常時には、モジュラコネクタ21は、スライドカバー211の下に隠れた状態となる。スライドカバー211は、モジュラコネクタ21のアナログポートを覆うカバー(コネクタカバー)である。
【0172】
スライドカバー211には、スイッチ(SW)23を押し込み(押下し)、スイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にするための突起212が設けられている。通常時には、突起212はスイッチ(SW)23に届いていないため、スイッチ(SW)23はオフ(OFF)の状態である。
【0173】
[スイッチ(SW)23がオン(ON)の状態]
図10に、モジュラコネクタ21にモジュラプラグ16が挿入されたときの状態を示す。
【0174】
図10も、図9と同様に、図10の上段に示した図がモジュラコネクタ21の外観のイメージ図であり、図10の下段に示した図がモジュラコネクタ21の断面のイメージ図である。
【0175】
まず、モジュラプラグ16を挿入するために、スライドカバー211に開けられたアナログポート用の穴に、モジュラプラグ16を軽く差し込む。具体的には、モジュラプラグ16を、アナログポート用の穴の深さを超えない程度(雷保護装置10の本体に接触しない程度)に差し込む。
【0176】
スライドカバー211に開けられたアナログポート用の穴に、モジュラプラグ16を軽く差し込んだ状態のまま、モジュラプラグ16とスライドカバー211をスライドさせると、モジュラコネクタ21のアナログポート用の穴とモジュラコネクタ21のアナログポートとの位置が一致するため、モジュラコネクタ21にモジュラプラグ16を挿すことができるようになる。
【0177】
このとき、スライドカバー211と連動して突起212もスライドし、スイッチ(SW)23を押し込むため、スイッチ(SW)23はオン(ON)の状態となる。
【0178】
このように、スライドカバー211と連動してスイッチ(SW)23をオン(ON)/オフ(OFF)の状態にする機能で構成することにより、モジュラコネクタ21にACプラグが接続されていない状態では、通信回線はオープン(開放)の状態となる。
【0179】
なお、実際には、スライドカバー211を手動でスライドさせてスイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にし、スライドカバー211に開けられたアナログポート用の穴とモジュラコネクタ21のアナログポートとの位置が一致した段階で、スライドカバー211に開けられたアナログポート用の穴に、モジュラプラグ16を深く差し込んで、モジュラコネクタ21のアナログポートにモジュラプラグ16を挿入し、モジュラプラグ16によりスライドカバー211の位置を固定するようにしても良い。
【0180】
[スライドカバーの補足]
必須ではないが、スライドカバー211に開けられたアナログポート用の穴から、モジュラプラグ16を抜いた場合、バネ等の弾性部材や小型モータ等の動力機構により、スライドカバー211が自動的にスライドし、元の位置(図9に示す状態)に戻るようにしても良い。
【0181】
また、図9、図10では、スライドカバー211のスライドによってスイッチ(SW)23を押し込む仕組みについて説明したが、実際には、スライドに限らず、スライドカバー211の移動/動作によってスイッチ(SW)23をオン(ON)/オフ(OFF)の状態にする構造であれば、どのような仕組みを使用しても良い。
【0182】
例えば、スライドカバー211を回転させることで、モジュラプラグ16が挿入できるようなると同時にスイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にする方式や、スライドカバー211を取り外すことで、スイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にする方式、スライドカバー211が変形することで、スイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にする方式等も考えられる。
【0183】
更に、スイッチ(SW)23は、通信回線がオープン(開放)/ショート(短絡)の状態となる機能であれば、押し込みタイプのスイッチでなくても良い。
【0184】
例えば、スイッチ(SW)23は、スライドカバー211のスライドによって導体が接触するようなタイプのスイッチでも良い。
【0185】
また、スイッチ(SW)23は、機械スイッチだけではなく、アナログスイッチICを制御するような論理回路でも良い。
【0186】
また、スイッチ(SW)23は、スライドカバー211の移動/動作を検出した際にオン(ON)の状態となるようなタイプのスイッチでも良い。例えば、スイッチ(SW)23は、スライドカバー211の移動/動作を検出するセンサ等から、スライドカバー211の移動/動作を示す信号を受信した際に、オン(ON)の状態となるようなタイプのスイッチでも良い。
【0187】
<第5実施形態>
以下に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0188】
本発明の第5実施形態では、図3に示すように、雷保護装置10の突起17がHGW装置20のスイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にすることで、スイッチ(SW)23が検出信号231をCPU24に通知しているが、検出信号231の代わりに、受電する(電力を受ける)ように構成することも可能である。
【0189】
本発明の第5実施形態では、図11に示すように、HGW装置20のスイッチ(SW)23をACプラグ22と接続し、雷保護装置10の突起17がHGW装置20のスイッチ(SW)23をオン(ON)の状態にした際に、スイッチ(SW)23が、ACプラグ22とCPU24とを接続し、CPU24に電力を供給するようにする。
【0190】
[システム構成例]
図11に示すように、本発明の第5実施形態に係る雷保護用接続方式は、雷保護装置10と、HGW装置20を含む。
【0191】
雷保護装置10は、図3に示すような接続形態で、HGW装置20と接続される。
【0192】
[雷保護装置の構成例]
雷保護装置10は、ACコンセント11と、ACプラグ12と、モジュラコネクタ14と、スイッチ(SW)15と、モジュラプラグ16と、突起17を備える。
【0193】
[HGW装置の構成例]
HGW装置20は、モジュラコネクタ21と、ACプラグ22と、スイッチ(SW)23と、CPU24と、アラームランプ25と、スピーカー26と、ネットワークアダプタ27を備える。
【0194】
上記のACコンセント11、ACプラグ12、モジュラコネクタ14、スイッチ(SW)15、モジュラプラグ16、突起17、モジュラコネクタ21、CPU24、アラームランプ25、スピーカー26、及びネットワークアダプタ27については、基本的に、第5実施形態(図3に示すもの)と同様である。
【0195】
ACプラグ22は、スイッチ(SW)23と接続されている。
【0196】
スイッチ(SW)23は、スイッチ(SW)23は、雷保護装置10が接続された場合に突起17によりオン(ON)の状態になる。ここでは、スイッチ(SW)23は、突起17によりオン(ON)の状態になった際に、ACプラグ22とCPU24とを接続し、CPU24に電力を供給するようにする。
【0197】
なお、一般的にACプラグ22と共に配置されるAC−DC変換回路は、ACプラグ22とCPU24との間に配置されていても良い。例えば、AC−DC変換回路は、ACプラグ22とスイッチ(SW)23の間や、スイッチ(SW)23とCPU24との間に配置されていても良い。或いは、AC−DC変換回路は、スイッチ(SW)23を含んでいても良い。
【0198】
本実施形態では、CPU24は、雷保護装置10が接続されておらず、スイッチ(SW)23がオフ(OFF)の状態である場合、受電する(電力を受ける)ことができないため、アラームランプ25の点灯、点滅や、スピーカー26による音声ガイダンス、ビープ音等により、ユーザに雷保護装置10が接続されていない旨の警告を通知することはできない。
【0199】
しかし、HGW装置20に電源が供給されず動作(起動)しないため、ユーザは接続に問題があると気が付くことができる。すなわち、CPU24は、HGW装置20が起動しないという状態により、ユーザに雷保護装置10が接続されていない旨の警告を通知しているといえる。
【0200】
[突起及びスイッチ(SW)の補足]
必須ではないが、雷保護装置10の突起17がACコンセント11の役割を兼ね、HGW装置20のスイッチ(SW)23がACプラグ22の役割を兼ねていても良い。この場合、ACコンセント11及びACプラグ22は不要となる。
【0201】
<各実施形態の関係>
なお、上記の各実施形態は、組み合わせて実施することも可能である。例えば、雷保護装置10及びHGW装置20が、それぞれ、上記の各実施形態のいずれにも対応できるように、全ての実施形態が実施可能な内部構成となっていても良い。
【0202】
ここで、第1実施形態及び第5実施形態における突起17、第2実施形態における信号用プラグ18、第3実施形態におけるRFIDタグ19、第4実施形態におけるスライドカバー211及び突起212を、「正式接続付随事象発生部」と呼称する。すなわち、正式接続付随事象発生部は、第1実施形態及び第5実施形態における突起17、第2実施形態における信号用プラグ18、第3実施形態におけるRFIDタグ19、第4実施形態におけるスライドカバー211及び突起212の総称である。正式接続付随事象発生部は、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11に正しく接続された際、正しい接続に付随(付帯、連動、関連)して所定の事象の発生(物理的な突起挿入、信号出力、ICタグ提示、カバースライド、給電等)を行い、正しく接続された旨をHGW装置20側に認識させるための部位である。
【0203】
また、第1実施形態、第4実施形態、及び第5実施形態におけるスイッチ(SW)23、第2実施形態における信号用コネクタ28、第3実施形態におけるRFIDリーダ29を、「正式接続検出部」と呼称する。すなわち、正式接続検出部は、第1実施形態、第4実施形態、及び第5実施形態におけるスイッチ(SW)23、第2実施形態における信号用コネクタ28、第3実施形態におけるRFIDリーダ29の総称である。正式接続検出部は、正式接続付随事象発生部による事象の発生を検出して、HGW装置20のACプラグ22が雷保護装置10のACコンセント11に正しく接続されているか認識するための部位である。
【0204】
更に、上記の各実施形態における雷保護装置10及びHGW装置20の動作は、ファームウェア(Firmware)等によるソフトウェア制御で実現しても良い。
【0205】
<本発明の特徴>
以上のように、本発明では、雷保護装置を、VoIP電話等に対応したHGW装置(ホームゲートウェイ装置)に接続させて使用する場合に、接続が適切に行なわれていないときには電話の機能を使用できなくすること、若しくは光、音等によってユーザへ通知を行うことで接続の見直しを促すことで、適切な接続を可能とすることを特徴とする。
【0206】
また、その接続情報を基地局側にも通知することも特徴の1つに挙げられる。
【0207】
本発明では、HGW装置に、雷保護装置が正しく接続されたか否かを検出できるような機能を持たせ、正しく接続されていない場合には、光や音等によるアラーム通知によりユーザに接続の不備を気付かせる。
【0208】
更に、正しく接続されていない場合には、通信回線をオープン(開放)の状態にして、多機能通信端末による通信をできなくさせる。
【0209】
本発明では、HGW装置が、雷保護装置が接続されているか否かの確認手段を持っている。
【0210】
本発明では、HGW装置が、雷保護装置と間違った接続をした場合には、ユーザに通知する手段を持っている。
【0211】
本発明では、HGW装置が、雷保護装置と間違った接続をした場合には、管理者(基地局)に通知する手段を持っている。
【0212】
本発明では、雷保護装置が、HGW装置と間違った接続をした場合には、HGW装置用の通信回線での通信を制限し、不通状態にする手段を持っている。
【0213】
本発明では、雷保護装置が、ACコンセントのカバーとスイッチが連動して、HGW装置用の通信回線の不通状態を解除する手段を持っている。
【0214】
<付記>
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載することも可能である。但し、実際には、以下の記載例に限定されない。
【0215】
(付記1)
電力線と通信回線との間に印加されるサージをSPD(Surge Protect Device:サージ保護素子)でバイパスさせる雷保護装置と、
前記雷保護装置を経由して受電(電力を受けること)及び通信を行うHGW装置(ホームゲートウェイ装置)と
を含み、
前記雷保護装置は、前記雷保護装置に前記HGW装置の電力線が接続されていない場合、前記HGW装置の通信回線を不通状態にしておき、前記雷保護装置に前記HGW装置の電力線が接続された際に、前記HGW装置の通信回線の不通状態を解除し、
前記HGW装置は、前記HGW装置の通信回線が前記雷保護装置と接続された際に、別途(当該接続とは別に/当該接続に付随して)、前記雷保護装置の筐体の接近/接触を検出し、前記雷保護装置の筐体の接近/接触を検出していない場合、接続の見直しを促すための処理(警告の通知、受電制限による起動しない状態の継続等)を行う
雷保護用接続方式(雷保護用接続システム)。
【0216】
(付記2)
付記1に記載の雷保護用接続方式であって、
前記雷保護装置は、
前記雷保護装置内の通信回線と前記HGW装置とを接続するためのモジュラプラグと、
前記雷保護装置内の通信回線に設けられ、前記雷保護装置のACコンセントに前記HGW装置のACプラグが接続されていない場合、オフの状態であり、前記雷保護装置内の通信回線を不通状態にするスイッチと、
前記雷保護装置のACコンセントを覆うカバーであり、前記雷保護装置のACコンセントに前記HGW装置のACプラグが接続された際に移動することで前記スイッチをオンの状態にして、前記雷保護装置内の通信回線の不通状態を解除するコンセントカバーと
を具備する
雷保護用接続方式。
【0217】
(付記3)
付記1又は2に記載の雷保護用接続方式であって、
前記雷保護装置は、
前記HGW装置のACプラグが前記雷保護装置のACコンセントに正しく接続された際、正しく接続された旨を前記HGW装置側に認識させるために、正しい接続に付随(付帯、連動、関連)して所定の事象の発生(物理的な突起挿入、信号出力、ICタグ提示、カバースライド、給電等)を行う正式接続付随事象発生部
を具備し、
前記HGW装置は、
前記所定の事象の発生を検出して、前記HGW装置のACプラグが前記雷保護装置のACコンセントに正しく接続されているか認識するための正式接続検出部
を具備する
雷保護用接続方式。
【0218】
<備考>
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0219】
10… 雷保護装置
11… ACコンセント
12… ACプラグ
13… モジュラコネクタ
14… モジュラコネクタ
15… スイッチ(SW)
16… モジュラプラグ
17… 突起
18… 信号用プラグ
19… RFID(Radio Frequency Identification)タグ
20… HGW装置(ホームゲートウェイ装置)
21… モジュラコネクタ
22… ACプラグ
23… スイッチ(SW)
231… 検出信号
24… CPU(Central Processing Unit)
25… アラームランプ
26… スピーカー
27… ネットワークアダプタ
28… 信号用コネクタ
281… 検出信号
29… RFIDリーダ
291… 検出信号
30… ACコンセント
40… 電話機
41… ACプラグ
50… ACコンセント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力線と通信回線との間に印加されるサージをサージ保護素子でバイパスさせる雷保護装置と、
前記雷保護装置を経由して受電及び通信を行うホームゲートウェイ装置と
を含み、
前記雷保護装置は、前記雷保護装置に前記ホームゲートウェイ装置の電力線が接続されていない場合、前記ホームゲートウェイ装置の通信回線を不通状態にしておき、前記雷保護装置に前記ホームゲートウェイ装置の電力線が接続された際に、前記ホームゲートウェイ装置の通信回線の不通状態を解除し、
前記ホームゲートウェイ装置は、前記ホームゲートウェイ装置の通信回線が前記雷保護装置と接続された際に、別途、前記雷保護装置の筐体の接近/接触を検出し、前記雷保護装置の筐体の接近/接触を検出していない場合、接続の見直しを促すための処理を行う
雷保護用接続方式。
【請求項2】
請求項1に記載の雷保護用接続方式であって、
前記雷保護装置は、
前記雷保護装置内の通信回線と前記ホームゲートウェイ装置とを接続するためのモジュラプラグと、
前記雷保護装置内の通信回線に設けられ、前記雷保護装置のACコンセントに前記ホームゲートウェイ装置のACプラグが接続されていない場合、オフの状態であり、前記雷保護装置内の通信回線を不通状態にするスイッチと、
前記雷保護装置のACコンセントを覆うカバーであり、前記雷保護装置のACコンセントに前記ホームゲートウェイ装置のACプラグが接続された際に移動することで前記スイッチをオンの状態にして、前記雷保護装置内の通信回線の不通状態を解除するコンセントカバーと
を具備する
雷保護用接続方式。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の雷保護用接続方式であって、
前記雷保護装置は、
前記ホームゲートウェイ装置のACプラグが前記雷保護装置のACコンセントに正しく接続された際、正しく接続された旨を前記ホームゲートウェイ装置側に認識させるために、正しい接続に付随して所定の事象の発生を行う正式接続付随事象発生部
を具備し、
前記ホームゲートウェイ装置は、
前記所定の事象の発生を検出して、前記ホームゲートウェイ装置のACプラグが前記雷保護装置のACコンセントに正しく接続されているか認識するための正式接続検出部
を具備する
雷保護用接続方式。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の雷保護用接続方式で使用される雷保護装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の雷保護用接続方式で使用されるホームゲートウェイ装置。
【請求項6】
電力線と通信回線との間に印加されるサージをサージ保護素子でバイパスさせる雷保護装置と、前記雷保護装置を経由して受電及び通信を行うホームゲートウェイ装置とを接続することと、
前記雷保護装置において、前記雷保護装置に前記ホームゲートウェイ装置の電力線が接続されていない場合、前記ホームゲートウェイ装置の通信回線を不通状態にしておき、前記雷保護装置に前記ホームゲートウェイ装置の電力線が接続された際に、前記ホームゲートウェイ装置の通信回線の不通状態を解除することと、
前記ホームゲートウェイ装置において、前記ホームゲートウェイ装置の通信回線が前記雷保護装置と接続された際に、別途、前記雷保護装置の筐体の接近/接触を検出し、前記雷保護装置の筐体の接近/接触を検出していない場合、接続の見直しを促すための処理を行うことと
を含む
雷保護用接続方法。
【請求項7】
請求項6に記載の雷保護用接続方法であって、
前記雷保護装置において、
前記雷保護装置内の通信回線と前記ホームゲートウェイ装置とを接続することと、
前記雷保護装置のACコンセントに前記ホームゲートウェイ装置のACプラグが接続されていない場合、前記雷保護装置内の通信回線に設けられたスイッチをオフの状態とし、前記雷保護装置内の通信回線を不通状態にすることと、
前記雷保護装置のACコンセントに前記ホームゲートウェイ装置のACプラグが接続された際に、前記雷保護装置のACコンセントを覆うコンセントカバーが移動することで前記スイッチをオンの状態にして、前記雷保護装置内の通信回線の不通状態を解除することと
を更に含む
雷保護用接続方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の雷保護用接続方法であって、
前記雷保護装置において、前記ホームゲートウェイ装置のACプラグが前記雷保護装置のACコンセントに正しく接続された際、正しく接続された旨を前記ホームゲートウェイ装置側に認識させるために、正しい接続に付随して所定の事象の発生を行うことと、
前記ホームゲートウェイ装置において、前記所定の事象の発生を検出して、前記ホームゲートウェイ装置のACプラグが前記雷保護装置のACコンセントに正しく接続されているか認識することと
を更に含む
雷保護用接続方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか一項に記載の雷保護用接続方法を、雷保護装置に実行させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項6乃至8のいずれか一項に記載の雷保護用接続方法を、ホームゲートウェイ装置に実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−249161(P2012−249161A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120456(P2011−120456)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】