説明

電力変換装置

【課題】電力変換素子を駆動する駆動回路と該駆動回路の電源間に配置される絶縁変圧器を低コスト化する
【解決手段】正極母線Pおよび負極母線Nを備えた主回路母線と、主回路母線間に供給される直流電力を交流電力に変換して交流出力端子ACに出力する電力変換回路101とを備えた電力変換装置200において、前記電力変換回路は、正極側電力変換素子QP,QPC、および負極側電力変換素子QN,QNCと、前記正極側電力変換素子および負極側電力変換素子を駆動する駆動回路DRVP,DRPC,DRVN,DRVNCと、前記駆動回路に駆動用の電力を駆動回路用絶縁変圧器TRP1,TRPC1,TRN1,TRNC1を介して絶縁して供給する駆動電源回路DRVSと、制御電源用絶縁変圧器TRSRCを備え、前記駆動電源回路の共通電位点BPを主回路母線に接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に係り、特に、電力変換装置の主回路を構成する電力変換素子
を駆動する駆動回路における電気的絶縁構成に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の電力変換装置の全体構成を説明する図である。図8において、電力変換
装置(200)は、正極母線(P)、負極母線(N)、正極母線(P)と負極母線(N)との中間電位であ
る中間電位母線(COM)のそれぞれを電力変換素子を介して出力点に接続する構成を備える
。そして、それらの電力変換素子を導通・遮断(以後、スイッチングと称する)させること
で、実質的に交流電圧を作り出す。この図の例では、商用電源(500)から変圧器(300)を介
して得られる交流電圧を直流電圧(Ep)(En)に変換し、得られた直流電圧(Ep)(En)を、任意
の周波数および振幅の交流電圧に変換して交流電動機(400)に供給することで、交流電動
機を可変速制御することができる。
【0003】
また、前記電力変換素子のスイッチングにより、交流電動機(400)からの交流電力を直
流電圧(Ep)(En)に変換し、さらに、得られた直流電圧(Ep)(En)を商用周波数の交流電圧へ
変換することにより、変圧器(300)を介して商用電源(500)に電力を回生することができる
。これにより、交流電動機の速度を減速制御することができる。
【0004】
図7は、図8の電力変換装置(200)を構成する電力変換主回路(100)の詳細を示す図であ
る。図において、電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN)は、それぞれ、駆動回路(DRVP)(DRVPC
)(DRVNC)(DRVN)に接続されており、駆動回路からの駆動信号(GP)(GPC)(GNC)(GN)により、
スイッチングを繰返している。
【0005】
駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)に電力を供給する電源(DRVS)は、主電源(MSRC)よ
り交流電力を得て動作する。前記電源(DRVS)は、1回路で構成される場合もあれば、複数
の回路を組み合わせて構成される場合もあるが、ここでは、駆動回路の電源回路として、
ひとまとめにして記載している。
【0006】
主電源(MSRC)は、一般の商用系統から得られる交流電源で、単相または多相の交流電源
である(図7は単相電源で示している)。
【0007】
ここで、電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN)の電位は、そのスイッチングの状態により、
主回路母線 (P)(COM)(N)のいずれかの電位となる。これらのいずれかの電位になることを
「主回路電位になる」と称することとすれば、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)もま
た、電力変換素子と同じ主回路電位になる。よって、電力変換主回路(100)において、領
域(MCPA)は、主回路電位になる部分となる。
【0008】
一方、電源(DRVS)の回路基準電位となる接地点(BP)は、主電源(MSRC)を経由し、大地(
アース)に接地されている。ここで、電源(DRVS)の出力(SCP)(SCPC)(SCNC)(SCN)の基準電
位を決める接地点(BPP)(BPPC)(BPNC)(BPN)は、接地点(BP)と同電位になっている。従って
、電源(DRVS)は大地(アース)電位となり、電力変換主回路(100)において、領域(EPA)は
、大地(アース)電位になる部分となる。
【0009】
さて、電源(DRVS)から駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)に電源を供給する場合、前
記電源および駆動回路は、それぞれ、領域(MCPA)と領域(EPA)に含まれるため、その電気
的絶縁が必要となる。また、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)それぞれも、電力変換
素子のスイッチング状態により、主回路母線(P)(COM)(N)のいずれかの電位になり、かつ
、互いに異なる電位となるため、電気的絶縁が必要となる。
【0010】
このため、大地(アース)との電気的絶縁、および異なる電力変換素子間の電気的絶縁
のため、電源(DRVS)と駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)間に、絶縁変圧器(TRP)(TRPC
)(TRNC)(TRN)を配置している。
【0011】
一方、特許文献1には、電力変換器の各アーム毎に半導体スイッチング素子を複数個直
列接続し、低圧側のゲート駆動装置から高圧側ゲート駆動装置まで、絶縁トランスを介し
て順々に電力を分岐して伝達供給する構成とすることにより、高圧側の絶縁トランスの一
次巻線と二次巻線間に印加される電圧を低減させ、絶縁トランスの小容量化を図ることが
示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−81232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、鉄鋼圧延プラントに適用される交流電動機は、用途により、数kWの補機電
動機から、数千kWの主機電動機まで多種存在する。従って、これらの電動機を駆動する
電力変換装置も様々な容量のものが存在し、例えば、前記主機電動機駆動用の電力変換装
置では数千kVA以上の容量が必要となる。
【0014】
電力変換装置の容量を増加する方法として、それを構成する電力変換主回路の主回路直
流電圧を高電圧化する方法がある。高電圧化をする場合、主回路電位になる部位と大地(
アース)間の絶縁電圧も高電圧化されるため、その絶縁能力も強化しなければならない。
【0015】
これは、図7の電力変換装置(200)においては、絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)の絶
縁能力を強化することを意味している。
【0016】
絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)の絶縁能力を強化するためには、それぞれの絶縁変
圧器の1次側巻線と2次側巻線の間の絶縁距離を大きくする必要がある。この場合、絶縁
変圧器の寸法は大きくなり、かつ、絶縁圧器の製造コストも高くなる。また、これに伴い
、電力変換装置(200)の寸法も大きくなり、かつ、装置コストも高くなる。なお、前記特
許文献1は、各アーム毎に複数個直列接続される半導体スイッチング素子を各アームを単
位として駆動するゲート駆動回路に関する技術であり、本発明のように正極側電力変換素
子と負極側電力変換素子、すなわち正極側アームと負極側アームとを交互にオンオフする
ゲート駆動回路における絶縁構成を対象とする技術ではない。
【0017】
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、電力変換素子を駆動する駆動
回路と該駆動回路の電源間に配置される絶縁変圧器を低コスト化することのできる電力変
換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は上記課題を解決するため、次のような手段を採用した。
【0019】
正極母線および負極母線を備えた主回路母線と、該主回路母線に接続されて主回路母線
間に供給される直流電力を交流電力に変換して交流出力端子に出力する電力変換回路とを
備えた電力変換装置において、前記電力変換回路は、前記正極母線と交流出力端子間に接
続した正極側電力変換素子、および前記交流出力端子と前記負極母線間に接続された負極
側電力変換素子と、前記正極側電力変換素子および負極側電力変換素子を交互にオンオフ
駆動する駆動回路と、前記駆動回路に駆動用の電力を駆動回路用絶縁変圧器を介して絶縁
して供給する駆動電源回路と、前記駆動電源回路に駆動用の電力を絶縁して供給する制御
電源用絶縁変圧器を備え、前記駆動電源回路の共通電位点を主回路母線に接続した。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上の構成を備えるため、電力変換素子を駆動する駆動回路と該駆動回路の
電源間に配置される絶縁変圧器を低コスト化することのできる電力変換装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第一の実施例を説明する図である。
【図2】第二の実施例を説明する図である。
【図3】第三の実施例を説明する図である。
【図4】第四の実施例を説明する図である。
【図5】第五の実施例を説明する図である。
【図6】第六の実施例を説明する図である。
【図7】図8の電力変換装置(200)を構成する電力変換主回路(100)の詳細を示す図である。
【図8】従来の電力変換装置の全体構成を説明する図である。
【図9】電力変換主回路の電力変換素子駆動信号(オンオフ指令信号)を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、最良の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。 まず、電力変換装置の基
本動作について、図7を用いて説明する。
【0023】
図7に示す電力変換装置(200)において、直流電圧(Ep)(En)は、直流母線(P)(COM)(N)を
介して電力変換主回路(100)とつながる。ここで、直流電圧(Ep)(En)は、通常の回路動作
中においては、(Ep)=(En)となっている。
【0024】
電力変換主回路(100)において、電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN) は、任意の時間幅と
周期でスイッチングしており、かつ、電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN)のそれぞれを「単
位素子」としたとき、その「単位素子」は、一つの電力変換素子(1直列)または直列接
続された複数の電力変換素子(2直列以上)からなっている。また、2つの「素子単位」
以上の電力変換素子が同時にオンしないように制御される。図7は、電力変換素子の「素
子単位」が、電力変換素子の1直列接続で構成される場合を示している。
【0025】
電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN)のスイッチングは、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(D
RVN)で作成される素子駆動信号(GP)(GPC)(GNC)(GN)により駆動される。
【0026】
図9は、電力変換主回路の電力変換素子駆動信号(オンオフ指令信号)を説明する図で
ある。図9では、出力点(AC)に対する電圧指令(V*)と、出力点(AC)の実際の出力電圧(VAC
)と、素子駆動信号(GP)(GPC)(GNC)(GN)の一例を示している。
【0027】
図9において、任意周波数および振幅の交流電圧指令(V*)は、搬送波(Cr31)(Cr32)と、
その振幅が比較され、その大小関係に基づき、素子駆動信号(GP)(GPC)(GNC)(GN)が作成さ
れる。作成された素子駆動信号(GP)(GPC)(GNC)(GN)に基づき、電力変換素子(QP)(QPC)(QN
C)(QN)をスイッチングすることで、出力点(AC)には、交流電圧指令(V*)と等価な出力電圧
(VAC)が出力される。
【0028】
ここで、電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN)がIGBTのような電圧駆動素子の場合、素
子駆動信号(GP)(GPC)(GNC)(GN)は、電圧信号となる。
【0029】
出力点(AC)には、負荷回路(図8における交流電動機(400)あるいは変圧器(300))が接続
され、負荷回路に対して、直流電圧と任意周波数および振幅の交流電圧間を順または逆変
換することで、電力の供給および回収をすることができる。
【0030】
次に、図8の電力変換装置における電力変換素子駆動回路の絶縁構成について、図7を
用いて説明する。
【0031】
駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)は、電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN)に接続され
るため、その回路基準電位は、主回路母線(P)(COM)(N)いずれかの電位となる。よって、
駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)それぞれの回路基準電位は、電力変換素子のスイッ
チング状態により異なり、その最大電位差は式[1]となる。
【0032】
駆動回路間最大電位差=(Ep)+(En) ・・・[1]
ここで、(Ep)=(En)であるから、式[1]は、式[1']に改めることができる。
【0033】
駆動回路間最大電位差=2×(En) ・・・[1']
駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)の大地(アース)に対する電位差は、電力変換主
回路(100)の対地電位により決定される。図7においては、主回路母線(COM)が接地抵抗(E
R)を介して接地されており、このときの主回路母線(N)の対地電位は(MP)となっている。
【0034】
このとき、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)の対地電位は、式[1']より、式[2]
となる。
【0035】
駆動回路対地電位
=(MP)+駆動回路間最大電位差(式[1])
=(MP)+2×(En) ・・・[2]
一方、電源(DRVS)の回路基準電位となる接地点(BP)は、主電源(MSRC)を経由し、大地(
アース)に接地されている。また、電源(DRVS)の出力(SCP)(SCPC)(SCNC)(SCN)において、
それぞれの基準電位を決める接地点(BPP)(BPPC)(BPNC)(BPN)は、接地点(BP)と同電位であ
る。ここで、領域(MCPA)は主回路電位になり、領域(EPA)は大地(アース)電位になる。
【0036】
従って、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)は、個々の駆動回路間の電気的絶縁と、
電源(DRVS)との電気的絶縁が必要となり、個々の駆動回路間の絶縁電圧は式[1]で表され
、電源(DRVS)との絶縁電圧は式[2]で表される。
【0037】
それらの大小関係は、式[1']、式[2]から明らかであるように、式[3]で表される。
【0038】
式[2] ≧ 式[1'] ・・・[3]
このため、前記駆動回路間の電気絶縁と前記電源との電気的絶縁を目的とし、絶縁変圧
器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)を設置する。なお、絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)に必要
な絶縁電圧仕様は、式[3]の関係を考慮して、式[2]で表される。
【0039】
次に、第一の実施例を図1を用いて説明する。図1に示すように、電力変換装置(200)
における直流電圧(Ep)(En)は、直流母線(P)(COM)(N)を介して電力変換主回路(101)に供給
される。これは、図7における電力変換装置(200) と電力変換主回路(100)の関係と同様
である。
【0040】
また、電力変換主回路(101)における、電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN)の動作も、図
7における電力変換主回路(100)の中のそれらの動作と同じである。
【0041】
さらに、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)の回路基準電位も、図7における電力変
換主回路(100)の中のそれらと同様に、主回路母線(P)(COM)(N)いずれかの電位となる。
【0042】
よって、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)それぞれの最大電位差は、式[1']で表
され、また、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)の大地に対する電位は、式[2]で表さ
れる。
【0043】
さて、電源(DRVS)の回路基準電位を決める接地点(BP)は、配線(COMP)により、主回路母
線(COM)に接続されている。また、電源(DRVS)の出力(SCP)(SCPC)(SCNC)(SCN)の、それぞ
れの基準電位を決める接地点(BPP)(BPPC)(BPNC)(BPN)は、接地点(BP)と同電位である。
【0044】
ここで、領域(MCPA1)は主回路電位となり、領域(EPA1)は大地(アース)電位となり、
電源(DRVS)の対地電位差は式[4]で表される。
【0045】
電源(DRVS)の対地電位差=(MP)+(En) ・・・[4]
従って、絶縁変圧器(TRSRC)の1次巻線−2次巻線間に要求される絶縁電位差も式[4]
で表され、絶縁変圧器(TRSRC)に必要な絶縁電圧仕様もまた、式[4]で表される。
【0046】
一方、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)と電源(DRVS)の間の電位差は、式[2]の駆
動回路対地電位差から式[4]の電源(DRVS)対地電位差を減算した値となる(式[5])。
【0047】
駆動回路対地電位差(式[4])−電源対地電位差(式[5])
=(MP)+2×(En)−{(MP)+(En)}
=(En) ・・・[5]
従って、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)は、個々の駆動回路間の電気的絶縁と、
電源(DRVS)との電気的絶縁が必要となる。個々の駆動回路間の絶縁電位差は式[1']で表
され、電源(DRVS)との絶縁電位差は式[5]で表される。
【0048】
それらの大小関係は、式[1']、式[5]から明らかであるように、式[6]で表される。
【0049】
式[1'] ≧ 式[5] ・・・[6]
上述 の電気的絶縁(駆動回路間の電気的絶縁と、電源(DRVS)との電気的絶縁)を目的
とし、絶縁変圧器(TRP1)(TRPC1)(TRNC1)(TRN1)を設置する。
【0050】
ここで、式[6]より、絶縁変圧器(TRP1)(TRPC1)(TRNC1)(TRN1)に必要な絶縁電圧仕様は
、式[1]となるが、実際は、電源(DRVS)の回路基準電位(BP)および接地点(BPP)(BPPC)(BP
NC)(BPN)が主回路母線電位(COM)となっているため、絶縁変圧器の1次巻線−2次巻線間
の絶縁電位差は、式[7]〜式[9]で表される。
【0051】
駆動回路電位が主回路母線(P)電位の場合 :電位差=(Ep) ・・・[7]
駆動回路電位が主回路母線(COM)電位の場合 :電位差=0 ・・・[8]
駆動回路電位が主回路母線(N)電位の場合 :電位差=(En) ・・・[9]
すなわち、絶縁変圧器(TRP1)(TRPC1)(TRNC1)(TRN1)に要求される絶縁能力は、式[7]〜
式[9]より、式[10]で与えられる。
【0052】
絶縁変圧器絶縁能力=(Ep) または (En) ・・・[10]
なお、(Ep)、(En)>0、かつ、(Ep)=(En)であるから、式[10]は、式[11]に改められる。
【0053】
絶縁変圧器絶縁能力=(En) ・・・[11]
ここで、従来の絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN) の絶縁電圧仕様と、第一の実施例
の絶縁変圧器(TRP1)(TRPC1)(TRNC1)(TRN1)の絶縁電圧仕様を比較する。
【0054】
式[2]の右辺を、式[11]の右辺で除算すると、式[12]となる。
【0055】
式[2]/式[11]={(MP)+2×(En)}/{(En)}=A+2 ・・・[12]
(ここで、A=(MP)/(En)>0)
式[12]より、本発明の第一の実施例の絶縁変圧器(TRP1)(TRPC1)(TRNC1)(TRN1)の絶縁電
圧仕様に対して、図7に示す従来の絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)の絶縁電圧仕様は
、2倍以上必要であることが分かる。なお、前記抵抗(ER)は交流出力(AC)の設置故障を検
出するための接地抵抗であり、前記対置電位差(MP)は、前記接地抵抗を流れる電流の影響
を受けて変動する。
【0056】
絶縁変圧器の絶縁電圧仕様は、1次側巻線と2次側巻線の間の絶縁距離に影響を及ぼし
、絶縁電圧仕様が2倍になれば、その必要絶縁距離も2倍以上になる。従って、従来の絶
縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)に対して、第一の実施例の絶縁変圧器(TRP1)(TRPC1)(TR
NC1)(TRN1)の変圧器寸法は1/2以下にすることができる。また、その製造コストも、一
般的に変圧器寸法に比例するため、1/2以下になる。
【0057】
以上説明したように、第一の実施例では、電力変換装置の電力変換素子駆動回路の系統
において必要となる絶縁変圧器を1/2以下に小型化し、かつ、その製造コストを低減す
ることができる。
【0058】
なお、図7に示す従来例に比して、新たに、絶縁変圧器(TRSRC)が必要となるが、その
追加台数は少ないため、電力変換装置そのものの小型化および装置コストへの影響は少な
い。
【0059】
図2は、第二の実施例を説明する図である。第一の実施例との違いは、電源(DRVS)の接
地点(BP)を、横流を抑制するための抵抗(COMPR)を介して配線(COMP)により主回路母線(CO
M)に接続した点にある。各部の電位差および得られる効果については、図1と同じである
ため、説明は省略する。
【0060】
図3は、第三の実施例を説明する図である。電力変換装置(200)における直流電圧(Ep)(
En)は、直流母線(P)(COM)(N)を介して電力変換主回路(103)に供給される。これは、従来
構成の図7における電力変換装置(200) と電力変換主回路(100)の関係と同様である。
【0061】
また、電力変換主回路(103)における、電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN)の動作も、図7
における電力変換主回路(100)の中のそれらの動作と同じである。
【0062】
さらに、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)の回路基準電位も、図7における電力変
換主回路(100)の中のそれらと同様に、主回路母線(P)(COM)(N)いずれかの電位となる。
【0063】
よって、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)それぞれの最大電位差は、式[1']で表
され、かつ、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)の大地に対する電位も、式[2]で表さ
れる。
【0064】
さて、電源(DRVS)の回路基準電位を決める接地点(BP)は、配線(NP)により、主回路母線
(N)に接続されている。また、電源(DRVS)の出力(SCP)(SCPC)(SCNC)(SCN)の、それぞれの
基準電位を決める接地点(BPP)(BPPC)(BPNC)(BPN)は、接地点(BP)と同電位である。
【0065】
ここで、領域(MCPA3)は主回路電位となり、領域(EPA3)は大地電位となり、電源(DRVS)
の対地電位差は式[13]で表される。
【0066】
電源(DRVS)対地電位差=(MP) ・・・[13]
従って、絶縁変圧器(TRSRC3)の1次巻線−2次巻線間の絶縁電位差も式[13]で表され、絶
縁変圧器(TRSRC3)に必要な絶縁電圧仕様もまた、式[13]で表される。
【0067】
一方、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)と電源(DRVS)の間の電位差は、式[2]の駆動
回路対地電位差から式[13]の電源回路対地電位差を減算した値となる(式[14])。
【0068】
駆動回路対地電位差(式[2])−電源回路対地電位差(式[13])
=(MP)+2×(En)−(MP)
=2×(En) ・・・[14]
従って、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)は、個々の駆動回路間の電気的絶縁と、
電源(DRVS)との電気的絶縁が必要となる。個々の駆動回路間の絶縁電位差は式[1']で表
され、電源(DRVS)との絶縁電位差は式[14]で表されるため、その値は同値となる。
【0069】
上述の電気的絶縁(駆動回路間の電気的絶縁と、電源(DRVS)との電気的絶縁)を目的と
し、絶縁変圧器(TRP3)(TRPC3)(TRNC3)(TRN3)を設置する。
【0070】
絶縁変圧器(TRP3)(TRPC3)(TRNC3)(TRN3)に必要な絶縁電圧仕様は、式[14]で表されるが
、従来の絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)に必要な絶縁電圧仕様である式[2]との差は
、次式で表される。
【0071】
式[2]−式[14]=(MP)+2×(En)−2×(En)=(MP) ・・・[15]
式[15]より、本発明の第三の実施例の絶縁変圧器(TRP3)(TRPC3)(TRNC3)(TRN3)の絶縁電
圧仕様は、従来の絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)の絶縁電圧仕様に比して、(MP)分だ
け低減される。
【0072】
絶縁変圧器の絶縁電圧仕様は、1次側巻線と2次側巻線の間の絶縁距離に影響を及ぼし
、絶縁電圧仕様が2倍になれば、その必要絶縁距離も2倍以上になる。従って、従来の絶
縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)に対して、第三の実施例の絶縁変圧器(TRP3)(TRPC3)(TR
NC3)(TRN3)の変圧器寸法は、絶縁電圧仕様が(MP)分低減しただけ小型になる。また、その
製造コストも、一般的に変圧器寸法に比例するため、低減される。
【0073】
以上説明したように、第三の実施例では、電力変換装置の電力変換素子駆動回路の系統
において必要となる絶縁変圧器を、絶縁電圧仕様が(MP)分低減しただけ小型化し、かつ、
製造コストを低減することができる。なお、図7に示す従来例に比して、新たに、絶縁変
圧器(TRSRC3)が必要となるが、その追加台数は少ないため、電力変換装置そのものの小型
化、および装置コストへの影響は少ない。
【0074】
図4は、第四の実施例を説明する図である。第三の実施例との違いは、電源(DRVS)の接
地点(BP)を、横流を抑制するための抵抗(NPR)を介して配線(NP)により主回路母線(N)と接
続していることである。各部の電位差および得られる効果については、図3と同じである
ため、説明は省略する。
【0075】
図5は、第五の実施例を説明する図である。電力変換装置(200)の、直流電圧(Ep)(En)
は、直流母線(P)(COM)(N)を介して電力変換主回路(105)に供給される。これは、図7にお
ける電力変換装置(200) と電力変換主回路(100)の関係と同様である。
【0076】
また、電力変換主回路(105)における、電力変換素子(QP)(QPC)(QNC)(QN)の動作も、図
7における電力変換主回路(100)の中のそれらの動作と同じである。
【0077】
さらに、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)の回路基準電位も、図7における電力変
換主回路(100)の中のそれらと同様に、主回路母線(P)(COM)(N)いずれかの電位となる。
【0078】
よって、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)それぞれの最大電位差は、式[1']で表
され、かつ、大地(アース)に対する電位は、主回路母線(P)の対地電位は(MPP)となって
いるので式[16]で表される。
【0079】
駆動回路対地電位差
=(MPP)+駆動回路間最大電位差(式[1])
=(MPP)+2×(En) ・・・[16]
さて、電源(DRVS)の回路基準電位を決める接地点(BP)は、配線(PP)により、主回路母線
(P)に接続されている。また、出力(SCP)(SCPC)(SCNC)(SCN)において、それぞれの基準電
位を決める接地点(BPP)(BPPC)(BPNC)(BPN)は、接地点(BP)と同電位である。
【0080】
ここで、図5において、領域(MCPA5)は主回路電位となり、領域(EPA5)は大地電位とな
り、電源(DRVS)の対地電位差は式[17]で表される。
【0081】
電源(DRVS)対地電位差=(MPP) ・・・[17]
従って、絶縁変圧器(TRSRC5)の1次巻線−2次巻線間の絶縁電位差も式[17]で表され、
絶縁変圧器(TRSRC5)に必要な絶縁電圧仕様もまた、式[17]で表される。
【0082】
一方、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)と電源(DRVS)の間の電位差は、式[16]の駆
動回路対地電位差から式[17]の電源回路対地電位差を減算した値となる(式[18])。
【0083】
駆動回路対地電位差(式[16])−電源回路対地電位差(式[17])
=(MPP)−{(MPP)−2×(En)}
=2×(En) ・・・[18]
従って、駆動回路(DRVP)(DRVPC)(DRVNC)(DRVN)は、個々の駆動回路間の電気的絶縁と、
電源(DRVS)との電気的絶縁が必要となる。個々の駆動回路間の絶縁電位差は式[1']で表
され、電源(DRVS)との絶縁電位差は式[18]で表されるため、その値は同値である。
【0084】
上述の電気的絶縁(駆動回路間の電気的絶縁と、電源(DRVS)との電気的絶縁)を目的と
し、絶縁変圧器(TRP5)(TRPC5)(TRNC5)(TRN5)を設置する。
【0085】
絶縁変圧器(TRP5)(TRPC5)(TRNC5)(TRN5)に必要な絶縁電圧仕様は、式[18]で表されるが
、従来の絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)に必要な絶縁電圧仕様である式[2]との差は
、次式で表される。
【0086】
式[2]−式[18]=(MP)+2×(En)−2×(En)=(MP) ・・・[19]
式[19]より、本発明の第五の実施例の絶縁変圧器(TRP5)(TRPC5)(TRNC5)(TRN5)の絶縁電圧
仕様は、従来の絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)の絶縁電圧仕様に比して、(MP)分だけ
仕様低減される。
【0087】
絶縁変圧器の絶縁電圧仕様は、1次側巻線と2次側巻線の間の絶縁距離に影響を及ぼし
、絶縁電圧仕様が2倍になれば、その必要絶縁距離も2倍以上になる。従って、従来の絶
縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)に対して、第五の実施例の絶縁変圧器(TRP5)(TRPC5)(TR
NC5)(TRN5)の変圧器寸法は、絶縁電圧仕様が(MP)分低減しただけ小型になる。また、その
製造コストも、一般的に変圧器寸法に比例するため、低減される。
【0088】
以上説明したように、第五の実施例では、電力変換装置の電力変換素子駆動回路の系統
において必要となる絶縁変圧器の絶縁電圧仕様を(MP)分仕様低減しただけ小型化し、かつ
、製造コストの低減をすることができる。なお、従来に比して、新たに、絶縁変圧器(TRS
RC5)が必要となるが、その追加台数は少ないため、電力変換装置そのものの小型化および
装置コストへの影響は少ない。
【0089】
図6は、第六の実施例を説明する図である。第五の実施例との違いは、電源(DRVS)の接
地点(BP)を、横流を抑制するための抵抗(PPR)を介して配線(PP)により主回路母線(P)に接
続したことである。各部の電位差、および得られる効果については、図5と同じであるた
め、説明は省略する。
【0090】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、電源回路(DRVS)と主電源(MSRC)の間
に、大地(アース)との電気的絶縁のための新たな絶縁変圧器を設け、電源回路(DRVS)の
基準電位を任意の主回路電位とした。これにより、絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)の
絶縁能力は、異なる電力変換素子間の電気的絶縁のみでよく、大地絶縁のための能力は不
要となる。このため、絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)の小型化、低コスト化が可能に
なる。
【0091】
なお、新たに絶縁変圧器を増設することが必要となるが、電源回路(DRVS)と主電源(MSR
C)間を一括して電気的絶縁すれば良いため、その増設個数は1個でよい。前記増設による
部品実装空間の増加およびコスト増加は、前述の絶縁変圧器(TRP)(TRPC)(TRNC)(TRN)の小
型化による実装空間の低減、コスト低減により充分吸収できるものである。
【符号の説明】
【0092】
200 電力変換装置、
300 変圧器、
400 交流電動機、
500 商用電源、
AC 電力変換装置の出力点、
Ep、En 直流電源、
P、COM、N 主回路母線、
100 電力変換主回路、
QP、QPC、QNC、QN 電力変換素子、
FWP、FWPC、FWNC、FWN フリーホイルダイオード、
DCP、DCN クランプダイオード、
V* 交流電圧指令、
Cr31、Cr32 交流電圧指令値と振幅を比較する搬送波、
GP、GPC、GNC、GN 電力変換素子QP、QPC、QN、QNの素子駆動信号、
VAC 出力点ACの出力電圧、
DRVP、DRVPC、DRVNC、DRVN 駆動回路、
DRVS 電源、
MSRC 主電源、
BP 電源の接地点、
SCP、SCPC、SCNC、SCN 電源の出力、
BPP、BPPC、BPNV、BPN 電源の出力の接地点、
MP 主回路100の対地電位差、
ER 接地抵抗、
TRP、TRPC、TRNC、TRN 主回路100の絶縁変圧器、
MCPA 主回路電位範囲、
EPA 大地電位範囲、
101 第一の実施例における電力変換主回路、
102 第二の実施例における電力変換主回路、
TRP1、TRPC1、TRNC1、TRN1 、本発明第一、第二の実施例における絶縁変圧器、
MCPA1 第一、第二の実施例における主回路電位範囲、
EPA1 第一、第二の実施例における大地電位範囲、
COMP 第一、第二の実施例における電源の基準電位設定用配線、
COMPR 第二の実施例における横流抑制用抵抗、
103 第三の実施例における電力変換主回路、
104 第四の実施例における電力変換主回路、
TRP3、TRPC3、TRNC3、TRN3 、第三、第四の実施例における絶縁変圧器、
MCPA3 第三、第四の実施例における主回路電位範囲、
EPA3 第三、第四の実施例における大地電位範囲、
NP 第三、第四の実施例における電源の基準電位設定用配線、
NPR 第四の実施例における横流抑制用抵抗、
105 第五の実施例における電力変換主回路、
106 第六の実施例における電力変換主回路、
TRP5、TRPC5、TRNC5、TRN5 第五、第六の実施例における絶縁変圧器、
MCPA5 第五、第六の実施例における主回路電位範囲、
EPA5 第五、第六の実施例における大地電位範囲、
PP 第五、第六の実施例における電源の基準電位設定用配線、
PPR 第六の実施例における横流抑制用抵抗、
TRSRC 第一、第二の実施例における制御電源用絶縁変圧器、
TRSRC3 第三、第四の実施例における制御電源用絶縁変圧器、
TRSRC5 第五、第六の実施例における制御電源用絶縁変圧器、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極母線および負極母線を備えた主回路母線と、該主回路母線に接続されて主回路母線
間に供給される直流電力を交流電力に変換して交流出力端子に出力する電力変換回路とを
備えた電力変換装置において、
前記電力変換回路は、
前記正極母線と交流出力端子間に接続した正極側電力変換素子、および前記交流出力端
子と前記負極母線間に接続された負極側電力変換素子と、
前記正極側電力変換素子および負極側電力変換素子を交互にオンオフ駆動する駆動回路
と、
前記駆動回路に駆動用の電力を駆動回路用絶縁変圧器を介して絶縁して供給する駆動電
源回路と、
前記駆動電源回路に駆動用の電力を絶縁して供給する制御電源用絶縁変圧器を備え、
前記駆動電源回路の共通電位点を主回路母線に接続したことを特徴とする電力変換装置

【請求項2】
正極母線、負極母線、および中間電位母線を備えた主回路母線と、該主回路母線に接続
されて主回路母線間に供給される直流電力を交流電力に変換して交流出力端子に出力する
電力変換回路と備えた電力変換装置において、
前記電力変換回路は、
前記正極母線と交流出力端子間に接続した正極側電力変換素子、および前記交流出力端
子と前記負極母線間に接続された負極側電力変換素子と、
前記正極側電力変換素子をオンオフ駆動する正極側駆動回路および前記負極側電力変換
素子をオンオフ駆動する負極側駆動回路とを備えた駆動回路と、
前記正極側駆動回路および負極側駆動回路のそれぞれに駆動用の電力を駆動回路用絶縁
変圧器を介して絶縁して供給する駆動電源回路と、
該駆動電源回路に駆動用の電力を絶縁して供給する制御電源用絶縁変圧器を備え、
前記駆動電源回路の共通電位点を主回路母線に接続したことを特徴とする電力変換装置

【請求項3】
正極母線、負極母線、および中間電位母線を備えた主回路母線と、該主回路母線に接続
されて主回路母線間に供給される直流電力を交流電力に変換して交流出力端子に出力する
電力変換回路と備えた電力変換装置において、
前記電力変換回路は、
前記正極母線と交流出力端子間に接続した第1および第2の電力変換素子、前記交流出
力端子と前記負極母線間に接続された第3および第4の電力変換素子、前記第1の電力変
換素子と第2の電力変換素子の接続点と中間電位母線間に接続した第1のクランプダイオ
ード並びに前記第3の電力変換素子と第4の電力変換素子の接続点と中間電位母線間に接
続した第2クランプダイオードと、
前記第1および第2の電力変換素子をオンオフ駆動する正極側駆動回路並びに前記第3
および第4の電力変換素子をオンオフ駆動する負極側駆動回路とを備えた駆動回路と、
前記正極側駆動回路および負極側駆動回路のそれぞれに駆動用の電力を駆動回路用絶縁
変圧器を介して絶縁して供給する駆動電源回路と、
該駆動電源回路に駆動用の電力を絶縁して供給する制御電源用絶縁変圧器を備え、
前記駆動電源回路の共通電位点を主回路母線に接続したことを特徴とする電力変換装置

【請求項4】
請求項2記載の電力変換装置において、
前記駆動電源回路の共通電位点を正極母線に接続したことを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項2記載の電力変換装置において、
前記駆動電源回路の共通電位点を負極母線に接続したことを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
請求項2記載の電力変換装置において、
前記駆動電源回路の共通電位点を中間電位母線に接続したことを特徴とする電力変換装
置。
【請求項7】
請求項2記載の電力変換装置において、
第1,第2,第3および第4の電力変換素子は、それぞれ複数の電力変換素子の直列回
路で構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
請求項2記載の電力変換装置において、
前記中間電位母線は、接地抵抗を介して接地されていることを特徴とする電力変換装置

【請求項9】
請求項2記載の電力変換装置において
前記駆動電源回路の共通電位点を、横流抑制抵抗を介して主回路母線に接続したことを
特徴とする電力変換装置。
【請求項10】
請求項2記載の電力変換装置において
前記駆動電源回路の共通電位点を、横流抑制抵抗を介して中間電位母線に接続したこと
を特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−268680(P2010−268680A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155834(P2010−155834)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【分割の表示】特願2007−188402(P2007−188402)の分割
【原出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】