説明

電力変換装置

【課題】電力変換装置が発するコモンモードノイズを簡単な構成によって低減することを目的とする。
【解決手段】(1)電力ケーブル12Pと回路基板14との接続部70PからインダクタLpを経て、各スイッチング素子組の上アームMOSFET32の放熱板58に至る第1経路72、(2)コモンモードノイズ低減用容量CpAおよびCpB、(3)電力ケーブル12Nと回路基板14との接続部70NからインダクタLnを経て、各スイッチング素子組の下アームMOSFET34の放熱板58に至る第2経路72、(4)コモンモードノイズ低減用容量CnAおよびCnBは、コモンモードノイズを低減する回路の一部を形成する。(CpA+CpB)/(CnA+CnB)=Ln/Lpが成立するように各容量値を設定することで、コモンモードノイズを低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関し、車両搭載機器に供給される電力をスイッチングにより制御する装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンおよびモータジェネレータを用いて走行するハイブリッド自動車、モータジェネレータを用いて走行する電気自動車等が広く用いられている。このような電動車両は繰り返し充放電が可能な二次電池を備え、二次電池からモータジェネレータに電力を供給し、モータジェネレータの駆動力によって走行する。また、電動車両は、モータジェネレータの発電に基づく制動トルクによって減速し、モータジェネレータの発電電力によって二次電池を充電する。
【0003】
二次電池とモータジェネレータとの間には、これらの間で授受される電力を制御する電力制御回路が設けられる。電力制御回路には、二次電池の出力電圧を昇圧して出力する昇圧コンバータ、直流交流変換を行うインバータ等が用いられる。
【0004】
また、電動車両には、ウインカ、ヘッドライト、ルームライト、エアコンディショナ、ラジオ受信機等の補機(アクセサリ機器)が搭載される。補機に電力を供給するため、電動車両には補機バッテリが搭載される。近年の補機には大電力を消費するものが多い。また、補機バッテリの搭載スペースを削減するため、補機バッテリの充電容量を小さくしてその体積を削減する設計が好まれている。
【0005】
そのため、二次電池の出力電圧を降圧し、降圧後の電圧を補機に与える降圧コンバータが用いられる。降圧コンバータから補機に電力を供給することにより、補機への供給電力を増加することができると共に、補機バッテリの充電容量を低減し、補機バッテリの体積を削減することができる。
【0006】
特許文献1には、スイッチング素子を用いた電力変換装置が記載されている。特許文献1においては、スイッチング素子と接地ラインとの間に浮遊容量が形成され、この浮遊容量に高周波漏れ電流が流れることによってコモンモード電流が流れる旨が述べられている。また、スイッチング素子に接続されるインピーダンスを適切なものにすることで、コモンモード成分を低減する技術が記載されている。特許文献2にもまた、スイッチング素子を用いた電力変換装置が記載されている。この電力変換装置では、各スイッチング素子の所定の端子と接地導体との間にコンデンサが接続され、コモンモードノイズを低減している。特許文献3には、ノイズフィルタが記載されている。このノイズフィルタは、電源ラインに直列に接続されたコモンモードチョークコイルを備える。特許文献3には、コモンモードノイズを低減する効果を高める回路として、電源ラインとアースとの間にコンデンサが接続された回路が記載されている。特許文献4には、スイッチングトランスを用いたスイッチング電源が記載されている。特許文献4には、スイッチングトランスの一次側と二次側との間に接続され、コモンモードノイズを低減するYコンデンサの実装技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−63284号公報
【特許文献2】特開2008−136333号公報
【特許文献3】特開2006−136058号公報
【特許文献4】特開2008−92694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1には、スイッチング素子に接続されるインピーダンスを適切なものにすることで、コモンモードノイズを低減する技術が記載されている。しかし、この技術では、回路構成が複雑になる場合がある。特許文献2〜4に記載の技術では、電気回路デバイスとしてのコンデンサが用いられるため、コンデンサのリード線によるインダクタ成分により、回路特性が劣化することがある。
【0009】
本発明は、このような課題に対してなされたものである。すなわち、電力変換装置が発するコモンモードノイズを簡単な構成によって低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、車両搭載機器に供給される電力をスイッチングにより制御する電力変換装置において、それぞれが導電性の支持部材を備え、それぞれの1つの電極が共通電極として共通に接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子における前記支持部材と、前記第1スイッチング素子が配置される第1配置部材との間に設けられる第1絶縁シートと、前記第2スイッチング素子における前記支持部材と、前記第2スイッチング素子が配置される第2配置部材との間に設けられる第2絶縁シートと、を備え、前記第1スイッチング素子においては、その共通電極とは別の電極が前記第1スイッチング素子における前記支持部材に接続され、前記第2スイッチング素子においては、その共通電極とは別の電極が前記第2スイッチング素子における前記支持部材に接続されている、ことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る電力変換装置は、望ましくは、前記第1スイッチング素子における前記支持部材、前記第1絶縁シート、および前記1配置部材によって形成される第1容量と、前記第2スイッチング素子における前記支持部材、前記第2絶縁シート、および前記2配置部材によって形成される第2容量とが、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子から発せられるコモンモードノイズを低減する回路の少なくとも一部を形成する。
【0012】
また、本発明に係る電力変換装置は、望ましくは、入力電圧が与えられる入力部から前記第1スイッチング素子における前記支持部材に至る第1経路と、前記第1容量と、前記入力部から前記第2スイッチング素子における前記支持部材に至る第2経路と、前記第2容量とが、前記入力部に発せられるコモンモードノイズを低減する回路の少なくとも一部を形成する。
【0013】
また、本発明に係る電力変換装置は、望ましくは、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のそれぞれは、前記支持部材としての放熱板と、前記放熱板の板面に設けられた素子本体と、を備え、前記第1絶縁シートおよび前記第2絶縁シートは、熱伝導性のシートであり、前記第1絶縁シートは、前記第1スイッチング素子における前記放熱板の外面と前記第1配置部材との間に設けられ、前記第2絶縁シートは、前記第2スイッチング素子における前記放熱板の外面と前記第2配置部材との間に設けられる。
【0014】
また、本発明に係る電力変換装置は、望ましくは、前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子はMOSFETであり、前記第1スイッチング素子のソース電極と、前記第2スイッチング素子のドレイン電極とが共通に接続され、前記第1スイッチング素子においてはドレイン電極が前記支持部材に接続され、前記第2スイッチング素子においてはソース電極が前記支持部材に接続されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電力変換装置が発するコモンモードノイズを簡単な構成によって低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る電力供給システムの構成を示す図である。
【図2】電力変換回路から発せられるノイズについて解析を行うための等価回路を示す図である。
【図3】コモンモード等価回路を示す図である。
【図4】補機電力供給システムの構成を示す図である。
【図5】ノイズについて解析を行うための等価回路を示す図である。
【図6】上アームMOSFETの構成を示す図である。
【図7】下アームMOSFETの構成を示す図である。
【図8】上アームMOSFETおよび下アームMOSFETを回路基板に実装した場合の構成を示す図である。
【図9】降圧コンバータとコモンモード等価回路との対応関係を示す図である。
【図10】ノイズについて解析を行うための等価回路を示す図である。
【図11】変圧器の一次巻線側に流れるコモンモードノイズ電流の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1には、本発明の実施形態に係る電力供給システムの構成が示されている。電力供給システムは、車両に搭載され、二次電池10、電力ケーブル12Pおよび12N、電力変換回路20、ならびに、回路基板14を備える。回路基板14には電力変換回路20が実装されている。電力ケーブル12Pおよび12Nは、二次電池10と回路基板14との間を接続する。
【0018】
二次電池10から電力変換回路20に至るまでの電力経路は、接地導体から絶縁されている。接地導体は、車両のボデー、およびボデーに電気的に接続された導線性部材である。ここでは、二次電池10の接地導体に対する絶縁インピーダンスがZiとして示されている。
【0019】
二次電池10の正極端子には、電力ケーブル12Pの一端が接続されている。電力ケーブル12Pの他端は回路基板14に接続されている。また、二次電池10の負極端子には、電力ケーブル12Nの一端が接続されている。電力ケーブル12Nの他端は回路基板14に接続されている。回路基板14に接続された電力ケーブル12Pおよび12Nは、回路基板14上のパターン導体16Pおよび16Nを介して、それぞれ、電力変換回路20の正端子18Pおよび負端子18Nに接続されている。正極側のパターン導体16Pと負極側のパターン導体16Nとの間には、後述のディファレンシャルモードノイズを低減するキャパシタCdが接続されている。
【0020】
電力変換回路20の正極負荷端子22Pおよび負極負荷端子22Nには負荷回路24が接続されている。負荷回路24としては、車両駆動用のモータジェネレータを制御する回路、補機、補機バッテリ等がある。ここでは、電力変換回路20に負荷回路24が直接的に接続されているが、電力ケーブル12Pおよび12N側と同様、回路基板14上に設けられた導体パターンを介して、電力変換回路20に負荷回路24が接続される構成としてもよい。
【0021】
電力変換回路20は、二次電池10から負荷回路24に供給される電力、または、負荷回路24から二次電池10に供給される電力をスイッチングにより制御する。このスイッチング制御においては、電圧レベルの調整または直流交流変換が行われる。すなわち、電力変換回路20は、電圧レベルの調整を行う昇降圧コンバータ、二次電池10から出力された直流電力を交流電力に変換し、あるいは、負荷回路24から出力された交流電力を直流電力に整流するインバータ等を備えていてもよい。
【0022】
電力変換回路20は、スイッチング制御に伴いノイズを発生する。なお、本願明細書においては、ノイズ電圧およびノイズ電流の両者を含む語としてノイズの語を用いることとする。図2には、電力変換回路20から発せられるノイズについて解析を行うための等価回路が示されている。図1に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0023】
電力変換回路20は、交流電圧Vdを出力するノイズ電圧源26として示されている。また、パターン導体16Pおよび16Nによって形成されるインダクタが、それぞれ、インダクタLpおよびLnとして示されている。インダクタLpは、電力ケーブル12Pの一端と正端子18Pとの間に接続されている。インダクタLnは、電力ケーブル12Nの一端と負端子18Nとの間に接続されている。
【0024】
また、正端子18Pおよびそれに接続される電力変換回路20内部の導体と接地導体との間、および、負端子18Nおよびそれに接続される電力変換回路20内部の導体と接地導体との間には浮遊容量が形成される。図2には、これらの浮遊容量が、ノイズ電圧源26の各端と接地導体との間に接続された容量CpおよびCnによって表されている。
【0025】
キャパシタCdは、ディファレンシャルモードノイズを低減するキャパシタとして、電力ケーブル12PおよびインダクタLpの接続点と、電力ケーブル12NおよびインダクタLnの接続点との間に接続されている。ここで、ディファレンシャルモードノイズとは、正極側のパターン導体16Pおよび負極側のパターン導体16Nとの間に生じるノイズをいう。
【0026】
電力変換回路20から発せられるノイズには、ディファレンシャルモードノイズの他、コモンモードノイズがある。コモンモードノイズは、各パターン導体に極性および大きさが等しいノイズ電圧を生じさせ、あるいは、各パターン導体に同一方向に流れる大きさが等しいノイズ電流を生じさせる。
【0027】
一般に、コモンモードノイズは、接地導体を介して車両内の広い範囲に及び、車両に搭載された電気機器の動作性能に影響を及ぼすことがある。そこで、本実施形態に係る電力供給システムでは、以下の解析に基づき容量CpおよびCnの値を設定し、コモンモードノイズを低減する。
【0028】
図3には、コモンモードノイズについて解析を行うためのコモンモード等価回路が示されている。図2に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。コモンモードノイズは、二次電池10の各端子、各パターン導体、電力変換回路20の正端子18P、および、電力変換回路20の負端子18Nに、極性および大きさが等しい電圧を生じさせる。そのため、電力変換回路20の正端子18Pおよび負端子18Nから電力ケーブル12Pおよび12N側の回路要素は、一つのコモンモードインピーダンスZcによって表される。コモンモードインピーダンスZcの端子Tcに現れる電圧は、回路基板14と電力ケーブル12Pおよび12Nとの接続点に現れるコモンモード電圧Vcpnを表す。
【0029】
コモンモード等価回路においては、ノイズ電圧源26の一端にインダクタLpの一端が接続され、ノイズ電圧源26の他端にインダクタLnの一端が接続されている。そして、インダクタLpおよびLnの各他端は、コモンモードインピーダンスZcの端子Tcに共通に接続されている。さらに、ノイズ電圧源26の一端には容量Cpの一端が接続され、ノイズ電圧源26の他端には容量Cnの一端が接続されている。そして、容量CpおよびCnの各他端は、接地導体に接続されている。コモンモード等価回路は、インダクタLpおよびLnの共通接続端のコモンモード電圧Vcpnを0Vに設定することができるブリッジ回路をなす。コモンモード電圧Vcpnは次の(数1)によって表される。
【0030】
(数1)Vcpn=(Lp・Cp−Ln・Cn)・Vd
/{(Lp+Ln)・(Cp+Cn)}
【0031】
本実施形態に係る電力供給システムにおいては、電力変換回路20に含まれるスイッチング素子の実装形態に工夫を施すことで、コモンモード電圧Vcpnを0Vに近づける容量CpおよびCnの容量値を設定する。コモンモード電圧Vcpnを0Vに近づけることで電力変換回路20から電力ケーブル12Pおよび12N側に出力されるコモンモードノイズを低減することができる。
【0032】
ところで、電力供給システムの各回路素子には、温度変化、湿度変化等によるばらつきや、製造ばらつきがある。そのため、コモンモード電圧Vcpnを厳密に0Vとすることが困難な場合がある。ただし、コモンモード電圧Vcpnをできるだけ0Vに近い値とし、極小値とすることは可能である。本願明細書では、このような技術的意義の下、コモンモード電圧Vcpnを理論的に0Vとするという表現を用いる。
【0033】
コモンモード電圧Vcpnを理論的に0Vとするための容量CpおよびCnの条件は、(数1)の右辺を0とした式に基づいて求められる。すなわち、以下の(数2)が成立するよう容量CpおよびCnの容量値を設定することで、コモンモード電圧Vcpnを理論的に0Vとすることができる。
【0034】
(数2)Cp/Cn=Ln/Lp
【0035】
ここで、インダクタLpおよびLnのインダクタンス値が等しくなるよう回路基板14のパターン導体16Pおよび16Nを形成した場合には、Cp=Cnがコモンモード電圧Vcpnを理論的に0Vとするための条件となる。
【0036】
次に、電力供給システムの具体的な実施例として、図4に示されるような補機電力供給システムについて説明する。図1に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
補機電力供給システムは、二次電池10、電力供給ケーブル12Pおよび12N、降圧コンバータ28、ならびに整流回路38を備える。このシステムは、二次電池10から出力される直流電圧を降圧し、降圧後の電圧を車両搭載用の補機50に出力するものである。補機50には、ウインカ、ヘッドライト、ルームライト、エアコンディショナ、ラジオ受信機等がある。なお、二次電池10には、車両駆動用のモータジェネレータを制御する回路が別途接続されていてもよい。
【0038】
図4の降圧コンバータ28は、図1の電力変換回路20に対応する。また、図4の整流回路38および補機50は、図1の負荷回路24に対応する。降圧コンバータ28は、回路基板14上に実装され、正端子18P、負端子18N、2つのスイッチング素子組30Aおよび30B、ならびに変圧器36を備える。
【0039】
正端子18Pは、正極側のパターン導体16Pおよび電力ケーブル12Pを介して二次電池10の正極端子に接続されている。負端子18Nは、負極側のパターン導体16Nおよび電力ケーブル12Nを介して二次電池10の負極端子に接続されている。
【0040】
各スイッチング素子組は、スイッチング素子として上アームMOSFET32および下アームMOSFET34を備える。ここで、MOSFETは、Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorを省略したものである。ここでは、各スイッチング素子組に用いられるスイッチング素子をMOSFETとしているが、スイッチング素子としては、IGBT、サイリスタ、トライアック、バイポーラトランジスタ等の、その他の半導体素子を用いてもよい。
【0041】
各スイッチング素子組において、上アームMOSFET32のソース端子Sは、下アームMOSFET34のドレイン端子Dに接続されている。各スイッチング素子組の上アームMOSFET32のドレイン端子Dは共通に接続され、正端子18Pに接続されている。また、各スイッチング素子組の下アームMOSFET34のソース端子Sは共通に接続され、負端子18Nに接続されている。
【0042】
スイッチング素子組30Aの上アームMOSFET32および下アームMOSFET34の接続点と、スイッチング素子組30Bの上アームMOSFET33および下アームMOSFET35の接続点との間には、変圧器36の一次巻線が接続されている。変圧器36の二次巻線のセンタータップは、接地導体に接続されている。
【0043】
整流回路38は、整流ダイオード40、整流ダイオード42、平滑インダクタ44、および平滑キャパシタ46を備える。整流ダイオード40のアノード端子は、変圧器36の二次巻線の一端に接続されている。また、整流ダイオード40のカソード端子は、平滑インダクタ44の一端に接続されている。整流ダイオード42のアノード端子は、変圧器36の二次巻線の他端に接続されている。また、整流ダイオード42のカソード端子は、平滑インダクタ44の一端に接続されている。平滑インダクタ44の他端は電圧出力端子48に接続されている。電圧出力端子48と接地導体との間には、平滑キャパシタ46が接続されている。そして、電圧出力端子48および接地導体には補機50が接続されている。
【0044】
次に、補機電力供給システムの動作について説明する。各スイッチング素子組の上アームMOSFET32および下アームMOSFET34は、ゲート端子Gに制御信号が与えられ、電圧出力端子48と接地導体との間に所定の電圧が出力されるようスイッチング制御される。このスイッチング制御には、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御が採用される。
【0045】
各スイッチング素子組に対するスイッチング制御によって、変圧器36の一次巻線には交流電圧が印加される。一次巻線に印加された交流電圧に応じて、二次巻線には交流電圧が誘起される。整流ダイオード40および42は、二次巻線から出力された電圧に基づき、それぞれ、アノード端子からカソード端子に向かう方向に電流を流す。平滑インダクタ44および平滑キャパシタ46は、整流ダイオード40および42を介して与えられる電圧および電流に含まれるリプル成分を低減する。これによって、電圧出力端子48と接地導体との間には、リプル成分が低減された電圧が出力される。このような構成によれば、二次電池10の電圧は、補機50が動作するために適した電圧に変換され、電圧出力端子48を介して補機50に与えられる。
【0046】
補機電力供給システムにおいては、各スイッチング素子組の上アームMOSFET32と33のドレイン端子Dと接地導体との間、および、下アームMOSFET34と35のソース端子Sと接地導体との間にコモンモードノイズ低減用の容量が形成される。これらの容量は、各MOSFETの実装に伴って形成される浮遊容量であり、詳細については後述する。
【0047】
図5には、降圧コンバータ28から発せられるノイズについて解析を行うための等価回路が示されている。この等価回路では、パターン導体16Pおよび16Nによって形成されるインダクタLp、Ln、コモンモードノイズ低減用容量CpA、CnA、CpBおよびCnBが示されている。コモンモードノイズ低減用容量CpAは、スイッチング素子組30Aの上アームMOSFET32のドレイン端子Dと接地導体との間に形成される容量である。コモンモードノイズ低減用容量CnAは、スイッチング素子組30Aの下アームMOSFET34のソース端子Sと接地導体との間に形成される容量である。コモンモードノイズ低減用容量CpBは、スイッチング素子組30Bの上アームMOSFET33のドレイン端子Dと接地導体との間に形成される容量である。コモンモードノイズ低減用容量CnBは、スイッチング素子組30Bの下アームMOSFET35のソース端子Sと接地導体との間に形成される容量である。
【0048】
図5の破線で囲まれたスイッチング素子群52、すなわち、スイッチング素子組30Aおよび30Bをノイズ電圧源26に置き換えることで、図3に示されるコモンモード等価回路が導き出される。ただし、図3における容量Cpは、コモンモードノイズ低減用容量CpAおよびCpBの合成容量Cpt=CpA+CpBとなる。また、図3における容量Cnは、コモンモードノイズ低減用容量CnAおよびCnBの合成容量Cnt=CnA+CnBとなる。
【0049】
さらに、降圧コンバータ28の正端子19Pおよび負端子19Nより電力供給ケーブル12Pおよび12N側の回路要素は、コモンモードインピーダンスZcによって表される。コモンモードインピーダンスZcの端子Tcに現れる電圧Vcpnは、降圧コンバータ28から電力供給ケーブル12Pおよび12Nに出力されるコモンモード電圧を表す。
【0050】
コモンモード電圧Vcpnを理論的に0Vとするための条件は、(数2)から、Cpt/Cnt=(CpA+CpB)/(CnA+CnB)=Ln/Lpである。また、インダクタLpおよびLnが等しくなるようパターン導体16Pおよび16Nを形成した場合には、Cpt=Cntがコモンモード電圧Vcpnを理論的に0Vとするための条件となる。
【0051】
本実施形態に係る補機電力供給システムにおいては、次に説明するMOSFETの実装構造によって、コモンモードノイズ低減用容量CpA、CnA、CpBおよびCnBの容量値が適切な容量値に設定される。
【0052】
図6(a)には、上アームMOSFET32の概観が示されている。上アームMOSFET32の背面には金属等の導電性部材で形成された放熱板58が設けられている。この放熱板58は、放熱機能の他、上アームMOSFET32を固定する支持部材としての機能を有する。上アームMOSFET32は、放熱板58に配置されたMOSFETチップが絶縁体パッケージによって覆われた構成を有する。上アームMOSFET32からは、正面を見て左から順に、ゲート端子リード線GL、ドレイン端子リード線DL、およびソース端子リード線SLが引き出されている。また、上アームMOSFET32には、正面から背面に貫通するねじ穴60が設けられている。これによって、上アームMOSFET32を他の部材にねじで固定することが可能となる。
【0053】
図6(b)には、絶縁体パッケージを設ける前の構成が示されている。素子本体としてのMOSFETチップ62においては、ドレイン電極D0が一方の面に形成され、ゲート電極G0およびソース電極S0が他方の面に形成されている。MOSFETチップ62は、ドレイン電極D0が設けられている面を下に向けて放熱板58上に配置されており、ドレイン電極D0が放熱板58に接続されている。
【0054】
放熱板58からはドレイン端子リード線DLが引き出されている。また、ドレイン端子リード線DLの両側には、ゲート端子リード線GLおよびソース端子リード線SLが配置されている。ゲート電極G0は、ゲート端子リード線GLにボンディングワイヤ64によって接続され、ソース電極S0は、ソース端子リード線SLにボンディングワイヤ64によって接続されている。図6(b)に示されるMOSFETチップ62は、放熱板58の背面が露出するよう、絶縁パッケージによって覆われる。
【0055】
図7(a)には、下アームMOSFET34の概観が示されている。下アームMOSFET34は、上アームMOSFET32と同様、背面に放熱板58が設けられ、放熱板58に配置されたMOSFETチップが絶縁体パッケージによって覆われた構成を有する。下アームMOSFET34からは、正面を見て左から順に、ソース端子リード線SL、ドレイン端子リード線DL、およびゲート端子リード線GLが引き出されている。
【0056】
図7(b)には、絶縁体パッケージを設ける前の構成が示されている。MOSFETチップ62は、ドレイン電極D0が設けられている側を上に向けて放熱板58上に配置されている。放熱板58からは、ソース端子リード線SLが引き出されている。また、ソース端子リード線SLに隣接してドレイン端子リード線DLが配置され、さらに、ドレイン端子リード線DLに隣接してゲート端子リード線GLが配置されている。
ソース電極S0は放熱板58に接続されている。ゲート電極G0は、ゲート端子リード線GLに接続されているが、放熱板58からは絶縁されている。ドレイン電極D0は、ドレイン端子リード線DLにボンディングワイヤ64によって接続されている。図7(b)に示されるMOSFETチップ62は、放熱板58の背面が露出するよう、絶縁パッケージによって覆われる。
【0057】
図8には、図6および図7にそれぞれ示されている上アームMOSFET32および下アームMOSFET34を回路基板14に実装した場合の構成が示されている。回路基板14は、ヒートシンク68上に固定されている。ヒートシンク68は、金属等の導電性材料で形成されており、車両の接地導体に接続されている。ヒートシンク68は、補機電力供給システムを構成する部品を固定すると共に、発熱部品から発せられる熱を放熱する。すなわち、ヒートシンク68は、部品を固定配置する配置部材および放熱部材としての機能を有する。スイッチング素子組30Bの上アームMOSFET33は、スイッチング素子組30Aの上アームMOSFET32と同一であり、スイッチング素子組30Bの下アームMOSFET35は、スイッチング素子組30Aの下アームMOSFET34と同一であるため、以下説明を省略する。
【0058】
上アームMOSFET32および下アームMOSFET34は、放熱板58とヒートシンク68との間に絶縁シート66を挟んでヒートシンク68に固定されている。ここで、絶縁シート66は、シリコン、アクリル樹脂、グラファイト等の熱伝導性の高い絶縁材料によって形成されている。このような絶縁シートには熱伝導性があるため、放熱シートとも称される。各MOSFETをヒートシンク68に固定する際には、ゲート端子リード線GL、ドレイン端子リード線DLおよびソース端子リード線SLを回路基板14上に位置させる。各リード線は、半田付け、ねじ止め等の工法により回路基板14上のパターン導体に電気的に接続される。
【0059】
このような構成によれば、上アームMOSFET32の放熱板58とヒートシンク68との間には容量が形成される。上アームMOSFET32の放熱板58には、MOSFETチップ62のドレイン電極D0が接続され、ヒートシンク68は接地導体に接続されているため、上アームMOSFET32のドレイン端子リード線DLと接地導体との間には、コモンモードノイズ低減用の容量が形成されることとなる。
【0060】
コモンモードノイズ低減用の容量は、上アームMOSFET32の放熱板58の面積、放熱板58とヒートシンク68との間に挟まれる絶縁シート66の厚さ、誘電率等を変化させることで調整することができる。
【0061】
同様に、下アームMOSFET34の放熱板58とヒートシンクとの間には容量が形成される。下アームMOSFET34の放熱板58には、MOSFETチップ62のソース電極S0が接続され、ヒートシンク68は接地導体に接続されているため、下アームMOSFET34のソース端子リード線SLと接地導体との間にはコモンモードノイズ低減用の容量が形成されることとなる。
【0062】
コモンモードノイズ低減用の容量は、下アームMOSFET34の放熱板58の面積、放熱板58とヒートシンク68との間に挟まれる絶縁シート66の厚さ、誘電率等を変化させることで調整することができる。例えば、上アームMOSFET32のドレイン電極の方が、下アームMOSFET34のソース電極よりも、大きな容量を形成することが多い。この場合、Lp=Lnの条件下でCpt=Cntとするには、下アームMOSFET34側に設けられる絶縁シート66を、上アームMOSFET32側に設けられる絶縁シート66よりも薄くする等すればよい。
【0063】
なお、図8に示される構成では、上アームMOSFET32および下アームMOSFET34に対して共通のヒートシンク68が設けられているが、上アームMOSFET32および下アームMOSFET34のそれぞれに対し個別にヒートシンクが設けられていてもよい。
【0064】
また、図9に示されるように、(1)電力ケーブル12Pと回路基板14との接続部70P(二次電池10からの電圧が与えられる入力部)からインダクタLpを経て、各スイッチング素子組の上アームMOSFET32、33の放熱板58に至る第1経路72、(2)コモンモードノイズ低減用容量CpAおよびCpB、(3)電力ケーブル12Nと回路基板14との接続部70NからインダクタLnを経て、各スイッチング素子組の下アームMOSFET34、35の放熱板58に至る第2経路74、ならびに、(4)コモンモードノイズ低減用容量CnAおよびCnBは、図3に示されるコモンモード等価回路のインダクタLp、Ln、キャパシタCpおよびCnを形成する。したがって、Cpt/Cnt=(CpA+CpB)/(CnA+CnB)=Ln/Lpが成立するようにコモンモードノイズ低減用容量CpA、CnA、CpBおよびCnBの各容量値を設定することで、コモンモード電圧Vcpnを極小値とし、コモンモードノイズを低減することができる。
【0065】
また、本実施例に係る補機電力供給システムにおいては、各MOSFETの放熱板58と接地導体との間にコモンモードノイズ低減用の容量が形成される。放熱板58は、MOSFETチップ62上の電極に直接接続されるため、MOSFETチップ62とコモンモードノイズ低減用の容量との間に介在するインダクタンス成分は小さい。これによって、各MOSFETの端子に現れる電圧および各MOSFETの端子に流れる電流のアンダーシュート、オーバーシュート、リンギング等が生じ難くなり、過電圧、過電流、ノイズ電磁波の放射等が回避される。
【0066】
なお、図6に示される構成においては、MOSFETに1枚の放熱板58が設けられ、ドレイン電極D0が放熱板58に接続されている。このような構成の他、2枚の放熱板を設け、その2枚の放熱板がMOSFETチップ62を挟む構成としてもよい。この場合、図6(b)の上方から第2枚目の放熱板がMOSFETチップ62に接合される。そして、第2枚目の放熱板にソース電極S0が接続される。さらに、MOSFETチップ62が2枚の放熱板で挟まれた状態で、各放熱板の外側の板面が露出するよう、MOSFETチップ62を絶縁体パッケージで覆ってもよい。このような構成によれば、1種類のMOSFETを上アームMOSFET32および下アームMOSFET34のいずれにも用いることができる。
【0067】
また、MOSFETチップは、必ずしも、絶縁体パッケージに覆われていなくともよい。例えば、車両において配線に用いられる帯状の金属棒であるバスバーや、DBC基板(Direct Bonding Copper基板)に、絶縁シートを介してMOSFETチップを固定してもよい。
【0068】
上記では、上アームMOSFET32のドレイン端子Dと接地導体との間にコモンモードノイズ低減用の容量が形成され、下アームMOSFET34のソース端子Sと接地導体との間にコモンモードノイズ低減用の容量が形成される構成例について説明した。このような構成の他、上アームMOSFET32のソース端子Sと接地導体との間にコモンモードノイズ低減用の容量が形成され、下アームMOSFET34のドレイン端子Dと接地導体との間にコモンモードノイズ低減用の容量が形成される構成も可能である。この場合、上アームMOSFET32を図7に示される構成とし、下アームMOSFET34を図6に示される構成とする。図10には、ノイズについて解析を行うための等価回路が示されている。図5に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0069】
図10において、容量CAおよびCBは、それぞれ、スイッチング素子組30Aおよび30Bにおいて形成されるものであり、上アームMOSFET32のソース端子Sに形成される容量と、下アームMOSFET34のドレイン端子Dに形成される容量および上アームMOSFET33のソース端子Sに形成される容量と、下アームMOSFET35のドレイン端子Dに形成される容量との合成容量である。容量CAおよびCBによって、変圧器36の一次巻線側に流れるコモンモードノイズ電流が低減される。
【0070】
図11には、降圧コンバータ28に容量CAおよびCBを設けた場合、および容量CAおよびCBを設けない場合について、変圧器36の一次巻線側に流れるコモンモードノイズ電流を測定した結果が示されている。横軸は周波数を示し、縦軸はデシベルスケールの電流値を示す。ただし、この測定結果は、容量CAおよびCBをMOSFETの実装構造によって実現したものではなく、コンデンサ素子によって実現したものである。図11の符号76で示される特性は容量CAおよびCBを設けた場合のコモンモードノイズ電流を示し、図11の符号78で示される特性は容量AおよびCBを設けない場合のコモンモードノイズ電流を示す。図11の測定結果から、FMラジオで使用される周波数帯FMにおいて、コモンモードノイズ電流が低減されることが明らかである。
【符号の説明】
【0071】
10 二次電池、12P,12N 電力ケーブル、14 回路基板、16P,16N パターン導体、18P,19P 正端子、18N,19N 負端子、20 電力変換回路、22P 正極負荷端子、22N 負極負荷端子、24 負荷回路、26 ノイズ電圧源、28 降圧コンバータ、30A,30B スイッチング素子組、32,33 上アームMOSFET、34,35 下アームMOSFET、36 変圧器、38 整流回路、40,42 整流ダイオード、44 平滑インダクタ、46 平滑キャパシタ、48 電圧出力端子、50 補機、52 スイッチング素子群、58 放熱板、60 ねじ穴、62 MOSFETチップ、64 ボンディングワイヤ、66 絶縁シート、68 ヒートシンク、70P,70N 電力ケーブルと回路基板との接続部、72 第1経路、74 第2経路、G ゲート端子、D ドレイン端子、S ソース端子、GL ゲート端子リード線、DL ドレイン端子リード線、SL ソース端子リード線、G0 ゲート電極、D0 ドレイン電極、S0 ソース電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両搭載機器に供給される電力をスイッチングにより制御する電力変換装置において、
それぞれが導電性の支持部材を備え、それぞれの1つの電極が共通電極として共通に接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子における前記支持部材と、前記第1スイッチング素子が配置される第1配置部材との間に設けられる第1絶縁シートと、
前記第2スイッチング素子における前記支持部材と、前記第2スイッチング素子が配置される第2配置部材との間に設けられる第2絶縁シートと、を備え、
前記第1スイッチング素子においては、その共通電極とは別の電極が前記第1スイッチング素子における前記支持部材に接続され、
前記第2スイッチング素子においては、その共通電極とは別の電極が前記第2スイッチング素子における前記支持部材に接続されている、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、
前記第1スイッチング素子における前記支持部材、前記第1絶縁シート、および前記1配置部材によって形成される第1容量と、
前記第2スイッチング素子における前記支持部材、前記第2絶縁シート、および前記2配置部材によって形成される第2容量とが、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子から発せられるコモンモードノイズを低減する回路の少なくとも一部を形成する、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電力変換装置において、
入力電圧が与えられる入力部から前記第1スイッチング素子における前記支持部材に至る第1経路と、前記第1容量と、前記入力部から前記第2スイッチング素子における前記支持部材に至る第2経路と、前記第2容量とが、前記入力部に発せられるコモンモードノイズを低減する回路の少なくとも一部を形成する、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子のそれぞれは、
前記支持部材としての放熱板と、
前記放熱板の板面に設けられた素子本体と、を備え、
前記第1絶縁シートおよび前記第2絶縁シートは、熱伝導性のシートであり、
前記第1絶縁シートは、前記第1スイッチング素子における前記放熱板の外面と前記第1配置部材との間に設けられ、
前記第2絶縁シートは、前記第2スイッチング素子における前記放熱板の外面と前記第2配置部材との間に設けられる、
ことを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置において、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子はMOSFETであり、
前記第1スイッチング素子のソース電極と、前記第2スイッチング素子のドレイン電極とが共通に接続され、
前記第1スイッチング素子においてはドレイン電極が前記支持部材に接続され、
前記第2スイッチング素子においてはソース電極が前記支持部材に接続されている、
ことを特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−34304(P2013−34304A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169047(P2011−169047)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】