説明

電力変換装置

【課題】交流電圧を直流電圧に変換し、当該直流電圧のレベルを調整可能な構成において、損失の低減および小型化を図ることが可能な電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置101において、昇降圧回路52は、整流回路51によって整流された電圧を直流電圧に変換して出力し、整流回路51によって整流された電圧をスイッチングするための降圧用スイッチ素子TR11と、整流回路51によって整流された電圧をスイッチングするための昇圧用スイッチ素子TR12とを含む。制御部14は、昇降圧回路52から出力される直流電圧、および整流回路51から昇降圧回路52へ流れる入力電流の誤差を示す制御電圧を生成し、制御電圧と降圧用三角波との比較結果に基づいて降圧用スイッチ素子TR11をスイッチングし、制御電圧と昇圧用三角波との比較結果に基づいて昇圧用スイッチ素子TR12をスイッチングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関し、特に、交流電圧を直流電圧に変換する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭の交流電力を用いて電気自動車(EV:Electric Vehicle)およびプラグイン方式のハイブリッドカー(HV:Hybrid Vehicle)等の駆動用の主電池を充電するための電力変換装置が開発されている。
【0003】
電気自動車およびプラグイン方式のハイブリッドカーの特長の一つは、家庭用コンセント等の外部電源を用いて主電池である車載バッテリを充電できることである。そして、AC100VまたはAC200Vの家庭用コンセントを用いて車載バッテリを充電するには、交流電圧(AC)をバッテリ用の直流電圧(DC)に変換するためのAC/DCコンバータが必要となる。
【0004】
AC/DCコンバータの一例として、たとえば、特許文献1(特開平10−304670号公報)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータにおいては、半導体スイッチおよびインダクタで電源を短絡してリアクトルに磁気エネルギーを蓄積し、スイッチオフ時に蓄積した磁気エネルギーを電流エネルギーに変換して、負荷側へ電流を供給する。
【0005】
このAC/DCコンバータでは、入力電圧である交流電圧のピーク値より出力電圧が大きくなる。たとえば、交流電圧の振幅が200Vの場合には、出力直流電圧のレベルは280V以上となる。このため、入力電圧の大きさによっては、負荷に過大な電圧が印加されてしまう場合がある。
【0006】
このような問題点を解決するために、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータにおいては、スイッチおよびリアクトルで整流回路の出力を短絡し、リアクトルの両端には、コンデンサおよび転流ダイオードが直列に接続されている。コンデンサは、スイッチオフによってリアクトルに発生した誘導起電力によって、転流ダイオードを経由して充電される。
【0007】
このAC/DCコンバータでは、スイッチを制御する信号のデューティ比を変えることにより、出力電圧の降圧および昇圧の両方が可能となり、出力電圧を任意のレベルに設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−304670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータでは、スイッチがオフ状態のとき、当該スイッチに入力電圧および出力電圧の和に相当する電圧が印加される。このため、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータと比べて、スイッチの耐圧を大きくする必要があり、当該スイッチのサイズが大きくなってしまう。また、リアクトルも同様に、その耐圧を大きくする必要があり、サイズが大きくなってしまう。さらに、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータと比べて、スイッチおよびリアクトルに流れる電流が大きくなるため、損失が大きくなり、効率が低下してしまう。
【0010】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、交流電圧を直流電圧に変換し、当該直流電圧のレベルを調整可能な構成において、損失の低減および小型化を図ることが可能な電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力変換装置は、交流電圧を直流電圧に変換するための電力変換装置であって、上記交流電圧を整流するための整流回路と、上記整流回路によって整流された電圧を直流電圧に変換して出力し、上記直流電圧のレベルを調整可能な昇降圧回路とを備え、上記昇降圧回路は、上記整流回路によって整流された電圧をスイッチングするための降圧用スイッチ素子と、上記整流回路によって整流された電圧をスイッチングするための昇圧用スイッチ素子とを含み、上記電力変換装置は、さらに、上記昇降圧回路から出力される上記直流電圧、および上記整流回路から上記昇降圧回路へ流れる入力電流の誤差を示す制御電圧を生成し、上記制御電圧と降圧用三角波との比較結果に基づいて上記降圧用スイッチ素子をスイッチングし、上記制御電圧と昇圧用三角波との比較結果に基づいて上記昇圧用スイッチ素子をスイッチングするための制御部を備える。
【0012】
このような構成により、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータと比べて、昇降圧回路におけるトランジスタ等の電気部品に印加される電圧を小さくすることができ、また、スイッチおよびリアクトルに流れる電流を小さくすることができる。したがって、スイッチおよびリアクトル等の電気部品における損失を低減して効率を向上し、かつリアクトル等の電気部品の小型化を図ることができる。
【0013】
好ましくは、上記制御部は、上記制御電圧と上記降圧用三角波との比較結果に基づいて、上記降圧用スイッチ素子をスイッチングするか否かを決定し、上記制御電圧と上記昇圧用三角波との比較結果に基づいて、上記昇圧用スイッチ素子をスイッチングするか否かを決定する。
【0014】
このように、制御電圧に応じて昇圧動作および降圧動作のオン・オフを切り替える構成により、昇降圧回路を適切に動作させることができる。
【0015】
好ましくは、上記降圧用三角波のレベルの最大値および最小値は、上記昇圧用三角波のレベルの最大値および最小値よりもそれぞれ大きい。
【0016】
このような構成により、降圧用三角波および昇圧用三角波のレベルを適切に設定し、昇降圧回路の動作を安定させることができる。
【0017】
より好ましくは、上記降圧用三角波のレベル範囲、および上記昇圧用三角波のレベル範囲は一部が重なり、かつ上記降圧用三角波および上記昇圧用三角波の位相および周期が同じである。
【0018】
このような構成により、降圧用三角波および昇圧用三角波のレベル、位相および周期を適切に設定し、昇降圧回路の動作をさらに安定させることができる。
【0019】
より好ましくは、上記降圧用三角波のレベルの最小値と上記昇圧用三角波のレベルの最大値とが等しい。
【0020】
このように、降圧用三角波の最小値と昇圧用三角波の最大値とを一致させる構成により、昇圧用三角波および降圧用三角波の形および位相の設定の自由度を増すことができる。
【0021】
より好ましくは、上記降圧用三角波および上記昇圧用三角波の波形は、最小値から最大値へレベルが徐々に上昇し、上記最大値に達すると上記最小値へレベルが徐々に下降する波形である。
【0022】
このような三角波を採用することにより、各回路のばらつきによって各三角波の位相が変動しても、昇降圧回路において短絡が生じることを防ぐことができる。また、各回路のばらつきによって各三角波のレベルが変動しても、昇降圧回路の動作が不安定になることを防ぐことができる。
【0023】
より好ましくは、上記降圧用三角波および上記昇圧用三角波の波形は、最大値からレベルが徐々に下降し、最小値に達すると上記最大値に切り替わる波形である。
【0024】
このような三角波を採用することにより、各回路のばらつきによって各三角波のレベルが変動しても、昇降圧回路の動作が不安定になることを防ぐことができる。
【0025】
より好ましくは、上記降圧用三角波および上記昇圧用三角波の波形は、最小値からレベルが徐々に上昇し、最大値に達すると上記最小値に切り替わる波形である。
【0026】
このような三角波を採用することにより、各回路のばらつきによって各三角波のレベルが変動しても、昇降圧回路の動作が不安定になることを防ぐことができる。
【0027】
好ましくは、上記電力変換装置は、さらに、入力側および出力側間を絶縁しながら、上記昇降圧回路から受けた直流電圧を負荷に伝達するための電力伝達用絶縁回路を備える。
【0028】
このような構成により、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータと比べて、昇降圧回路におけるトランジスタ等の電気部品に印加される電圧を小さくすることができ、また、スイッチおよびリアクトルに流れる電流を小さくすることができる。したがって、スイッチおよびリアクトル等の電気部品における損失を低減して効率を向上し、かつリアクトル等の電気部品の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、交流電圧を直流電圧に変換し、当該直流電圧のレベルを調整可能な構成において、損失の低減および小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電力変換装置における制御部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る電力変換装置における制御部が制御信号を生成する動作を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る制御部における各電圧の変化の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る制御部における各電圧の変化の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る制御部における各電圧の変化の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0032】
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置の構成を示す図である。
【0033】
図1を参照して、電力変換装置101は、整流回路51と、昇降圧回路52と、電力伝達用絶縁回路53と、制御部14とを備える。昇降圧回路52は、キャパシタC11,C12と、トランジスタTR11,TR12と、インダクタL11と、ダイオードD11,D12とを含む。電力伝達用絶縁回路53は、キャパシタC0,C1,C2と、入力スイッチ部21と、出力スイッチ部22とを含む。入力スイッチ部21は、トランジスタTR21,TR22を含む。出力スイッチ部22は、トランジスタTR23,TR24を含む。トランジスタTR11,TR12,TR21,TR22,TR23,TR24は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。なお、電力変換装置101において、これらの各トランジスタの代わりに他の種類のスイッチ素子を用いてもよい。
【0034】
電力変換装置101は、交流電源201から供給された交流電力を直流電力に変換して負荷202に供給する。負荷202は、たとえば、EVおよびプラグイン方式のHV等の駆動用の主電池である。
【0035】
昇降圧回路52において、トランジスタTR11は、制御部14からの制御信号G11を受けるゲートと、整流回路51に接続されたコレクタと、ダイオードD11のカソードおよびインダクタL11の第1端に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR12は、制御部14からの制御信号G12を受けるゲートと、インダクタL11の第2端およびダイオードD12のアノードに接続されたコレクタと、整流回路51、ダイオードD11のアノードおよびキャパシタC11の第2端に接続されたエミッタとを有する。キャパシタC12は、トランジスタTR11のコレクタに接続された第1端と、ダイオードD11のアノードに接続された第2端とを有する。ダイオードD12のカソードとキャパシタC11の第1端とが接続されている。
【0036】
電力伝達用絶縁回路53において、トランジスタTR21は、制御部14からの制御信号G1を受けるゲートと、昇降圧回路52のキャパシタC11の第2端およびダイオードD5のアノードに接続されたエミッタと、ダイオードD5のカソードおよびキャパシタC1の第1端に接続されたコレクタとを有する。トランジスタTR22は、制御部14からの制御信号G2を受けるゲートと、昇降圧回路52のキャパシタC11の第1端およびダイオードD6のカソードに接続されたコレクタと、ダイオードD6のアノードおよびキャパシタC1の第2端に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR23は、制御部14からの制御信号G3を受けるゲートと、ダイオードD7のカソードおよびキャパシタC2の第1端に接続されたコレクタと、ダイオードD7のアノードおよびキャパシタC1の第1端に接続されたエミッタとを有する。トランジスタTR24は、制御部14からの制御信号G4を受けるゲートと、ダイオードD8のカソードおよびキャパシタC1の第2端に接続されたコレクタと、ダイオードD8のアノードおよびキャパシタC2の第2端に接続されたエミッタとを有する。
【0037】
整流回路51は、たとえばダイオードブリッジを含み、交流電源201から供給される交流電圧を全波整流して昇降圧回路52へ出力する。
【0038】
昇降圧回路52は、整流回路51によって整流された電圧を直流電圧に変換する。昇降圧回路52は、昇圧動作および降圧動作を行なうことにより、当該直流電圧のレベルを調整可能である。
【0039】
昇降圧回路52において、降圧用スイッチ素子であるトランジスタTR11、インダクタL11、ダイオードD11およびキャパシタC11によって降圧回路が構成され、昇圧用スイッチ素子であるトランジスタTR12、インダクタL11、ダイオードD12およびキャパシタC11によって昇圧回路が構成される。また、キャパシタC12により、昇降圧回路52への入力電流のリップルが抑制される。
【0040】
より詳細には、昇降圧回路52において、トランジスタTR11は、たとえばトランジスタTR12のオフ状態において、整流回路51によって整流された電圧をスイッチングする。インダクタL11は、トランジスタTR11がオンしたときに電流を増加させてエネルギーを蓄積する。そして、トランジスタTR11がオフしたときに、インダクタL11に蓄積されたエネルギーがダイオードD12を通してキャパシタC11へ放出され、キャパシタC11が充電される。
【0041】
また、トランジスタTR12は、たとえばトランジスタTR11のオン状態において、整流回路51によって整流された電圧をスイッチングする。インダクタL11は、トランジスタTR12がオンしたときに電流を増加させてエネルギーを蓄積する。そして、トランジスタTR12がオフしたときに、インダクタL11に蓄積されたエネルギーがダイオードD12を通してキャパシタC11へ放出され、キャパシタC11が充電される。
【0042】
制御部14は、制御信号G11,G12をトランジスタTR11およびTR12にそれぞれ出力することにより、トランジスタTR11およびTR12のスイッチングを制御する。これにより、昇降圧回路52は、ダイオードD1から受けた電圧を直流電圧に変換するとともに昇圧または降圧する。
【0043】
ここで、昇降圧回路52の降圧動作において、昇降圧回路52の入力電圧をVinとし、出力電圧をVoutとし、トランジスタTR11のデューティ比をDとすると、出力電圧Voutは以下のように表される。
Vout=D×Vin
【0044】
また、昇降圧回路52の昇圧動作において、昇降圧回路52の入力電圧をVinとし、出力電圧をVoutとし、トランジスタTR12のデューティ比をDとすると、出力電圧Voutは以下のように表される。
Vout={1/(1−D)}×Vin
【0045】
これらの式から分かるように、昇降圧回路52は、デューティ比の設定次第で、入力電圧よりも高い出力電圧および低い出力電圧のいずれを得ることも可能である。すなわち、Vin<VoutおよびVin>Voutの両方を実現することができる。
【0046】
また、昇降圧回路52は、力率改善回路としての機能も有している。すなわち、トランジスタTR11およびTR12は、制御部14により、昇降圧回路52の入力電圧の位相と入力電流の位相とを合わせるようにそれぞれ制御される。
【0047】
電力伝達用絶縁回路53は、入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路52から受けた電力を伝達する。
【0048】
より詳細には、入力スイッチ部21は、昇降圧回路52において昇圧または降圧された電力すなわちキャパシタC11およびC0に蓄えられた電力をトランジスタTR21のエミッタおよびトランジスタTR22のコレクタにおいて受けて、キャパシタC1に供給する。出力スイッチ部22は、キャパシタC1に蓄えられた電力をキャパシタC2に供給する。キャパシタC2に蓄えられた電力は、放電されて負荷202へ出力される。
【0049】
制御部14は、制御信号G1〜G4をトランジスタTR21〜TR24にそれぞれ出力することにより、トランジスタTR21〜TR24のオンおよびオフをそれぞれ切り替える。電力伝達用絶縁回路53は、制御部14のスイッチ制御により、昇降圧回路52および負荷202間を絶縁しながら、昇降圧回路52から受けた電力を負荷202に伝達する。
【0050】
また、制御部14は、昇降圧回路52から出力される直流電圧、および整流回路51から昇降圧回路52へ流れる入力電流の誤差を示す制御電圧を生成し、制御電圧と降圧用三角波との比較結果に基づいてトランジスタTR11をスイッチングし、制御電圧と昇圧用三角波との比較結果に基づいてトランジスタTR12をスイッチングする。
【0051】
より詳細には、制御部14は、制御電圧と降圧用三角波との比較結果に基づいて、トランジスタTR11をスイッチングするか否かを決定し、制御電圧と昇圧用三角波との比較結果に基づいて、トランジスタTR12をスイッチングするか否かを決定する。
【0052】
たとえば、入力電圧Vin<出力電圧Voutの場合には、トランジスタTR11がオンし、トランジスタTR12がPWM制御される。一方、入力電圧Vin>出力電圧Voutの場合には、トランジスタTR11がPWM制御され、トランジスタTR12がオフする。
【0053】
図2は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置における制御部の構成を示す図である。
【0054】
図2を参照して、電力変換装置101は、さらに、三角波発振回路15と、抵抗R11とを備える。制御部14は、差動増幅器31と、乗算器32と、加算器33と、差動増幅器34と、比較器35,36と、バッファ37,38と、抵抗R12,R13とを含む。
【0055】
キャパシタC12は、トランジスタTR11のコレクタに接続された第1端と、第2端とを有する。抵抗R11は、ダイオードD11のアノードとキャパシタC12の第2端との間に接続され、昇降圧回路52の入力電流Iinを検出するために設けられる。
【0056】
三角波発振回路15は、たとえば最小レベルが2.5V、最大レベルが4Vの降圧用三角波を生成し、比較器35の非反転入力端子へ出力する。また、三角波発振回路15は、たとえば最小レベルが1V、最大レベルが2.5Vの昇圧用三角波を生成し、比較器36の非反転入力端子へ出力する。
【0057】
抵抗R12および抵抗R13で構成される分圧回路は、昇降圧回路52の出力電圧Voutを分圧して差動増幅器31の反転入力端子へ出力する。
【0058】
差動増幅器31は、誤差増幅器として機能し、反転入力端子において受けた分圧電圧と非反転入力端子において受けた出力基準電圧Vrefとの差を増幅し、差動増幅電圧ERVを出力する。
【0059】
乗算器32は、昇降圧回路52の入力電圧Vinと差動増幅電圧ERVとを乗算し、乗算結果を示す電圧MOUTを加算器33へ出力する。
【0060】
加算器33は、昇降圧回路52の入力電流Iinを示す抵抗R11における電圧と電圧MOUTとを加算し、加算結果を示す電圧を差動増幅器34の反転入力端子へ出力する。
【0061】
差動増幅器34は、誤差増幅器として機能し、反転入力端子において加算器33から受けた電圧と非反転入力端子において受けた電流基準電圧との差を増幅し、差動増幅電圧ERIを出力する。
【0062】
比較器35は、差動増幅電圧ERIと降圧用三角波とを比較し、比較結果を示す制御信号G11を、バッファ37経由でトランジスタTR11のゲートへ出力する。
【0063】
比較器36は、差動増幅電圧ERIと昇圧用三角波とを比較し、比較結果を示す制御信号G12を、バッファ38経由でトランジスタTR12のゲートへ出力する。
【0064】
制御部14は、制御信号G11および制御信号G12を生成してトランジスタTR11およびTR12をそれぞれPWM制御することにより、昇降圧回路52の出力電圧Voutを一定に保ち、かつ昇降圧回路52の入力電流および出力電流を同位相とするためのフィードバック制御を行なう。
【0065】
[動作]
次に、本発明の実施の形態に係る昇降圧回路の動作について図面を用いて説明する。
【0066】
図3は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置における制御部が制御信号を生成する動作を示す図である。
【0067】
図3を参照して、差動増幅電圧ERIのレベルが降圧用三角波より小さい場合には制御信号G11が論理ハイレベルとなり、大きい場合には論理ローレベルとなる。トランジスタTR11は、論理ハイレベルの制御信号G11を受けてオンし、論理ローレベルの制御信号G11を受けてオフする。
【0068】
制御信号G11が論理ハイレベルおよび論理ローレベルを繰り返すことにより、昇降圧回路52において降圧動作が行われる。
【0069】
また、差動増幅電圧ERIのレベルが昇圧用三角波より小さい場合には制御信号G12が論理ハイレベルとなり、大きい場合には論理ローレベルとなる。トランジスタTR12は、論理ハイレベルの制御信号G12を受けてオンし、論理ローレベルの制御信号G12を受けてオフする。
【0070】
制御信号G12が論理ハイレベルおよび論理ローレベルを繰り返すことにより、昇降圧回路52において昇圧動作が行われる。
【0071】
降圧用三角波のレベルの最大値および最小値は、昇圧用三角波のレベルの最大値および最小値よりもそれぞれ大きい。そして、降圧用三角波のレベルの最小値と昇圧用三角波のレベルの最大値とが等しい。
【0072】
このように、降圧用三角波の最小値と昇圧用三角波の最大値とを一致させる構成により、昇圧用三角波および降圧用三角波の形および位相の設定の自由度を増すことができる。
【0073】
また、昇圧用三角波および降圧用三角波は同位相である。これにより、三角波発振回路15において、昇圧用三角波および降圧用三角波の一方を生成する回路と、一方の三角波のレベルをシフトして他方の三角波を生成する回路とを設ければよくなることから、三角波発振回路15の構成の簡易化を図ることができる。
【0074】
図4は、本発明の実施の形態に係る制御部における各電圧の変化の一例を示す図である。
【0075】
図4を参照して、タイミングtaにおいて、負荷電流、すなわち負荷202の消費電流が大きくなると、出力電圧Voutが低下する。そうすると、差動増幅電圧ERVが大きくなり、電圧MOUTが大きくなり、差動増幅電圧ERIが小さくなる。これにより、降圧用の制御信号G11のデューティ比が大きくなり、昇圧用の制御信号G12のデューティ比が大きくなるため、出力電圧Voutが上昇する。
【0076】
図5は、本発明の実施の形態に係る制御部における各電圧の変化の一例を示す図である。
【0077】
図5を参照して、タイミングtbにおいて、負荷電流、すなわち負荷202の消費電流が小さくなると、出力電圧Voutが上昇する。そうすると、差動増幅電圧ERVが小さくなり、電圧MOUTが小さくなり、差動増幅電圧ERIが大きくなる。これにより、降圧用の制御信号G11のデューティ比が小さくなり、昇圧用の制御信号G12のデューティ比が小さくなるため、出力電圧Voutが低下する。
【0078】
図6は、本発明の実施の形態に係る制御部における各電圧の変化の一例を示す図である。
【0079】
図6を参照して、電力変換装置101の電源投入時においては、出力電圧Voutのレベルが小さいことから、差動増幅電圧ERVが大きくなり、電圧MOUTが大きくなり、差動増幅電圧ERIが小さくなる。これにより、降圧用の制御信号G11のデューティ比が大きくなり、昇圧用の制御信号G12のデューティ比が大きくなるため、出力電圧Voutが上昇する。出力電圧Voutが所定値に達すると、差動増幅電圧ERVが小さくなり、出力電圧Voutが上昇しなくなる。
【0080】
図7は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【0081】
図7を参照して、昇圧用三角波および降圧用三角波の波形を山形とし、両波の位相および周期を異ならせ、かつ両波の一部をオーバラップさせる。
【0082】
このような三角波を採用した場合には、昇圧用のスイッチ素子であるトランジスタTR12がオン状態のときに、降圧用のスイッチ素子であるトランジスタTR11がオフする可能性があり、この場合、リアクトルL11の電流に関して回路が短絡状態となってしまう。
【0083】
図8は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【0084】
図8を参照して、昇圧用三角波および降圧用三角波の波形を山形とし、両波はオーバラップさせない。
【0085】
このような三角波を採用した場合には、差動増幅電圧ERIのレベルが昇圧用三角波の最大値および降圧用三角波の最小値の間にあるとき、昇降圧回路52において昇圧動作および降圧動作のいずれも行われないので、動作が不安定となる。
【0086】
図9は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【0087】
図9を参照して、昇圧用三角波および降圧用三角波の波形を山形とし、両波の一部をオーバラップさせる。
【0088】
すなわち、降圧用三角波のレベル範囲、および昇圧用三角波のレベル範囲は一部が重なり、かつ降圧用三角波および昇圧用三角波の位相および周期が同じである。そして、降圧用三角波および昇圧用三角波の波形は、最小値から最大値へレベルが徐々に上昇し、最大値に達すると最小値へレベルが徐々に下降する波形である。
【0089】
このような三角波を採用することにより、各回路のばらつきによって各三角波の位相が変動しても、図7に示す三角波のように昇降圧回路52において短絡が生じることを防ぐことができる。また、各回路のばらつきによって各三角波のレベルが変動しても、図8に示す三角波のように昇降圧回路52の動作が不安定になることを防ぐことができる。
【0090】
図10は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【0091】
図10を参照して、昇圧用三角波および降圧用三角波の波形を、レベルが徐々に下降するのこぎり形とし、両波の一部をオーバラップさせる。
【0092】
すなわち、降圧用三角波のレベル範囲、および昇圧用三角波のレベル範囲は一部が重なり、かつ降圧用三角波および昇圧用三角波の位相および周期が同じである。そして、降圧用三角波および昇圧用三角波の波形は、最大値からレベルが徐々に下降し、最小値に達すると最大値に切り替わる波形である。
【0093】
このような三角波を採用することにより、各回路のばらつきによって各三角波のレベルが変動しても、図8に示す三角波のように昇降圧回路52の動作が不安定になることを防ぐことができる。
【0094】
一方、各回路のばらつきによって各三角波の位相が変動すると、図7に示す三角波のように昇降圧回路52において短絡が生じる可能性がある。このため、図9に示す波形の方が好ましい。
【0095】
図11は、本発明の実施の形態に係る電力変換装置における三角波および制御信号の他の例を示す図である。
【0096】
図11を参照して、昇圧用三角波および降圧用三角波の波形を、レベルが徐々に上昇するのこぎり形とし、両波の一部をオーバラップさせる。
【0097】
すなわち、降圧用三角波のレベル範囲、および昇圧用三角波のレベル範囲は一部が重なり、かつ降圧用三角波および昇圧用三角波の位相および周期が同じである。そして、降圧用三角波および昇圧用三角波の波形は、最小値からレベルが徐々に上昇し、最大値に達すると最小値に切り替わる波形である。
【0098】
このような三角波を採用することにより、各回路のばらつきによって各三角波のレベルが変動しても、図8に示す三角波のように昇降圧回路52の動作が不安定になることを防ぐことができる。
【0099】
一方、昇圧用のスイッチ素子であるトランジスタTR12がオフするタイミングで降圧用のスイッチ素子であるトランジスタTR11がオフすることから、昇降圧回路52において純粋な昇圧動作が行われず、リアクトルL11における電流変化が大きくなる。このため、図9および図10に示す三角波の方が好ましい。
【0100】
次に、本発明の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路が電力伝達を行なう際の動作について図面を用いて説明する。
【0101】
図12は、本発明の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路によるスイッチング動作を示す図である。
【0102】
図12を参照して、まず、制御部14は、期間T1において、トランジスタTR21をオンし、トランジスタTR22をオンし、トランジスタTR23をオフし、トランジスタTR24をオフする。これにより、キャパシタC11およびキャパシタC0に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC1に蓄えられる。トランジスタTR23およびTR24がオフされていることにより、昇降圧回路52および負荷202間の絶縁が確保される。
【0103】
次に、制御部14は、期間T2において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、電力伝達用絶縁回路53の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。すなわち、入力スイッチ部21における各スイッチおよび出力スイッチ部22における各スイッチを介して電力伝達用絶縁回路53の入力側および出力側間、すなわち昇降圧回路52および負荷202間が短絡することを防ぐことができる。
【0104】
次に、制御部14は、期間T3において、トランジスタTR21をオフし、トランジスタTR22をオフし、トランジスタTR23をオンし、トランジスタTR24をオンする。これにより、キャパシタC1に蓄えられた電荷が放電され、放電された電荷がキャパシタC2に蓄えられる。トランジスタTR21およびTR22がオフされていることにより、昇降圧回路52および負荷202間の絶縁が確保される。
【0105】
次に、制御部14は、期間T4において、トランジスタTR21〜TR24をオフする。これにより、期間T2と同様に、電力伝達用絶縁回路53の入力側および出力側間の絶縁を確保するためのデッドタイムが設けられる。
【0106】
ここで、期間T1〜T4において、キャパシタC0は昇降圧回路52において昇圧または降圧された電力により充電されており、また、キャパシタC2に蓄えられた電力は放電されて負荷202へ出力されている。また、期間T2およびT4においては、キャパシタC1における電荷の移動はない。
【0107】
そして、制御部14は、これら期間T1、期間T2、期間T3および期間T4をこの順番で繰り返すことにより、電力伝達用絶縁回路53の入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路52からの電力すなわち直流電圧を負荷202に伝達する。
【0108】
ところで、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータでは、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータと比べて、スイッチの耐圧を大きくする必要があり、当該スイッチのサイズが大きくなってしまう。また、リアクトルも同様に、その耐圧を大きくする必要があり、サイズが大きくなってしまう。さらに、特許文献1の図4bに示される昇圧方式のAC/DCコンバータと比べて、スイッチおよびリアクトルに流れる電流が大きくなるため、損失が大きくなり、効率が低下してしまう。
【0109】
これに対して、本発明の実施の形態に係る電力変換装置では、昇降圧回路52は、整流回路51によって整流された電圧をスイッチングするための降圧用スイッチ素子であるトランジスタTR11と、整流回路51によって整流された電圧をスイッチングするための昇圧用スイッチ素子であるトランジスタTR12とを含む。そして、制御部14は、昇降圧回路52から出力される直流電圧、および整流回路51から昇降圧回路52へ流れる入力電流の誤差を示す制御電圧を生成し、制御電圧と降圧用三角波との比較結果に基づいてトランジスタTR11をスイッチングし、制御電圧と昇圧用三角波との比較結果に基づいてトランジスタTR12をスイッチングする。
【0110】
このような構成により、特許文献1の図4cに示される昇降圧方式のAC/DCコンバータと比べて、昇降圧回路におけるトランジスタ等の電気部品に印加される電圧を小さくすることができ、また、スイッチおよびリアクトルに流れる電流を小さくすることができる。したがって、スイッチおよびリアクトル等の電気部品における損失を低減して効率を向上し、かつリアクトル等の電気部品の小型化を図ることができる。
【0111】
また、本発明の実施の形態に係る電力変換装置では、制御部14は、制御電圧と降圧用三角波との比較結果に基づいて、トランジスタTR11をスイッチングするか否かを決定し、制御電圧と昇圧用三角波との比較結果に基づいて、トランジスタTR12をスイッチングするか否かを決定する。
【0112】
このように、制御電圧に応じて昇圧動作および降圧動作のオン・オフを切り替える構成により、昇降圧回路を適切に動作させることができる。
【0113】
また、本発明の実施の形態に係る電力変換装置では、降圧用三角波のレベルの最大値および最小値は、昇圧用三角波のレベルの最大値および最小値よりもそれぞれ大きい。
【0114】
このような構成により、降圧用三角波および昇圧用三角波のレベルを適切に設定し、昇降圧回路の動作を安定させることができる。
【0115】
また、本発明の実施の形態に係る電力変換装置では、降圧用三角波のレベル範囲、および昇圧用三角波のレベル範囲は一部が重なり、かつ降圧用三角波および昇圧用三角波の位相および周期が同じである。
【0116】
このような構成により、降圧用三角波および昇圧用三角波のレベル、位相および周期を適切に設定し、昇降圧回路の動作をさらに安定させることができる。
【0117】
また、本発明の実施の形態に係る電力変換装置では、電力伝達用絶縁回路53は、入力側および出力側間を絶縁しながら、昇降圧回路52から受けた直流電圧を負荷202に伝達する。
【0118】
このような構成により、大きな容積を占める電源トランスを使用することなく交流電圧を直流電圧に変換し、かつ交流電源側と負荷側とを電気的に絶縁することができる。
【0119】
なお、本発明の実施の形態に係る電力変換装置は、電力伝達用絶縁回路53を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。電力変換装置101が電力伝達用絶縁回路53を備えない構成であっても、入力電圧および出力電圧の調整範囲が広い、力率改善に対応したAC/DCコンバータ、およびEV等の充電器を提供することが可能である。
【0120】
また、本発明の実施の形態に係る電力変換装置において、「インダクタ」は、リアクトルのような大型の部品も含むものとする。
【0121】
また、電力伝達用絶縁回路53は、キャパシタC0を備えない構成であってもよい。ただし、キャパシタC0を設けることにより、電力伝達用絶縁回路53への入力電流のリップルを防ぎ、回路動作の安定化を図るという効果が得られる。
【0122】
また、本発明の実施の形態に係る電力伝達用絶縁回路は、キャパシタC0〜C2を備える構成であるとしたが、キャパシタに限らず、コイル(インダクタ)等の他の蓄電素子を備える構成であってもよい。
【0123】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0124】
14 制御部
15 三角波発振回路
21 入力スイッチ部
22 出力スイッチ部
31 差動増幅器
32 乗算器
33 加算器
34 差動増幅器
35,36 比較器
37,38 バッファ
51 整流回路
52 昇降圧回路
53 電力伝達用絶縁回路
101 電力変換装置
201 交流電源
202 負荷
C0,C1,C2,C11,C12 キャパシタ
D11,D12 ダイオード
TR11 トランジスタ(降圧用スイッチ素子)
TR12 トランジスタ(昇圧用スイッチ素子)
L11 インダクタ
TR21,TR22,TR23,TR24 トランジスタ
R11,R12,R13 抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を直流電圧に変換するための電力変換装置であって、
前記交流電圧を整流するための整流回路と、
前記整流回路によって整流された電圧を直流電圧に変換して出力し、前記直流電圧のレベルを調整可能な昇降圧回路とを備え、
前記昇降圧回路は、
前記整流回路によって整流された電圧をスイッチングするための降圧用スイッチ素子と、
前記整流回路によって整流された電圧をスイッチングするための昇圧用スイッチ素子とを含み、
前記電力変換装置は、さらに、
前記昇降圧回路から出力される前記直流電圧、および前記整流回路から前記昇降圧回路へ流れる入力電流の誤差を示す制御電圧を生成し、前記制御電圧と降圧用三角波との比較結果に基づいて前記降圧用スイッチ素子をスイッチングし、前記制御電圧と昇圧用三角波との比較結果に基づいて前記昇圧用スイッチ素子をスイッチングするための制御部を備える、電力変換装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記制御電圧と前記降圧用三角波との比較結果に基づいて、前記降圧用スイッチ素子をスイッチングするか否かを決定し、前記制御電圧と前記昇圧用三角波との比較結果に基づいて、前記昇圧用スイッチ素子をスイッチングするか否かを決定する、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記降圧用三角波のレベルの最大値および最小値は、前記昇圧用三角波のレベルの最大値および最小値よりもそれぞれ大きい、請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記降圧用三角波のレベル範囲、および前記昇圧用三角波のレベル範囲は一部が重なり、かつ前記降圧用三角波および前記昇圧用三角波の位相および周期が同じである、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記降圧用三角波のレベルの最小値と前記昇圧用三角波のレベルの最大値とが等しい、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記降圧用三角波および前記昇圧用三角波の波形は、最小値から最大値へレベルが徐々に上昇し、前記最大値に達すると前記最小値へレベルが徐々に下降する波形である、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記降圧用三角波および前記昇圧用三角波の波形は、最大値からレベルが徐々に下降し、最小値に達すると前記最大値に切り替わる波形である、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記降圧用三角波および前記昇圧用三角波の波形は、最小値からレベルが徐々に上昇し、最大値に達すると前記最小値に切り替わる波形である、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記電力変換装置は、さらに、
入力側および出力側間を絶縁しながら、前記昇降圧回路から受けた直流電圧を負荷に伝達するための電力伝達用絶縁回路を備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−5644(P2013−5644A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136102(P2011−136102)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【Fターム(参考)】