電力量計
【課題】電流端子およびベース側固定端子の製作誤差等々により両者間において接触不良が発生する可能性があるという課題があった。
【解決手段】電圧を検出するプラグ端子4および端子台6に設けられた電流を検出する電流端子5を有する電力量計測ユニット2と、プラグ端子4が挿着される計器ベース1に設けられたコンセント端子18と、電流端子5が端子ねじ8により接続される計器ベース1に設けられたベース側固定端子7とを備えた電力量計100において、端子台6は凹形状部22を有し、凹形状部22に遊嵌状態で嵌合されるように電流端子5に凸形状部23を設けたものである。
【解決手段】電圧を検出するプラグ端子4および端子台6に設けられた電流を検出する電流端子5を有する電力量計測ユニット2と、プラグ端子4が挿着される計器ベース1に設けられたコンセント端子18と、電流端子5が端子ねじ8により接続される計器ベース1に設けられたベース側固定端子7とを備えた電力量計100において、端子台6は凹形状部22を有し、凹形状部22に遊嵌状態で嵌合されるように電流端子5に凸形状部23を設けたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電流と電圧を入力し、電力量を計測する電子式電力量計に関するものであり、特に電力量計における電力量計測ユニットの取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子式電力量計としては、例えば、特開2006−292442号公報に示されたものがあり、電力量計測ユニットの電圧を計測する電極(プラグ端子)が計器ベースに設けられた電極挿入部(コンセント端子)に挿着されている。
【0003】
また、電力量計測ユニットの電流を計測する電流端子は、計器ベースに固定されたベース側固定端子に端子ねじにより接合される。電流端子は、例えば、特開2003−28897号公報に示されるような構造が適用されている。すなわち、端子台の端子隔壁間に設けられた端子用凹部に電流端子が配置されるように構成される。
【0004】
そして、電極(プラグ端子)および電流端子がそれぞれ接続された電力量計測ユニットは、計器ベースにユニット固定ねじにより固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−292442号公報
【特許文献2】特開2003−28897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の電力量計においては、電力量計測ユニットの電流端子および計器ベースのベース側固定端子ともに固定された状態であり、この状態で端子ねじにより締付けて接合したとしても、必ずしも安定した接合状態を得ることができるとは限らない。すなわち、電流端子およびベース側固定端子の製作誤差等々により両者間において接触不良(接触抵抗が高いもの)が発生する可能性があるという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で電流端子およびベース側固定端子の安定した接合状態を得ることができる電力量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係わる電力量計は、電圧を検出するプラグ端子および端子台に設けられた電流を検出する電流端子を有する電力量計測ユニットと、前記プラグ端子が挿着される計器ベースに設けられたコンセント端子と、前記電流端子が端子ねじにより接続される前記計器ベースに設けられたベース側固定端子とを備えた電力量計において、前記端子台は凹形状部を有し、前記凹形状部に遊嵌状態で嵌合されるように前記電流端子に凸形状部を設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係わる電力量計は、簡単な構成で電流端子およびベース側固定端子の安定した接合状態とすることができる電力量計を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す展開斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係わる電力量計における電力量計測ユニットを示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係わる電力量計における電力量計測ユニットを示す背面斜視図である。
【0011】
【図5】この発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す図3のA−A線における断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す図3のB−B線における断面図である。
【0012】
【図7】この発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1ないし図6に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す斜視図である。図2はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す展開斜視図である。図3はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計における電力量計測ユニットを示す斜視図である。図4はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計における電力量計測ユニットを示す背面斜視図である。図5はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す図3のA−A線における断面図である。図6はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す図3のB−B線における断面図である。
【0014】
これら各図において、100は電子式の電力量計であり、当該実施例は三相三線式の場合を示している。1は電力量計100の基台となる計器ベース、2はこの計器ベース1に設けられたユニット収納部1a(図2)にユニット保持台2aが収納配置される電力量計測ユニットである。この電力量計測ユニット2は、電力量表示部3と、各相の電圧を計測するためのプラグ端子4(図4)と、各相の電流を計測するための電流端子5を有している。
【0015】
電流端子5は端子台6に保持されるように構成されるが、詳細については後述する。電流端子5を計器ベース1に設けられたベース側固定端子7に接合させる端子ねじ8は端子ねじ挿入部9にワッシャ10を介して挿入され、電流端子5の貫通孔5aを貫通してベース側固定端子7の雌ねじ孔7a(図2、図7、図8)に螺入される。端子ねじ8を電流端子5の貫通孔5a(図5、図6)に貫通してベース側固定端子7の雌ねじ孔7aに螺入して締付けることにより、電流端子5とベース側固定端子7とが接合される。
【0016】
電力量計測ユニット2には、その電力量計測ユニット2を計器ベース1に設けられたユニット取付金具11に固定するためのユニット取付部12(図2)が設けられている。そのユニット取付部12にユニット固定ねじ13を挿着し、ユニット取付金具11に螺着されて電力量計測ユニット2を計器ベース1に固定する。
【0017】
電力量計測ユニット2を覆う透明な材料で形成された計器カバー14は、計器ベース1のカバー取付金具15に取り付けられる。計器カバー14に設けたカバー取付部16にカバー取付ねじ17を挿着し、カバー取付金具15に螺着されて計器カバー14を計器ベース1に固定する。
【0018】
計器ベース1には、電力量計測ユニット2のプラグ端子4が差し込まれて接続されるコンセント端子18が設けられている。そして、ベース側固定端子7相互間には隔壁19が設けられている。また、電源側負荷端子20が配設された端子箱21が取り付けられている。
【0019】
ところで、電流端子5と端子台6との保持状態については、次のような構成となっている。すなわち、図3のA−A線における断面図である図5に示すように、端子台6には凹形状部22が形成され、電流端子5には端子台6に設けられた凹形状部22に遊嵌状態で嵌合されるように凸形状部23が形成されている。
【0020】
図5に示すように、電流端子5の凸形状部23は、端子台6の凹形状部22内において、Z1方向あるいはZ2方向に遊嵌状態で移動可能であり、X1方向あるいはX2方向に遊嵌状態で移動可能である。
【0021】
また、図3のB−B線における断面図である図6に示すように、電流端子5の凸形状部23は、端子台6の凹形状部22内において、Z1方向あるいはZ2方向に遊嵌状態で移動可能であり、Y1方向あるいはY2方向に遊嵌状態で移動可能である。また、電流端子5の電力量計測ユニット2内部側の電流端子接続片24は電力量計測ユニット2の内部導体25に接続されており、この内部導体25は例えば拠り線により構成された可撓性を有するものである。
【0022】
以上のように構成された実施の形態1における電力量計においては、端子台6に設けられた凹形状部22と、端子台6に設けられた凹形状部22に遊嵌状態で嵌合されるように電流端子5に設けられた凸形状部23とを設けたことにより、電流端子5は、Z1方向あるいはZ2方向、X1方向あるいはX2方向、Y1方向あるいはY2方向に遊嵌状態で移動可能に構成されているので、電流端子5およびベース側固定端子7の製作誤差が生じたとしても、電流端子5をその貫通孔5aがベース側固定端子7の雌ねじ孔7aに合致する方向へ移動させることができ、その状態で端子ねじ8を電流端子5の貫通孔5aに貫通してベース側固定端子7の雌ねじ孔7aに螺入して締付けることにより、電流端子5とベース側固定端子7とを安定した状態で接合させることができ、信頼性の高い電力量計を得ることができる。なお、電流端子5はY1方向に嵌挿される。
【0023】
また、電力量計測ユニット2にユニット保持台2aを設けたことにより、その電力量計測ユニット2だけを組み立てあるいは保守などにより、計器ベース1外に置く場合、ユニット保持台2aによって安定して置くことができ、転倒などによる損傷を未然に防止することができる。
【0024】
さらに、電力量計測ユニット2にユニット保持台2aを設け、計器ベース1にユニット収納部1aを設けたことにより、電力量計測ユニット2のユニット保持台2aを計器ベース1のユニット収納部1aに収納することによって電力量計測ユニット2の位置決めを行なうことができ、組み立て性の向上を図ることができる。
【0025】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2を図7および図8に基づいて説明する。図7はこの発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。図8はこの発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【0026】
電流端子5とベース側固定端子7とは当接されるが、一般的には電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとは同じ幅に設定される。電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとが同じ幅の場合、電流端子5の当接面幅aに多少のバラツキがあったり、電流端子5が多少幅方向に移動した場合には、電流端子5とベース側固定端子7との当接面積が減少することになり、電流端子5とベース側固定端子7とは確実に安定した状態での接合が得られないことが想定される。
【0027】
そこで、この実施の形態2においては、図7および図8に示すように、電流端子5の当接面がベース側固定端子7の当接面より大きく形成した場合を示している。
【0028】
すなわち、この実施の形態2によれば、例えば、電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとの関係をa>bとしたことにより、電流端子5の当接面幅aに多少のバラツキがあったり、電流端子5が多少幅方向に移動したとしても、電流端子5とベース側固定端子7とを確実に安定した状態で接合させることができ、上述した実施の形態1よりもさらに信頼性の高い電力量計を得ることができる。
【0029】
なお、上記実施の形態2では、電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとの関係をa>bとしたが、図9および図10に示すように、電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとの関係をa<bとしても良い。
【0030】
すなわち、電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとの関係をa<bとしたことにより、電流端子5の当接面幅aに多少のバラツキがあったり、電流端子5が多少幅方向に移動したとしても、電流端子5とベース側固定端子7とを確実に安定した状態で接合させることができ、上述した実施の形態2と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、簡単な構成で電流端子およびベース側固定端子の安定した接合状態とすることができる電力量計の実現に好適である。
【符号の説明】
【0032】
1 計器ベース
2 電力量計測ユニット
4 プラグ端子
5 電流端子
6 端子台
7 ベース側固定端子
8 端子ねじ
18 コンセント端子
22 凹形状部
23 凸形状部
100 電力量計
【技術分野】
【0001】
この発明は、電流と電圧を入力し、電力量を計測する電子式電力量計に関するものであり、特に電力量計における電力量計測ユニットの取り付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子式電力量計としては、例えば、特開2006−292442号公報に示されたものがあり、電力量計測ユニットの電圧を計測する電極(プラグ端子)が計器ベースに設けられた電極挿入部(コンセント端子)に挿着されている。
【0003】
また、電力量計測ユニットの電流を計測する電流端子は、計器ベースに固定されたベース側固定端子に端子ねじにより接合される。電流端子は、例えば、特開2003−28897号公報に示されるような構造が適用されている。すなわち、端子台の端子隔壁間に設けられた端子用凹部に電流端子が配置されるように構成される。
【0004】
そして、電極(プラグ端子)および電流端子がそれぞれ接続された電力量計測ユニットは、計器ベースにユニット固定ねじにより固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−292442号公報
【特許文献2】特開2003−28897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の電力量計においては、電力量計測ユニットの電流端子および計器ベースのベース側固定端子ともに固定された状態であり、この状態で端子ねじにより締付けて接合したとしても、必ずしも安定した接合状態を得ることができるとは限らない。すなわち、電流端子およびベース側固定端子の製作誤差等々により両者間において接触不良(接触抵抗が高いもの)が発生する可能性があるという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で電流端子およびベース側固定端子の安定した接合状態を得ることができる電力量計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係わる電力量計は、電圧を検出するプラグ端子および端子台に設けられた電流を検出する電流端子を有する電力量計測ユニットと、前記プラグ端子が挿着される計器ベースに設けられたコンセント端子と、前記電流端子が端子ねじにより接続される前記計器ベースに設けられたベース側固定端子とを備えた電力量計において、前記端子台は凹形状部を有し、前記凹形状部に遊嵌状態で嵌合されるように前記電流端子に凸形状部を設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係わる電力量計は、簡単な構成で電流端子およびベース側固定端子の安定した接合状態とすることができる電力量計を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す展開斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係わる電力量計における電力量計測ユニットを示す斜視図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係わる電力量計における電力量計測ユニットを示す背面斜視図である。
【0011】
【図5】この発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す図3のA−A線における断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す図3のB−B線における断面図である。
【0012】
【図7】この発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1ないし図6に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す斜視図である。図2はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す展開斜視図である。図3はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計における電力量計測ユニットを示す斜視図である。図4はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計における電力量計測ユニットを示す背面斜視図である。図5はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す図3のA−A線における断面図である。図6はこの発明の実施の形態1に係わる電力量計を示す図3のB−B線における断面図である。
【0014】
これら各図において、100は電子式の電力量計であり、当該実施例は三相三線式の場合を示している。1は電力量計100の基台となる計器ベース、2はこの計器ベース1に設けられたユニット収納部1a(図2)にユニット保持台2aが収納配置される電力量計測ユニットである。この電力量計測ユニット2は、電力量表示部3と、各相の電圧を計測するためのプラグ端子4(図4)と、各相の電流を計測するための電流端子5を有している。
【0015】
電流端子5は端子台6に保持されるように構成されるが、詳細については後述する。電流端子5を計器ベース1に設けられたベース側固定端子7に接合させる端子ねじ8は端子ねじ挿入部9にワッシャ10を介して挿入され、電流端子5の貫通孔5aを貫通してベース側固定端子7の雌ねじ孔7a(図2、図7、図8)に螺入される。端子ねじ8を電流端子5の貫通孔5a(図5、図6)に貫通してベース側固定端子7の雌ねじ孔7aに螺入して締付けることにより、電流端子5とベース側固定端子7とが接合される。
【0016】
電力量計測ユニット2には、その電力量計測ユニット2を計器ベース1に設けられたユニット取付金具11に固定するためのユニット取付部12(図2)が設けられている。そのユニット取付部12にユニット固定ねじ13を挿着し、ユニット取付金具11に螺着されて電力量計測ユニット2を計器ベース1に固定する。
【0017】
電力量計測ユニット2を覆う透明な材料で形成された計器カバー14は、計器ベース1のカバー取付金具15に取り付けられる。計器カバー14に設けたカバー取付部16にカバー取付ねじ17を挿着し、カバー取付金具15に螺着されて計器カバー14を計器ベース1に固定する。
【0018】
計器ベース1には、電力量計測ユニット2のプラグ端子4が差し込まれて接続されるコンセント端子18が設けられている。そして、ベース側固定端子7相互間には隔壁19が設けられている。また、電源側負荷端子20が配設された端子箱21が取り付けられている。
【0019】
ところで、電流端子5と端子台6との保持状態については、次のような構成となっている。すなわち、図3のA−A線における断面図である図5に示すように、端子台6には凹形状部22が形成され、電流端子5には端子台6に設けられた凹形状部22に遊嵌状態で嵌合されるように凸形状部23が形成されている。
【0020】
図5に示すように、電流端子5の凸形状部23は、端子台6の凹形状部22内において、Z1方向あるいはZ2方向に遊嵌状態で移動可能であり、X1方向あるいはX2方向に遊嵌状態で移動可能である。
【0021】
また、図3のB−B線における断面図である図6に示すように、電流端子5の凸形状部23は、端子台6の凹形状部22内において、Z1方向あるいはZ2方向に遊嵌状態で移動可能であり、Y1方向あるいはY2方向に遊嵌状態で移動可能である。また、電流端子5の電力量計測ユニット2内部側の電流端子接続片24は電力量計測ユニット2の内部導体25に接続されており、この内部導体25は例えば拠り線により構成された可撓性を有するものである。
【0022】
以上のように構成された実施の形態1における電力量計においては、端子台6に設けられた凹形状部22と、端子台6に設けられた凹形状部22に遊嵌状態で嵌合されるように電流端子5に設けられた凸形状部23とを設けたことにより、電流端子5は、Z1方向あるいはZ2方向、X1方向あるいはX2方向、Y1方向あるいはY2方向に遊嵌状態で移動可能に構成されているので、電流端子5およびベース側固定端子7の製作誤差が生じたとしても、電流端子5をその貫通孔5aがベース側固定端子7の雌ねじ孔7aに合致する方向へ移動させることができ、その状態で端子ねじ8を電流端子5の貫通孔5aに貫通してベース側固定端子7の雌ねじ孔7aに螺入して締付けることにより、電流端子5とベース側固定端子7とを安定した状態で接合させることができ、信頼性の高い電力量計を得ることができる。なお、電流端子5はY1方向に嵌挿される。
【0023】
また、電力量計測ユニット2にユニット保持台2aを設けたことにより、その電力量計測ユニット2だけを組み立てあるいは保守などにより、計器ベース1外に置く場合、ユニット保持台2aによって安定して置くことができ、転倒などによる損傷を未然に防止することができる。
【0024】
さらに、電力量計測ユニット2にユニット保持台2aを設け、計器ベース1にユニット収納部1aを設けたことにより、電力量計測ユニット2のユニット保持台2aを計器ベース1のユニット収納部1aに収納することによって電力量計測ユニット2の位置決めを行なうことができ、組み立て性の向上を図ることができる。
【0025】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2を図7および図8に基づいて説明する。図7はこの発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。図8はこの発明の実施の形態2に係わる電力量計における電流端子およびベース側固定端子を示す拡大正面図である。
【0026】
電流端子5とベース側固定端子7とは当接されるが、一般的には電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとは同じ幅に設定される。電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとが同じ幅の場合、電流端子5の当接面幅aに多少のバラツキがあったり、電流端子5が多少幅方向に移動した場合には、電流端子5とベース側固定端子7との当接面積が減少することになり、電流端子5とベース側固定端子7とは確実に安定した状態での接合が得られないことが想定される。
【0027】
そこで、この実施の形態2においては、図7および図8に示すように、電流端子5の当接面がベース側固定端子7の当接面より大きく形成した場合を示している。
【0028】
すなわち、この実施の形態2によれば、例えば、電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとの関係をa>bとしたことにより、電流端子5の当接面幅aに多少のバラツキがあったり、電流端子5が多少幅方向に移動したとしても、電流端子5とベース側固定端子7とを確実に安定した状態で接合させることができ、上述した実施の形態1よりもさらに信頼性の高い電力量計を得ることができる。
【0029】
なお、上記実施の形態2では、電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとの関係をa>bとしたが、図9および図10に示すように、電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとの関係をa<bとしても良い。
【0030】
すなわち、電流端子5の当接面幅aとベース側固定端子7の当接面幅bとの関係をa<bとしたことにより、電流端子5の当接面幅aに多少のバラツキがあったり、電流端子5が多少幅方向に移動したとしても、電流端子5とベース側固定端子7とを確実に安定した状態で接合させることができ、上述した実施の形態2と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、簡単な構成で電流端子およびベース側固定端子の安定した接合状態とすることができる電力量計の実現に好適である。
【符号の説明】
【0032】
1 計器ベース
2 電力量計測ユニット
4 プラグ端子
5 電流端子
6 端子台
7 ベース側固定端子
8 端子ねじ
18 コンセント端子
22 凹形状部
23 凸形状部
100 電力量計
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧を検出するプラグ端子および端子台に設けられた電流を検出する電流端子を有する電力量計測ユニットと、前記プラグ端子が挿着される計器ベースに設けられたコンセント端子と、前記電流端子が端子ねじにより接続される前記計器ベースに設けられたベース側固定端子とを備えた電力量計において、前記端子台は凹形状部を有し、前記凹形状部に遊嵌状態で嵌合されるように前記電流端子に凸形状部を設けたことを特徴とする電力量計。
【請求項2】
前記電流端子と前記ベース側固定端子とは当接され、前記電流端子の当接面が前記ベース側固定端子の当接面より大きく形成されていることを特徴とする請求項1記載の電力量計。
【請求項3】
前記ベース側固定端子と前記電流端子とは当接され、前記ベース側固定端子の当接面が前記電流端子の当接面より大きく形成されていることを特徴とする請求項1記載の電力量計。
【請求項1】
電圧を検出するプラグ端子および端子台に設けられた電流を検出する電流端子を有する電力量計測ユニットと、前記プラグ端子が挿着される計器ベースに設けられたコンセント端子と、前記電流端子が端子ねじにより接続される前記計器ベースに設けられたベース側固定端子とを備えた電力量計において、前記端子台は凹形状部を有し、前記凹形状部に遊嵌状態で嵌合されるように前記電流端子に凸形状部を設けたことを特徴とする電力量計。
【請求項2】
前記電流端子と前記ベース側固定端子とは当接され、前記電流端子の当接面が前記ベース側固定端子の当接面より大きく形成されていることを特徴とする請求項1記載の電力量計。
【請求項3】
前記ベース側固定端子と前記電流端子とは当接され、前記ベース側固定端子の当接面が前記電流端子の当接面より大きく形成されていることを特徴とする請求項1記載の電力量計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−237321(P2011−237321A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110107(P2010−110107)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000222037)東北電力株式会社 (228)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(000164438)九州電力株式会社 (245)
【出願人】(000205661)大崎電気工業株式会社 (61)
【出願人】(311002034)GE富士電機メーター株式会社 (4)
【出願人】(309042071)東光東芝メーターシステムズ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000222037)東北電力株式会社 (228)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(000164438)九州電力株式会社 (245)
【出願人】(000205661)大崎電気工業株式会社 (61)
【出願人】(311002034)GE富士電機メーター株式会社 (4)
【出願人】(309042071)東光東芝メーターシステムズ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】
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