説明

電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造

【課題】振動等の力を受けた場合に装置が大きく変位するのを抑制することが可能な電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造を提供する。
【解決手段】第1マウント部は、モータシリンダ装置16の重心近傍である駆動力伝達部73に設けられ、取付用ブラケット190を介して車体1にフローティング支持されている。第2マウント部は、シリンダ機構76の先端に設けられ、取付用ブラケット210を介して車体1にフローティング支持されている。モータシリンダ装置16は、第1マウント部と第2マウント部とで車体1に支持されることで、シリンダ機構76の先端側での振れを小さく抑えることができ、シリンダ機構76の出力ポートに接続される配管に発生する応力を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ブレーキシステムにおける電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両(自動車)用のブレーキシステムとしては、例えば、負圧式ブースタや油圧式ブースタ等の倍力装置を備えるものが知られている。また、近年では、電動モータを倍力源として利用する電動倍力装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に開示された電動倍力装置は、ブレーキペダルの操作によって進退運動する主ピストンと、この主ピストンと相対変位可能に外嵌された筒状のブースタピストンと、電動モータの回転力をブースタピストンにブースタ推力として伝達する、例えばボールねじ等の回転−直動変換機構とを備えている。
【0004】
この電動倍力装置によれば、主ピストンとブースタピストンとをマスタシリンダのピストンとして利用し、それぞれの前端部をマスタシリンダの圧力室に臨ませることで、操作者によってブレーキペダルから主ピストンに入力される推力と、電動モータからブースタピストンに入力されるブースタ推力とによって、ブレーキ液圧をマスタシリンダ内に発生させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−23594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された電動倍力装置では、操作者のブレーキ操作が入力される液圧発生機構と、電動によりブレーキ液圧を発生させる液圧発生機構とが一つにまとめられているため、装置全体が大型化する傾向がある。このため、振動等の力を受けた場合に、装置の変位が大きくなる虞がある。
【0007】
本発明は、前記従来の問題を解決するものであり、振動等の力を受けた場合に装置が大きく変位するのを抑制することが可能な電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、操作者のブレーキ操作が入力される入力装置と、少なくとも前記ブレーキ操作に応じた電気信号に基づいてブレーキ液圧を発生させる電動ブレーキアクチュエータと、を備えた車両用ブレーキシステムにおける前記電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造であって、前記電動ブレーキアクチュエータは、前記電気信号に基づいて駆動力を発生させるアクチュエータ機構と、前記アクチュエータ機構から伝達される駆動力によりピストンを軸方向に移動させることでブレーキ液に圧力を付与するシリンダ機構とを有し、
前記電動ブレーキアクチュエータは、この電動ブレーキアクチュエータを車体に支持する第1マウント部と、前記第1マウント部とは異なる前記シリンダ機構の先端側を車体に支持する第2マウント部とを有することを特徴とする。
【0009】
これによれば、シリンダ機構の先端側に第2マウント部を形成して車体に支持したことにより、シリンダ機構の先端側の変位を効果的に抑制できる。つまり、電動ブレーキアクチュエータを車体に支持する場合、第1マウント部は、アクチュエータ機構側に形成することが一般に行われる。この場合、シリンダ機構はアクチュエータ機構から突出した状態となり、電動ブレーキアクチュエータが振動等の力を受けて、第1マウント部の支点回りの回転動作が発生したときに、細長いシリンダ機構の先端の変位が第1マウント部に比べて増幅され、シリンダ機構に接続される液圧用の配管に過度な応力が作用することになる。そこで、本発明では、電動ブレーキアクチュエータを、第1マウント部を介して車体に支持する構成において、シリンダ機構の軸方向の先端側に、第1マウント部とは異なる第2マウント部を形成して、シリンダ機構の先端側を支持することで、シリンダ機構の先端側の変位を効果的に抑制することが可能になる。その結果、シリンダ機構に接続される液圧用の配管に過度な応力が作用するのを抑制することができる。
【0010】
また、前記アクチュエータ機構と前記シリンダ機構とは、分離可能に構成されていることを特徴とする。
【0011】
これによれば、第1マウント部が設けられた部分とシリンダ機構とが別体構造とされているため、両者を造り分けすることができる。例えば複数車種の車両に搭載する場合等で、第1マウント部の位置や形状を変化させる必要がある場合には、シリンダ機構をそのまま共用し、第1マウント部が設けられた部分のみを変更して対応することが可能となる。
【0012】
また、前記第1マウント部は、前記電動ブレーキアクチュエータの重心近傍に設けられ、前記第2マウント部は、前記シリンダ機構の先端に設けられ、前記電動ブレーキアクチュエータは、前記重心近傍と前記先端との2点で車体に支持されていることを特徴とする。
【0013】
これによれば、電動ブレーキアクチュエータの重心近傍に第1マウント部を設けることにより、振動等の力を受けた場合でも電動ブレーキアクチュエータの振れを少なくすることができ、電動ブレーキアクチュエータが変位するのを効果的に抑制することができる。
【0014】
また、前記第1マウント部は、前記電動ブレーキアクチュエータの重心近傍に設けられ、前記シリンダ機構には、未加工のボスが予め複数形成され、一の前記ボスは前記電動ブレーキアクチュエータを車体に取り付ける前記第2マウント部用として形成され、残りの前記ボスは前記シリンダ機構と連通するポート用として形成されていることを特徴とする。
【0015】
これによれば、ポートとして使用しない側のボス(捨てボス)側を第2マウント部として使用することで、新たにマウント部を電動ブレーキアクチュエータに形成する必要がなく、例えばボスにボルトによる締結用のねじ穴を形成するだけで済むので、マウント部の加工が容易になる。
【0016】
また、前記電動ブレーキアクチュエータは、前記シリンダ機構の先端が上向きとなるように傾斜して配置されていることを特徴とする。
【0017】
ところで、電動ブレーキアクチュエータのシリンダ機構に接続される配管を組み替えたりしたときにエアが混入するおそれがあり、シリンダ機構にエアが混入したままだと液圧の発生に障害となる。そこで、シリンダ機構の先端が上向きとなるように電動ブレーキアクチュエータを傾斜して配置することで、配管の組み付け時等にエアが混入した場合であっても、エアの性質上、エアをシリンダ機構から容易に排出することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、振動等の力を受けた場合に変位することを抑制することが可能な電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造が適用された車両用ブレーキシステムの車両における配置構成を示す図である。
【図2】車両用ブレーキシステムを示す概略構成図である。
【図3】モータシリンダ装置の分解斜視図である。
【図4】駆動力伝達部の分解斜視図である。
【図5】モータシリンダ装置の斜め下方から見た斜視図である。
【図6】モータシリンダ装置を車体に取り付ける方法を説明するための分解斜視図である。
【図7】モータシリンダ装置の側面図である。
【図8】モータシリンダ装置を車体に取り付ける他の方法を説明するための分解斜視図である。
【図9】図8に示すモータシリンダ装置の車体への配置構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造が適用された車両用ブレーキシステムの車両Vにおける配置構成を示す図である。なお、車両Vの前後左右の方向を図1に矢印で示す。
【0021】
図1に示す車両用ブレーキシステム10は、通常時用として、電気信号を伝達してブレーキを作動させるバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、フェイルセイフ時用として、油圧を伝達してブレーキを作動させる旧来の油圧式のブレーキシステムの双方を備えて構成される。
【0022】
このため、車両用ブレーキシステム10は、運転者(操作者)のブレーキ操作が入力される入力装置14と、少なくとも前記ブレーキ操作に応じた電気信号に基づいてブレーキ液圧を発生させる電動ブレーキアクチュエータとしてのモータシリンダ装置16と、モータシリンダ装置16で発生したブレーキ液圧に基づいて車両の挙動の安定化を支援する車両挙動安定化装置としてのビークルスタビリティアシスト装置18(以下、VSA装置18という、VSA;登録商標)とを備えて構成されている。
【0023】
これらの入力装置14、モータシリンダ装置16、及び、VSA装置18は、車両Vのダッシュボード2の前方に設けられたエンジンや走行用モータ等の構造物3が搭載される構造物搭載室R(エンジンルーム、モータルームなど)に、配管チューブ22a〜22fを介して互いに分離して配置されている。また、バイ・ワイヤ式のブレーキシステムとして、入力装置14とモータシリンダ装置16とは、図示しないハーネスによって図示しない制御手段と電気的に接続されている。
【0024】
なお、モータシリンダ装置16は、運転者のブレーキ操作に応じた電気信号だけではなく、他の物理量に応じた電気信号に基づいて液圧を発生させる手段を備えていてもよい。他の物理量に応じた電気信号とは、例えば、自動ブレーキシステムのような、運転者のブレーキ操作によらずに、ECU(Electronic Control Unit)が車両Vの周囲の状況をセンサ等で判断して、車両Vの衝突等を回避するための信号などである。
【0025】
VSA装置18は、例えば、ブレーキ時の車輪ロックを防ぐABS(アンチロック・ブレーキ・システム)機能、加速時などの車輪空転を防ぐTCS(トラクション・コントロール・システム)機能、旋回時の横すべりを抑制する機能などを備えて構成され、車幅方向の右端の前側に、例えばブラケットを介して車体に取り付けられている。なお、車両挙動安定化装置としては、VSA装置18に限定されるものではなく、ブレーキ時の車輪ロックを防ぐABS(アンチロック・ブレーキ・システム)機能のみを有するABS装置であってもよい。
【0026】
図2は、車両用ブレーキシステム10の概略構成図である。
液圧路について説明すると、図2中の連結点A1を基準として、入力装置14の接続ポート20aと連結点A1とが第1配管チューブ22aによって接続され、また、モータシリンダ装置16の出力ポート24aと連結点A1とが第2配管チューブ22bによって接続され、さらに、VSA装置18の導入ポート26aと連結点A1とが第3配管チューブ22cによって接続されている。
【0027】
図2中の他の連結点A2を基準として、入力装置14の他の接続ポート20bと連結点A2とが第4配管チューブ22dによって接続され、また、モータシリンダ装置16の他の出力ポート24bと連結点A2とが第5配管チューブ22eによって接続され、さらに、VSA装置18の他の導入ポート26bと連結点A2とが第6配管チューブ22fによって接続されている。
【0028】
VSA装置18には、複数の導出ポート28a〜28dが設けられる。第1導出ポート28aは、第7配管チューブ22gによって右側前輪に設けられたディスクブレーキ機構30aのホイールシリンダ32FRと接続される。第2導出ポート28bは、第8配管チューブ22hによって左側後輪に設けられたディスクブレーキ機構30bのホイールシリンダ32RLと接続される。第3導出ポート28cは、第9配管チューブ22iによって右側後輪に設けられたディスクブレーキ機構30cのホイールシリンダ32RRと接続される。第4導出ポート28dは、第10配管チューブ22jによって左側前輪に設けられたディスクブレーキ機構30dのホイールシリンダ32FLと接続される。
【0029】
この場合、各導出ポート28a〜28dに接続される配管チューブ22g〜22jによってブレーキ液がディスクブレーキ機構30a〜30dの各ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに対して供給され、各ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL内の液圧が上昇することにより、各ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLが作動し、対応する車輪(右側前輪、左側後輪、右側後輪、左側前輪)に対して制動力が付与される。
【0030】
なお、車両用ブレーキシステム10は、例えば、エンジン(内燃機関)のみによって駆動される自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車等を含む各種車両に対して搭載可能に設けられる。また、車両用ブレーキシステム10は、前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動の各種の車両Vに適用できる。

【0031】
入力装置14は、運転者によるブレーキペダル12の操作によって液圧を発生可能なタンデム式のマスタシリンダ34と、前記マスタシリンダ34に付設された第1リザーバ36とを有する。このマスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、前記シリンダチューブ38の軸方向に沿って所定間隔離間する2つのピストン40a、40bが摺動自在に配設される。一方のピストン40aは、ブレーキペダル12に近接して配置され、プッシュロッド42を介してブレーキペダル12と連結される。また、他方のピストン40bは、一方のピストン40aよりもブレーキペダル12から離間して配置される。
【0032】
この一方及び他方のピストン40a、40bの外周面には、環状段部を介して一対のピストンパッキン44a、44bがそれぞれ装着される。一対のピストンパッキン44a、44bの間には、それぞれ、後記するサプライポート46a、46bと連通する背室48a、48bが形成される。また、一方及び他方のピストン40a、40bとの間には、ばね部材50aが配設され、他方のピストン40bとシリンダチューブ38の側端部との間には、他のばね部材50bが配設される。なお、ピストン40a、40bの外周面にピストンパッキン44a、44bを設ける代わりに、シリンダチューブ38の内周面にパッキンを配設してもよい。
【0033】
マスタシリンダ34のシリンダチューブ38には、2つのサプライポート46a、46bと、2つのリリーフポート52a、52bと、2つの出力ポート54a、54bとが設けられる。この場合、各サプライポート46a(46b)及び各リリーフポート52a(52b)は、それぞれ合流して第1リザーバ36内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
【0034】
また、マスタシリンダ34のシリンダチューブ38内には、運転者(操作者)がブレーキペダル12を踏み込む踏力に対応したブレーキ液圧を発生させる第1圧力室56a及び第2圧力室56bが設けられる。第1圧力室56aは、第1液圧路58aを介して接続ポート20aと連通するように設けられ、第2圧力室56bは、第2液圧路58bを介して他の接続ポート20bと連通するように設けられる。
【0035】
マスタシリンダ34と接続ポート20aとの間であって、第1液圧路58aの上流側には圧力センサPmが配設されると共に、第1液圧路58aの下流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第1遮断弁60aが設けられる。この圧力センサPmは、第1液圧路58a上において、第1遮断弁60aよりもマスタシリンダ34側の上流の液圧を検知するものである。
【0036】
マスタシリンダ34と他の接続ポート20bとの間であって、第2液圧路58bの上流側には、ノーマルオープンタイプ(常開型)のソレノイドバルブからなる第2遮断弁60bが設けられると共に、第2液圧路58bの下流側には、圧力センサPpが設けられる。この圧力センサPpは、第2液圧路58b上において、第2遮断弁60bよりもホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL側の下流側の液圧を検知するものである。
【0037】
この第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bにおけるノーマルオープンとは、ノーマル位置(消磁(非通電)時の弁体の位置)が開位置の状態(常時開)となるように構成されたバルブをいう。なお、図2において、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bは励磁時の状態を示す(後記する第3遮断弁62も同様)。
【0038】
マスタシリンダ34と第2遮断弁60bとの間の第2液圧路58bには、前記第2液圧路58bから分岐する分岐液圧路58cが設けられ、前記分岐液圧路58cには、ノーマルクローズタイプ(常閉型)のソレノイドバルブからなる第3遮断弁62と、ストロークシミュレータ64とが直列に接続される。この第3遮断弁62におけるノーマルクローズとは、ノーマル位置(消磁(非通電)時の弁体の位置)が閉位置の状態(常時閉)となるように構成されたバルブをいう。
【0039】
このストロークシミュレータ64は、第2液圧路58b上であって、第2遮断弁60bよりもマスタシリンダ34側に配置されている。前記ストロークシミュレータ64には、分岐液圧路58cに連通する液圧室65が設けられ、前記液圧室65を介して、マスタシリンダ34の第2圧力室56bから導出されるブレーキ液(ブレーキフルード)が吸収可能に設けられる。
【0040】
また、ストロークシミュレータ64は、互いに直列に配置されたばね定数の高い第1リターンスプリング66aとばね定数の低い第2リターンスプリング66bと、前記第1及び第2リターンスプリング66a、66bによって付勢されるシミュレータピストン68とを備え、ブレーキペダル12の踏み込み前期時にペダル反力の増加勾配を低く設定し、踏み込み後期時にペダル反力を高く設定してブレーキペダル12のペダルフィーリングを既存のマスタシリンダと同等となるように設けられている。
【0041】
液圧路は、大別すると、マスタシリンダ34の第1圧力室56aと複数のホイールシリンダ32FR、32RLとを接続する第1液圧系統70aと、マスタシリンダ34の第2圧力室56bと複数のホイールシリンダ32RR、32FLとを接続する第2液圧系統70bとから構成される。
【0042】
第1液圧系統70aは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54aと接続ポート20aとを接続する第1液圧路58aと、入力装置14の接続ポート20aとモータシリンダ装置16の出力ポート24aとを接続する配管チューブ22a、22bと、モータシリンダ装置16の出力ポート24aとVSA装置18の導入ポート26aとを接続する配管チューブ22b、22cと、VSA装置18の導出ポート28a、28bと各ホイールシリンダ32FR、32RLとをそれぞれ接続する配管チューブ22g、22hとによって構成される。
【0043】
第2液圧系統70bは、入力装置14におけるマスタシリンダ34(シリンダチューブ38)の出力ポート54bと他の接続ポート20bとを接続する第2液圧路58bと、入力装置14の他の接続ポート20bとモータシリンダ装置16の出力ポート24bとを接続する配管チューブ22d、22eと、モータシリンダ装置16の出力ポート24bとVSA装置18の導入ポート26bとを接続する配管チューブ22e、22fと、VSA装置18の導出ポート28c、28dと各ホイールシリンダ32RR、32FLとをそれぞれ接続する配管チューブ22i、22jとを有する。
【0044】
この結果、液圧路が第1液圧系統70aと第2液圧系統70bとによって構成されることにより、各ホイールシリンダ32FR、32RLと各ホイールシリンダ32RR、32FLとをそれぞれ独立して作動させ、相互に独立した制動力を発生させることができる。
【0045】
モータシリンダ装置16は、電動モータ72及び駆動力伝達部73を備えたアクチュエータ機構74と、アクチュエータ機構74によって付勢されるシリンダ機構76とを有する。また、アクチュエータ機構74の駆動力伝達部73は、電動モータ72の回転駆動力を伝達するギヤ機構(減速機構)78と、この回転駆動力を直線方向駆動力に変換する、ボールねじ軸80a及びボール80bを含むボールねじ構造体80とを有している。
【0046】
シリンダ機構76は、略円筒状のシリンダ本体82と、前記シリンダ本体82に付設された第2リザーバ84とを有する。第2リザーバ84は、入力装置14のマスタシリンダ34に付設された第1リザーバ36と配管チューブ86で接続され、第1リザーバ36内に貯留されたブレーキ液が配管チューブ86を介して第2リザーバ84内に供給されるように設けられる。
【0047】
シリンダ本体82内には、前記シリンダ本体82の軸方向に沿って所定間隔離間する第1スレーブピストン88a及び第2スレーブピストン88bが摺動自在に配設される。第1スレーブピストン88aは、ボールねじ構造体80側に近接して配置され、ボールねじ軸80aの一端部に当接して前記ボールねじ軸80aと一体的に矢印X1又はX2方向に変位する。また、第2スレーブピストン88bは、第1スレーブピストン88aよりもボールねじ構造体80側から離間して配置される。
【0048】
この第1及び第2スレーブピストン88a、88bの外周面には、環状段部を介して一対のスレーブピストンパッキン90a、90bがそれぞれ装着される。一対のスレーブピストンパッキン90a、90bの間には、それぞれ、後記するリザーバポート92a、92bとそれぞれ連通する第1背室94a及び第2背室94bが形成される。また、第1及び第2スレーブピストン88a、88bとの間には、第1リターンスプリング96aが配設され、第2スレーブピストン88bとシリンダ本体82の側端部と間には、第2リターンスプリング96bが配設される。
【0049】
シリンダ機構76のシリンダ本体82には、2つのリザーバポート92a、92bと、2つの出力ポート24a、24bとが設けられる。この場合、リザーバポート92a(92b)は、第2リザーバ84内の図示しないリザーバ室と連通するように設けられる。
【0050】
また、シリンダ本体82内には、出力ポート24aからホイールシリンダ32FR、32RL側へ出力されるブレーキ液圧を発生させる第1液圧室98aと、他の出力ポート24bからホイールシリンダ32RR、32FL側へ出力されるブレーキ液圧を発生させる第2液圧室98bが設けられる。
【0051】
なお、第1スレーブピストン88aと第2スレーブピストン88bとの間には、第1スレーブピストン88aと第2スレーブピストン88bの最大距離と最小距離とを規制する規制手段100が設けられ、さらに、第2スレーブピストン88bには、前記第2スレーブピストン88bの摺動範囲を規制して、第1スレーブピストン88a側へのオーバーリターンを阻止するストッパピン102が設けられ、これによって、特に、マスタシリンダ34で発生したブレーキ液圧で制動するバックアップ時において、1系統の失陥時に他系統の失陥が防止される。
【0052】
VSA装置18は、周知のものからなり、右側前輪及び左側後輪のディスクブレーキ機構30a、30b(ホイールシリンダ32FR、ホイールシリンダ32RL)に接続された第1液圧系統70aを制御する第1ブレーキ系110aと、右側後輪及び左側後輪のディスクブレーキ機構30c、30d(ホイールシリンダ32RR、ホイールシリンダ32FL)に接続された第2液圧系統70bを制御する第2ブレーキ系110bとを有する。なお、第1ブレーキ系110aは、左側前輪及び右側前輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統で、第2ブレーキ系110bは、左側後輪及び右側後輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。さらに、第1ブレーキ系110aは、車体片側の右側前輪及び右側後輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統からなり、第2ブレーキ系110bは、車体片側の左側前輪及び左側後輪に設けられたディスクブレーキ機構に接続された液圧系統であってもよい。
【0053】
この第1ブレーキ系110a及び第2ブレーキ系110bは、それぞれ同一構造からなるため、第1ブレーキ系110aと第2ブレーキ系110bで対応するものには同一の参照符号を付していると共に、第1ブレーキ系110aの説明を中心にして、第2ブレーキ系110bの説明を括弧書きで適宜付記する。
【0054】
第1ブレーキ系110a(第2ブレーキ系110b)は、ホイールシリンダ32FR、32RL(32RR、32FL)に対して、共通する第1共通液圧路112及び第2共通液圧路114を有する。VSA装置18は、導入ポート26aと第1共通液圧路112との間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなるレギュレータバルブ116と、前記レギュレータバルブ116と並列に配置され導入ポート26a側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から導入ポート26a側へのブレーキ液の流通を阻止する)第1チェックバルブ118と、第1共通液圧路112と第1導出ポート28aとの間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第1インバルブ120と、前記第1インバルブ120と並列に配置され第1導出ポート28a側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第1導出ポート28a側へのブレーキ液の流通を阻止する)第2チェックバルブ122と、第1共通液圧路112と第2導出ポート28bとの間に配置されたノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第2インバルブ124と、前記第2インバルブ124と並列に配置され第2導出ポート28b側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2導出ポート28b側へのブレーキ液の流通を阻止する)第3チェックバルブ126とを備える。
【0055】
さらに、VSA装置18は、第1導出ポート28aと第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第1アウトバルブ128と、第2導出ポート28bと第2共通液圧路114との間に配置されたノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第2アウトバルブ130と、第2共通液圧路114に接続されたリザーバ132と、第1共通液圧路112と第2共通液圧路114との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2共通液圧路114側へのブレーキ液の流通を阻止する)第4チェックバルブ134と、前記第4チェックバルブ134と第1共通液圧路112との間に配置されて第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へブレーキ液を供給するポンプ136と、前記ポンプ136の前後に設けられ第2共通液圧路114側から第1共通液圧路112側へのブレーキ液の流通を許容する(第1共通液圧路112側から第2共通液圧路114側へのブレーキ液の流通を阻止する)吸入弁138及び吐出弁140と、前記ポンプ136を駆動するモータMと、第2共通液圧路114と導入ポート26aとの間に配置されるサクションバルブ142とを備える。
【0056】
なお、第1ブレーキ系110aにおいて、導入ポート26aに近接する液圧路上には、モータシリンダ装置16の出力ポート24aから出力され、前記モータシリンダ装置16の第1液圧室98aで発生したブレーキ液圧を検知する圧力センサPhが設けられる。各圧力センサPm、Pp、Phで検出された検出信号は、図示しない制御手段に導入される。
本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0057】
車両用ブレーキシステム10が正常に機能する正常時には、ノーマルオープンタイプのソレノイドバルブからなる第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bが励磁で弁閉状態となり、ノーマルクローズタイプのソレノイドバルブからなる第3遮断弁62が励磁で弁開状態となる(図2参照)。従って、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bによって第1液圧系統70a及び第2液圧系統70bが遮断されているため、入力装置14のマスタシリンダ34で発生したブレーキ液圧がディスクブレーキ機構30a〜30dのホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに伝達されることはない。
【0058】
このとき、マスタシリンダ34の第2圧力室56bで発生したブレーキ液圧は、分岐液圧路58c及び弁開状態にある第3遮断弁62を経由してストロークシミュレータ64の液圧室65に伝達される。この液圧室65に供給されたブレーキ液圧によってシミュレータピストン68がリターンスプリング66a、66bのばね力に抗して変位することにより、ブレーキペダル12のストロークが許容されると共に、擬似的なペダル反力を発生させてブレーキペダル12に付与される。この結果、運転者にとって違和感のないブレーキフィーリングが得られる。
【0059】
このようなシステム状態において、図示しない制御手段は、運転者によるブレーキペダル12の踏み込みを検出すると、モータシリンダ装置16の電動モータ72を駆動させてアクチュエータ機構74を付勢し、第1リターンスプリング96a及び第2リターンスプリング96bのばね力に抗して第1スレーブピストン88a及び第2スレーブピストン88bを図2中の矢印X1方向に向かって変位させる。この第1スレーブピストン88a及び第2スレーブピストン88bの変位によって第1液圧室98a及び第2液圧室98b内のブレーキ液圧がバランスするように加圧されて所望のブレーキ液圧が発生する。
【0060】
このモータシリンダ装置16における第1液圧室98a及び第2液圧室98bのブレーキ液圧は、VSA装置18の弁開状態にある第1、第2インバルブ120、124を介してディスクブレーキ機構30a〜30dのホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLに伝達され、前記ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FLが作動することにより各車輪に所望の制動力が付与される。
【0061】
換言すると、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10では、電動ブレーキアクチュエータ(動力液圧源)として機能するモータシリンダ装置16やバイ・ワイヤ制御する図示しないECU等の制御手段が作動可能な正常時において、運転者がブレーキペダル12を踏むことでブレーキ液圧を発生するマスタシリンダ34と各車輪を制動するディスクブレーキ機構30a〜30d(ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)との連通を第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bで遮断した状態で、モータシリンダ装置16が発生するブレーキ液圧でディスクブレーキ機構30a〜30dを作動させるという、いわゆるブレーキ・バイ・ワイヤ方式のブレーキシステムがアクティブになる。このため、本実施形態では、例えば、電気自動車等のように、旧来から用いられていた内燃機関による負圧が存在しない車両に好適に適用することができる。
【0062】
一方、モータシリンダ装置16等が作動不能となる異常時では、第1遮断弁60a及び第2遮断弁60bをそれぞれ弁開状態とし、且つ、第3遮断弁62を弁閉状態としてマスタシリンダ34で発生するブレーキ液圧をディスクブレーキ機構30a〜30d(ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)に伝達して、前記ディスクブレーキ機構30a〜30d(ホイールシリンダ32FR、32RL、32RR、32FL)を作動させるという、いわゆる旧来の油圧式のブレーキシステムがアクティブになる。
【0063】
次に、モータシリンダ装置16についてさらに詳細に説明する。図3はモータシリンダ装置の分解斜視図、図4は駆動力伝達部の分解斜視図、図5はモータシリンダ装置の斜め下方から見た斜視図、図6はモータシリンダ装置を車体に取り付ける方法を説明するための分解斜視図、図7はモータシリンダ装置の側面図である。
【0064】
図3に示すように、モータシリンダ装置16は、図示しない制御手段からの電気信号に基づいて駆動する電動モータ72と、電動モータ72による駆動力を伝達する駆動力伝達部73と、駆動力伝達部73から伝達される駆動力により第1及び第2スレーブピストン88a、88b(図2参照)を軸方向に移動させることでブレーキ液に圧力を付与するシリンダ機構76とを有している。なお、電動モータ72と駆動力伝達部73とで、特許請求の範囲に記載のアクチュエータ機構74が構成されている。
【0065】
電動モータ72、駆動力伝達部73、及びシリンダ機構76は、互いに分離可能に構成されている。電動モータ72は、図示しないハーネスが接続される基部161を有しており、基部161にはボルト201が挿通される貫通孔162が複数形成されている。また、シリンダ機構76のシリンダ本体82の駆動力伝達部73側の端部には、フランジ部82aが設けられており、フランジ部82aにはボルト202が挿通される貫通孔82bが複数形成されている。
【0066】
駆動力伝達部73は、ギヤ機構、ボールねじ構造体等の駆動力伝達用機械要素(不図示)を内部に収容するケース体171を有している。ケース体171は、シリンダ機構76側に配置されるハウジング172と、ハウジング172のシリンダ機構76と反対側の開口端を覆うカバー173とを備えている。駆動力伝達部73のハウジング172及びカバー173は、アルミニウム合金等の金属から形成されている(シリンダ機構76のシリンダ本体82も同様)。
【0067】
駆動力伝達部73のハウジング172には、電動モータ72を駆動力伝達部73に取り付けるためのモータ取付用ねじ孔174が前記貫通孔162と対応する位置に形成されている。また、ハウジング172のシリンダ機構76側の端部には、フランジ部175が設けられており、フランジ部175には、シリンダ機構76を駆動力伝達部73に取り付けるためのシリンダ機構取付用ねじ孔176が前記貫通孔82bと対応する位置に形成されている。
【0068】
また、駆動力伝達部73のハウジング172には、電動モータ72の基部161が取り付けられるモータ取付面172aがシリンダ機構76の軸方向に向けて形成されている。また、ハウジング172のフランジ部175には、シリンダ機構76のフランジ部82aが取り付けられるシリンダ機構取付面172bが、シリンダ機構の軸方向に向けて形成されている。また、シリンダ機構取付面172bは、モータ取付面172aよりもシリンダ機構76側に突出して形成されている。また、シリンダ機構取付面172bの上方にモータ取付面172aが形成され、電動モータ72がシリンダ機構76の上方に位置している。
【0069】
シリンダ機構76は、略円筒状のシリンダ本体82を有し、このシリンダ本体82の基端にフランジ部82aが形成され、先端の軸方向に向いている端面82dの中央に第2マウント部としてのねじ穴82cが形成されている。
【0070】
また、シリンダ機構76には、シリンダ本体82の周面に、出力ポート24a、24bが形成されるボス85a、85bが形成されている。また、シリンダ機構76の上部には、第2リザーバ84が設けられている。
【0071】
そして、電動モータ72は、ボルト201を貫通孔162に挿通させてモータ取付用ねじ孔174にねじ込むことによって、駆動力伝達部73に取り付けられて固定される。また、シリンダ機構76は、ボルト202を貫通孔82bに挿通させてシリンダ機構取付用ねじ孔176にねじ込むことによって、駆動力伝達部73に取り付けられて固定される。
【0072】
図4に示すように、ケース体171(図3参照)の内部に、ギヤ機構78とボールねじ構造体80とが収容されている。ギヤ機構78は、電動モータ72の出力軸に固定されたピニオンギア78a(図2参照)と、ピニオンギア78aに噛合されるアイドルギア78bと、アイドルギア78bに噛合されるリングギア78cとを備えている。また、ボールねじ構造体80は、先端側が第1スレーブピストン88aに連結されるボールねじ軸80aと、ボールねじ軸80a上のねじ溝に配置されるボール80b(図2参照)と、ボール80bを介してボールねじ軸80aに螺合されるナット部80cとを備えている。
【0073】
そして、ナット部80cは、リングギア78cの内周面に例えば圧入されて固定されており、これにより、ギヤ機構78から伝達される回転駆動力は、ナット部80cに入力された後、ボールねじ構造体80によって直線方向駆動力に変換され、ボールねじ軸80aが軸方向に沿って進退動作することができる。
【0074】
ケース体171のハウジング172とカバー173とは、互いに分離可能に構成されている。第1及び第2スレーブピストン88a、88b(図2参照)の中心軸CL(図3参照)周りに位置するように、ハウジング172にはボルト203が挿通される貫通孔177が複数形成されており、カバー173の貫通孔177と対応する位置には、ハウジング取付用ねじ孔178が複数形成されている。そして、ボルト203を貫通孔177に挿通させてハウジング取付用ねじ孔178にねじ込むことによって、ハウジング172とカバー173とが互いに結合されている。なお、図4中の符号179は、電動モータ72の出力軸の先端を回転可能に支持する軸受を示しており、この軸受179は、カバー173に形成された穴部180に嵌着される。
【0075】
図5に示すように、モータシリンダ装置16には、当該モータシリンダ装置16をサイドフレーム等の車体1(図1参照)に取り付けるための第1マウント部181が設けられている。第1マウント部181は、中心軸CL(図3参照)方向のカバー173側から見て、左方に位置する左マウント穴182、右方に位置する右マウント穴183、及び下方に位置する下マウント穴184を有する。左右下の各マウント穴182〜184は、それぞれ円柱状の凹部を呈している。また、第1マウント部181は、左マウント穴182と右マウント穴183との共通軸心に沿って形成され中心軸CL(図3参照)に直交する軸心を有する貫通孔185を有している。
【0076】
第1マウント部181は、モータシリンダ装置16の重心G(図7参照)の近傍に設けられている。具体的には、電動モータ72、駆動力伝達部73、及びシリンダ機構76のうちでモータシリンダ装置16の重心位置が存在する部分(又は重心位置に最も近い部分)、ここでは、駆動力伝達部73に、第1マウント部181が設けられている。より詳細には、第1マウント部181は、モータ取付用ねじ孔174(図4参照)が形成された駆動力伝達部73のハウジング172に設けられている。
【0077】
なお、第1マウント部181の設置位置は、モータシリンダ装置16の重心G近傍に限定されるものではなく、重心G近傍から離れた位置、例えば、駆動力伝達部73のカバー173側であってもよく、電動モータ72側であってもよい。
【0078】
図6に示すように、モータシリンダ装置16は、第1マウント部181(図5参照)に対し、取付用ブラケット190を介して、サイドフレーム等の車体1(図1参照)に取り付けられる。また、モータシリンダ装置16は、第2マウント部(ねじ穴82c)に対し、取付用ブラケット210を介して、サイドフレーム等の車体1(図1参照)に取り付けられる。
【0079】
取付用ブラケット190は、ボルト(おねじ部材)204を用いたねじ締結によりモータシリンダ装置16を左右方向から挟んで支持するための一対の側板195、195と、一対の側板195、195の両下辺に連接されモータシリンダ装置16の中間部(中央部)を下方から支持する略水平な底板194とから構成される支持板192を備えている。また、取付用ブラケット190は、側板195、195及び底板194に連接され略鉛直方向に沿う背板191と、背板191に連接され車体側に固定するための固定板193とを備えている。背板191の中央付近には、カバー173の突出部173aが挿通される開口191aが形成されている。
【0080】
一方の側板195には、ボルト204が挿通可能な略U字形状の切欠き195aが形成されており、他方の側板195には、ボルト204が挿通される貫通孔195bが形成されている。側板195の貫通孔195bの外側には、ボルト204が螺合可能なナット195cが例えば溶接により固着されている。また、底板194の上面中央には、ピン194aが立設されている。
【0081】
モータシリンダ装置16を取付用ブラケット190に取り付ける場合、長尺の円筒形状の第1カラー198、ゴムブッシュ196、筒部197aとその端部に形成されたフランジ197bとを備えた第2カラー197、及びボルト204を使用する。ゴムブッシュ196は、振動や衝撃を吸収し得るゴム製の略円筒形状の緩衝部材である。なお、ゴムブッシュ196の例えば外周面に凹凸を形成して、柔軟性を向上させることも可能である。
【0082】
まず、取付用ブラケット190の貫通孔185の内部に第1カラー198を挿入して配置する。続いて、第2カラー197の筒部197aをゴムブッシュ196の中央孔に嵌入させたものを、左マウント穴182と右マウント穴183との中にそれぞれ嵌入させて装着する。また、ゴムブッシュ196を下マウント穴184の中に嵌入させて装着する。そして、下マウント穴184に装着されたゴムブッシュ196の中央孔にピン194aが嵌入されるように、モータシリンダ装置16を、取付用ブラケット190の底板194上に設置する。こうして、下マウント穴184により、モータシリンダ装置16の中間部が下方から支持される。但し、下マウント穴184の底面にめねじ孔を形成し、ピン194aに替えて円筒形状のカラーをゴムブッシュ196の中央孔に嵌入させ、底板194に形成した貫通孔の下方からボルト等のおねじ部材を挿入してねじ締結することも可能である。
【0083】
モータシリンダ装置16を底板194上に設置すると、モータシリンダ装置16の左マウント穴182及び右マウント穴183にそれぞれ装着されたゴムブッシュ196及び第2カラー197が、側板195の切欠き195a及び貫通孔195bにそれぞれ臨む。したがって、ボルト204を、切欠き195a、第2カラー197、ゴムブッシュ196、第1カラー198、ゴムブッシュ196、及び第2カラー197に順に挿通させて、ナット195cにねじ込むことができる。このときボルト204は、貫通孔185に挿通されることになる。こうして、左マウント穴182及び右マウント穴183により、モータシリンダ装置16は左右方向から一対の側板195、195に挟まれるようにして支持される。
【0084】
そして、取付用ブラケット190の固定板193が、直接又は他の図示しない連結部材を介して、サイドフレーム等の車体1(図1参照)にねじ締結、溶接等により固定される。
【0085】
以上のように、第1マウント部181を使用することにより、モータシリンダ装置16の左右下の三方を支持してモータシリンダ装置16を車体側に取り付けることが可能である。また、モータシリンダ装置16の第1マウント部181は、ゴムブッシュ196を介して車体側にフローティング支持(弾性支持)されているため、振動や衝撃を吸収することができる。
【0086】
一方、取付用ブラケット210は、鋼製の板材に円形の貫通孔210aが形成されたものである。モータシリンダ装置16を取付用ブラケット210に取り付ける場合には、ゴムブッシュ211、円筒形状の第3カラー212、及びボルト205を使用する。ゴムブッシュ211は、振動や衝撃を吸収し得るゴム製の略円筒形状の緩衝部材であり、外周面に前記貫通孔210aに嵌合する凹溝211aが形成されている。なお、凹溝211aは、取付用ブラケット210の貫通孔210aにゴムブッシュ211を嵌合して装着できる形状を呈している。また、ゴムブッシュ211は、シリンダ機構76の先端面76aの全体と面当接可能となる径を有するように形成されている。
【0087】
まず、ゴムブッシュ211を取付用ブラケット210の貫通孔210aに嵌め合わせた後、ゴムブッシュ211の中央孔に第3カラー212を嵌入する。そして、ボルト205を第3カラー212に挿通して、ボルト205の先端をねじ穴82cにねじ込むことによって、取付用ブラケット210がシリンダ機構76の先端に固定される。なお、図示していないが、取付用ブラケット210は、例えば、サイドフレーム等の車体1(図1参照)まで延びて形成されており、直接又は他の図示しない連結部材を介して、車体1にねじ締結、溶接等により固定される。
【0088】
なお、取付用ブラケット210をシリンダ機構76の先端に支持する構成としては、シリンダ機構76の先端面76aを1箇所で支持する構成に限定されるものではなく、例えばシリンダ機構76の先端に対して、側方および/または鉛直方向の上方(または下方)からゴムブッシュを介して複数個所においてフローティング支持するようにしてもよい。
【0089】
これにより、モータシリンダ装置16は、シリンダ機構76の先端において、車体1にフローティング支持される。したがって、モータシリンダ装置16は、第1マウント部181とともに第2マウント部を備えることにより、振動や衝撃を効果的に吸収することができる。
【0090】
図7に示すように、モータシリンダ装置16は、ブレーキ液が流通する第2配管チューブ22b、第5配管チューブ22e(以下、配管チューブと略記する)が、シリンダ機構76のシリンダ本体82に形成された出力ポート24a、24bに接続されている。配管チューブ22b、22eは、鋼管等の金属製のパイプを所定の形状に屈曲させることによって形成されている(他の配管チューブも同様)。
【0091】
ここで、シリンダ機構76は、中心軸CL(図3参照)方向に並んで形成される第1液圧室98a及び第2液圧室98b(図2参照)を備える、いわゆるタンデム型のシリンダ機構である。そして、出力ポート24aは、第1液圧室98aに連通するプライマリのポートであり、出力ポート24bは、第2液圧室98bに連通するセカンダリのポートである。
【0092】
出力ポート24a、24bから中心軸CLに直交する方向(図7の紙面垂直方向)に延びた配管チューブ22b、22eは、シリンダ機構76の基端側に曲げられた後、モータシリンダ装置16側に寄せられるようにして、シリンダ機構76の軸方向(中心軸CL方向)に沿って配設される。そして、出力ポート24a、24bとの接続箇所から離れた位置にある配管チューブ22b、22eの一部が、クランプ部材220を介してモータシリンダ装置16の中間部に支持されている。
【0093】
クランプ部材220は、例えば、ばね鋼等の弾性を有する1枚の金属板を所定形状に打ち抜き加工した後、折り曲げ加工を施すことによって形成される。また、クランプ部材220は、配管チューブ22b、22eまでそれぞれ延びて形成され、それぞれの先端に配管チューブ22bを保持する保持部220a、配管チューブ22eを保持する保持部220bを有している。保持部220a、220bは、ゴムブッシュ221a、221bを介して配管チューブ22b、22eを支持するように構成されている。なお、クランプ部材220は、電動モータ72を駆動力伝達部73に取り付ける際のボルト201、シリンダ機構76を駆動力伝達部73に取り付ける際のボルト202によってモータシリンダ装置16に固定されている。
【0094】
以上説明したように、本実施形態に係る車両用ブレーキシステム10におけるモータシリンダ装置16の車体取付構造では、モータシリンダ装置16を車体1に支持する第1マウント部181と、第1マウント部181とは異なるシリンダ機構76の先端側を車体1に支持する第2マウント部(ねじ穴82c)とが設けられているので、シリンダ機構76の先端側の変位を効果的に抑制することが可能になる。
【0095】
すなわち、モータシリンダ装置16を車体1に第1マウント部181を介して支持した場合、モータシリンダ装置16が振動等の力を受けたときにモータシリンダ装置16の第1マウント部181を支点として、この支点回りの回転動作により、軸方向(中心軸CL)に細長いシリンダ機構76の先端の変位が第1マウント部181に比べて増幅され、シリンダ機構76の先端側に接続される配管チューブ22b、22eに対する応力が増大する。そこで、本実施形態では、モータシリンダ装置16を、第1マウント部181だけではなく第2マウント部を追加して車体1に支持することで、シリンダ機構76の先端側の変位を効果的に抑制することが可能になる。その結果、シリンダ機構76に接続される配管チューブ22b、22eに発生する応力を低減することが可能になる。
【0096】
また、本実施形態によれば、アクチュエータ機構76(電動モータ72および駆動力伝達部73)とシリンダ機構76とが別体で構成されているので、両者を造り分けすることができる。例えば複数車種の車両に搭載する場合等で、第1マウント部181の位置や形状を変化させる必要がある場合には、シリンダ機構76をそのまま共用し、第1マウント部181が設けられたアクチュエータ機構76の部分のみを変更して対応することが可能となる。なお、第2マウント部(ねじ穴82c)については、車種などに応じて取付用ブラケット210の形状を変更するだけで済むので、前記したようにシリンダ機構76をそのまま共用することができる。車種等が変更になって車体1の構造やモータシリンダ装置16の配置が変更になったとしても、対応が容易となる。
【0097】
また、本実施形態では、第1マウント部181がモータシリンダ装置16の重心近傍に設けられ、第2マウント部がシリンダ機構76の先端に設けられて、モータシリンダ装置16が前記重心近傍と前記先端との2点で車体に支持されている。このように、モータシリンダ装置16の重心G近傍に第1マウント部181を設けることにより、振動等の力を受けた場合でもモータシリンダ装置16の振れを少なくすることができるので、シリンダ機構76の先端の振れをさらに少なくすることが可能になる。その結果、シリンダ機構76に接続される配管チューブ22b、22eに発生する応力をさらに低減することが可能になる。
【0098】
ところで、モータシリンダ装置16のシリンダ機構76に接続される配管チューブ22b、22eの組み付け時や交換時などにエアが混入するおそれがあり、シリンダ機構76にエアが混入したままだと液圧の発生に障害となる。そこで、図7において二点鎖線(一部図示)で示すように、シリンダ機構76の先端が上向きとなるようにモータシリンダ装置16を傾斜して車体1に搭載することで、配管チューブ22b、22eの組み付け時などにエアが混入した場合であっても、エアをシリンダ機構76から容易に排出することが可能になる。
【0099】
図8はモータシリンダ装置を車体に取り付ける他の方法を説明するための分解斜視図、図9は図8に示すモータシリンダ装置の車体への配置構成を示す図である。なお、前記した実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して重複した説明を省略する。
【0100】
図8に示すように、モータシリンダ装置16Aのシリンダ機構76は、略円筒状のシリンダ本体82を有し、このシリンダ本体82の先端側に互いに軸方向(中心軸CL、図3参照)に間隔を開けてボス83a、83b、85a(図9参照)、85bが突出して形成されている。ボス83a、83bは、車幅方向の外側(左側)に向けて形成され、ボス85a、85bは、車幅方向の内側(右側)に向けて形成されている。
【0101】
ボス83a、83bは、第2マウント部用(マウント用)として加工されるものであり、略円柱状に形成されたものである。ボス83a、83bは、先端面からシリンダ本体82に向けて円形のマウント穴83a1、83b1が形成される。なお、図示していないが、マウント穴83a1、83b1は、その底面(穴の奥側の面)にボルト206がねじ込まれるねじ穴を有している。また、マウント穴83a1、83b1は、シリンダ本体82内の第1液圧室98a、第2液圧室98bと連通しないように穴の深さが設定されている。
【0102】
一方、ボス85a、85bは、ポート用として加工されるものであり、略円柱状に形成されたものである。ボス85aは、シリンダ本体82内の第1液圧室98a(図2参照)と連通するように出力ポート24a(図9参照)が形成されている。またボス85bは、シリンダ本体82内の第2液圧室98b(図2参照)と連通するように出力ポート24b(図9参照)が形成されている。
【0103】
取付用ブラケット213は、鋼製の板材などで形成され、ボス83a、83bのマウント穴83a1、83b1と対応する位置に締結用のボルト206が挿通可能な貫通孔213aが形成されている。
【0104】
モータシリンダ装置16を取付用ブラケット213に取り付ける場合、ゴムブッシュ214、円筒形状のカラー215、及びボルト206を使用する。ゴムブッシュ214は、振動や衝撃を吸収し得るゴム製の略円筒形状の緩衝部材であり、マウント穴83a1、83b1に嵌入可能に構成されている。
【0105】
まず、ゴムブッシュ214の中央孔にカラー215を嵌入し、マウント穴83a1、83b1にゴムブッシュ214を押圧して嵌入する。そして、ボルト206を取付用ブラケット213の貫通孔213a、カラー215に挿通して、ボルト206をマウント穴83a1、83b1に形成されたねじ穴(不図示)にねじ込むことで、モータシリンダ装置16Aが取付用ブラケット213に支持される。これにより、モータシリンダ装置16Aは、取付用ブラケット213に対してフローティング支持される。
【0106】
図9に示すように、モータシリンダ装置16Aは、取付用ブラケット213(図8参照)を介して、白抜き矢印で示すように、例えば前後方向に延びるサイドフレーム等の車体1(図1参照)の側方に配置された状態において固定される。具体的には、取付用ブラケット213は、車体1まで延びて形成され、直接又は他の図示しない連結部材を介して、車体1にねじ締結、溶接等により固定される。
【0107】
このようなモータシリンダ装置16Aの車体取付構造によれば、シリンダ機構76(シリンダ本体82)に予め複数のボス83a、83b、85a、85bを形成しておき、一方の側(車幅方向内側)のボス85a、85bをポート用としてポート用の加工を施し、他方の側(車幅方向外側)のボス83a、83b(捨てボス側)を第2マウント部としてマウント用の加工を施すことで、新たにマウント部を電動ブレーキアクチュエータに形成する必要がなくなる。しかも、例えばボス83a、83b(捨てボス)側にボルトによる締結用のねじ穴を有するマウント穴83a1、83b1を形成するだけで済むので、マウント部の加工が容易になる。
【0108】
また、モータシリンダ装置16Aでは、シリンダ本体82の車幅方向の内側にポート用のボス85a、85bが配置されることで、メンテナンス時の配管の付け替えなどの作業が容易になる。また、モータシリンダ装置16Aでは、右ハンドル車を想定して、エンジンルームR内の右側に入力装置14が、左側にモータシリンダ装置16がそれぞれ配置される場合を例に挙げて説明したが、左ハンドル車に対応して、入力装置14をエンジンルームR内の左側、モータシリンダ装置16を右側に配置した場合、前記とは逆に、ボス83a、83bをポート用として、ボス85a、85bをマウント用として加工を施すことで、複数車種の車両に搭載する場合等でもシリンダ機構76を共用することができる。
【0109】
なお、2つのボス83a、83bをマウント用とした場合を例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、先端側のボス83bのみをマウント用として、マウント穴83b1の加工を施して利用してもよい。
【0110】
また、マウント用のボス83a、83bとポート用のボス85a、85bは、車幅方向の両側の2方向に限定されるものではなく、鉛直方向の上方および下方の2方向に形成されていてもよい。また、シリンダ本体82に対して3方向に向けてボスが形成され、一のボスをマウント用とし、残りのボスの一方を入力装置14と接続し、他方をVSA装置18と接続する4ポートを有するモータシリンダ装置としてもよい。
【0111】
また、モータシリンダ装置16、16Aを取り付ける向きは、シリンダ機構76の軸方向(CL)が前後方向を向くような構成に限定されるものではなく、シリンダ機構76の軸方向が車幅方向を向くような構成であってもよい。また、モータシリンダ装置16は、サイドフレームの側面に取り付ける構成に限定されるものではなく、サイドフレーム(車体1)の上面側であって、下面側であってもよく、またはサイドフレーム以外の場所であってもよい。
【符号の説明】
【0112】
1 車体
10 車両用ブレーキシステム
14 入力装置
16 モータシリンダ装置(電動ブレーキアクチュエータ)
18 VSA装置
72 電動モータ
73 駆動力伝達部
74 電動アクチュエータ
76 シリンダ機構
82c ねじ穴(第2マウント部)
83a、83b ボス(第2マウント部用)
85a、85b ボス(ポート用)
88a 第1スレーブピストン(ピストン)
88b 第2スレーブピストン(ピストン)
181 第1マウント部
190 取付用ブラケット
210 取付用ブラケット
G 重心
V 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者のブレーキ操作が入力される入力装置と、少なくとも前記ブレーキ操作に応じた電気信号に基づいてブレーキ液圧を発生させる電動ブレーキアクチュエータと、を備えた車両用ブレーキシステムにおける前記電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造であって、
前記電動ブレーキアクチュエータは、前記電気信号に基づいて駆動力を発生させるアクチュエータ機構と、前記アクチュエータ機構から伝達される駆動力によりピストンを軸方向に移動させることでブレーキ液に圧力を付与するシリンダ機構とを有し、
前記電動ブレーキアクチュエータは、この電動ブレーキアクチュエータを車体に支持する第1マウント部と、前記第1マウント部とは異なる前記シリンダ機構の先端側を車体に支持する第2マウント部とを有することを特徴とする電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造。
【請求項2】
前記アクチュエータ機構と前記シリンダ機構とは、分離可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造。
【請求項3】
前記第1マウント部は、前記電動ブレーキアクチュエータの重心近傍に設けられ、
前記第2マウント部は、前記シリンダ機構の先端に設けられ、
前記電動ブレーキアクチュエータは、前記重心近傍と前記先端との2点で車体に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造。
【請求項4】
前記第1マウント部は、前記電動ブレーキアクチュエータの重心近傍に設けられ、
前記シリンダ機構には、未加工のボスが予め複数形成され、
一の前記ボスは前記電動ブレーキアクチュエータを車体に取り付ける前記第2マウント部用として形成され、残りの前記ボスは前記シリンダ機構と連通するポート用として形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造。
【請求項5】
前記電動ブレーキアクチュエータは、前記シリンダ機構の先端が上向きとなるように傾斜して配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電動ブレーキアクチュエータの車体取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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