説明

電動回転機

【課題】トルクリプルやコギングトルクを低減させて、振動や騒音の少ない高品質で高効率な回転駆動をすることのできる電動回転機を提供すること。
【解決手段】固定子11は、回転子12に対面する複数本のティース15と、コイルをティースに巻き掛ける空間の複数のスロット18とを有し、回転子には、ティースに磁気力を働かせる一対の永久磁石16がV字に埋め込まれることにより、固定子内の回転子をリラクタンストルクとマグネットトルクにより回転駆動させる電動回転機10であって、回転子の外周面12aには相対移動するティース毎の磁束密度が滑らかに変化するように、隙間Gの対面間隔Xgの20%〜40%の溝深さRtでティース幅Tsの調整溝21をd軸からの変位角θ1=30°となる位置に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動回転機に関し、詳しくは、高品質な回転駆動を実現したものに関する。
【背景技術】
【0002】
各種装置に搭載する電動回転機には、搭載装置に応じた特性が要求されることになり、例えば、駆動源として内燃機関と共にハイブリッド自動車(Hybrid Electric Vehicle)に搭載されたり、単独の駆動源として電気自動車(Electric Vehicle)に搭載される、駆動用モータの場合には、低回転域で大トルクを発生するのと同時に、広い可変速特性を備えることが要求される。
【0003】
このような特性を有する電動回転機としては、マグネットトルクと共に、リラクタンストルクを効果的に利用可能な構造を採用するのが有効であり、外周面側に向かって開くV字型になるように、磁力の強いネオジム磁石(Neodymium magnet)などの永久磁石を回転子内に埋め込む、IPM(Interior Permanent Magnet)構造を採用することが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
このIPM構造を採用する電動回転機にあっては、回転子内に永久磁石をV字型になるように埋め込んでq軸磁路を確保することによりリラクタンストルクを有効活用可能にする。このことから、この電動回転機におけるリラクタンストルクの比率がマグネットトルクよりも大きくなり、また、V字に永久磁石を埋め込んだ回転子におけるq軸とd軸のインダクタンス比(Lq/Ld)の突極比も大きくなって磁束波形に空間高調波が重畳し易くなる。なお、d軸は、磁極が作る磁束の方向、すなわち、V字の永久磁石間の中心軸となり、q軸は、そのd軸と電気的・磁気的に直交する、隣接する磁極(永久磁石)間の中心軸となる。
【0005】
このため、このような電動回転機では、トルクの変動幅であるトルクリプル(torque
ripple)が増加してしまう。そして、このトルクリプルの増加は、電動回転機の振動や電磁騒音の増加原因になり、そのうちの電磁騒音は、内燃機関の駆動に起因する騒音よりも比較的周波数帯が高く、電動回転機を搭載する車両の乗員にとって不快な音になることから、できるだけ低減するのが好ましい。
【0006】
また、電動回転機は、電力消費を小さく、かつ、効率よく所望の駆動力を発生するために、高効率に駆動することが求められるが、振動等が発生すると損失となって、その効率の低下要因となる。
【0007】
特に、ハイブリッド自動車や電気自動車には、搭載空間の制約と共に、近年のエネルギ効率(燃費)の向上の要求に伴って、軽量化と同時に小型化による高エネルギ密度出力が可能な電動回転機が求められており、例えば、発進後の市街地走行時などに常用される領域における高効率な駆動を実現する必要があり、異常振動であるジャダー(judder)の低減やスムーズな加速性能のためにも、トルクリプルと共に、永久磁石の吸引力に起因するコギングトルク(Cogging Torque)を抑えるのが効果的である。
【0008】
このような電動回転機(モータ)としては、単位体積当たりの出力密度を高めるほど、トルクリプルやコギングトルクの発生による電磁騒音の増加や効率悪化の傾向になるため、モータ単体として、小型化と共に、効率向上、電磁騒音低減、低トルクリプル、低コギングトルクを両立させることは極めて困難であるが、要望が大きいのも現実である。
【0009】
この種の電磁騒音、トルクリプル、コギングトルクの低減を実現する手段としては、回転子を軸方向に分割して永久磁石同士を回転方向(周回回転方向)に捩じった位置関係にする、所謂、スキューを施すことが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0010】
しかしながら、スキューを施した電動回転機にあっては、組立工数が増加して生産コストが増加するとともに、隣接する永久磁石同士には段差が存在する状態で組み付けられることから、その段差の境界面付近での着磁率が悪化して永久磁石としての磁束密度が低下することになる。この結果、電動回転機に備えさせる出力トルクが低下してしまう。
【0011】
このことから、この種の電動回転機では、スキューを施すことなく、電磁騒音などの低減を実現するための各種工夫がなされており、固定子内で回転する回転子の外周面の断面形状を花弁状にするなどして、回転子の外周面と固定子の内周面との間の隙間(エアギャップ)を、q軸との交差位置で広くすることが提案されている(例えば、特許文献1、3、4)。
【0012】
しかし、この特許文献1、3、4に記載のような電動回転機にあっては、励磁軸となるq軸を中心に広い範囲でのエアギャップが大きくなることにより磁気抵抗が増加して、突極比やトルクの低下と共に効率悪化を招くことになる。
【0013】
また、この種の電動回転機では、このような磁気抵抗の増加なく、トルク低下の問題点を解決しながらトルクリプルやコギングトルクを抑えるために、永久磁石の両側方に形成して磁束の回り込みを制限するフラックスバリアの形状を工夫することが提案されている(例えば、特許文献5、6)。
【0014】
しかし、この特許文献5、6に記載のような電動回転機にあっては、特定形状のフラックスバリアを形成するために、永久磁石を挟んで回転子の外周面側を連結支持するブリッジ部の強度を確保することができずに、高速回転時における遠心力でそのブリッジ部が破損して破断などに至ってしまう、所謂、バースト現象が発生してしまう可能性が出てきてしまう。
【0015】
また、この種の電動回転機では、トルクリプルやコギングトルクを抑えるために、回転子の外周面に軸方向に延在する溝を形成することが提案されている(例えば、特許文献7〜11)。
【0016】
しかし、この特許文献7〜11にあっては、3相のIPMモータ構造を採用する電動回転機の全ての条件に対応している訳ではなく、溝の形成位置をどのようにして決定すればよいのか、また、その溝幅はどの程度にすればよいのかなどの重要な形成条件が不明である。このため、他の構造に適用することができず、例えば、永久磁石の設置条件や固定子における後述のティース部の先端幅やスロットの開口幅などの各種条件に応じた最適条件にすることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2008− 99418号公報
【特許文献2】特開2006−304546号公報
【特許文献3】特開2000−197292号公報
【特許文献4】特開2007−312591号公報
【特許文献5】特開2002−223538号公報
【特許文献6】特開2009− 77525号公報
【特許文献7】特開2004−328956号公報
【特許文献8】特開2008−206308号公報
【特許文献9】特開2008−220053号公報
【特許文献10】特開2008−312316号公報
【特許文献11】特開2011−142735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
そこで、本発明は、トルクリプルやコギングトルクなどを低減させて、振動や騒音の少ない高品質で高効率な回転駆動をすることのできる電動回転機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決する電動回転機に係る発明の第1の態様は、軸心の回転軸を一体回転させる回転子と、該回転子を回転自在に収容する固定子と、を備えて、前記固定子は、前記回転子の周回回転する外周面に向かって延在して該外周面に内周面側を対面させる複数本のティース部と、駆動電力を入力するコイルを前記ティース部に巻き掛ける空間であって該ティース部間に形成される複数のスロットと、を有し、前記回転子には、前記ティース部の対向面に対する磁気力を働かせるように複数の永久磁石が埋め込まれることにより、前記コイルへの通電時に発生する、前記ティース部内、当該ティース部背面側および前記回転子内を磁束が通過することによるリラクタンストルクおよび前記永久磁石との間の間で働く吸引力または反発力のマグネットトルクにより前記固定子内の前記回転子を回転駆動させる電動回転機であって、前記回転子側の1組の前記永久磁石と前記固定子側の1組の前記スロットとが対応する構成で、該1組の永久磁石側を1磁極としたときに、該1磁極に対応する前記1組のスロットを形成する前記ティース部毎の磁束密度が当該1磁極中心から両側方に滑らかに変化(連続)するように、前記回転子における当該磁束の磁路の形成領域を調整することを特徴とするものである。
【0020】
上記課題を解決する電動回転機に係る発明の第2の態様は、上記第1の態様の特定事項に加え、前記回転子の前記ティース部に対面する外周面と、前記1組の永久磁石の前記回転子の外周面側と、の間の前記磁束の磁路の形成領域の形状が前記1磁極中心から外方に向かって滑らかに連続するように形成されていることを特徴とするものである。
【0021】
上記課題を解決する電動回転機に係る発明の第3の態様は、上記第2の態様の特定事項に加え、前記ティース部毎の磁束密度が前記1磁極中心から両側方に滑らかに変化させる前記磁束の磁路の形成領域の形状として、前記1磁極の中心に対する両側均等位置で前記ティース部に対面する前記回転子の外周面に、当該ティース部の対面幅以内の幅で該ティース部と平行になるように形成されている調整溝を備えることを特徴とするものである。
【0022】
上記課題を解決する電動回転機に係る発明の第4の態様は、上記第3の態様の特定事項に加え、前記回転子側には、当該外周面側に向かってV字型に開くように一対で前記1組の永久磁石を埋め込んで前記1磁極が構成され、前記固定子側には、6つで前記1組のスロットが構成される電動回転機であって、前記1磁極中心に対する正逆方向の電気角30度の位置に、前記ティース部の対面幅の前記調整溝が形成されており、前記調整溝は、0.2≦溝深さ/当該ティース部と前記外周面の対向面間距離≦0.4を満たす形状に形成されていることを特徴とするものである。
【0023】
上記課題を解決する電動回転機に係る発明の第5の態様は、上記第1から第4のいずれか1つの特定事項に加え、前記1組の永久磁石の外端側に、磁束の回り込みを制限するフラックスバリアが形成されている場合には、当該フラックスバリアの外端部を含んで前記1磁極を構成していることを特徴とするものである。
【0024】
上記課題を解決する電動回転機に係る発明の第6の態様は、上記第5の態様の特定事項に加え、前記ティース部毎の磁束密度が前記1磁極中心から両側方に滑らかに変化させる前記磁束の磁路の形成領域の形状として、前記回転子の外周面との間で当該磁束の磁路の形成領域を形成する前記フラックスバリアの外側壁面を、前記永久磁石の外面の延長面から前記回転子の内方に湾曲する湾曲形状に形成することを特徴とするものである。
【0025】
上記課題を解決する電動回転機に係る発明の第7の態様は、上記第6の態様の特定事項に加え、前記回転子側には、当該外周面側に向かってV字型に開くように一対で前記1組の永久磁石を埋め込んで前記1磁極が構成され、前記固定子側には、6つで前記1組のスロットが構成される電動回転機であって、前記フラックスバリアの外側壁面は、R6からR10の範囲内の湾曲面で、前記永久磁石の外面の延長面と該永久磁石の隣接箇所における当該外側壁面の接線との間の挟角が0°から4°の範囲内になるように形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0026】
このように、本発明の上記の第1の態様によれば、固定子側のコイルに通電することより生成される磁束がティース部から対面する回転子側に連続する磁路を通過する際に、その回転子側の磁路の形成領域に応じてその磁束密度が1磁極毎に滑らかに変化する。したがって、各相コイルに通電する相間電圧が歪むことや磁束の急激な変化を抑制することができ、回転子の回転時に生じるトルク変動のトルクリプルと共にコギングトルクを低減することができ、振動や騒音の少ない高品質な回転駆動を実現し、また、同時に、損失の少ない高効率に回転駆動させることができる。
【0027】
本発明の上記の第2の態様によれば、固定子側のティース部に対面する回転子の外周面と1磁極の永久磁石との間の磁束の磁路の形成領域が、その1磁極の相対移動時のティース部毎の磁束密度が1磁極中心から外方に向かって滑らかに連続するように調整されて、回転子の外周面にティース部から流れ込む磁束密度を調整することができる。したがって、ティース部毎の磁束波形を滑らかに連続させて、回転子の回転時に生じるトルクリプルと共にコギングトルクを低減させることができ、振動や騒音と共に損失の少ない高品質な回転駆動を実現することができる。
【0028】
本発明の上記の第3の態様によれば、固定子側のティース部に対面する回転子の外周面に、ティース部に対する対面幅以内で平行な調整溝が一磁極中心の両側に形成されて、1磁極の相対移動時のティース部毎の磁束密度が滑らかに連続するように調整される。すなわち、回転子のティース部に対面する外周面側との間の隙間を介する磁束の磁路の形成領域が1磁極中心から外方に向かって滑らかに連続するように調整溝が形成されて、回転子の外周面にティース部から流れ込む磁束密度を調整することができる。したがって、ティース部毎の磁束波形を滑らかに連続させて、回転子の回転時に生じるトルクリプルと共にコギングトルクを低減させることができ、振動や騒音と共に損失の少ない高品質な回転駆動を実現することができる。
【0029】
本発明の上記の第4の態様によれば、V字型の一対1組の永久磁石の1磁極が1組6スロットに対応する構造の場合に、溝深さ/ティース部と外周面の対向面間距離を0.2〜0.4になるように形成された調整溝が1磁極中心に対する正逆電気角30度の位置に形成される。したがって、トルクリプルやコギングトルクを低減することができ、振動や騒音と共に損失の少ない高品質な回転駆動を実現することができる。
【0030】
本発明の上記の第5の態様によれば、1磁極内に永久磁石の外端部側のフラックスバリアも含めて(考慮して)、ティース部に対面する回転子の外周面における磁束の磁路の形成領域が1磁極中心から外方に向かって滑らかに連続するように形成される。したがって、磁束を有効活用しつつ、トルクリプルと共にコギングトルクを低減させることができ、振動や騒音と共に損失の少ない高品質な回転駆動を実現することができる。
【0031】
本発明の上記の第6の態様によれば、固定子側のティース部に対面する回転子の外周面との間で磁束の磁路となる領域を形成するフラックスバリアの外側壁面が永久磁石の外面の延長面から回転子の内方に湾曲する湾曲形状に形成される。すなわち、回転子のティース部に対面する外周面側のフラックスバリアの外側壁面との間の磁束の磁路の形成領域(磁束の通過形状や通過面積)が外方に向かって滑らかに連続するように形成されて、回転子の外周面にティース部から流れ込む磁束密度を調整することができる。したがって、ティース部毎の磁束波形を滑らかに連続させて、回転子の回転時に生じるトルクリプルと共にコギングトルクを低減させることができ、振動や騒音と共に損失の少ない高品質な回転駆動を実現することができる。
【0032】
本発明の上記の第7の態様によれば、V字型の一対1組の永久磁石の1磁極が1組6スロットに対応する構造の場合に、永久磁石の外面からの延長面に対する接線の挟角が0°〜4°の範囲内で連続するR6〜R10の湾曲面になるように、フラックスバリアの外側壁面が形成される。したがって、トルクリプルやコギングトルクを低減することができ、振動や騒音と共に損失の少ない高品質な回転駆動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る電動回転機の一実施形態を示す図であり、その基本構造を示す平面図である。
【図2】その回転子側に磁極がない場合の磁束発生の発生状況を示す平面図である。
【図3】本発明の課題の解決を説明するグラフである。
【図4】本発明の課題の解決を説明する一部拡大平面図である。
【図5】その一実施形態の一箇所の構成条件を示す一部拡大平面図である。
【図6】その構成の条件決定を説明するグラフである。
【図7】その構成の図6と異なる条件決定を説明するグラフである。
【図8】その構成の図6と異なる条件決定を説明するグラフである。
【図9】その一実施形態の図6と異なる箇所の構成条件を示す一部拡大平面図である。
【図10】その構成による注目箇所における磁束の発生を示す一部拡大概念図である。
【図11】その構成がない従来構成の注目箇所における磁束の発生を示す一部拡大概念図である。
【図12】その一実施形態の適用の有無による作用効果を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図12は本発明に係る電動回転機の一実施形態を示す図である。
【0035】
図1において、電動回転機(モータ)10は、概略円筒形状に形成された固定子(ステータ)11と、この固定子11内に回転自在に収納されて軸心に一致する回転軸13が固設されている回転子(ロータ)12と、を備えており、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車において、内燃機関と同様の駆動源として、あるいは車輪ホイール内に搭載するのに好適な性能を有している。
【0036】
固定子11には、回転子12の外周面12aにギャップG(図5を参照)を介して内周面15a側を対面させるように軸心の法線方向に延在する複数本のステータティース15が形成されている。このステータティース15には、内部に対面収納されている回転子12を回転駆動させる磁束を発生させるコイル(図4にU相コイルCを図示)を構成する3相巻線が分布巻により巻付形成されている。
【0037】
回転子12は、外周面12aに向かって開くV字型になるように、一対で1組の永久磁石16を1磁極として埋め込むIPM(Interior Permanent Magnet)構造になるように作製されている。この回転子12は、図面の表裏方向に延在する平板状の永久磁石16の角部16aを対面状態に嵌め込んで不動状態に収容する空間17aと、その永久磁石16の幅方向の両側方に位置して磁束の回り込みを制限するフラックスバリアとして機能する空間17b(以下ではフラックスバリア17bともいう)とを形成するV字空間17が外周面12aに対面するように形成されている。このV字空間17の間には、永久磁石16を高速回転時の遠心力に抗して位置決め保持することができるように、永久磁石16間を連結支持するセンタブリッジ20が形成されている。
【0038】
この電動回転機10は、ステータティース15間の空間が、巻線を通して巻き掛けることによりコイルを形成するためのスロット18を構成しており、8組の永久磁石16側にそれぞれ6本のステータティース15が対面するように、言い換えると、一対の永久磁石16側が構成する1磁極に6スロット18が対応するように構築されている。すなわち、電動回転機10は、隣接する1磁極毎に永久磁石16のN極とS極の表裏を交互にした、8極(4極対)、48スロットで、単相分布巻5ピッチで巻線した3相IPMモータに作製されている。なお、図中のN極、S極の表示は、部材表面に存在する訳ではなく、説明のために図示するものである。
【0039】
これにより、電動回転機10は、固定子11のスロット18内のコイルに通電してステータティース15から対面する回転子12内に磁束を通したときに、永久磁石16との間に生じる吸引力と反発力に起因するマグネットトルクに加えて、その磁束が通過する磁路を最短にしようとするリラクタンストルクとの総合トルクにより回転駆動することができ、その回転子12と一体回転する回転軸13から通電入力する電気的エネルギを機械的エネルギとして出力することができる。
【0040】
ここで、この電動回転機10は、図2に示すように、1磁極を構成する一対の永久磁石16に対応する複数のステータティース15毎に、固定子11から回転子12内に均等配置された磁路を形成するように、スロット18内に巻線コイルを分布巻きして形成されており、この磁路に沿うように、言い換えると、磁束の形成を妨げないように永久磁石16を収容するV字空間17が形成されている。なお、固定子11と回転子12は、ケイ素鋼などの電磁鋼板材料の薄板を所望の出力トルクに応じた厚さになるように軸方向に重ねてボルト穴19などを利用してネジ止めすることにより作製されている。
【0041】
ところで、電動回転機10のように回転子12内に永久磁石16をV字に埋め込んだIPM構造では、磁極が作る磁束の方向、すなわち、V字の永久磁石16間の中心軸をd軸とし、また、そのd軸と電気的・磁気的に直交する、隣接する磁極間の永久磁石16間の中心軸をq軸としている。
【0042】
そして、電動回転機10は、例えば、図3に図示する無負荷時のU相−V相の線間電圧波形に示すように、1周期における時期α、βで高調波が重畳しており、この重畳する高調波の大きさに応じて線間電圧の歪みなどが増大する。この線間電圧波形における高調波の1周期における時期α、βは、相電圧と線間電圧の関係から、図4に示すように、固定子11側のスロット18に巻き掛けたU相電圧用コイルCに、回転子12側の1磁極(一対の永久磁石16側)を合わせたときのd軸を中心にする対称位置B、Dのステータティース15が対応しており、この時期α、βにおける相電圧波形成分を低減することにより線間電圧の歪みなどを抑えることができる。
【0043】
このため、電動回転機10は、高調波成分の重畳時期α、βの該当ステータティース15に鎖交する磁束に対する磁気抵抗を高くすることによりその高調波成分を抑えるようになっており、図5に示すように、ステータティース15の内周面15aと回転子12の外周面12aとの間の隙間Gを調整する凹状の調整溝21が形成されている。この調整溝21は、後述するように、そのステータティース15の内周面15aに対面する回転子12の外周面12aに形成するなどして透磁率を下げることにより磁気抵抗を高くすることができ、重畳する高調波成分を抑えて線間電圧波形を正弦波に近づけて線間電圧の歪みなどを低減している。すなわち、調整溝21は、1磁極に対応する1周期内で固定子11側のステータティース15から回転子12側に通る磁束の磁束密度が滑らかに連続して変化するようにその磁束の磁路の形成領域における磁気抵抗を調整している。
【0044】
この調整溝21は、回転子12の外周面12aに形成する最適な位置や形状を有限要素法による電磁界解析を行って決定しており、斜面21aに挟まれている最深部21bの形成位置やその深さの最適条件が決定されて形成されている。
【0045】
詳細には、調整溝21は、例えば、回転子12の外周面12aから最深部21aまでの溝深さRt、ステータティース15の内周面15aの対面幅に一致させた斜面21aの縁間隔の溝幅Tsを一定として、有限要素法による電磁界解析を行って形成位置を決定しており、回転子12の1磁極のd軸(一対の永久磁石16間の中心線)を中心にする対称位置B、Dのステータティース15に対面する最深部21bの位置の正逆方向のずれ量の変位角θ1をパラメータとしている。ここで、この調整溝21は、溝幅Tsをステータティース15の内周面15aの対面幅に一致させているが、この条件が好適ではあるがこれに限るものではなく、上記の対称位置B、Dに位置するステータティース15の内周面15aに対面する範囲内であればその対面幅以内に磁束の磁路の形成領域の調整の都合に応じて、適宜縮小してもよい。
【0046】
この有限要素法による電磁界解析では、一対の永久磁石16の磁力による吸引力に起因するコギングトルクの低減率や、線間電圧における高調波の含有率を表す線間電圧THD(Total Harmonic Distortion:高調波歪率)の増加率を導出すると、図6のグラフに示すような結果が得られる。この図6のグラフからは、d軸に対する正逆方向の変位角θ1は、次の条件1程度でコギングトルクと線間電圧THDを良好に抑えることができ、次の条件2程度の範囲内に納めるのが好ましく、さらに、次の条件3が最適値であることが分かる。このような条件を満たすことにより、調整溝21は、d軸を中心にする対称位置B、Dのステータティース15の内周面15aとこれに対面する外周面12aとの間の透磁率を効果的に下げて(磁気抵抗を上げて)線間電圧波形を正弦波に近づけることができる。なお、コギングトルクの低減率や線間電圧THDの増加率は、外周面12aに調整溝21を形成していない回転子12におけるコギングトルクや線間電圧THDを基準にして算出している。
条件1:28°≦|θ1(電気角)|≦32°
条件2:29°≦|θ1(電気角)|≦31°
条件3:θ1=±30°
【0047】
また、調整溝21は、溝幅Tsをそのままにして溝深さRtを変化させ、回転子12の外周面12aとステータティース15の内周面15aとの間のギャップGの隙間間隔(対向面間距離)Xgに対するその溝深さRtの比率δをパラメータとして、有限要素法による電磁界解析を行って、その溝深さRtを決定する。
【0048】
この有限要素法による電磁界解析では、電動回転機10に負荷が課されていない、例えば、下り坂の滑走時の場合におけるコギングトルクの低減率や線間電圧THDの増加率を導出すると、図7のグラフに示すような結果を得ることができる。また、発進後の市街地走行時などに必要とされるトルク常用領域における線間電圧THDの増加率と共にトルクの減少率やそのトルクの変動幅であるトルクリプルを導出すると、図8のグラフに示すような結果を得ることができる。この無負荷時の図7のグラフからは、比率δ=40%程度が最適条件であることが分かり、また、トルク常用領域の図8のグラフからは、比率δ=20%程度が最適条件であることが分かる。これらの両立を考慮すると、そのエアギャップGの間隔Xgに対する溝深さRtの比率δとしては、次の条件4程度の範囲内に納めるのが好ましく、このような条件を満たすことにより、トルクの低減率を小さく抑えつつトルクリプルや線間電圧THDを良好に抑えることができ、d軸を中心にする対称位置B、Dのステータティース15の内周面15aとこれに対面する外周面12aとの間の透磁率を効果的に下げて(磁気抵抗を上げて)線間電圧波形を正弦波に近づけることができる。なお、トルクの減少率やトルクリプルの低減率は、線間電圧THDの増加率などと同様に、外周面12aに調整溝21を形成していない回転子12におけるコギングトルクや線間電圧THDを基準にして算出している。
条件4:20%≦δ(δ=Rt/Xg)≦40%
【0049】
さらに、この電動回転機10は、回転子12側の一対のフラックスバリア17bを含む永久磁石16の1磁極が固定子11側に対して相対回転することにより、複数のステータティース15毎に一磁極が繰り返し対面しており、そのステータティース15と回転子12との間を磁束が通ることによりその回転子12を回転駆動させている。このとき、回転子12内では、固定子11のステータティース15の内周面15aに対面する1磁極の回転方向に対する前後における、回転子12の外周面12aとフラックスバリア17bのその外周面12a側に位置するフィレット部(外側壁面)17bwとの間の領域を通る磁束の形成状況が変化することになる。このことから、回転子12の外周面12a側は、図9に示すように、そのフラックスバリア17bの少なくともフィレット部17bwが湾曲形状に形成されている。これにより、回転子12の外周面12aとフラックスバリア17bのフィレット部17bwとの間の磁束形成領域は、磁束の通過面積や磁束の形成形状が1磁極の外側に向かって滑らかに連続して変化しており、回転子12の外周面12aに内周面15a側を対面させているステータティース15の切換を1磁極毎に滑らかに連続させることができ、ステータティース15内に形成される磁束の密度(強度)が急激に変化することを未然に防止して、トルクの変化を滑らかに連続させることができる。また、永久磁石16を回転子12内に支持する強度も十分に得ることができる(損なうことがない)。
【0050】
詳細には、回転子12側の1磁極におけるフラックスバリア17bのフィレット部17bwの湾曲形状は、ハイブリッド自動車や電気自動車に要求されるトルクの大きさに応じて設定すればよく、例えば、回転子12の外周面12aと間の領域における磁束の通過面積を大きくすればするほど回転子12の1磁極の外部への磁束漏れが多くなることから、それとの兼ね合いで作製すればよい。
【0051】
例えば、電動回転機10としては、660〜1200ccのガソリンエンジンを搭載する車両と同等に、減速比7.0〜10.0で利用するハイブリッド自動車用を一例にして、ネオジム磁石(Nd−Fe−B)を採用して永久磁石16を製作し、4名乗車でトランク利用時の走行に必要なトルクを発生するのに十分な構造を決定する場合を説明する。
【0052】
この場合には、図9に示すように、回転子12の外周面12aとフラックスバリア17bのフィレット部17bwとの間の最薄となる箇所の肉厚幅Tfと、この肉厚幅Tfを回転子12の外周面12aに添わせる円弧面Rafとを用いて、V字空間17の永久磁石16の収容空間17aの対向壁面の延長面17awと円弧面Rafとの交差位置M付近におけるフラックスバリア17bのフィレット部17bwの湾曲形状Rfを、曲率半径R6〜R10にする。また、このフラックスバリア17bのフィレット部17bwは、V字空間17の収容空間17aの延長面17awに対する、永久磁石16の隣接箇所における接線であるフラックスバリア開口直線L1との挟角θ2が0°〜4°の範囲内に収まるように決定する。なお、図9中のθ3はd軸に対するV字空間17の収容空間17aの延長面17aw(永久磁石16)の傾斜角を示しており、この傾斜角θ3もトルクリプルなどを抑えることができるように決定すればよい。なお、ここでは、上記交差位置Mにおける曲率半径を説明するが、これに限るものではなく、単純にフラックスバリア17bのフィレット部17bwの全体をV字空間17の収容空間17aの延長面17awから滑らかに連続させて曲率半径R6〜R10に形成してもよいことは言うまでもない。
【0053】
このように、回転子12では、図10に示すように、1磁極におけるフラックスバリア17bのフィレット部17bwを湾曲形状にすることにより、その外周面12aとの間の領域を通る磁束をステータティース15の相対的な移動に応じて滑らかに増減させることができ、ステータティース15を通る磁束が急激に変化して大きなコギングトルクを発生させてしまうことを回避することができる。
【0054】
詳細には、図11に示すように、フラックスバリア17bのフィレット部17bwが、V字空間17の収容空間17aの延長面17awとフラックスバリア開口直線L1との挟角がθ2=0°のまま湾曲形状になることなく屈曲する従来の形状の場合には、磁束密度の変化が急激となっている。図中破線で示すステータティース15における縁部に注目すると明確なように、図11(a)〜図11(b)のタイミングT1、T2のように、フラックスバリア17bの1/4程度がステータティース15に対面する程度では磁束φが通ることはほとんどなく、図11(c)のタイミングT3になって、フラックスバリア17bの半分程度がステータティース15に対面して初めて磁束φが急激に増加し始め、その結果大きなコギングトルクとなってしまう。
【0055】
これに対して、この電動回転機10では、図10に示すように、フラックスバリア17bのフィレット部17bwを上記の条件を満たす湾曲形状に形成しているので、磁束密度がステータティース15の相対位置に応じて変化している。図中破線で示すステータティース15における縁部に注目すると明確なように、図10(a)のタイミングT1から図10(b)のタイミングT2に示すように、フラックスバリア17bの1/4程度がステータティース15に対面する程度でも磁束φが既に増加し始めており、さらに、図10(c)のタイミングT3に示すように、フラックスバリア17bの半分程度以上にステータティース15が対面するに従って磁束φが滑らかに増加してコギングトルクとなることのない滑らかなトルクを生成出力することができている。
【0056】
したがって、この電動回転機10では、図12に示すように、回転子12の外周面12aに調整溝21を形成することなく、フラックスバリア17bのフィレット部17bwも湾曲形状に形成されていない場合には、図中波形Aで示すように大きなコギングトルクが発生しているのに対して、回転子12の外周面12aに調整溝21を形成するだけでも図中波形Bで示すようにそのコギングトルクを低減することができている。さらに、その調整溝21に加えて、フラックスバリア17bのフィレット部17bwを上記条件の湾曲形状に形成することにより図中波形Cで示すように小さなコギングトルクの発生に抑えることができている。
【0057】
このように本実施形態においては、d軸に対する変位角θ1=30°となる回転子12の外周面12aの位置に、ステータティース15の内周面15aとの対面幅に一致する溝幅Tsで、その外周面12aと内周面15aとの隙間Gの間隔Xgに対する比率が20%〜40%となる溝深さRtの調整溝21が形成される。また、フラックスバリア17bのフィレット部17bwが曲率半径R6〜R10の湾曲形状に形成される。これにより、1磁極が相対移動する際に形成するステータティース15毎の磁束密度を滑らかに連続させることができ、滑らかな磁束波形にして高品質なトルクを発生させることのできるIPM構造モータとすることができる。したがって、電動回転機10を振動や騒音を少なく高品質回転をさせることができるとともに、損失を少なく高効率に回転駆動させることができる。
【0058】
ここで、本実施形態では、永久磁石16をV字型にして回転子12内に埋め込む構造を採用する場合を一例に説明するが、これに限るものではなく、例えば、永久磁石を回転子12の外周面12aに対して平板状に対面する状態に埋め込む平板配置の場合にも適用することができ、同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
また、8極48スロットモータの構成の電動回転機10を一例にして、1磁極1対が1周期(360°)に対応する角度を電気角として説明するが、これに限るものではなく、1磁極に対して6スロットが対応する他のモータ構造にも適用することができ、例えば、6極36スロット、4極24スロット、10極60スロットのモータ構造にもそのまま適用することができる。
【0060】
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0062】
10 電動回転機
11 固定子
12 回転子
12a 外周面
13 回転軸
15 ステータティース
15a 内周面
16 永久磁石
16a 角部
17 V字空間
17b フラックスバリア
17bw フィレット部
18 スロット
20 センタブリッジ
21 調整溝
21a 斜面
21a 最深部
G エアギャップ
Rt 溝深さ
Ts 溝幅
Xg 隙間間隔
θ1 変位角
θ2 挟角
φ 磁束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心の回転軸を一体回転させる回転子と、該回転子を回転自在に収容する固定子と、を備えて、
前記固定子は、前記回転子の周回回転する外周面に向かって延在して該外周面に内周面側を対面させる複数本のティース部と、駆動電力を入力するコイルを前記ティース部に巻き掛ける空間であって該ティース部間に形成される複数のスロットと、を有し、
前記回転子には、前記ティース部の対向面に対する磁気力を働かせるように複数の永久磁石が埋め込まれることにより、
前記コイルへの通電時に発生する、前記ティース部内、当該ティース部背面側および前記回転子内を磁束が通過することによるリラクタンストルクおよび前記永久磁石との間の間で働く吸引力または反発力のマグネットトルクにより前記固定子内の前記回転子を回転駆動させる電動回転機であって、
前記回転子側の1組の前記永久磁石と前記固定子側の1組の前記スロットとが対応する構成で、該1組の永久磁石側を1磁極としたときに、該1磁極に対応する前記1組のスロットを形成する前記ティース部毎の磁束密度が当該1磁極中心から両側方に滑らかに変化するように、前記回転子における当該磁束の磁路の形成領域を調整することを特徴とする電動回転機。
【請求項2】
前記回転子の前記ティース部に対面する外周面と、前記1組の永久磁石の前記回転子の外周面側と、の間の前記磁束の磁路の形成領域の形状が前記1磁極中心から外方に向かって滑らかに連続するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動回転機。
【請求項3】
前記ティース部毎の磁束密度が前記1磁極中心から両側方に滑らかに変化させる前記磁束の磁路の形成領域の形状として、
前記1磁極の中心に対する両側均等位置で前記ティース部に対面する前記回転子の外周面に、当該ティース部の対面幅以内の幅で該ティース部と平行になるように形成されている調整溝を備えることを特徴とする請求項2に記載の電動回転機。
【請求項4】
前記回転子側には、当該外周面側に向かってV字型に開くように一対で前記1組の永久磁石を埋め込んで前記1磁極が構成され、
前記固定子側には、6つで前記1組のスロットが構成される電動回転機であって、
前記1磁極中心に対する正逆方向の電気角30度の位置に、前記ティース部の対面幅の前記調整溝が形成されており、
前記調整溝は、0.2≦溝深さ/当該ティース部と前記外周面の対向面間距離≦0.4を満たす形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電動回転機。
【請求項5】
前記1組の永久磁石の外端側に、磁束の回り込みを制限するフラックスバリアが形成されている場合には、当該フラックスバリアの外端部を含んで前記1磁極を構成していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電動回転機。
【請求項6】
前記ティース部毎の磁束密度が前記1磁極中心から両側方に滑らかに変化させる前記磁束の磁路の形成領域の形状として、
前記回転子の外周面との間で当該磁束の磁路の形成領域を形成する前記フラックスバリアの外側壁面を、前記永久磁石の外面の延長面から前記回転子の内方に湾曲する湾曲形状に形成することを特徴とする請求項5に記載の電動回転機。
【請求項7】
前記回転子側には、当該外周面側に向かってV字型に開くように一対で前記1組の永久磁石を埋め込んで前記1磁極が構成され、
前記固定子側には、6つで前記1組のスロットが構成される電動回転機であって、
前記フラックスバリアの外側壁面は、R6からR10の範囲内の湾曲面で、
前記永久磁石の外面の延長面と該永久磁石の隣接箇所における当該外側壁面の接線との間の挟角が0°から4°の範囲内になるように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の電動回転機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−99193(P2013−99193A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242063(P2011−242063)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】