説明

電動式建設機械

【課題】 車体側に設けた外部電源接続部に対し複数の外部電源を選択的に接続することができ、誤った電源の接続を防止できるようにする。
【解決手段】 第1,第2の外部電源28,29からの電力で車載バッテリ18に対する充電制御を行うチョッパ装置19、コントローラ22等を備えている。電源選択装置24は、車体の外部からアクセス可能な位置に互いに隣接して設けられ外部電源28,29がそれぞれ個別に接続される外部電源接続部25A,25Bと、外部電源接続部25A,25Bの間に回動可能に設けられた回動カバー27とにより構成する。外部電源接続部25A,25Bのうちいずれか一方の外部電源接続部を選択するときには、回動カバー27が他方の外部電源接続部を覆う位置まで回動されて誤った電源の接続を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車載バッテリに充電した電力により回転駆動される電動モータを駆動源として用いる電動式建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電動モータを駆動源として用いる電動式建設機械(例えば、電動式油圧ショベル)は、車載バッテリに充電した電力により電動モータを回転させ、油圧ポンプを駆動する。そして、該油圧ポンプから吐出される圧油を複数の油圧アクチュエータに供給して作業装置等を稼動するものである(例えば、特許文献1,2参照)。このような電動式建設機械は、例えば排気ガスの問題が無いことに加えて、市街地での掘削作業等を行うときにも低振動、低騒音の建設機械として注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3897875号公報
【特許文献2】特開平10−159133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電動式建設機械は、車載バッテリに充電を行うための外部電源として、例えば商用電源である3相交流200Vの電源(以下、第1の外部電源という)と、単相交流100Vの電源(以下、第2の外部電源という)とを用いる場合がある。このため、電動式建設機械に設ける外部電源接続部には、第1の外部電源接続部と第2の外部電源接続部とを備えたものがある。
【0005】
しかし、このような2つの外部電源接続部に第1の外部電源と第2の外部電源とを一緒に接続してしまうと、車載バッテリへの充電制御を行うチョッパ装置等の制御機器側では、2つの外部電源による電力で負荷を受ける虞れがあり、装置の信頼性、寿命が低下するという問題がある。
【0006】
また、電動式建設機械に設けた外部電源接続部に対し、第1,第2の外部電源のいずれか一方を正規に接続した場合でも、チョッパ装置等の制御機器側では、接続された外部電源の種別(即ち、第1,第2の外部電源のいずれであるか)を判別しない限り、例えば車載バッテリへの充電制御を安定して行うことができないという問題がある。
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、外部電源接続部に対する外部電源の接続作業を安定して行うことができ、誤った電源の接続を防止することができるようにした電動式建設機械を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、外部電源接続部に接続された外部電源の種別を簡単な構成で判別することができ、例えば車載バッテリへの充電制御を安定して行うことができるようにした電動式建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、自走可能な車体と、該車体に搭載された車載バッテリと、該車載バッテリから供給される直流電圧を昇圧すると共に外部電源からの電圧を昇降圧するチョッパ装置と、前記車載バッテリまたは外部電源から該チョッパ装置を介して供給される直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、該インバータから供給される交流電圧により回転する電動モータと、該電動モータによって駆動され作動油タンクから吸込んだ油液を圧油として吐出する油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される複数の油圧アクチュエータとを備えてなる電動式建設機械に適用される。
【0010】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記車体には、複数の外部電源を前記チョッパ装置に対し選択的に切替えて接続するための電源選択装置を設け、該電源選択装置は、前記車体の外部からアクセス可能な位置に互いに隣接して設けられ複数の外部電源がそれぞれ個別に接続される複数の外部電源接続部と、該各外部電源接続部の間に移動可能に設けられ、該各外部電源接続部のうちいずれか一方の外部電源接続部に対する外部電源の接続を許し他方の外部電源接続部に対しては外部電源の接続を防止する接続選択部材とを有する構成としたことにある。
【0011】
請求項2の発明は、前記チョッパ装置およびインバータの動作を制御するコントローラを備え、前記電源選択装置には、前記接続選択部材の移動によって前記複数の外部電源接続部のうちいずれの外部電源接続部が選択されたかを検出する検出器を設け、前記コントローラは該検出器から出力される検出信号に従って前記外部電源の種別を判別する構成としている。
【0012】
請求項3の発明によると、前記チョッパ装置は、前記コントローラによる外部電源の判別結果に従って前記外部電源からの電圧を前記車載バッテリに充電するための適正電圧に昇圧または降圧する構成としている。
【0013】
請求項4の発明によると、前記チョッパ装置と車載バッテリとの間には、当該車載バッテリに充電する電力を前記チョッパ装置を介して制御するバッテリコントロールユニットを設ける構成としている。
【0014】
請求項5の発明によると、前記接続選択部材は、前記各外部電源接続部の間に移動可能に設けられ該各外部電源接続部のうちいずれか一方の外部電源接続部を選択するときには他方の外部電源接続部を覆う位置に移動される移動カバーにより構成している。
【発明の効果】
【0015】
上述の如く、請求項1の発明によれば、車体に設けた電源選択装置により、複数の外部電源をチョッパ装置に対して選択的に切替えて接続することができる。ここで、電源選択装置の複数の外部電源接続部は、車体の外部からアクセス可能な位置に互いに隣接して設けられる。そして、各外部電源接続部の間に移動可能に設けられる接続選択部材は、例えば建設機械のオペレータが手動で移動することにより、複数の外部電源のうちいずれか一方を該当する外部電源接続部に接続することを許すことができる。このとき、他方の外部電源が他方の外部電源接続部に接続されるのを、接続選択部材により防止することができ、他方の外部電源が誤って接続されるような事態を簡単な構造により防ぐことができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、電源選択装置に設けた検出器は、接続選択部材の移動によって複数の外部電源接続部のうちいずれの外部電源接続部に外部電源が選択的に接続されるかを検出でき、その検出信号をコントローラに出力することができる。そして、コントローラは該検出器からの検出信号に従って、複数の外部電源のうちいずれの電源が接続されるかを正確に簡単な構成で判別することができ、選択された外部電源の種別を安定して識別することができる。
【0017】
請求項3の発明によると、コントローラによる外部電源の判別結果に従って、チョッパ装置は、例えば車載バッテリへの充電制御を安定して行うことができ、このときの電圧が車載バッテリに充電するための適正電圧に達するまで、前記外部電源からの電圧を昇圧または降圧することができる。
【0018】
請求項4の発明によると、チョッパ装置と車載バッテリとの間に設けたバッテリコントロールユニットは、チョッパ装置により昇圧または降圧された外部電源からの電圧が、車載バッテリへの充電に適した適正電圧に達したか否かを判定でき、車載バッテリへの充電制御を安定して行うことができる。
【0019】
請求項5の発明は、接続選択部材を移動カバーにより構成しているので、例えば建設機械のオペレータは、移動カバーを手動で回動またはスライド移動することにより、複数の外部電源のうちいずれか一方を該当する外部電源接続部に接続することを促すことができる。このとき、他方の外部電源接続部は移動カバーによって外側から覆われるため、他方の外部電源の接続作業を禁止することができ、他方の外部電源が誤って接続されるような事態を簡単な構造によって防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態による電動式油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】図1に示す電動式油圧ショベルの回路構成図である。
【図3】第1の実施の形態で採用した電源選択装置を示す正面図である。
【図4】電源選択装置を図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】図2中のコントローラによる車載バッテリへの充電制御を示す流れ図である。
【図6】第2の実施の形態で採用した電源選択装置を示す正面図である。
【図7】電源選択装置を図6中の矢示VII−VII方向からみた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態による電動式建設機械として電動式油圧ショベルを例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
ここで、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は土砂の掘削作業等に用いられる小型の電動式油圧ショベルである。該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部に左,右方向に揺動可能で、かつ俯仰動可能に設けられたスイングポスト式の作業装置4とにより構成されている。下部走行体2と上部旋回体3は、油圧ショベル1の車体を構成するものである。
【0023】
ここで、作業装置4は、スイングポスト4A、ブーム4B、アーム4C、作業具としてのバケット4D、スイングシリンダ(図示せず)、ブームシリンダ4E、アームシリンダ4Fおよびバケットシリンダ4G等を備えている。一方、下部走行体2側には、土砂等の排土作業を行う排土装置5が設けられている。また、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム6、フロア7、キャノピ9、外装カバー10およびカウンタウエイト11等により構成されている。
【0024】
6は上部旋回体3の旋回フレームで、該旋回フレーム6は、旋回装置(図示せず)を介して下部走行体2上に旋回可能に取付けられている。旋回フレーム6には、その後部側に後述のカウンタウエイト11が設けられ、前側にはオペレータが乗降する床板としてのフロア7が設けられている。そして、フロア7上には、オペレータ用の運転席8が設けられ、該運転席8は、キャノピ9により覆われている。
【0025】
また、旋回フレーム6上には、キャノピ9とカウンタウエイト11との間に位置して外装カバー10が設けられ、この外装カバー10は、旋回フレーム6、キャノピ9およびカウンタウエイト11と共に、後述の電動モータ17等を内部に収容する機械室としての空間を画成するものである。また、外装カバー10には、図1に示すように後述の電源選択装置24が設けられ、この電源選択装置24は、上蓋24A等を用いて外装カバー10の外側から覆われている。
【0026】
11は上部旋回体3の一部を構成するカウンタウエイトを示し、該カウンタウエイト11は、後述する電動モータ17の後側に位置して旋回フレーム6の後端部に取付けられ、作業装置4との重量バランスをとるものである。また、カウンタウエイト11の後面側は、円弧状をなして丸く形成され、上部旋回体3の旋回半径を小さく収める構成となっている。なお、カウンタウエイト11の内側には、後述の車載バッテリ18が内蔵するように設けられている。
【0027】
12は運転席8の左,右両側に設けられた作業系の操作レバー装置(図1中に左側のみ図示)で、これらの操作レバー装置12は、運転席8に座ったオペレータが手動操作することにより後述の方向制御弁16を切換制御するものである。また、運転席8の前側には、フロア7上に位置して左,右の走行レバー・ペダル13(一方のみ図示)が設けられている。該走行レバー・ペダル13は、運転席8に座ったオペレータが両足で踏込み操作したり、または両手で手動操作したりすることにより傾転され、下部走行体2による走行操作を行うものである。
【0028】
14は作動油タンク15と共に油圧源を構成する油圧ポンプで、該油圧ポンプ14は、例えば上部旋回体3のうち運転席8の後方下側に設けられ、図2に示すように後述の電動モータ17によって回転駆動される。そして、油圧ポンプ14は、作動油タンク15内から吸込んだ油液を高圧な圧油として吐出するものである。油圧ポンプ14から吐出される圧油は、図2に示す如く方向制御弁16(C/V)を介して各種の油圧アクチュエータ(例えば、ブームシリンダ4E、アームシリンダ4Fおよびバケットシリンダ4G等)に供給される。
【0029】
このとき、図1に示す運転席8に着座したオペレータが操作レバー装置12等を操作することによって、方向制御弁16が切換操作される。これにより、例えば各シリンダ4E〜4Gに対する圧油の供給、排出が切換えられ、各シリンダ4E〜4Gの伸縮動作が方向制御弁16を用いて制御される。
【0030】
17は油圧ポンプ14の近傍に位置して上部旋回体3に設けられた電動モータで、この電動モータ17は、例えば三相誘導電動機により構成されている。また、電動モータ17は、油圧ポンプ14の駆動源を構成し、その出力軸が油圧ポンプ14に連結されている。そして、電動モータ17は、後述のインバータ21から三相交流電力が供給されることによって回転し、油圧ポンプ14を駆動するものである。
【0031】
18は上部旋回体3の後側に設けられた車載バッテリで、該車載バッテリ18は、例えば定格出力160Vの直流電圧を得るリチウムイオン電池等の二次電池によって構成されている。そして、車載バッテリ18は、後述のバッテリコントロールユニット20、チョッパ装置19およびインバータ21を介して電動モータ17に給電を行うものである。また、車載バッテリ18は、それ自体が重量物であるため、図1に示すカウンタウエイト11の一部を構成するように旋回フレーム6の後部側に搭載されている。
【0032】
19は電圧の昇降圧制御等を行うチョッパ装置で、該チョッパ装置19は、図2に示すように、その入力側が後述する第1,第2の外部電源28,29等に接続され、出力側が後述のインバータ21を介して電動モータ17に接続されている。また、チョッパ装置19は、その入出力側が後述のバッテリコントロールユニット20を介して車載バッテリ18に接続されている。そして、チョッパ装置19は、後述のコントローラ22により電圧の昇降圧動作等が制御される。
【0033】
即ち、車載バッテリ18からの電力で電動モータ17を駆動するときに、チョッパ装置19は、後述のバッテリコントロールユニット20を介して車載バッテリ18から供給される直流電圧(DC160V)を、例えば300Vの直流電圧に昇圧してインバータ21側に供給する。また、後述する第1の外部電源28による電力で電動モータ17を駆動するときに、チョッパ装置19は、後述の電源選択装置24を介して第1の外部電源28から供給される200Vの三相交流電力を、例えば300Vの直流電圧に昇圧してインバータ21側に供給する。また、後述する第2の外部電源29による電力で電動モータ17を駆動するときに、チョッパ装置19は、後述の電源選択装置24を介して第2の外部電源29から供給される100Vの単相交流電力を、例えば300Vの直流電圧に昇圧してインバータ21側に供給する。
【0034】
一方、チョッパ装置19は、後述する第1,第2の外部電源28,29からの電力で車載バッテリ18に対する充電制御を行うときに、例えば第1の外部電源28による200Vの三相交流電力を160Vの直流電圧に降圧して車載バッテリ18に充電し、第2の外部電源29による100Vの単相交流電力は、160Vの直流電圧に昇圧して車載バッテリ18に充電するものである。
【0035】
20は車載バッテリ18とチョッパ装置19との間に設けられたバッテリコントロールユニットで、該バッテリコントロールユニット20は、後述のコントローラ22、チョッパ装置19等と協働して車載バッテリ18に対する充電制御を後述の図5に示す処理手順に従って行う。また、バッテリコントロールユニット20は、車載バッテリ18の充電状態を監視し、その充電量が低下してくると、チョッパ装置19を介してコントローラ22に充電制御を促す信号を出力する。
【0036】
一方、車載バッテリ18の充電量がフル充電のレベルに達すると、バッテリコントロールユニット20は、チョッパ装置19を介してコントローラ22に充電制御を停止すべきことを促す信号を出力する。また、車載バッテリ18からの電力で電動モータ17を駆動するときには、車載バッテリ18からの直流電圧(DC160V)がバッテリコントロールユニット20を介してチョッパ装置19に供給されるものである。
【0037】
21は電動モータ17とチョッパ装置19との間に接続して設けられたインバータで、該インバータ21は、トランジスタ、サイリスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等からなる複数のスイッチング素子(図示せず)を用いて構成されている。ここで、インバータ21は、スイッチング素子のオン/オフを制御することによって、前述したチョッパ装置19による直流電力(例えば、DC300V)を200Vの三相交流電力に変換する。そして、インバータ21は、200Vの三相交流電力を電動モータ17に供給し、電動モータ17を駆動する。
【0038】
22は電動モータ17等の駆動を制御する制御装置としてのコントローラで、該コントローラ22は、その入力側がチョッパ装置19、後述の電源選択装置24等に接続され、出力側がチョッパ装置19およびインバータ21等に接続されている。また、コントローラ22は、例えばROM、RAM、不揮発性メモリ等からなる記憶部22Aを有している。この記憶部22Aには、チョッパ装置19、インバータ21を介して電動モータ17を駆動制御するための処理プログラムと、チョッパ装置19、バッテリコントロールユニット20を介して車載バッテリ18に対する充電制御を行うための処理プログラム(図5参照)等とが格納されている。
【0039】
23は電動モータ17の回転数を指示する回転数指示装置を示し、該回転数指示装置23は、例えばオペレータが手動することにより複数段(例えば2段階)で電動モータ17の回転数を切替えるための指令信号をインバータ21側に出力する。そして、電動モータ17の回転はインバータ21を介して、例えば高速で低トルクな回転と、低速で高トルクな回転とに選択的に切替えられる。なお、電動モータ17の回転は、これに限られるものではなく、低速、中速、高速の3段階で切替えてもよく、低速域から高速域にわたって連続的または断続的に可変に制御できる構成としてもよい。
【0040】
24は本実施の形態で採用した電源選択装置で、該電源選択装置24は、例えば図1に示すように外装カバー10の側面部うち、旋回フレーム6と運転席8との間となる高さ位置に配設され、電源選択装置24は、外装カバー10の外部から開閉可能な上蓋24A等を用いて外側から覆われている。そして、電源選択装置24は、図3、図4に示すように配電盤の一部を構成する長方形状のボード板25と、該ボード板25の長さ方向中間部にヒンジ部26を介して左,右方向に回動可能に取付けられた接続選択部材(移動カバー)としての回動カバー27とを含んで構成されている。
【0041】
ここで、電源選択装置24のボード板25には、互いに隣接するようにヒンジ部26の位置を挟んで左,右に離間した第1,第2の外部電源接続部25A,25Bが設けられている。そして、第1の外部電源接続部25Aは、例えば200Vの三相交流電力を給電する第1の外部電源28(図2参照)用のコネクタにより構成されている。また、第2の外部電源接続部25Bは、例えば100Vの単相交流電力を給電する第2の外部電源29(図2参照)用のコネクタにより構成されている。
【0042】
また、ボード板25には、図3に示すように左,右方向の端部側に位置してカバー保持部30A,30Bが設けられ、該カバー保持部30A,30Bは、回動カバー27に設けた磁性を有する突部27A,27Bに選択的に吸着することにより、回動カバー27を左,右方向のいずれか一方側(例えば、図4中の矢示A方向または矢示B方向)に回動した状態に磁気的に保持するものである。なお、カバー保持部30A,30Bは、必ずしも磁力を用いて回動カバー27を保持する必要はなく、他の機械的な係合手段等を用いて回動カバー27を保持する構成でもよい。
【0043】
このとき、回動カバー27は、第1,第2の外部電源接続部25A,25Bのうちいずれか一方(例えば、第1の外部電源接続部25A)を外側から覆い、他方(例えば、第2の外部電源接続部25B)をボード板25の表面から外部に露出させる。この状態で回動カバー27は、第2の外部電源29を第2の外部電源接続部25Bに接続する作業を許すものの、第1の外部電源28を第1の外部電源接続部25Aに接続するのを禁止し、第1の外部電源接続部25Aに対する誤った電源の接続を防ぐ移動カバーとして機能するものである。
【0044】
また、回動カバー27を逆向き(例えば、図4中の矢示B方向)に回動して、第1の外部電源接続部25Aを外側に露出させ、第2の外部電源接続部25Bを回動カバー27により覆った状態では、第2の外部電源29を第2の外部電源接続部25Bに接続する作業が禁止され、第1の外部電源28を第1の外部電源接続部25Aに接続する作業が許される。これにより、回動カバー27は、第2の外部電源接続部25Bに対する誤った電源の接続を防ぐ移動カバー(接続選択部材)として機能するものである。
【0045】
31A,31Bはボード板25に設けられた検出器としての第1,第2の検出スイッチで、該第1,第2の検出スイッチ31A,31Bは、常閉型のスイッチにより構成され、回動カバー27の回動により開,閉成される。即ち、回動カバー27を図4中の矢示A方向に回動すると、第1の検出スイッチ31Aが回動カバー27により押されて開成(OFF)される。一方、回動カバー27を図4中の矢示B方向に回動すると、第2の検出スイッチ31Bが回動カバー27により押されて開成(OFF)される。
【0046】
ここで、これらの検出スイッチ31A,31Bは、チョッパ装置19およびインバータ21の動作を制御するコントローラ22の入力側に接続され、その検出信号(ON,OFF信号)をコントローラ22に出力する。そして、コントローラ22は、電源選択装置24の回動カバー27によって第1,第2の外部電源接続部25A,25Bのうちいずれの外部電源接続部が選択されたか否かを、第1,第2の検出スイッチ31A,31Bからの検出信号により識別し、外部電源の種別を判別するものである。
【0047】
本実施の形態による電動式油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0048】
まず、始動スイッチ(図示せず)の投入によりコントローラ22に給電する。そして、コントローラ22は、チョッパ装置19およびインバータ21等に対する動作制御を開始する。また、バッテリコントロールユニット20は、例えば電圧センサ、電流センサ(いずれも図示せず)を用いて車載バッテリ18の充電残量等を検出する。
【0049】
そして、車載バッテリ18の充電残量が低下し、充電制御が必要とされるときには、コントローラ22により図5に示す如き充電制御処理が行われる。即ち、処理動作を開始すると、ステップ1でチョッパ装置19に電圧を入力する。
【0050】
次に、ステップ2では第1,第2の検出スイッチ31A,31Bからの検出信号に基づいて、第1,第2の外部電源接続部25A,25Bのうちいずれの外部電源接続部が電源選択装置24の回動カバー27により選択されたか否か、即ち外部電源の選択(種別判定)が行われた否かを判定する。ステップ2で「NO」と判定する間は、外部電源の選択が行われるまで待機する。
【0051】
ステップ2で「YES」と判定したときには、次のステップ3で第2の検出スイッチ31Bが閉成されているか否かを判定する。そして、ステップ3で「YES」と判定したときには、電源選択装置24の回動カバー27が図4中の矢示A方向に回動されて第1の外部電源接続部25Aを外側から覆い、ボード板25の表面から外部に露出された第2の外部電源接続部25Bには、図2中に実線で示すように第2の外部電源29が接続されている。
【0052】
そこで、次のステップ4では第2の外部電源29による100Vの単相交流電力を、チョッパ装置19により160Vの直流電圧に昇圧する。次に、ステップ5では、チョッパ装置19により昇圧された直流電圧が車載バッテリ18に充電する上で適正な電圧・電流に達しているか否かを、例えばバッテリコントロールユニット20によって判定する。
【0053】
そして、ステップ5で「NO」と判定する間はステップ2に戻って、これ以降の処理を続行する。ステップ5で「YES」と判定したときには、チョッパ装置19により昇圧された直流電圧が車載バッテリ18に充電する上で適正な電圧・電流に達しているので、次のステップ6に移って車載バッテリ18に対する充電を実行する。
【0054】
次に、ステップ7ではバッテリコントロールユニット20により、車載バッテリ18に対する充電量がフル充電のレベルに達しているか否かを判定する。そして、ステップ7で「NO」と判定する間はステップ2に戻って、これ以降の処理を続行する。また、ステップ7で「YES」と判定したときには、車載バッテリ18がフル充電状態に達しているので、充電制御処理を停止させる。
【0055】
一方、ステップ3で「NO」と判定したときには、次のステップ8に移って第1の検出スイッチ31Aが閉成されているか否かを判定する。なお、ステップ8の判定処理は、誤検出の発生を防ぐためであり、ステップ8で「NO」と判定することは通常ではありえないと考えられる。そして、ステップ8で「YES」と判定したときには、電源選択装置24の回動カバー27が図4中の矢示B方向に回動されて第2の外部電源接続部25Bを外側から覆い、第1の外部電源接続部25Aがボード板25の表面から外部に露出された場合である。そして、図2中に二点鎖線で示すように第1の外部電源28が第1の外部電源接続部25Aに接続された状態で、次のステップ9の処理に移るようにする。
【0056】
そして、次のステップ9では第1の外部電源28による200Vの三相交流電力を、チョッパ装置19により160Vの直流電圧に降圧する。次に、ステップ5では、チョッパ装置19により降圧された直流電圧が車載バッテリ18に充電する上で適正な電圧・電流に達しているか否かをバッテリコントロールユニット20により判定する。そして、これ以降の制御処理を前述の如く繰返して行い、この場合もステップ7において、車載バッテリ18がフル充電状態に達していると判定した段階で、充電制御処理を停止させるものである。
【0057】
図5に示すステップ3,4およびステップ8,9の処理において、チョッパ装置19は、コントローラ22による外部電源の判別結果(ステップ3)に従って第1または第2の外部電源28または29からの電圧を車載バッテリ18に充電するための適正電圧に降圧または昇圧するものである。
【0058】
一方、電動式油圧ショベル1を稼動するため電動モータ17に給電を行うときには、車載バッテリ18または第1,第2の外部電源28,29のうち、いずれか一つの電源からインバータ21に向けて、例えば300Vの直流電力を供給する。これにより、インバータ21は、直流電力を交流電力に変換して電動モータ17に給電を行うから、電動モータ17の回転によって油圧ポンプ14を駆動することができる。
【0059】
そして、油圧ポンプ14から吐出される圧油を、方向制御弁16を介して例えばブームシリンダ4E、アームシリンダ4F及び/又はバケットシリンダ4G等に供給することによって、作業装置4による掘削作業等を行うことができる。また、旋回モータ(図示せず)に圧油を給排することにより上部旋回体3の旋回動作を行うことができ、走行用モータ(図示せず)に圧油を給排することにより下部走行体2による走行動作を行うことができる。
【0060】
ここで、車載バッテリ18を用いて電動モータ17に給電を行う場合には、コントローラ22によりチョッパ装置19の動作を制御する。このとき、チョッパ装置19は、車載バッテリ18からバッテリコントロールユニット20を介して供給される直流電圧(DC160V)を、例えば300Vの直流電圧に昇圧してインバータ21側に供給する。そして、インバータ21は、300Vの直流電力を200Vの三相交流電力に変換し、電動モータ17に対する給電を行うことができる。
【0061】
また、第1の外部電源28による電力で電動モータ17を駆動することも可能である。この場合、電源選択装置24の回動カバー27を図4中の矢示B方向に回動し、回動カバー27によって第2の外部電源接続部25Bを外側から覆う。そして、ボード板25の表面から外部に露出された第1の外部電源接続部25Aに対し、図2中に二点鎖線で示すように第1の外部電源28を接続する。この状態でコントローラ22は、検出スイッチ31A,31Bからの検出信号により外部電源の種別判定を行い、チョッパ装置19の動作を制御する。
【0062】
これにより、チョッパ装置19は、電源選択装置24を介して第1の外部電源28から供給される200Vの三相交流電力を、例えば300Vの直流電圧に昇圧してインバータ21側に供給する。そして、インバータ21は、300Vの直流電力を200Vの三相交流電力に変換し、電動モータ17に対する給電を行うことができる。
【0063】
また、第2の外部電源29による電力で電動モータ17を駆動するときには、電源選択装置24の回動カバー27を図4中の矢示A方向に回動して第1の外部電源接続部25Aを外側から覆い、ボード板25の表面から外部に露出された第2の外部電源接続部25Bには、図2中に実線で示すように第2の外部電源29を接続しておく。これにより、チョッパ装置19は、電源選択装置24を介して第2の外部電源29から供給される100Vの単相交流電力を、例えば300Vの直流電圧に昇圧してインバータ21側に供給することができる。
【0064】
かくして、本実施の形態によれば、上部旋回体3の外装カバー10に上蓋24Aを介して設けた電源選択装置24により、第1,第2の外部電源28,29をチョッパ装置19に対して選択的に切替えて接続することができる。そして、電源選択装置24に設けた第1,第2の検出スイッチ31A,31Bは、回動カバー27の移動によって開,閉成されるため、第1,第2の外部電源接続部25A,25Bのうちいずれの外部電源接続部に対し、第1,第2の外部電源28,29のいずれが接続されているかを検出でき、その検出信号をコントローラ22に出力することができる。
【0065】
これにより、コントローラ22は検出スイッチ31A,31Bからの検出信号に従って、外部電源28,29のうちいずれの電源が選択的に接続されるかを正確に、簡単な構成によって判別することができ、選択された外部電源の種別を安定して識別、判定することができる。
【0066】
また、電源選択装置24の外部電源接続部25A,25Bは、上部旋回体3の外装カバー10に対し外部からアクセス可能な位置に互いに隣接して設けられている。このため、外部電源接続部25A,25Bの間に回動可能に設けられた回動カバー27を、例えばオペレータが手動で回動することにより、複数の外部電源28,29のうちいずれか一方を該当する外部電源接続部25A,25Bに接続することができる。このとき、他方の外部電源接続部を回動カバー27によって外側から覆うことができ、他方の外部電源が誤って接続されるような事態を簡単な構造によって防ぐことができる。
【0067】
また、前述の如きコントローラ22による外部電源28,29の種別判定に従って、チョッパ装置19は、例えば車載バッテリ18への充電制御を安定して行うことができ、このときの電圧が車載バッテリ18に充電するための適正電圧に達するまで、前記外部電源からの電圧を昇圧または降圧することができる。そして、車載バッテリ18とチョッパ装置19との間に設けたバッテリコントロールユニット20は、チョッパ装置19により昇圧または降圧された外部電源28または29からの電圧が、車載バッテリ18への充電に適した適正電圧に達したか否かを判定でき、車載バッテリ18への充電制御を安定して行うことができる。
【0068】
次に、図6および図7は本発明の第2の実施の形態を示している。第2の実施の形態の特徴は、電源選択装置に設ける接続選択部材としての移動カバーを左,右方向にスライド移動する構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0069】
図中、41は本実施の形態で採用した電源選択装置で、この電源選択装置41は、第1の実施の形態で述べた電源選択装置24とほぼ同様に、例えば図1に示す外装カバー10の側面部うち、旋回フレーム6と運転席8との間となる高さ位置に配設され、電源選択装置24と同様に外装カバー10の外部から開閉可能な上蓋24A等を用いて外側から覆われている。
【0070】
ここで、電源選択装置41は、図6、図7に示すように配電盤の一部を構成する長方形状のボード板42と、該ボード板42の長さ方向に移動(スライド)可能に設けられ誤った電源の接続を防ぐ移動カバーとしてのスライドカバー43とを含んで構成されている。
【0071】
この場合、ボード板42の側面には、スライドカバー43を図6、図7に示す左,右方向に移動可能にガイドするために、直線状に延びるガイド部としてのガイド溝44が形成されている。なお、ボード板42の側面には、ガイド溝44に替えてガイド突起を設けてもよい。この場合には、スライドカバー43側にガイド突起に係合する溝を形成すればよい。
【0072】
また、電源選択装置41のボード板42には、第1の実施の形態で述べた第1,第2の外部電源接続部25A,25Bと同様に、第1,第2の外部電源接続部42A,42Bが左,右に離間して設けられている。即ち、第1の外部電源接続部42Aは、例えば200Vの三相交流電力を給電する第1の外部電源28(図2参照)用のコネクタにより構成されている。また、第2の外部電源接続部42Bは、例えば100Vの単相交流電力を給電する第2の外部電源29(図2参照)用のコネクタにより構成されている。
【0073】
スライドカバー43は、ボード板42に対して約半分の長さに形成され、第1,第2の外部電源接続部42A,42Bのいずれか一方を外側(上側)から覆う構成となっている。即ち、スライドカバー43を左,右方向の一方側にスライド移動したときには、図6、図7に示すように第1の外部電源接続部42Aを外側からスライドカバー43により覆い、第2の外部電源接続部42Bをボード板42の表面から外部に露出させる。
【0074】
また、スライドカバー43を他方側にスライド移動したときには、第1の外部電源接続部42Aを外側に露出させ、第2の外部電源接続部42Bをスライドカバー43により覆う。そして、この状態では、第2の外部電源29を第2の外部電源接続部42Bに接続する作業が禁止され、第1の外部電源28を第1の外部電源接続部42Aに接続する作業が許される。
【0075】
45A,45Bはボード板42に設けられた検出器としての第1,第2の検出スイッチで、該検出スイッチ45A,45Bは、常閉型のスイッチにより構成され、スライドカバー43の移動により開,閉成される。即ち、スライドカバー43を図6、図7に示す位置まで移動すると、第1の検出スイッチ45Aがスライドカバー43により押されて開成(OFF)される。一方、スライドカバー43を図示の位置から反対側にスライド移動すると、第2の検出スイッチ45Bがスライドカバー43により押されて開成(OFF)される。
【0076】
かくして、このように構成される第2の実施の形態でも、図2に例示したコントローラ22は、電源選択装置41のスライドカバー43によって第1,第2の外部電源接続部42A,42Bのうちいずれの外部電源接続部が選択されたか否かを、検出スイッチ45A,45Bからの検出信号により識別でき、外部電源の種別を判別することができる。そして、電源選択装置41のスライドカバー43により、外部誤った電源の接続を防止することができる。
【0077】
なお、前記実施の形態では、車載バッテリ18は160Vの直流電圧を出力するものとした。また、電動モータ17には200Vの三相交流電力を給電して回転出力を取出すものとした。しかし、これらの電圧値は、実施の形態で示した値に限らず、バッテリや電動モータの仕様等に応じて適宜設定することができる。そして、第1,第2の外部電源28,29についても、その電圧値、電力の種別等を適宜に変更することは可能である。
【0078】
また、外部電源としては第1,第2の外部電源28,29に限るものではなく、3種類以上の外部電源(例えば、外部バッテリを含んでいてもよい)のいずれかを電源選択装置により選択的に切替えてチョッパ装置に接続する構成としてもよいものである。
【0079】
一方、前記実施の形態では、電動式油圧ショベル1の作業装置としてスイングポスト式の作業装置4を用いた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばオフセットブーム式の作業装置を採用してもよく、一般的な中型機に用いる通常の作業装置であってもよいものである。
【0080】
また、前記実施の形態では、電動式油圧ショベル1の上部旋回体3に設けたキャノピ9により運転室を構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば上部旋回体に設けたキャブにより運転室を構成してもよいものである。
【0081】
さらに、前記実施の形態では、電動式建設機械として装軌式の油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の油圧ショベル、ホイールローダ、ブルドーザ、フォークリフト等の他の建設機械にも広く適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 電動式油圧ショベル(電動式建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
4 作業装置
4E ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
4F アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
4G バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)
10 外装カバー
14 油圧ポンプ
15 作動油タンク
17 電動モータ
18 車載バッテリ
19 チョッパ装置
20 バッテリコントロールユニット
21 インバータ
22 コントローラ
24,41 電源選択装置
24A 上蓋
25,42 ボード板
25A,42A 第1の外部電源接続部
25B,42B 第2の外部電源接続部
27 回動カバー(接続選択部材)
28 第1の外部電源
29 第2の外部電源
31A,45A 第1の検出スイッチ(検出器)
31B,45B 第2の検出スイッチ(検出器)
43 スライドカバー(接続選択部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な車体と、該車体に搭載された車載バッテリと、該車載バッテリから供給される直流電圧を昇圧すると共に外部電源からの電圧を昇降圧するチョッパ装置と、前記車載バッテリまたは外部電源から該チョッパ装置を介して供給される直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、該インバータから供給される交流電圧により回転する電動モータと、該電動モータによって駆動され作動油タンクから吸込んだ油液を圧油として吐出する油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出される圧油により駆動される複数の油圧アクチュエータとを備えてなる電動式建設機械において、
前記車体には、複数の外部電源を前記チョッパ装置に対し選択的に切替えて接続するための電源選択装置を設け、
該電源選択装置は、前記車体の外部からアクセス可能な位置に互いに隣接して設けられ複数の外部電源がそれぞれ個別に接続される複数の外部電源接続部と、該各外部電源接続部の間に移動可能に設けられ、該各外部電源接続部のうちいずれか一方の外部電源接続部に対する外部電源の接続を許し他方の外部電源接続部に対しては外部電源の接続を防止する接続選択部材とを有する構成としたことを特徴とする電動式建設機械。
【請求項2】
前記チョッパ装置およびインバータの動作を制御するコントローラを備え、前記電源選択装置には、前記接続選択部材の移動によって前記複数の外部電源接続部のうちいずれの外部電源接続部が選択されたかを検出する検出器を設け、前記コントローラは該検出器から出力される検出信号に従って前記外部電源の種別を判別する構成としてなる請求項1に記載の電動式建設機械。
【請求項3】
前記チョッパ装置は、前記コントローラによる外部電源の判別結果に従って前記外部電源からの電圧を前記車載バッテリに充電するための適正電圧に昇圧または降圧する構成としてなる請求項2に記載の電動式建設機械。
【請求項4】
前記チョッパ装置と車載バッテリとの間には、当該車載バッテリに充電する電力を前記チョッパ装置を介して制御するバッテリコントロールユニットを設けてなる請求項1,2または3に記載の電動式建設機械。
【請求項5】
前記接続選択部材は、前記各外部電源接続部の間に移動可能に設けられ該各外部電源接続部のうちいずれか一方の外部電源接続部を選択するときには他方の外部電源接続部を覆う位置に移動される移動カバーにより構成してなる請求項1,2,3または4に記載の電動式建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−160502(P2011−160502A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17849(P2010−17849)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】