電動車両用充電装置
【課題】非充電時に充電コネクタをコネクタ保持部に保持させる作業をやりやすくした電動車両用充電装置を提供する。
【解決手段】電動車両用充電装置1の充電装置本体10には、電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタCN1が設けられた充電ケーブルCB2と、充電コネクタCN1が接続された電動車両への充電を制御する充電制御部と、非充電時に充電コネクタCN1の先端側が挿入されて充電コネクタCN1を保持するホルダ22が設けられている。ここで、ホルダ22は、充電コネクタCN1を充電装置本体10の内部に収納する第1位置と、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置との間で移動自在に設けられている。
【解決手段】電動車両用充電装置1の充電装置本体10には、電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタCN1が設けられた充電ケーブルCB2と、充電コネクタCN1が接続された電動車両への充電を制御する充電制御部と、非充電時に充電コネクタCN1の先端側が挿入されて充電コネクタCN1を保持するホルダ22が設けられている。ここで、ホルダ22は、充電コネクタCN1を充電装置本体10の内部に収納する第1位置と、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置との間で移動自在に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両用充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蓄電池式電気自動車やプラグインハイブリッド車など、電動機を動力源とする電気自動車の普及が進みつつある。一般ユーザへの電気自動車の普及に伴い、一般家庭においても電気自動車を充電するための充電設備を導入する必要があり、例えば特許文献1に開示されるような電気自動車用充電装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−283947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に開示された電気自動車用充電装置では、非充電時において、前面パネルに設けられた充電接続部収納部に充電コネクタが収納されるようになっている。充電接続部収納部は奥まった位置に設けられているため、充電接続部収納部に充電コネクタを嵌合させる作業がやりにくかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、非充電時に充電コネクタをコネクタ保持部に保持させる作業をやりやすくした電動車両用充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の電動車両用充電装置では充電ケーブルと充電制御部とコネクタ保持部とが充電装置本体に設けられている。充電ケーブルには、電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタが設けられている。充電制御部は、充電コネクタが接続された電動車両への充電を制御する。コネクタ保持部は、非充電時に充電コネクタの先端側が挿入されて充電コネクタを保持する。そして、コネクタ保持部は、充電コネクタを充電装置本体の内部に収納する第1位置と、充電コネクタを充電装置本体から外側へ突出させる第2位置との間で移動自在に設けられている。
【0007】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部は、充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を上側に向けた状態で下側に設けられた軸部を中心として揺動自在に充電装置本体に支持されることも好ましい。コネクタ保持部は、第1位置では挿入口が上側を向き、第2位置では挿入口が上斜め前方を向くように揺動する。
【0008】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部は、充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を上側に向けた状態で、挿入口が外側に露出する第1位置と、挿入口が内側に位置する第2位置との間でスライド移動自在に設けられることも好ましい。
【0009】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部は、充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を下側に向けた状態で上側に設けられた軸部を中心として揺動自在に充電装置本体に支持されることも好ましい。コネクタ保持部は、第1位置では挿入口が下側を向き、第2位置では挿入口が前方を向くように揺動する。
【0010】
この電動車両用充電装置において付勢部材とラッチ部とを備えることも好ましい。付勢部材は、コネクタ保持部を第1位置から第2位置に向かって移動させる方向の力をコネクタ保持部に加える。ラッチ部は、コネクタ保持部を第1位置で保持し、解除操作に応じてコネクタ保持部を開放する。
【0011】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部において充電コネクタを保持する保持部分が、充電コネクタに合わせて形状が変化する可変構造であることも好ましい。
【0012】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部は、充電コネクタの少なくとも一部と嵌合することによって充電コネクタを保持する嵌合部を備え、コネクタ保持部が備える嵌合部を第1位置と第2位置との間で移動自在とすることも好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、非充電時に充電コネクタをコネクタ保持部に保持させる作業がやりやすく、充電コネクタを確実に保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1の電動車両用充電装置を示し、(a)は外観斜視図、(b)〜(d)はコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図2】(a)(b)は同上のコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図3】同上の概略構成を示すブロック図である。
【図4】(a)〜(d)は実施形態2の電動車両用充電装置が備えるコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図5】(a)〜(c)は実施形態3の電動車両用充電装置が備えるコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図6】(a)(b)は同上のコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図7】(a)〜(d)は実施形態4の電動車両用充電装置が備えるコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図8】(a)(b)は同上のコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図9】(a)〜(e)は実施形態5の電動車両用充電装置が備えるコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図10】実施形態6の電動車両用充電装置が備えるホルダの外観斜視図である。
【図11】(a)(b)は同上のホルダを充電コネクタの差し込み方向から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の電動車両用充電装置の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態で説明する電動車両用充電装置は、例えば一般住宅において車庫の周囲にある建物の壁に設置されて、電動車両を充電するために使用される。ここにおいて、電動車両とは、バッテリに蓄えられた電力から駆動力を得て走行するものであり、例えば電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)や燃料電池車(FCV)などの車両のことをいう。
【0016】
(実施形態1)
実施形態1の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図1〜図3を参照して説明する。
【0017】
図3は充電装置1の概略構成を示すブロック図である。この充電装置1は、充電制御部2と、表示部3と、操作入力部4と、リレーR1と、零相変流器(ZCT)5と、端子台TB1,TB2を備え、これらをスタンド型の筐体11に保持させて構成されている。
【0018】
端子台TB1には、筐体11の内部に引き込まれた電源ケーブルCB1の一端側が接続されている。端子台TB2には、筐体11の内部に引き込まれた充電ケーブルCB2の一端側が接続されている。充電ケーブルCB2の他端側には、電動車両100の充電コネクタ(以下、車両側コネクタと言う。)CN2に着脱自在に接続される充電コネクタCN1が接続されている。ここで、電源ケーブルCB1は、電圧極の2本の電線L1,L2と、接地線L3とで構成される。また、充電ケーブルCB2は、電圧極の2本の電線L1,L2と、接地線L3と、電動車両100が備える充電回路101との間で信号(所謂CPLT信号)を授受するための電線(通信線)L4とで構成される。尚、充電コネクタCN1は、図1(a)に示すようにユーザが手で把持する取っ手部111と、取っ手部111の先端側から斜めに突出し、先端に車両側コネクタCN2に電気的に接続される接続部113が設けられた本体部112とで構成される。また本体部112の先端には、車両側コネクタCN2に接続した際に、車両側コネクタCN2に引っ掛けて接続状態を保持するロック爪114が設けられている。また本体部112に設けられたロック解除釦115が押されると、ロック爪114が車両側コネクタCN2から離れる方向に移動して、保持状態が解除されるので、充電コネクタCN1を車両側コネクタCN2から容易に取り外すことができる。
【0019】
リレーR1が備える2極の接点は、端子台TB1,TB2の端子間を接続する内部配線のうち、電圧極の電線L1,L2にそれぞれ接続される内部配線にそれぞれ接続されている。リレーR1の接点は充電制御部2によってオン/オフが制御され、接点がオンされると電動車両100に電源が供給され、接点がオフされると電動車両100への電源供給が遮断される。
【0020】
零相変流器5は、リレーR1よりも電動車両100側の電路で漏電が発生した際に、電圧極の電線L1,L2間に発生する不平衡電流を検出するために用いられる。
【0021】
充電制御部2は、電動車両100の充電回路101から電線L4を介して入力される信号に基づいて、リレーR1を開極又は閉極させ、電動車両100への電力供給をオン/オフすることによって、電動車両100の充電を制御する。また充電制御部2は、充電中に零相変流器5の出力をもとに漏電発生を検知すると、リレーR1を開極させて、電動車両100への電力供給を遮断する。
【0022】
表示部3は例えば発光ダイオードのような表示ランプからなり、筐体11の外部から視認可能な位置(例えば前面)に配置されている。表示部3の動作状態(例えば点灯、点滅、消灯)は充電制御部2によって制御され、表示部3が点灯、点滅、或いは消灯することによって、充電装置1の状態表示(例えば充電中や停止中や漏電検知など)が行われる。
【0023】
操作入力部4は、例えば電動車両100への電力供給を停止させる操作を行うために設けられた停止スイッチなどのスイッチからなり、筐体11の外部から操作可能な位置に配置されている。ユーザが操作入力部4を操作すると、操作に応じた信号が操作入力部4から充電制御部2に出力されて、充電制御部2が所定の動作を行う。
【0024】
次に、図1及び図2を参照して充電装置1の構造を説明する。尚、以下の説明では特に断りがないかぎり、図1(a)に示す向きにおいて上下左右の方向を規定して、説明を行う。
【0025】
充電装置1は、縦長の直方体状であって、設置場所に自立した状態で設置される筐体11を備え、筐体11の内部には図3の回路が収納されている。筐体11からは充電ケーブルCB2が導出されている。
【0026】
筐体11の前面にはホルダ支持部20が設けられ、このホルダ支持部20には充電コネクタCN1を非充電時に保持するホルダ22(コネクタ保持部)が支持されている。ホルダ支持部20は矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ここにおいて、筐体11とホルダ支持部20とで充電装置本体10が構成される。
【0027】
ホルダ22は、図1(a)(b)に示すように充電コネクタCN1の先端側(取っ手部111を除く本体部112の大部分)が挿入される挿入口23が上面に開口した箱状に形成されている。ホルダ22は、充電コネクタCN1を充電装置本体10の内部に収納する第1位置(図1(b)に示す位置)と、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置(図1(c)に示す位置)との間で、下側に設けられた軸部24を中心として凹部21内で揺動自在に支持されている。またホルダ22の前面には、ホルダ22を回転させるためにユーザが操作する取っ手25が設けられており、ホルダ22の下面は、軸部24に平行な軸を中心とする円周面となっている。
【0028】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0029】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。ホルダ22に充電コネクタCN1が収納されていない状態では、図1(a)(b)に示すように、鉛直方向に沿って直立した姿勢となる位置にホルダ22が回転している。この状態では、ホルダ22の前面が、ホルダ支持部20の前面における凹部21の外側部位と略面一となっている。ユーザが、充電コネクタCN1を収納するために、取っ手25を手前側に引くと、ホルダ22が軸部24を中心として図1(b)中の右回りに回転し、図1(c)に示すように挿入口23が斜め上向き前方に開口した状態となる。尚、図1(c)に示す位置までホルダ22が回転すると、凹部21内に設けられた回転止め部材(図示せず)にホルダ22が当接することで、ホルダ22がそれ以上右回りに回転できないようになっている。この状態から、図1(d)に示すようにユーザが取っ手部111を持ち、接続部113を先頭にして本体部112を挿入口23内に挿入すると、図2(a)に示すように挿入口23内に本体部112の略全体が収納される。最後に、ユーザが取っ手部111を持って上側に倒すと、ホルダ22が軸部24を中心として図2(a)中の左回りに回転し、ホルダ22が鉛直方向に沿って直立した状態となり、本体部112が凹部21内に収納される。
【0030】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際は、図2(b)に示す収納状態からユーザが取っ手25を持って手前側に倒すと、ホルダ22が図2(b)中の右回りに回転し、図2(a)に示すように挿入口23が斜め上向き前方に開口した状態となる。この状態でユーザが取っ手部111を図中右斜め上向きに引くと、本体部112がホルダ22の挿入口23から外に引き出されるので、充電コネクタCN1を容易に取り外すことができる。図1(c)に示すように充電コネクタCN1が取り出された後、ユーザが取っ手25を図中左向きに押すと、ホルダ22が軸部24を中心として図中左回りに回転し、図1(b)に示すように鉛直方向に沿って直立した状態となる。
【0031】
次に、充電装置1の動作について説明する。充電装置1が電動車両100の充電に用いられていない場合、充電コネクタCN1はホルダ22に保持されている。非充電時に充電コネクタCN1が地面に放置されていると、充電コネクタCN1や充電ケーブルCB2が人や車に踏まれる可能性があるが、本実施形態では非充電時にユーザが充電コネクタCN1をホルダ22に保持させておくことができる。したがって、充電コネクタCN1や充電ケーブルCB2が人や車などに踏まれる可能性を低減できる。
【0032】
一方、ユーザが充電装置1を用いて電動車両100を充電する際には、上述の手順でホルダ22から取り出した充電コネクタCN1を電動車両100の充電コネクタCN2に接続する。その後、電動車両100側で充電の開始操作が行われると、充電制御部2は通信線L4の信号をもとに充電可能と判断し、リレーR1を開状態から閉状態に切り替えることによって、充電装置1から電動車両100に電力を供給させる。この時、電動車両100では充電回路101がバッテリ102を充電し、バッテリ102の充電が完了すると、通信線L4の信号を、充電不可の状態を通知する信号に切り替える。充電制御部2は、通信線L4の信号をもとに充電不可と判断すると、リレーR1を閉状態から開状態に切り替え、電動車両100への電力供給を停止するとともに、表示部3を用いてユーザに充電が完了したことを報知する。また充電中に電動車両側の電路で漏電が発生した場合、充電制御部2は、零相変流器5の出力をもとに漏電発生を検知することができ、漏電を検知するとリレーR1を開極させることによって、電動車両100への電力供給を遮断する。以上のような動作を充電装置1が行うことによって、電動車両100の充電が行われる。
【0033】
そして、電動車両100の充電が終了すると、ユーザは、車両側コネクタCN2から充電コネクタCN1を外し、上述の収納手順に従って充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる。
【0034】
以上説明したように本実施形態の充電装置1では充電ケーブルCB2と充電制御部2とコネクタ保持部(ホルダ22からなる)とが充電装置本体(筐体11及びホルダ支持部20からなる)に設けられている。充電ケーブルCB2には、電動車両100に着脱自在に接続される充電コネクタCN1が設けられている。充電制御部2は、充電コネクタCN1が接続された電動車両100への充電を制御する。コネクタ保持部(ホルダ22)は、非充電時に充電コネクタCN1の先端側が挿入されて充電コネクタCN1を保持する。そして、コネクタ保持部(ホルダ22)は、充電コネクタCN1を充電装置本体10の内部に収納する第1位置と、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置との間で移動自在に設けられている。
【0035】
これにより、コネクタ保持部を第1位置に移動させることで、コネクタ保持部に保持された充電コネクタCN1に塵埃などが付着しにくくなり、且つ、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置にコネクタ保持部を移動させることによって、コネクタ保持部に充電コネクタCN1を保持させる作業がしやすくなるという効果がある。
【0036】
また、本実施形態の充電装置1では、コネクタ保持部(ホルダ22)が、充電コネクタCN1の先端側が挿入される挿入口23を上側に向けた状態で、下側に設けられた軸部24を中心として揺動自在に充電装置本体(ホルダ支持部20)に支持されている。そして、第1位置では挿入口23が上側を向き、第2位置では挿入口23が上斜め前方を向くように、コネクタ保持部(ホルダ22)が揺動する。
【0037】
これにより、第2位置において、挿入口23が見えやすくなり、充電コネクタCN1をコネクタ保持部に保持させる作業を容易に行うことができる。
【0038】
(実施形態2)
実施形態2の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図4を参照して説明する。尚、コネクタ保持部を構成するホルダ22以外は実施形態1と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0039】
ホルダ支持部20は、実施形態1と同様に矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ホルダ22は、図4(a)〜(d)に示すように充電コネクタCN1の先端側(取っ手部111を除く本体部112の大部分)が挿入される挿入口23が上面に開口した箱状に形成されている。凹部21の内部には、ホルダ22の上側縁及び下側縁にそれぞれ当接するレール状のガイド部26a,26bが、前後方向(図4(a)の左右方向)に沿って設けられている。而して、ホルダ22は、挿入口23を上側に向けた状態で、ガイド部26a,26bにガイドされながら前後方向(図4(a)の左右方向)においてスライド移動自在となっている。ここで、図4(a)に示すようにスライド移動範囲の後端位置(第1位置)にホルダ22が移動した状態では、挿入口23はホルダ支持部20の内側(すなわち充電装置本体の内側)に位置している。また、図4(c)に示すようにスライド移動範囲の前端位置(第2位置)にホルダ22が移動した状態では、挿入口23はホルダ支持部20の外側(すなわち充電装置本体の外側)に位置している。またホルダ22の前面には、ホルダ22を前方又は後方にスライド移動させるためにユーザが操作する取っ手25が設けられている。
【0040】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0041】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。ホルダ22に充電コネクタCN1が収納されていない状態では、図4(a)に示すように、スライド移動範囲の後端位置までホルダ22が移動させられており、この状態では挿入口23が凹部21の内側に位置している。ユーザが、充電コネクタCN1を収納するために、取っ手25を手前側に引くと、ホルダ22がガイド部26a,26bにガイドされながらスライド移動範囲の前端位置(図4(b)の位置)まで移動する。この状態では挿入口23が凹部21の外側に位置しているので、図4(c)に示すように挿入口23に充電コネクタCN1を上側から挿入することができる。そして、充電コネクタCN1が挿入口23内に挿入された状態で、ユーザが取っ手25を奥側に押し、スライド移動範囲の後端位置までホルダ22を移動させると、図4(d)に示すように充電コネクタCN1の大部分が凹部21内に納められた状態となる。
【0042】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際は、図4(d)に示す収納状態からユーザが取っ手25を持って手前側に引くと、ホルダ22がスライド移動範囲の前端位置までスライド移動する。この状態でユーザが取っ手部111を持ち、上側に引き上げると、本体部112がホルダ22の挿入口23から外に引き出されるので、充電コネクタCN1を容易に取り外すことができる。そして、図4(b)に示すように充電コネクタCN1が取り出された後、ユーザが取っ手25を図中左向きに押すと、図4(a)に示すようにホルダ22がスライド移動範囲の後端位置(第1位置)までスライド移動する。
【0043】
以上説明したように、コネクタ保持部(ホルダ22)は、充電コネクタCN1の先端側が挿入される挿入口23を上側に向けた状態で配置されている。そして、コネクタ保持部は、挿入口23が充電装置本体10内に位置する第1位置と、挿入口23が充電装置本体10の外側に出る第2位置との間でスライド移動自在に設けられている。
【0044】
これにより、コネクタ保持部が第1位置に移動した状態では、コネクタ保持部に収納された充電コネクタCN1が充電装置本体10の内部に位置するので、充電コネクタCN1が邪魔にならない。また、コネクタ保持部が第2位置に移動した状態では、挿入口23が充電装置本体10の外側に出ているので、挿入口23が見えやすくなり、充電コネクタCN1をコネクタ保持部に保持させる作業を確実且つ容易に行うことができる。
【0045】
(実施形態3)
実施形態3の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図5及び図6を参照して説明する。尚、コネクタ保持部を構成するホルダ22以外は実施形態1と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0046】
ホルダ支持部20は、実施形態1と同様に矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ホルダ22は、図5及び図6に示すように縦長の箱状に形成されており、充電コネクタCN1の先端側(取っ手部111を除く本体部112の大部分)が挿入される挿入口23が下面に開口している。ホルダ22は挿入口23を下側に向けた状態で凹部21の内部に収納されており、凹部21の上側位置にはホルダ22を回転自在に支持する軸部27が設けられている。そして、ホルダ22は、図5(a)に実線で示すように挿入口23が下側を向く第1位置と、図5(a)に二点鎖線で示すように挿入口23が前方を向く第2位置との間で、軸部27を中心として揺動自在に充電装置本体10に支持されている。
【0047】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0048】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。ホルダ22に充電コネクタCN1が収納されていない状態では、図5(a)に示すように、ホルダ22が自重によって挿入口23が下側を向く第1位置に回転している。この状態からユーザがホルダ22の下部を持ち、軸部27を中心に図中左回りに回転させ、図5(b)に示すように挿入口23が前側を向いた状態で、挿入口23内に充電コネクタCN1の先端側を挿入する。尚、挿入口23が前側を向いた状態で下側に位置するホルダ22の側壁には、挿入口23内に挿入された充電コネクタCN1に結線されている充電ケーブルCB2を外に出すためのスリット28が形成されている。
【0049】
そして、ユーザが充電コネクタCN1の取っ手部111から手を離すと、ホルダ22が自重によって図中右回りに回転し、図5(c)に示すようにホルダ22が第1位置に移動する。この状態では充電コネクタCN1が充電装置本体10の内部に、すなわち凹部21の内部に収納された状態となる。尚、ホルダ22には充電コネクタCN1と係止する係止部(図示せず)が設けられており、挿入口23が下向きに開口する第1位置に移動した状態でも充電コネクタCN1がホルダ22から脱落しないようになっている。
【0050】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際は、図5(c)に示す収納状態からユーザがホルダ22の下部を持って、軸部27を中心に図中左回りに回転させる。そして、図5(b)に示すように挿入口23が前側を向いた状態で、充電コネクタCN1の取っ手部111を持って手前側に引くと、充電コネクタCN1がホルダ22から取り出される。充電コネクタCN1を取り出した後、ユーザがホルダ22を離すと、ホルダ22は自重によって挿入口23が下側を向く第1位置まで回転する。
【0051】
以上説明したように、本実施形態では、コネクタ保持部(ホルダ22)は、充電コネクタCN1の先端側が挿入される挿入口23を下側に向けた状態で上側に設けられた軸部27を中心として揺動自在に充電装置本体10に支持されている。そして、コネクタ保持部は、第1位置では挿入口23が下側を向き、第2位置では挿入口23が前方を向くように、揺動する。
【0052】
これにより、コネクタ保持部が第1位置に移動した状態では、挿入口23が下側を向いているので、コネクタ保持部に保持された充電コネクタCN1は、コネクタ保持部によって吊り下げられた状態で保持される。したがって、挿入口23が前方を向いた状態で充電コネクタが保持されている場合に比べ、前後方向における充電コネクタCN1の収納スペースを小さくでき、充電コネクタCN1をコンパクトに保持することができる。
【0053】
ところで、本実施形態において、図6(a)(b)に示すように、ホルダ22を第1位置から第2位置に回転させる方向の力(図中左回りに回転させる力)をホルダ22に加えるコイルばね29と、ホルダ22を第1位置で保持するラッチ部30とを設けてもよい。
【0054】
ラッチ部30は、第1位置にあるホルダ22の下側に、上下方向において移動自在に設けられたラッチ片31と、ラッチ片31を上側に押す復帰ばね32と、復帰ばね32のバネ力に抗してラッチ片31を下側へ移動させる解除操作片33とで構成される。ラッチ片31は復帰ばね32によって常に上側に押されており、ホルダ22が第1位置にある場合、ホルダ22の係止溝22aにラッチ片31の先端部(上端部)が係止されることによって、ホルダ22が第1位置で保持される。解除操作片33の操作部位はホルダ支持部20の前面に露出しており、解除操作片33を押すと、解除操作片33の先端に設けられた傾斜面33aがラッチ片31の突起31aと当接し、復帰ばね32のバネ力に抗してラッチ片31を下側へ移動させる。これにより、ラッチ片31の先端部が係止溝22aの外に出て、ホルダ22の係止状態が解除されるから、ホルダ22はコイルばね29のバネ力を受けて図中左回りに回転し、図6(b)に示すように第2位置に移動する。一方、ユーザが第2位置にあるホルダ22を下向きに押し、ホルダ22をコイルばね29のバネ力に抗して図中右回りに回転させると、ホルダ22の下側部がラッチ片31の先端に設けられた傾斜面31bに当接し、ラッチ片31を下側へ移動させる。その後、ホルダ22が第1位置まで回転させられると、ラッチ片31の先端側が係止溝22a内に挿入されるので、ラッチ片31によってホルダ22が第1位置で保持される。
【0055】
以上のように、コネクタ保持部(ホルダ22)を第1位置から第2位置に向かって移動させる方向の力をコネクタ保持部に加える付勢部材(コイルばね29)と、コネクタ保持部を第1位置で保持し、解除操作に応じてコネクタ保持部を開放するラッチ部30とを備えることも好ましい。
【0056】
これにより、ユーザが解除操作を行ってコネクタ保持部を第1位置から開放すると、付勢部材の力を受けてコネクタ保持部が第1位置から第2位置へ移動するので、1回の操作でコネクタ保持部を第2位置へ移動させることができ、作業の手間を軽減できる。
【0057】
(実施形態4)
実施形態4の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図7及び図8を参照して説明する。尚、コネクタ保持部を構成するホルダ22以外は実施形態1と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0058】
ホルダ支持部20は、実施形態1と同様に矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ホルダ22は、図7及び図8に示すように横長の箱状に形成されており、充電コネクタCN1の先端側の接続部113と嵌合する嵌合部34が前面(図7における右側面)に開口している。このホルダ22は、ホルダ支持部20に設けられた凹部21の内部に、前後方向(図7中の左右方向)においてスライド自在に配置されている。ここで、スライド移動範囲におけるホルダ22の後端位置(図7(a)の位置)が、充電コネクタCN1の一部(先端側)を充電装置本体の内部に収納する第1位置となり、スライド移動範囲におけるホルダ22の前端位置(図7(d)の位置)が、充電コネクタCN1を充電装置本体の外部に突出させる第2位置となっている。尚、ホルダ22が第2位置までスライド移動すると、図示しない規制手段によってホルダ22がそれ以上前側へ移動できないようになっている。
【0059】
ホルダ22は、凹部21の奥側の壁にダンパー40を介して取り付けられており、ダンパー40によって第1位置から第2位置に向かう方向の力を受けている。ホルダ22の上部には突起41が上下方向において移動自在に設けられ、この突起41は復帰バネ(図示せず)によって上側に突出する方向の力を常時受けている。凹部21の内壁には、ホルダ22が第1位置に移動した時に突起41が嵌合する嵌合凹所42が設けられている。そして、ホルダ支持部20には、突起41と嵌合凹所42の嵌合状態を解除するためのラッチ解除部材44が設けられている。ラッチ解除部材44は、ホルダ支持部20の内部において凹部21の上側位置に、前後方向においてスライド移動自在に設けられ、ホルダ支持部20の前面から操作部44bが露出している。ラッチ解除部材44には、嵌合凹所42に対応する部位に、嵌合凹所42内に挿入された突起41を下向きに押すテーパ状の押圧部44aが設けられている。ラッチ解除部材44は復帰バネ45によって図中右向きに常時押圧され、復帰バネ45のバネ力を受けて復帰位置(図7(a)の位置)に移動しており、復帰位置において押圧部44aは嵌合凹所42の外側に位置している。このラッチ解除部材44の操作部44bがユーザによって押されると、ラッチ解除部材44は復帰バネ45のバネ力に抗して図中左側に移動する。この時、押圧部44aが嵌合凹所42に進入して、嵌合凹所41と嵌合している突起41を下向きに押し、突起41を嵌合凹所42の外に押し出すことによって、ホルダ22の嵌合状態が解除される。
【0060】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0061】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。図7(a)に示すように、ホルダ22が、凹部21の内部において奥側の第1位置に移動している状態では、突起41が嵌合凹所42に嵌合することによって、ホルダ22が第1位置に保持されている。この状態でユーザが操作部44bを押操作すると、ラッチ解除部材44の押圧部44aによって突起41が押されて嵌合凹所42の外に出るので、ホルダ22のラッチ状態が解除される。ホルダ22のラッチ状態が解除されると、図7(b)〜(d)に示すようにダンパー40に押されることによってホルダ22が図中右側へ移動させられ、第2位置で停止する。また、ラッチ解除後にユーザが操作部44bから手を離すと、復帰バネ45のバネ力を受けてラッチ解除部材44は復帰位置に移動する。
【0062】
図8(a)に示すようにホルダ22が第1位置に移動した状態で、ユーザが、ホルダ22の前側に設けられた嵌合部34に充電コネクタCN1の接続部113を差し込んだ後、ホルダ22が第1位置に移動するまで充電コネクタCN1を押し込むと、図8(b)に示すように接続部113が嵌合部34に嵌合されることによって、充電コネクタCN1がホルダ22に保持される。そして、ホルダ22が第1位置までスライド移動すると、突起41が嵌合凹所42と嵌合することによって、ホルダ22が第1位置に保持されるので、第1位置まで移動したホルダ22によって充電コネクタCN1が保持されることになる。
【0063】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際には、図8(b)に示す状態から充電コネクタCN1の取っ手部111をユーザが持って手前側に引くことで、接続部113を嵌合部34から取り外すことができる。
【0064】
以上説明したように、コネクタ保持部(ホルダ22)は、充電コネクタCN1の少なくとも一部と嵌合することによって充電コネクタCN1を保持する嵌合部34を備え、コネクタ保持部が備える嵌合部34は第1位置と第2位置との間で移動自在となっている。
【0065】
これにより、第1位置に比べて手前側となる第2位置に嵌合部34が移動した状態で、嵌合部34に充電コネクタCN1を保持させる作業が行えるので、充電コネクタCN1をコネクタ保持部に保持させる作業がやりやすい。また、第2位置は第1位置に比べて手前側にあるので、充電コネクタCN1を嵌合させる嵌合部34が見えやすくなり、充電コネクタCN1を嵌合部34に確実に保持させることができる。
【0066】
これにより、嵌合部34を第1位置に移動させることで、コネクタ保持部に保持された充電コネクタCN1(特に電気的な接続を行う接続部113)に塵埃などが付着しにくくなる。また、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置に嵌合部34を移動させることによって、嵌合部34に充電コネクタCN1を保持させる作業がしやすくなるという効果がある。
【0067】
(実施形態5)
実施形態5の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図9を参照して説明する。尚、コネクタ保持部を構成するホルダ22以外は実施形態1と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0068】
ホルダ支持部20は、実施形態1と同様に矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ホルダ22は略箱状に形成されており、凹部21の開口に臨むホルダ22の部位には、充電コネクタCN1の先端側が挿入されて、充電コネクタCN1の先端側が嵌合する挿入口23が開口している。
【0069】
ホルダ支持部20において凹部21に面する左右の内側面には、ホルダ22をスライド自在に支持するガイドレール50が設けられている。ガイドレール50は、前後方向における中間部が両側部よりも下側となるように円弧状の湾曲している。ホルダ22がガイドレール50に沿って後端位置(第1位置)までスライド移動した状態では、ホルダ22がガイドレール50に沿って斜め下向きに傾くことによって、挿入口23が斜め下方を向いている。一方、ホルダ22がガイドレール50に沿って前端位置(第2位置)までスライド移動した状態では、ホルダ22がガイドレール50に沿って斜め上向きに傾くことにより、挿入口23が斜め上側を向いている。尚、ホルダ22は、図示しない復帰バネによって後端位置から前端位置へ向かう方向に常時押圧されている。またホルダ22がガイドレールの後端位置まで移動した状態では、図示しないラッチ部材がホルダ22と係止することによって、ホルダ22が後端位置で保持されている。ホルダ支持部20には、ラッチ部材によるホルダ22のラッチを解除するための解除操作部(図示せず)が設けられ、ユーザが解除操作部を操作することによって、ラッチ部材によるホルダ22のラッチが解除されるようになっている。
【0070】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0071】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。図9(a)に示すように、ホルダ22が、ガイドレール50に沿って後端位置までスライド移動している状態では、ラッチ部材によってホルダ22が後端位置で保持されている。この状態でユーザが解除操作部を操作して、ラッチ部材によるホルダ22のラッチ状態を解除すると、図9(b)〜(d)に示すようにホルダ22は復帰バネのバネ力を受け、ガイドレール50に沿って前端位置までスライド移動する。この時、図9(d)に示すようにホルダ22はガイドレール50の前端位置に移動し、挿入口23が斜め上側を向いているので、充電コネクタCN1を挿入口23に容易に接続することができる。そして、挿入口23に充電コネクタCN1の先端側が接続された状態で、取っ手部111を持って凹部21内に充電コネクタCN1を押し込むと、ホルダ22がガイドレール50に沿って後端位置までスライド移動し、図9(e)に示すようにラッチ部材によってホルダ22が後端位置で保持される。ここで、後端位置においてホルダ22の挿入口23は斜め下側を向いているので、挿入口23に接続された充電コネクタCN1の取っ手部111は略鉛直下側に向かって突出することになり、前後方向における充電コネクタCN1の収納スペースを小さくできる。
【0072】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際は、図9(e)に示す収納状態において、ユーザが取っ手部111を持ち、手前側(斜め下向き前方)に引くことで、充電コネクタCN1の先端側を挿入口23から容易に取り外すことができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態では、コネクタ保持部(ホルダ22)が、充電コネクタCN1の少なくとも一部と嵌合することによって充電コネクタCN1を保持する嵌合部(挿入口23)を備えている。そして、コネクタ保持部の嵌合部が第1位置と第2位置との間で移動自在となっている。
【0074】
これにより、嵌合部を第1位置に移動させることで、コネクタ保持部に保持された充電コネクタCN1に塵埃などが付着しにくくなる。また、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置に嵌合部を移動させることによって、嵌合部に充電コネクタCN1を保持させる作業がしやすくなるという効果がある。尚、本実施形態では嵌合部が第1位置に移動した状態で、嵌合部が斜め下側を向いているので、嵌合部に接続された充電コネクタCN1の接続部113に塵埃などがつきにくくなっている。
【0075】
(実施形態6)
実施形態6の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図10及び図11を参照して説明する。尚、ホルダ22以外は実施形態1〜5と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0076】
実施形態1〜5で説明したホルダ22は、充電コネクタCN1の接続部113と嵌合することによって充電コネクタCN1を保持している。それに対して、本実施形態のホルダ22Aは、図10及び図11に示すように、充電コネクタCN1の先端側を両側から挟むことによって充電コネクタCN1を保持しており、実施形態1〜5の充電装置1においてホルダ22に代えて本実施形態のホルダ22Aを適用することができる。ホルダ22Aは、例えば合成樹脂により長手方向と直交する断面形状が円弧状となる一対の挟持片22a,22aを有し、挟持片22a,22aの長手辺同士がヒンジ22bを介して連結されている。而して、一対の挟持片22a,22aは、それぞれ、ヒンジ22bを中心として回転自在に支持されており、図示しないコイルばねによって、挟持片22a,22aは互いに近付く方向の力を常時受けている。
【0077】
このホルダ22Aに充電コネクタCN1を保持させる場合、ユーザが挟持片22a,22aを開いて、挟持片22a,22aの間に充電コネクタCN1を挿入すると、挟持片22a,22aの間に充電コネクタCN1が挟まれ、ホルダ22Aに保持されるのである。
【0078】
ここで、コネクタ保持部(ホルダ22A)において充電コネクタCN1を保持する保持部分は、充電コネクタCN1に合わせて形状が変化する可変構造となっている。すなわち、ホルダ22Aは、充電コネクタCN1の大きさによって、挟持片22a,22aの開き角度が変化することで、長手方向と直交する断面の形状が変化するようになっている。図11(a)に示すように充電コネクタCN1aが比較的小さい場合は、図11(b)に示すように充電コネクタCN1bが比較的大きい場合に比べて挟持片22a,22aの開き角度が小さくなっている。したがって、充電コネクタCN1の大きさが異なる場合でも、充電コネクタCN1の大きさに合わせて、ホルダ22の形状が変化することで、確実に充電コネクタCN1を保持することができる。
【0079】
以上のように、本実施形態ではコネクタ保持部(ホルダ22A)において充電コネクタCN1を保持する保持部分が、充電コネクタCN1に合わせて形状が変化する可変構造となっている。
【0080】
これにより、形状の異なる充電コネクタCN1でも確実に保持することができる。
【0081】
尚、上記の各実施形態はスタンド形の充電装置1を例に説明したが、住宅などの建物の壁に取り付けられる壁取り付け型の充電装置でもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0082】
1 電動車両用充電装置
2 充電制御部
10 充電装置本体
11 筐体
20 ホルダ支持部
22 ホルダ(コネクタ保持部)
CB2 充電ケーブル
CN1 充電コネクタ
100 電動車両
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両用充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蓄電池式電気自動車やプラグインハイブリッド車など、電動機を動力源とする電気自動車の普及が進みつつある。一般ユーザへの電気自動車の普及に伴い、一般家庭においても電気自動車を充電するための充電設備を導入する必要があり、例えば特許文献1に開示されるような電気自動車用充電装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−283947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献に開示された電気自動車用充電装置では、非充電時において、前面パネルに設けられた充電接続部収納部に充電コネクタが収納されるようになっている。充電接続部収納部は奥まった位置に設けられているため、充電接続部収納部に充電コネクタを嵌合させる作業がやりにくかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、非充電時に充電コネクタをコネクタ保持部に保持させる作業をやりやすくした電動車両用充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の電動車両用充電装置では充電ケーブルと充電制御部とコネクタ保持部とが充電装置本体に設けられている。充電ケーブルには、電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタが設けられている。充電制御部は、充電コネクタが接続された電動車両への充電を制御する。コネクタ保持部は、非充電時に充電コネクタの先端側が挿入されて充電コネクタを保持する。そして、コネクタ保持部は、充電コネクタを充電装置本体の内部に収納する第1位置と、充電コネクタを充電装置本体から外側へ突出させる第2位置との間で移動自在に設けられている。
【0007】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部は、充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を上側に向けた状態で下側に設けられた軸部を中心として揺動自在に充電装置本体に支持されることも好ましい。コネクタ保持部は、第1位置では挿入口が上側を向き、第2位置では挿入口が上斜め前方を向くように揺動する。
【0008】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部は、充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を上側に向けた状態で、挿入口が外側に露出する第1位置と、挿入口が内側に位置する第2位置との間でスライド移動自在に設けられることも好ましい。
【0009】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部は、充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を下側に向けた状態で上側に設けられた軸部を中心として揺動自在に充電装置本体に支持されることも好ましい。コネクタ保持部は、第1位置では挿入口が下側を向き、第2位置では挿入口が前方を向くように揺動する。
【0010】
この電動車両用充電装置において付勢部材とラッチ部とを備えることも好ましい。付勢部材は、コネクタ保持部を第1位置から第2位置に向かって移動させる方向の力をコネクタ保持部に加える。ラッチ部は、コネクタ保持部を第1位置で保持し、解除操作に応じてコネクタ保持部を開放する。
【0011】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部において充電コネクタを保持する保持部分が、充電コネクタに合わせて形状が変化する可変構造であることも好ましい。
【0012】
この電動車両用充電装置において、コネクタ保持部は、充電コネクタの少なくとも一部と嵌合することによって充電コネクタを保持する嵌合部を備え、コネクタ保持部が備える嵌合部を第1位置と第2位置との間で移動自在とすることも好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、非充電時に充電コネクタをコネクタ保持部に保持させる作業がやりやすく、充電コネクタを確実に保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1の電動車両用充電装置を示し、(a)は外観斜視図、(b)〜(d)はコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図2】(a)(b)は同上のコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図3】同上の概略構成を示すブロック図である。
【図4】(a)〜(d)は実施形態2の電動車両用充電装置が備えるコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図5】(a)〜(c)は実施形態3の電動車両用充電装置が備えるコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図6】(a)(b)は同上のコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図7】(a)〜(d)は実施形態4の電動車両用充電装置が備えるコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図8】(a)(b)は同上のコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図9】(a)〜(e)は実施形態5の電動車両用充電装置が備えるコネクタ保持部を左側から見た断面図である。
【図10】実施形態6の電動車両用充電装置が備えるホルダの外観斜視図である。
【図11】(a)(b)は同上のホルダを充電コネクタの差し込み方向から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の電動車両用充電装置の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施形態で説明する電動車両用充電装置は、例えば一般住宅において車庫の周囲にある建物の壁に設置されて、電動車両を充電するために使用される。ここにおいて、電動車両とは、バッテリに蓄えられた電力から駆動力を得て走行するものであり、例えば電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)や燃料電池車(FCV)などの車両のことをいう。
【0016】
(実施形態1)
実施形態1の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図1〜図3を参照して説明する。
【0017】
図3は充電装置1の概略構成を示すブロック図である。この充電装置1は、充電制御部2と、表示部3と、操作入力部4と、リレーR1と、零相変流器(ZCT)5と、端子台TB1,TB2を備え、これらをスタンド型の筐体11に保持させて構成されている。
【0018】
端子台TB1には、筐体11の内部に引き込まれた電源ケーブルCB1の一端側が接続されている。端子台TB2には、筐体11の内部に引き込まれた充電ケーブルCB2の一端側が接続されている。充電ケーブルCB2の他端側には、電動車両100の充電コネクタ(以下、車両側コネクタと言う。)CN2に着脱自在に接続される充電コネクタCN1が接続されている。ここで、電源ケーブルCB1は、電圧極の2本の電線L1,L2と、接地線L3とで構成される。また、充電ケーブルCB2は、電圧極の2本の電線L1,L2と、接地線L3と、電動車両100が備える充電回路101との間で信号(所謂CPLT信号)を授受するための電線(通信線)L4とで構成される。尚、充電コネクタCN1は、図1(a)に示すようにユーザが手で把持する取っ手部111と、取っ手部111の先端側から斜めに突出し、先端に車両側コネクタCN2に電気的に接続される接続部113が設けられた本体部112とで構成される。また本体部112の先端には、車両側コネクタCN2に接続した際に、車両側コネクタCN2に引っ掛けて接続状態を保持するロック爪114が設けられている。また本体部112に設けられたロック解除釦115が押されると、ロック爪114が車両側コネクタCN2から離れる方向に移動して、保持状態が解除されるので、充電コネクタCN1を車両側コネクタCN2から容易に取り外すことができる。
【0019】
リレーR1が備える2極の接点は、端子台TB1,TB2の端子間を接続する内部配線のうち、電圧極の電線L1,L2にそれぞれ接続される内部配線にそれぞれ接続されている。リレーR1の接点は充電制御部2によってオン/オフが制御され、接点がオンされると電動車両100に電源が供給され、接点がオフされると電動車両100への電源供給が遮断される。
【0020】
零相変流器5は、リレーR1よりも電動車両100側の電路で漏電が発生した際に、電圧極の電線L1,L2間に発生する不平衡電流を検出するために用いられる。
【0021】
充電制御部2は、電動車両100の充電回路101から電線L4を介して入力される信号に基づいて、リレーR1を開極又は閉極させ、電動車両100への電力供給をオン/オフすることによって、電動車両100の充電を制御する。また充電制御部2は、充電中に零相変流器5の出力をもとに漏電発生を検知すると、リレーR1を開極させて、電動車両100への電力供給を遮断する。
【0022】
表示部3は例えば発光ダイオードのような表示ランプからなり、筐体11の外部から視認可能な位置(例えば前面)に配置されている。表示部3の動作状態(例えば点灯、点滅、消灯)は充電制御部2によって制御され、表示部3が点灯、点滅、或いは消灯することによって、充電装置1の状態表示(例えば充電中や停止中や漏電検知など)が行われる。
【0023】
操作入力部4は、例えば電動車両100への電力供給を停止させる操作を行うために設けられた停止スイッチなどのスイッチからなり、筐体11の外部から操作可能な位置に配置されている。ユーザが操作入力部4を操作すると、操作に応じた信号が操作入力部4から充電制御部2に出力されて、充電制御部2が所定の動作を行う。
【0024】
次に、図1及び図2を参照して充電装置1の構造を説明する。尚、以下の説明では特に断りがないかぎり、図1(a)に示す向きにおいて上下左右の方向を規定して、説明を行う。
【0025】
充電装置1は、縦長の直方体状であって、設置場所に自立した状態で設置される筐体11を備え、筐体11の内部には図3の回路が収納されている。筐体11からは充電ケーブルCB2が導出されている。
【0026】
筐体11の前面にはホルダ支持部20が設けられ、このホルダ支持部20には充電コネクタCN1を非充電時に保持するホルダ22(コネクタ保持部)が支持されている。ホルダ支持部20は矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ここにおいて、筐体11とホルダ支持部20とで充電装置本体10が構成される。
【0027】
ホルダ22は、図1(a)(b)に示すように充電コネクタCN1の先端側(取っ手部111を除く本体部112の大部分)が挿入される挿入口23が上面に開口した箱状に形成されている。ホルダ22は、充電コネクタCN1を充電装置本体10の内部に収納する第1位置(図1(b)に示す位置)と、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置(図1(c)に示す位置)との間で、下側に設けられた軸部24を中心として凹部21内で揺動自在に支持されている。またホルダ22の前面には、ホルダ22を回転させるためにユーザが操作する取っ手25が設けられており、ホルダ22の下面は、軸部24に平行な軸を中心とする円周面となっている。
【0028】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0029】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。ホルダ22に充電コネクタCN1が収納されていない状態では、図1(a)(b)に示すように、鉛直方向に沿って直立した姿勢となる位置にホルダ22が回転している。この状態では、ホルダ22の前面が、ホルダ支持部20の前面における凹部21の外側部位と略面一となっている。ユーザが、充電コネクタCN1を収納するために、取っ手25を手前側に引くと、ホルダ22が軸部24を中心として図1(b)中の右回りに回転し、図1(c)に示すように挿入口23が斜め上向き前方に開口した状態となる。尚、図1(c)に示す位置までホルダ22が回転すると、凹部21内に設けられた回転止め部材(図示せず)にホルダ22が当接することで、ホルダ22がそれ以上右回りに回転できないようになっている。この状態から、図1(d)に示すようにユーザが取っ手部111を持ち、接続部113を先頭にして本体部112を挿入口23内に挿入すると、図2(a)に示すように挿入口23内に本体部112の略全体が収納される。最後に、ユーザが取っ手部111を持って上側に倒すと、ホルダ22が軸部24を中心として図2(a)中の左回りに回転し、ホルダ22が鉛直方向に沿って直立した状態となり、本体部112が凹部21内に収納される。
【0030】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際は、図2(b)に示す収納状態からユーザが取っ手25を持って手前側に倒すと、ホルダ22が図2(b)中の右回りに回転し、図2(a)に示すように挿入口23が斜め上向き前方に開口した状態となる。この状態でユーザが取っ手部111を図中右斜め上向きに引くと、本体部112がホルダ22の挿入口23から外に引き出されるので、充電コネクタCN1を容易に取り外すことができる。図1(c)に示すように充電コネクタCN1が取り出された後、ユーザが取っ手25を図中左向きに押すと、ホルダ22が軸部24を中心として図中左回りに回転し、図1(b)に示すように鉛直方向に沿って直立した状態となる。
【0031】
次に、充電装置1の動作について説明する。充電装置1が電動車両100の充電に用いられていない場合、充電コネクタCN1はホルダ22に保持されている。非充電時に充電コネクタCN1が地面に放置されていると、充電コネクタCN1や充電ケーブルCB2が人や車に踏まれる可能性があるが、本実施形態では非充電時にユーザが充電コネクタCN1をホルダ22に保持させておくことができる。したがって、充電コネクタCN1や充電ケーブルCB2が人や車などに踏まれる可能性を低減できる。
【0032】
一方、ユーザが充電装置1を用いて電動車両100を充電する際には、上述の手順でホルダ22から取り出した充電コネクタCN1を電動車両100の充電コネクタCN2に接続する。その後、電動車両100側で充電の開始操作が行われると、充電制御部2は通信線L4の信号をもとに充電可能と判断し、リレーR1を開状態から閉状態に切り替えることによって、充電装置1から電動車両100に電力を供給させる。この時、電動車両100では充電回路101がバッテリ102を充電し、バッテリ102の充電が完了すると、通信線L4の信号を、充電不可の状態を通知する信号に切り替える。充電制御部2は、通信線L4の信号をもとに充電不可と判断すると、リレーR1を閉状態から開状態に切り替え、電動車両100への電力供給を停止するとともに、表示部3を用いてユーザに充電が完了したことを報知する。また充電中に電動車両側の電路で漏電が発生した場合、充電制御部2は、零相変流器5の出力をもとに漏電発生を検知することができ、漏電を検知するとリレーR1を開極させることによって、電動車両100への電力供給を遮断する。以上のような動作を充電装置1が行うことによって、電動車両100の充電が行われる。
【0033】
そして、電動車両100の充電が終了すると、ユーザは、車両側コネクタCN2から充電コネクタCN1を外し、上述の収納手順に従って充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる。
【0034】
以上説明したように本実施形態の充電装置1では充電ケーブルCB2と充電制御部2とコネクタ保持部(ホルダ22からなる)とが充電装置本体(筐体11及びホルダ支持部20からなる)に設けられている。充電ケーブルCB2には、電動車両100に着脱自在に接続される充電コネクタCN1が設けられている。充電制御部2は、充電コネクタCN1が接続された電動車両100への充電を制御する。コネクタ保持部(ホルダ22)は、非充電時に充電コネクタCN1の先端側が挿入されて充電コネクタCN1を保持する。そして、コネクタ保持部(ホルダ22)は、充電コネクタCN1を充電装置本体10の内部に収納する第1位置と、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置との間で移動自在に設けられている。
【0035】
これにより、コネクタ保持部を第1位置に移動させることで、コネクタ保持部に保持された充電コネクタCN1に塵埃などが付着しにくくなり、且つ、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置にコネクタ保持部を移動させることによって、コネクタ保持部に充電コネクタCN1を保持させる作業がしやすくなるという効果がある。
【0036】
また、本実施形態の充電装置1では、コネクタ保持部(ホルダ22)が、充電コネクタCN1の先端側が挿入される挿入口23を上側に向けた状態で、下側に設けられた軸部24を中心として揺動自在に充電装置本体(ホルダ支持部20)に支持されている。そして、第1位置では挿入口23が上側を向き、第2位置では挿入口23が上斜め前方を向くように、コネクタ保持部(ホルダ22)が揺動する。
【0037】
これにより、第2位置において、挿入口23が見えやすくなり、充電コネクタCN1をコネクタ保持部に保持させる作業を容易に行うことができる。
【0038】
(実施形態2)
実施形態2の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図4を参照して説明する。尚、コネクタ保持部を構成するホルダ22以外は実施形態1と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0039】
ホルダ支持部20は、実施形態1と同様に矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ホルダ22は、図4(a)〜(d)に示すように充電コネクタCN1の先端側(取っ手部111を除く本体部112の大部分)が挿入される挿入口23が上面に開口した箱状に形成されている。凹部21の内部には、ホルダ22の上側縁及び下側縁にそれぞれ当接するレール状のガイド部26a,26bが、前後方向(図4(a)の左右方向)に沿って設けられている。而して、ホルダ22は、挿入口23を上側に向けた状態で、ガイド部26a,26bにガイドされながら前後方向(図4(a)の左右方向)においてスライド移動自在となっている。ここで、図4(a)に示すようにスライド移動範囲の後端位置(第1位置)にホルダ22が移動した状態では、挿入口23はホルダ支持部20の内側(すなわち充電装置本体の内側)に位置している。また、図4(c)に示すようにスライド移動範囲の前端位置(第2位置)にホルダ22が移動した状態では、挿入口23はホルダ支持部20の外側(すなわち充電装置本体の外側)に位置している。またホルダ22の前面には、ホルダ22を前方又は後方にスライド移動させるためにユーザが操作する取っ手25が設けられている。
【0040】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0041】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。ホルダ22に充電コネクタCN1が収納されていない状態では、図4(a)に示すように、スライド移動範囲の後端位置までホルダ22が移動させられており、この状態では挿入口23が凹部21の内側に位置している。ユーザが、充電コネクタCN1を収納するために、取っ手25を手前側に引くと、ホルダ22がガイド部26a,26bにガイドされながらスライド移動範囲の前端位置(図4(b)の位置)まで移動する。この状態では挿入口23が凹部21の外側に位置しているので、図4(c)に示すように挿入口23に充電コネクタCN1を上側から挿入することができる。そして、充電コネクタCN1が挿入口23内に挿入された状態で、ユーザが取っ手25を奥側に押し、スライド移動範囲の後端位置までホルダ22を移動させると、図4(d)に示すように充電コネクタCN1の大部分が凹部21内に納められた状態となる。
【0042】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際は、図4(d)に示す収納状態からユーザが取っ手25を持って手前側に引くと、ホルダ22がスライド移動範囲の前端位置までスライド移動する。この状態でユーザが取っ手部111を持ち、上側に引き上げると、本体部112がホルダ22の挿入口23から外に引き出されるので、充電コネクタCN1を容易に取り外すことができる。そして、図4(b)に示すように充電コネクタCN1が取り出された後、ユーザが取っ手25を図中左向きに押すと、図4(a)に示すようにホルダ22がスライド移動範囲の後端位置(第1位置)までスライド移動する。
【0043】
以上説明したように、コネクタ保持部(ホルダ22)は、充電コネクタCN1の先端側が挿入される挿入口23を上側に向けた状態で配置されている。そして、コネクタ保持部は、挿入口23が充電装置本体10内に位置する第1位置と、挿入口23が充電装置本体10の外側に出る第2位置との間でスライド移動自在に設けられている。
【0044】
これにより、コネクタ保持部が第1位置に移動した状態では、コネクタ保持部に収納された充電コネクタCN1が充電装置本体10の内部に位置するので、充電コネクタCN1が邪魔にならない。また、コネクタ保持部が第2位置に移動した状態では、挿入口23が充電装置本体10の外側に出ているので、挿入口23が見えやすくなり、充電コネクタCN1をコネクタ保持部に保持させる作業を確実且つ容易に行うことができる。
【0045】
(実施形態3)
実施形態3の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図5及び図6を参照して説明する。尚、コネクタ保持部を構成するホルダ22以外は実施形態1と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0046】
ホルダ支持部20は、実施形態1と同様に矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ホルダ22は、図5及び図6に示すように縦長の箱状に形成されており、充電コネクタCN1の先端側(取っ手部111を除く本体部112の大部分)が挿入される挿入口23が下面に開口している。ホルダ22は挿入口23を下側に向けた状態で凹部21の内部に収納されており、凹部21の上側位置にはホルダ22を回転自在に支持する軸部27が設けられている。そして、ホルダ22は、図5(a)に実線で示すように挿入口23が下側を向く第1位置と、図5(a)に二点鎖線で示すように挿入口23が前方を向く第2位置との間で、軸部27を中心として揺動自在に充電装置本体10に支持されている。
【0047】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0048】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。ホルダ22に充電コネクタCN1が収納されていない状態では、図5(a)に示すように、ホルダ22が自重によって挿入口23が下側を向く第1位置に回転している。この状態からユーザがホルダ22の下部を持ち、軸部27を中心に図中左回りに回転させ、図5(b)に示すように挿入口23が前側を向いた状態で、挿入口23内に充電コネクタCN1の先端側を挿入する。尚、挿入口23が前側を向いた状態で下側に位置するホルダ22の側壁には、挿入口23内に挿入された充電コネクタCN1に結線されている充電ケーブルCB2を外に出すためのスリット28が形成されている。
【0049】
そして、ユーザが充電コネクタCN1の取っ手部111から手を離すと、ホルダ22が自重によって図中右回りに回転し、図5(c)に示すようにホルダ22が第1位置に移動する。この状態では充電コネクタCN1が充電装置本体10の内部に、すなわち凹部21の内部に収納された状態となる。尚、ホルダ22には充電コネクタCN1と係止する係止部(図示せず)が設けられており、挿入口23が下向きに開口する第1位置に移動した状態でも充電コネクタCN1がホルダ22から脱落しないようになっている。
【0050】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際は、図5(c)に示す収納状態からユーザがホルダ22の下部を持って、軸部27を中心に図中左回りに回転させる。そして、図5(b)に示すように挿入口23が前側を向いた状態で、充電コネクタCN1の取っ手部111を持って手前側に引くと、充電コネクタCN1がホルダ22から取り出される。充電コネクタCN1を取り出した後、ユーザがホルダ22を離すと、ホルダ22は自重によって挿入口23が下側を向く第1位置まで回転する。
【0051】
以上説明したように、本実施形態では、コネクタ保持部(ホルダ22)は、充電コネクタCN1の先端側が挿入される挿入口23を下側に向けた状態で上側に設けられた軸部27を中心として揺動自在に充電装置本体10に支持されている。そして、コネクタ保持部は、第1位置では挿入口23が下側を向き、第2位置では挿入口23が前方を向くように、揺動する。
【0052】
これにより、コネクタ保持部が第1位置に移動した状態では、挿入口23が下側を向いているので、コネクタ保持部に保持された充電コネクタCN1は、コネクタ保持部によって吊り下げられた状態で保持される。したがって、挿入口23が前方を向いた状態で充電コネクタが保持されている場合に比べ、前後方向における充電コネクタCN1の収納スペースを小さくでき、充電コネクタCN1をコンパクトに保持することができる。
【0053】
ところで、本実施形態において、図6(a)(b)に示すように、ホルダ22を第1位置から第2位置に回転させる方向の力(図中左回りに回転させる力)をホルダ22に加えるコイルばね29と、ホルダ22を第1位置で保持するラッチ部30とを設けてもよい。
【0054】
ラッチ部30は、第1位置にあるホルダ22の下側に、上下方向において移動自在に設けられたラッチ片31と、ラッチ片31を上側に押す復帰ばね32と、復帰ばね32のバネ力に抗してラッチ片31を下側へ移動させる解除操作片33とで構成される。ラッチ片31は復帰ばね32によって常に上側に押されており、ホルダ22が第1位置にある場合、ホルダ22の係止溝22aにラッチ片31の先端部(上端部)が係止されることによって、ホルダ22が第1位置で保持される。解除操作片33の操作部位はホルダ支持部20の前面に露出しており、解除操作片33を押すと、解除操作片33の先端に設けられた傾斜面33aがラッチ片31の突起31aと当接し、復帰ばね32のバネ力に抗してラッチ片31を下側へ移動させる。これにより、ラッチ片31の先端部が係止溝22aの外に出て、ホルダ22の係止状態が解除されるから、ホルダ22はコイルばね29のバネ力を受けて図中左回りに回転し、図6(b)に示すように第2位置に移動する。一方、ユーザが第2位置にあるホルダ22を下向きに押し、ホルダ22をコイルばね29のバネ力に抗して図中右回りに回転させると、ホルダ22の下側部がラッチ片31の先端に設けられた傾斜面31bに当接し、ラッチ片31を下側へ移動させる。その後、ホルダ22が第1位置まで回転させられると、ラッチ片31の先端側が係止溝22a内に挿入されるので、ラッチ片31によってホルダ22が第1位置で保持される。
【0055】
以上のように、コネクタ保持部(ホルダ22)を第1位置から第2位置に向かって移動させる方向の力をコネクタ保持部に加える付勢部材(コイルばね29)と、コネクタ保持部を第1位置で保持し、解除操作に応じてコネクタ保持部を開放するラッチ部30とを備えることも好ましい。
【0056】
これにより、ユーザが解除操作を行ってコネクタ保持部を第1位置から開放すると、付勢部材の力を受けてコネクタ保持部が第1位置から第2位置へ移動するので、1回の操作でコネクタ保持部を第2位置へ移動させることができ、作業の手間を軽減できる。
【0057】
(実施形態4)
実施形態4の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図7及び図8を参照して説明する。尚、コネクタ保持部を構成するホルダ22以外は実施形態1と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0058】
ホルダ支持部20は、実施形態1と同様に矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ホルダ22は、図7及び図8に示すように横長の箱状に形成されており、充電コネクタCN1の先端側の接続部113と嵌合する嵌合部34が前面(図7における右側面)に開口している。このホルダ22は、ホルダ支持部20に設けられた凹部21の内部に、前後方向(図7中の左右方向)においてスライド自在に配置されている。ここで、スライド移動範囲におけるホルダ22の後端位置(図7(a)の位置)が、充電コネクタCN1の一部(先端側)を充電装置本体の内部に収納する第1位置となり、スライド移動範囲におけるホルダ22の前端位置(図7(d)の位置)が、充電コネクタCN1を充電装置本体の外部に突出させる第2位置となっている。尚、ホルダ22が第2位置までスライド移動すると、図示しない規制手段によってホルダ22がそれ以上前側へ移動できないようになっている。
【0059】
ホルダ22は、凹部21の奥側の壁にダンパー40を介して取り付けられており、ダンパー40によって第1位置から第2位置に向かう方向の力を受けている。ホルダ22の上部には突起41が上下方向において移動自在に設けられ、この突起41は復帰バネ(図示せず)によって上側に突出する方向の力を常時受けている。凹部21の内壁には、ホルダ22が第1位置に移動した時に突起41が嵌合する嵌合凹所42が設けられている。そして、ホルダ支持部20には、突起41と嵌合凹所42の嵌合状態を解除するためのラッチ解除部材44が設けられている。ラッチ解除部材44は、ホルダ支持部20の内部において凹部21の上側位置に、前後方向においてスライド移動自在に設けられ、ホルダ支持部20の前面から操作部44bが露出している。ラッチ解除部材44には、嵌合凹所42に対応する部位に、嵌合凹所42内に挿入された突起41を下向きに押すテーパ状の押圧部44aが設けられている。ラッチ解除部材44は復帰バネ45によって図中右向きに常時押圧され、復帰バネ45のバネ力を受けて復帰位置(図7(a)の位置)に移動しており、復帰位置において押圧部44aは嵌合凹所42の外側に位置している。このラッチ解除部材44の操作部44bがユーザによって押されると、ラッチ解除部材44は復帰バネ45のバネ力に抗して図中左側に移動する。この時、押圧部44aが嵌合凹所42に進入して、嵌合凹所41と嵌合している突起41を下向きに押し、突起41を嵌合凹所42の外に押し出すことによって、ホルダ22の嵌合状態が解除される。
【0060】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0061】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。図7(a)に示すように、ホルダ22が、凹部21の内部において奥側の第1位置に移動している状態では、突起41が嵌合凹所42に嵌合することによって、ホルダ22が第1位置に保持されている。この状態でユーザが操作部44bを押操作すると、ラッチ解除部材44の押圧部44aによって突起41が押されて嵌合凹所42の外に出るので、ホルダ22のラッチ状態が解除される。ホルダ22のラッチ状態が解除されると、図7(b)〜(d)に示すようにダンパー40に押されることによってホルダ22が図中右側へ移動させられ、第2位置で停止する。また、ラッチ解除後にユーザが操作部44bから手を離すと、復帰バネ45のバネ力を受けてラッチ解除部材44は復帰位置に移動する。
【0062】
図8(a)に示すようにホルダ22が第1位置に移動した状態で、ユーザが、ホルダ22の前側に設けられた嵌合部34に充電コネクタCN1の接続部113を差し込んだ後、ホルダ22が第1位置に移動するまで充電コネクタCN1を押し込むと、図8(b)に示すように接続部113が嵌合部34に嵌合されることによって、充電コネクタCN1がホルダ22に保持される。そして、ホルダ22が第1位置までスライド移動すると、突起41が嵌合凹所42と嵌合することによって、ホルダ22が第1位置に保持されるので、第1位置まで移動したホルダ22によって充電コネクタCN1が保持されることになる。
【0063】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際には、図8(b)に示す状態から充電コネクタCN1の取っ手部111をユーザが持って手前側に引くことで、接続部113を嵌合部34から取り外すことができる。
【0064】
以上説明したように、コネクタ保持部(ホルダ22)は、充電コネクタCN1の少なくとも一部と嵌合することによって充電コネクタCN1を保持する嵌合部34を備え、コネクタ保持部が備える嵌合部34は第1位置と第2位置との間で移動自在となっている。
【0065】
これにより、第1位置に比べて手前側となる第2位置に嵌合部34が移動した状態で、嵌合部34に充電コネクタCN1を保持させる作業が行えるので、充電コネクタCN1をコネクタ保持部に保持させる作業がやりやすい。また、第2位置は第1位置に比べて手前側にあるので、充電コネクタCN1を嵌合させる嵌合部34が見えやすくなり、充電コネクタCN1を嵌合部34に確実に保持させることができる。
【0066】
これにより、嵌合部34を第1位置に移動させることで、コネクタ保持部に保持された充電コネクタCN1(特に電気的な接続を行う接続部113)に塵埃などが付着しにくくなる。また、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置に嵌合部34を移動させることによって、嵌合部34に充電コネクタCN1を保持させる作業がしやすくなるという効果がある。
【0067】
(実施形態5)
実施形態5の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図9を参照して説明する。尚、コネクタ保持部を構成するホルダ22以外は実施形態1と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0068】
ホルダ支持部20は、実施形態1と同様に矩形箱状に形成され、筐体11の前面から突出させた形で設けられており、前面中央にはホルダ22を収容する凹部21が設けられている。ホルダ22は略箱状に形成されており、凹部21の開口に臨むホルダ22の部位には、充電コネクタCN1の先端側が挿入されて、充電コネクタCN1の先端側が嵌合する挿入口23が開口している。
【0069】
ホルダ支持部20において凹部21に面する左右の内側面には、ホルダ22をスライド自在に支持するガイドレール50が設けられている。ガイドレール50は、前後方向における中間部が両側部よりも下側となるように円弧状の湾曲している。ホルダ22がガイドレール50に沿って後端位置(第1位置)までスライド移動した状態では、ホルダ22がガイドレール50に沿って斜め下向きに傾くことによって、挿入口23が斜め下方を向いている。一方、ホルダ22がガイドレール50に沿って前端位置(第2位置)までスライド移動した状態では、ホルダ22がガイドレール50に沿って斜め上向きに傾くことにより、挿入口23が斜め上側を向いている。尚、ホルダ22は、図示しない復帰バネによって後端位置から前端位置へ向かう方向に常時押圧されている。またホルダ22がガイドレールの後端位置まで移動した状態では、図示しないラッチ部材がホルダ22と係止することによって、ホルダ22が後端位置で保持されている。ホルダ支持部20には、ラッチ部材によるホルダ22のラッチを解除するための解除操作部(図示せず)が設けられ、ユーザが解除操作部を操作することによって、ラッチ部材によるホルダ22のラッチが解除されるようになっている。
【0070】
ここで、ホルダ22に充電コネクタCN1を保持させる手順、及び、ホルダ22から充電コネクタCN1を取り出す手順について以下に説明する。
【0071】
先ず、充電コネクタCN1をホルダ22に保持させる手順について説明する。図9(a)に示すように、ホルダ22が、ガイドレール50に沿って後端位置までスライド移動している状態では、ラッチ部材によってホルダ22が後端位置で保持されている。この状態でユーザが解除操作部を操作して、ラッチ部材によるホルダ22のラッチ状態を解除すると、図9(b)〜(d)に示すようにホルダ22は復帰バネのバネ力を受け、ガイドレール50に沿って前端位置までスライド移動する。この時、図9(d)に示すようにホルダ22はガイドレール50の前端位置に移動し、挿入口23が斜め上側を向いているので、充電コネクタCN1を挿入口23に容易に接続することができる。そして、挿入口23に充電コネクタCN1の先端側が接続された状態で、取っ手部111を持って凹部21内に充電コネクタCN1を押し込むと、ホルダ22がガイドレール50に沿って後端位置までスライド移動し、図9(e)に示すようにラッチ部材によってホルダ22が後端位置で保持される。ここで、後端位置においてホルダ22の挿入口23は斜め下側を向いているので、挿入口23に接続された充電コネクタCN1の取っ手部111は略鉛直下側に向かって突出することになり、前後方向における充電コネクタCN1の収納スペースを小さくできる。
【0072】
一方、充電コネクタCN1をホルダ22から取り出す際は、図9(e)に示す収納状態において、ユーザが取っ手部111を持ち、手前側(斜め下向き前方)に引くことで、充電コネクタCN1の先端側を挿入口23から容易に取り外すことができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態では、コネクタ保持部(ホルダ22)が、充電コネクタCN1の少なくとも一部と嵌合することによって充電コネクタCN1を保持する嵌合部(挿入口23)を備えている。そして、コネクタ保持部の嵌合部が第1位置と第2位置との間で移動自在となっている。
【0074】
これにより、嵌合部を第1位置に移動させることで、コネクタ保持部に保持された充電コネクタCN1に塵埃などが付着しにくくなる。また、充電コネクタCN1を充電装置本体10から外側へ突出させる第2位置に嵌合部を移動させることによって、嵌合部に充電コネクタCN1を保持させる作業がしやすくなるという効果がある。尚、本実施形態では嵌合部が第1位置に移動した状態で、嵌合部が斜め下側を向いているので、嵌合部に接続された充電コネクタCN1の接続部113に塵埃などがつきにくくなっている。
【0075】
(実施形態6)
実施形態6の電動車両用充電装置(以下、充電装置と略称する。)1について図10及び図11を参照して説明する。尚、ホルダ22以外は実施形態1〜5と同じであるから、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0076】
実施形態1〜5で説明したホルダ22は、充電コネクタCN1の接続部113と嵌合することによって充電コネクタCN1を保持している。それに対して、本実施形態のホルダ22Aは、図10及び図11に示すように、充電コネクタCN1の先端側を両側から挟むことによって充電コネクタCN1を保持しており、実施形態1〜5の充電装置1においてホルダ22に代えて本実施形態のホルダ22Aを適用することができる。ホルダ22Aは、例えば合成樹脂により長手方向と直交する断面形状が円弧状となる一対の挟持片22a,22aを有し、挟持片22a,22aの長手辺同士がヒンジ22bを介して連結されている。而して、一対の挟持片22a,22aは、それぞれ、ヒンジ22bを中心として回転自在に支持されており、図示しないコイルばねによって、挟持片22a,22aは互いに近付く方向の力を常時受けている。
【0077】
このホルダ22Aに充電コネクタCN1を保持させる場合、ユーザが挟持片22a,22aを開いて、挟持片22a,22aの間に充電コネクタCN1を挿入すると、挟持片22a,22aの間に充電コネクタCN1が挟まれ、ホルダ22Aに保持されるのである。
【0078】
ここで、コネクタ保持部(ホルダ22A)において充電コネクタCN1を保持する保持部分は、充電コネクタCN1に合わせて形状が変化する可変構造となっている。すなわち、ホルダ22Aは、充電コネクタCN1の大きさによって、挟持片22a,22aの開き角度が変化することで、長手方向と直交する断面の形状が変化するようになっている。図11(a)に示すように充電コネクタCN1aが比較的小さい場合は、図11(b)に示すように充電コネクタCN1bが比較的大きい場合に比べて挟持片22a,22aの開き角度が小さくなっている。したがって、充電コネクタCN1の大きさが異なる場合でも、充電コネクタCN1の大きさに合わせて、ホルダ22の形状が変化することで、確実に充電コネクタCN1を保持することができる。
【0079】
以上のように、本実施形態ではコネクタ保持部(ホルダ22A)において充電コネクタCN1を保持する保持部分が、充電コネクタCN1に合わせて形状が変化する可変構造となっている。
【0080】
これにより、形状の異なる充電コネクタCN1でも確実に保持することができる。
【0081】
尚、上記の各実施形態はスタンド形の充電装置1を例に説明したが、住宅などの建物の壁に取り付けられる壁取り付け型の充電装置でもよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0082】
1 電動車両用充電装置
2 充電制御部
10 充電装置本体
11 筐体
20 ホルダ支持部
22 ホルダ(コネクタ保持部)
CB2 充電ケーブル
CN1 充電コネクタ
100 電動車両
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタが設けられた充電ケーブルと、前記充電コネクタが接続された前記電動車両への充電を制御する充電制御部と、非充電時に前記充電コネクタの先端側が挿入されて前記充電コネクタを保持するコネクタ保持部とが充電装置本体に設けられ、
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタを前記充電装置本体の内部に収納する第1位置と、前記充電コネクタを前記充電装置本体から外側へ突出させる第2位置との間で移動自在に設けられたことを特徴とする電動車両用充電装置。
【請求項2】
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を上側に向けた状態で下側に設けられた軸部を中心として揺動自在に前記充電装置本体に支持されており、前記第1位置では前記挿入口が上側を向き、前記第2位置では前記挿入口が上斜め前方を向くように、前記コネクタ保持部が揺動することを特徴とする請求項1記載の電動車両用充電装置。
【請求項3】
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を上側に向けた状態で、前記挿入口が外側に露出する前記第1位置と、前記挿入口が内側に位置する前記第2位置との間でスライド移動自在に設けられたことを特徴とする請求項1記載の電動車両用充電装置。
【請求項4】
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を下側に向けた状態で上側に設けられた軸部を中心として揺動自在に前記充電装置本体に支持されており、前記第1位置では前記挿入口が下側を向き、前記第2位置では前記挿入口が前方を向くように、前記コネクタ保持部が揺動することを特徴とする請求項1記載の電動車両用充電装置。
【請求項5】
前記コネクタ保持部を前記第1位置から前記第2位置に向かって移動させる方向の力を前記コネクタ保持部に加える付勢部材と、前記コネクタ保持部を前記第1位置で保持し、解除操作に応じて前記コネクタ保持部を開放するラッチ部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動車両用充電装置。
【請求項6】
前記コネクタ保持部において前記充電コネクタを保持する保持部分が、前記充電コネクタに合わせて形状が変化する可変構造であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動車両用充電装置。
【請求項7】
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタの少なくとも一部と嵌合することによって前記充電コネクタを保持する嵌合部を備え、前記コネクタ保持部が備える前記嵌合部を前記第1位置と前記第2位置との間で移動自在としたことを特徴とする請求項1記載の電動車両用充電装置。
【請求項1】
電動車両に着脱自在に接続される充電コネクタが設けられた充電ケーブルと、前記充電コネクタが接続された前記電動車両への充電を制御する充電制御部と、非充電時に前記充電コネクタの先端側が挿入されて前記充電コネクタを保持するコネクタ保持部とが充電装置本体に設けられ、
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタを前記充電装置本体の内部に収納する第1位置と、前記充電コネクタを前記充電装置本体から外側へ突出させる第2位置との間で移動自在に設けられたことを特徴とする電動車両用充電装置。
【請求項2】
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を上側に向けた状態で下側に設けられた軸部を中心として揺動自在に前記充電装置本体に支持されており、前記第1位置では前記挿入口が上側を向き、前記第2位置では前記挿入口が上斜め前方を向くように、前記コネクタ保持部が揺動することを特徴とする請求項1記載の電動車両用充電装置。
【請求項3】
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を上側に向けた状態で、前記挿入口が外側に露出する前記第1位置と、前記挿入口が内側に位置する前記第2位置との間でスライド移動自在に設けられたことを特徴とする請求項1記載の電動車両用充電装置。
【請求項4】
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタの先端側が挿入される挿入口を下側に向けた状態で上側に設けられた軸部を中心として揺動自在に前記充電装置本体に支持されており、前記第1位置では前記挿入口が下側を向き、前記第2位置では前記挿入口が前方を向くように、前記コネクタ保持部が揺動することを特徴とする請求項1記載の電動車両用充電装置。
【請求項5】
前記コネクタ保持部を前記第1位置から前記第2位置に向かって移動させる方向の力を前記コネクタ保持部に加える付勢部材と、前記コネクタ保持部を前記第1位置で保持し、解除操作に応じて前記コネクタ保持部を開放するラッチ部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動車両用充電装置。
【請求項6】
前記コネクタ保持部において前記充電コネクタを保持する保持部分が、前記充電コネクタに合わせて形状が変化する可変構造であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動車両用充電装置。
【請求項7】
前記コネクタ保持部は、前記充電コネクタの少なくとも一部と嵌合することによって前記充電コネクタを保持する嵌合部を備え、前記コネクタ保持部が備える前記嵌合部を前記第1位置と前記第2位置との間で移動自在としたことを特徴とする請求項1記載の電動車両用充電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−55787(P2013−55787A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191973(P2011−191973)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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