説明

電子カルテバックアップシステム、電子カルテサーバ、及び電子カルテ補助登録方法

【課題】 電子カルテシステムが正常に動作しなくなった場合でも、電子カルテデータの参照及び入力を可能とする。
【解決手段】 カルテ登録手段及び電子カルテ記録手段を備えたカルテサーバと電子カルテ記録手段の記録情報の複製を保有するセンタサーバを有するシステムにおいて、障害発生時に電子カルテ記録手段の記録情報のレコードの項目と同一の入力項目を備えた画面をカルテサーバの表示手段に表示させ、入力された情報を補助用記録手段に格納する補助用登録手段と、復旧時に補助用記録手段に格納されている情報を電子カルテ記録手段に追加登録する補助データ更新手段と、電子カルテ記録手段の記録情報をセンタサーバに送信する診療履歴更新手段を備えたカルテサーバと、カルテサーバから送信されてきた電子カルテ記録手段の記録情報を格納する診療履歴記録手段を備えたセンタサーバとを有するシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテバックアップシステムに関し、特に電子カルテシステムが正常に動作しなくなった場合であっても、電子カルテデータの参照及び入力を可能とした電子カルテバックアップシステム、電子カルテサーバ、及び電子カルテ補助登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療機関等においては、情報処理システムが、事務処理の合理化のみならず、情報の共有の推進や、医療安全、医療の質の向上に寄与し得るものとして普及してきており、電子カルテも広く利用されつつある。
このような状況において、平成17年3月に厚生労働省から「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が公表され、医療情報システムには、真正性、保存性、及び見読性を確保することが必要とされている。
【0003】
すなわち、真正性として、故意又は過失による虚偽入力、書き換え、消去、及び混同を防止し、作成の責任の所在を明確にすることなどが必要とされている。
また、保存性として、保存義務のある情報の保存性が確保されていること、及び法令に定める保存期間内に復元可能な状態で保存することなどが必要とされている。
さらに、見読性として、情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること、及び情報の内容を必要に応じて直ちに書面に表示できることなどが必要とされている。
【0004】
このような基準は、医療情報システムである電子カルテシステムについても適用され、これらの基準を満たすべく電子カルテシステムに診療情報履歴データベースをもたせて真正性等を確保するなど種々の工夫が行われている。
しかしながら、従来の電子カルテシステムには、ひとたびシステム障害が発生すると、全く利用することができなくなってしまうという問題があった。
【0005】
このような場合、医院では、手作業でカルテを作成したり、あるいはカルテの内容をメモ書きしておいて、電子カルテシステムが復旧した後に、これらを入力するということが行われていた。
このため、従来は、電子カルテシステムが正常に動作しなくなると、診察時の作業が煩雑化し、医師や患者が不利益を被るという問題があった。
【0006】
このような問題を解消するものとして、たとえば特許文献1に記載の電子カルテシステムなどを挙げることができる。
この電子カルテシステムでは、第1及び第2のサーバを用いて、これらの双方に電子カルテデータを保存することで、一方のサーバが障害等によって停止しても、他方のサーバからデータを読み出してカルテの表示/印刷を可能にするとともに、データの消失防止及びシステム運用の継続を可能としている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−157794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この電子カルテシステムでは、オーダサーバが停止した場合には、カルテサーバから電子カルテ情報を読み出して表示/印刷できるが、新たに診療情報を電子カルテに追加/変更することはできないとされ、このような場合には、医師は、診療に際し、カルテを印刷して、従来のようにカルテに診療内容を手書きで書き込むものとされている。
したがって、この従来の電子カルテシステムを用いても、システム障害時における診療の煩雑化を排除することはできなかった。
また、オーダサーバとカルテサーバの双方が停止すると、電子カルテ情報を表示/印刷することもできなくなってしまうという問題もあった。
【0009】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、電子カルテシステムが正常に動作しなくなった場合であっても、電子カルテの内容を参照可能にするとともに、電子カルテデータの入力と、電子カルテシステムの復旧後に入力データの診療履歴への自動反映を可能とした電子カルテバックアップシステム、電子カルテサーバ、及び電子カルテ補助登録方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の電子カルテバックアップシステムは、電子カルテ登録手段及び電子カルテ記録手段を保有する電子カルテシステムをそれぞれ備えた一又は二以上の電子カルテサーバと、電子カルテ記録手段の記録情報を含む診療履歴を保有するセンタサーバとを有する電子カルテバックアップシステムであって、電子カルテサーバが、電子カルテシステムの障害発生時に、電子カルテ記録手段の記録情報のレコードが有する項目と同一の入力項目を備えた入力画面を当該電子カルテサーバの表示手段に表示させ、入力された情報を補助用記録手段に格納する補助用登録手段と、電子カルテシステムの復旧時に、補助用記録手段に格納されている情報を電子カルテ記録手段に追加登録する補助データ更新手段と、電子カルテ記録手段の記録情報を用いてセンタサーバに診療履歴を更新させる診療履歴更新手段とを備え、センタサーバが、電子カルテサーバから受信した電子カルテ記録手段の記録情報を含む診療履歴を格納する診療履歴記録手段を備えた構成としてある。
【0011】
電子カルテバックアップシステムをこのような構成にすれば、診療時に電子カルテサーバのハードウェアが故障したり、電子カルテプログラムの実行に際して不具合が生じたことなどにより電子カルテシステムに障害が発生した場合でも、電子カルテを利用する際と同様の項目を補助用登録手段により電子カルテサーバに入力でき、復旧後にその入力データを電子カルテシステムの診療履歴に追加登録することができる。
【0012】
このため、医師は障害発生時でも、カルテを手書きで作成する必要がなく、補助用登録手段により必要なデータを容易に電子カルテサーバに入力できるため、診察時の作業が煩雑化することを防止することが可能となる。
また、このようにして入力されたデータは、復旧時に自動的に電子カルテシステムの診療履歴に追加登録できるため、障害が発生した場合でも平常時と特に異なることなく、特別な作業を行うことなしに、診療履歴を適切に管理蓄積することが可能となる。
【0013】
なお、「電子カルテサーバの表示手段」とは、ディスプレイなどの表示装置であり、電子カルテサーバに内蔵されたものであっても、電子カルテサーバに外部接続されたものであってもかまない。
【0014】
また、本発明の電子カルテバックアップシステムは、センタサーバが、診療履歴記録手段に格納された診療履歴にもとづいて、当該診療履歴を保有する補助参照用ファイルを生成する補助参照用ファイル生成手段と、生成した補助参照用ファイルを格納する補助参照用ファイル記録手段とを備え、電子カルテサーバが、電子カルテシステムの障害発生時に、補助参照用ファイル記録手段から補助参照用ファイルを受信して、表示手段に表示させるファイル参照手段を備えた構成としてある。
【0015】
電子カルテバックアップシステムをこのような構成にすれば、電子カルテシステムに障害が発生し、診療履歴を参照するための専用のビューワーなどが使用できない場合でも、センタサーバにおいて診療履歴にもとづき電子カルテの内容を参照するために作成された補助参照用ファイルを電子カルテサーバにより表示させることができる。
このため、医師は、障害発生時でも、電子カルテサーバにより電子カルテの内容を参照することが可能となる。
【0016】
また、本発明の電子カルテバックアップシステムは、補助参照用ファイルが、PDFファイルである構成としてある。
電子カルテバックアップシステムをこのような構成にすれば、補助参照用ファイルを、一般のコンピュータで広く参照することの可能なPDFファイルにより構成することができる。
【0017】
このため、電子カルテを参照するための専用のビューワーが使用できない場合でも、電子カルテサーバは、PDFファイルとして作成された補助参照用ファイルをセンタサーバから受信して、これを表示手段に表示させることができる。
これにより、医師は、障害発生時でも診療履歴を電子カルテサーバにより参照することができ、診療の遅延やカルテ管理の煩雑化を排除することが可能となる。
【0018】
また、本発明の電子カルテバックアップシステムは、電子カルテサーバが、電子カルテシステムの各種状態情報を取得してセンタサーバに送信する検知手段を備え、センタサーバが、状態情報にもとづき電子カルテシステムに障害が発生する可能性が高いかを否かを判定し、電子カルテシステムに障害が発生する可能性が高い場合に、診療履歴更新手段に対してセンタサーバに診療履歴の更新を行わせる指示を与える監視手段を備えた構成としてある。
【0019】
電子カルテバックアップシステムをこのような構成にすれば、電子カルテシステムに障害が発生する可能性が高い場合には、その発生までに事前に診療履歴のバックアップをセンタサーバにとっておくことが可能となる。
すなわち、診療履歴の更新を定期的に行う場合には、突然電子カルテシステムがダウンすると、前回の更新以降に電子カルテ記録手段に格納された履歴情報が失われてしまう可能性がある。
しかしながら、本発明によれば、監視手段により電子カルテシステムに障害が発生する可能性が高いと判定されると、直ちに電子カルテ記録手段に格納された履歴情報をセンタサーバに送信させることができるため、診療履歴の喪失を防止することが可能となる。
【0020】
また、本発明の電子カルテバックアップシステムは、監視手段が、ファイル参照手段に対し、補助参照用ファイル記録手段から補助参照用ファイルを受信させて表示手段に表示させる指示を与える構成としてある。
電子カルテバックアップシステムをこのような構成にすれば、電子カルテシステムに障害が発生する可能性が高い場合には、監視手段は、診療履歴の記録情報を保有する補助参照用ファイルを電子カルテサーバに表示させることができる。
このため、不意に電子カルテシステムがダウンした場合でも、診療に支障をきたす事態の発生を防止することが可能となる。
【0021】
また、本発明の電子カルテサーバは、電子カルテ登録手段及び電子カルテ記録手段を保有する電子カルテシステムを備えた電子カルテサーバであり、かつ、電子カルテ記録手段の記録情報を含む診療履歴をセンタサーバに保有する電子カルテバックアップシステムにおける電子カルテサーバであって、電子カルテシステムの障害発生時に、電子カルテ記録手段の記録情報のレコードが有する項目と同一の入力項目を備えた入力画面を当該電子カルテサーバの表示手段に表示させ、入力された情報を補助用記録手段に格納する補助用登録手段と、電子カルテシステムの復旧時に、補助用記録手段に格納されている情報を電子カルテ記録手段に追加登録する補助データ更新手段と、電子カルテ記録手段の記録情報を用いてセンタサーバに診療履歴を更新させる診療履歴更新手段とを備えた構成としてある。
【0022】
電子カルテサーバをこのような構成にすれば、電子カルテバックアップシステムにおいて、電子カルテシステムに障害が発生した場合でも、その電子カルテシステムの補助的な使用が可能となる。
すなわち、医師は、電子カルテサーバに電子カルテの項目を簡易的に入力することができる。そして、この入力データは電子カルテサーバに保存されて、特別に意識することなく、復旧時には、その入力データは電子カルテシステムの診療履歴に追加登録されることになる。
このため、従来は、障害発生時には、カルテを手書きで作成したり、メモ書きし、復旧後にそれらを電子カルテシステムに入力する必要があったが、本発明の電子カルテサーバによれば、このような煩雑な作業の発生を排除することが可能となる。
【0023】
また、本発明の電子カルテサーバは、電子カルテシステムの障害発生時に、センタサーバにおいて電子カルテ記録手段の記録情報を含む診療履歴にもとづき作成された補助参照用ファイルを、センタサーバから受信して、表示手段に表示させるファイル参照手段を備えた構成としてある。
【0024】
電子カルテサーバをこのような構成にすれば、電子カルテシステムに障害が発生した場合でも、医師は、診療にあたり、診療履歴を保有する補助参照用ファイルを電子カルテサーバに表示させ、参照することができる。
このため、医師は、障害発生時でも患者の診療履歴を電子カルテサーバにより適切に把握でき、平常時と同様に診療することが可能となる。
【0025】
また、本発明の電子カルテ補助登録方法は、電子カルテ登録手段及び電子カルテ記録手段を保有する電子カルテシステムをそれぞれ備えた一又は二以上の電子カルテサーバと、電子カルテ記録手段の記録情報を含む診療履歴を保有するセンタサーバとを有する電子カルテバックアップシステムによる電子カルテ補助登録方法であって、電子カルテシステムの障害発生時に、電子カルテサーバにおけるファイル参照手段が、センタサーバにおいて診療履歴にもとづき作成された補助参照用ファイルを、センタサーバから受信して、当該電子カルテサーバの表示手段に表示させ、電子カルテサーバにおける補助用登録手段が、電子カルテ記録手段の記録情報のレコードが有する項目と同一の入力項目を備えた入力画面を表示手段に表示させ、入力された情報を補助用記録手段に格納し、電子カルテシステムの復旧時に、電子カルテサーバにおける補助データ更新手段が、補助用記録手段に格納されている情報を電子カルテ記録手段に追加登録し、電子カルテサーバにおける診療履歴更新手段が、センタサーバに電子カルテ記録手段の記録情報を用いて診療履歴を更新させ、センタサーバにおける診療履歴記録手段が、電子カルテサーバから受信した電子カルテ記録手段の記録情報を含む診療履歴を格納する方法としてある。
【0026】
電子カルテ補助登録方法をこのような方法にすれば、電子カルテシステムが正常に動作しなくなっても、医師は、センタサーバにおいて各電子カルテサーバから受信して管理されている診療履歴にもとづき作成された補助参照用ファイルを、電子カルテサーバにより参照して、診療することができる。
また、電子カルテと同一の項目を入力項目として備えた入力画面を表示する補助用登録手段により電子カルテサーバにカルテデータを入力することができ、その入力データを電子カルテシステムの復旧時に診療履歴に追加登録することができる。
このため、医師は、電子カルテシステムに障害が発生した場合でも、平常時と同様に電子カルテサーバを用いて診療を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、電子カルテシステムが正常に動作しなくなった場合でも、電子カルテの内容を参照できるとともに、電子カルテデータを入力でき、電子カルテシステムの復旧後にその入力データを診療履歴に自動的に反映することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係る電子カルテバックアップシステムの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下の実施形態に示す本発明の電子カルテバックアップシステムは、プログラムに制御されたコンピュータにより動作するようになっている。コンピュータのCPUは、プログラムにもとづいてコンピュータの各構成要素に指令を送り、電子カルテサーバ及びセンタサーバの動作に必要となる所定の処理、例えば、補助参照用ファイルの受信処理、診療履歴の更新処理、補助参照用ファイルの作成処理等を行わせる。このように、本発明の電子カルテバックアップシステムにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現できるものである。
【0029】
プログラムは予めROM,RAM等の記録媒体に格納され、コンピュータに実装された記録媒体から当該コンピュータにプログラムを読み込ませて実行されるが、例えば通信回線を介してコンピュータに読み込ませることもできる。
また、プログラムを格納する記録媒体は、例えば半導体メモリ,磁気ディスク,光ディスク、その他任意のコンピュータで読取り可能な任意の記録手段により構成できる。
【0030】
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態の電子カルテバックアップシステムの構成を示すブロック図である。図2は、同システムにおける電子カルテサーバ10及びセンタサーバ20の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態の電子カルテバックアップシステムは、電子カルテサーバ10、センタサーバ20、F/W(ファイヤウォール)30、及びインタネットVPN(Virtual Private Network)40を有している。
なお、図1において、電子カルテサーバ10及びF/W30を備えた医院は一のみ示しているが、二以上とすることもできる。
【0031】
電子カルテサーバ10は、医院において、医師等により使用される情報処理装置であり、電子カルテシステムを保有している。この電子カルテシステムとしては、既存のものを使用でき、たとえばメディア株式会社の電子カルテシステムを用いることができる。
この電子カルテサーバ10は、図2に示すように、電子カルテシステム11と補助カルテシステム12を備えている。
【0032】
電子カルテシステム11は、電子カルテの運用に必要な各種処理を実行するものであり、たとえばカルテ入力処理、会計処理、領収書印字処理、カルテ印字処理、処方箋発行処理、予約処理、診療予約一覧表印刷処理、レセプト出力処理等を実行する。本実施形態では、特にシステムのバックアップに関係のある機能についてのみ説明し、これ以外については省略する。
【0033】
電子カルテシステム11は、図2に示すように、電子カルテ登録手段11a、電子カルテ記録手段11b、電子カルテ参照手段11c、及び診療履歴更新手段11dを備えている。
電子カルテ登録手段11aは、電子カルテの項目を入力するための入力画面を電子カルテサーバ10の表示手段に出力し、この入力画面を介して入力された各種データを電子カルテ記録手段11bに記録させる。
この入力画面は、一又は二以上の画面からなる種々のものとすることができ、図3及び図4に示すような電子カルテにおける各種項目を、入力項目として有している。
【0034】
電子カルテ記録手段11bは、電子カルテ登録手段11aから入力したデータを診療履歴として格納する。この電子カルテ記録手段11bは、診療履歴をたとえばSQLデータとして保存することができる。
なお、XMLデータとして保存することも可能である。診療履歴をXMLデータとすれば、データの修正があっても過去データを適切に残すことが可能となる。この電子カルテ記録手段11bの記録情報は、患者ごと、かつ診療ごとに記録される。
【0035】
電子カルテ参照手段11cは、電子カルテ記録手段11bに保存されている診療履歴を表示手段に出力する専用のビューワーである。この電子カルテ参照手段11cによって、たとえば図3に示すような電子カルテの1号用紙や、図4に示すような電子カルテの2号用紙を表示させることができる。
【0036】
診療履歴更新手段11dは、電子カルテ記録手段11bに保存されている診療履歴を、インタネットVPN40を介してセンタサーバ20に送信する。
この診療履歴の送信は、電子カルテ登録手段11aにより電子カルテ記録手段11bにデータが格納される度に、その追加された情報について行うことができる。勿論、一定の時間ごとや日時処理等により行うことも可能であり、電子カルテ記録手段11bに記録されている全データについて行うことも可能である。
【0037】
なお、追加された情報についてのみ診療履歴の更新を行う具体的な方法は種々の方法をとることができるが、たとえば電子カルテ記録手段11bの各レコードにセンタサーバ20への送信を行ったか否かを識別するフラグを設け、これにもとづいて判定する構成とすることなどが可能である。これは、以下の実施形態においても同様である。
【0038】
さらに、図示しないが、センタサーバ20に診療履歴更新手段を保有させ、電子カルテサーバ10の診療履歴更新手段11dが、このセンタサーバ20の診療履歴更新手段に対して、たとえばHTTPのGET方式などにより診療履歴の生成要求を行うことで、診療履歴更新手段に診療履歴を生成させ、生成した診療履歴を診療履歴記憶手段21に格納させることも好ましい。
このとき、診療履歴更新手段はインタネットVPN40を介してTCP/IP等により電子カルテ記憶手段11bにアクセスし、電子カルテ記憶手段11bの記録情報を受信して、この記録情報にもとづきこれを含むXMLデータなどの診療履歴を生成し、診療履歴記憶手段21に格納する。
このように、電子カルテサーバ10からの診療履歴更新要求にもとづきセンタサーバ20における診療履歴更新手段が診療履歴を生成・格納する構成については、以下の第二実施形態においても同様に適用することが可能である。
【0039】
補助カルテシステム12は、電子カルテシステム11に障害が発生した場合に備え、電子カルテの内容の簡易的な参照機能、及び電子カルテ登録に必要なデータの簡易入力機能を備えている。この補助カルテシステム12は、電子カルテシステム11とともに使用できなくなるリスクを軽減するため、電子カルテシステム11とは別個のハードディスク上などに構成することが好ましい。
【0040】
この補助カルテシステム12は、補助用登録手段12a、補助用記録手段12b、補助データ更新手段12c、及びファイル参照手段12dを備えている。
補助用登録手段12aは、電子カルテ登録手段11aによる電子カルテの入力画面の項目と同様の項目を備えた入力画面を表示手段に出力し、この入力画面を介して入力された各種データを補助用記録手段12bに記録させる。
【0041】
補助用記録手段12bは、補助用登録手段12aから入力したデータを格納する。この補助用登録手段12aの保存データの種類は、特に限定されるものではないが、電子カルテシステム11の復旧時に、当該保存データを電子カルテ記録手段11bに追加登録するため、電子カルテ記録手段11bの保存形式に対応し得ることが必要であり、たとえばXML形式やCSV形式等とすることが好ましい。
【0042】
補助データ更新手段12cは、電子カルテシステム11が復旧すると、補助用記録手段12bに記録されているデータを電子カルテ記録手段11bに追加登録する。この追加登録のタイミングは種々のものとすることができるが、たとえば補助用記録手段12bにデータが存在する場合に、一定時間毎に補助データ更新手段12cによる処理を試みることなどが可能である。
【0043】
ファイル参照手段12dは、センタサーバ20から補助参照用ファイル記録手段23に保存されているPDFファイルなどの補助参照用ファイルを受信して、表示手段に出力する。
これにより、電子カルテシステム11における電子カルテ参照手段11cにより電子カルテが参照できない場合でも、医師は診療履歴を参照することが可能となる。
【0044】
センタサーバ20は、一又は二以上の電子カルテサーバ10から送信されてきた診療履歴を保存することで、これを管理するとともに、一般の人が容易に自己の電子カルテの内容を参照できるように、広く普及しているソフトウェアで参照可能なファイルを診療履歴にもとづき作成して保存する。
このセンタサーバ20は、図2に示すように、診療履歴記録手段21、補助参照用ファイル生成手段22、及び補助参照用ファイル記録手段23を備えている。
【0045】
診療履歴記録手段21は、電子カルテサーバ10から送信されてきた診療履歴を、電子カルテサーバ10の識別情報や医院の識別情報等ごとに保存する。
この診療履歴記録手段21は、各電子カルテサーバ10における電子カルテ記録手段11bのバックアップとして機能する。
診療履歴記録手段21における診療履歴は、XMLデータなどとして保存される。このように診療履歴をXMLデータとすれば、データの修正があっても過去データを適切に残すことが可能となる。
【0046】
補助参照用ファイル生成手段22は、診療履歴記録手段21の記録情報にもとづき診療履歴を保有する補助参照用ファイルを作成する。
この補助参照用ファイルには、電子カルテの内容を備え、かつ、患者が参照した場合に容易に理解し得るような内容を保有させることが好ましい。
【0047】
この補助参照用ファイルの種類としては、広く普及しており、一般のコンピュータで参照することのできるPDF等とすることが好ましい。
補助参照用ファイル記録手段23は、補助参照用ファイル生成手段22により作成された補助参照用ファイルを記録する。
【0048】
F/W30は、広く一般に使用されている既存のファイヤウォールであり、電子カルテサーバ10及びセンタサーバ20は、このF/W30を介してインタネットVPN40に接続されている。
インタネットVPN40は、インタネット上に構築された仮想プライベートネットワークであり、医院における電子カルテサーバ10とデータセンタにおけるセンタサーバ20を大容量かつ安全な回線により接続している。
【0049】
次に、本実施形態の電子カルテバックアップシステムにおける処理手順について、図5を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電子カルテバックアップシステムにおける処理手順を示す動作手順図である。
【0050】
まず、電子カルテサーバ10において、電子カルテシステム11が正常に動作しなくなったとする(ステップ10)。
このとき、電子カルテサーバ10において、補助カルテシステム12を起動させ(ステップ11)、ファイル参照手段12dを実行することで、電子カルテサーバ10は、センタサーバ20から補助参照用ファイルを受信し、これを表示して参照可能とすることができる(ステップ12)。
【0051】
これによって、医師は、電子カルテシステム11の電子カルテ参照手段11cが動作せず、専用の電子カルテビューワーが使用できない場合でも、診療履歴にもとづき作成された、電子カルテと同様の内容を保有するPDFファイルなどの補助参照用ファイルを参照することができ、診療時に用いることができる。
【0052】
次に、診療にあたり、補助用登録手段12aにより表示された補助用カルテデータ入力画面から、平常時に電子カルテ入力を行う場合と同様の項目のデータ入力を行い(ステップ13)、入力データを補助用記録手段12bに保存する(ステップ14)。
【0053】
次に、電子カルテシステム11が復旧すると(ステップ15)、補助カルテシステム12の補助データ更新手段12cにより、補助用記録手段12bに記録されているデータを電子カルテ記録手段11bに追加登録する。これによって、電子カルテ記録手段11bを更新する(ステップ16)。
これは、電子カルテサーバ10に所定のトリガ入力を行うことで、後は全て補助データ更新手段12cにより自動的に実行することが可能である。
【0054】
また、補助データ更新手段12cにより補助用記録手段12bにデータが存在するか否かを一定時間毎に確認し、存在する場合に、補助データ更新手段12cによる更新処理の実行を試みることもできる。これによって、電子カルテシステム11が復旧した後に、電子カルテ記録手段11bの更新処理を自動的に実行させることが可能である。
【0055】
次に、電子カルテシステム11の診療履歴更新手段11dは、電子カルテ記録手段11bに更新処理が行われると、追加登録されたデータをセンタサーバ20に送信する(ステップ17)。
そして、センタサーバ20は、受信したデータを診療履歴記録手段21に保存する(ステップ18)。
これによって、電子カルテシステム11の障害時における診療履歴についても、そのバックアップデータをセンタサーバ20において適切に管理することが可能となる。
【0056】
なお、診療履歴更新手段11dがセンタサーバ20に送信するデータを、電子カルテ記録手段11bに保存されている全データとすることは勿論可能である。
また、診療履歴更新手段11dによるセンタサーバ20へのデータ送信タイミングは、電子カルテ記録手段11bが更新された際に行うのではなく、一定時間毎や日時処理など定期的に行うことも勿論可能である。
【0057】
次に、センタサーバ20の補助参照用ファイル生成手段22は、電子カルテ記録手段11bに追加されたデータを用いて、このデータを保有するPDFなどの補助参照用ファイルを作成し、これを補助参照用ファイル記録手段23に保存する(ステップ19)。
そして、電子カルテサーバ10は、電子カルテシステム11が正常に動作しなくなった場合に、この補助参照用ファイル記録手段23に保存された補助参照用ファイルを受信して表示することで、再びステップ11以降の処理を行うことが可能となる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態の電子カルテバックアップシステムによれば、電子カルテシステム11が正常に動作しなくなった場合でも、患者による参照用等の目的で作成されたPDFなどの補助参照用ファイルをセンタサーバ20から電子カルテサーバ10に受信させることで、医師は電子カルテと同様の情報を診療にあたって電子カルテサーバ10により参照することができる。
【0059】
また、このようなシステム障害時の診療に際し、電子カルテ入力と同様の入力を補助カルテシステムに行うことで、システム復旧時に診療履歴を電子カルテシステムに反映させることができる。
このため、電子カルテシステム障害時でも、診療にあたっての作業が煩雑化することを防止することができ、医療の品質低下を防ぐことが可能となる。
【0060】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図6を参照して説明する。同図は、本実施形態の電子カルテバックアップシステムにおけるセンタサーバ及び電子カルテサーバの構成を示すブロック図である。
本実施形態は、センタサーバ20が電子カルテサーバ10から電子カルテシステム11の状態情報を受信し、電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高い場合に、電子カルテシステム11に診療履歴の更新を行わせるとともに、電子カルテサーバ10において補助カルテシステム12を起動させる点で第一実施形態と異なる。その他の点については、第一実施形態と同様である。
【0061】
すなわち、本実施形態の電子カルテサーバ10は、図6に示すように、電子カルテシステム11、補助カルテシステム12に加え、さらに検知手段13を備えている。
この検知手段13は、電子カルテシステム11の状態に関する各種情報を取得して、これをセンタサーバ20に送信する。
検知手段13により取得される状態情報としては、種々のものとすることができるが、たとえばCPU使用率、半導体メモリ使用率、磁気ディスク使用率、温度、その他のコンピュータを構成するデバイス状態情報等を用いることができる。また、操作ログやエラーログに含まれる情報を上記状態情報として使用することも可能である。
【0062】
また、本実施形態のセンタサーバ20は、図6に示すように、監視手段24を備えている。
この監視手段24は、検知手段13から電子カルテシステム11の状態情報を受信すると、それぞれの情報について、対応する所定の閾値と比較し、各情報が閾値を超えているかどうかを確認することで、電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高いか否かを判定する。
なお、電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高いか否かの判定は、電子カルテシステム11の状態情報にもとづくものであれば、特に限定されるものではなく、その他の方法としてもかまわない。
【0063】
そして、監視手段24は、状態情報の中に所定の閾値を超えているものが一定以上存在するなど、電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高いと判定した場合、電子カルテサーバ10の診療履歴更新手段11dに診療履歴更新処理を行うように指示する。
これに対して、診療履歴更新手段11dは、電子カルテ記録手段11bに追加登録されたデータをセンタサーバ20に送信する。
【0064】
これにより、電子カルテ記録手段11bに追加登録された診療履歴が、診療履歴更新手段11dにより定期的にセンタサーバ20に更新される場合でも、障害が発生する可能性が高くなった場合には、その発生までに事前に電子カルテ記録手段11bのバックアップをセンタサーバ20にとっておくことが可能となる。
すなわち、このように診療履歴の更新を定期的に行う場合、突然電子カルテシステム11がダウンすると、前回の更新以降に電子カルテ記録手段11bに格納された履歴情報が失われてしまう可能性がある。
【0065】
しかしながら、本実施形態の電子カルテバックアップシステムによれば、センタサーバ20の監視手段24により、電子カルテサーバ10における電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高いと判定されると、直ちに電子カルテシステム11に追加登録された電子カルテ記録手段11bをセンタサーバ20に送信させることができるため、履歴情報の喪失を回避することが可能となる。
【0066】
なお、第一実施形態において説明した通り、本実施形態においてもセンタサーバ20に診療履歴更新手段を保有させ、診療履歴更新手段11dの要求にもとづいて、この診療履歴更新手段が電子カルテ記録手段11bから追加登録されたデータを受信し、このデータにもとづき診療履歴を生成して、診療履歴記憶手段21に格納する構成とすることも好ましい。
【0067】
また、監視手段24は、診療履歴記録手段21に新たに格納されたデータについて、補助参照用ファイル生成手段22により補助参照用ファイルが作成され、補助参照用ファイル記録手段23に格納されると、電子カルテサーバ10に対して補助カルテシステム12を起動する指示を与える。
【0068】
また、図示しないが、この際、監視手段24から電子カルテサーバ10に電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高いことを伝えるメッセージを送信させて、補助カルテシステム12によりこれを表示させることも好ましい。
これによって、医師は、電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高い場合には、直ちにその使用を停止して、補助カルテシステム12の使用に切り替えることが可能となり、電子カルテシステム11が不意に使えなくなってしまうことを防止することが可能となる。
【0069】
次に、本実施形態の電子カルテバックアップシステムにおける処理手順について、図7を参照して説明する。
同図は、本実施形態の電子カルテバックアップシステムにおける処理手順を示す動作手順図である。
【0070】
まず、電子カルテサーバ10において、検知手段13は、電子カルテシステム11の各種状態を検知し(ステップ30)、取得した状態情報をセンタサーバ20に送信する(ステップ31)。
センタサーバ20の監視手段24は、電子カルテサーバ10から電子カルテシステム11の状態情報を受信し、この状態情報が、所定の閾値内に存在するか否かを判断することで、電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高いか否かを判定する(ステップ32)。
【0071】
そして、監視手段24は、電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高いと判定すると(ステップ33のYes)、電子カルテサーバ10の診療履歴更新手段11dに対してデータアップロードを行わせる指示を与える(ステップ34)。
一方、電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高くないと判定すると(ステップ33のNo)、監視手段24は、電子カルテサーバ10からの状態情報の受信待ち状態になる。
【0072】
電子カルテサーバ10の診療履歴更新手段11dは、監視手段24からデータアップロードを行う指示を受けると、電子カルテ記録手段11bに追加登録されたデータをセンタサーバ20に送信する(ステップ35)。
そして、センタサーバ20の診療履歴記録手段21は、受信したデータを格納する(ステップ36)。
また、センタサーバ20の補助参照用ファイル生成手段22は、診療履歴記録手段21に新たなデータが追加されると、このデータを用いて補助参照用ファイルを作成し、補助参照用ファイル記録手段23に記録させる(ステップ37)。
【0073】
次に、監視手段24は、電子カルテサーバ10の補助カルテシステム12に対して、起動させる指示を与える(ステップ38)。
そして、電子カルテサーバ10において補助カルテシステム12が起動し(ステップ39)、ファイル参照手段12dによりセンタサーバ20の補助参照用ファイル記録手段23から補助参照用ファイルが受信され、電子カルテサーバ10の表示手段に表示される(ステップ40)。
【0074】
以上説明したように、本実施形態の電子カルテバックアップシステムによれば、電子カルテシステム11に障害が発生する可能性が高くなった場合には、事前に診療履歴のバックアップを行うことが可能となる。
また、医師は、電子カルテシステム11の障害発生前に事前に補助カルテシステム12を使用することができるため、不意に電子カルテシステム11がダウンした場合でも、診療に支障をきたす事態の発生を防止することが可能となる。
【0075】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、インタネットVPN40に変えて、専用回線を用いたり、電子カルテバックアップシステムからF/W30を省略するなど適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の電子カルテバックアップシステム、電子カルテサーバ、及び電子カルテ補助登録方法は、たとえば歯科医院などにおいて、電子カルテシステムの運用の安定性をより向上させるものとして好適に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第一実施形態の電子カルテバックアップシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態の電子カルテバックアップシステムにおけるセンタサーバ及び電子カルテサーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第一実施形態の電子カルテバックアップシステムにおける電子カルテ(1号用紙)の例を示す図である。
【図4】本発明の第一実施形態の電子カルテバックアップシステムにおける電子カルテ(2号用紙)の例を示す図である。
【図5】本発明の第一実施形態の電子カルテバックアップシステムにおける処理手順を示す動作手順図である。
【図6】本発明の第二実施形態の電子カルテバックアップシステムにおけるセンタサーバ及び電子カルテサーバの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第二実施形態の電子カルテバックアップシステムにおける処理手順を示す動作手順図である。
【符号の説明】
【0078】
10 電子カルテサーバ
11 電子カルテシステム
11a 電子カルテ登録手段
11b 電子カルテ記録手段
11c 電子カルテ参照手段
11d 診療履歴更新手段
12 補助カルテシステム
12a 補助用登録手段
12b 補助用記録手段
12c 補助データ更新手段
12d ファイル参照手段
13 検知手段
20 センタサーバ
21 診療履歴記録手段
22 補助参照用ファイル生成手段
23 補助参照用ファイル記録手段
24 監視手段
30 F/W(ファイヤウォール)
40 インタネットVPN

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子カルテ登録手段及び電子カルテ記録手段を保有する電子カルテシステムをそれぞれ備えた一又は二以上の電子カルテサーバと、前記電子カルテ記録手段の記録情報を含む診療履歴を保有するセンタサーバとを有する電子カルテバックアップシステムであって、
前記電子カルテサーバが、前記電子カルテシステムの障害発生時に、前記電子カルテ記録手段の記録情報のレコードが有する項目と同一の入力項目を備えた入力画面を当該電子カルテサーバの表示手段に表示させ、入力された情報を補助用記録手段に格納する補助用登録手段と、前記電子カルテシステムの復旧時に、前記補助用記録手段に格納されている情報を前記電子カルテ記録手段に追加登録する補助データ更新手段と、前記電子カルテ記録手段の記録情報を用いて前記センタサーバに前記診療履歴を更新させる診療履歴更新手段とを備え、
前記センタサーバが、前記電子カルテサーバから受信した前記電子カルテ記録手段の記録情報を含む前記診療履歴を格納する診療履歴記録手段を備えた
ことを特徴とする電子カルテバックアップシステム。
【請求項2】
前記センタサーバが、前記診療履歴記録手段に格納された前記診療履歴にもとづいて、当該診療履歴を保有する補助参照用ファイルを生成する補助参照用ファイル生成手段と、生成した補助参照用ファイルを格納する補助参照用ファイル記録手段とを備え、
前記電子カルテサーバが、前記電子カルテシステムの障害発生時に、前記補助参照用ファイル記録手段から前記補助参照用ファイルを受信して、前記表示手段に表示させるファイル参照手段を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の電子カルテバックアップシステム。
【請求項3】
前記補助参照用ファイルが、PDFファイルであることを特徴とする請求項2記載の電子カルテバックアップシステム。
【請求項4】
前記電子カルテサーバが、前記電子カルテシステムの各種状態情報を取得して前記センタサーバに送信する検知手段を備え、
前記センタサーバが、前記状態情報にもとづき電子カルテシステムに障害が発生する可能性が高いかを否かを判定し、電子カルテシステムに障害が発生する可能性が高い場合に、前記診療履歴更新手段に対して前記センタサーバに前記診療履歴の更新を行わせる指示を与える監視手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子カルテバックアップシステム。
【請求項5】
前記監視手段が、前記ファイル参照手段に対し、前記補助参照用ファイル記録手段から前記補助参照用ファイルを受信させて前記表示手段に表示させる指示を与える
ことを特徴とする請求項4記載の電子カルテバックアップシステム。
【請求項6】
電子カルテ登録手段及び電子カルテ記録手段を保有する電子カルテシステムを備えた電子カルテサーバであり、かつ、前記電子カルテ記録手段の記録情報を含む診療履歴をセンタサーバに保有する電子カルテバックアップシステムにおける電子カルテサーバであって、
前記電子カルテシステムの障害発生時に、前記電子カルテ記録手段の記録情報のレコードが有する項目と同一の入力項目を備えた入力画面を当該電子カルテサーバの表示手段に表示させ、入力された情報を補助用記録手段に格納する補助用登録手段と、
前記電子カルテシステムの復旧時に、前記補助用記録手段に格納されている情報を前記電子カルテ記録手段に追加登録する補助データ更新手段と、前記電子カルテ記録手段の記録情報を用いて前記センタサーバに前記診療履歴を更新させる診療履歴更新手段とを備えた
ことを特徴とする電子カルテサーバ。
【請求項7】
前記電子カルテシステムの障害発生時に、前記センタサーバにおいて前記電子カルテ記録手段の記録情報を含む前記診療履歴にもとづき作成された補助参照用ファイルを、前記センタサーバから受信して、前記表示手段に表示させるファイル参照手段を備えた
ことを特徴とする請求項6記載の電子カルテサーバ。
【請求項8】
電子カルテ登録手段及び電子カルテ記録手段を保有する電子カルテシステムをそれぞれ備えた一又は二以上の電子カルテサーバと、前記電子カルテ記録手段の記録情報を含む診療履歴を保有するセンタサーバとを有する電子カルテバックアップシステムによる電子カルテ補助登録方法であって、
前記電子カルテシステムの障害発生時に、
前記電子カルテサーバにおけるファイル参照手段が、前記センタサーバにおいて前記診療履歴にもとづき作成された補助参照用ファイルを、前記センタサーバから受信して、当該電子カルテサーバの表示手段に表示させ、
前記電子カルテサーバにおける補助用登録手段が、前記電子カルテ記録手段の記録情報のレコードが有する項目と同一の入力項目を備えた入力画面を前記表示手段に表示させ、入力された情報を補助用記録手段に格納し、
前記電子カルテシステムの復旧時に、
前記電子カルテサーバにおける補助データ更新手段が、前記補助用記録手段に格納されている情報を前記電子カルテ記録手段に追加登録し、
前記電子カルテサーバにおける診療履歴更新手段が、前記センタサーバに前記電子カルテ記録手段の記録情報を用いて前記診療履歴を更新させ、
前記センタサーバにおける診療履歴記録手段が、前記電子カルテサーバから受信した前記電子カルテ記録手段の記録情報を含む前記診療履歴を格納する
ことを特徴とする電子カルテ補助登録方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−97366(P2008−97366A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279032(P2006−279032)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(398065520)メディア株式会社 (8)
【Fターム(参考)】