説明

電子デバイス及び電子デバイスの製造方法

【課題】電子部品の隣り合う電極に接続されるリードが同一方向に延出する場合、電子部品の搭載時に、位置ズレや回転ズレの可能性が大きくなる。
【解決手段】第1の面に第1の電極及び前記第1の電極と隣り合う第2の電極を有する電子部品と、前記第1の電極と第1の導電性接着剤を介して接続された第1のリードと、前記第2の電極と第2の導電性接着剤を介して接続された第2のリードと、を有し、前記第1及び第2のリードは前記第1の面の第1の辺とオーバーラップし、前記第1のリードのリード部は、前記第1の電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第1の仮想直線に対して、第1のリードのランド部から第2の辺側に延出し、前記第2のリードのリード部は、前記第2の電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第2の仮想直線に対して、前記第2のリードのランド部から、前記第2の辺と対向する第3の辺側に延出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電子デバイス及び電子デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加速度や角速度などをセンシングする振動デバイスとしてのモーションセンサーにおいては、振動片としてのセンサー素子と、該センサー素子を駆動する機能を有する半導体回路素子とを備えたセンサーデバイスを用いた構成が知られている。そして、特許文献1のように、ジャイロセンサーや加速度センサーなどの電子部品をリードフレームのリード上にハンダを介して接続し、このリードを屈曲させることで所定の方向の角速度や加速度を検出できる電子デバイスが知られている。
【0003】
図9(a)〜図9(e)は従来技術の製造方法を示す工程図である。図9(a)〜(d)は平面図であり、図9(e)は図9(d)の構造体に封止樹脂400を設け、ダムバー133の所定の箇所を切断した後の断面図である。図10(a)は、図9(b)の裏側の平面図であり、電子部品200とリード111a〜111dとの接続部を拡大した図面である。また、図10(b)は、図10(a)のB21−B´21線の断面図である。
【0004】
まず、図9(a)に示すようなリードフレーム100を用意する。リードフレーム100は電子部品の電極と接続されるリード111a〜111d、121a〜121dと、ダムバー133と、を有する。ダムバー133はリード111a〜111d、121a〜121dを固定し、所定の領域を囲む枠状となっている。このようなリードフレーム100は、リード111a〜111d、121a〜121dと、ダムバー133と1枚の銅板により一体的に形成されている。
【0005】
次に、図9(b)に示すように、リード111a〜111d上に電子部品200を搭載する。このとき、電子部品200の第2の面200bに設けられている電極211a〜211dと、リード111a〜111dとを、それぞれハンダ500を介して接続する(図10(b)参照)。電子部品200は例えば第1の面200aに垂直な方向の角速度を検出するジャイロセンサーである。そして、電子部品200の搭載後、図9(c)に示すように、リード111a〜111dの電子部品200の被取付部に金型などを用いて力を加え、リード111a〜111dを屈曲させる。
【0006】
リード111a〜111dを屈曲させた後、図9(d)に示すように、リード121a〜121d上に電子部品300を搭載する。このとき、電子部品300の電極(図示せず)と、リード121a〜121dと、をそれぞれハンダを介して接続する。電子部品300は例えば第1の面300aに垂直な方向の角速度を検出するジャイロセンサーである。
【0007】
電子部品200及び電子部品300をリードフレームに搭載した後、金型などを用いて、ダムバー133の内の領域に、電子部品200及び電子部品300、リード111a〜111d、121a〜121dの一部を覆う封止樹脂400を設ける。その後、ダムバー133の各リード111a〜111d、121a〜121d間の部分を除去し、リードを個片化して電子デバイスを完成させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−278186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術では、各リード111a〜111dと各電極211a〜211dとを接続する際、ハンダ500を溶融させるが、ハンダ500溶融時にハンダ500が各リードに沿って流れ、その影響で電子部品200もハンダ500の流れる方向に位置ズレや回転ズレを起こす可能性があった。特に、図10(a)のように各電極211a〜211dに接続される各リード111a〜111dのうち、隣り合う電極(例えば電極211aと211b)に接続されるリード(例えばリード111aとリード111b)が同一方向(図10(a)では第2の面200bの第1の辺201に向かう方向)に延出する場合、位置ズレや回転ズレの可能性が大きくなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0011】
〔適用例1〕
本適用例にかかる電子デバイスは、第1の面に第1の電極及び前記第1の電極と隣り合う第2の電極を含む複数の電極を有する電子部品と、前記第1の電極と第1の導電性接着剤を介して接続された第1のランド部と、前記第1のランド部に接続された第1のリード部と、を有する第1のリードと、前記第2の電極と第2の導電性接着剤を介して接続された第2のランド部と、前記第2のランド部に接続された第2のリード部と、を有する第2のリードと、を有し、前記第1のリード部及び前記第2のリード部は前記第1の面の第1の辺とオーバーラップし、前記第1のリード部は、前記第1の電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第1の仮想直線に対して、前記第1のランド部から前記第1の面の前記第1の辺に接続する第2の辺側に延出し、前記第2のリード部は、前記第2の電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第2の仮想直線に対して、前記第2のランド部から前記第1の面の前記第1の辺に接続し、前記第2の辺と対向する第3の辺側に延出することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、隣り合う第1の電極、第2の電極に接続する第1のリード及び第2のリードのリード部が、第1の電極、第2の電極から各々別な方向に向かって延出する。よって、第1の導電性接着剤を溶融させた際に電子部品に与える影響と、第2の導電性接着剤を溶融させた際に電子部品に与える影響とで打ち消しあう部分があるため、電子部品が位置ズレ、回転ズレを起こす可能性を低減することができる。
【0013】
〔適用例2〕
上記適用例にかかる電子デバイスにおいて、前記複数の電極は第3の電極を含み、前記第1のリード部の第1の部分は前記第3の電極とオーバーラップし、前記第1のリード部は前記第1のランド部との接続部と前記第1の部分との間で屈曲していることが好ましい。
【0014】
電子部品を複数用いる場合には、製造コストの低減、不良率を抑えるためそれぞれの電子部品として同じ構造とすることがあるが、その際、第1のリード部とオーバーラップするように第3の電極が位置してしまう場合がある。第3の電極が第1のリード部とオーバーラップしている場合、第1の導電性接着剤を溶融させる際に、第1の導電性接着剤が第3の電極まで至ると、第1の導電性接着剤の移動量が第3の電極部分でその他の部分より急激に大きくなり、電子部品が大きく位置ズレ、回転ズレを起こす可能性がある。上記構成の電子デバイスでは、第1のランド部との接続部から第3の電極とオーバーラップする第1の部分までの間で第1のリード部が屈曲していることから、第1の導電性接着剤が第3の電極まで到達するまでの距離が長くなる。そのため、第1の導電性接着剤が第3の電極まで至る可能性が低下するので、電子部品が位置ズレ、回転ズレを起こす可能性を低減することができる。
【0015】
〔適用例3〕
上記適用例の電子デバイスにおいて、前記第1のランド部は前記第1の電極よりも大きく、前記第2のランド部は前記第2の電極よりも大きいことが好ましい。
【0016】
この構成よれば、各ランド部が接続される各電極よりも大きいので、ランド部内で導電性接着剤が挙動し、リード部への流れ出しを少なくすることができる。
【0017】
〔適用例4〕
本適用例の電子デバイスの製造方法は、第1の面に第1の電極及び前記第1の電極と隣り合う第2の電極を含む複数の電極を有する電子部品を用意する工程(a)と、第1のランド部と、前記第1のランド部に接続された第1のリード部と、を有する第1のリードの、前記第1のランド部と前記第1の電極を第1の導電接着剤を溶融させて接続し、第2のランド部と、前記第2のランド部に接続された第2のリード部と、を有する第2のリードの、前記第2のランド部と前記第2の電極を第2の導電接着剤を溶融させて接続する工程(b)と、を有し、前記工程(b)では、前記第1のリード部及び前記第2のリード部は前記第1の面の第1の辺とオーバーラップし、前記第1のリード部は、前記第1の電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第1の仮想直線に対して、前記第1のランド部から前記第1の面の前記第1の辺に接続する第2の辺側に延出し、前記第2のリード部は、前記第2の電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第2の仮想直線に対して、前記第2のランド部から前記第1の面の前記第1の辺に接続し、前記第2の辺と対向する第3の辺側に延出するように、前記電子部品を前記第1のリード及び前記第2のリードに搭載することを特徴とする。
【0018】
この方法によれば、隣り合う第1の電極、第2の電極に接続する第1のリード及び第2のリードのリード部が、第1の電極、第2の電極から各々別な方向に向かって延出する位置に電子部品を第1のリード及び前記第2のリードに搭載する。よって、工程(b)で第1の導電性接着剤を溶融させた際に電子部品に与える影響と、第2の導電性接着剤を溶融させた際に電子部品に与える影響とで打ち消しあう部分があるため、電子部品が位置ズレ、回転ズレを起こす可能性を低減することができる。
【0019】
〔適用例5〕
上記適用例にかかる電子デバイスの製造方法において、前記複数の電極は第3の電極を含み、前記第1のリード部は、前記第1のランド部との接続部と、第1の部分と、前記接続部と前記第1の部分との間に位置する屈曲部とを有し、前記(b)工程では、前記第1の部分が前記第3の電極とオーバーラップするように、前記電子部品を前記第1のリード及び前記第2のリードに搭載することが好ましい。
【0020】
この方法によれば、第3の電極を第1のリード部とオーバーラップさせる場合、第1の導電性接着剤を溶融させる際に、第1の導電性接着剤が第3の電極まで至ると、第1の導電性接着剤の移動量が第3の電極部分でその他の部分より急激に大きくなり、電子部品が大きく位置ズレ、回転ズレを起こす可能性がある。上記構成の電子デバイスの製造方法では、第1のランド部との接続部から第3の電極とオーバーラップする第1の部分までの間で第1のリード部が屈曲していることから、第1の導電性接着剤が第3の電極まで到達するまでの距離が長くなる。そのため、第1の導電性接着剤が第3の電極まで至る可能性が低下するので、電子部品が位置ズレ、回転ズレを起こす可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る電子デバイスを示す図。
【図2】第2実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す図。
【図3】第2実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す図。
【図4】第2実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す図。
【図5】第2実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す図。
【図6】第2実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す図。
【図7】第2実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す図。
【図8】第2実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す図。
【図9】従来例を示す図。
【図10】従来例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
図1に第1実施形態にかかる電子デバイス1を示す。図1(a)は本発明の第1実施形態に係る電子デバイス1の構成を示す図である。図1(b)は、図1(a)のB1−B´1断面図であり、図1(c)は電子部品30の第1の面30aとリード12a〜12dの平面図である。なお、図1(c)では、図面の簡略化のため、ハンダ70a〜70d、封止樹脂90は省略している。
【0023】
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態に係る電子デバイス1は、第1の面30aに設けられた、第1の電極としての電極31aと電極31aに隣り合う第2の電極としての電極31bを有する電子部品30及び電極31aと第1の導電性接着剤としてのハンダ70aを介して接続される第1のリードとしてのリード12a、電極31bと第2の導電性接着剤としてのハンダ70bを介して接続される第2のリードとしてのリード12bを備える。
【0024】
電子デバイス1は更に電子部品40及び電子部品40の電極(図示せず)にハンダ(図示せず)を介して接続されるリード22a〜22d(図1(a)では図示省略)、電子部品50及び電子部品50の電極(図示せず)にハンダ(図示せず)を介して接続されるリード21a〜21d、電子部品60及び電子部品60の電極(図示せず)にハンダ(図示せず)を介して接続されるリード11a〜11d、封止樹脂90を備えてもよい。
【0025】
電子部品30、50、60は例えばジャイロセンサー(水晶振動子を使用し、角速度を検出するデバイス)であり、この場合の構成を以下に説明する。電子部品30、50、60がジャイロセンサーである場合、電子部品30、50、60はそれぞれ空洞部を有するセラミックパッケージと、空洞部内に設けられた水晶振動子、水晶振動子を駆動や、水晶振動子の動きの検出を行う半導体素子が配置されている。そして、電子部品30、50、60は主面(例えば電子部品30の場合、電子部品30の第2の面30b)に対して垂直な方向の動きを検出してもよい。そして、電子部品50、60、30の主面はそれぞれX,Y,Z軸に直交するように配置されており、電子デバイス1はX,Y,Z軸の動きを検出できるようになっている。
【0026】
リード11a〜11d、12a〜12b、21a〜21d、22a〜22dはそれぞれ、銅(Cu)などの導電性を有する金属で形成されている。また、リード11a〜11d、12a〜12b、21a〜21d、22a〜22dには、銅(Cu)などの金属に、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、金(Au)などの単層、若しくはこれらの2つ若しくは3つを組み合わせた複数層のメッキが施されていてもよい。
【0027】
次に、図1(b)、図1(c)を参照して、電子部品30及び電子部品30の電極31a〜31f、電極31a〜31dにハンダ70a〜70dをそれぞれ介して接続されるリード12a〜12dの構成について詳細に説明する。なお、他の電子部品40、50、60の電極の構成、配置は、後述する電極31a〜31fの構成、配置と同様な構成、配置となっていてもよい。また、リード12a〜12dの構成、接続される電子部品30との位置関係と、他のリード11a〜11d、21a〜21d、22a〜22dの構成及びこれらのリードが接続される電子部品との位置関係とが同様な構成、位置関係となっていてもよい。
【0028】
図1(b)に示すように、電子部品30の第1の面30aに位置する電極31a〜31dは、それぞれ導電性接着剤であるハンダ70a〜70dを介してリード12a〜12dと接続されている。導電性接着剤として、ハンダの代わりに、加熱により溶融する導電性樹脂を用いてもよい。例えば、導電性樹脂として銀(Ag)粉をエポキシ樹脂などに混ぜたものを用いてもよい。
【0029】
図1(c)を参照して、電極31a〜31fの構成、配置について説明する。電極31a〜31dは電子部品30内にある半導体素子、水晶振動子と電気的に接続されている。電極31e、31fは、電子部品30においては、用いられない電極(例えば、電子部品30内にある半導体素子、水晶振動子などと接続されていない電極)であってもよい。電極31a〜31fは、銅(Cu)などの導電性を有する金属で形成されている。また、電極31a〜31fは銅(Cu)にニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、金(Au)などの単層、若しくはこれらの2つ若しくは3つを組み合わせた複数層のメッキが施されていてもよい。電極31a〜電極31dは、電子部品30の第1の面30aの第1の辺である辺32bと平行な線に沿って並んでいる。そして、電極31aと電極31bは隣り合っている。言い換えると、電極31a〜fのうち、電極31bは電極31aに最も近くなっている。若しくは、電極31aと電極31bの間には、電子部品30の他の電極が設けられていない。電極31e、31fは、電極31a〜31dが沿って並んでいる線と平行な別な線に沿って並んでいてもよい。
【0030】
図1(c)を参照して、リード12a〜12dの構成について説明する。リード12a〜12dは、それぞれハンダ70a〜70dが設けられるランド部15a〜15d(図1(c)の点線で囲った部分)と、ランド部15a〜15dから延出するリード部16a〜16dを有する。リード部16a〜16dは、それぞれが延出するランド部15a〜15dよりも幅が狭くなっていてもよい。また、ランド部15aは接続される電極31aよりも大きく、ランド部15bは接続される電極31bよりも大きくなっていてもよい。更に、ランド部15cは接続される電極31cよりも大きく、ランド部15dは接続される電極31dよりも大きくなっていてもよい。これにより、各ランド部15a〜15dが接続される各電極31a〜31dよりも大きいので、ランド部15a〜15d内でハンダ70a〜70dが挙動し、リード部16a〜16dへの流れ出しを少なくすることができる。
【0031】
次に、図1(c)を参照して、リード12a〜12dと電子部品30との位置関係につき、特にリード12aとリード12bを用いて説明する。第1の電極31aの中心C1を通り、第1の辺32bに垂直な仮想直線L1(図1(c)中、角度αは90°となっている)に対して、リード12aのリード部16aはランド部15aから、第2の辺32a側に延出している。第2の辺32aは第1の辺32bと接続している。それに対して、リード12bのリード部16bはランド部15bから、リード部16aとは逆側に延出している。つまり、第2の電極31bの中心C2を通り、第1の辺32bに垂直な仮想直線L2(図1(c)中、角度βは90°となっている。また、仮想直線L1と仮想直線L2は平行となっている)に対して、リード12bのリード部16bはランド部15bから、第3の辺32c側に延出している。第3の辺32cは第1の辺32bと接続しており、第2の辺32aが接続している第1の辺32bの端部とは異なる端部と接続し、第2の辺32aと対向している。また、第1の辺32bはリード部16a及びリード部16bとオーバーラップしている。更に、第1の辺32bは、電子部品30の第1の面30aに設けられた電極に接続される全てのリード(図1(c)ではリード12a〜12d)とオーバーラップしていてもよい。このように、隣り合う電極31a、31bにそれぞれ接続するリード12a、12bのリード部16a、16bをそれぞれランド部15a、15bから逆側に延出させることで、ハンダ70aを溶融させた際に電子部品30に与える影響と、ハンダ70bを溶融させた際に電子部品30に与える影響とで打ち消しあう部分があるため、電子部品30が位置ズレ、回転ズレを起こす可能性を低減することができる。なお、リード12cとリード12dも、リード12aとリード12bの位置関係と同様な位置関係を有していてもよい。
【0032】
更にリード12aのリード部16aは、第3の電極としての電極31eとオーバーラップする、第1の部分17aを有していてもよい。この場合にリード部16aは、ランド部15aとの接続部18aと第1の部分17aとの間に屈曲している部分である屈曲部19aを有していてもよい。このように、ランド部15aとの接続部18aから電極31eとオーバーラップする第1の部分17aまでの間でリード部16aが屈曲していることから、ハンダ70aが第3の電極31eまで到達するまでの距離が長くなる。そのため、ハンダ70aが溶融時に第3の電極31eまで至る可能性が低下するので、ハンダ70aが急激に移動することによる、電子部品30が位置ズレ、回転ズレを起こす可能性を低減することができる。
【0033】
(第2実施形態)
第2実施形態として、上述した第1実施形態に係る電子デバイス1の製造方法を説明する。図1(c)、図2〜図5は、第1実施形態に係る電子デバイス1の製造方法を示す平面図であり、図6〜図8は第1実施形態に係る電子デバイス1の製造方法を示す平面図及び断面図である。
【0034】
まず、図1(c)に示すような、電極31aと電極31aに隣り合う電極31bを含む複数の電極31a〜31fを有する電子部品30を用意する。
【0035】
次に、図2(a)、(b)に示すようなリードフレーム10、20を用意する。リードフレーム10は、リード11a〜11d、12a〜12d及びこれらを連結しているダムバー13、リード11a〜11d、リード12a〜12d、ダムバー13が接続される支持体14を有する。同様にリードフレーム20は、リード21a〜21d、リード22a〜22d及びこれらを連結しているダムバー23、リード21a〜21d、リード22a〜22d、ダムバー23が接続される支持体24を有する。このようなリードフレーム10、20は例えば1枚の銅板をエッチング、又は、金型を用いて打ち抜くことにより形成してもよい。
【0036】
次に、図3(a)に示すように、リード11a〜11dと電子部品60の電極(図示せず)とを、ハンダを用いて接続する。同様に、図3(b)に示すように、リード21a〜21dと電子部品50の電極(図示せず)とを、ハンダを用いて接続する。具体的には、各リード11a〜11d、リード21a〜21d上、若しくは電子部品50、60の電極にハンダ設けた状態で、電子部品50及び電子部品60をリード11a〜11d、リード21a〜21d上にそれぞれ搭載し、ハンダを加熱して溶融させてリード11a〜11d、リード21a〜21dと電子部品50及び電子部品60の電極とを接続する。なお、リードと電極の接続方法はハンダに限らず、加熱により溶融する導電性樹脂など、一度、加熱されることで溶融される導電性接着剤であれよい。
【0037】
次に、図4(a)に示すように、電子部品60の主面(例えば電極が設けられている面とは反対側の面)が、リードフレーム10の主面に対し、垂直となるように、リード11a〜11dを折り曲げてもよい。同様に、図4(b)に示すように、電子部品50の主面(例えば電極が設けられている面とは反対側の面)が、リードフレーム20の主面に対し、垂直となるように、リード21a〜21dを折り曲げてもよい。具体的には、リード11a〜11dの電子部品60が搭載されている部分に、金型などを用いて力を加え、同様にリード21a〜21dの電子部品50が搭載されている部分に、金型などを用いて力を加えることで、各リードを折り曲げてもよい。
【0038】
次に、図5(a)に示すように、リード12a〜12dと、電子部品30の電極31a〜31dを、ハンダ70a〜70dを用いて接続する(図1(b)(c)も参照)。具体的には、リード12a〜12dのランド部15a〜15d上、若しくは電子部品30の電極31a〜31dにハンダ70a〜70dを設けた状態で、電子部品30をリード12a〜12d上に搭載し、ハンダ70a〜70dを加熱して溶融させて、リード12a〜12dと電極31a〜31dを接続する。なお、リードと電極の接続方法はハンダに限らず、加熱により溶融する導電性樹脂など、一度、加熱されることで溶融される導電性接着剤であれよい。
【0039】
このとき、電子部品30とリード12a〜12bとが、図1(c)に示すような位置関係となるように、電子部品30を搭載する。具体的には、第1の電極31aの中心C1を通り、第1の辺32bに垂直な仮想直線L1に対して、リード12aのリード部16aはランド部15aから、第2の辺32a側に延出し、第2の電極31bの中心C2を通り、第1の辺32bに垂直な仮想直線L2に対して、リード12bのリード部16bはランド部15bから、第3の辺32c側に延出するように、電子部品30をリード12a〜12d上に搭載する。また、第1の辺32bはリード部16a及びリード部16bとオーバーラップしている。更にリード12aのリード部16aは、第3の電極としての電極31eとオーバーラップする、第1の部分17aを有し、ランド部15aとの接続部18aと第1の部分17aとの間に、屈曲している部分である屈曲部19aが位置するように電子部品30を搭載してもよい。
【0040】
同様に図5(b)に示すように、リード22a〜22dと、電子部品40の電極(図示せず)を、ハンダを用いて接続する。接続方法は、電子部品30とリード12a〜12dとの接続方法と同様である。
【0041】
なお、リードフレーム10の主面(例えば電子部品30が搭載される面)と、電子部品30の主面(例えば、電極31a〜31fが設けられた面とは反対側の面である第2の面30b)とが平行となるように、電子部品30をリードフレーム10に搭載してもよい。また、リードフレーム20の主面(例えば電子部品40が搭載される面)と、電子部品40の主面(例えば電極が設けられている面とは反対側の面)とが平行となるように電子部品40をリードフレーム20に搭載してもよい。
【0042】
次に、図6(a)(b)に示すように、電子部品30と電子部品60が搭載されたリードフレーム10と、電子部品40と電子部品50が搭載されたリードフレーム20とを重ね合わせ、平面視でダムバー13、23で囲まれた領域内に電子部品30〜60が位置するようにする。電子部品50、60の主面がそれぞれリードフレーム20、10の主面に対して垂直となるように、リード21a〜21d、リード11a〜11dが折り曲げられ、電子部品30の主面がリードフレーム10の主面に対して平行となるように搭載されている時、リードフレーム10とリードフレーム20を重ね合わせた際、電子部品50、60、30の主面はそれぞれX,Y,Z軸に直交するように配置されることになる。これにより、電子部品30、50、60がジャイロセンサーである場合、これらの電子部品でX,Y,Z軸の動きを検出できるようになっている。
【0043】
次に、図7(a)で示すように、上金型80aとした下金型80bで挟まれる領域82にダムバー13、14が位置するように、上金型80aと下金型80bを配置し、図7(b)に示すようにキャビティ85を形成する。このキャビティ85の内側には、電子部品30、40、50、60と、リード11a〜11d、リード12a〜12d、リード21a〜21d、リード22a〜22dの少なくとも一部とが位置している。
【0044】
次に、図8(b)に示すように、キャビティ85内に封止樹脂90を注入し硬化させる。これにより、電子部品30、40、50、60と、リード11a〜11d、リード12a〜12d、リード21a〜21d、リード22a〜22dの少なくとも一部とが封止樹脂90により樹脂封止される。封止樹脂90は例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などを用いてもよい。なお、このとき封止樹脂90は図8(a)に示すように、ダムバー13、23で囲まれた領域内に設けられてもよい。
【0045】
次に、リード11a〜11d、リード12a〜12d、リード21a〜21d、リード22a〜22dを個片化するようにダムバー13、23を除去する。また、支持体14からリード11a〜11d、リード12a〜12dを切断し、支持体24からリード21a〜21d、リード22a〜22dを切断する。
【0046】
以上の工程により、図1(a)〜(c)に示す電子デバイス1を製造する。これにより、隣り合う電極31a、31bにそれぞれ接続するリード12a、12bのリード部16a、16bをそれぞれランド部15a、15bから逆側に延出させることで、ハンダ70aを溶融させた際に電子部品30に与える影響と、ハンダ70bを溶融させた際に電子部品30に与える影響とで打ち消しあう部分があるため、電子部品30が位置ズレ、回転ズレを起こす可能性を低減することができる。また、ランド部15aとの接続部18aから電極31eとオーバーラップする第1の部分17aまでの間でリード部16aが屈曲していることから、ハンダ70aが第3の電極31eまで到達するまでの距離が長くなり、ハンダ70aが第3の電極31eまで至る可能性が低下するので、ハンダ70aが急激に移動することによる、電子部品30が位置ズレ、回転ズレを起こす可能性を低減することができる。
【0047】
なお、上述した実施形態は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば各実施形態は、複数を適宜組み合わせることが可能である。
【0048】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0049】
1…電子デバイス、10…リードフレーム、11a〜11d…リード、12a〜12d…リード、13…ダムバー、14…支持体、15a〜15d…ランド部、16a〜16d…リード部、17a…第1の部分、18a…接続部、19a…屈曲部、20…リードフレーム、21a〜21d…リード、23…ダムバー、24…支持体、30…電子部品、30a…第1の面、30b…第2の面、31a〜31f…電極、32a…第2の辺、32b…第1の辺、32c…第3の辺、40…電子部品、50…電子部品、60…電子部品、70a〜70d…ハンダ、80a…上金型、80b…下金型、82…上金型80aと下金型80bで挟まれる領域、85…キャビティ、90…封止樹脂。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面に第1の電極及び前記第1の電極と隣り合う第2の電極を含む複数の電極を有する電子部品と、
前記第1の電極と第1の導電性接着剤を介して接続された第1のランド部と、前記第1のランド部に接続された第1のリード部と、を有する第1のリードと、
前記第2の電極と第2の導電性接着剤を介して接続された第2のランド部と、前記第2のランド部に接続された第2のリード部と、を有する第2のリードと、
を有し、
前記第1のリード部及び前記第2のリード部は前記第1の面の第1の辺とオーバーラップし、
前記第1のリード部は、前記第1の電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第1の仮想直線に対して、前記第1のランド部から前記第1の面の前記第1の辺に接続する第2の辺側に延出し、
前記第2のリード部は、前記第2の電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第2の仮想直線に対して、前記第2のランド部から前記第1の面の前記第1の辺に接続し、前記第2の辺と対向する第3の辺側に延出することを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスにおいて、
前記複数の電極は第3の電極を含み、
前記第1のリード部の第1の部分は前記第3の電極とオーバーラップし、
前記第1のリード部は前記第1のランド部との接続部と前記第1の部分との間で屈曲していることを特徴とする電子デバイス。
【請求項3】
請求項1また請求項2に記載の電子デバイスにおいて、
前記第1のランド部は前記第1の電極よりも大きく、
前記第2のランド部は前記第2の電極よりも大きいことを特徴とする電子デバイス。
【請求項4】
第1の面に第1の電極及び前記第1の電極と隣り合う第2の電極を含む複数の電極を有する電子部品を用意する工程(a)と、
第1のランド部と、前記第1のランド部に接続された第1のリード部と、を有する第1のリードの、前記第1のランド部と前記第1の電極を第1の導電接着剤を溶融させて接続し、第2のランド部と、前記第2のランド部に接続された第2のリード部と、を有する第2のリードの、前記第2のランド部と前記第2の電極を第2の導電接着剤を溶融させて接続する工程(b)と、
を有し、
前記工程(b)では、前記第1のリード部及び前記第2のリード部は前記第1の面の第1の辺とオーバーラップし、
前記第1のリード部は、前記第1電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第1の仮想直線に対して、前記第1のランド部から前記第1の面の前記第1の辺に接続する第2の辺側に延出し、
前記第2のリード部は、前記第2の電極の中心を通り前記第1の辺に垂直な第2の仮想直線に対して、前記第2のランド部から前記第1の面の前記第1の辺に接続し、前記第2の辺と対向する第3の辺側に延出するように、前記電子部品を前記第1のリード及び前記第2のリードに搭載することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の電子デバイスの製造方法において、
前記複数の電極は第3の電極を含み、
前記第1のリード部は、前記第1のランド部との接続部と、第1の部分と、前記接続部と前記第1の部分との間に位置する屈曲部とを有し、
前記(b)工程では、前記第1の部分が前記第3の電極とオーバーラップするように、前記電子部品を前記第1のリード及び前記第2のリードに搭載することを特徴とする電子デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−185112(P2012−185112A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49939(P2011−49939)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】