説明

電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置及び方法

【課題】電子ビームとレーザービームの焦点及び入射角度を精密に一致させることができ、かつ電子ビーム及びレーザービームの4次元プロファイル(3次元プロファイルの時間変化)を測定することができ、これによりレーザービームの利用効率を大幅に高めることができる電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置及び方法を提供する。
【解決手段】電子ビーム1とレーザービーム3が正面衝突する衝突位置近傍の各ビームの断面プロファイルを測定するプロファイル測定装置30と、プロファイル測定装置を各ビームの軸方向にほぼ一致する所定の方向に連続的に移動する移動装置40とを備える。さらにプロファイル形成装置50により、プロファイル測定装置による断面プロファイル、その所定方向の位置、及びビームの発振タイミングから電子ビーム及びレーザービームの3次元プロファイルの時間変化を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビーム及びレーザービームの3次元プロファイルの時間変化を測定するプロファイル測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ビームとレーザービームの衝突によってコンプトン散乱に起因する準単色X線が得られることが知られている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
非特許文献1の「小型X線発生装置」は、図7に示すように、小型の加速器81(Xバンド加速管)で加速された電子ビーム82をレーザー83と衝突させてX線84を発生させるものである。RF(Radio Frequency)電子銃85(熱RFガン)で生成されたマルチバンチ電子ビーム82はXバンド加速管81で加速され、パルスレーザービーム83と衝突する。コンプトン散乱により、時間幅10nsの硬X線84が生成される。
この装置は、一般に線形加速器で用いられるSバンド(2.856GHz)の4倍の周波数にあたるXバンド(11.424GHz)をRFとして用いて小型化を図っており、例えばX線強度(光子数):約1×10photons/s、パルス幅:約10psの強力な硬X線の発生が予測されている。
【0004】
また、電子ビーム又はレーザービームのプロファイルを測定する手段が非特許文献2,3に開示されている。
【0005】
非特許文献2に開示されたプロファイル測定手段は、電子ビームとレーザービームの衝突点に設置された3連のチャンバーであり、このチャンバーはビームパイプと一体となってビームラインの真空を保ちながら、遠隔操作で様々な診断装置をビームラインに挿入し、電子ビームとレーザービーム双方の位置・サイズを測定するものである。3連の各チャンバーには、スクリーンが組み込まれ、さらに中央のチャンバーには、ワイヤースキャナーとナイフエッジスキャナーを一体化したコンバインドスキャナーが組み込まれている。電子ビームとレーザービームの位置は、3連チャンバーの各スクリーンで正確に一致するように、レーザービームの角度調整と平行移動を組み合わせて調整するようになっている。
【0006】
非特許文献3に開示されたプロファイル測定手段は、蛍光板スクリーン、ワイヤースキャナー、遷移放射光(OTR)ターゲットを装備したものである。
【0007】
【非特許文献1】土橋克広、他、「Xバンドリニアックを用いた小型硬X線源の開発」、第27回リニアック技術研究会、2002
【非特許文献2】大森恒彦、福田将史、「高品質・短パルス偏極光子ビームの生成と偏極度測定」、日本物理学会誌 Vo.58,No.4, 2003
【非特許文献3】F. Sakamoto, et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol.44, No.3, 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電子ビームとレーザービームの衝突により発生するX線の強度Yは、コンプトン散乱の断面積σと衝突におけるルミノシティーLによって式(1)で表される。
Y=σL…(1)
ここで、散乱断面積σは電子ビームのエネルギーとレーザービームの波長が決まると一意に与えられる物理定数として考えられるため、X線の強度を上げるにはルミノシティーLを増大させなければならない。
ルミノシティーLは式(2)で表される。
【0009】
【数1】

【0010】
ここで、ρ,ρは電子ビーム及びレーザービームの衝突点付近における4次元(空間及び時間)密度分布(プロファイル)である。
つまり、4次元空間での両ビームのプロファイルのオーバーラップが大きいほどルミノシティーLは増大する。ルミノシティーLを増大させるには、電子ビーム及びレーザービームの強度を増大させるだけでなく、空間的かつ時間的に両ビームを一致させる必要がある。
特に、電子ビームとレーザービームを絞った焦点(ビームウエイスト)及び入射角度を一致させ、その上で、衝突点(ビームウエイスト位置)を通過するタイミングを合わせなければならない。
【0011】
非特許文献2、3に開示されたワイヤースキャナーは、ビームライン上でワイヤを動かし、ワイヤと電子が散乱して発生した光子の数を測定するものである。また、ナイフエッジスキャナーは、ナイフエッジをビームに直角に横切って機械的に走査し、走査中のパワー値を微分してビームプロファイルを求めるものである。
しかし、ワイヤースキャナーやナイフエッジスキャナーは、ビームを横切って走査する必要があるため、測定時間がかかり、2次元全体の瞬間的なビームプロファイルを測定できない問題点があった。
【0012】
また、非特許文献2のように3連のチャンバーを用いた場合でも、各チャンバーのスクリーンで計測されるのは、ビームラインに対して固定された位置でのビームプロファイルであった。そのため、スクリーン位置から外れた位置にある電子ビーム及びレーザービームの焦点(ビームウエイスト)を各スクリーンで直接測定することができず、結果として、電子ビームとレーザービームの焦点及び入射角度を精密に一致させることは非常に困難であった。
【0013】
さらに、電子ビーム及びレーザービームがパルスビームである場合、焦点位置で衝突により発生するX線の強度Yを高めるためには、それぞれの4次元プロファイル(3次元プロファイルの時間変化)を精密に測定することが強く望まれていた。
【0014】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、電子ビームとレーザービームの焦点及び入射角度を精密に一致させることができ、かつ電子ビーム及びレーザービームの4次元プロファイル(3次元プロファイルの時間変化)を測定することができ、これによりレーザービームの利用効率を大幅に高めることができる電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、電子ビームとレーザービームが正面衝突する衝突位置近傍の前記各ビームの断面プロファイルを測定するプロファイル測定装置と、
該プロファイル測定装置を前記各ビームの軸方向にほぼ一致する所定の方向に連続的に移動する移動装置と、を備えることを特徴とする電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置が提供される。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記プロファイル測定装置により測定された断面プロファイル、その前記所定方向の位置、及び前記各ビームの発振タイミングから前記各ビームの3次元プロファイルの時間変化を作成するプロファイル作成装置をさらに備える。
【0017】
また、前記移動装置は、プロファイル測定装置を前記所定方向に連続的に移動する直動アクチュエータと、プロファイル測定装置の前記所定方向の位置を検出する位置検出装置とを有する。
【0018】
本発明の好ましい一実施形態によれば、前記プロファイル測定装置は、前記所定の方向に対して所定の角度で配置された平板状のターゲット板と、
該ターゲット板と電子ビームとの衝突で発生する遷移放射光の2次元プロファイルを測定する第1光検出器と、
前記ターゲット板で反射されたレーザービームの2次元プロファイルを測定する第2光検出器とを有する。
【0019】
また本発明の好ましい別の実施形態によれば、前記プロファイル測定装置は、前記所定の方向に対して所定の角度で配置された平板状のターゲット板と、
遷移放射光とレーザービームの2次元プロファイルを測定する単一の光検出器と、
ターゲット板と電子ビームとの衝突で発生する遷移放射光を前記光検出器へ導く第1の反射ミラー系と、
ターゲット板で反射されたレーザービームを前記光検出器へ導く第2の反射ミラー系とを有する。
【0020】
また本発明の好ましい別の実施形態によれば、前記プロファイル測定装置は、遷移放射光とレーザービームの2次元プロファイルを測定する単一の光検出器と、
前記所定の方向に対して所定の角度で配置され、電子ビームとの衝突で発生する遷移放射光を前記光検出器へ導く平板状の第1のターゲット板と、
前記所定の方向に対して所定の角度で配置され、レーザービームを前記光検出器へ反射する第2のターゲット板とを有する。
【0021】
また本発明の好ましい別の実施形態によれば、前記プロファイル測定装置は、前記所定の方向に直角に配置され電子ビームの2次元プロファイルを測定する第1プロファイル測定器と、
前記所定の方向に直角に配置されレーザービームの2次元プロファイルを測定する第2プロファイル測定器とを有する。
【0022】
また、本発明によれば、電子ビームとレーザービームが正面衝突する衝突位置近傍の前記各ビームの断面プロファイルを連続的に測定するプロファイル測定装置を前記各ビームの軸方向にほぼ一致する所定の方向に連続的に移動する連続移動ステップと、
該連続移動ステップで得られた断面プロファイル、その前記所定方向の位置、及び各ビームの発振タイミングから前記各ビームの3次元プロファイルの時間変化を作成するプロファイル作成ステップと、を有することを特徴とする電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定方法が提供される。
【発明の効果】
【0023】
上記本発明の装置及び方法によれば、移動装置により、プロファイル測定装置を電子ビーム及びレーザービームの軸方向にほぼ一致する所定の方向に連続的に移動するので、プロファイル測定装置により、前記所定方向の各位置で電子ビーム及びレーザービームの各2次元プロファイルを測定することができる。
従って、電子ビーム及びレーザービームの焦点(ビームウエイスト)が特定の位置(例えば衝突予定点)から外れた位置にある場合でも、その位置に移動して焦点を直接測定することができる。
また、前記所定方向の各ビームの中心位置から各ビームの入射角度を直接測定することができる。
従って、電子ビームとレーザービームの焦点及び入射角度を精密に一致させることができる。
【0024】
また、プロファイル作成装置を用いることにより、プロファイル測定装置により測定された断面プロファイル、その前記所定方向の位置、及び各ビームの発振タイミングから電子ビーム及びレーザービームの4次元プロファイル(3次元プロファイルの時間変化)を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0026】
図1は、本発明によるプロファイル測定装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。このX線発生装置は、電子ビーム発生装置10およびレーザー発生装置20を備える。
【0027】
電子ビーム発生装置10は、電子ビームを加速してパルス電子ビーム1を発生し所定の直線軌道2を通過させる機能を有する。
この例において、電子ビーム発生装置10は、RF電子銃11、α‐磁石12、加速管13、ベンディング磁石14、Q−磁石(四極電磁石)15、減速管16、およびビームダンプ17を備える。
【0028】
RF電子銃11と加速管13は、Xバンド(11.424GHz)の高周波電源18により駆動される。RF電子銃11から引き出された電子ビームは、α‐磁石12により軌道を変えて加速管13に入射する。加速管13は、小型のXバンド加速管であり、電子ビームを加速し、好ましくは約50MeV前後の高エネルギーの電子ビームを形成する。この電子ビームは、例えば約1μs前後のパルス電子ビーム1である。
特にパルス電子ビーム1は、1つの電子の塊に、周回するレーザービームを何度も衝突させるため、レーザービームの周回時間(約10ns)よりも、大きな電子ビームを発生する必要があるため、マルチバンチパルス電子ビームであるのが良い。
【0029】
ベンディング磁石14は、パルス電子ビーム1の軌道を磁場で曲げて所定の直線軌道2を通過させ、通過後のパルス電子ビーム1をビームダンプ17まで導く。Q−磁石15はパルス電子ビーム1の収束具合を調整する。減速管16は、パルス電子ビーム1を減速する。ビームダンプ17は、直線軌道2を通過した後のパルス電子ビーム1を捕捉して、放射線の漏洩を防止する。
【0030】
同期装置19は、電子ビーム発生装置10とレーザー発生装置20の同期をとり、パルス電子ビーム1のタイミングと後述するパルスレーザービーム3とのタイミングを合わせ、パルス電子ビーム1とパルスレーザービーム3が所定の直線軌道2上の衝突点2aで衝突するように制御する。
【0031】
上述した電子ビーム発生装置10により、例えば、約50MeV前後、約1μs前後のパルス電子ビーム1を発生し、これを所定の直線軌道2を通過させることができる。
【0032】
レーザー発生装置20は、レーザー装置21と可変ビームエキスパンダ22を有し、レーザービームを発生し、これを所定のビーム径に拡大して照射する機能を有する。
レーザー装置21は、例えば波長1064nmのNd−YAGレーザーである。またパルスレーザービーム3は、この例に限定されず、エキシマレーザーのArF(波長193nm),KrF(波長248nm),XeCl(波長308nm),XeF(波長351nm),F2(波長157nm)やYAGレーザーの第3高調波(波長355nm)、第4高調波(波長266nm)、第5高調波(波長213nm)、その他を用いてもよい。
【0033】
またこの例でレーザー発生装置20は、レーザービーム周回光学系24を有し、パルスレーザービーム3を反射ミラーを介して周回路5内に導入し、このパルスレーザービーム3を周回する周回路5内に閉じ込めて、周回路内のレーザービーム集光点9(図示せず、図3(C)参照)を繰り返し通過させるようになっている。
【0034】
なお、本発明において、レーザービームが連続レーザービームであり、レーザー装置21が連続レーザー装置であってもよいが、レーザービームがパルスレーザービーム3であり、レーザー装置21がパルスレーザー装置であるのが好ましい。
また、本発明のプロファイル測定装置は、上述したX線発生装置に限定されず、電子ビームとレーザービームが正面衝突するその他のX線発生装置にも適用することができる。
以下、レーザービーム3がパルスレーザービームであり、レーザー装置21がパルスレーザー装置である場合について説明する。
【0035】
図1において、電子ビーム1(この例ではパルス電子ビーム)とレーザービーム3(この例ではパルスレーザービーム)は、所定の直線軌道2上の衝突点2aで正面衝突するように制御される。
電子ビーム1の制御は、ベンディング磁石14により電子ビーム1の軌道を制御し、Q−磁石15によりパルス電子ビーム1の収束具合を制御し、同期装置19により、パルス電子ビーム1の衝突点2aへの到着時間を制御するようになっている。
また、レーザービーム3の制御は、反射ミラー又は集光レンズの横方向位置によりレーザービーム3の軌道を制御し、集光レンズの軸方向位置によりレーザービーム3の集光位置を制御し、同期装置19により、レーザービーム3の衝突点2aへの到着時間を制御するようになっている。
なお、本発明のプロファイル測定装置は、この制御手段に限定されず、その他の手段で電子ビーム1の制御とレーザービーム3の制御を行ってもよい。
【0036】
図2は、電子ビーム1とレーザービーム3の衝突態様を示している。この図において、(A)は両ビームの焦点(ビームウエイスト)及び入射角度の両方がずれている状態、(B)は両ビームの焦点及び入射角度の両方が一致している状態を示している。なお以下、ビームウエイストを含めて「焦点」と呼ぶ。
図2(A)のように、電子ビーム1とレーザービーム3の焦点及び入射角度の両方がずれている場合には、両ビームのプロファイルのオーバーラップが小さいため、衝突により発生するX線の強度は弱くなる。
そのため、発生するX線の強度を高めるためには、図2(B)のように、電子ビーム1とレーザービーム3の焦点及び入射角度の両方を一致させる必要がある。
【0037】
また、電子ビーム及びレーザービームがパルスビームである場合において、図2の(C)は両ビームが焦点を同時に通過しない状態、(D)は同時に通過する状態を示している。
図2(C)のように、電子ビーム1とレーザービーム3が焦点以外の位置で衝突する場合には、電子ビーム及びレーザービームの衝突時の密度分布が低いため、発生するX線の強度は弱くなる。
そのため、発生するX線の強度を高めるためには、図2(D)のように、電子ビーム1とレーザービーム3が焦点を同時に通過するように制御する必要がある。
【0038】
本発明の基本的概念は、後述するプロファイル測定装置を各ビームの軸方向にほぼ一致する所定の方向へ可動とすることにより、可動範囲全ての位置でレーザービーム3及び電子ビーム1の位置及び分布を測定することにある。
電子ビーム1とレーザービーム3の衝突効率を上げるには、図2(A)(B)のようにレーザービーム3、電子ビーム1のビームウエイスト(焦点)を結ぶ様子を直接測定できれば、ビームサイズが最も小さく測定された位置をビームウエイスト(焦点)であると断定できる。
また、図2(D)のように、電子ビーム及びレーザービームがパルスビームである場合には、電子ビームとレーザービームが同時に収束され焦点となる位置を通過する必要がある。
本発明の装置及び方法は、図2(D)の状態を容易に実現することを目的としている。
【0039】
図3は、本発明によるプロファイル測定装置の第1実施形態図である。
図3(A)において、本発明のプロファイル測定装置は、プロファイル測定装置30、移動装置40、及びプロファイル作成装置50を備える。
本発明において、電子ビーム1及びレーザービーム3の軸方向にほぼ一致する所定の方向をx方向と定義する。このx方向は、図1における設計上の直線軌道2と同一であり、同様に設計上の衝突点2aを原点とするのがよい。なお、実際の使用状態において、電子ビーム1及びレーザービーム3の軸方向は、x方向と厳密には一致しなくてもよい。
【0040】
プロファイル測定装置30は、この例では、平板状のターゲット板31、第1光検出器32、及び第2光検出器33を有する。
平板状のターゲット板31は、好ましくは金属製であり、上述したx方向に対して所定の角度(例えば45度)で配置されている。ターゲット板31は、好ましくは遷移放射光用ターゲット(例えばアルミ蒸着ミラー)であるのがよい。
第1光検出器32は、光電子増倍管又はストリークカメラであり、ターゲット板31と電子ビーム1との衝突で発生する遷移放射光6の2次元プロファイルを連続的に測定する。遷移放射光6は電子ビーム1がターゲット板31を通過する際に放射されるため、この遷移放射光の時間方向分布を第2光検出器33(光電子増倍管やストリークカメラ等)で測定することにより、電子ビームが衝突点を通過するタイミングを正確に知ることが可能となる。
第2光検出器33は、ターゲット板31で反射されたレーザービーム3の2次元プロファイルを測定する。ターゲット板31(この例で、遷移放射光用ターゲット)はレーザービーム3の反射ミラーとしても使用できるため、レーザービーム3が衝突点を通過するタイミングを同様に測定することが可能となる。この両タイミングを比較し適切に両タイミングを合わせることによりX線強度を最大化できる。
なお、第1光検出器32で、ターゲット板31と電子ビーム1との衝突で発生する遷移放射光6の2次元プロファイルを測定すると同時に、ターゲット板31とレーザービーム3との衝突によりできた投影像を測定することもできる。その場合は、第2光検出器33は不要となる。
【0041】
この構成により、電子ビーム1とレーザービーム3が正面衝突する衝突位置(衝突点2a)の近傍の電子ビーム1とレーザービーム3の断面プロファイルを連続的に測定することができる。
すなわち、レーザービーム1と電子ビーム3の空間的位置が一致した時点で、レーザービーム1と電子ビーム3の時間的な関係を知るには、遷移放射光用ターゲット(金属ミラー)から放射される遷移放射光6とレーザービーム3の時間分布を直接比較することが一番確実である。
【0042】
なおこの図において、52はプロファイル測定装置30を内部に格納する真空チャンバー、53,54は真空ベローズ(又は蛇腹)であり、真空チャンバー52をビームパイプと一体に連結してビームラインの真空を保ちながら、真空チャンバー52をx方向に移動可能にしている。
【0043】
移動装置40は、この例では、直動アクチュエータ42と位置検出装置44を有する。
またこの図において、41aはレール、41bはガイドである。ガイド41bは真空チャンバー52に固定されており、レール41aに沿って真空チャンバー52(及び内部のプロファイル測定装置30)をx方向に精密に案内している。
直動アクチュエータ42は、直動の電動又は流体圧シリンダであり、ターゲット板31のx方向に連続的に移動する。なお、直動アクチュエータ42は、回転アクチュエータと直動機構(例えばラックピニオン)であってもよい。
位置検出装置44は、例えばマグネスケール(登録商標)であり、移動中のターゲット板31のx方向位置を好ましくは10μm以下の分解能で精密に検出する。
この構成により、プロファイル測定装置30を電子ビーム1及びレーザービーム3の軸方向にほぼ一致するx方向に連続的に移動しかつそのx方向位置を精密に検出することができる。
【0044】
この図において例えば斜め45度に設置された金属ターゲット31に電子ビーム1が入射すると同時にこの図の上方向に遷移放射光6が発生する。この遷移放射光6とレーザービーム3の時間差を光電子増倍管などで電気信号へ変換し、信号の時間差を測定することで、レーザービーム3と電子ビーム1の衝突点での時間差を知ることができる。
ただし、2つの光検出器32,33の遅延時間は既知であり、またターゲット31からそれぞれの光検出器までの光路差は同じか、或いはその差が正確にわかっているものとする。
【0045】
図3(B)は、遷移放射光6の発生状態を模式的に示している。電子ビーム1の焦点が金属ターゲット31の表面上に位置するとき(太い実線)には、金属ターゲット31の焦点に相当する狭い領域(例えば楕円形)から強い遷移放射光6が発生する。
図3(C)は、これに対し、電子ビーム1の焦点が金属ターゲット31の表面上に位置しないとき(細線)には、金属ターゲット31の焦点より広い領域から弱い遷移放射光6が発生する。
従って、金属ターゲット31を移動し、最も狭い領域から最も強い遷移放射光6が発生する箇所に電子ビーム1の焦点が位置すると判断することができる。
レーザービームの場合も同様である。
【0046】
プロファイル作成装置50は、例えばPC(コンピュータ)であり、プロファイル測定装置30により測定された断面プロファイル、そのx方向位置、及び各ビームの発振タイミングから電子ビーム1及びレーザービーム3の3次元プロファイルの時間変化を作成する。
プロファイル作成装置50で得られた3次元プロファイルの時間変化は、記憶装置に記憶するとともに、図示しないディスプレイ装置やプリント装置に出力すると共に、上述した同期装置19に出力するのがよい。
【0047】
図4は、本発明によるプロファイル測定装置の第2実施形態図である。
この例において、プロファイル測定装置30は、平板状のターゲット板31、単一の光検出器34、第1反射ミラー系36a,35b、及び第2反射ミラー系36a,36bを有する。
平板状のターゲット板31は、第2実施形態図と同様に、好ましくは金属製であり、上述したx方向に対して所定の角度(例えば45度)で配置されている。
単一の光検出器34は、遷移放射光6とレーザービーム3の2次元プロファイルを測定する。
第1反射ミラー系36a,35bは、この例では2枚の反射ミラー36a,35bからなり、ターゲット板31と電子ビーム1との衝突で発生する遷移放射光6を光検出器34へ導く。
第2反射ミラー系36a,36bは、この例では別の2枚の反射ミラー36a,36bからなり、ターゲット板31で反射されたレーザービーム3を同一の光検出器34へ導くようになっている。第1反射ミラー系36a,35bと第2反射ミラー系36a,36bの光路長は好ましくは正確に一致するのがよい。
なおその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0048】
この例は、光検出器34を1台とし、金属ターゲット31以降の光路は適切な光輸送系となっている。この構成によれば、レーザービーム3の光路と遷移放射光6の光路差が既知又は0となっていれば、光検出器34で時間差がある2つのパルス信号として測定することができる。
この構成により、単一の光検出器34で、遷移放射光6とレーザービーム3の2次元プロファイルを測定することができる。なお、遷移放射光6とレーザービーム3を同時に測定して波長の相違で分離してもよく、或いは別個に測定してもよい。
従って、この構成により、第1実施形態と同様に、電子ビーム1とレーザービーム3が正面衝突する衝突位置(衝突点2a)の近傍の電子ビーム1とレーザービーム3の断面プロファイルを連続的に測定することができる。
【0049】
図5は、本発明によるプロファイル測定装置の第3実施形態図である。
この例において、プロファイル測定装置30は、単一の光検出器34、平板状の第1ターゲット板31a及び第2ターゲット板31bを有する。
平板状のターゲット板31aは、上述したターゲット板31と同様に、好ましくは金属製であり、上述したx方向に対して所定の角度(例えば45度)で配置されている。
単一の光検出器34は、第2実施形態図と同様に、遷移放射光6とレーザービーム3の2次元プロファイルを測定する。
平板状の第2ターゲット板31bは、所定のx方向に対して所定の角度(例えば45度)で配置され、レーザービーム3を同一の光検出器34へ反射する。すなわち、第1ターゲット板31aと第2ターゲット板31bは、遷移放射光6とレーザービーム3を同一の光検出器34へ導くようになっている。
第1ターゲット板31aと第2ターゲット板31bから光検出器34までの光路長は好ましくは正確に一致するのがよい。
【0050】
また、移動装置40は、第1ターゲット板31aと第2ターゲット板31bを好ましくはそのx方向長さを超えて連続的に移動し、移動中の第1ターゲット板31aと第2ターゲット板31bのx方向位置を精密に検出するようになっている。
その他の構成は、第1、2実施形態と同様である。
【0051】
この例は、金属ターゲット31a,31bをレーザー用と遷移放射光用の2枚用意することにより、光路差が金属ターゲットの部分のみになるようにしたものである。図のように逆向きに45度に傾けた第2ターゲット板31bを、遷移放射光ターゲット(第1ターゲット板31a)の裏側に設置する。
あらかじめ、蛍光板スクリーン等により、レーザー及び電子ビームの空間位置が正確に調整されていれば、レーザービーム或いは電子ビームがターゲットのどの部分を通過するかわかっているので、レーザービームと遷移放射光の光路差は既知となる。
【0052】
この構成により、第1ターゲット板31aと第2ターゲット板31bにより、単一の光検出器34で、遷移放射光6とレーザービーム3の2次元プロファイルを測定することができる。なお、遷移放射光6とレーザービーム3を同時に測定して波長の相違で分離してもよく、或いは別個に測定してもよい。
従って、この構成により、第1、2実施形態と同様に、電子ビーム1とレーザービーム3が正面衝突する衝突位置(衝突点2a)の近傍の電子ビーム1とレーザービーム3の断面プロファイルを連続的に測定することができる。
【0053】
図6は、本発明によるプロファイル測定装置の第4実施形態図である。
この例において、プロファイル測定装置30は、第1プロファイル測定器37及び第2プロファイル測定器38を有する。
第1プロファイル測定器37は、電子ビーム用のビームプロファイラであり、上述のx方向に直角(垂直)に配置され、電子ビーム2の2次元プロファイルを直接測定するようになっている。
また、第2プロファイル測定器38は、レーザービーム用のビームプロファイラであり、x方向に直角に配置され、レーザービーム3の2次元プロファイルを直接測定するようになっている。
なお第1プロファイル測定器37と第2プロファイル測定器38の間には、電子ビーム及びレーザービームを遮断する遮蔽板39が挿入されているのがよい。
また、この例において、移動装置40は、第1プロファイル測定器37及び第2プロファイル測定器38を好ましくはそのx方向長さを超えて連続的に移動し、移動中の第1プロファイル測定器37及び第2プロファイル測定器38のx方向位置を精密に検出するようになっている。
その他の構成は、第1〜3実施形態と同様である。
【0054】
上述した本発明による各プロファイル測定装置を用いて、本発明のプロファイル測定方法は、連続移動ステップS1とプロファイル作成ステップS2とを有する。
連続移動ステップS1では、上述したプロファイル測定装置30を電子ビーム1とレーザービーム3が正面衝突する衝突位置2aの近傍において、電子ビーム1及びレーザービーム3の軸方向にほぼ一致するx方向に連続的に移動する。
プロファイル作成ステップS2では、連続移動ステップS1で得られた多数の断面プロファイル、x方向位置、及び各ビームの発振タイミングから電子ビーム1及びレーザービーム3の3次元プロファイルの時間変化を作成する。
【0055】
上述した本発明のプロファイル測定装置30で測定される電子ビーム1とレーザービーム3の断面プロファイルは、ある瞬間の各断面プロファイルのみである。従ってこの単一のプロファイルのみからは、両ビームの焦点及び入射角度を求めることはできない。
そこで本発明では、直動アクチュエータ42により、ターゲット板31、反射ミラー37、第1プロファイル測定器38及び第2プロファイル測定器39をそのx方向長さを超えて連続的に移動し、その際に連続的に得られる多数の断面プロファイルから、電子ビーム1及びレーザービーム3の3次元プロファイルを作成する。
また、電子ビーム1及びレーザービーム3がパルスビームである場合には、各ビームの3次元プロファイルを瞬時に同時には測定できないので、ビームの発振タイミングとの関連で多数のプロファイルデータを記憶装置(図示せず)に記憶し、これらを統合して電子ビーム1及びレーザービーム3の3次元プロファイルの時間変化を作成する。
【0056】
電子ビーム1及びレーザービーム3の3次元プロファイルが得られると、これから、図2(A)に示したように両ビームの焦点及び入射角度を求めることができる。
またこの両方が互いにずれている状態、例えば、電子ビーム1の焦点及び入射角度は一般に調整が困難なため、レーザービーム3の反射ミラー又は集光レンズの位置を調整して図2(B)のように両ビームの焦点及び入射角度の両方が一致している状態に容易に調整することができる。
また3次元プロファイルの時間変化から、図2(C)に示したように両ビームが焦点を同時に通過しない状態を確認することができる。
この場合、同期装置19により、パルス電子ビーム1の衝突点2aへの到着時間を制御し、或いは同期装置19により、レーザービーム3の衝突点2aへの到着時間を制御することにより、図2(D)のように、電子ビーム1とレーザービーム3が焦点を同時に通過するように制御することができる。
【0057】
上述したように本発明は、電子ビームとレーザービームの衝突によるX線生成装置において、衝突点付近でのレーザービーム3と電子ビーム1の4次元(空間3次元及び時間軸)パラメータを正確に測定することにより、電子ビームとレーザービームの4次元空間での完全なオーバーラップを実現し、X線の生成を最大化するものである。
【0058】
電子ビームとレーザービームの衝突装置においては、衝突点と想定される地点に1台のプロファイル測定装置を設置することが従来一般的であるが、この場合、プロファイル測定装置の位置での両ビームの位置及びプロファイルが測定できるにすぎない。
そのためこの場合、レーザービーム及び電子ビームのビームウエイスト(焦点)を特定することはできない。そこでビームウエイスト(焦点)を特定するためには、プロファイル測定装置の設置地点が焦点位置であると仮定し、プロファイル測定装置上でのプロファイルが最小となるように4極電磁石の収束強度を変化させることによりビーム光学系を調整しなくてはならない。
また、ビーム光学系の調整では衝突点への入射角を特定することは不可能である。そのため、電子ビームとレーザービームの衝突確率の向上には従来限界があった。
【0059】
衝突確率の向上のためには、特に、電子ビームとレーザービームを絞った焦点及び入射角度を一致させ、その上で、衝突点(ビームウエイスト位置)を通過するタイミングを合わせなければならない。
本発明によれば、電子ビームとレーザービームの衝突点での両ビームの空間及び時間的分布を精密に測定することが可能である。そのため、電子ビームとレーザービームを設計どおりに衝突させ、高い衝突確率でX線を発生させることが可能となる。
また、衝突時のX線強度を計算する際に重要なレーザービームのM2や電子ビームのエミッタンスおよびtwissパラメータ等を、レーザービームや電子ビームの光学系を崩すことなく衝突点にて直接測定できる。
一般に、電子ビームではQスキャン法による測定が一般であるが、収束のためのQ磁石のK値のエラーや、Q磁石からプロファイル測定装置までの距離の誤差、K値を変化させる必要があるため、電磁石磁性体のヒステリシスの問題があるなど、測定誤差の要因が多い。本発明では、プロファイル測定装置を前記x方向に例えば数10ミクロンの精度で移動させながらそれぞれの位置でのプロファイルを測定するので、上記のような問題は発生しない。
【0060】
非特許文献2に開示されたプロファイル測定手段との相違点をここで再度説明する。
従来技術と最も異なるのは4次元でビームおよびレーザービームの状態を把握できることにある。従来のように固定されたモニタでは測定可能なデータは固定されたモニタを通過する時の状態だけであり、モニタ位置でのパルスの状態(空間&時間軸)を完全に予測することは 不可能である。すなわち理論的な軌道解析シミュレーションと実際のモデルには多くの相違があり、完全な位置と状態を理論的に導出したものを実モデルに反映することは極めて困難である。
【0061】
また、非特許文献2のようにモニタを所定の3箇所に置いた場合、焦点位置やパルスの状態を完全にトレースすることは 不可能である。例えばある状態における 焦点がどの位置にいるのかを把握することは固定 されたモニタでは不可能(見かけ上の焦点と焦点の区別をする等)である。
また、時間軸に対するレーザパルスとパルス電子ビームの一致させることも非現実的である。
そこで、上述したようにレーザービームとビームの軌道を時間的空間的にトレースすることが 完全な衝突を実現するためには必要且つ最も容易な方法である。
本発明は例えば10μm単位で任意の位置でレーザービームおよびビームの状態を確認することができる 機構を有した装置であり、上記課題を容易に解決するものである。
言い換えれば、完全な衝突を実現するためには 間接的な測定(固定モニタで観測した状態から衝突位置での状態(空間的位置、時間的位置、傾き)を推測する)では不可能である。そのため、本発明のように直接測定(ビームおよびレーザービームの進行方向(軸方向)に沿って状態をスキャンすることで全ての状態(空間的、時間的、傾き)を行うことが完全衝突には必要不可欠である。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。例えば、プロファイル測定装置として、周知の蛍光板スクリーン、ワイヤースキャナー、ナイフエッジ等を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明によるプロファイル測定装置を備えたX線発生装置の全体構成図である。
【図2】電子ビームとレーザービームの衝突態様を示す図である。
【図3】本発明によるプロファイル測定装置の第1実施形態図である。
【図4】本発明によるプロファイル測定装置の第2実施形態図である。
【図5】本発明によるプロファイル測定装置の第3実施形態図である。
【図6】本発明によるプロファイル測定装置の第4実施形態図である。
【図7】非特許文献1の「小型X線発生装置」の構成図である。
【符号の説明】
【0064】
1 電子ビーム(パルス電子ビーム)、2 直線軌道、2a 衝突点、
3 レーザービーム(パルスレーザービーム)、4 単色硬X線、5 周回路、
6 遷移放射光、9 レーザービーム集光点、
10 電子ビーム発生装置、11 RF電子銃、12 α‐磁石、
13 加速管、14 ベンディング磁石、15 Q−磁石、
16 減速管、17 ビームダンプ、18 高周波電源、
19 同期装置、20 レーザー発生装置、
21 レーザー装置、22 可変ビームエキスパンダ、
24 レーザー光周回装置
30 プロファイル測定装置、31 ターゲット板(金属ターゲット)、
31a 第1ターゲット板(金属ターゲット)、
31b 第2ターゲット板(金属ターゲット)、
32 第1光検出器、33 第2光検出器、34 光検出器、
36a,35b 第1反射ミラー系(反射ミラー)、
36a,36b 第2反射ミラー系(反射ミラー)、
37 第1プロファイル測定器、38 第2プロファイル測定器、39 遮蔽板、
40 移動装置、41a レール、41b ガイド、
42 直動アクチュエータ、44 位置検出装置、
50 プロファイル作成装置、52 真空チャンバー、
53,54 真空ベローズ(蛇腹)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビームとレーザービームが正面衝突する衝突位置近傍の前記各ビームの断面プロファイルを測定するプロファイル測定装置と、
該プロファイル測定装置を前記各ビームの軸方向にほぼ一致する所定の方向に連続的に移動する移動装置と、を備えることを特徴とする電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置。
【請求項2】
前記プロファイル測定装置により測定された断面プロファイル、その前記所定方向の位置、及び前記各ビームの発振タイミングから前記各ビームの3次元プロファイルの時間変化を作成するプロファイル作成装置をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置。
【請求項3】
前記移動装置は、プロファイル測定装置を前記所定方向に連続的に移動する直動アクチュエータと、
プロファイル測定装置の前記所定方向の位置を検出する位置検出装置とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置。
【請求項4】
前記プロファイル測定装置は、前記所定の方向に対して所定の角度で配置された平板状のターゲット板と、
該ターゲット板と電子ビームとの衝突で発生する遷移放射光の2次元プロファイルを測定する第1光検出器と、
前記ターゲット板で反射されたレーザービームの2次元プロファイルを測定する第2光検出器とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置。
【請求項5】
前記プロファイル測定装置は、前記所定の方向に対して所定の角度で配置された平板状のターゲット板と、
遷移放射光とレーザービームの2次元プロファイルを測定する単一の光検出器と、
ターゲット板と電子ビームとの衝突で発生する遷移放射光を前記光検出器へ導く第1の反射ミラー系と、
ターゲット板で反射されたレーザービームを前記光検出器へ導く第2の反射ミラー系とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置。
【請求項6】
前記プロファイル測定装置は、遷移放射光とレーザービームの2次元プロファイルを測定する単一の光検出器と、
前記所定の方向に対して所定の角度で配置され、電子ビームとの衝突で発生する遷移放射光を前記光検出器へ導く平板状の第1のターゲット板と、
前記所定の方向に対して所定の角度で配置され、レーザービームを前記光検出器へ反射する第2のターゲット板とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置。
【請求項7】
前記プロファイル測定装置は、前記所定の方向に直角に配置され電子ビームの2次元プロファイルを測定する第1プロファイル測定器と、
前記所定の方向に直角に配置されレーザービームの2次元プロファイルを測定する第2プロファイル測定器とを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定装置。
【請求項8】
電子ビームとレーザービームが正面衝突する衝突位置近傍の前記各ビームの断面プロファイルを連続的に測定するプロファイル測定装置を前記各ビームの軸方向にほぼ一致する所定の方向に連続的に移動する連続移動ステップと、
該連続移動ステップで得られた断面プロファイル、その前記所定方向の位置、及び各ビームの発振タイミングから前記各ビームの3次元プロファイルの時間変化を作成するプロファイル作成ステップと、を有することを特徴とする電子ビーム及びレーザービームのプロファイル測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−257986(P2007−257986A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80383(P2006−80383)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成16年度独立法人科学技術振興機構革新技術開発研究事業、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【出願人】(301032942)独立行政法人放射線医学総合研究所 (149)
【Fターム(参考)】