説明

電子ファイル管理装置、方法及びプログラム

【課題】電子ファイルに対し関連性の高い適切な行動情報をタグとして付与する。
【解決手段】滞在場所に基づく対応付け処理を行う第1の処理ユニット1と、行動内容に基づく対応付け処理を行う第2の処理ユニット2とを備えている。第1の処理ユニット1では、利用者の滞在履歴をもとに利用者の拠点住所を決定し、入力された電子ファイルの作成又は入力時刻が利用者の拠点住所に存在する期間と拠点以外の住所に存在する期間のいずれに含まれるかを判定し、この判定された期間に実行された行動情報を上記電子ファイルにタグ付けする。第2の処理ユニット2では、上記入力された電子ファイルから単語を抽出すると共に上記行動情報の行動内容から単語を抽出し、この抽出された単語の一致の度合いから上記電子ファイルと行動情報との類似度を算出して、この類似度が閾値以上の行動情報を上記電子ファイルにタグ付けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者のライフログ情報を利用して、電子ファイルに対応する行動情報をタグとして付与する電子ファイル管理装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機やスマートホン、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型のパーソナル・コンピュータ等の携帯端末では、各種センサの搭載やメモリの大容量化により、写真ファイルやメモ書き(テキスト)ファイル等の各種電子ファイルを作成し記憶できるようになっている。しかし電子ファイルは、それ自体を単独で記憶しておくと、後に所望の電子ファイルを検索使用とする際に手間と時間がかかる。
【0003】
そこで、電子ファイルに対して関連する行動の情報をタグとして付与しておくことが考えられている。例えば、非特許文献1では、複数の情報源の対応付けを、各情報源に付与されている時間情報をキーに時間情報の指し示している時間帯の一致度を算出することにより行う手法が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】牛尼剛聡、渡邉豊英、「ライフログ検索における時間粒度を考慮した索引付け」、情報処理学会研究報告、データベースシステム、IPSJ SIG Notes 2005(68)、pp.469-475、2005年。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、電子ファイルの作成又は入力時刻と、タグとして付与する行動情報の指し示す行動の時間帯とは、必ずしも一致しているとは限らない。例えば、ある「結婚式」に関連する写真等の電子ファイルに対し「結婚式」という行動情報をタグとして付与したい場合に、「結婚式」が開催された時間帯だけではなく、その前後の時間帯において作成又は入力した電子ファイル、例えば結婚式会場への移動経路や結婚式後の2次会等で撮影した写真等に対しても、同様に「結婚式」のタグを付与したいと利用者が考えることが想定される。しかしながら、非特許文献1に記載された技術では、情報源に付与されている時間情報の一致度のみに着目して情報間の対応付け処理を行っているため、上記したような要求には対応できない。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、電子ファイルの作成又は入力時刻と当該電子ファイルと関連する行動情報の実行時刻とが異なる場合でも、電子ファイルに対し上記関連する行動情報をタグとして適切に付与できるようにした電子ファイル管理装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためにこの発明の第1の観点は、利用者が自身の行動に関連して作成した電子ファイルをその作成又は入力時刻を表す情報と共に入力すると共に、この入力された電子ファイルの作成又は入力時刻を含む対象期間に含まれる滞在地情報を、上記利用者の滞在地情報を記憶した滞在履歴データベースから読込む。そして、この読込まれた滞在地情報をもとに、上記対象期間を上記利用者が拠点滞在地に存在する第1の期間と、拠点以外の滞在地に存在する第2の期間とに分類し、上記入力された電子ファイルの作成又は入力時刻が上記分類された第1の期間と第2の期間のいずれに含まれるかを判定する。そして、電子ファイルの作成又は入力時刻が含まれると判定された第1又は第2の期間に実行された行動情報を、上記利用者の行動情報を記憶した行動情報データベースから読込み、この読込まれた行動情報を上記電子ファイルにタグとして関連付けて記憶するようにしたものである。
【0008】
したがって、この発明の第1の観点によれば、利用者の拠点となっている滞在地とその滞在期間の情報を用いることで電子ファイルに付与する行動情報を絞り込むことができる。これにより、行動情報の実行時刻とは異なる時刻に当該行動情報と関連する電子ファイルが作成又は入力された場合でも、当該電子ファイルに対し上記関連する行動情報をタグとして適切に付与することが可能となる。この結果、利用者自身の行動履歴に基づいて電子ファイルを的確に管理することが可能となり、電子ファイルの数が増大した場合でも効率的に目的の電子ファイルを検索することが可能となる。
【0009】
第1の観点は、以下のような各種態様を備えることも特徴とする。
第1の態様は、タグを付与する際に、上記読込まれた行動情報が複数個存在する場合に、これら複数の行動情報の実行時刻と上記電子ファイルの作成又は入力時刻との時間差をそれぞれ算出して、この算出された時間差が最も小さい行動情報を選択し、この選択した行動情報を上記電子ファイルにタグとして関連付けるようにしたものである。
このようにすると、第1又は第2の期間に実行された行動情報が複数存在する場合でも、電子ファイルの作成又は入力時刻に実行時刻が最も近い行動情報が選択されて、電子ファイルにタグとして付与することが可能となる。
【0010】
第2の態様は、上記行動情報にその重要度を表す情報が付加されている場合に、上記読込まれた複数の行動情報の中からその重要度を表す情報をもとに重要度が最も高い行動情報を選択し、この選択した行動情報を上記電子ファイルにタグとして関連付けるようにしたものである。
このようにすると、第1又は第2の期間に実行された行動情報が複数存在する場合でも、これらの中で重要度が最も高い行動情報が選択されて、タグとして電子ファイルに付与することができる。
【0011】
上記目的を達成するためにこの発明の第2の観点は、利用者が自身の行動に関連して作成した電子ファイルをその作成又は入力時刻を表す情報と共に入力すると共に、この入力された電子ファイルの作成又は入力時刻が含まれる期間に実行された行動情報を上記利用者の行動情報を記憶した行動情報データベースから読込む。そして、上記入力された電子ファイルの内容と上記読込まれた行動情報の行動内容との類似度を算出してこの算出された類似度が閾値以上の行動情報を選択し、この選択した行動情報を上記電子ファイルにタグとして関連付けるようにしたものである。
【0012】
したがって第2の観点によれば、複数の行動情報の中から電子ファイルの内容との類似度が閾値以上の行動情報が選択されて、これがタグとして電子ファイルに付与される。このため、行動情報の実行時刻と異なる時刻に当該行動情報と関連する電子ファイルが作成又は入力された場合でも、当該電子ファイルに対し上記関連する行動情報をタグとして適切に付与することが可能となる。したがって、この場合にも利用者自身の行動履歴に基づいて電子ファイルを的確に管理することが可能となり、電子ファイルの数が増大した場合でも効率的に目的の電子ファイルを検索することが可能となる。
【0013】
この発明の第2の観点は、以下のような各種態様を備えることも特徴とする。
第1の態様は、タグ付け処理を行う際に、上記入力された電子ファイルの作成又は入力時刻と上記読込まれた行動情報の実行時刻との時間差を算出し、類似度が閾値以上の行動情報の中から上記算出された時間差が最も小さい行動情報を選択して上記電子ファイルにタグとして関連付けるようにしたものである。
このようにすると、タグ候補となる行動情報が複数存在する場合でも、電子ファイルの作成又は入力時刻に実行時刻が最も近い行動情報が選択されて、電子ファイルにタグとして付与することが可能となる。
【0014】
第2の態様は、上記タグ付け処理を行う際に、上記入力された電子ファイルから当該ファイルに含まれる単語を抽出すると共に、上記読込まれた行動情報の行動内容から当該行動内容を表す単語を抽出し、この抽出された単語の一致の度合いに基づいて上記電子ファイルと行動情報との類似度を算出するようにしたものである。
このようにすると、電子ファイルと行動情報との類似度を例えば形態素解析処理と一致する単語数の計数処理により自動的に算出することができる。
【発明の効果】
【0015】
すなわちこの発明によれば、電子ファイルの作成又は入力時刻と当該電子ファイルと関連する行動情報の実行時刻とが異なる場合でも、電子ファイルに対し上記関連する行動情報をタグとして適切に付与できるようにした電子ファイル管理装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の一実施形態に係る電子ファイル管理装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1に示した電子ファイル管理装置によるタグ付けのための処理手順と処理内容を示すフローチャート。
【図3】図1に示した電子ファイル管理装置に設けられる行動情報データベースに記憶された、利用者の行動情報を示すデータの一例を示す図。
【図4】図1に示した電子ファイル管理装置に設けられる緯度・経度データベースに蓄積された位置データの一例を示す図。
【図5】図1に示した電子ファイル管理装置に設けられる緯度・経度/住所データベースに記憶されたデータの一例を示す図。
【図6】図1に示した電子ファイル管理装置に設けられるタグ付電子ファイルデータベースに記憶されるデータの一例を示す図。
【図7】滞在場所に基づく電子ファイルと行動情報との対応付け処理の前半部分を説明するための図。
【図8】滞在場所に基づく電子ファイルと行動情報との対応付け処理の後半部分を説明するための図。
【図9】行動内容に基づく電子ファイルと行動情報との対応付け処理を説明するための図。
【図10】行動情報の重要度に基づく行動情報の選択処理を説明するための図。
【図11】図10に示した処理により選択された行動情報の付与結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[構成]
図1は、この発明の一実施形態に係る電子ファイル管理装置の構成を示すブロック図である。この電子ファイル管理装置は、例えば携帯電話機やスマートホン、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型のパーソナル・コンピュータ等のユーザが所持する携帯端末により構成される。
【0018】
電子ファイル管理装置は、この発明の一実施形態を実施するための構成要素として、滞在場所に基づく対応付け処理を行うための第1の処理ユニット1と、行動内容に基づく対応付け処理を行うための第2の処理ユニット2と、その他のデータベース群及びインタフェース群とを具備している。
【0019】
その他のデータベース群としては、行動情報データベース31と、電子ファイル・行動情報蓄積部33と、タグ付電子ファイルデータベース34が用意されている。その他のインタフェース群としては、電子ファイル入力受付部32が用意されている。
【0020】
行動情報データベース31には、スケジューラ等により入力された利用者の行動スケジュールを表す情報が複数個記憶される。個々の行動スケジュールを表す情報は、識別IDに対し、行動名を表す情報と、行動開始日時及び行動終了日時を表す情報と、行動の重要度を表す情報を関連付けたものである。図3はその一例を示す図である。
【0021】
電子ファイル入力受付部32は、例えば電子ファイルが写真や映像データであればカメラから出力されるデータを受け取り、またメモ等のテキストデータであれば文書作成アプリケーションからデータを受け取る。なお、他にリムーバブルディスクやフラッシュメモリ等の外部記録媒体からデータを受け取るようにしてもよい。電子ファイルには、その作成時刻又は入力時刻を表す日時情報が付与される。
【0022】
第1の処理ユニット1は、緯度・経度データベース11と、緯度・経度/住所データベース12と、滞在住所算出部13と、拠点住所算出部14と、手動入力部15と、滞在場所ベース対応付け部16とを備えている。
【0023】
緯度・経度データベース11は、図示しないGPS受信機により受信されたGPS信号をもとに一定の周期で算出された緯度・経度データを、利用者の滞在地履歴を表すデータとして蓄積するために用いられる。図4は記憶された緯度・経度データの一例を示すものである。
【0024】
緯度・経度/住所データベース12には、利用者の行動予定地域を少なくとも含む範囲の住所変換データが記憶されている。この住所変換データは、位置情報の緯度・経度データに対応付けて該当する地点の住所情報を記憶したものである。図5はこの緯度・経度/住所データベース12に記憶された住所変換データの一例を示す。なお、住所情報は、その領域の大きさに応じて複数の住所粒度に、例えば「都道府県」、「区・市町村」、「地名」及び「番地」の4階層の住所粒度に階層化されていてもよい。
【0025】
滞在住所算出部13は、上記緯度・経度データベース11から対象期間に含まれる滞在地の緯度・経度データの集合を読込み、この読込んだ滞在地の緯度・経度データをキーにして緯度・経度/住所データベース12を検索することにより、当該滞在地の緯度・経度データに対応する住所情報を読み出す処理を実行する。
【0026】
拠点住所算出部14は、上記滞在住所算出部13により得られた各滞在地の住所情報に基づいて、利用者の拠点住所を決定する処理を行う。この処理は、各滞在住所の総滞在時間を比較し、総滞在時間が閾値より長い滞在住所の中から指定された個数の住所とその住所に対応する緯度・経度データの組を選択して、これを「拠点となる住所」として決定することにより実現される。また拠点住所算出部14は、利用者が手動入力部15において任意に入力した滞在住所とその緯度・経度データの組を入力した場合には、この入力されたデータの組を、「拠点となる住所」として決定する。
【0027】
手動入力部15は、キーボード又はタブレット型の入力デバイスから、上記「拠点となる住所」を表す滞在住所とその緯度・経度データの組を、利用者が手動入力するために使用される。
【0028】
滞在場所ベース対応付け部16は、以下の処理機能を有する。
(1) 拠点住所算出部14により決定された拠点住所情報に基づいて、上記緯度・経度データを読込んだ対象期間を、利用者が拠点住所に存在した期間と、拠点以外の住所に存在していた期間とに分類する処理。
(2) 上記電子ファイル入力受付部32から受け取った電子ファイルに付与されている作成又は入力時刻を表す情報をもとに、当該電子ファイルの作成又は入力時刻が、上記拠点住所に存在した期間と拠点以外の住所に存在していた期間のいずれに含まれるかを判定する処理。
(3) 上記電子ファイルの作成又は入力時刻が含まれる期間に実行された利用者の行動情報を、その時刻情報をもとに行動情報データベース31から選択的に読み出す。そして、読み出された行動情報が1個であれば、当該行動情報を付与すべきタグ情報として電子ファイル・行動情報蓄積部33に渡す処理。
(4) 上記行動情報データベース31から読み出された行動情報が複数個の場合には、これらの行動情報の実行時間と上記電子ファイルの作成又は入力時刻との時間差をそれぞれ算出する。そして、この算出された時間差が最も少ない行動情報を1つ選択し、この選択された行動情報を付与すべきタグ情報として電子ファイル・行動情報蓄積部33に渡す処理。
【0029】
第2の処理ユニット2は、行動内容解析部21と、電子ファイルテキスト解析部22と、行動内容ベース対応付け部23とを備えている。
行動内容解析部21は、行動情報データベース31から読込んだ行動情報のテキストデータについて形態素解析処理を行い、この解析処理により抽出された単語の種類とその出現数を行動内容ベース対応付け部23に渡す処理を行う。
【0030】
電子ファイルテキスト解析部22は、電子ファイル入力受付部32により受け取った電子ファイルにテキストデータが含まれているか否かを判定し、テキストデータが含まれている場合には当該テキストデータについて形態素解析処理を行い、この解析処理により抽出された単語の種類とその出現数を行動内容ベース対応付け部23に渡す処理を行う。
【0031】
行動内容ベース対応付け部23は、上記行動内容解析部21及び電子ファイルテキスト解析部22から渡された単語の種類とその出現数を表す情報と、上記行動情報データベース31から読込んだ行動情報の実行時間を表す情報と、上記電子ファイル入力受付部32により受け取った電子ファイルの作成又は入力時刻を表す情報とに基づいて、行動情報ごとに電子ファイルにタグとして付与する際の適合度を算出する。この適合度の算出には以下の条件を用いる。
(1) 電子ファイルの作成又は入力時刻と行動情報の実行時刻との間の時間差が近いほど適合度を高くする。
(2) 行動情報の行動内容に含まれる単語のうち、電子ファイルにも含まれる単語数が一定数以上あり、かつこの単語数が多いほど適合度を高くする。
(3) 他の行動情報及び電子ファイルには出現しない単語が、行動情報及び電子ファイルの両方に含まれる場合ほど適合度を高くする。
【0032】
電子ファイル・行動情報蓄積部33は、電子ファイル入力受付部32から受け取った電子ファイルの情報と、滞在場所ベース対応付け部16から受け取った行動情報と、行動内容ベース対応付け部23から受け取った行動情報とを組にして、タグ付き電子ファイルデータベース34に格納する処理を行う。
【0033】
なお、この実施形態に係る電子ファイル管理装置は中央処理ユニット(Central Processing Unit;CPU)を備えている。そして、上記滞在住所算出部13、拠点住所算出部14、滞在場所ベース対応付け部16、行動内容解析部21、電子ファイルテキスト解析部22、行動内容ベース対応付け部23及び電子ファイル・行動情報蓄積部33の処理機能はいずれも、図示しないプログラムメモリに格納されたアプリケーション・プログラムを上記CPUに実行させることにより実現される。
【0034】
[動作]
次に、以上のように構成された電子ファイル管理装置による、行動情報のタグ付け処理動作を説明する。図2はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
なお、緯度・経度データベース11には、例えば図4に示すように一定の周期で計測された利用者の滞在位置を表す緯度・経度データとその計測時刻を含むデータが利用者の滞在履歴を表す情報として既に蓄積され、また行動情報データベース31には当該利用者が例えばスケジューラにより入力した行動情報が例えば図3に示すように記憶されているものとして説明を行う。
【0035】
(1)電子ファイルの入力受付
電子ファイル管理装置としての携帯端末において、利用者が例えばカメラで撮影した写真又は動画像や、メモ書きにより作成したテキスト文書等の電子ファイルを端末に記憶させるための操作を行ったとする。
そうすると端末では、先ず処理ステップS1において電子ファイル入力受付部32が上記入力された電子ファイルの入力を受付け、この入力された電子ファイルを端末内の一時記憶用の記憶領域に保存する。なお、このとき電子ファイルに作成日時を表す情報が含まれていなければ、電子ファイル入力受付部32は入力日時を示す情報を生成して上記電子ファイルに含めて保存する。
【0036】
上記電子ファイルは、後述する滞在場所に基づく対応付け処理及び行動内容に基づく対応付け処理のためにそれぞれ第1及び第2の処理ユニット1,2に読み込まれる。ここで、電子ファイルがテキスト文書の場合や、例えば写真の電子ファイルに対して文字認識処理により写真中の文字を認識することにより電子ファイルの内容の全体又は一部をテキスト化することが可能な電子ファイルの場合には、この読み込んだ電子ファイルに対し第1及び第2の処理ユニット1,2によりそれぞれ滞在場所ベースの対応付け処理及び行動内容ベースの対応付け処理が実行される。しかし、テキスト化が困難な電子ファイルの場合には、第2の処理ユニット2による行動内容ベースの対応付け処理は行われず、第1の処理ユニット1による滞在場所ベースの対応付け処理のみが実行される。
【0037】
(2)滞在場所に基づく対応付け処理
(2−1)拠点となる滞在地住所の決定
上記電子ファイル入力受付部32から電子ファイルが入力された旨の通知を受けると、第1の処理ユニット1は、先ず処理ステップS2において滞在住所算出部13が、上記電子ファイルの作成又は入力日時を含む所定の期間の緯度・経度データを緯度・経度データベース11から読込む。続いて、処理ステップS3において、緯度・経度/住所データベース12に記憶されている緯度・経度データと住所情報との変換テーブルを用いて、上記緯度・経度データベース11から読み込んだ緯度・経度データを住所情報に変換する。そして、この滞在住所情報とその滞在開始時刻及び滞在終了時刻を、拠点住所算出部14及び滞在地ベース対応付け部16へ渡す。
【0038】
次に、処理ステップS4において拠点住所算出部14が、上記滞在住所算出部13により得られた各滞在地の住所情報とその滞在開始時刻及び滞在終了時刻を用いて、利用者の拠点住所を決定する。この拠点住所の決定処理は、各滞在住所の総滞在時間を比較して、総滞在時間が長い滞在住所の中から指定された個数の住所とその住所に対応する緯度・経度データの組を選択し、この選択した住所とその位置を表す緯度・経度データの組を、「拠点となる住所」とすることにより行われる。
【0039】
なお、上記利用者の拠点住所を決定する処理は、利用者が手動入力部15において任意に入力した滞在住所とその緯度・経度データの組に基づいて行ってもよい。この場合の処理は、手動入力部15から滞在住所と当該滞在住所に対応する緯度・経度データの組を入力として受け取る。例えば、「住所:東京都港区芝公園、緯度:35.658704、経度:139.745408」を表す入力データを受け取る。そして、この受け取った滞在地のデータをもとに上記した処理により利用者の拠点住所を決定する。
以上のように決定された利用者の拠点住所を表す情報は、滞在場所ベース対応付け部16に渡される。
【0040】
(2−2)電子ファイルの作成又は入力日時が属する期間の判定
上記拠点住所が決定されると、滞在場所ベース対応付け部16が先ず処理ステップS5において、上記滞在住所算出部13により得られた各滞在住所への滞在期間が、上記決定された「拠点住所にいる期間」に相当するか、或いは「拠点住所以外にいる期間」に相当するかを判定し分類する。
【0041】
例えば、いま「会社」、「最寄り駅」、「出張先」等の各滞在住所への滞在期間が図7に示すようになっており、かつ拠点住所が「会社」に決定されたとすると、当該「会社」に滞在している期間が「拠点住所にいる期間」に分類され、その他の「最寄り駅」や「出張先」に滞在している期間が「拠点住所以外にいる期間」に分類される。
【0042】
続いて滞在場所ベース対応付け部16は、上記読込まれた電子ファイルの作成又は入力日時をもとに、当該電子ファイルが上記「拠点住所にいる期間」と「拠点住所以外にいる期間」のいずれにおいて作成又は入力されたものかを、処理ステップS5で判定する。例えば図8においては、電子ファイルaは「拠点住所以外にいる期間(1) 」において作成又は入力されたものと判定され、電子ファイルbは「拠点住所にいる期間(2) 」において作成又は入力されたものと判定される。
【0043】
(2−3)タグとして適切な行動情報の選択(電子ファイルが「拠点住所にいる期間」に作成又は入力された場合)
上記判定の結果、電子ファイルが「拠点住所にいる期間」において作成又は入力されたものだったとすると、滞在場所ベース対応付け部16は処理ステップS6に移行する。そして、この処理ステップS6において、上記判定された「拠点住所にいる期間」に実行された行動を表す行動情報を、行動情報データベース31からすべて読込む。この行動情報の読込処理は、行動情報に含まれる行動開始日時及び行動終了日時を検索することにより行われる。
【0044】
そして、上記読込んだ行動情報の中から、上記電子ファイルにタグとして付与する際に最も適当な行動情報を選択する。この最適な行動情報の選択処理には次の3通りがある。
(1) 該当する「拠点住所にいる期間」に含まれる行動情報が存在しなかった場合には、付与する行動情報はなしとして、処理ステップS6をそのまま終了する。
(2) 該当する「拠点住所にいる期間」に含まれる行動情報が1個のみ存在する場合には、当該行動情報を電子ファイルにタグとして付与すべき行動情報として選択する。
(3) 該当する「拠点住所にいる期間」に含まれる行動情報が複数個存在する場合には、この複数の行動情報の中から1つを選択する。
【0045】
その選択手法としては、例えば、
(3-1) 読み込んだ複数の行動情報の中で、その実行日時と電子ファイルの作成又は入力日時との時間差を求め、時間差が最も小さい行動情報を1つ選択するもの。
(3-2) 行動情報データベース31に蓄積されている各行動情報に、図3に例示したように予めその重要度を表す情報を付与しておき、この重要度が最も高い行動情報を1つ選択するもの。
(3-3) 上記時間差及び重要度の両方の情報をもとに、時間差が最も小さくかつ重要度が最も高い行動情報を1つ選択するもの。
【0046】
(2−4)タグとして適切な行動情報の選択(電子ファイルが「拠点以外の住所にいる期間」に作成又は入力された場合)
上記判定の結果、電子ファイルが「拠点以外の住所にいる期間」において作成又は入力されたものだったとすると、滞在場所ベース対応付け部16は処理ステップS7に移行する。そして、この処理ステップS7において、上記判定された「拠点以外の住所にいる期間」に実行された行動を表す行動情報を、行動情報データベース31からすべて読込む。この行動情報の読込処理は、行動情報に含まれる行動開始日時及び行動終了日時を検索することにより行われる。
【0047】
そして、上記読込んだ行動情報の中から、上記電子ファイルにタグとして付与する際に最も適当な行動情報を選択する。この最適な行動情報の選択処理には、先に(2−3)で述べた場合と同様に以下の3通りがある。
(1) 該当する「拠点以外の住所にいる期間」に含まれる行動情報が存在しなかった場合には、付与する行動情報はなしとして、処理ステップS7をそのまま終了する。
(2) 該当する「拠点以外の住所にいる期間」に含まれる行動情報が1個のみ存在する場合には、当該行動情報を電子ファイルにタグとして付与すべき行動情報として選択する。
(3) 該当する「拠点以外の住所にいる期間」に含まれる行動情報が複数個存在する場合には、この複数の行動情報の中から1つを選択する。
【0048】
その選択手法としては、例えば、
(3-1) 読み込んだ複数の行動情報の中で、その実行日時と電子ファイルの作成又は入力日時との時間差を求め、時間差が最も小さい行動情報を1つ選択するもの。
(3-2) 行動情報データベース31に蓄積されている各行動情報に、図3に例示したように予めその重要度を表す情報を付与しておき、この重要度が最も高い行動情報を1つ選択するもの。
(3-3) 上記時間差及び重要度の両方の情報をもとに、時間差が最も小さくかつ重要度が最も高い行動情報を1つ選択するもの。
【0049】
(2−5)電子ファイルへのタグ付け
上記処理ステップS6又は処理ステップS7において、タグとして最も適した行動情報が選択されると、処理ステップS11において電子ファイル・行動情報蓄積部33が、上記タグ付け対象の電子ファイルを、上記選択された行動情報の行動名をタグとして関連付けた上で、タグ付電子ファイルデータベース34に格納する。
【0050】
(3)行動内容に基づく対応付け処理
(3−1)行動情報の内容の解析(行動情報からの単語の抽出)
第2の処理ユニット2は、先ず処理ステップS8において行動内容解析部21が、行動情報データベース31から読込んだ行動情報のテキストデータについて形態素解析処理を行う。そして、この解析処理により抽出された単語(例えば名詞)の種類とその出現数を表す情報を行動内容ベース対応付け部23に渡す。例えば、図9に示すように行動情報の行動名から「定例」、「会議」、「A社」、「打ち合わせ」等の単語が抽出される。なお、行動名が無題の場合には、行動内容を記述したテキストデータから単語が抽出される。
【0051】
(3−2)電子ファイルテキストの解析(電子ファイルからの単語の抽出)
第2の処理ユニット2は、続いて処理ステップS9において電子ファイルテキスト解析部22が、電子ファイル入力受付部32により受け取った電子ファイルにテキストデータが含まれているか否かを判定する。そして、テキストデータが含まれている場合には当該テキストデータについて形態素解析処理を行い、この解析処理により抽出された単語の種類とその出現数を行動内容ベース対応付け部23に渡す。例えば図9に示す例では、電子ファイルaから「A社」、「打ち合わせ」等の単語が抽出される。
【0052】
(3−3)タグとして適切な行動情報の選択
第2の処理ユニット2は、次に処理ステップS10において行動内容ベース対応付け部23が、行動情報の行動名と電子ファイル内に含まれるテキスト情報との相関をみて、付与すべき行動情報を以下のように決定する。
すなわち、行動内容ベース対応付け部23は、上記電子ファイルテキスト解析部22及び行動内容解析部21により抽出された単語の種類及びその出現数と、上記行動情報データベース31から読込んだ各行動情報の実行時刻と、上記電子ファイル入力受付部32により受付けた電子ファイルの作成又は入力時刻とをもとに、「電子ファイルに対する各行動情報のタグとしての付与の適正」を示す適合度を、以下の基準に従い算出する。
【0053】
(1) 電子ファイルの作成又は入力時刻と行動情報の実行時刻との間の時間差が近いほど適合度を高くする。
(2) 行動情報の行動内容に含まれる単語のうち、電子ファイルにも含まれる単語数が一定数以上あり、かつこの単語数が多いほど適合度を高くする。
(3) 他の行動情報及び電子ファイルには出現しない単語が、行動情報及び電子ファイルの両方に含まれる場合ほど適合度を高くする。
【0054】
具体的には、適合度は下式によって算出される。
【数1】

ただし、fiは行動内容i の適合度、wi は行動内容i に含まれる単語数、wi,d は行動内容i とタグ付けを行う電子ファイルとの両方に含まれ単語数、Na は行動情報データベース31に記憶された行動情報の数、Nd はタグ付き電子ファイルデータベース34に記憶されている電子ファイル数、ni,j は単語j を含む行動情報データベース31に蓄積されている行動情報の数、nd,j は単語j を含むタグ付き電子ファイルデータベース34に蓄積されている電子ファイル数を示すものであり、またαは定数を示している。
【0055】
さらに、行動内容ベース対応付け部23は、上記算出された適合度を予め設定した閾値β(βは正の定数)と比較し、この閾値βを超える適合度をもつ行動情報が存在するか否かを判定する。この判定の結果、閾値βを超える適合度をもつ行動情報が存在する場合には、これらの行動情報のうち適合度の高いほうから順に最大N個(Nは自然数)の行動情報を、タグとして付与する行動情報として選択する。そして、この選択された行動情報の情報を電子ファイル・行動情報蓄積部33に渡す。
これに対し、閾値β(βは正の定数)を超える適合度をもつ行動情報が存在しない場合には、タグとして付与する行動情報はないとして、処理ステップS10の処理を終了する。
【0056】
(3−4)電子ファイルへのタグ付け
上記処理ステップS10において、タグとして適した行動情報が選択されると、処理ステップS11において電子ファイル・行動情報蓄積部33が、上記タグ付け対象の電子ファイルを、上記選択された行動情報の行動名をタグとして関連付けた上で、タグ付電子ファイルデータベース34に格納する。
なお、第1の処理ユニット1及び第2の処理ユニット2において、同一の電子ファイルに対し異なる行動情報が選択された場合には、これらの行動情報をすべてタグとして関連付けた上でタグ付電子ファイルデータベース34に格納する。
【0057】
以上詳述したようにこの実施形態では、滞在場所に基づく対応付け処理を行う第1の処理ユニット1と、行動内容に基づく対応付け処理を行う第2の処理ユニット2とを備えている。第1の処理ユニット1では、電子ファイルの入力を受付けた場合に、この入力された電子ファイルの作成又は入力時刻を含む対象期間に含まれる滞在住所をもとに利用者の拠点住所を算出し、上記対象期間を利用者が拠点住所に存在する期間と、拠点以外に存在する期間とに分類する。そして、上記入力された電子ファイルの作成又は入力時刻が、上記分類された拠点住所に存在する期間と拠点以外の住所に存在する期間のいずれに含まれるかを判定し、この判定された期間に実行された行動情報を行動情報データベース31から読込み、その中から最適なものを選択して上記電子ファイルにタグとして関連付けて記憶するようにしている。
【0058】
第2の処理ユニット2では、電子ファイルテキスト解析部22により、上記入力された電子ファイルから当該ファイルに含まれる単語を抽出すると共に、行動内容解析部21により、上記読込まれた行動情報の行動内容から当該行動内容を表す単語を抽出し、この抽出された単語の一致の度合いに基づいて上記電子ファイルと行動情報との類似度を算出する。そして、この算出された類似度が閾値以上の行動情報を選択し、この選択した行動情報を上記電子ファイルにタグとして関連付けるようにしている。
【0059】
したがって、第1の処理ユニット1の処理により、利用者の拠点となっている滞在地とその滞在期間の情報を用いることで電子ファイルに付与する行動情報を絞り込むことができる。また、第2の処理ユニット2の処理により、複数の行動情報の中から電子ファイルの内容との類似度が閾値以上の行動情報が選択されて、これがタグとして電子ファイルに付与される。このため、行動情報の実行時刻とは異なる時刻に当該行動情報と関連する電子ファイルが作成又は入力された場合でも、当該電子ファイルに対し上記関連する行動情報をタグとして適切に付与することが可能となる。この結果、利用者自身の行動履歴に基づいて電子ファイルを的確に管理することが可能となり、電子ファイルの数が増大した場合でも効率的に目的の電子ファイルを検索することが可能となる。
【0060】
また、タグを付与する際に、上記読込まれた行動情報が複数個存在する場合に、これら複数の行動情報の実行時刻と上記電子ファイルの作成又は入力時刻との時間差をそれぞれ算出して、この算出された時間差が最も小さい行動情報を選択し、この選択した行動情報を上記電子ファイルにタグとして関連付けるようにしている。したがって、利用者が拠点住所に存在する期間又は拠点以外に存在する期間に実行された行動情報が複数存在する場合でも、電子ファイルの作成又は入力時刻に実行時刻が最も近い行動情報が選択されて、電子ファイルにタグとして付与することが可能となる。
【0061】
さらに、上記行動情報にその重要度を表す情報が付加されている場合に、上記読込まれた複数の行動情報の中からその重要度を表す情報をもとに重要度が最も高い行動情報を選択し、この選択した行動情報を上記電子ファイルにタグとして関連付けるようにしている。したがって、利用者が拠点住所に存在する期間又は拠点以外に存在する期間に実行された行動情報が複数存在する場合でも、これらの中で重要度が最も高い行動情報が選択されて、タグとして電子ファイルに付与することができる。
【0062】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、滞在地履歴データベースに記憶された滞在地データをもとに滞在地ごとの出現数を算出し、この算出された出現数が少ないほど重要度が高くなるように上記各滞在地に対し重要度情報を設定する。そして、入力された電子ファイルに行動情報をタグ付けする際に、電子ファイルの作成又は入力日時を含む所定の期間内に、上記電子ファイルの作成又は入力日時に対応する滞在場所より高い重要度が設定された滞在場所が存在する場合には、当該滞在場所で実行された行動情報を選択して上記電子ファイルにタグとして付与するとよい。図10及び図11はその処理の一例を示すものである。
【0063】
また、前記実施形態では利用者が所持する携帯端末に図1に示すすべての機能を設けた場合を例にとって説明したが、これらの機能のうち緯度・経度データベース11、緯度・経度/住所データベース12、行動情報データベース31及びタグ付電子ファイルデータベース34についてはサーバ装置に設け、必要に応じてこのサーバ装置に対しアクセスしてデータの読込み及び書込み処理を行うようにしてもよい。
【0064】
その他、電子ファイル管理装置の種類やその構成、第1及び第2の処理ユニット1,2による処理手順と処理内容、タグ付けする行動情報の内容、電子ファイルの種類等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…滞在場所に基づく対応付け処理を行うための第1の処理ユニット、2…行動内容に基づく対応付け処理を行うための第2の処理ユニット、11…緯度・経度データベース、12…緯度・経度/住所データベース、13…滞在住所算出部、14…拠点住所算出部、15…手動入力部、16…滞在場所ベース対応付け部、21…行動内容解析部、22…電子ファイルテキスト解析部、23…行動内容ベース対応付け部、31…行動情報データベース、32…電子ファイル入力受付部、33…電子ファイル行動情報蓄積部、34…タグ付電子ファイルデータベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が自身の行動に関連して作成した電子ファイルをその作成又は入力時刻を表す情報と共に入力する手段と、
少なくとも位置情報と時間情報とにより表される利用者の滞在地情報の集合を記憶した滞在履歴データベースから、前記入力された電子ファイルの作成又は入力時刻を含む対象期間に含まれる滞在地情報を読込む手段と、
前記読込まれた滞在地情報をもとに、前記対象期間を、前記利用者が拠点滞在地に存在する第1の期間と、拠点以外の滞在地に存在する第2の期間とに分類する手段と、
前記入力された電子ファイルの作成又は入力時刻が、前記分類された第1の期間と第2の期間のいずれに含まれるかを判定する手段と、
少なくとも行動内容とその実行時刻とにより表される前記利用者の行動情報を記憶した行動情報データベースから、前記電子ファイルの作成又は入力時刻が含まれると判定された第1又は第2の期間に実行された行動情報を読込む手段と、
前記読込まれた行動情報を前記電子ファイルにタグとして関連付けて記憶するタグ付け処理手段と
を具備することを特徴とする電子ファイル管理装置。
【請求項2】
前記タグ付け処理手段は、前記行動情報を読込む手段により読込まれた行動情報が複数個存在する場合に、これら複数の行動情報の実行時刻と前記電子ファイルの作成又は入力時刻との時間差をそれぞれ算出して、この算出された時間差が最も小さい行動情報を選択し、この選択した行動情報を前記電子ファイルにタグとして関連付けることを特徴とする請求項1記載の電子ファイル管理装置。
【請求項3】
前記行動情報にその重要度を表す情報が付加されている場合に、
前記タグ付け処理手段は、前記行動情報を読込む手段により読込まれた行動情報が複数個存在する場合に、これら複数の行動情報に付加されている重要度を表す情報をもとに重要度が最も高い行動情報を選択し、この選択した行動情報を前記電子ファイルにタグとして関連付けることを特徴とする請求項1記載の電子ファイル管理装置。
【請求項4】
利用者が自身の行動に関連して作成した電子ファイルをその作成又は入力時刻を表す情報と共に入力する手段と、
少なくとも行動内容とその実行時刻とにより表される前記利用者の行動情報を記憶した行動情報データベースから、前記電子ファイルの作成又は入力時刻が含まれる期間に実行された行動情報を読込む手段と、
前記入力された電子ファイルの内容と前記読込まれた行動情報の行動内容との類似度を算出して、この算出された類似度が閾値以上の行動情報を選択し、この選択した行動情報を前記電子ファイルにタグとして関連付けるタグ付け処理手段と
を具備することを特徴とする電子ファイル管理装置。
【請求項5】
前記タグ付け処理手段は、前記入力された電子ファイルの作成又は入力時刻と前記読込まれた行動情報の実行時刻との時間差を算出する手段をさらに有し、前記算出された類似度が閾値以上の行動情報の中から前記算出された時間差が最も小さい行動情報を選択し、この選択した行動情報を前記電子ファイルにタグとして関連付けることを特徴とする請求項4記載の電子ファイル管理装置。
【請求項6】
前記タグ付け処理手段は、前記入力された電子ファイルから当該ファイルに含まれる単語を抽出すると共に、前記読込まれた行動情報の行動内容から当該行動内容を表す単語を抽出し、この抽出された単語の一致の度合いに基づいて、前記電子ファイルと行動情報との類似度を算出することを特徴とする請求項4記載の電子ファイル管理装置。
【請求項7】
利用者が自身の行動に関連して作成した電子ファイルをその作成又は入力時刻を表す情報と共に入力する過程と、
少なくとも位置情報と時間情報とにより表される利用者の滞在地情報の集合を記憶した滞在履歴データベースから、前記入力された電子ファイルの作成又は入力時刻を含む対象期間に含まれる滞在地情報を読込む過程と、
前記読込まれた滞在地情報をもとに、前記対象期間を、前記利用者が拠点滞在地に存在する第1の期間と、拠点以外の滞在地に存在する第2の期間とに分類する過程と、
前記入力された電子ファイルの作成又は入力時刻が、前記分類された第1の期間と第2の期間のいずれに含まれるかを判定する過程と、
少なくとも行動内容とその実行時刻とにより表される前記利用者の行動情報を記憶した行動情報データベースから、前記電子ファイルの作成又は入力時刻が含まれると判定された第1又は第2の期間に実行された行動情報を読込む過程と、
前記読込まれた行動情報を前記電子ファイルにタグとして関連付けて記憶するタグ付け処理過程と
を具備することを特徴とする電子ファイル管理方法。
【請求項8】
利用者が自身の行動に関連して作成した電子ファイルをその作成又は入力時刻を表す情報と共に入力する過程と、
少なくとも行動内容とその実行時刻とにより表される前記利用者の行動情報を記憶した行動情報データベースから、前記電子ファイルの作成又は入力時刻が含まれる期間に実行された行動情報を読込む過程と、
前記入力された電子ファイルの内容と前記読込まれた行動情報の行動内容との類似度を算出して、この算出された類似度が閾値以上の行動情報を選択し、この選択した行動情報を前記電子ファイルにタグとして関連付けるタグ付け処理過程と
を具備することを特徴とする電子ファイル管理方法。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6に記載の電子ファイル管理装置が具備する手段の処理機能を、当該電子ファイル管理装置が備えるコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−173807(P2012−173807A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32540(P2011−32540)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】