説明

電子ペン、端末装置及びそれに用いられるプログラム

【課題】電子ペン用媒体上の任意の位置に、任意の容量の音声情報を付加することが可能な電子ペン、端末装置及びそれに用いられるプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】第1利用者は、電子ペン80aにより帳票31aの任意の位置にメッセージ記入及び音声入力を行う。各種サーバは、電子ペン80aから、帳票31aに対応するエリア定義情報ファイル、メッセージを記入したメッセージエリアのページアドレス及び座標データ、メッセージエリアへの記入内容に対応するストロークデータ、メッセージエリアへの記入中に入力された音声データを取得し、記憶・管理する。第2利用者は、電子ペン80bにより帳票31aの任意の位置をタップする。すると、電子ペン80bは、当該帳票のページアドレス及び座標データに対応する音声データを音声サーバ95から取得し音声を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンにより電子ペン用媒体等に記入された記入情報を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている(特許文献1参照)。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入したりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が取得される。この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用したシステムが普及しつつある(例えば、特許文献2)。
【0003】
特許文献3には、このような電子ペンを利用して、専用の被筆記媒体に手書きで筆記された絵や文字等を画像情報とし、遠隔地の利用者が所定の端末装置によって当該画像情報に対応する画像を見ることができる画像配信システムが開示されている。しかし、特許文献3は、電子ペンを利用した画像情報について記載するに止まり、画像情報以外の情報に基づいて遠隔地の利用者が所定の端末装置で視聴を行うことについては何ら記載されていない。
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特開2004−153612号公報
【特許文献3】特開2007−18185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、電子ペン用媒体上の任意の位置に、任意の容量の音声情報を付加することが可能な電子ペン、端末装置及びそれに用いられるプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電子ペンは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する電子ペンであって、前記コード化パターン上における所定のページを識別するページアドレスと、所定のエリアのコード化パターン上における座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段と、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて前記定義情報を参照することで前記エリアを認識するエリア認識手段と、前記記入情報に基づいて、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定するタップ判定手段と、前記タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得するファイル取得手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、利用者が電子ペンにより電子ペン用媒体に記入及び/又はタップをすると、記入情報取得手段によって、電子ペンは、電子ペン用媒体への記入及び/又はタップに対応する記入情報を取得する。タップとは、電子ペンにより電子ペン用媒体を軽く叩くことである。そして、エリア認識手段は、記入情報取得手段により取得された記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて、情報記憶手段に記憶された定義情報を参照し、電子ペンにより記入及び/又はタップが行われたユーザエリアを認識する。さらに、タップ判定手段は、記入情報に基づいて、エリア認識手段が認識したユーザエリアへの記入及び/又はタップがタップであるか否かを判定する。ファイル取得手段は、タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得する。エリア定義情報ファイルとは、ページ毎のユーザエリアの定義情報、即ちユーザエリアと、当該ユーザエリアのドットパターン上の位置座標との関係性を示す情報である。エリア定義情報ファイルの取得に対応付けられたエリアが、電子ペンによりタップされた場合に、ファイル取得手段は空のエリア定義情報ファイルを取得する。つまり、電子ペンは、所定のエリアをタップするだけで容易に、対応するユーザエリアが定義されていない空のエリア定義情報ファイルを取得することができる。
【0007】
さらに、上記電子ペンにおいて、前記記入情報に基づいて、データ開始点及びデータ終了点を特定する開始終了点特定手段をさらに備え、前記タップ判定手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離により、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定すると好適である。
【0008】
このように構成された電子ペンによれば、まず、開始終了点特定手段が記入情報に基づき、データ開始点及びデータ終了点を特定する。そして、タップ判定手段は、開始終了点特定手段により特定されたデータ開始点及びデータ終了点に基づく時間及び/又は距離により、エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定する。これによれば、タップ判定手段は、データ開始点及びデータ終了点に基づく時間及び/又は距離により、利用者の記入したストロークがタップであるか否かを判定し、文字や図柄と区別することが可能となる。
【0009】
上記電子ペンにおいて、前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてあて先が記入されたエリアをあて先エリアに設定するあて先エリア設定手段と、前記あて先エリアに記入されたストロークデータと、前記あて先エリアを示す座標データ及びページアドレスとを含むあて先情報を送信するあて先情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、あて先エリアに記入されたストロークデータと、当該あて先エリアを示す座標データ及びページアドレスとをあて先情報として所定のサーバ等で記憶しておくことができる。よって、電子ペンが記入及び/又はタップにより取得した記入情報に含まれる座標データ及びページアドレスに基づいて、容易に対応するあて先情報を認識することが可能となる。
【0010】
上記電子ペンにおいて、前記記入情報に基づき、前記コード化パターンエリア上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、メッセージエリアに記入されたストロークデータと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとをメッセージ情報として所定のサーバ等で記憶しておくことができる。よって、電子ペン用媒体上の任意の位置と、当該位置に記入されたメッセージとを対応付けて記憶・管理することができる。
【0011】
上記電子ペンにおいて、前記電子ペンは、音声入力部を備え、前記メッセージエリアへの記入中に前記音声入力部により音声を入力する音声入力手段と、前記音声入力手段が入力した音声データと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む音声情報を送信する音声情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、メッセージエリアへの記入中に入力された音声データを、当該メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスに対応付けた音声情報として所定のサーバ等で記憶しておくことができる。よって、電子ペン用媒体上の任意の位置と、当該位置において入力された音声データとを対応付けて記憶・管理することができる。
【0012】
上記電子ペンにおいて、前記ファイル取得手段が取得したエリア定義情報ファイルと、前記メッセージエリアを示す座標データおよびページアドレスとを含む記入済ファイル情報を送信する記入済ファイル情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、エリア定義情報ファイルにメッセージエリアと、当該メッセージエリアを示す座標データを書き込むことができる。即ち、エリア定義情報ファイルと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを対応付けて所定のサーバ等で記憶しておくことができる。
【0013】
上記電子ペンにおいて、前記電子ペンは、音声出力部を備え、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを送信する送信手段と、前記ページアドレス及び前記座標データに対応する音声データを取得する音声データ取得手段と、前記音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を前記音声出力部より出力する音声出力手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
このように構成された電子ペンにおいて、音声データ取得手段は、記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに対応する音声データを取得する。そして、音声出力手段は、音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を音声出力部より出力する。これによれば、電子ペンは、電子ペン用媒体において任意の位置に記入及び/又はタップを行うと、当該位置に対応する音声データを取得し、音声を出力することができる。
【0015】
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する電子ペンであって、キー値を取得するキー取得手段と、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、前記キー取得手段が取得したキー値と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアが設けられた前記コード化パターン上に置けるページを識別するページアドレスと、前記メッセージエリアを示す座標データとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、電子ペンは、まずキー値を取得する。また、利用者が電子ペンにより電子ペン用媒体に記入及び/又はタップをすると、記入情報取得手段によって、電子ペンは、電子ペン用媒体への記入及び/又はタップに対応する記入情報を取得する。そして、メッセージエリア設定手段は、記入情報取得手段が取得した記入情報に基づいて、コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定する。さらに、ストローク情報送信手段は、キー取得手段が取得したキー値と、メッセージエリアに記入されたストロークデータと、当該メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データとを含むストローク情報を送信する。つまり、所定のサーバは、キー値と、メッセージエリアに記入されたストロークデータと、当該メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データとを対応付けて記憶・管理することができる。
【0017】
上記電子ペンにおいて、前記電子ペンは、音声入力部を備え、前記メッセージエリアへの記入中に前記音声入力部により音声を入力する音声入力手段と、前記キー取得手段が取得したキー値と、前記音声入力手段が入力した音声データと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む音声情報を送信する音声情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、メッセージエリアへの記入中に入力された音声データを、当該メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスと、キー値とに対応付けた音声情報として所定のサーバ等で記憶しておくことができる。よって、キー値と、電子ペン用媒体上の任意の位置と、当該位置において入力された音声データとを対応付けて記憶・管理することができる。
【0018】
上記電子ペンにおいて、前記電子ペンは、記入済ファイルサーバと通信可能に接続されており、前記キー値取得手段が取得したキー値に対応する前記ストローク情報を取得するストローク情報取得手段と、前記ストローク情報取得手段が取得したストローク情報に基づいて、新たなエリア定義情報ファイルを作成するファイル作成手段と、前記ファイル作成手段が作成したエリア定義情報ファイルと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を前記記入済ファイルサーバに送信する記入済ファイル情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、電子ペンは、まずキー値取得手段が取得したキー値に対応する1つ以上のストローク情報を取得し、ファイル作成手段により新たなエリア定義情報ファイルを作成する。そして、記入済ファイル情報送信手段は、ファイル作成手段が作成した新たなエリア定義情報ファイルと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を記入済ファイルサーバに送信する。これによれば、記入済ファイルサーバは、キー値が一致するエリア定義情報ファイルに基づいて作成した新たなエリア定義情報ファイルと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを対応付けたエリア定義情報ファイル情報を記憶・管理することができる。
【0020】
上記電子ペンにおいて、前記記入済ファイルサーバは、前記記入済ファイル情報に基づいて作成され、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスを対応付けた対応テーブルを記憶しており、前記電子ペンは、音声出力部を備え、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを送信する送信手段と、前記ページアドレス及び前記座標データに基づいて前記対応テーブルを参照することにより抽出された音声データを取得する音声データ取得手段と、前記音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を前記音声出力部により出力する音声出力手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、電子ペンの音声データ取得手段は、まず、記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて、記入済ファイルサーバが記憶している対応テーブルを参照することで、対応する音声データを取得する。つまり、複数の音声データが付加された電子ペン用媒体であっても、当該電子ペン用媒体の任意の位置を電子ペンでタップ及び/又は記入することにより、ページアドレス及び座標データに基づいて対応テーブルを参照することで、当該位置に対応する音声データを取得することができる。音声出力手段は、音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を音声出力部により出力する。これによれば、複数の音声データが付加された電子ペン用媒体であっても、電子ペンは記入及び又はタップすることで容易に、任意の位置に対応する音声データを出力することができる。
【0022】
また、本発明に係るプログラムは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する電子ペンにより実行されるプログラムであって、前記コード化パターン上における所定のページを識別するページアドレスと、所定のエリアのコード化パターン上における座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて前記定義情報を参照することで前記エリアを認識するエリア認識手段、前記記入情報に基づいて、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定するタップ判定手段、前記タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得するファイル取得手段、として前記電子ペンを機能させることを特徴とする。
【0023】
あるいは、別の発明に係るプログラムは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する電子ペンにより実行されるプログラムであって、キー値を取得するキー取得手段、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段、前記キー取得手段が取得したキー値と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアが設けられた前記コード化パターン上に置けるページを識別するページアドレスと、前記メッセージエリアを示す座標データとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段、として前記電子ペンを機能させることを特徴とする。
【0024】
本発明に係る端末装置は、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、前記コード化パターン上における所定のページを識別するページアドレスと、所定のエリアのコード化パターン上における座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段と、前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて前記定義情報を参照することで前記エリアを認識するエリア認識手段と、前記記入情報に基づいて、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定するタップ判定手段と、前記タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得するファイル取得手段と、を備えることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、利用者が電子ペンにより電子ペン用媒体に記入及び/又はタップをすると、記入情報取得手段によって、端末装置は、電子ペン用媒体への記入及び/又はタップに対応する記入情報を取得する。タップとは、電子ペンにより電子ペン用媒体を軽く叩くことである。そして、エリア認識手段は、記入情報取得手段により取得された記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて、情報記憶手段に記憶された定義情報を参照し、電子ペンにより記入及び/又はタップが行われたエリアを認識する。さらに、タップ判定手段は、記入情報に基づいて、エリア認識手段が認識したエリアへの記入及び/又はタップがタップであるか否かを判定する。ファイル取得手段は、タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得する。つまり、エリア定義情報ファイルの取得に対応付けられたエリアが、電子ペンによりタップされた場合に、ファイル取得手段はエリア定義情報ファイルを取得する。これによれば、端末装置は、電子ペンにより所定のエリアをタップするだけで容易に、対応するユーザエリアが定義されていないエリア定義情報ファイルを取得することができる。
【0026】
さらに、上記端末装置において、前記記入情報に基づいて、データ開始点及びデータ終了点を特定する開始終了点特定手段をさらに備え、前記タップ判定手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離により、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定すると好適である。
【0027】
このように構成された端末装置によれば、まず、開始終了点特定手段が記入情報に基づき、データ開始点及びデータ終了点を特定する。そして、タップ判定手段は、開始終了点特定手段により特定されたデータ開始点及びデータ終了点に基づく時間及び/又は距離により、エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定する。これによれば、タップ判定手段は、データ開始点及びデータ終了点に基づく時間及び/又は距離により、利用者の記入したストロークがタップであるか否かを判定し、文字や図柄と区別することが可能となる。
【0028】
上記端末装置において、前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてあて先が記入されたエリアをあて先エリアに設定するあて先エリア設定手段と、前記あて先エリアに記入されたストロークデータと、前記あて先エリアを示す座標データ及びページアドレスとを含むあて先情報を送信するあて先情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、あて先エリアに記入されたストロークデータと、当該あて先エリアを示す座標データ及びページアドレスとをあて先情報として所定のサーバ等で記憶しておくことができる。よって、端末装置は、電子ペンが記入及び/又はタップにより取得した記入情報に含まれる座標データ及びページアドレスに基づいて、容易に対応するあて先情報を認識することが可能となる。
【0029】
上記端末装置において、前記記入情報に基づき、前記コード化パターンエリア上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、メッセージエリアに記入されたストロークデータと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとをメッセージ情報として所定のサーバ等で記憶しておくことができる。よって、端末装置は、電子ペン用媒体上の任意の位置と、当該位置に記入されたメッセージとを対応付けて記憶・管理することができる。
【0030】
上記端末装置において、前記端末装置は音声入力部を備え、前記メッセージエリアへの記入中に前記音声入力部により音声を入力する音声入力手段と、前記音声入力手段が入力した音声データと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む音声情報を送信する音声情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、メッセージエリアへの記入中に入力された音声データを、当該メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスに対応付けた音声情報として所定のサーバ等で記憶しておくことができる。よって、電子ペン用媒体上の任意の位置と、当該位置において入力された音声データとを対応付けて記憶・管理することができる。
【0031】
上記端末装置において、前記ファイル取得手段が取得したエリア定義情報ファイルと、前記メッセージエリアを示す座標データおよびページアドレスとを含む記入済ファイル情報を送信する記入済ファイル情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、エリア定義情報ファイルと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを対応付けて所定のサーバ等で記憶しておくことができる。
【0032】
上記端末装置において、前記端末装置は音声出力部を備え、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを送信する送信手段と、前記ページアドレス及び前記座標データに対応する音声データを取得する音声データ取得手段と、前記音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を前記音声出力部より出力する音声出力手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0033】
このように構成された端末装置において、音声データ取得手段は、記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに対応する音声データを取得する。そして、音声出力手段は、音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を音声出力部より出力する。これによれば、端末装置は、電子ペンにより電子ペン用媒体において任意の位置に記入及び/又はタップを行うと、当該位置に対応する音声データを取得し、音声を出力することができる。
【0034】
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、キー値を取得するキー取得手段と、前記電子ペンから前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、前記キー取得手段が取得したキー値と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアが設けられた前記コード化パターン上に置けるページを識別するページアドレスと、前記メッセージエリアを示す座標データとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0035】
この構成によれば、端末装置は、まずキー値を取得する。また、利用者が電子ペンにより電子ペン用媒体に記入及び/又はタップをすると、記入情報取得手段によって、端末装置は、電子ペンから電子ペン用媒体への記入及び/又はタップに対応する記入情報を取得する。そして、メッセージエリア設定手段は、記入情報取得手段が取得した記入情報に基づいて、コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定する。さらに、ストローク情報送信手段は、キー取得手段が取得したキー値と、メッセージエリアに記入されたストロークデータと、当該メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データとを含むストローク情報を送信する。つまり、所定のサーバは、キー値と、メッセージエリアに記入されたストロークデータと、当該メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データとを対応付けて記憶・管理することができる。
【0036】
上記端末装置において、前記端末装置は音声入力部を備え、前記メッセージエリアへの記入中に前記音声入力部により音声を入力する音声入力手段と、前記キー取得手段が取得したキー値と、前記音声入力手段が入力した音声データと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む音声情報を送信する音声情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。これによれば、メッセージエリアへの記入中に入力された音声データを、当該メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスと、キー値とに対応付けた音声情報として所定のサーバ等で記憶しておくことができる。よって、キー値と、電子ペン用媒体上の任意の位置と、当該位置において入力された音声データとを対応付けて記憶・管理することができる。
【0037】
上記電子ペンにおいて、前記端末装置は、記入済ファイルサーバと通信可能に接続されており、前記キー値取得手段が取得したキー値に対応する前記ストローク情報を取得するストローク情報取得手段と、前記ストローク情報取得手段が取得したストローク情報に基づいて、新たなエリア定義情報ファイルを作成するファイル作成手段と、前記ファイル作成手段が作成したエリア定義情報ファイルと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を前記記入済ファイルサーバに送信する記入済ファイル情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0038】
この構成によれば、端末装置は、まずキー値取得手段が取得したキー値に対応する1つ以上のストローク情報を取得し、ファイル作成手段により新たなエリア定義情報ファイルを作成する。そして、記入済ファイル情報送信手段は、ファイル作成手段が作成した新たなエリア定義情報ファイルと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を記入済ファイルサーバに送信する。これによれば、記入済ファイルサーバは、キー値が一致するエリア定義情報ファイルに基づいて作成した新たなエリア定義情報ファイルと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを対応付けたエリア定義情報ファイル情報を記憶・管理することができる。
【0039】
上記端末装置において、前記記入済ファイルサーバは、前記記入済ファイル情報に基づいて作成され、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスを対応付けた対応テーブルを記憶しており、前記端末装置は音声出力部を備え、前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを送信する送信手段と、前記ページアドレス及び前記座標データに基づいて前記対応テーブルを参照することにより抽出された音声データを取得する音声データ取得手段と、前記音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を前記音声出力部により出力する音声出力手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0040】
この構成によれば、端末装置の音声データ取得手段は、まず、記入情報取得手段が電子ペンから取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて、記入済ファイルサーバが記憶している対応テーブルを参照することで、対応する音声データを取得する。つまり、複数の音声データが付加された電子ペン用媒体であっても、当該電子ペン用媒体の任意の位置を電子ペンでタップ及び/又は記入することにより、ページアドレス及び座標データに基づいて対応テーブルを参照することで、当該位置に対応する音声データを取得することができる。音声出力手段は、音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を音声出力部により出力する。これによれば、複数の音声データが付加された電子ペン用媒体であっても、電子ペンは記入及び又はタップすることで容易に、任意の位置に対応する音声データを出力することができる。
【0041】
また、本発明に係るプログラムは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記コード化パターン上における所定のページを識別するページアドレスと、所定のエリアのコード化パターン上における座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段と、前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて前記定義情報を参照することで前記エリアを認識するエリア認識手段と、前記記入情報に基づいて、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定するタップ判定手段と、前記タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得するファイル取得手段として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【0042】
あるいは、別の発明に係るプログラムは、電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、キー値を取得するキー取得手段と、前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、前記キー取得手段が取得したキー値と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアが設けられた前記コード化パターン上に置けるページを識別するページアドレスと、前記メッセージエリアを示す座標データとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段として前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0043】
本発明に係る電子ペン、端末装置及びそれらに用いられるプログラムによれば、電子ペンの電子ペン用媒体に対する記入内容に応じて、電子ペン用媒体上の任意の位置に任意の容量の音声情報を付加することができる。また、電子ペン用媒体に対する記入内容を自由に編集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0045】
本実施形態の情報処理システムは、図1及び図2に示すように、電子ペン80と、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20と、端末装置85と、ペン所有者サーバ91と、ファイルサーバ92と、あて先サーバ93と、ストロークサーバ94と、音声サーバ95と、記入済ファイルサーバ96と、キー配布サーバ97とから構成される。端末装置85、ペン所有者サーバ91、ファイルサーバ92、あて先サーバ93、ストロークサーバ94、音声サーバ95、記入済ファイルサーバ96及びキー配布サーバ97は、ネットワーク2を介して通信可能に接続されている。ネットワーク2の好適な例はインターネットである。ここで、図1は電子ペン80の使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペン80の構成を示すブロック図である。
【0046】
専用ペーパー20には、ドットパターン(コード化パターン)が印刷されている。電子ペン80は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者が通常のインクペンと同様にペン先部17によって専用ペーパー20上に文字などを書くと、電子ペン80は、ペン先部17の移動軌跡に沿って、専用ペーパー20に印刷されたドットパターンを局所的、連続的に読み取り、専用ペーパー20におけるその局所位置の座標を算出し、その座標データ等に基づいて、入力文字を記憶したり、タップに応じた処理を行ったりする等、所定の処理を実行する。以下、各構成について詳細に説明する。
【0047】
なお、端末装置85は、ハードウェアとして、電子ペン80とのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、スピーカ、ディスプレイ等で構成される、PCや携帯電話、或いは携帯端末である。
【0048】
また、ペン所有者サーバ91、ファイルサーバ92、あて先サーバ93、ストロークサーバ94、音声サーバ95、記入済ファイルサーバ96及びキー配布サーバ97は、端末装置85や各サーバとのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、スピーカ、ディスプレイ等で構成されるサーバである。
【0049】
[ 専用ペーパー ]
まず、専用ペーパー20について説明する。専用ペーパー20は、用紙上にドットパターンが印刷され、さらにその上に罫線や記入枠などの図案や項目、文言、イラスト等が印刷されたものである。ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷される。また、図案等は、カーボンを含まない通常のインキにより印刷される。ドットパターンと図案等とは用紙に対して同時に印刷してもよいし、どちらを先に印刷してもよい。
【0050】
図3に、図案等が印刷された専用ペーパー20の例を示す。図3(a)は帳票31の例であり、図3(b)はサービス選択パレット32の例である。帳票31は、電子ペン80により所定のメッセージが記入されるものであって、図3(a)に示すように、対応するユーザエリアが定義されていないエリア定義情報ファイルを請求する請求処理が予め対応付けされた請求ボックス41を有している。エリア定義情報ファイルとは、ページ毎のユーザエリアの定義情報、即ちユーザエリアと、当該ユーザエリアのドットパターン上の位置座標との関係性を示す情報である。よって、ユーザエリアが定義されていないエリア定義情報ファイルとは、定義がされていない空のファイルのことである。サービス選択パレット32は、電子ペン80によりチェックマークを記入することで利用者がサービスを選択するものであって、図3(b)に示すように、「紙を郵送」、「メールで送信」、「寄書き」、「日記」及び「アルバム」といった各種サービスが印刷されており、各種サービスにそれぞれ対応付けられたボックスを有している。帳票31及びサービス選択パレット32には、それぞれ異なるドットパターンが印刷されており、ドットパターン上における所定のページを識別するページアドレスが割り当てられている。
【0051】
本実施形態において、帳票31には、図3(a)に示すようにページアドレス「10.30.65.2」が割り当てられ、サービス選択パレット32には、図3(b)に示すようにページアドレス「10.30.20.1」が割り当てられている。
【0052】
メッセージを記入する利用者は、帳票31を購入するとドットパターンを意識することなく、電子ペン80を使用して、エリア定義情報ファイルを請求するために請求ボタン41をタップ(電子ペン80のペン先部17の専用ペーパー(電子ペン用媒体20)への軽叩)する。また、利用者は、利用したいサービスを選択し、サービス選択パレット32において当該サービスに対応するボックスにチェックマークを記入する。そして、利用者は、電子ペン80を使用して所定のメッセージやメッセージのあて先などを帳票31に記入する。
【0053】
また、メッセージが記入された帳票31を受け取った利用者は、電子ペン80を使用して、帳票31上の任意の位置をタップする。
【0054】
[ ドットパターン ]
続いて、ドットパターンについて説明する。図4は、専用ペーパー20に印刷されたドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図である。図4に示すように、ドットパターンの各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトされているかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、専用ペーパー20上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0055】
図5(a)は、あるドットパターンの配列を示している。図5(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、専用ペーパー上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは位置座標(例えば、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)を保持している。図5(b)は、図5(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図5に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン80によって行われる。
【0056】
[ 電子ペン ]
次に電子ペン80について説明する。図2に示すように、電子ペン80は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16、圧力センサ18、スピーカ(音声出力部)19及びクロック22を備える。また、電子ペン80は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0057】
LED15は、電子ペン80のペン先付近に取り付けられており、専用ペーパー20上のペン先部17近傍(領域15a)に向けて、赤外線を照明する(図1参照)。領域15aは、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはわずかにずれている。カメラ16は、LED15によって照明された領域15a内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ11に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED15によって照射された赤外線は、ドットの部分でドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。したがって、カメラ16の撮影により、赤外線の反射量の違いから、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。たとえ撮影領域に罫線や枠などが印刷されてあったとしても、罫線や枠などのインクには、カーボンが含まれていないため、ドットパターンを認識することができる。なお、カメラ16による撮影領域は、図5(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、カメラ16の撮影は、毎秒50〜100回程度行われる。
【0058】
バッテリー14は電子ペン80内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン80のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン80自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。クロック22は、現在時刻(タイムスタンプ)を発信し、プロセッサ11に供給する。圧力センサ18は、利用者が電子ペン80により専用ペーパー20上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。
【0059】
プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン80で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかり、圧力センサ18によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ11は、利用者が記入を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動させる。
【0060】
プロセッサ11は、利用者の記入が行われる間、カメラ16によって供給される画像データのドットパターンから、利用者が記入するストロークの専用ペーパー20上でのX,Y座標(単に「座標データ」とも呼ぶ)を連続的に算出していく。すなわち、プロセッサ11は、カメラ16によって供給される、図5(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図5(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データを算出する。そしてプロセッサ11は、現在時刻(タイムスタンプ)を発信するクロック22から時間情報を取得し、その時間情報と、筆圧データ及びX,Y座標データとを関連付け、これらの情報を記入情報として取得する。さらに、プロセッサ11は、記入情報に基づいて所定の処理を実行する。ここで、一枚の専用ペーパー(電子ペン用媒体)20内の6×6のドットパターンは、その専用ペーパー20内で重複することはないため、利用者が電子ペン80で必要事項を記入したりタップしたりすると、その記入やタップが専用ペーパー20のどのユーザエリアに対応するものであるかを、座標データから特定することができる。
【0061】
メモリ12には、プロセッサ11によって記入情報が時系列で記憶されていく。また、詳細は後述するが、予め定義情報が記憶されている。メモリ12の容量は例えば1Mバイト〜2Gバイト程度とすることができる。
【0062】
スピーカ(音声出力部)19は、プロセッサ11による出力指示によって、専用ペーパー20へのタップに応じた音声データを再生出力する。
【0063】
マイク(音声入力部)23は、プロセッサ11による入力指示によって、専用ペーパー20への記入時に利用者が発生した音声を音声データとして入力する。
【0064】
データ通信ユニット13は、近傍にある端末装置85とデータの送受信を行う。データ通信ユニット13による送信は、Bluetooth(登録商標)の無線送信によると好適である。なお、USBケーブルを使用した有線送信、端子などの接触によるデータ送信など、他の方法によって、データ通信ユニット13から端末装置85へデータ送信を行ってもよい。
【0065】
ここで、電子ペン80及び各種サーバが有する機能について図6を参照して説明する。図6は、電子ペン80及び各種サーバの主要な構成を示す機能ブロック図である。
【0066】
まず、電子ペン80が有する機能について説明する。電子ペン80は、取得したX,Y座標データ等の記入情報に基づいて、専用アプリケーション50を実行することで所定の処理を行う。
【0067】
図6に示すように、電子ペン80は、機能的には、情報記憶手段101、記入情報取得手段102、エリア認識手段103、開始終了点特定手段104、タップ判定手段105、エリア設定手段106、ファイル作成手段107、音声入力手段108、音声出力手段109及びデータ通信手段110を備える。情報記憶手段101は、物理的には、ROMやRAMといったメモリ12によって構成され、記入情報取得手段102は、カメラ16、クロック22、プロセッサ11等によって構成される。音声入力手段108は、マイク23、プロセッサ11等によって構成され、音声出力手段109は、スピーカ19、プロセッサ11等によって構成される。また、エリア認識手段103、開始終了点特定手段104、タップ判定手段105、エリア設定手段106及びファイル作成手段107は、CPU等のプロセッサに組み込まれている。
【0068】
なお、エリア設定手段106は、あて先エリア設定手段及びメッセージエリア設定手段を有している。また、データ通信手段110は、ファイル取得手段、あて先情報送信手段、ストローク情報送信手段、音声情報送信手段、記入済ファイル情報送信手段、座標データ送信手段、音声データ取得手段及びキー取得手段を有している。
【0069】
情報記憶手段101は、定義情報を記憶するメモリ12である。定義情報は、図7に示すように、ページアドレスと、エリアIDと、ドットパターン上におけるエリアの位置座標を示す座標データと、サービス内容とを対応付けた情報である。すなわち、情報記憶手段101には、ページアドレスと、エリアIDと、座標データと、サービス内容とを対応付けた定義情報が記憶されている。ページアドレス「10.30.65.2」に関連して、エリアID「A01」、座標データ「(x11,y11)、H11、W11」及びサービス内容「ファイル請求」が記憶されている。また、ページアドレス「10.30.20.1」に関連して、エリアID「A02」、座標データ「(x12,y12)、H12、W12」及びサービス内容「紙を郵送」が記憶されている。各エリアの座標データを構成するデータ (xn,yn)、Hn、Wnは、図8に示すように、それぞれ、ドットパターン上における各エリアの頂点V(xn,yn)の座標、Y軸方向の高さ(Height)、X軸方向の幅(Width)を意味する。
【0070】
ページアドレス「10.30.65.2」で識別されるドットパターンが印刷されたものは帳票31であり、座標データ「(x11,y11)、H11、W11」が示すエリアID「A01」は請求ボックス41を表している。よって、定義情報では、ページアドレス「10.30.65.2」に関連して、エリアID「A01」、座標データ「(x11,y11)、H11、W11」及びサービス内容「ファイル請求」が記憶されている。一方、ページアドレス「10.30.20.1」で識別されるドットパターンが印刷されたものはサービス選択パレット32であり、座標データ「(x12,y12)、H12、W12」が示すエリア「A02」はサービス「紙を郵送」に対応付けされたボックスを表している。よって、定義情報では、ページアドレス「10.30.20.1」に関連して、エリアID「A02」、座標データ「(x12,y12)、H12、W12」及びサービス内容「紙を郵送」が記憶されている。
【0071】
さらに、情報記憶手段101は、記入情報取得手段102によって取得された記入情報を時系列に記憶する。
【0072】
記入情報取得手段102は、電子ペン80による専用ペーパー(電子ペン用媒体)20への記入内容に対応する記入情報を取得する手段である。記入情報取得手段102は、利用者の記入が行われる間、カメラ16によって供給される、図5(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図5(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データとを関連付け、これらの情報を記入情報として取得する。記入情報には、タップ(電子ペン80のペン先部17の専用ペーパー20への軽叩)、文字、記号、絵柄等を記入したときに取得する情報が含まれる。記入情報取得手段102は、帳票31及びサービス選択パレット32に記入されたメッセージやチェックマーク及びタップに対応する記入情報を取得する手段である。
【0073】
エリア認識手段103は、記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて、情報記憶手段101が記憶した定義情報(図7参照)を参照することにより、タップ又は記入が行われたユーザエリアを認識する。換言すると、タップ又は記入に基づく処理を実行するために、タップ又は記入が行われたユーザエリアを認識し、当該ユーザエリアに対応付けられたサービス内容を特定する。
【0074】
開始終了点特定手段104は、記入情報取得手段101が取得した記入情報に含まれるストロークのデータ開始点及びデータ終了点を特定してタップ判定手段105へ伝達する。具体的に、開始終了点特定手段104は、データ開始点及びデータ終了点それぞれの位置座標を示す座標データと記入時刻を特定する。タップ判定手段105は、開始終了点特定手段104によって特定されたデータ開始点及びデータ終了点における時間及び/又は両点間の移動距離に基づいて、利用者により記入されたストロークがタップであるか否かを判定する。
【0075】
具体的に、利用者により専用ペーパー(電子ペン用媒体)20に記入されたストロークがタップであるか否かを判定するにあたっては3つの方法が挙げられる。第1の方法として、タップ判定手段105は、データ終了点の記入時刻とデータ開始点の記入時刻の差分を算出し、当該差分が予め設定された所定時間(例えば、0.2秒)未満である場合にストロークがタップであると判定する。別の第2の方法として、タップ判定手段105は、座標データに基づいてデータ開始点とデータ終了点との間の移動距離(筆記された線の長さ)を算出し、当該移動距離が予め設定された所定距離未満である場合にストロークがタップであると判定するようにしてもよい。あるいは第3の方法として、データ開始点とデータ終了点における時間及び移動距離の両方に条件を付けて、ストロークがタップであるか否かを判定するようにしてもよい。
【0076】
エリア設定手段106は、あて先エリア設定手段及びメッセージエリア設定手段を有しており、記入情報取得手段102が取得した記入情報に基づいて、利用者による帳票31への記入ストロークのドットパターン上での位置情報を演算し、ユーザエリアとして設定する。具体的には、エリア設定手段106は、記入情報に含まれるX,Y情報よりX位置の最大値及び最小値、Y位置の最大値及び最小値に基づいて、帳票31への記入ストロークを内包するエリアを算出してユーザエリアの座標データとしてエリアIDを付与して、当該記入情報と対応付ける。座標データを構成するデータ(xn,yn)、Hn、Wnは、図8に示すように、それぞれドットパターン上における各エリアの頂点V(xn,yn)の座標、Y軸方向の高さ(Height)、X軸方向の幅(Width)を意味する。あて先エリア設定手段は、ドットパターン上において電子ペン80によりあて先が記入されたエリアをあて先エリアに設定する。メッセージエリア設定手段は、ドットパターン上において電子ペン80によりメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定する。
【0077】
ファイル作成手段107は、後述するキー値に基づいて、複数のエリア定義情報ファイルを1つに結合した新たなエリア定義情報ファイルを作成する。
【0078】
音声入力手段108は、メッセージエリア設定手段が設定したメッセージエリアへの記入中に、音声入力部(マイク)23により入力された音声データを取得する。
【0079】
音声出力手段109は、後述する音声データ取得手段が取得した音声データを音声出力部(スピーカ)19に再生出力させる。
【0080】
データ通信手段110は、ファイル取得手段、あて先情報送信手段、ストローク情報送信手段、音声情報送信手段、記入済ファイル情報送信手段、座標データ送信手段、音声データ取得手段及びキー取得手段を有しており、端末装置85とデータの送受信を行う。データ通信手段110は、電子ペン80にインストールする専用アプリケーション50等をダウンロードするために使用されてもよい。
【0081】
ファイル取得手段は、エリア認識手段103及びタップ判定手段105により請求ボックス41がタップされたと判定された場合に、所定の信号を発信し、ファイルサーバ92から、対応するユーザエリアが定義されていない空のエリア定義情報ファイルを取得する。なお、空のエリア定義情報ファイルにはユーザエリアが定義されていないが、ページアドレスの情報は有している。
【0082】
あて先情報送信手段は、記入情報取得手段102が取得した記入情報に基づいて、ペンIDと、あて先エリア設定手段が設定したあて先エリアに記入された記入情報とを含むあて先情報を、あて先サーバ93に送信する。あて先情報には、少なくともあて先エリアに記入されたストロークデータと、あて先エリアを示す座標データ及びページアドレスとが含まれている。
【0083】
ストローク情報送信手段は、記入情報取得手段102が取得した記入情報に基づいて、ペンIDと、メッセージエリア設定手段が設定したメッセージエリアに記入された記入情報とを含むストローク情報を、ストロークサーバ94に送信する。ストローク情報には、少なくともメッセージエリアに記入されたストロークデータと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとが含まれている。
【0084】
音声情報送信手段は、ペンIDと、メッセージエリアへの記入時刻を示す時間情報と、当該メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスと、音声入力手段108が取得した音声データとを含む音声情報を、音声サーバ95に送信する。
【0085】
記入済ファイル情報送信手段は、ペンIDと、ファイル取得手段が取得した空のエリア定義情報ファイルと、メッセージエリア設定手段が設定したメッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を、記入済ファイルサーバ96に送信する。換言すると、メッセージエリアと、当該メッセージエリアを示す座標データは、ここで空のエリア定義情報ファイルに書き込まれる。
【0086】
座標データ送信手段は、記入情報取得手段102が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを、記入済ファイルサーバ96へ送信する。
【0087】
音声データ取得手段は、座標データ送信手段が送信したページアドレス及び座標データに対応する音声データを、音声サーバ95から取得する。
【0088】
キー取得手段は、キー配布サーバ97からキー値を取得する。
【0089】
次に、各種サーバが有する機能について説明する。
【0090】
ペン所有者サーバ91は、機能的には、情報記憶手段111及びデータ通信手段112を備える。データ通信手段112は、端末装置85を通してペンID及びペン所有者の氏名、年齢、住所といったペン所有者情報を取得する。情報記憶手段111は、ペンIDに関連付けてペン所有者情報を記憶する。また、データ通信手段112は、必要に応じてペン所有者情報を端末装置85や各種サーバへ送信する。ペン所有者サーバ91は、専用アプリケーション51を実行することで所定の処理を行う。
【0091】
ファイルサーバ92は、機能的には、情報記憶手段121及びデータ通信手段122を備える。情報記憶手段121は、対応するユーザエリアが定義されていない空のエリア定義情報ファイルを記憶している。データ通信手段122は、端末装置85を介して電子ペン80から所定の信号を取得した場合に、情報記憶手段121に記憶している空のエリア定義情報ファイルを当該電子ペン80に送信する。ファイルサーバ92は、専用アプリケーション52を実行することで所定の処理を行う。
【0092】
あて先サーバ93は、機能的には、情報記憶手段131及びデータ通信手段132を備える。データ通信手段132は、端末装置85を介して電子ペン80から、ペンIDと、あて先エリアに記入された記入情報とを含むあて先情報を取得する。情報記憶手段131は、ペンID、記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに関連付けてあて先エリアに記入されたストロークデータを記憶する。このとき情報記憶手段131は、記入情報に含まれるストロークデータを記憶してもよいし、当該記入情報に基づいてHWRやOCR等による文字認識処理を実行することで認識した文字列を記憶してもよい。また、データ通信手段112は、必要に応じてあて先エリアに記入されたストロークデータや文字列を端末装置85や各種サーバへ送信する。なお、あて先サーバ93は、予めHWRやOCR等による文字認識処理を実行可能な文字認識エンジンを搭載しているものとする。あて先サーバ93は、専用アプリケーション53を実行することで所定の処理を行う。
【0093】
ストロークサーバ94は、機能的には、情報記憶手段141及びデータ通信手段142を備える。データ通信手段142は、端末装置85を介して電子ペン80から、ペンIDと、メッセージエリアに記入された記入情報とを含むストローク情報を取得する。情報記憶手段141は、ペンID、記入情報に含まれる時間情報、筆圧データ、ページアドレス及び座標データに関連付けてメッセージエリアに記入されたストロークデータを記憶する。また、データ通信手段142は、必要に応じてメッセージエリアに記入されたストロークデータを端末装置85や各種サーバへ送信する。ストロークサーバ94は、専用アプリケーション54を実行することで所定の処理を行う。
【0094】
音声サーバ95は、機能的には、情報記憶手段151及びデータ通信手段152を備える。データ通信手段152は、端末装置85を介して電子ペン80から、ペンIDと、メッセージエリアへの記入時刻を示す時間情報と、メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データと、音声データとを含む音声情報を取得する。情報記憶手段151は、ペンID、時間情報、ページアドレス及び座標データに関連付けて音声データを記憶する。また、データ通信手段152は、必要に応じて音声データを端末装置85や各種サーバへ送信する。音声サーバ95は、専用アプリケーション55を実行することで所定の処理を行う。
【0095】
記入済ファイルサーバ96は、機能的には、情報記憶手段161及びデータ通信手段162を備える。データ通信手段162は、端末装置85を介して電子ペン80から、ペンIDと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスと、エリア定義情報ファイルとを含む記入済ファイル情報を取得する。情報記憶手段161は、ペンID、座標データ及びページアドレスに関連付けてエリア定義情報ファイルを記憶する。なお、座標データ及びページアドレスはエリア定義情報ファイルに書き込まれている。また、データ通信手段162は、必要に応じてエリア定義情報ファイルを端末装置85や各種サーバへ送信する。記入済ファイルサーバ96は、専用アプリケーション56を実行することで所定の処理を行う。
【0096】
キー配布サーバ97は、機能的には、情報記憶手段171及びデータ通信手段172を備える。データ通信手段172は、端末装置85を通じてあて先、記入期限及びキー配布者のペンIDといいったキー配布者に関する情報を取得する。情報記憶手段171は、あて先、記入期限及びキー配布者のペンIDに関連付けて識別可能なキー値を記憶する。また、データ通信手段172は、端末装置85を介してキー配布者のペンIDが示す電子ペン80へ当該キー値を送信する。キー配布サーバ97は、専用アプリケーション57を実行することで所定の処理を行う。
【0097】
電子ペン80及び各種サーバは、専用アプリケーションがインストールされることにより、上述の各手段が構成される。
【0098】
[ 専用アプリケーション ]
次に、専用アプリケーションについて図9を参照して説明する。図9は、専用アプリケーションのモジュール構成を示す。
【0099】
まず、電子ペン80にインストールされている専用アプリケーション50について説明する。専用アプリケーション50は、電子ペン80が専用ペーパー20に記入した内容に対応するデジタルデータである記入情報に基づいて所定の処理を実行するものであって、ダウンロード等により予め電子ペン80にインストールされている。専用アプリケーション50は、原則として専用ペーパー20に対応付けられている。つまり、専用ペーパー20の種類が異なれば、その種類に応じて各専用ペーパー20に記入されたデータを処理する専用アプリケーション50は異なる。しかし、専用ペーパー20と専用アプリケーションの対応は必ずしも1対1である必要はなく、複数種類の専用ペーパー20に1つの専用アプリケーションを対応付けてデータを処理させてもよい。また、1種類の専用ペーパー20に複数の専用アプリケーションを対応付けてデータを処理させてもよい。
【0100】
図9に示すように、専用アプリケーション50は、情報記憶モジュール201、記入情報取得モジュール202、エリア認識モジュール203、開始終了点特定モジュール204、タップ判定モジュール205、エリア設定モジュール206、ファイル作成モジュール207、音声入力モジュール208、音声出力モジュール209及びデータ通信モジュール210を有する。
【0101】
情報記憶モジュール201は、情報記憶手段101に対して、図7に示す定義情報を記憶させるモジュールである。また、情報記憶モジュール201は、情報記憶手段101に対して、記入情報取得モジュール202が取得した記入情報を時系列に記憶させる。
【0102】
記入情報取得モジュール202は、記入情報取得手段102を用いて、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20への電子ペン80による記入に対応する記入情報(タップ情報を含む)を取得する機能を有するモジュールである。記入情報取得モジュール202は、帳票31に記入されたメッセージやサービス選択パレット32に記入されたチェックマークに対応する記入情報を取得する。
【0103】
エリア認識モジュール203は、記入情報取得モジュール202の実行によって取得された記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて情報記憶手段101に記憶されている定義情報(図7参照)を参照することにより、記入が行われたユーザエリアを認識するモジュールである。また、エリア認識モジュール203は、当該認識した情報を情報記憶手段101に一時記憶させるとともに開始終了点特定手段104へ伝達する機能を有し、電子ペン80にエリア認識手段103を構成させる。
【0104】
開始終了点特定モジュール204は、記入情報取得モジュール202の実行によって取得された記入情報に含まれるストロークのデータ開始点及びデータ終了点それぞれの座標データ及び記入時刻と特定してタップ判定手段105へ伝達する機能を有し、電子ペン80に開始終了点特定手段104を構成させるモジュールである。
【0105】
タップ判定モジュール205は、開始終了点特定モジュール204の実行により特定されたデータ開始点及びデータ終了点における時間及び/又は両点間の移動距離に基づいて、利用者により帳票31に記入されたストロークがタップであるか否かを判定する機能を有し、電子ペン80にタップ判定手段105を構成させるモジュールである。
【0106】
エリア設定モジュール206は、情報記憶手段101に記憶された記入情報に基づいて、利用者による帳票31への記入ストロークを内包するエリアを算出してユーザエリアの座標データとし、エリアIDを付与して当該記入情報と対応付ける機能を有し、電子ペン80にあて先エリア設定手段及びメッセージエリア設定手段を構成させるモジュールである。
【0107】
ファイル作成モジュール207は、データ通信手段110が取得したキー値に基づいて、複数のエリア定義情報ファイルを1つに結合した新たなエリア定義情報ファイルを作成する機能を有し、電子ペン80にファイル作成手段107を構成させるモジュールである。
【0108】
音声入力モジュール208は、メッセージエリア設定手段が設定したメッセージエリアへの記入中に、音声入力部(マイク)23により入力された音声データを取得する機能を有し、電子ペン80に音声入力手段108を構成させるモジュールである。
【0109】
音声出力モジュール209は、音声データ取得手段が取得した音声データを音声出力部(スピーカ)19に再生出力させる機能を有し、電子ペン80に音声出力手段109を構成させるモジュールである。
【0110】
データ通信モジュール210は、端末装置85とデータの送受信を行う機能を有し、電子ペン80にファイル取得手段、あて先情報送信手段、ストローク情報送信手段、音声情報送信手段、記入済ファイル情報送信手段、座標データ送信手段、音声データ取得手段及びキー取得手段を構成させるモジュールである。
【0111】
次に、各種サーバにインストールされている専用アプリケーションについて説明する。
【0112】
ペン所有者サーバ91にインストールされている専用アプリケーション51は、情報記憶モジュール211及びデータ通信モジュール212を有する。情報記憶モジュール211は、ペンIDに関連付けてペン所有者情報を記憶する機能を有し、ペン所有者サーバ91に情報記憶手段111を構成させるモジュールである。データ通信モジュール212は、端末装置85を通してペン所有者情報を取得する機能を有し、ペン所有者サーバ91にデータ通信手段112を構成させるモジュールである。
【0113】
ファイルサーバ92にインストールされている専用アプリケーション52は、情報記憶モジュール221及びデータ通信モジュール222を有する。情報記憶モジュール221は、対応するユーザエリアが定義されていないエリア定義情報ファイルを記憶する機能を有し、ファイルサーバ92に情報記憶手段121を構成させるモジュールである。データ通信モジュール222は、端末装置85を介して電子ペン80から所定の信号を取得した場合に、情報記憶手段121に記憶しているエリア定義情報ファイルを当該電子ペン80に送信する機能を有し、ファイルサーバ91にデータ通信手段122を構成させるモジュールである。
【0114】
あて先サーバ93にインストールされている専用アプリケーション53は、情報記憶モジュール231及びデータ通信モジュール232を有する。情報記憶モジュール231は、ペンID、データ通信手段132が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに関連付けてあて先エリアに記入されたストロークデータを記憶する機能を有し、あて先サーバ93に情報記憶手段131を構成させるモジュールである。データ通信モジュール232は、端末装置85を介して電子ペン80から、ペンIDと、あて先エリアに記入された記入情報とを含むあて先情報を取得する機能を有するほか、必要に応じてあて先エリアに記入されたストロークデータや文字列を端末装置85や各種サーバへ送信する機能を有し、あて先サーバ93にデータ通信手段132を構成させるモジュールである。
【0115】
ストロークサーバ94にインストールされている専用アプリケーション54は、情報記憶モジュール241及びデータ通信モジュール242を有する。情報記憶モジュール241は、ペンID、データ通信手段142が取得した記入情報に含まれる時間情報、筆圧データ、ページアドレス及び座標データに関連付けてメッセージエリアに記入されたストロークデータを記憶する機能を有し、ストロークサーバ94に情報記憶手段142を構成させるモジュールである。データ通信モジュール212は、端末装置85を介して電子ペン80から、ペンIDと、メッセージエリアに記入された記入情報とを含むストローク情報を取得する機能を有するほか、必要に応じてメッセージエリアに記入されたストロークデータを端末装置85や各種サーバへ送信する機能を有し、ストロークサーバ94にデータ通信手段142を構成させるモジュールである。
【0116】
音声サーバ95にインストールされている専用アプリケーション55は、情報記憶モジュール251及びデータ通信モジュール252を有する。情報記憶モジュール251は、データ通信手段152が取得した音声情報に基づき、ペンID、時間情報、ページアドレス及び座標データに関連付けて音声データを記憶する機能を有し、音声サーバ95に情報記憶手段151を構成させるモジュールである。データ通信モジュール252は、端末装置85を介して電子ペン80から、ペンIDと、メッセージエリアへの記入時刻を示す時間情報と、メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データと、音声データとを含む音声情報を取得する機能を有するほか、必要に応じて音声データを端末装置85や各種サーバへ送信する機能を有し、音声サーバ95にデータ通信手段152を構成させるモジュールである。
【0117】
記入済ファイルサーバ96にインストールされている専用アプリケーション56は、情報記憶モジュール261及びデータ通信モジュール262を有する。情報記憶モジュール261は、データ通信手段162が取得した記入済ファイル情報に基づき、ペンID、座標データ及びページアドレスに関連付けてエリア定義情報ファイルを記憶する機能を有し、記入済ファイルサーバ96に情報記憶手段161を構成させるモジュールである。データ通信モジュール262は、端末装置85を介して電子ペン80から、ペンIDと、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスと、エリア定義情報ファイルとを含む記入済ファイル情報を取得する機能を有するほか、必要に応じてエリア定義情報ファイルを端末装置85や各種サーバへ送信する機能を有し、記入済ファイルサーバ96にデータ通信手段162を構成させるモジュールである。
【0118】
キー配布サーバ97にインストールされている専用アプリケーション57は、情報記憶モジュール271及びデータ通信モジュール272を備える。情報記憶モジュール271は、データ通信手段172が取得した情報に基づいて、あて先、記入期限及びキー配布者のペンIDに関連付けて識別可能なキー値を記憶する機能を有し、キー配布サーバ97に情報記憶手段171を構成させるモジュールである。データ通信モジュール272は、端末装置85を通じてあて先、記入期限及びキー配布者のペンIDといったキー配布者に関する情報を取得する機能を有するほか、端末装置85を介してキー配布者のペンIDが示す電子ペン80へ当該キー値を送信する機能を有し、キー配布サーバ97にデータ通信手段172を構成させるモジュールである。
【0119】
[ 本情報処理システムによる処理フロー ]
まず、本実施形態の情報処理システムにより行われるファイル取得処理フローについて図10乃至図12を参照して説明する。図10はペン所有者情報の登録を説明する図であり、図11はエリア定義情報ファイルの取得を説明する図である。図12は、ファイル取得処理のフローチャートである。
【0120】
電子ペン80を購入した利用者は、図10に示すように、端末装置85を使用して、ペンID及びペン所有者の氏名、年齢、住所といったペン所有者情報をペン所有者サーバ91へ送信する。ペン所有者サーバ91は、データ通信手段112によって端末装置85から情報を取得し、ペンIDに関連付けてペン所有者情報を情報記憶手段111に記憶することでペン所有者情報の登録を行う。
【0121】
サービスを利用する利用者は、ドットパターンが印刷されている帳票31及びサービス選択パレット32を購入する。なお、本実施形態において、利用者間で手書きのメッセージをやりとりするサービスは、利用者「田中太郎」が利用者「清水次郎」に手書きのメッセージを送るものとする。
【0122】
田中太郎は、図11に示すように、ページアドレス「10.30.65.2」の帳票31a及びページアドレス「10.30.20.1」のサービス選択パレット32aを購入する。そして、田中太郎は、電子ペン80aのペン先部17により、帳票31a上に設けられた請求ボックス41をタップする。すると、電子ペン80aは、記入情報取得手段102によって、帳票31aへのタップに対応する座標データ、ページアドレス、時間情報及び筆圧データを記入情報として取得し、情報記憶手段101に記憶するとともにエリア認識手段103へ伝達する(ステップS1)。続いて、エリア認識手段103は、記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて、情報記憶手段101に記憶された定義情報を参照することで、対応するユーザエリア(エリアID「A01」、サービス内容「ファイル請求」)を認識する(ステップS2)。エリア認識手段103は、認識したユーザエリアがエリアID「A01」、サービス内容「ファイル請求」の請求ボックス41であると判定した場合(ステップS3;イエス)、認識した情報を情報記憶手段101に一時記憶させるとともに開始終了点特定手段104へ伝達する。一方、エリア認識手段103は、認識したユーザエリアが請求ボックス41ではないと判定した場合(ステップS3;ノー)、ファイル取得処理を終了する。
【0123】
開始終了点特定手段104は、記入情報取得手段102によって取得された記入情報に含まれるストロークのデータ開始点及びデータ終了点それぞれにおける座標データ及び記入時刻を特定して、タップ判定手段105へ伝達する(ステップS4)。続いて、タップ判定手段105は、データ開始点及びデータ終了点における時間及び/又は両点間の移動距離に基づいて、エリア認識手段103により認識されたユーザエリア、即ち請求ボックス41へのタップが行われたか否かを判定する(ステップS5)。タップ判定手段105により請求ボックス41へのタップが行われていないと判定された場合(ステップS5;ノー)、ファイル取得処理を終了する。一方、タップ判定手段105により請求ボックス41へのタップが行われたと判定された場合(ステップS5;イエス)、データ通信手段110はエリア定義情報ファイルを請求する所定の信号をファイルサーバ92へ送信する(ステップS6)。ファイルサーバ92は、当該信号を取得すると、対応するユーザエリアが定義されていない空のエリア定義情報ファイル(10.32.65.02.pad)を情報記憶手段121から抽出し、データ通信手段122により電子ペン80へ送信する(ステップS7)。電子ペン80は、ファイル取得手段により空のエリア定義情報ファイルを取得し、ファイル取得処理を完了する(ステップS8)。
【0124】
続いて、本実施形態の情報処理システムにより行われるサービス特定処理フローについて図11及び図13を参照して説明する。図13は、サービス特定処理のフローチャートである。
【0125】
田中太郎は、図11に示すように、電子ペン80aのペン先部17により、サービス選択パレット32a上に設けられたボックスの中から、自身が利用したいサービスに対応するものにチェックマークを記入する。すると、電子ペン80aは、記入情報取得手段102によって、サービス選択パレット32aへの記入に対応する座標データ、ページアドレス、時間情報及び筆圧データを記入情報として取得し、情報記憶手段101に記憶するとともにエリア認識手段103へ伝達する(ステップS11)。続いて、エリア認識手段103は、記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて、情報記憶手段101に記憶された定義情報を参照することで、対応するユーザエリア(エリアID「A02」、サービス内容「紙を郵送」)を認識する(ステップS12)。このようにして、エリア認識手段103は、田中太郎が利用するサービス内容「紙を郵送」を特定し、サービス特定処理を完了する(ステップS13)。
【0126】
続いて、本実施形態の情報処理システムにより行われる登録処理フローについて図14及び図15を参照して説明する。図14は、あて先情報、ストローク情報、音声情報及びエリア定義情報ファイルの登録を説明する図である。図15は、登録処理のフローチャートである。
【0127】
田中太郎は、図14に示すように、電子ペン80aのペン先部17により、帳票31aにあて先「清水次郎」及びメッセージ「結婚おめでとう、幸せにね」を記入する。また、メッセージを記入する際に電子ペン80aの音声入力部(マイク)23にむかって、音声「いろいろ喧嘩もしたそうだけどとにかくめでたい」を吹き込む。すると、電子ペン80aは、記入情報取得手段102によって、帳票31aへの記入に対応する座標データ、ページアドレス、時間情報及び筆圧データを記入情報として取得し、情報記憶手段101に記憶させるとともにエリア設定手段106へ伝達する(ステップS20)。また、電子ペン80aは、音声入力手段108によって、メッセージを記入する際に吹き込まれた音声を音声データとして取得し、情報記憶手段101に記憶するとともに音声情報送信手段へ伝達する(ステップS21)。
【0128】
エリア設定手段106のあて先エリア設定手段は、情報記憶手段101に記憶されている帳票31aへの記入に対応する記入情報に基づいて、あて先の記入に対応する記入ストロークの帳票31a上での位置情報を演算し、当該記入ストロークを内包するエリアの座標データ「(xn,yn)、Hn、Wn」を算出してユーザエリアとしてエリアIDを付与し、当該記入情報と対応付けるとともにあて先情報送信手段へ伝達する。即ち、あて先エリアを設定する。さらに、メッセージエリア設定手段は、メッセージの記入に対応する記入ストロークの帳票31a上での位置情報を演算し、当該記入ストロークを内包するエリアの座標データを算出してユーザエリアとしてエリアIDを付与し、当該記入情報と対応付けるとともにストローク情報送信手段に伝達する。即ち、メッセージエリアを設定する(ステップS22)。
【0129】
あて先情報送信手段は、記入情報取得手段102が取得した記入情報に基づいて、ペンIDと、あて先エリアを示すページアドレス及び座標データと、あて先エリアに記入された記入情報とを含むあて先情報を、あて先サーバ93に送信する(ステップS23)。あて先サーバ93は、図14に示すように、データ通信手段132によりあて先情報を取得し、あて先情報に基づいて情報記憶手段131によりペンID、あて先エリアを示すページアドレス及び座標データに関連付けて当てあて先エリアに記入されたストロークデータを記憶する。即ち、あて先サーバ93は、情報記憶手段131にあて先情報を登録する(ステップS24)。
【0130】
ストローク情報送信手段は、記入情報取得手段102が取得した記入情報に基づいて、ペンIDと、メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データと、メッセージエリアに記入された記入情報とを含むストローク情報を、ストロークサーバ94に送信する(ステップS25)。ストロークサーバ94は、図14に示すように、データ通信手段142によりストローク情報を取得し、ストローク情報に基づいて情報記憶手段141によりペンID、記入情報に含まれる時間情報、筆圧データ、メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データに関連付けてメッセージエリアに記入されたストロークデータを記憶する。即ち、ストロークサーバ94は、情報記憶手段141にストローク情報を登録する(ステップS26)。
【0131】
音声情報送信手段は、記入情報取得手段102が取得した記入情報に基づいて、ペンIDと、メッセージエリアへの記入時刻を示す時間情報と、当該メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスと、音声入力手段108が取得した音声データとを含む音声情報を、音声サーバ95に送信する(ステップS27)。音声サーバ95は、図14に示すように、データ通信手段152により音声情報を取得し、音声情報に基づいて情報記憶手段151によりペンID、時間情報、ページアドレス及び座標データに関連付けて音声データを記憶する。即ち、音声サーバ95は、情報記憶手段151に音声情報を登録する(ステップS28)。
【0132】
そして、記入済ファイル情報送信手段は、ペンIDと、ファイル取得手段が取得した空のエリア定義情報ファイル(10.32.65.02.pad)と、メッセージエリア設定手段が設定したメッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を、記入済ファイルサーバ96に送信する(ステップS29)。ここで、メッセージエリアと、当該メッセージエリアを示す座標データとが空のエリア定義情報ファイルに書き込まれる。記入済ファイルサーバ96は、図14に示すように、データ通信手段162により記入済ファイル情報を取得し、記入済ファイル情報に基づいて情報記憶手段161によりペンID、座標データ及びページアドレスに関連付けてエリア定義情報ファイルを記憶する。即ち、記入済ファイル情報送信手段は、情報記憶手段161にエリア定義情報ファイルを登録する(ステップS30)。なお、座標データ及びページアドレスは、エリア定義情報ファイルに書き込まれている。これにより、登録処理は完了する。
【0133】
続いて、本実施形態の情報処理システムにより行われる第1出力処理フローについて図16及び図17を参照して説明する。図16は、紙で郵送するサービスにおける出力処理を説明する図である。図17は、第1出力処理のフローチャートである。
【0134】
サービス特定処理において、エリア認識手段103がサービス内容「紙を郵送」に対応するユーザエリアを認識した場合、田中太郎により記入された帳票31aは、図16に示すように、あて先情報が有するあて先に郵送される。
【0135】
あて先である清水次郎は、図16に示すように、自身が所有する電子ペン80bのペン先部17により、郵送されてきた帳票31aをタップする。すると、電子ペン80bは、記入情報取得手段102によって、帳票31aへのタップに対応する座標データ、ページアドレス、時間情報及び筆圧データを記入情報として取得し、情報記憶手段101に記憶する(ステップS31)。続いて、データ通信手段110の座標データ送信手段は、記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを音声サーバ95へ送信する(ステップS32)。
【0136】
音声サーバ95のデータ通信手段152は、電子ペン80bの座標データ送信手段からページアドレス及び座標データを取得する(ステップS33)。音声サーバ95は、データ通信手段152が取得したページアドレス及び座標データに基づいて、情報記憶手段151から対応する音声データを抽出する(ステップS34)。そして、データ通信手段152は、抽出した音声データを電子ペン80bへ送信する(ステップS35)。
【0137】
電子ペン80bの音声データ取得手段は、音声サーバ95のデータ通信手段152から音声データを取得する(ステップS36)。音声出力手段109は、音声データ取得手段が取得した音声データに基づいて音声を出力する(ステップS37)。即ち、あて先である清水次郎がタップした帳票31aの特定のユーザエリアに対応する音声を出力する。これにより、第1音声出力処理は完了する。
【0138】
さらに、本実施形態の情報処理システムにより行われる第2出力処理フローについて図18及び図19を参照して説明する。図18は、メールで送信するサービスにおける出力処理を説明する図である。図19は、第2出力処理のフローチャートである。
【0139】
サービス特定処理において、エリア認識手段103がサービス内容「メールで送信」に対応するユーザエリアを認識した場合、メールサーバは、記入済ファイルサーバ96に基づいて、ストロークサーバ94に登録したストローク情報を参照する(ステップS41)。また、メールサーバは、記入済ファイルサーバ96に基づいて、音声サーバ95に登録した音声情報を参照する(ステップS42)。さらに、メールサーバは、記入済ファイルサーバ96に基づいて、あて先サーバ93に登録したあて先情報を参照する(ステップS43)。そして、メールサーバは、あて先情報に基づいて、ストローク情報及び音声情報を、図18に示すように、あて先である清水次郎が所有する端末装置85bへメールにて送信する(ステップS44)。
【0140】
清水次郎は、自身が所有する端末装置85bにてメールを受信し、開封する(ステップS45)。端末装置85bは、メールにて受信したストローク情報及び音声情報に基づいて画像及び音声を出力する(ステップS46)。これにより、第2音声出力処理は完了する。
【0141】
ここで、本実施形態の情報処理システムにより行われるキー配布処理フローについて図20及び21を参照して説明する。図20は、サービス内容「寄書き」におけるキーの配布を説明する図である。図21は、キー配布処理のフローチャートである。なお、本実施形態において、複数の利用者による手書きのメッセージを寄書きとしてやりとりするサービスは、利用者「田中太郎」、「吉野由子」及び「柴田村雄」による手書きのメッセージを寄書きとして、利用者「清水次郎」に送るものとする。
【0142】
田中太郎は、まず、端末装置85aを使用して図20に示すように、寄書きの記入期限(2007年7月25日)、あて先(清水次郎)、記入者(田中太郎、吉野由子、柴田村雄)に関する情報を入力する。ここで、記入者とは、後述するキー値が配布されるキー配布者のことである。換言すると、端末装置85aは、寄書きの記入期限、あて先、記入者に関する情報を取得する(ステップS51)。そして、端末装置85aは、寄書きの記入期限、あて先、記入者に関する情報をキー配布サーバ97に送信する(ステップS52)。
【0143】
キー配布サーバ97のデータ通信手段172は、端末装置85aから、記入期限、あて先及び記入者に関する情報を取得する。続いて、データ通信手段172は、取得した記入者に関する情報に基づいて、ペン所有者サーバ91から、キー配布者に対応するペンIDを取得する。さらに、情報記憶手段171は、記入期限、あて先、キー配布者のペンIDに関連付けて識別可能なキー値を記憶する。即ち、情報記憶手段171に記入期限、あて先、キー配布者のペンIDを登録する(ステップS53)。そして、データ通信手段172は、端末装置85を介して、キー配布者のペンIDが示す電子ペン80へ当該キー値を送信する。具体的に、図20の例では、データ通信手段172は、端末装置85aを介して、ペンID「13425」である田中太郎の電子ペン80aにキー値「xcx123」を送信する。同様に、データ通信手段172は、端末装置85cを介して、ペンID「12346」である吉野由子の電子ペン80cにキー値「xcx123」を送信する。さらに、データ通信手段172は、端末装置85dを介して、ペンID「12347」である柴田村雄の電子ペン80dにキー値「xcx123」を送信する。即ち、データ通信手段172は、キー配布者にキー値を配布する(ステップS54)。電子ペン80a、80c及び80dがキー値を取得することによりキー配布処理は完了する(ステップS55)。
【0144】
続いて、本実施形態の情報処理システムにより行われる登録処理(寄書き)フローについて図20及び図22乃至24を参照して説明する。図22は、サービス内容「寄書き」におけるストローク情報及び音声情報の登録を説明する図であり、図23は、結合ファイルの登録を説明する図である。図24は、登録処理(寄書き)のフローチャートである。
【0145】
キー配布者は、それぞれ帳票31及びページアドレス「10.30.20.1」のサービス選択パレット32を購入する。そして、キー配布者は、自身の電子ペン80のペン先部17により、帳票31上に設けられた請求ボックス41をタップする。これにより、上述のファイル取得処理が実行される。さらに、キー配布者は、それぞれサービス選択パレット32上に設けられたボックスの中から「寄書き」にチェックマークを記入する。これにより、上述のサービス特定処理が実行される。なお、ファイル取得処理及びサービス特定処理の詳細は、上述と同様であるため便宜上省略する。
【0146】
続いて、キー配布者は、それぞれ自身の電子ペン80のペン先部17により、帳票31にメッセージを記入する。また、メッセージを記入する際に電子ペン80の音声入力部(マイク)23にむかって、音声を吹き込む。具体的には図20に示すように、田中太郎は、電子ペン80aのペン先部17により、ページアドレス「10.32.65.02」の帳票31aにメッセージ「幸せにな」を記入する。また、メッセージを記入する際に電子ペン80aの音声入力部(マイク)23にむかって、音声「ご結婚おめでとう。いいダンナみつけたね。」を吹き込む。吉野由子及び柴田村雄も図20に示すように、メッセージを記入し、音声を吹き込む。
【0147】
すると、電子ペン80は、記入情報取得手段102によって、帳票31への記入に対応する座標データ、ページアドレス、時間情報及び筆圧データを記入情報として取得し、情報記憶手段101に記憶させるとともにエリア設定手段106へ伝達する(ステップS60)。また、電子ペン80は、音声入力手段108によって、メッセージを記入する際に吹き込まれた音声を音声データとして取得し、情報記憶手段101に記憶するとともに音声情報送信手段へ伝達する(ステップS61)。
【0148】
エリア設定手段106のメッセージエリア設定手段は、情報記憶手段101に記憶されている帳票31への記入に対応する記入情報に基づいて、メッセージの記入に対応する記入ストロークの帳票31上での位置情報を演算し、当該記入ストロークを内包するエリアの座標データを算出してユーザエリアとしてエリアIDを付与し、当該記入情報と対応付けるとともにストローク情報送信手段に伝達する。即ち、メッセージエリアを設定する(ステップS62)。
【0149】
ストローク情報送信手段は、記入情報取得手段102が取得した記入情報に基づいて、ペンIDと、メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データと、メッセージエリアに記入された記入情報とを含むストローク情報を、ストロークサーバ94に送信する(ステップS63)。ストロークサーバ94は、図22(a)に示すように、データ通信手段142によりストローク情報を取得し、ストローク情報に基づいて情報記憶手段141によりキー値、ペンID、記入情報に含まれる時間情報、筆圧データ、メッセージエリアを示すページアドレス及び座標データに関連付けてメッセージエリアに記入されたストロークデータを記憶する。即ち、ストロークサーバ94は、情報記憶手段141にストローク情報を登録する(ステップS64)。
【0150】
音声情報送信手段は、記入情報取得手段102が取得した記入情報に基づいて、ペンIDと、メッセージエリアへの記入時刻を示す時間情報と、当該メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスと、音声入力手段108が取得した音声データとを含む音声情報を、音声サーバ95に送信する(ステップS65)。音声サーバ95は、図22(b)に示すように、データ通信手段152により音声情報を取得し、音声情報に基づいて情報記憶手段151によりキー値、ペンID、時間情報、ページアドレス及び座標データに関連付けて音声データを記憶する。即ち、音声サーバ95は、情報記憶手段151に音声情報を登録する(ステップS66)。
【0151】
そして、記入済ファイル情報送信手段は、キー値と、ペンIDと、ファイル取得手段が取得した空のエリア定義情報ファイルと、メッセージエリア設定手段が設定したメッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を、記入済ファイルサーバ96に送信する(ステップS68)。具体的に田中太郎が使用する電子ペン80aの記入済ファイル情報送信手段は、キー値「xcx123」と、ペンID「13425」と、エリア定義情報ファイル(10.32.65.02.pad)と、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を、記入済ファイルサーバ96に送信する。また、吉野由子が使用する電子ペン80cの記入済ファイル情報送信手段は、キー値「xcx123」と、ペンID「12346」と、エリア定義情報ファイル(10.30.12.32.pad)と、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を、記入済ファイルサーバ96に送信する。また、柴田村雄が使用する電子ペン80dの記入済ファイル情報送信手段は、キー値「xcx123」と、ペンID「12347」と、エリア定義情報ファイル(10.30.32.02.pad)と、メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を、記入済ファイルサーバ96に送信する。
【0152】
記入済ファイルサーバ96は、図23に示すように、データ通信手段162により記入済ファイル情報を取得し、記入済ファイル情報に基づいて情報記憶手段161によりキー値、ペンID、座標データ及びページアドレスに関連付けてエリア定義情報ファイルを記憶する。即ち、記入済ファイル情報送信手段は、情報記憶手段161にエリア定義情報ファイルを登録する(ステップS69)。
【0153】
電子ペン80のファイル作成手段107は、図23に示すようにエリア定義情報ファイル生成アプリケーションにより、記入済ファイルサーバ92を参照し、キー値「xcx123」が一致する複数のエリア定義情報ファイルを1つに結合した結合ファイル(10.12.12.13.pad)を作成する(ステップS70)。このとき、エリア定義情報ファイル生成アプリケーションは、田中太郎、吉野由子及び柴田村雄のストロークがかぶらないように、ユーザエリア(メッセージエリア)を自動で定義した上で結合ファイルを作成する。続いて、ファイル作成手段107は、結合ファイルに基づいてストロークサーバ96のストローク情報を参照することにより、プリンタで図示のような寄書き帳票33を印刷する(ステップS71)。記入済エリア定義情報ファイル送信手段は、キー値「xcx123」と、結合ファイルとを含む結合ファイル情報を、記入済ファイルサーバ96に送信する(ステップS72)。
【0154】
記入済ファイルサーバ96は、図23に示すように、データ通信手段162により結合ファイル情報を取得し、結合ファイル情報に基づいて情報記憶手段161によりキー値に関連付けてエリア定義情報ファイルを記憶する。即ち、記入済ファイル情報送信手段は、情報記憶手段161に結合ファイルを登録する(ステップS73)。これにより、登録処理(寄書き)は完了する。
【0155】
続いて、本実施形態の情報処理システムにより行われる寄書き出力処理フローについて図25及び26を参照して説明する。図25は、郵送により取得した寄書き帳票33が電子ペン80でタップされることにより音声を出力する寄書き出力処理を説明する図である。図26は、寄書き出力処理のフローチャートである。
【0156】
登録処理(寄書き)においてファイル作成手段107がプリンタにより印刷した寄書き帳票33は、キー配布サーバ97の情報記憶手段171を参照することにより特定されるあて先へ郵送により送付される。
【0157】
あて先である清水次郎は、図25に示すように、自身が所有する電子ペン80bのペン先部17により、郵送されてきた寄書き帳票33をタップする。すると、電子ペン80bは、記入情報取得手段102によって、寄書き帳票33へのタップに対応する座標データ、ページアドレス、時間情報及び筆圧データを記入情報として取得し、情報記憶手段101に記憶する(ステップS81)。続いて、データ通信手段110の座標データ送信手段は、記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを記入済ファイルサーバ96へ送信する(ステップS82)。具体的に清水次郎は、図示のように、寄書き帳票33のメッセージ「おめでとう 柴田」に対応するエリアを電子ペン80bでタップする。すると、電子ペン80bは、寄書き帳票33へのタップに対応する座標データ「(x3,y3),H3,W3」、ページアドレス「10.12.12.13」等を記入情報として取得し、情報記憶手段101に記憶するとともに、記入済ファイルサーバ96へ送信する。
【0158】
記入済ファイルサーバ96のデータ通信手段162は、電子ペン80bの座標データ送信手段からページアドレス及び座標データを取得する(ステップS83)。記入済ファイルサーバ96は、データ通信手段162が取得したページアドレス及び座標データに基づいて、図25に示すように情報記憶手段161に記憶された対応テーブルを参照することで、対応するページアドレスを特定する(ステップS84)。具体的に記入済ファイルサーバ96は、データ通信手段162が取得したページアドレス「10.12.12.13」に基づいて、図示のように「10.12.12.13.pad」の対応テーブルを参照する。さらに、記入済ファイルサーバ96は、ページアドレス「(x3,y3),H3,W3」に基づいて、当該対応テーブルを参照することで、対応するページアドレス「10.30.32.02」と特定する。そして、記入済ファイルサーバ96のデータ通信手段162は、特定したページアドレスを音声サーバ95へ送信する。
【0159】
音声サーバ95のデータ通信手段152は、記入済ファイルサーバ96からページアドレスを取得する。音声サーバ95は、データ通信手段152が取得したページアドレスに基づいて、情報記憶手段151から対応する音声データを抽出する(ステップS85)。具体的に音声サーバ95は、図25に示すように、データ通信手段152が取得したページアドレス「10.30.32.02」に基づいて、情報記憶手段151から対応する音声データ「結婚おめでとう。僕も結婚式はここでしようかな。」を抽出する。そして、データ通信手段152は、抽出した音声データを電子ペン80bへ送信する(ステップS86)。
【0160】
電子ペン80bの音声データ取得手段は、音声サーバ95のデータ通信手段152から音声データを取得する(ステップS87)。音声出力手段109は、音声データ取得手段が取得した音声データに基づいて音声を出力する(ステップS88)。即ち、あて先である清水次郎がタップした寄書き帳票33の特定のユーザエリアに対応する音声を出力する。これにより、寄書き出力処理は完了する。
【0161】
このように、利用者は、帳票上の任意の位置に、任意の容量の音声情報を付加することができる。また、任意の期間内のメッセージを自由に編集することが可能となる。
【0162】
また、具体的には図27に示すように、電子ペン80及び携帯電話を使用して、結婚式当日に贈り物とともに新郎新婦に寄書きを届けると共に、新郎新婦からの音声メッセージを携帯電話で聞くことができるサービスも可能となる。
【0163】
[ 本情報処理システムによる作用効果 ]
この情報処理システムによれば、電子ペン80で専用ペーパー(電子ペン用媒体)20に記入した文字列に対応付けて、当該専用ペーパー20上の任意の位置に、任意の容量の音声情報を付加することができる。これによれば、音声情報付きの手書きメッセージを郵送やメールなどを介して容易にやりとりすることが可能となる。
【0164】
本発明は、上記実施形態に限られたものではなく、例えば図28に示すように、音声情報を付加した双方向の手紙のやり取りを可能とする。なお、音声情報に限らず、地図情報や画像情報を付加することも可能である。よって、祖父と孫等のコミュニケーションツールとして利用することができる。
【0165】
さらに、図29に示すように、特定の期間(例えば、平成17年4月1日から平成18年3月31日まで)の手紙のやりとりを冊子として作成し、祖父と孫の双方へ送付することができる。これによれば、以前の手紙に付加されていた音声を聞くことが可能となる。また、孫の成長とともに1年毎に作成すれば成長日記にもなる。
【0166】
また、上記実施形態では、電子ペン80のクロック22は現在時刻を発信することとしているが(図2参照)、クロック22は、端末装置85との通信接続が確立した時点から通信接続状態が終了するまでの間、0から始まりストロークの記入中に経過していく記入時間を発信することとしてもよい。この場合、プロセッサ11は、ストロークの記入中に、クロック22が発信する経過時間(記入時間)を時間情報として取得し、その時間情報と、筆圧データと、X,Y座標データとを関連付け、データ通信ユニット13に対して記入情報として端末装置85へ送信させる。
【0167】
また、電子ペン80内に、ペン自体又はその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報又はペン所有者情報)を保持しておき、端末装置85から参照することができるようにしてもよいし、プロパティ情報の全部又は一部を記入情報と共に端末装置85に送信するようにしてもよい。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのID、空きメモリ容量などが挙げられる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などが挙げられる。
【0168】
また、上記実施形態では、ドットは赤外線を吸収するカーボンを含むインクとし、電子ペン80のLED15を、赤外線を照射するLEDとし、カメラ16によって赤外線の反射量の差によって、電子ペン80でドットパターンを読み取っていたが、これに限らない。例えば、ドットは所定波長の光によって所定波長を発光するインクとし、電子ペン80のLED15を、ドットのインクを発光させる光を照射するものとし、カメラ16によってドットのインクが発光する波長の領域を検知することによって、電子ペン80でドットパターンを読み取るようにしてもよく、カメラ16によってドットパターンが読み取れれば、ドットのインクの種別やLED15の照射光等は上記実施形態で示したものに限られない。また、専用ペーパー20における位置座標が特定できるものであれば、ドットパターンの代わりに、別のコード化されたパターン、例えば、2次元コードパターンなどであってもよい。
【0169】
また、ドットパターンの割り当ては、通常、用紙の用途毎に行われるが、専用ペーパー20を商業印刷機により大量印刷するような場合には、同一種類の電子ペン用媒体には同じドットパターンが印刷されることになる。この場合、同一種類の電子ペン用媒体を1枚1枚区別するため、電子ペン用媒体には、各媒体を識別する識別情報を記入するための識別情報記入欄を設けるとよい。電子ペン80において、取得した記入情報に基づいて、文字認識により識別情報記入欄に記入された識別情報を特定し、当該記入情報と対応付けて記憶しておけば、同種の電子ペン用媒体を1枚1枚区別することができる。この他、ペンIDを当該識別情報と共に当該記入情報と対応付けて記憶することとしてもよい。これにより、電子ペン80は、記憶した識別情報もしくは識別情報とペンIDに基づいて、各電子ペン用媒体を識別することができる。他方、プリンタにより印刷する場合には、用紙1枚1枚に異なるドットパターンを割り当てて、専用ペーパー20を印刷することも可能である。この場合、各専用ペーパー20に印刷されたドットパターンは、専用ペーパー20毎に異なるため、ドットパターンによって専用ペーパー20を1枚1枚識別し区別することができる。
【0170】
[ 変形例 ]
上記実施形態では、電子ペン80がメモリ12、スピーカ19及びマイク23等を有しており、図6に示す各手段101乃至110を実行することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子ペン10は取得した記入情報をデータ通信ユニット13により即時的且つ逐次的に端末装置25Aへ送信し、メモリ、スピーカ及びマイク等を有する端末装置25Aが、図6に示す各手段101乃至110を実行することとしてもよい。
【0171】
ここで、本変形例の情報処理システムについて、図30を参照して説明する。図30は、電子ペン10Aの構成を示すブロック図である。電子ペン10Aは、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者が通常のインクペンと同様にペン先部17によって専用ペーパー20上に文字などを書くと、電子ペン10Aは、ペン先部17の移動軌跡に沿って、専用ペーパー20に印刷されたドットパターンを局所的、連続的に読み取り、専用ペーパー20におけるその局所位置の座標を算出し、その座標データ等を端末装置25Aへ送信する。電子ペン10Aは、端末装置25Aへ確実にデータを送信できるよう、端末装置25Aの近傍で使用される。端末装置25Aは、受信した座標データ等に基づいて、記入文字を文字認識したり、タップに応じた処理を行ったりする等、所定の処理を実行する。具体的に端末装置25Aは、上記実施形態において電子ペン80が実行する各手段101乃至110を実行する。これにより、本変形例の情報処理システムにおいても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0172】
なお、本変形例と上記実施形態の異なる部分は、電子ペン10Aの構成であるため、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20やドットパターンの構成、端末装置25Aが実行する各手段等、上記実施形態と同様の部分については便宜上説明を省略する。
【0173】
ここで、電子ペン10Aについて説明する。図2に示すように、電子ペン10Aは、その内部にプロセッサ11、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16、圧力センサ18及びクロック22を備える。また、電子ペン10Aは通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0174】
バッテリー14は電子ペン10A内の各部品に電力を供給するためのものであり、例えば電子ペン10Aのキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン10A自体の電源のオン/オフを行うよう構成させてもよい。クロック22は、現在時刻(タイムスタンプ)を発信し、プロセッサ11に供給する。圧力センサ18は、利用者が電子ペン10Aにより専用ペーパー20上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。
【0175】
プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10Aで薬品記録帳26上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかり、圧力センサ18によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ11は、利用者が専用ペーパー20への記入を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動させる。
【0176】
LED15は、電子ペン10Aのペン先付近に取り付けられており、薬品記録帳26上のペン先部17近傍(領域15a)に向けて、赤外線を照明する(図1参照)。領域15aは、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはわずかにずれている。カメラ16は、LED15によって照明された領域15a内におけるドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ11に供給する。ここで、カーボンは赤外線を吸収するため、LED15によって照射された赤外線は、ドットの部分でドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。したがって、カメラ16の撮影により、赤外線の反射量の違いから、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができる。たとえ撮影領域に罫線や枠などが印刷されてあったとしても、罫線や枠などのインクには、カーボンが含まれていないため、ドットパターンを認識することができる。なお、カメラ16による撮影領域は、図6(a)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、カメラ16の撮影は、毎秒50〜100回程度行われる。
【0177】
プロセッサ11は、利用者による専用ペーパー20への記入が行われる間、カメラ16によって供給される画像データのドットパターンから、利用者による記入に対応するストロークの専用ペーパー20上でのX,Y座標(単に「座標データ」とも呼ぶ)を連続的に算出していく。すなわち、プロセッサ11は、カメラ16によって供給される、図6(a)に示されるようなドットパターンの画像データを図6(b)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値・Y座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX,Y座標データを算出するとともに、薬品記録帳26のページ毎に固有の識別子であるドットパターンアドレス(コード化パターンアドレス)を算出する。そしてプロセッサ11は、現在時刻(タイムスタンプ)を発信するクロック22から時間情報を取得し、その時間情報と、筆圧データ、ドットパターンアドレス及びX,Y座標データとを関連付け、これらの情報を記入情報として、データ通信ユニット13に対して、端末装置25Aへ送信させる。ここで、一枚の専用ペーパー(電子ペン用媒体)20内の6×6のドットパターンは、その専用ペーパー20内で重複することはないため、利用者が電子ペン10Aで専用ペーパー20の任意のエリアに必要事項を記入したりタップしたりすると、その記入やタップが専用ペーパー20のどのエリアに対応するものであるかを、座標データから特定することができる。
【0178】
データ通信ユニット13は、プロセッサ11により供給されるメモリ12内の所定のデータを近傍にある端末装置25Aへ無線送信する。データ通信ユニット13による送信は、Bluetooth(登録商標)の無線送信によると好適である。なお、USBケーブルを使用した有線送信、端子などの接触によるデータ送信など、他の方法によって、データ通信ユニット13から端末装置25Aへデータ送信を行ってもよい。データ通信ユニット13による端末装置25Aへの記入情報の送信は、即時的且つ逐次的に行われる。
【0179】
端末装置25Aは、ハードウェアとして、電子ペン10Aとのデータ通信が可能なアンテナ装置、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリ、スピーカ、ディスプレイ等で構成される、PCや携帯電話或いは携帯端末である。端末装置25Aは、電子ペン10Aから取得したX,Yデータ等の記入情報に基づいて、専用アプリケーションを実行することで所定の処理を行う。端末装置25Aが有する専用アプリケーション及び端末装置25Aが実行する各手段は、上記実施形態と同様であるため、便宜上説明を省略する。
【0180】
なお、本発明は、上記変形例に限られない。上記変形例では、図30に示すようにクロック22を備える電子ペン10Aを使用したが、図31に示すようにクロック22を備えていない電子ペン10Bを使用することとしてもよい。その場合、プロセッサ11は、利用者によって電子ペン10Bを用いて記入が行われる間に、筆圧データ、ドットパターンアドレス及びX,Y座標データを取得し、それらのデータを記入情報としてデータ通信ユニット13により端末装置25B(25)へ送信する。その代わり、端末装置25Bは、現在時刻を発信するクロックを備えており、記入情報取得手段31によって、電子ペン10Bから送信される記入情報を即時的且つ逐次的に取得し、取得時にクロックより発信された現在時刻を取得時刻として当該記入情報と関連付けて、情報記憶手段30に記憶する。つまり、端末装置25Bは、記入情報と、記入情報の取得時刻とを関連付けて記憶する。
【0181】
また、電子ペン10内に、ペン自体又はその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報又はペン所有者情報)を保持しておき、端末装置25から参照することができるようにしてもよいし、プロパティ情報の全部又は一部を記入情報と共に端末装置25に送信するようにしてもよい。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどが挙げられる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などが挙げられる。
【0182】
また、上記実施形態では、ドットは赤外線を吸収するカーボンを含むインクとし、電子ペン10のLED15を、赤外線を照射するLEDとし、カメラ16によって赤外線の反射量の差によって、電子ペン10でドットパターンを読み取っていたが、これに限らない。例えば、ドットは所定波長の光によって所定波長を発光するインクとし、電子ペン10のLED15を、ドットのインクを発光させる光を照射するものとし、カメラ16によってドットのインクが発光する波長の領域を検知することによって、電子ペン10でドットパターンを読み取るようにしてもよく、カメラ16によってドットパターンが読み取れれば、ドットのインクの種別やLED15の照射光等は上記実施形態で示したものに限られない。また、専用ペーパー(電子ペン用媒体)20における位置座標が特定できるものであれば、ドットパターンの代わりに、別のコード化されたパターン、例えば、2次元コードパターンなどであってもよい。
【0183】
この情報処理システムによれば、電子ペン10Aで専用ペーパー(電子ペン用媒体)20に記入した文字列に対応付けて、当該専用ペーパー20上の任意の位置に、任意の容量の音声情報を付加することができる。これによれば、音声情報付きの手書きメッセージを郵送やメールなどを介して容易にやりとりすることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0184】
本発明は、手書きメッセージに音声情報を付加し、交換できるサービスを提供することが可能な電子ペンとして様々な分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】実施形態における電子ペンの構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態における電子ペン用媒体の例である。
【図4】専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図5】(a)は、ドットパターンを模式的に示し、(b)は、それに対応する情報の例を示す図である。
【図6】電子ペンの主要な構成を示す機能ブロック図である。
【図7】定義情報のデータ構造を模式的に示す図である。
【図8】座標データを説明する図である。
【図9】実施形態における専用アプリケーションのモジュール構成図である。
【図10】ペン所有者情報の登録を説明する図である。
【図11】エリア定義情報ファイルの取得を説明する図である。
【図12】ファイル取得処理のフローチャートである。
【図13】サービス特定処理のフローチャートである。
【図14】あて先情報、ストローク情報、音声情報及びエリア定義情報ファイルの登録を説明する図である。
【図15】登録処理のフローチャートである。
【図16】紙で郵送するサービスにおける出力処理を説明する図である。
【図17】第1出力処理のフローチャートである。
【図18】メールで送信するサービスにおける出力処理を説明する図である。
【図19】第2出力処理のフローチャートである。
【図20】サービス内容「寄書き」におけるキーの配布を説明する図である。
【図21】キー配布処理のフローチャートである。
【図22】サービス内容「寄書き」におけるストローク情報及び音声情報の登録を説明する図である。
【図23】結合ファイルの登録を説明する図である。
【図24】登録処理(寄書き)のフローチャートである。
【図25】寄書き帳票に基づいて音声を出力する寄書き出力処理を説明する図である。
【図26】寄書き出力処理のフローチャートである。
【図27】結婚式寄書きサービスを説明する図である。
【図28】祖父と孫のコミュニケーションツールを説明する図である。
【図29】メモリアルアルバムサービスを説明する図である。
【図30】変形例(クロックあり)における電子ペンの構成を示すブロック図である。
【図31】変形例(クロックなし)における電子ペンの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0186】
11…プロセッサ、12…メモリ、13…データ通信ユニット、14…バッテリー、15…LED、16…カメラ、18…圧力センサ、19…スピーカ、20…専用ペーパー(電子ペン用媒体)、22…クロック、23…マイク、50…専用アプリケーション、80…電子ペン、85…端末装置、101…情報記憶手段、102…記入情報取得手段、103…エリア認識手段、104…開始終了点特定手段、105…タップ判定手段、106…エリア設定手段、107…ファイル作成手段、108…音声入力手段、109…音声出力手段、110…データ通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する電子ペンであって、
前記コード化パターン上における所定のページを識別するページアドレスと、所定のエリアのコード化パターン上における座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて前記定義情報を参照することで前記エリアを認識するエリア認識手段と、
前記記入情報に基づいて、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定するタップ判定手段と、
前記タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得するファイル取得手段と、を備えることを特徴とする電子ペン。
【請求項2】
前記記入情報に基づいて、データ開始点及びデータ終了点を特定する開始終了点特定手段をさらに備え、
前記タップ判定手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離により、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の電子ペン。
【請求項3】
前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてあて先が記入されたエリアをあて先エリアに設定するあて先エリア設定手段と、
前記あて先エリアに記入されたストロークデータと、前記あて先エリアを示す座標データ及びページアドレスとを含むあて先情報を送信するあて先情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ペン。
【請求項4】
前記記入情報に基づき、前記コード化パターンエリア上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、
前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子ペン。
【請求項5】
前記電子ペンは、音声入力部を備え、
前記メッセージエリアへの記入中に前記音声入力部により音声を入力する音声入力手段と、
前記音声入力手段が入力した音声データと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む音声情報を送信する音声情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子ペン。
【請求項6】
前記ファイル取得手段が取得したエリア定義情報ファイルと、前記メッセージエリアを示す座標データおよびページアドレスとを含む記入済ファイル情報を送信する記入済ファイル情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子ペン。
【請求項7】
前記電子ペンは、音声出力部を備え、
前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを送信する送信手段と、
前記ページアドレス及び前記座標データに対応する音声データを取得する音声データ取得手段と、
前記音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を前記音声出力部より出力する音声出力手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の電子ペン。
【請求項8】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する電子ペンであって、
キー値を取得するキー取得手段と、
前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、
前記キー取得手段が取得したキー値と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアが設けられた前記コード化パターン上に置けるページを識別するページアドレスと、前記メッセージエリアを示す座標データとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段と、を備えることを特徴とする電子ペン。
【請求項9】
前記電子ペンは、音声入力部を備え、
前記メッセージエリアへの記入中に前記音声入力部により音声を入力する音声入力手段と、
前記キー取得手段が取得したキー値と、前記音声入力手段が入力した音声データと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む音声情報を送信する音声情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の電子ペン。
【請求項10】
前記電子ペンは、記入済ファイルサーバと通信可能に接続されており、
前記キー値取得手段が取得したキー値に対応する前記ストローク情報を取得するストローク情報取得手段と、
前記ストローク情報取得手段が取得したストローク情報に基づいて、新たなエリア定義情報ファイルを作成するファイル作成手段と、
前記ファイル作成手段が作成したエリア定義情報ファイルと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を前記記入済ファイルサーバに送信する記入済ファイル情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の電子ペン。
【請求項11】
前記記入済ファイルサーバは、前記記入済ファイル情報に基づいて作成され、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスを対応付けた対応テーブルを記憶しており、
前記電子ペンは、音声出力部を備え、
前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを送信する送信手段と、
前記ページアドレス及び前記座標データに基づいて前記対応テーブルを参照することにより抽出された音声データを取得する音声データ取得手段と、
前記音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を前記音声出力部により出力する音声出力手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の電子ペン。
【請求項12】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する電子ペンにより実行されるプログラムであって、
前記コード化パターン上における所定のページを識別するページアドレスと、所定のエリアのコード化パターン上における座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段、
前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて前記定義情報を参照することで前記エリアを認識するエリア認識手段、
前記記入情報に基づいて、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定するタップ判定手段、
前記タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得するファイル取得手段、として前記電子ペンを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する電子ペンにより実行されるプログラムであって、
キー値を取得するキー取得手段、
前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段、
前記キー取得手段が取得したキー値と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアが設けられた前記コード化パターン上に置けるページを識別するページアドレスと、前記メッセージエリアを示す座標データとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段、として前記電子ペンを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、
前記コード化パターン上における所定のページを識別するページアドレスと、所定のエリアのコード化パターン上における座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて前記定義情報を参照することで前記エリアを認識するエリア認識手段と、
前記記入情報に基づいて、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定するタップ判定手段と、
前記タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得するファイル取得手段と、を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項15】
前記記入情報に基づいて、データ開始点及びデータ終了点を特定する開始終了点特定手段をさらに備え、
前記タップ判定手段は、前記データ開始点及び前記データ終了点に基づく時間及び/又は距離により、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定することを特徴とする請求項14に記載の端末装置。
【請求項16】
前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてあて先が記入されたエリアをあて先エリアに設定するあて先エリア設定手段と、
前記あて先エリアに記入されたストロークデータと、前記あて先エリアを示す座標データ及びページアドレスとを含むあて先情報を送信するあて先情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項14又は15に記載の端末装置。
【請求項17】
前記記入情報に基づき、前記コード化パターンエリア上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、
前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項18】
前記端末装置は、音声入力部を備え、
前記メッセージエリアへの記入中に前記音声入力部により音声を入力する音声入力手段と、
前記音声入力手段が入力した音声データと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む音声情報を送信する音声情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項14乃至17のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項19】
前記ファイル取得手段が取得したエリア定義情報ファイルと、前記メッセージエリアを示す座標データおよびページアドレスとを含む記入済ファイル情報を送信する記入済ファイル情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項14乃至18のいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項20】
前記端末装置は、音声出力部を備え、
前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを送信する送信手段と、
前記ページアドレス及び前記座標データに対応する音声データを取得する音声データ取得手段と、
前記音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を前記音声出力部より出力する音声出力手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項19に記載の端末装置。
【請求項21】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理する端末装置であって、
キー値を取得するキー取得手段と、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、
前記キー取得手段が取得したキー値と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアが設けられた前記コード化パターン上に置けるページを識別するページアドレスと、前記メッセージエリアを示す座標データとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段と、を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項22】
前記端末装置は、音声入力部を備え、
前記メッセージエリアへの記入中に前記音声入力部により音声を入力する音声入力手段と、
前記キー取得手段が取得したキー値と、前記音声入力手段が入力した音声データと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む音声情報を送信する音声情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の端末装置。
【請求項23】
前記端末装置は、記入済ファイルサーバと通信可能に接続されており、
前記キー値取得手段が取得したキー値に対応する前記ストローク情報を取得するストローク情報取得手段と、
前記ストローク情報取得手段が取得したストローク情報に基づいて、新たなエリア定義情報ファイルを作成するファイル作成手段と、
前記ファイル作成手段が作成したエリア定義情報ファイルと、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスとを含む記入済ファイル情報を前記記入済ファイルサーバに送信する記入済ファイル情報送信手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項21又は22に記載の端末装置。
【請求項24】
前記記入済ファイルサーバは、前記記入済ファイル情報に基づいて作成され、前記メッセージエリアを示す座標データ及びページアドレスを対応付けた対応テーブルを記憶しており、
前記端末装置は、音声出力部を備え、
前記記入情報取得手段が取得した記入情報に含まれるページアドレス及び座標データを送信する送信手段と、
前記ページアドレス及び前記座標データに基づいて前記対応テーブルを参照することにより抽出された音声データを取得する音声データ取得手段と、
前記音声データ取得手段が取得した音声データに基づく音声を前記音声出力部により出力する音声出力手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項23に記載の端末装置。
【請求項25】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記コード化パターン上における所定のページを識別するページアドレスと、所定のエリアのコード化パターン上における座標データとを対応付けた定義情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に含まれるページアドレス及び座標データに基づいて前記定義情報を参照することで前記エリアを認識するエリア認識手段と、
前記記入情報に基づいて、前記エリア認識手段が認識したエリアがタップされたか否かを判定するタップ判定手段と、
前記タップ判定手段による判定結果に基づいて、エリア定義情報ファイルを取得するファイル取得手段として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項26】
電子ペンにより認識可能なコード化パターンが印刷された電子ペン用媒体に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
キー値を取得するキー取得手段と、
前記電子ペンから、前記電子ペン用媒体への記入内容に対応する記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報に基づき、前記コード化パターン上においてメッセージが記入されたエリアをメッセージエリアに設定するメッセージエリア設定手段と、
前記キー取得手段が取得したキー値と、前記メッセージエリアに記入されたストロークデータと、前記メッセージエリアが設けられた前記コード化パターン上に置けるページを識別するページアドレスと、前記メッセージエリアを示す座標データとを含むストローク情報を送信するストローク情報送信手段として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2009−193366(P2009−193366A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33678(P2008−33678)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】