説明

電子レンジ用調理容器

【課題】洗浄、保管等の作業が容易で、しかも、紛失の可能性が低い電子レンジ用調理容器11を提供する。
【解決手段】調理容器11(側壁13)の上端部で分割平面より一側、他側にそれぞれ複数の一側、他側スリット18、23を形成して複数の一側、他側舌片19、24を画成する一方、これら一側、他側舌片19、24を互いに接近させるとともに、係止体33により一側、他側舌片19、24を互いに係止するようにしたので、一側、他側舌片19、24近傍の側壁13が調理容器11の上蓋として機能するが、この上蓋は調理容器11そのものの一部であるため、調理後の洗浄、乾燥、保管作業が容易となり、また、調理容器11は上蓋となる部位を含んでいるので、従来の容器本体、蓋体より大型となり、紛失の可能性も低下する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子レンジを用いて食品の調理を行う際、調理容器として使用する電子レンジ用調理容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子レンジ用調理容器としては、例えば以下の特許文献1に記載されているようなものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−324653号公報
【0004】
このものは、平坦な底壁および該底壁の外縁から略上方に向かって延びる側壁とを有する容器本体と、容器本体(側壁)の上端部に着脱可能に取り付けられ、容器本体に取り付けられたとき該容器本体の上端開口を閉止する蓋体とから構成され、蓋体が取り外された容器本体内に食品を投入した後、蓋体を容器本体に取り付けて該容器本体の上端開口を閉止し、この状態で電子レンジ内に搬入して電子レンジのマイクロ波により食品の調理を行うようにしたものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の電子レンジ用調理容器にあっては、容器本体と蓋体とが別体であるため、調理後の洗浄、乾燥、保管を個別に行う必要があり作業が面倒になるとともに、容器本体、蓋体のいずれもが比較的小型であるので、紛失する可能性が高く、また、これらのうちのいずれかが紛失すると、電子レンジでの調理に用いることができなくなるという課題があった。
【0006】
この発明は、洗浄、保管等の作業が容易で、しかも、紛失の可能性が低い電子レンジ用調理容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、底壁と、該底壁の外縁から略上方に向かって延びる側壁とを備え、シリコンゴムから構成された電子レンジ用調理容器であって、該電子レンジ用調理容器の内部空間を2分割する上下方向平面を分割平面としたとき、該分割平面より一側および他側における前記側壁の上端部に略上下方向に延びる複数の一側スリットおよび他側スリットをそれぞれ形成することで、該側壁の上端部に複数の一側舌片および他側舌片をそれぞれ画成するとともに、これら一側、他側舌片を互いに接近させたとき、該一側、他側舌片同士を係止する係止体を設けることにより、達成することができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明においては、調理容器(側壁)の上端部に一側、他側スリットを形成することで一側、他側舌片を画成する一方、一側、他側舌片を互いに接近させるとともに係止体により互いに係止するようにしたので、一側、他側舌片近傍の側壁が調理容器の上蓋として機能するが、この上蓋は調理容器そのものの一部であるため、調理後の洗浄、乾燥、保管作業が容易となり、また、前記調理容器は上蓋となる部位を含んでいるので、従来の容器本体、蓋体より大型となり、紛失の可能性も低下する。
【0009】
また、請求項2に記載のように構成すれば、一側、他側舌片同士を確実に係止させることができ、調理時に容器内部に発生する蒸気等によっても係止が外れることはない。さらに、請求項3に記載のように構成すれば、一側、他側舌片同士を係止させる際、傾斜したスリットがガイドとなり、係止作業が容易となる。また、請求項4に記載のように構成すれば、薄肉部より上側の側壁を外側に折返すことで容器の高さを低くすることができ、調理容器をそのまま食器として使用できるとともに、食事の際に調理済み食品を容器から容易に取り出すことができる。さらに、請求項5に記載のように構成すれば、容器の高さを市販されている鉢程度の高さまで低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施形態1を示すその斜視図である。
【図2】その平面図である。
【図3】図2のI−I矢視断面図である。
【図4】上端開口を閉止したときの平面図である。
【図5】図4のII−II矢視図である。
【図6】側壁を1度折りしたときの斜視図である。
【図7】側壁を2度折りしたときの斜視図である。
【図8】この発明の実施形態2を示すその斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2、3において、11は電子レンジ内に搬入し該電子レンジのマイクロ波により食品の調理を行うことができる電子レンジ用調理容器であり、この調理容器11は、ほぼ一定厚、例えば 2mm程度でのシリコンゴムから構成され、この結果、該調理容器11は自立して容器としての形状を保持することができるとともに、容易に屈曲することもできる。ここで、前述のシリコンゴムは、ケイ素−炭素結合を基本とするもので、通常、フロロシリコン、メチルビニルシリコン、メチルフェニルシリコン、ジメチルシリコン等の鎖状ポリシロキサン生ゴムに充填材を加え、加硫、成型過程を経て製造される。
【0012】
前記調理容器11は平坦な円板状の底壁12と、該底壁12に一体的に連続するとともに、該底壁12の外縁から略上方に向かって徐々に拡開しながら延びる断面略楕円型の側壁13とを備え、該底壁12と側壁13とにより調理容器11の内部に上方が開放し食品が収納される内部空間14が形成される。ここで、楕円型をした側壁13の長軸を含み調理容器11の内部空間14を2分割する上下方向に延びた平面を分割平面Pとしたとき、該分割平面Pと交差する側壁13の上端部にはそれぞれ上下方向に延びるスリット15が形成されている。
【0013】
また、前記分割平面Pより一側における側壁13の上端部には略上下方向に延びる複数、ここでは6本の一側スリット18が横方向(周方向)に離れて形成され、これらの一側スリット18のうち、隣接する2本の一側スリット18により一側における側壁13の上端部にはそれぞれ一側舌片19が、複数、ここでは前記6本から1を減じた5個だけ画成される。ここで、隣接する一側舌片19間に位置する1本の一側スリット18は両方の一側舌片19の片側を画成する一側スリット18であり、両方の一側舌片19に共用となっている。
【0014】
ここで、前述の隣接する一側スリット18はいずれも上下方向に対して逆方向に傾斜しており、この結果、上方に向かうに従い互いに離隔するよう傾斜している一側スリット18間には、上方に向かうに従い幅広となった扇形一側舌片19aが合計2個画成され、一方、上方に向かうに従い互いに接近するよう傾斜している一側スリット18間には、上方に向かうに従い幅狭となった山形一側舌片19bが合計3個画成される。そして、これら扇形、山形一側舌片19a、19bは周方向に交互に、即ち隣接して配置されている。また、この実施形態では、前記スリット15と分割平面Pに最も近接する一側スリット18との間に残舌片20がそれぞれ画成されている。なお、この発明においては、前記山形一側舌片19bを無くすることで一側スリットを幅広とし、一側舌片19を扇形一側舌片19aのみから構成してもよい。
【0015】
一方、前記分割平面Pより他側における側壁13の上端部には略上下方向に延びる複数、ここでは6本の他側スリット23が横方向(周方向)に離れて形成され、これらの他側スリット23のうち、隣接する2本の他側スリット23により他側における側壁13の上端部にはそれぞれ他側舌片24が、複数、ここでは前記6本から1を減じた5個だけ画成される。ここで、隣接する他側舌片24間に位置する1本の他側スリット23も両方の他側舌片24の片側を画成する他側スリット23であり、両方の他側舌片24に共用となっている。そして、前述した一側、他側スリット18、23の下端28は同一高さに位置している。
【0016】
ここで、前述の隣接する他側スリット23はいずれも上下方向に対して逆方向に傾斜しており、この結果、上方に向かうに従い互いに離隔するよう傾斜している他側スリット23間には、上方に向かうに従い幅広となった扇形他側舌片24aが合計3個画成され、一方、上方に向かうに従い互いに接近するよう傾斜している他側スリット23間には、上方に向かうに従い幅狭となった山形他側舌片24bが合計2個画成される。そして、これら扇形、山形他側舌片24a、24bは周方向に交互に、即ち隣接して配置されている。また、この実施形態では、前記スリット15と、分割平面Pに最も近接する他側スリット23との間に残舌片25がそれぞれ画成されている。なお、この発明においては、前記山形他側舌片24bを無くすることで、他側スリットを幅広とし、他側舌片24を扇形他側舌片24aのみから構成してもよい。
【0017】
ここで、前記一側舌片19と他側舌片24とは分割平面Pを中心として対称位置に配置されており、詳しくは、扇形一側舌片19aと山形他側舌片24bとが対称の位置に、山形一側舌片19bと扇形他側舌片24aとが対称の位置にそれぞれ配置されている。この結果、対称位置に配置された一側、他側舌片19、24をそれぞれ画成する一対の(両側の)一側、他側スリット18、23は、上下方向に対する傾斜方向が逆方向となっている。さらに、前記扇形、山形一側舌片19a、19bおよび扇形、山形他側舌片24a、24bの上端は、扇形一側、他側舌片19a、24aの幅方向中央が最も高く(頂上であり)、山形一側、他側舌片19b、24bの幅方向中央が最も低く(谷底であり)、また、これらの間は連続的に(直線的に)高さが変化しており、この結果、側壁13の上端は三角波状となっている。
【0018】
また、前記対称位置に位置する一側、他側舌片19、24を画成する対をなす一側、他側スリット18、23のうち、横方向(周方向)における下端間間隔Kが大きい方のスリット、ここでは扇形一側、他側舌片19a、24aを画成する対をなす一側、他側スリット18、23には、これら対をなす一側、他側スリット18、23の下端28から互いに接近するよう横方向に延びる対をなす係止溝29が形成される。この場合、山形一側、他側舌片19b、24bを画成する対をなす一側、他側スリット18、23は横方向における下端間間隔Kが小さい方の対をなすスリットとなる。また、この実施形態では、前記残舌片20を画成する一側スリット18の下端28からスリット15に向かう係止溝29が形成されている。そして、隣接する係止溝29の先端間距離は、扇形一側、他側舌片19a、24aの直下においても、また、山形一側、他側舌片19b、24bの直下においても実質上同一である。
【0019】
そして、前記調理容器11の内部空間14内に調理すべき食品を投入した後、対称位置の一側、他側舌片19、24を互いに引き寄せて接近させるとともに、これら一側、他側舌片19、24を画成する一側、他側スリット18、23同士を互いに嵌め合わせ、その後、一側、他側舌片19、24を若干横方向にずらして係止溝29同士を嵌め合わせる。これにより、一側、他側舌片19、24同士は、共に直立した状態で、図4、5に示すように係止されるとともに、これら一側、他側舌片19、24近傍、ここではこれら一側、他側舌片19、24直下の側壁13が容易に傾斜して調理容器11の上蓋として機能し、調理容器11の内部空間14がほぼ密閉(閉止)される。
【0020】
この状態で調理容器11を電子レンジ内に搬入し該電子レンジのマイクロ波により食品の調理を行うが、このとき食品から発生する蒸気はスリット15、係止溝29近傍から容易に外部に排出されるため、前記一側、他側舌片19、24同士の係止が蒸気圧によって外れることはなく(調理容器11の密閉は維持され)、しかも、調理済み食品の水分が適度に飛んで美味に仕上がる。前述した複数の係止溝29は全体として、一側、他側舌片19、24を互いに接近させたとき、一側、他側舌片19、24同士を係止する係止体33を構成する。
【0021】
このように調理容器11(側壁13)の上端部に一側、他側スリット18、23を形成することで一側、他側舌片19、24を画成する一方、一側、他側舌片19、24を互いに接近させるとともに係止体33により互いに係止するようにしたので、一側、他側舌片19、24近傍の側壁13が調理容器11の上蓋として機能するが、この上蓋は調理容器11そのものの一部であるため、調理後の洗浄、乾燥、保管作業が容易となり、また、この調理容器11は上蓋となる部位を含んでいるので、従来の容器本体、蓋体より大型となり、紛失の可能性も低下する。
【0022】
ここで、前述のように係止体33を複数の係止溝29から構成し、これら係止溝29同士を嵌め合わせることで一側、他側舌片19、24同士を係止させるようにすれば、一側、他側舌片19、24同士を確実に係止させることができるとともに、調理時に調理容器11内部に発生する蒸気等によっても係止が外れることはない。また、前述のように下端間間隔Kが長い方の一側、他側スリット18、23を上方に向かうに従い互いに離隔するよう上下方向に対して傾斜させて扇形一側、他側舌片19a、24aを画成し、一方、下端間間隔Kが短い方の一側、他側スリット18、23を上方に向かうに従い互いに接近するよう上下方向に対して傾斜させて山形一側、他側舌片19b、24bを画成するようにしたので、前述のように一側、他側舌片19、24同士を係止させる際、傾斜した一側、他側スリット18、23がガイドとなり、係止作業が容易となる。
【0023】
また、この実施形態においては、前記側壁13の上下方向中央部内面に横方向(周方向)に連続して延びる一定深さの凹溝36が形成されており、この結果、該側壁13の上下方向中央部には他の部位、ここでは底壁12や側壁13の上、下端部より肉厚の薄い、例えば該他の部位の 1/2程度の肉厚である薄肉部37が設けられる。このように側壁13の上下方向中央部に肉厚の薄い薄肉部37を設けると、該薄肉部37において側壁13を折り返すことが可能となる。そして、図6に示すように、薄肉部37の中央部において側壁13を外側に折り返すようにすれば、調理容器11の高さを低くすることができ、これにより、調理容器11を食器としてそのまま使用できるとともに、食事の際に調理済み食品を調理容器11から容易に取り出すことができる。
【0024】
ここで、前記薄肉部37の高さL、ここでは上下方向長さを側壁13の高さHの略 1/3とすることが好ましい。このように高さLを高さHの略 1/3とすれば、図7に示すように、側壁13を薄肉部37の上端および下端において折り返すことで、側壁13を三重に折り畳むことができ、これにより、調理容器11の高さを市販されている鉢程度の高さまで低くすることができ、調理済み食品の取出しがさらに容易となるとともに、一側、他側舌片19、24の上端部が薄肉部37の下端から上方に突出し食器としての審美性が向上する。
【0025】
40は円弧状をした一対の取っ手であり、これらの取っ手40は一側、他側舌片19、24の直下の側壁13外表面に両端が一体的に固定されている。そして、これら取っ手40は周方向中央が前記分割平面P上に位置しており、この結果、これら取っ手40は調理容器11に 180度離れて取り付けられている。このような取っ手40を調理容器11に設ければ、食品が電子レンジで高温に加熱されていても、取っ手40を手で持つことで問題なく調理容器11を所望の位置まで運ぶことができ、また、該取っ手40をフックに引っ掛けることで、容易に調理容器11を整理保管することができる。
【0026】
次に、前記実施形態1の作用について説明する。
前記調理容器11を用いて食品を調理する場合には、調理容器11の上端開口から内部空間14内に調理を行う食品を投入した後、分割平面Pを中心とした対称位置の扇形一側舌片19aと山形他側舌片24bと、および、山形一側舌片19bと扇形他側舌片24aとを互いに引き寄せて接近させるとともに、これら一側、他側舌片19、24を画成する一側、他側スリット18、23同士を互いに嵌め合わせ、その後、一側、他側舌片19、24を若干横方向にずらして係止溝29同士を嵌め合わせる。
【0027】
これにより、一側、他側舌片19、24同士、詳しくは扇形一側、他側舌片19a24a同士は下端において互いに係止されるとともに、これら一側、他側舌片19、24の近傍、ここでは一側、他側舌片19、24直下の側壁13、特に薄肉部37が切妻屋根状に屈曲変形して調理容器11の上蓋として機能し、調理容器11の内部空間14がほぼ密閉される。なお、前述の係止時、山形一側、他側舌片19b、24bを下側に折り込んで扇形一側、他側舌片19a、24a直下の側壁13内面に接触させるようにしてもよい。
【0028】
この状態で調理容器11を電子レンジ内に搬入し該電子レンジのマイクロ波により食品の加熱、発酵、オーブン調理等を行うが、このとき食品から発生する蒸気はスリット15、係止溝29近傍から容易に外部に排出され、また、湯切りも前記スリット15、係止溝29近傍から容易に行うことができる。このとき、調理容器11の上蓋は調理容器11そのものの一部であるため、別体である従来のものに比較し、調理後の洗浄、乾燥、保管作業が容易となり、また、この調理容器11は上蓋となる部位を含んでいるので、従来の容器本体、蓋体より大型となり、紛失の可能性も低下する。
【0029】
次に、取っ手40を手で持ちながら調理容器11を電子レンジから取り出して食卓上に載置し、その後、隣接する扇形一側、他側舌片19a、24aを摘んで分割平面Pから引き離すと、一側、他側舌片19、24同士の係合が外れ、調理容器11の上端が開放する。その後、側壁13を薄肉部37の位置において、図6のように1度折り、または、図7のように2度折りして調理容器11の高さを低くする。
【0030】
図8は、この発明の実施形態2を示す図である。この実施形態においては、分割平面より一側の側壁13の上端部に横方向(周方向)に等距離離れるとともに上下方向に延びた複数(5本)の一側スリット43を形成することで、スリット15と一側スリット43との間および隣接する一側スリット43間に複数(6個)の矩形状をした一側舌片44を画成し、また、分割平面より他側の側壁13の上端部に横方向(周方向)に等距離離れるとともに上下方向に延びた複数(5本)の他側スリット45を形成することで、スリット15と他側スリット45との間および隣接する他側スリット45間に複数(6個)の矩形状をした他側舌片46を画成している。これにより、側壁13の上端部には分割平面を中心とする対称位置に6個の一側舌片44および他側舌片46が画成される。
【0031】
また、対称位置における一側、他側舌片44、46のいずれか一方にU字形のスリット49を形成して係止片50を画成するとともに、残り他方に横方向に延びる係止スリット51を形成し、これら係止片50、係止スリット51を横方向(周方向)に交互に配置している。そして、係止スリット51が画成された一側、他側舌片44、46を分割平面に向かって折り曲げた後、係止片50が画成された一側、他側舌片44、46を分割平面に向かって折り曲げ、先に折り曲げた一側、他側44、46に接近させてその上に重ね合わせるとともに、係止片50を係止スリット51に挿入し、対称位置の一側、他側舌片44、46同士を係止する。これにより、折り曲げられた一側、他側舌片44、46は調理容器11の上蓋として機能し、調理容器11の内部空間14がほぼ密閉される。前述した係止片50、係止スリット51は全体として、係止体52を構成する。なお、他の構成、作用は前記実施形態1と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0032】
この発明は、電子レンジを用いて食品の調理を行う際に使用する調理容器の産業分野に適用できる。
【符号の説明】
【0033】
11…調理容器 12…底壁
13…側壁 14…内部空間
18…一側スリット 19…一側舌片
23…他側スリット 24…他側舌片
28…下端 29…係止溝
33…係止体 37…薄肉部
L…高さ H…高さ
K…下端間距離 P…分割平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、該底壁の外縁から略上方に向かって延びる側壁とを備え、シリコンゴムから構成された電子レンジ用調理容器であって、該電子レンジ用調理容器の内部空間を2分割する上下方向平面を分割平面としたとき、該分割平面より一側および他側における前記側壁の上端部に略上下方向に延びる複数の一側スリットおよび他側スリットをそれぞれ形成することで、該側壁の上端部に複数の一側舌片および他側舌片をそれぞれ画成するとともに、これら一側、他側舌片を互いに接近させたとき、該一側、他側舌片同士を係止する係止体を設けたことを特徴とする電子レンジ用調理容器。
【請求項2】
前記係止体を、前記分割平面を中心とする対称位置に配置された一側、他側舌片を画成する一側、他側スリットのうち、下端間距離が長い方のスリットの下端から互いに接近するよう横方向に延びる対をなす係止溝から構成し、対称位置の一側、他側舌片を互いに接近させたとき、前記係止溝同士を嵌め合わせることで一側、他側舌片同士を係止させるようにした請求項1記載の電子レンジ用調理容器。
【請求項3】
前記下端間距離が長い方のスリットは、上方に向かうに従い互いに離隔するよう上下方向に対して傾斜し、下端間距離が短い方のスリットは、上方に向かうに従い互いに接近するよう上下方向に対して傾斜した請求項2記載の電子レンジ用調理容器。
【請求項4】
前記側壁の上下方向中央部に薄肉部を設け、該薄肉部において側壁を折返し可能とした請求項1〜3のいずれかに記載の電子レンジ用調理容器。
【請求項5】
前記薄肉部の高さを側壁の高さの略 1/3とし、該側壁を薄肉部の上端および下端において折り返すことで、側壁を三重に折り畳み可能とした請求項4記載の電子レンジ用調理容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−229816(P2011−229816A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105092(P2010−105092)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(502119484)株式会社エム・ケイプジャパン (4)
【Fターム(参考)】