電子会議システム、電子会議用端末、電子会議システムの制御方法及び電子会議用端末の制御プログラム
【課題】メモ書きされた複数の元ドキュメントには、メモ書きのアイデア又は指示等に直接関係しないページも多く含まれる。受け取った者は、メモ書きを頼りにページをめくりながらアイデア又は指示を調べる煩わしさがあった。
【解決手段】参加者がサブ端末16を使用して個人用上書層52を選び、個人用のメモ書きを入力すると、メモ書込手段54は指示に基づいて、個人用上書層52にメモ書きを行う。参加者によって残された個人用のメモ書きや、発表者と参加者によって残された共有用上書層53のメモ書きは、前選択手段67により候補が選択され、ページ選択手段63によりページが選択され、さらに上書層選択手段65により個人用上書層52と共有用上書層53との少なくとも一つが選択される。画像集約手段56は、これらの選択手段により選択されたページの各層のデータを集めて集約ページを作成する。
【解決手段】参加者がサブ端末16を使用して個人用上書層52を選び、個人用のメモ書きを入力すると、メモ書込手段54は指示に基づいて、個人用上書層52にメモ書きを行う。参加者によって残された個人用のメモ書きや、発表者と参加者によって残された共有用上書層53のメモ書きは、前選択手段67により候補が選択され、ページ選択手段63によりページが選択され、さらに上書層選択手段65により個人用上書層52と共有用上書層53との少なくとも一つが選択される。画像集約手段56は、これらの選択手段により選択されたページの各層のデータを集めて集約ページを作成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子会議システムに関し、特に会議で配布される元ドキュメントに上書層を設け、上書層に書込まれたメモ書きと元ドキュメントと共に集約する電子会議用端末を含む電子会議システムと、電子会議システムの制御方法及び電子会議用端末の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナル・コンピュータ(以下、PCという。)の高性能化、ネットワークの発達、大型ディスプレイの普及、デジタルカメラ等の普及により、離れた少なくとも2拠点をネットワークで接続し、音声と画像を相互に共有する遠隔会議に電子会議システムが広く利用されるようになった。電子会議システムは、PCなどの端末毎にカメラやマイクなどの画像と音声の入力手段と、大型ディスプレイとスピーカなどの画像と音声の出力手段と、を有している。
【0003】
特許文献1には、発表者が説明に用いるPCと参加者が注目する大型ディスプレイとの間に、参加者が用いるペン入力が可能なディスプレイと、映像信号の分配・合成を行う装置と、を接続した電子会議システムが開示されている。この電子会議システムは、PCに表示された画面を、大型ディスプレイ及びペン入力可能なディスプレイに表示する。
【0004】
特許文献1の電子会議システムは、PCを操作する発表者のみならず大型ディスプレイ及びペン入力可能なディスプレイを見ている参加者が、共有している画面に対し自由に文字等のメモ書きを記入することができ、会議を効率よく進めることを可能としている。
【0005】
特許文献1の電子会議システムにおいて、発表者が電子文書等の元ドキュメントを画面に表示させる。発表者をはじめ参加者は、議論した事項やアイデア等を発表者の画面に書込むことができる。しかし、この書込みは、発表者及び参加者で共有するものであるため、自分の為の備忘録としてのメモ書きや、この会議に参加していない人に対する指示等の個人のメモ書きはプリントアウトした紙に書込むか、別の電子文書として記録する必要がある。
【0006】
紙に書込む場合は、再利用が難しくなり、書込まれた情報を活用するためには電子化する必要がある。また、別の電子文書に記録する場合は、発表者が配布した元ドキュメントと、参加者が記録した電子文書と、を同時に表示させ、対応関係を確認しながら読む必要がある。
【0007】
このような問題を解決する技術として、発表者が配布した元ドキュメントに対して各参加者がメモ書きを書込み、参加者毎のメモ書き付き元ドキュメントとして全ページを保存する電子会議システムが特許文献2に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特許第3039476号明細書
【特許文献2】特開2003−9107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2の電子会議システムは、会議の元ドキュメントにメモ書きを付加することで、配布された元ドキュメントとメモ書きの対応づけを容易とし、理解しやすくしている。しかし、会議で配布された複数の元ドキュメントに参加者が、新たなアイデア又は指示などのメモ書きを残し、会議に参加していない者にメモ書きされた元ドキュメント(電子文書)を送る場合、次のような問題がある。
【0010】
メモ書きされた複数の元ドキュメントには、メモ書きのアイデア又は指示などに直接関係しないページも多く含まれる。受け取った者は、メモ書きを頼りにページをめくりながらアイデア又は指示などを調べる煩わしさがあった。
【0011】
また、既存の考え方の殻を破る斬新なアイデアを検討する場や、発表された説明から思いついたアイデアをさらに練り上げる時は、思いついた時に、元となる情報とメモ書きを元ドキュメントから取り出して集約したいという要望があるが、編集操作が必要となり煩わしさがあった。
【0012】
さらに、企業の取締役会において、取締役が書込んだ自分の為のメモ書き及び、この会議に参加していない部下に対する指示などを元ドキュメントに書込んだ場合、書込まれたメモ書きに応じて会議終了後に整理し、該当する元ドキュメントの一部とメモ書きと共に集約する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上のような問題を解決するために、本発明に係る電子会議システムは、発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な端末と、会議に用いられたドキュメントと書込まれた情報を記憶するドキュメント記憶手段と、を含む電子会議システムにおいて、ドキュメント記憶手段は、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶し、端末は、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、をドキュメント記憶手段から選択的に読み出す読出手段を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る電子会議システムにおいて、読出手段は、ドキュメント記憶手段への書込があったことを判定する書込判定手段と、書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係る電子会議システムにおいて、書込判定手段は、ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りと判定することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る電子会議用端末は、発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な電子会議用端末において、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶するドキュメント記憶手段と通信する通信手段と、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、を通信手段を用いてドキュメント記憶手段から選択的に読み出す読出手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る電子会議用端末において、読出手段は、ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定手段と、書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係る電子会議用端末において、書込判定手段は、ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りと判定することを特徴とする。
【0019】
本発明に係る電子会議用端末の制御プログラムは、発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な電子会議用端末を制御する制御プログラムにおいて、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶するドキュメント記憶手段と通信する通信ステップと、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、を通信ステップを用いてドキュメント記憶手段から選択的に読出す読出ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る電子会議用端末の制御プログラムにおいて、読出ステップは、ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定ステップと、書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明に係る電子会議用端末の制御プログラムにおいて、書込判定ステップは、ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りとコンピュータに判定させることを特徴とする。
【0022】
さらにまた、本発明に係る電子会議用端末の制御プログラムにおいて、さらに、個人用上書層データは、参加者によって書込まれる複数のメモデータを記憶し、読出ステップは、ドキュメント記憶手段に記憶されたドキュメントのうち取り出すべきページの選択を参加者から受け付けると共に、取り出すべきページの共有用上書層データの選択と、個人用上書層データに書込まれたメモデータの選択と、を参加者から受け付ける選択受付ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る電子会議システムの制御方法は、発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能とする端末制御工程と、会議に用いられたドキュメントと書込まれた情報を記憶するドキュメント記憶工程と、を含む電子会議システムの制御方法において、ドキュメント記憶工程は、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶し、端末制御工程は、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、をドキュメント記憶工程から選択的に読み出す読出工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、会議で使用した元ドキュメントの中から注目したページやメモ書きを集約することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0026】
図1に示す電子会議システム100の全体構成と、図2の制御処理ブロックと、を用いてシステムの概要を示す。電子会議システム100は、大きく4つに分けられる。第1は、発表のためのメイン端末10と制御装置12。第2は、発表を視聴するためのサブ端末(16a,16b)。第3は、会議で発表されるドキュメントなどの電子文書を管理するサーバ群20。第4は、ドキュメントを印刷するプリンタ28と、サブ端末16の代わりとしても使用できるデスクトップPC32と、を含む補助設備である。これらはネットワーク15で各々接続されている。
【0027】
さらにサーバ群20は、認証サーバ29と、文書サーバ22と、メールサーバ24と、プリントサーバ26と、を有している。また、メイン端末10と、サブ端末(16a,16b)と、プリンタ28及びデスクトップPC32は、情報漏洩を防止するためのICカードリーダライタ(14,18a,18b,31,33)と各々接続されている。
【0028】
次に、各サーバの機能を示す。認証サーバ29は、セキュリティに関する情報を管理し、発表者や参加者を認証するサーバである。文書サーバ22は、発表に用いられるドキュメントやメモ書きが付加されたドキュメントなどの電子文書を管理するサーバである。メールサーバ24は、電子文書の送受信などに用いられ、プリントサーバ26は、電子文書の印刷に用いられる。この電子会議システム100を用いることにより、会議に必要なドキュメントの管理から、会議で使用した電子文書の管理、印刷、送信まで円滑に処理できる。
【0029】
図2には、メイン端末10とサブ端末16へのドキュメントの表示と、各端末からのメモ書きを受け付け、ドキュメントとメモ書きを選択的に読み出す機能を有する制御処理ブロックが示されている。
【0030】
制御装置12は、文書サーバ22から発表に用いられるドキュメントを取得してドキュメント記憶手段50に格納するアクセス制御手段59を有している。アクセス制御手段59は、ドキュメントの取得と、メイン端末10やサブ端末16へのドキュメントの送信と、メイン端末10やサブ端末16からのメモ書き書込などのアクセスを制御する。
【0031】
メイン端末10は、制御装置12から取得したドキュメントの表示を行うメイン端末表示手段55と、ドキュメントにメモ書きを書込むメモ書込手段68と、を有している。
【0032】
サブ端末16は、制御装置12から取得したドキュメントの表示を行うサブ端末表示手段61と、ドキュメントにメモ書きを書込むメモ書込手段54と、書込んだメモ書きを選択的に取り出すことが可能な、前選択手段67と、選択受付手段69と、画像集約手段56と、画像出力手段58と、を有している。
【0033】
サブ端末16の選択受付手段69は、参加者からの指示を受け付けるための、ページ選択手段63と、上書層選択手段65と、を有している。さらに、画像出力手段58は出力処理として、文書サーバ22へ保存する保存処理64と、メールサーバ24へ送信するメール処理66と、プリントサーバ26へ送信するプリント処理62と、を有している。
【0034】
前述したアクセス制御手段59によって制御されるドキュメント記憶手段50は、ドキュメント51と、共有用上書層53と、個人用上書層52と、を有している。なお、個人用上書層52は、参加者毎に複数の個人用上書層52(メモデータ記憶領域)を有しているが、詳細は後述する。以下、ドキュメント51、個人用上書層52及び共有用上書層53を有する電子文書を多層ドキュメントという。
【0035】
次に、制御処理の概要について制御処理ブロックを用いて示す。発表者がドキュメントの内容を発表する場合において、発表されるドキュメントは、ネットワーク15を経由して文書サーバ22から制御装置12のドキュメント記憶手段50に記憶される。
【0036】
ドキュメント記憶手段50に格納されたドキュメント51を含む多層ドキュメントは、アクセス制御手段59によりメイン端末10とサブ端末16に同時に送信され、メイン端末表示手段55と、サブ端末表示手段61と、で表示される。
【0037】
例えば、アクセス制御手段59が書込を許可している場合において、発表者がメモ書きをメイン端末10に入力すると、入力されたメモ書きは、メモ書込手段68により共有用上書層53に記録される。同様に参加者がメモ書きをサブ端末16に入力すると、入力されたメモ書きは、メモ書込手段54により共有用上書層53又は個人用上書層52のいずれかに記録される。
【0038】
次に、図2には、サブ端末16で会議終了後に実行されるドキュメント整理に関する処理が示されている。前選択手段67は、例えば、ドキュメント記憶手段50に記録されたメモ書きのストローク数又はビットマップのデータサイズを読み出し、予め設定されたしきい値を越えるメモ書きを候補として選択する。この処理により、取り出すべきメモ書きの絞り込みが行われる。
【0039】
ページ選択手段63は、前選択手段67からメモ書きの候補を取得し、参加者が選択した各ページを受け付ける。次に、上書層選択手段65は、取り出すべきページの個人用上書層52と共有用上書層53との少なくとも一つの層の選択を参加者から受け付ける。この処理により、取り出すべき各ページと各層が決定される。
【0040】
画像集約手段56は、これらの選択手段により選択された各ページと、選択された各層と、を集約して集約ページを作成する。画像出力手段58は、サブ端末16から入力された参加者の出力指示に基づいて作成された集約ページを、プリント処理62、メール処理66又は保存処理64の少なくとも一つに出力する。
【0041】
このように、制御装置12がドキュメント等の電子文書を記憶することにより各端末とサーバ群との間の通信量が低減され、各端末のレスポンス時間の短縮が可能となる。また、制御装置12は、発表者の指示に応じてドキュメント記憶手段50のアクセスを制御するアクセス制御手段により会議の進行支援が制御可能である。
【0042】
図3には、上述したサブ端末16の構成とユーザインターフェースを説明するための画面イメージが示されている。サブ端末16は、キーボートが接続されていない電子ペン入力式のコンピュータであり、画面80と、カメラ71と、マイク72と、電子ペン73と、スピーカ77と、ICカードリーダライタ18と、を有している。
【0043】
サブ端末16の画面80は、操作エリア70と、縮小表示エリア85と、拡大表示エリア86と、サムネイル表示エリア90と、に区分されている。また、操作エリア70は、共有ボタン74と、印刷ボタン75と、まとめボタン76と、退席ボタン82と、白紙ボタン84と、を含んでいる。なお、各ボタンの機能は後述する。
【0044】
図3の拡大表示エリア86に表示されている「個人メモ表示」は、元になるドキュメントのページと個人用上書層52が重ねて表示されている例である。また、縮小表示エリア85に表示されている「共有表示」は、元になるドキュメントのページと共有用上書層53が同様に重ねて表示される例である。
【0045】
図3に示す縮小表示エリア85と拡大表示エリア86は、例えば、「共有表示」となっている縮小表示エリア85を電子ペン73でダブルクリックすることで、縮小表示エリア85と拡大表示エリア86の表示内容が入れ替わり、「共有表示」と「個人メモ表示」とを切替えることができる。この機能により、参加者は会議の進行中に画面の切替を自由に行える。
【0046】
図4には、前述したドキュメント記憶手段50に記憶されている多層ドキュメントの表示例となるサムネイル表示エリア90の拡大図が示されている。サムネイル表示エリア90は、縮小画面であるサムネイル95と、選択可能なページ選択チェックボックス91と、参加者がページ選択チェックボックス91を選択することにより表示される上書層切替サブパネル92と、を有している。
【0047】
上書層切替サブパネル92は、カウントアップボタン96と、カウントダウンボタン98と、番号表示窓99と、上書層選択チェックボックス97と、を有している。
【0048】
参加者により、ページ選択チェックボックス91がクリックされて印がつくと、上書層切替サブパネル92が表示される。参加者は、サムネイル表示エリア90の上書層切替サブパネル92を操作することにより「個人メモ表示」又は「共有表示」を選択可能である。さらに、サムネイル95をダブルクリックすると、拡大表示エリア86に表示することができる。
【0049】
番号表示窓99に表示される番号は、多層ドキュメントの各層に割り当てられた番号である。サムネイル95の画像は、カウントアップボタン96とカウントダウンボタン98により変更可能である。
【0050】
図5には、元ドキュメントの上に、一つの共有用上書層と、参加者毎に割り当てられた2つの個人用上書層と、が重ね合わされた多層ドキュメントが示されている。多層ドキュメントは、元ドキュメントページ[0]122と、共有用上書層ページ[1]124と、第1の個人用上書層[2]126と、第2の個人用上書層[3]128と、を含んでいる。各層は、[n]が割り当てられ、個別に選択ができる(以下、[n]は割り当てられた層の番号である層番号を示す。)。
【0051】
元ドキュメントページ[0]122と、共有用上書層ページ[1]124と、は発表及び議論で使用され、元ドキュメントページ[0]122と、第1の個人用上書層[2]126と、第2の個人用上書層[3]128と、は個人メモ用のメモデータ記憶領域として使用される。
【0052】
このような多層ドキュメントとすることで、発表に用いられる元ドキュメント、元ドキュメントと個人用上書層、ドキュメント51と共有用上書層53、若しくはドキュメント51と個人用上書層52と共有用上書層53などの組み合わせが可能となる。
【0053】
例えば、図4の番号表示窓99には、「1」が表示されているときは、元ドキュメントページ[0]122と共有用上書層ページ[1]124が重ね合わせて表示される。また、全ての層を表示する場合は、例えば、図示しない「*」(ワイルドカード)を選ぶことで表示可能である。
【0054】
番号表示窓99は、元ドキュメントページ[0]122から第2の個人用上書層[3]128までの層番号が表示でき、番号が表示されている時に上書層選択チェックボタン97に印を付けることで、各層を個別に選択することが可能である。
【0055】
サムネイル表示エリア90は、画像がスクロール可能な状態で縮小表示されている。このため、簡単に会議の一連の画像を見ることができる。なお、ページ選択チェックボックス91に印を付けない場合は、上書層切替サブパネル92は表示されず、メモ書きは選択できない。これは、メモ書きが書込まれているかを参加者に示すインジケータの役割も兼ねているためである。
【0056】
メモ書きが書込まれており、かつ、ページ選択チックボックス91に印が無い場合は、サムネイル95にメモ書き有りの画像が表示される。
【0057】
さらに、上書層選択チェックボタン97を例えば3秒間長押しすると、第1又は第2の個人用上書層全てを選択する。この機能により、参加者が層別に残したメモ書きを簡単に選択できる。なお、誤って選択した場合は、再度長押しをすることにより、図示しないヒストリ機能で元に戻すことが可能である。
【0058】
表1には、本実施形態における多層ドキュメントのデータ構造の例が示されている。表1は、文書サーバ22と、認証サーバ29で管理される会議ジョブと、参加者と、に対応するページID及び多層ドキュメントの関係を示している。例えば、表に示される「特許検討会議ジョブ」は、会議ジョブであり、会議に参加する参加者(A,B,C)それぞれに多層ドキュメントがリンク情報として関連付けられている。また、リンク情報(表の矢印)で紐付けられた多層ドキュメントは、ドキュメント記憶手段で一時記憶され、表示したデータ構造と共に文書サーバ22で管理されている。
【0059】
このため、共有用上書層53や個人用上書層52毎にメモ書きを管理するのではなく、表1に示すようにジョブ名及び参加者の情報が付加された多層ドキュメントの各ページに検索可能なページIDを割り当て、各参加者のページ毎のデータをリンク情報として管理している。この管理により、ページ毎のアクセス管理が容易となり、ジョブ名をはじめとするページIDと認証情報にてセキュリティが確保される。
【0060】
【表1】
【0061】
表2には、例えば、「特許検討会議ジョブ」における「参加者A」の多層ドキュメントの具体的なデータリストが示され、ページ選択手段63と上書層選択手段65によって選択された情報が示されている。表2の「W」(Write)印は画像又はメモ書きが有ることを示しており、「M」(Mark)印はそれらの情報を選択したことを示す。ここで、網がけ部は、前選択手段67で書込み有りと判断されたデータである。
【0062】
次に、表2を用いてデータリストの入力処理の流れを示す。メモ書込手段(54,68)で書込まれたメモ書きは、共有用上書層53と、第1の個人用上書層52と、第2の個人用上書層52に挿入される(表2の「W」印)。
【0063】
例えば、表2の最初のページID「2005090501320」は、「元ドキュメント」と、「共有用上書層」と、「第1の個人用上書層」と、「第2の個人用上書層」と、にデータを有している(「W」印有り)。破線で囲んだ「共有用上書層」のデータに「選択」を示す「M」印があるため、「元ドキュメント」のデータも同様に「M」印が付く(破線で囲まれた部分)。
【0064】
その後、画像集約手段56は、表2に示す上書層の「W」印、かつ、「M」印があるページをまとめて集約ページを作成する。ここで、表2に示す「集約ページ」は作成された集約ページの通し番号(1〜4)である。
【0065】
【表2】
【0066】
次に、電子会議システム100の具体的な処理の流れをフローチャート(図6〜図12)と、処理中に表示される画面イメージ(図13〜図14)と、で示す。フローチャートは、メイン処理と、サブルーチン処理と、サブルーチンからコールされる処理の3つに区分される。
【0067】
第1の区分は、図6に示すユーザ認証に関するメイン処理と、図7に示すユーザ認証を除く全てのメイン処理である。第2の区分は、図8〜図10に示すデータカード読込処理、集約処理、印刷処理などである。さらに、第3の区分は、図11と図12に示すサブルーチンからコールされるジョブ名生成処理とデータカード保存処理などである。
【0068】
なお、図13は集約確認画面、図14はリンク情報格納確認画面、図15は印刷確認画面のイメージであり、これらはサブ端末16に表示される。
【0069】
次に、処理の流れを図6から順に示す。ユーザ認証のメイン処理に示すように、会議が始まる前に発表者と参加者は、認証を受けるために各人の端末にICカードをかざす。この時、各端末は、ICカードを検出し(ステップS10)、認証サーバ29からユーザ情報を取得する(ステップS12)。
【0070】
各端末は、認証サーバ29から取得したユーザ情報に基づいて認証を行い(ステップS14)、会議が終了するまで認証情報を各端末で保持する(ステップS16)。この認証情報により後述する処理が許可されるからである。ユーザ認証が終了すると、図7に示すメイン処理に移る。
【0071】
図7には、ユーザ認証を除く全てのメイン処理が示されている。発表者が、発表用のドキュメントを呼び出すためのデータカードをICカードリーダライタ14にかざす。するとメイン端末10は、図7に示すデータカード読込処理のサブルーチン(ステップS200)において、データカードからリンク情報の読込を行い、メイン端末10とサブ端末16にドキュメントを表示させる。
【0072】
なお、データカードはICカードに電子文書のリンク情報(管理情報等)が記憶されたものである。このデータカードにより、データ検索などの操作が不要となり、ドキュメントの表示が容易となる。
【0073】
図8には、データカード読込処理のサブルーチン(S200)が示されている。データカード読込処理では、最初にデータカードを検出し(ステップS202)、データカードからリンク情報を取得する(ステップS204)。例えば、データカードに記憶されているリンク情報「特許検討会議2005年09月05日01」等を読み出し、リンク情報に基づいて文書サーバ22よりドキュメントを取得する。
【0074】
取得されたドキュメントにより、メイン端末10とサブ端末16に画像が表示される。サブ端末16を操作している参加者は、サブ端末に表示された画像に対して、必要な時に電子ペン73にてメモ書きを書込み、発表者の説明を視聴する。
【0075】
図8のステップS206において、サブ端末16は、書込まれたメモ書きデータを取得し、表2に示したデータリストへ情報を追加(ステップS208)する処理を行う。以後、メモ書きデータ取得処理とデータリストへ追加する処理は継続して実行される。以上でサブルーチンが終了し、図7のメイン処理へ戻る。
【0076】
会議中、参加者が書込んだメモ書きデータは、上述したメモ書きデータ取得処理(ステップS206)とデータリストへ追加処理(ステップS208)によりドキュメント記憶手段50に記録される。なお、発表者の書込んだメモ書きも同様に記録される。
【0077】
会議が終了すると、参加者は、まとめたい画像を選択するために、図4に示すページ選択チェックボックス91を電子ペン73でクリックして、「選択」を示す印を残す。
【0078】
図7に示すメイン処理のステップS24において、サブ端末16は、サムネイル表示エリア90のページ選択チェックボックス91がクリックされたこと(ペンイベント)を検知する。ステップS26において、「選択」を示す印を検知すると、サブ端末16は、ページ選択チェックボックス91がクリックされたメモ書きデータをデータリストから検出し(ステップS28)、すでにデータリストに書込まれているかを調べる(ステップS29)。
【0079】
もし、データリストに無い場合は、データリストに追加する(ステップS30)。また、すでにデータリストにあれば、検出されたメモ書きデータを一度データリストから消去して最新のメモ書きデータを書込む(ステップS32)。以上で、一連の処理が終わりステップS24に戻り、処理を繰り返す。
【0080】
画像の選択が終了した後、参加者は、まとめた画像を得るために集約処理を実行する。例えば、参加者が図3のまとめボタン76を電子ペン73でクリックして、「まとめ」を実行させた場合、サブ端末16は、まとめボタン76がクリックされたことを検知し(図7のステップS24〜ステップS34)、ステップS300の集約処理のサブルーチンを実行する。
【0081】
図9に示す集約処理のサブルーチン(ステップS300)が実行されると、サブ端末16は、ステップS302において、表2に示すデータリストから「M」印があるメモ書きデータを取得する。次に、ステップS304において、得られた元ドキュメントとメモ書きデータから画像をまとめる。次に、新たなジョブ名を生成するためにサブ端末16は、ステップS404を実行する。なお、ステップS404はジョブ名作成サブルーチンである。
【0082】
図11にジョブ名生成処理(ステップS404)を示す。サブ端末16は、文書サーバ22から会議名「特許検討会議」を取得する(ステップS410)。次に、文書サーバ22から現在の日時「2005年09月05日」を取得する(ステップS412)。さらに、文書サーバ22から先頭のページID「2005090501320」を取得し(ステップS414)、サブルーチンを終了して図9の集約処理のサブルーチンに戻る。この処理により新しいジョブ名が付与され、集約ページの管理が行われる。
【0083】
図9に示すステップS308において、サブ端末16は、取得した新しいジョブ名と、保持している認証情報を用いて文書サーバ22に格納するための確認を参加者にする。図13には、新しいジョブ名である「特許検討会議2005年09月05日02」を表示して参加者の確認を得るための集約確認画面202が示されている。なお、まとめる場合には、参加者はOKボタン204をクリックし、キャンセルする場合には取消ボタン206をクリックする。
【0084】
サブ端末16が、OKボタン204を検知すると、図9に示すステップS310において、集約された電子文書が文書サーバ22に格納される。次に、ステップS312において、データカードにリンク情報が保存される。なお、ステップS312はデータカード保存処理のサブルーチンであり、図12にデータカード保存処理のサブルーチンを示す。
【0085】
図12に示すステップS330において、サブ端末16は、参加者に対してリンク情報の確認を行う。図14には、リンク情報格納確認画面208において「特許検討会議2005年09月05日02」に格納することを確認する画面イメージが示されている。ステップS332において、OKボタン210がクリックされると、ステップS334においてデータカードを確認する。データカードが確認されると、ステップS336においてリンク情報をデータカードに保存して集約処理のサブルーチンが終了し、図7のメイン処理に戻る。
【0086】
もし、ステップS332において、取消ボタン212がクリックされたことをサブ端末16が検知すると、データカード保存処理を終了し、図7のメイン処理に戻る。図7に示す集約処理S300が終了すると、ステップS24のペンイベント検出判定に戻る。
【0087】
例えば、まとめ作業終了後、参加者が図3に示す印刷ボタン75をクリックして「印刷」を実行させた場合、サブ端末16は、印刷ボタン75がクリックされたことを検知し(ステップS38)、ステップS400の印刷処理のサブルーチンを実行する。
【0088】
図10に示す印刷処理のステップS402において、サブ端末16は、メモ書きデータを文書サーバ22から取得し、ステップS404においてジョブ名を生成する。次に、サブ端末16は、ステップS406において印刷履歴に記録するために認証情報を読み出す。次に、ステップS408において印刷ジョブを作成してプリントサーバ26を介してプリンタ28に出力させて印刷処理を終了し、図7のメイン処理に戻る。なお、印刷処理のジョブ名を含む印刷履歴は、セキュリティ管理のため、認証サーバ29に記録される。
【0089】
図7に示す印刷処理S400が終了すると、ステップS24のペンイベント検出判定に戻る。例えば、会議終了後、参加者が退席ボタン82をクリックした場合、図7のステップS42の「退席」と判定し、一連の処理が終了する。なお、終了がキャンセルされると、ステップS44を実行してメモ書き処理を続行する。また、記入した個人メモ書きを消去したい場合は、白紙ボタン84をクリックすると個人メモ書きが消去される。
【0090】
以上、上述したように、本実施形態を用いると会議で使用した資料の中から注目したページやメモ書きをまとめ、ページ数を少なくすることが可能となり、プリントアウトやメール送信又はファイルの保存などが容易に実行できる。なお、同様の処理は、電子ペン入力によるサブ端末16の他に、デスクトップPC32、その他のPCなどにおいて実行できるのはいうまでもない。
【0091】
本実施形態では、個人用上書層データにさらに複数のメモデータを個別に格納及び選択ができるため、参加者が情報を伝達する相手を意識してメモ書きを行うことで、集約する設定作業が容易となる。
【0092】
なお、本実施形態では、個人用メモの記入に関する組み合わせ例と、個人用上書層52に二つのメモデータを記憶させる例を示したが、これに限定するものではない。さらに、本実施形態では、参加者の要求に応じてメモ書きを選択して集約ページとする選択受付手段69を用いたが、これに限定するものではなく、例えば、メモ書きがある全ての上書層を集約ページとして取り出してもよい。
【0093】
さらに、本実施形態では、会議終了後にメモ書きを選択してまとめる処理を行ったが、会議中に選択してまとめる処理を行ってもよい。
【0094】
また、本実施形態では、ドキュメントの画像データの他に共有用上書層データと個人用上書層データがある例を示したが、これらの上書層データがなく、発表者または参加者による書込み情報がドキュメントの画像データとともに一つの画像データとして扱われるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本実施形態に係る電子会議システムの全体構成図である。
【図2】本実施形態に係る電子会議システムの制御処理ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の構成と画面イメージを示すイメージ図である。
【図4】本実施形態に係るサムネイル表示エリアの拡大図を示すイメージ図である。
【図5】本実施形態に係る多層ドキュメントにおける元ドキュメントと上書層の関係を示す説明図である。
【図6】本実施形態に係る電子会議用サブ端末におけるメイン処理の流れを示すフローチャート図である。
【図7】本実施形態に係る電子会議用サブ端末におけるメイン処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】本実施形態に係る電子会議用サブ端末のデータカード読込(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の集約(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図10】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の印刷(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図11】本実施形態に係る電子会議用サブ端末のジョブ名生成(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図12】本実施形態に係る電子会議用サブ端末のデータカード保存(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図13】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の集約処理における確認画面のイメージ図である。
【図14】本実施形態に係る電子会議用サブ端末のリンク情報格納における確認画面のイメージ図である。
【図15】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の印刷処理における確認画面のイメージ図である。
【符号の説明】
【0096】
10 メイン端末、12 制御装置、14,18,31,33 ICカードリーダライタ、15 ネットワーク、16 サブ端末、20 サーバ群、22 文書サーバ、24 メールサーバ、26 プリントサーバ、28 プリンタ、29 認証サーバ、32 デスクトップPC、50 ドキュメント記憶手段、51 ドキュメント、52 個人用上書層、53 共有用上書層、54,68 メモ書込手段、55 メイン端末表示手段、56 画像集約手段、58 画像出力手段、59 アクセス制御手段、61 サブ端末表示手段、62 プリント処理、63 ページ選択手段、64 保存処理、65 上書層選択手段、66 メール処理、67 前選択手段、69 選択受付手段、70 操作エリア、71 カメラ、72 マイク、73 電子ペン、75 印刷ボタン、76 まとめボタン、77 スピーカ、80 画面、82 退席ボタン、84 白紙ボタン、85 表示エリア、90 サムネイル表示エリア、91 ページ選択チェックボックス、92 上書層切替サブパネル、95 サムネイル、96 カウントアップボタン、97 上書層選択チェックボックス、98 カウントダウンボタン 99 番号表示窓、100 電子会議システム、122 元ドキュメントページ[0]、124 共有用上書層ページ[1]、126 個人用上書層[2]、128 個人用上書層[3]、202 集約確認画面、204,210 OKボタン、206 取消ボタン、208 リンク情報格納確認画面、212 取消ボタン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子会議システムに関し、特に会議で配布される元ドキュメントに上書層を設け、上書層に書込まれたメモ書きと元ドキュメントと共に集約する電子会議用端末を含む電子会議システムと、電子会議システムの制御方法及び電子会議用端末の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナル・コンピュータ(以下、PCという。)の高性能化、ネットワークの発達、大型ディスプレイの普及、デジタルカメラ等の普及により、離れた少なくとも2拠点をネットワークで接続し、音声と画像を相互に共有する遠隔会議に電子会議システムが広く利用されるようになった。電子会議システムは、PCなどの端末毎にカメラやマイクなどの画像と音声の入力手段と、大型ディスプレイとスピーカなどの画像と音声の出力手段と、を有している。
【0003】
特許文献1には、発表者が説明に用いるPCと参加者が注目する大型ディスプレイとの間に、参加者が用いるペン入力が可能なディスプレイと、映像信号の分配・合成を行う装置と、を接続した電子会議システムが開示されている。この電子会議システムは、PCに表示された画面を、大型ディスプレイ及びペン入力可能なディスプレイに表示する。
【0004】
特許文献1の電子会議システムは、PCを操作する発表者のみならず大型ディスプレイ及びペン入力可能なディスプレイを見ている参加者が、共有している画面に対し自由に文字等のメモ書きを記入することができ、会議を効率よく進めることを可能としている。
【0005】
特許文献1の電子会議システムにおいて、発表者が電子文書等の元ドキュメントを画面に表示させる。発表者をはじめ参加者は、議論した事項やアイデア等を発表者の画面に書込むことができる。しかし、この書込みは、発表者及び参加者で共有するものであるため、自分の為の備忘録としてのメモ書きや、この会議に参加していない人に対する指示等の個人のメモ書きはプリントアウトした紙に書込むか、別の電子文書として記録する必要がある。
【0006】
紙に書込む場合は、再利用が難しくなり、書込まれた情報を活用するためには電子化する必要がある。また、別の電子文書に記録する場合は、発表者が配布した元ドキュメントと、参加者が記録した電子文書と、を同時に表示させ、対応関係を確認しながら読む必要がある。
【0007】
このような問題を解決する技術として、発表者が配布した元ドキュメントに対して各参加者がメモ書きを書込み、参加者毎のメモ書き付き元ドキュメントとして全ページを保存する電子会議システムが特許文献2に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特許第3039476号明細書
【特許文献2】特開2003−9107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2の電子会議システムは、会議の元ドキュメントにメモ書きを付加することで、配布された元ドキュメントとメモ書きの対応づけを容易とし、理解しやすくしている。しかし、会議で配布された複数の元ドキュメントに参加者が、新たなアイデア又は指示などのメモ書きを残し、会議に参加していない者にメモ書きされた元ドキュメント(電子文書)を送る場合、次のような問題がある。
【0010】
メモ書きされた複数の元ドキュメントには、メモ書きのアイデア又は指示などに直接関係しないページも多く含まれる。受け取った者は、メモ書きを頼りにページをめくりながらアイデア又は指示などを調べる煩わしさがあった。
【0011】
また、既存の考え方の殻を破る斬新なアイデアを検討する場や、発表された説明から思いついたアイデアをさらに練り上げる時は、思いついた時に、元となる情報とメモ書きを元ドキュメントから取り出して集約したいという要望があるが、編集操作が必要となり煩わしさがあった。
【0012】
さらに、企業の取締役会において、取締役が書込んだ自分の為のメモ書き及び、この会議に参加していない部下に対する指示などを元ドキュメントに書込んだ場合、書込まれたメモ書きに応じて会議終了後に整理し、該当する元ドキュメントの一部とメモ書きと共に集約する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以上のような問題を解決するために、本発明に係る電子会議システムは、発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な端末と、会議に用いられたドキュメントと書込まれた情報を記憶するドキュメント記憶手段と、を含む電子会議システムにおいて、ドキュメント記憶手段は、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶し、端末は、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、をドキュメント記憶手段から選択的に読み出す読出手段を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る電子会議システムにおいて、読出手段は、ドキュメント記憶手段への書込があったことを判定する書込判定手段と、書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係る電子会議システムにおいて、書込判定手段は、ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りと判定することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る電子会議用端末は、発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な電子会議用端末において、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶するドキュメント記憶手段と通信する通信手段と、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、を通信手段を用いてドキュメント記憶手段から選択的に読み出す読出手段と、を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る電子会議用端末において、読出手段は、ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定手段と、書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明に係る電子会議用端末において、書込判定手段は、ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りと判定することを特徴とする。
【0019】
本発明に係る電子会議用端末の制御プログラムは、発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な電子会議用端末を制御する制御プログラムにおいて、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶するドキュメント記憶手段と通信する通信ステップと、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、を通信ステップを用いてドキュメント記憶手段から選択的に読出す読出ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る電子会議用端末の制御プログラムにおいて、読出ステップは、ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定ステップと、書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明に係る電子会議用端末の制御プログラムにおいて、書込判定ステップは、ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りとコンピュータに判定させることを特徴とする。
【0022】
さらにまた、本発明に係る電子会議用端末の制御プログラムにおいて、さらに、個人用上書層データは、参加者によって書込まれる複数のメモデータを記憶し、読出ステップは、ドキュメント記憶手段に記憶されたドキュメントのうち取り出すべきページの選択を参加者から受け付けると共に、取り出すべきページの共有用上書層データの選択と、個人用上書層データに書込まれたメモデータの選択と、を参加者から受け付ける選択受付ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る電子会議システムの制御方法は、発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能とする端末制御工程と、会議に用いられたドキュメントと書込まれた情報を記憶するドキュメント記憶工程と、を含む電子会議システムの制御方法において、ドキュメント記憶工程は、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶し、端末制御工程は、発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、をドキュメント記憶工程から選択的に読み出す読出工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、会議で使用した元ドキュメントの中から注目したページやメモ書きを集約することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0026】
図1に示す電子会議システム100の全体構成と、図2の制御処理ブロックと、を用いてシステムの概要を示す。電子会議システム100は、大きく4つに分けられる。第1は、発表のためのメイン端末10と制御装置12。第2は、発表を視聴するためのサブ端末(16a,16b)。第3は、会議で発表されるドキュメントなどの電子文書を管理するサーバ群20。第4は、ドキュメントを印刷するプリンタ28と、サブ端末16の代わりとしても使用できるデスクトップPC32と、を含む補助設備である。これらはネットワーク15で各々接続されている。
【0027】
さらにサーバ群20は、認証サーバ29と、文書サーバ22と、メールサーバ24と、プリントサーバ26と、を有している。また、メイン端末10と、サブ端末(16a,16b)と、プリンタ28及びデスクトップPC32は、情報漏洩を防止するためのICカードリーダライタ(14,18a,18b,31,33)と各々接続されている。
【0028】
次に、各サーバの機能を示す。認証サーバ29は、セキュリティに関する情報を管理し、発表者や参加者を認証するサーバである。文書サーバ22は、発表に用いられるドキュメントやメモ書きが付加されたドキュメントなどの電子文書を管理するサーバである。メールサーバ24は、電子文書の送受信などに用いられ、プリントサーバ26は、電子文書の印刷に用いられる。この電子会議システム100を用いることにより、会議に必要なドキュメントの管理から、会議で使用した電子文書の管理、印刷、送信まで円滑に処理できる。
【0029】
図2には、メイン端末10とサブ端末16へのドキュメントの表示と、各端末からのメモ書きを受け付け、ドキュメントとメモ書きを選択的に読み出す機能を有する制御処理ブロックが示されている。
【0030】
制御装置12は、文書サーバ22から発表に用いられるドキュメントを取得してドキュメント記憶手段50に格納するアクセス制御手段59を有している。アクセス制御手段59は、ドキュメントの取得と、メイン端末10やサブ端末16へのドキュメントの送信と、メイン端末10やサブ端末16からのメモ書き書込などのアクセスを制御する。
【0031】
メイン端末10は、制御装置12から取得したドキュメントの表示を行うメイン端末表示手段55と、ドキュメントにメモ書きを書込むメモ書込手段68と、を有している。
【0032】
サブ端末16は、制御装置12から取得したドキュメントの表示を行うサブ端末表示手段61と、ドキュメントにメモ書きを書込むメモ書込手段54と、書込んだメモ書きを選択的に取り出すことが可能な、前選択手段67と、選択受付手段69と、画像集約手段56と、画像出力手段58と、を有している。
【0033】
サブ端末16の選択受付手段69は、参加者からの指示を受け付けるための、ページ選択手段63と、上書層選択手段65と、を有している。さらに、画像出力手段58は出力処理として、文書サーバ22へ保存する保存処理64と、メールサーバ24へ送信するメール処理66と、プリントサーバ26へ送信するプリント処理62と、を有している。
【0034】
前述したアクセス制御手段59によって制御されるドキュメント記憶手段50は、ドキュメント51と、共有用上書層53と、個人用上書層52と、を有している。なお、個人用上書層52は、参加者毎に複数の個人用上書層52(メモデータ記憶領域)を有しているが、詳細は後述する。以下、ドキュメント51、個人用上書層52及び共有用上書層53を有する電子文書を多層ドキュメントという。
【0035】
次に、制御処理の概要について制御処理ブロックを用いて示す。発表者がドキュメントの内容を発表する場合において、発表されるドキュメントは、ネットワーク15を経由して文書サーバ22から制御装置12のドキュメント記憶手段50に記憶される。
【0036】
ドキュメント記憶手段50に格納されたドキュメント51を含む多層ドキュメントは、アクセス制御手段59によりメイン端末10とサブ端末16に同時に送信され、メイン端末表示手段55と、サブ端末表示手段61と、で表示される。
【0037】
例えば、アクセス制御手段59が書込を許可している場合において、発表者がメモ書きをメイン端末10に入力すると、入力されたメモ書きは、メモ書込手段68により共有用上書層53に記録される。同様に参加者がメモ書きをサブ端末16に入力すると、入力されたメモ書きは、メモ書込手段54により共有用上書層53又は個人用上書層52のいずれかに記録される。
【0038】
次に、図2には、サブ端末16で会議終了後に実行されるドキュメント整理に関する処理が示されている。前選択手段67は、例えば、ドキュメント記憶手段50に記録されたメモ書きのストローク数又はビットマップのデータサイズを読み出し、予め設定されたしきい値を越えるメモ書きを候補として選択する。この処理により、取り出すべきメモ書きの絞り込みが行われる。
【0039】
ページ選択手段63は、前選択手段67からメモ書きの候補を取得し、参加者が選択した各ページを受け付ける。次に、上書層選択手段65は、取り出すべきページの個人用上書層52と共有用上書層53との少なくとも一つの層の選択を参加者から受け付ける。この処理により、取り出すべき各ページと各層が決定される。
【0040】
画像集約手段56は、これらの選択手段により選択された各ページと、選択された各層と、を集約して集約ページを作成する。画像出力手段58は、サブ端末16から入力された参加者の出力指示に基づいて作成された集約ページを、プリント処理62、メール処理66又は保存処理64の少なくとも一つに出力する。
【0041】
このように、制御装置12がドキュメント等の電子文書を記憶することにより各端末とサーバ群との間の通信量が低減され、各端末のレスポンス時間の短縮が可能となる。また、制御装置12は、発表者の指示に応じてドキュメント記憶手段50のアクセスを制御するアクセス制御手段により会議の進行支援が制御可能である。
【0042】
図3には、上述したサブ端末16の構成とユーザインターフェースを説明するための画面イメージが示されている。サブ端末16は、キーボートが接続されていない電子ペン入力式のコンピュータであり、画面80と、カメラ71と、マイク72と、電子ペン73と、スピーカ77と、ICカードリーダライタ18と、を有している。
【0043】
サブ端末16の画面80は、操作エリア70と、縮小表示エリア85と、拡大表示エリア86と、サムネイル表示エリア90と、に区分されている。また、操作エリア70は、共有ボタン74と、印刷ボタン75と、まとめボタン76と、退席ボタン82と、白紙ボタン84と、を含んでいる。なお、各ボタンの機能は後述する。
【0044】
図3の拡大表示エリア86に表示されている「個人メモ表示」は、元になるドキュメントのページと個人用上書層52が重ねて表示されている例である。また、縮小表示エリア85に表示されている「共有表示」は、元になるドキュメントのページと共有用上書層53が同様に重ねて表示される例である。
【0045】
図3に示す縮小表示エリア85と拡大表示エリア86は、例えば、「共有表示」となっている縮小表示エリア85を電子ペン73でダブルクリックすることで、縮小表示エリア85と拡大表示エリア86の表示内容が入れ替わり、「共有表示」と「個人メモ表示」とを切替えることができる。この機能により、参加者は会議の進行中に画面の切替を自由に行える。
【0046】
図4には、前述したドキュメント記憶手段50に記憶されている多層ドキュメントの表示例となるサムネイル表示エリア90の拡大図が示されている。サムネイル表示エリア90は、縮小画面であるサムネイル95と、選択可能なページ選択チェックボックス91と、参加者がページ選択チェックボックス91を選択することにより表示される上書層切替サブパネル92と、を有している。
【0047】
上書層切替サブパネル92は、カウントアップボタン96と、カウントダウンボタン98と、番号表示窓99と、上書層選択チェックボックス97と、を有している。
【0048】
参加者により、ページ選択チェックボックス91がクリックされて印がつくと、上書層切替サブパネル92が表示される。参加者は、サムネイル表示エリア90の上書層切替サブパネル92を操作することにより「個人メモ表示」又は「共有表示」を選択可能である。さらに、サムネイル95をダブルクリックすると、拡大表示エリア86に表示することができる。
【0049】
番号表示窓99に表示される番号は、多層ドキュメントの各層に割り当てられた番号である。サムネイル95の画像は、カウントアップボタン96とカウントダウンボタン98により変更可能である。
【0050】
図5には、元ドキュメントの上に、一つの共有用上書層と、参加者毎に割り当てられた2つの個人用上書層と、が重ね合わされた多層ドキュメントが示されている。多層ドキュメントは、元ドキュメントページ[0]122と、共有用上書層ページ[1]124と、第1の個人用上書層[2]126と、第2の個人用上書層[3]128と、を含んでいる。各層は、[n]が割り当てられ、個別に選択ができる(以下、[n]は割り当てられた層の番号である層番号を示す。)。
【0051】
元ドキュメントページ[0]122と、共有用上書層ページ[1]124と、は発表及び議論で使用され、元ドキュメントページ[0]122と、第1の個人用上書層[2]126と、第2の個人用上書層[3]128と、は個人メモ用のメモデータ記憶領域として使用される。
【0052】
このような多層ドキュメントとすることで、発表に用いられる元ドキュメント、元ドキュメントと個人用上書層、ドキュメント51と共有用上書層53、若しくはドキュメント51と個人用上書層52と共有用上書層53などの組み合わせが可能となる。
【0053】
例えば、図4の番号表示窓99には、「1」が表示されているときは、元ドキュメントページ[0]122と共有用上書層ページ[1]124が重ね合わせて表示される。また、全ての層を表示する場合は、例えば、図示しない「*」(ワイルドカード)を選ぶことで表示可能である。
【0054】
番号表示窓99は、元ドキュメントページ[0]122から第2の個人用上書層[3]128までの層番号が表示でき、番号が表示されている時に上書層選択チェックボタン97に印を付けることで、各層を個別に選択することが可能である。
【0055】
サムネイル表示エリア90は、画像がスクロール可能な状態で縮小表示されている。このため、簡単に会議の一連の画像を見ることができる。なお、ページ選択チェックボックス91に印を付けない場合は、上書層切替サブパネル92は表示されず、メモ書きは選択できない。これは、メモ書きが書込まれているかを参加者に示すインジケータの役割も兼ねているためである。
【0056】
メモ書きが書込まれており、かつ、ページ選択チックボックス91に印が無い場合は、サムネイル95にメモ書き有りの画像が表示される。
【0057】
さらに、上書層選択チェックボタン97を例えば3秒間長押しすると、第1又は第2の個人用上書層全てを選択する。この機能により、参加者が層別に残したメモ書きを簡単に選択できる。なお、誤って選択した場合は、再度長押しをすることにより、図示しないヒストリ機能で元に戻すことが可能である。
【0058】
表1には、本実施形態における多層ドキュメントのデータ構造の例が示されている。表1は、文書サーバ22と、認証サーバ29で管理される会議ジョブと、参加者と、に対応するページID及び多層ドキュメントの関係を示している。例えば、表に示される「特許検討会議ジョブ」は、会議ジョブであり、会議に参加する参加者(A,B,C)それぞれに多層ドキュメントがリンク情報として関連付けられている。また、リンク情報(表の矢印)で紐付けられた多層ドキュメントは、ドキュメント記憶手段で一時記憶され、表示したデータ構造と共に文書サーバ22で管理されている。
【0059】
このため、共有用上書層53や個人用上書層52毎にメモ書きを管理するのではなく、表1に示すようにジョブ名及び参加者の情報が付加された多層ドキュメントの各ページに検索可能なページIDを割り当て、各参加者のページ毎のデータをリンク情報として管理している。この管理により、ページ毎のアクセス管理が容易となり、ジョブ名をはじめとするページIDと認証情報にてセキュリティが確保される。
【0060】
【表1】
【0061】
表2には、例えば、「特許検討会議ジョブ」における「参加者A」の多層ドキュメントの具体的なデータリストが示され、ページ選択手段63と上書層選択手段65によって選択された情報が示されている。表2の「W」(Write)印は画像又はメモ書きが有ることを示しており、「M」(Mark)印はそれらの情報を選択したことを示す。ここで、網がけ部は、前選択手段67で書込み有りと判断されたデータである。
【0062】
次に、表2を用いてデータリストの入力処理の流れを示す。メモ書込手段(54,68)で書込まれたメモ書きは、共有用上書層53と、第1の個人用上書層52と、第2の個人用上書層52に挿入される(表2の「W」印)。
【0063】
例えば、表2の最初のページID「2005090501320」は、「元ドキュメント」と、「共有用上書層」と、「第1の個人用上書層」と、「第2の個人用上書層」と、にデータを有している(「W」印有り)。破線で囲んだ「共有用上書層」のデータに「選択」を示す「M」印があるため、「元ドキュメント」のデータも同様に「M」印が付く(破線で囲まれた部分)。
【0064】
その後、画像集約手段56は、表2に示す上書層の「W」印、かつ、「M」印があるページをまとめて集約ページを作成する。ここで、表2に示す「集約ページ」は作成された集約ページの通し番号(1〜4)である。
【0065】
【表2】
【0066】
次に、電子会議システム100の具体的な処理の流れをフローチャート(図6〜図12)と、処理中に表示される画面イメージ(図13〜図14)と、で示す。フローチャートは、メイン処理と、サブルーチン処理と、サブルーチンからコールされる処理の3つに区分される。
【0067】
第1の区分は、図6に示すユーザ認証に関するメイン処理と、図7に示すユーザ認証を除く全てのメイン処理である。第2の区分は、図8〜図10に示すデータカード読込処理、集約処理、印刷処理などである。さらに、第3の区分は、図11と図12に示すサブルーチンからコールされるジョブ名生成処理とデータカード保存処理などである。
【0068】
なお、図13は集約確認画面、図14はリンク情報格納確認画面、図15は印刷確認画面のイメージであり、これらはサブ端末16に表示される。
【0069】
次に、処理の流れを図6から順に示す。ユーザ認証のメイン処理に示すように、会議が始まる前に発表者と参加者は、認証を受けるために各人の端末にICカードをかざす。この時、各端末は、ICカードを検出し(ステップS10)、認証サーバ29からユーザ情報を取得する(ステップS12)。
【0070】
各端末は、認証サーバ29から取得したユーザ情報に基づいて認証を行い(ステップS14)、会議が終了するまで認証情報を各端末で保持する(ステップS16)。この認証情報により後述する処理が許可されるからである。ユーザ認証が終了すると、図7に示すメイン処理に移る。
【0071】
図7には、ユーザ認証を除く全てのメイン処理が示されている。発表者が、発表用のドキュメントを呼び出すためのデータカードをICカードリーダライタ14にかざす。するとメイン端末10は、図7に示すデータカード読込処理のサブルーチン(ステップS200)において、データカードからリンク情報の読込を行い、メイン端末10とサブ端末16にドキュメントを表示させる。
【0072】
なお、データカードはICカードに電子文書のリンク情報(管理情報等)が記憶されたものである。このデータカードにより、データ検索などの操作が不要となり、ドキュメントの表示が容易となる。
【0073】
図8には、データカード読込処理のサブルーチン(S200)が示されている。データカード読込処理では、最初にデータカードを検出し(ステップS202)、データカードからリンク情報を取得する(ステップS204)。例えば、データカードに記憶されているリンク情報「特許検討会議2005年09月05日01」等を読み出し、リンク情報に基づいて文書サーバ22よりドキュメントを取得する。
【0074】
取得されたドキュメントにより、メイン端末10とサブ端末16に画像が表示される。サブ端末16を操作している参加者は、サブ端末に表示された画像に対して、必要な時に電子ペン73にてメモ書きを書込み、発表者の説明を視聴する。
【0075】
図8のステップS206において、サブ端末16は、書込まれたメモ書きデータを取得し、表2に示したデータリストへ情報を追加(ステップS208)する処理を行う。以後、メモ書きデータ取得処理とデータリストへ追加する処理は継続して実行される。以上でサブルーチンが終了し、図7のメイン処理へ戻る。
【0076】
会議中、参加者が書込んだメモ書きデータは、上述したメモ書きデータ取得処理(ステップS206)とデータリストへ追加処理(ステップS208)によりドキュメント記憶手段50に記録される。なお、発表者の書込んだメモ書きも同様に記録される。
【0077】
会議が終了すると、参加者は、まとめたい画像を選択するために、図4に示すページ選択チェックボックス91を電子ペン73でクリックして、「選択」を示す印を残す。
【0078】
図7に示すメイン処理のステップS24において、サブ端末16は、サムネイル表示エリア90のページ選択チェックボックス91がクリックされたこと(ペンイベント)を検知する。ステップS26において、「選択」を示す印を検知すると、サブ端末16は、ページ選択チェックボックス91がクリックされたメモ書きデータをデータリストから検出し(ステップS28)、すでにデータリストに書込まれているかを調べる(ステップS29)。
【0079】
もし、データリストに無い場合は、データリストに追加する(ステップS30)。また、すでにデータリストにあれば、検出されたメモ書きデータを一度データリストから消去して最新のメモ書きデータを書込む(ステップS32)。以上で、一連の処理が終わりステップS24に戻り、処理を繰り返す。
【0080】
画像の選択が終了した後、参加者は、まとめた画像を得るために集約処理を実行する。例えば、参加者が図3のまとめボタン76を電子ペン73でクリックして、「まとめ」を実行させた場合、サブ端末16は、まとめボタン76がクリックされたことを検知し(図7のステップS24〜ステップS34)、ステップS300の集約処理のサブルーチンを実行する。
【0081】
図9に示す集約処理のサブルーチン(ステップS300)が実行されると、サブ端末16は、ステップS302において、表2に示すデータリストから「M」印があるメモ書きデータを取得する。次に、ステップS304において、得られた元ドキュメントとメモ書きデータから画像をまとめる。次に、新たなジョブ名を生成するためにサブ端末16は、ステップS404を実行する。なお、ステップS404はジョブ名作成サブルーチンである。
【0082】
図11にジョブ名生成処理(ステップS404)を示す。サブ端末16は、文書サーバ22から会議名「特許検討会議」を取得する(ステップS410)。次に、文書サーバ22から現在の日時「2005年09月05日」を取得する(ステップS412)。さらに、文書サーバ22から先頭のページID「2005090501320」を取得し(ステップS414)、サブルーチンを終了して図9の集約処理のサブルーチンに戻る。この処理により新しいジョブ名が付与され、集約ページの管理が行われる。
【0083】
図9に示すステップS308において、サブ端末16は、取得した新しいジョブ名と、保持している認証情報を用いて文書サーバ22に格納するための確認を参加者にする。図13には、新しいジョブ名である「特許検討会議2005年09月05日02」を表示して参加者の確認を得るための集約確認画面202が示されている。なお、まとめる場合には、参加者はOKボタン204をクリックし、キャンセルする場合には取消ボタン206をクリックする。
【0084】
サブ端末16が、OKボタン204を検知すると、図9に示すステップS310において、集約された電子文書が文書サーバ22に格納される。次に、ステップS312において、データカードにリンク情報が保存される。なお、ステップS312はデータカード保存処理のサブルーチンであり、図12にデータカード保存処理のサブルーチンを示す。
【0085】
図12に示すステップS330において、サブ端末16は、参加者に対してリンク情報の確認を行う。図14には、リンク情報格納確認画面208において「特許検討会議2005年09月05日02」に格納することを確認する画面イメージが示されている。ステップS332において、OKボタン210がクリックされると、ステップS334においてデータカードを確認する。データカードが確認されると、ステップS336においてリンク情報をデータカードに保存して集約処理のサブルーチンが終了し、図7のメイン処理に戻る。
【0086】
もし、ステップS332において、取消ボタン212がクリックされたことをサブ端末16が検知すると、データカード保存処理を終了し、図7のメイン処理に戻る。図7に示す集約処理S300が終了すると、ステップS24のペンイベント検出判定に戻る。
【0087】
例えば、まとめ作業終了後、参加者が図3に示す印刷ボタン75をクリックして「印刷」を実行させた場合、サブ端末16は、印刷ボタン75がクリックされたことを検知し(ステップS38)、ステップS400の印刷処理のサブルーチンを実行する。
【0088】
図10に示す印刷処理のステップS402において、サブ端末16は、メモ書きデータを文書サーバ22から取得し、ステップS404においてジョブ名を生成する。次に、サブ端末16は、ステップS406において印刷履歴に記録するために認証情報を読み出す。次に、ステップS408において印刷ジョブを作成してプリントサーバ26を介してプリンタ28に出力させて印刷処理を終了し、図7のメイン処理に戻る。なお、印刷処理のジョブ名を含む印刷履歴は、セキュリティ管理のため、認証サーバ29に記録される。
【0089】
図7に示す印刷処理S400が終了すると、ステップS24のペンイベント検出判定に戻る。例えば、会議終了後、参加者が退席ボタン82をクリックした場合、図7のステップS42の「退席」と判定し、一連の処理が終了する。なお、終了がキャンセルされると、ステップS44を実行してメモ書き処理を続行する。また、記入した個人メモ書きを消去したい場合は、白紙ボタン84をクリックすると個人メモ書きが消去される。
【0090】
以上、上述したように、本実施形態を用いると会議で使用した資料の中から注目したページやメモ書きをまとめ、ページ数を少なくすることが可能となり、プリントアウトやメール送信又はファイルの保存などが容易に実行できる。なお、同様の処理は、電子ペン入力によるサブ端末16の他に、デスクトップPC32、その他のPCなどにおいて実行できるのはいうまでもない。
【0091】
本実施形態では、個人用上書層データにさらに複数のメモデータを個別に格納及び選択ができるため、参加者が情報を伝達する相手を意識してメモ書きを行うことで、集約する設定作業が容易となる。
【0092】
なお、本実施形態では、個人用メモの記入に関する組み合わせ例と、個人用上書層52に二つのメモデータを記憶させる例を示したが、これに限定するものではない。さらに、本実施形態では、参加者の要求に応じてメモ書きを選択して集約ページとする選択受付手段69を用いたが、これに限定するものではなく、例えば、メモ書きがある全ての上書層を集約ページとして取り出してもよい。
【0093】
さらに、本実施形態では、会議終了後にメモ書きを選択してまとめる処理を行ったが、会議中に選択してまとめる処理を行ってもよい。
【0094】
また、本実施形態では、ドキュメントの画像データの他に共有用上書層データと個人用上書層データがある例を示したが、これらの上書層データがなく、発表者または参加者による書込み情報がドキュメントの画像データとともに一つの画像データとして扱われるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本実施形態に係る電子会議システムの全体構成図である。
【図2】本実施形態に係る電子会議システムの制御処理ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の構成と画面イメージを示すイメージ図である。
【図4】本実施形態に係るサムネイル表示エリアの拡大図を示すイメージ図である。
【図5】本実施形態に係る多層ドキュメントにおける元ドキュメントと上書層の関係を示す説明図である。
【図6】本実施形態に係る電子会議用サブ端末におけるメイン処理の流れを示すフローチャート図である。
【図7】本実施形態に係る電子会議用サブ端末におけるメイン処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】本実施形態に係る電子会議用サブ端末のデータカード読込(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の集約(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図10】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の印刷(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図11】本実施形態に係る電子会議用サブ端末のジョブ名生成(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図12】本実施形態に係る電子会議用サブ端末のデータカード保存(サブルーチン)処理の流れを示すフローチャート図である。
【図13】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の集約処理における確認画面のイメージ図である。
【図14】本実施形態に係る電子会議用サブ端末のリンク情報格納における確認画面のイメージ図である。
【図15】本実施形態に係る電子会議用サブ端末の印刷処理における確認画面のイメージ図である。
【符号の説明】
【0096】
10 メイン端末、12 制御装置、14,18,31,33 ICカードリーダライタ、15 ネットワーク、16 サブ端末、20 サーバ群、22 文書サーバ、24 メールサーバ、26 プリントサーバ、28 プリンタ、29 認証サーバ、32 デスクトップPC、50 ドキュメント記憶手段、51 ドキュメント、52 個人用上書層、53 共有用上書層、54,68 メモ書込手段、55 メイン端末表示手段、56 画像集約手段、58 画像出力手段、59 アクセス制御手段、61 サブ端末表示手段、62 プリント処理、63 ページ選択手段、64 保存処理、65 上書層選択手段、66 メール処理、67 前選択手段、69 選択受付手段、70 操作エリア、71 カメラ、72 マイク、73 電子ペン、75 印刷ボタン、76 まとめボタン、77 スピーカ、80 画面、82 退席ボタン、84 白紙ボタン、85 表示エリア、90 サムネイル表示エリア、91 ページ選択チェックボックス、92 上書層切替サブパネル、95 サムネイル、96 カウントアップボタン、97 上書層選択チェックボックス、98 カウントダウンボタン 99 番号表示窓、100 電子会議システム、122 元ドキュメントページ[0]、124 共有用上書層ページ[1]、126 個人用上書層[2]、128 個人用上書層[3]、202 集約確認画面、204,210 OKボタン、206 取消ボタン、208 リンク情報格納確認画面、212 取消ボタン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な端末と、会議に用いられたドキュメントと書込まれた情報を記憶するドキュメント記憶手段と、を含む電子会議システムにおいて、
ドキュメント記憶手段は、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶し、
端末は、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、をドキュメント記憶手段から選択的に読み出す読出手段を有することを特徴とする電子会議システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子会議システムにおいて、
読出手段は、
ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定手段と、
書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約手段と、
を有することを特徴とする電子会議システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子会議システムにおいて、
書込判定手段は、
ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りと判定することを特徴とする電子会議システム。
【請求項4】
発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な電子会議用端末において、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶するドキュメント記憶手段と通信する通信手段と、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、を通信手段を用いてドキュメント記憶手段から選択的に読出す読出手段と、
を有することを特徴とする電子会議用端末。
【請求項5】
請求項4に記載の電子会議用端末において、
読出手段は、
ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定手段と、
書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約手段と、
を有することを特徴とする電子会議用端末。
【請求項6】
請求項5に記載の電子会議用端末において、
書込判定手段は、
ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りと判定することを特徴とする電子会議用端末。
【請求項7】
発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な電子会議用端末を制御する制御プログラムにおいて、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶するドキュメント記憶手段と通信する通信ステップと、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、を通信ステップを用いてドキュメント記憶手段から選択的に読出す読出ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子会議用端末の制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の電子会議用端末の制御プログラムにおいて、
読出ステップは、
ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定ステップと、
書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子会議用端末の制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の電子会議用端末の制御プログラムにおいて、
書込判定ステップは、
ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りとコンピュータに判定させることを特徴とする電子会議用端末の制御プログラム。
【請求項10】
請求項8に記載の電子会議用端末の制御プログラムにおいて、
さらに、個人用上書層データは、参加者によって書込まれる複数のメモデータを記憶し、
読出ステップは、
ドキュメント記憶手段に記憶されたドキュメントのうち取り出すべきページの選択を参加者から受け付けると共に、取り出すべきページの共有用上書層データの選択と、個人用上書層データに書込まれたメモデータの選択と、を参加者から受け付ける選択受付ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする電子会議用端末の制御プログラム。
【請求項11】
発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能とする端末制御工程と、会議に用いられたドキュメントと書込まれた情報を記憶するドキュメント記憶工程と、を含む電子会議システムの制御方法において、
ドキュメント記憶工程は、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶し、
端末制御工程は、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、をドキュメント記憶工程から選択的に読み出す読出工程を有することを特徴とする電子会議システムの制御方法。
【請求項1】
発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な端末と、会議に用いられたドキュメントと書込まれた情報を記憶するドキュメント記憶手段と、を含む電子会議システムにおいて、
ドキュメント記憶手段は、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶し、
端末は、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、をドキュメント記憶手段から選択的に読み出す読出手段を有することを特徴とする電子会議システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子会議システムにおいて、
読出手段は、
ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定手段と、
書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約手段と、
を有することを特徴とする電子会議システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子会議システムにおいて、
書込判定手段は、
ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りと判定することを特徴とする電子会議システム。
【請求項4】
発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な電子会議用端末において、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶するドキュメント記憶手段と通信する通信手段と、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、を通信手段を用いてドキュメント記憶手段から選択的に読出す読出手段と、
を有することを特徴とする電子会議用端末。
【請求項5】
請求項4に記載の電子会議用端末において、
読出手段は、
ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定手段と、
書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約手段と、
を有することを特徴とする電子会議用端末。
【請求項6】
請求項5に記載の電子会議用端末において、
書込判定手段は、
ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りと判定することを特徴とする電子会議用端末。
【請求項7】
発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能な電子会議用端末を制御する制御プログラムにおいて、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶するドキュメント記憶手段と通信する通信ステップと、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、を通信ステップを用いてドキュメント記憶手段から選択的に読出す読出ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子会議用端末の制御プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の電子会議用端末の制御プログラムにおいて、
読出ステップは、
ドキュメント記憶手段への書込みがあったことを判定する書込判定ステップと、
書込判定手段により書込み有りと判定されたページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の個人用上書層データとを、それぞれドキュメントの画像データと共に集約する画像集約ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする電子会議用端末の制御プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の電子会議用端末の制御プログラムにおいて、
書込判定ステップは、
ドキュメント記憶手段に記憶されたページ毎の共有用上書層データと個人用上書層データのうち所定データ量以上と判定された共有用上書層データと個人用上書層データとを書込み有りとコンピュータに判定させることを特徴とする電子会議用端末の制御プログラム。
【請求項10】
請求項8に記載の電子会議用端末の制御プログラムにおいて、
さらに、個人用上書層データは、参加者によって書込まれる複数のメモデータを記憶し、
読出ステップは、
ドキュメント記憶手段に記憶されたドキュメントのうち取り出すべきページの選択を参加者から受け付けると共に、取り出すべきページの共有用上書層データの選択と、個人用上書層データに書込まれたメモデータの選択と、を参加者から受け付ける選択受付ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする電子会議用端末の制御プログラム。
【請求項11】
発表者によって説明されるドキュメントを表示し、会議に参加した参加者との意見交換に用いられる相互に書込可能とする端末制御工程と、会議に用いられたドキュメントと書込まれた情報を記憶するドキュメント記憶工程と、を含む電子会議システムの制御方法において、
ドキュメント記憶工程は、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎に設けられ発表者または参加者から書込まれた共有書込情報を含む共有用上書層データと、ページ毎に設けられ参加者から書込まれた個人メモ情報を含む参加者用の個人用上書層データと、を記憶し、
端末制御工程は、
発表されるドキュメントの各ページの画像データと、ページ毎の共有用上書層データと、ページ毎の参加者の個人用上書層データと、をドキュメント記憶工程から選択的に読み出す読出工程を有することを特徴とする電子会議システムの制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−280243(P2007−280243A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108327(P2006−108327)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]