説明

電子会議システムおよび電子会議システムにおける制御方法

【課題】進行中の議題について、各参加者の立場などに応じて適切な情報を提供することのできる電子会議システム、および、その電子会議システムにおける制御方法を提供する。
【解決手段】本実施の形態に従う電子会議システムは、会議に参加する各ユーザに関連付けられたデータを保持する記憶手段と、進行中の議題に関連するキーワードを逐次的に抽出する抽出手段と、抽出したキーワードに基づいて、記憶手段に保持されるデータに対して検索を実行する検索手段と、会議に参加中のユーザに対して、検索手段による検索結果または検索結果に基づく情報を提示する提示手段と、会議に参加中のユーザの各々について、検索結果または検索結果に基づく情報を提示するための形態の指定を受付ける指定手段とを含み、提示手段は、会議に参加中のユーザの別に、指定手段によって受付けられた対応する指定に応じた態様で、検索結果または検索結果に基づく情報を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子的手段を用いて会議が可能な電子会議システム、および、その電子会議システムにおける制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報通信技術の進歩に伴って、ネットワークを介して接続された複数のコンピュータを用いて会議を行なう会議システムが実用化されている。このような電子会議システムでは、各種の情報処理技術を用いて、より効率的な会議が行なえるような提案がなされている。
【0003】
たとえば、特開2000−124901号公報(特許文献1)には、会議の進捗状況を個々のユーザの独自の視点から参照可能な電子会議システムが開示されている。より具体的には、ユーザが、表題、発言内容、発言者名を入力した後、送信ボタンを操作すると、第2の解析手段が入力手段を介してこれらの情報を取得する。
【0004】
また、特開2007−094544号公報(特許文献2)には、同席した会議の参加者の個人情報を容易に検索することができる情報検索システムが開示されている。より具体的には、会議の様子を記録した会議記録情報から、個人情報を検索する手掛かりとするエピソディック情報を抽出する情報抽出装置と、情報抽出装置により抽出されたエピソディック情報とそれに関連付けられた個人情報とを蓄積する情報データベースとを備える。
【0005】
また、特開2007−140934号公報(特許文献3)には、電子会議の参加者の決定作業を支援する会議支援装置が開示されている。この会議支援装置では、会議主催者から電子会議の参加者設定依頼を受付けると、会議主催者の識別情報に基づいて会議情報データベースを検索し、会議主催者に関連付けられた過去の電子会議に使用された資料を含む関連情報を抽出し、ユーザ端末を介して会議主催者に提示される。会議主催者が任意の資料または会議関連情報を検索キーとして選択すると、検索キーに基づき会議情報データベースを検索し、関連付けられた参加者情報を抽出し、会議主催者にその参加者リストを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−124901号公報
【特許文献2】特開2007−094544号公報
【特許文献3】特開2007−140934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ある会議への参加者にとってみれば、進行中の議題と自身との関連性について情報を得たいというニーズが存在する。ここで、必要な情報の内容は、参加者各人の会議における役割または立場の別に異なったものとなっている。
【0008】
たとえば、質疑などに参加する可能性が高い立場の参加者の場合、議題に関連して自身が過去に作成したデータなどに直ぐにアクセスしたいと思うであろう。あるいは、会議の内容には深くは関与せず、一部の議題の情報収集が主目的である立場の参加者の場合、自身に関連する議題を聞き漏らさないようにしたいと思うであろう。さらにあるいは、会議を進行しなければならない立場の参加者の場合、進行中の議題に関連性の強い参加者を特定するために、参加者全員と議題との関連情報が欲しいと思うであろう(すなわち、いずれの参加者が進行中の議題について詳しいのかを知りたいと思うであろう)。
【0009】
しかしながら、このようなニーズに応えることのできる技術は知られておらず、上述の特許文献1〜3にもこれらのニーズを解決するための示唆などはなされていない。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、進行中の議題について、各参加者の立場などに応じて適切な情報を提供することのできる電子会議システム、および、その電子会議システムにおける制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のある局面に従う電子会議システムは、会議に参加する各ユーザに関連付けられたデータを保持する記憶手段と、進行中の議題に関連するキーワードを逐次的に抽出する抽出手段と、抽出したキーワードに基づいて、記憶手段に保持されるデータに対して検索を実行する検索手段と、会議に参加中のユーザに対して、検索手段による検索結果または検索結果に基づく情報を提示する提示手段と、会議に参加中のユーザの各々について、検索結果または検索結果に基づく情報を提示するための形態の指定を受付ける指定手段とを含む。提示手段は、会議に参加中のユーザの別に、指定手段によって受付けられた対応する指定に応じた態様で、検索結果または検索結果に基づく情報を提示する。
【0012】
好ましくは、検索結果を提示するための形態の指定は、会議における役割または立場の別に必要な情報に応じて予め用意された複数の形態から選択される。
【0013】
さらに好ましくは、予め用意された複数の形態は、提示先のユーザに関連付けられたデータのうち、キーワードと一致またはキーワードを含むデータを特定するための情報を提示する態様を含む。
【0014】
さらに好ましくは、予め用意された複数の形態は、提示先のユーザに関連付けられたデータに対する検索結果に基づいて、進行中の議題と当該ユーザとの関連性の度合いを提示する態様を含む。
【0015】
さらに好ましくは、予め用意された複数の形態は、会議に参加する他のいずれかのユーザに関連付けられたデータに対する検索結果に基づいて、進行中の議題と他のユーザの各々との関連性の度合いをユーザ別に提示する態様を含む。
【0016】
さらに好ましくは、提示手段は、進行中の議題との関連性の度合いが相対的に高い場合に、ユーザへの提示期間をより長くする。
【0017】
さらに好ましくは、提示手段は、視覚的手段、聴覚的手段、触覚的手段の少なくとも1つを用いて、検索結果または検索結果に基づく情報を提示する。
【0018】
好ましくは、指定手段は、複数の議題について、議題の別に独立して、検索結果を提示するための形態の指定が可能である。
【0019】
この発明の別の局面に従えば、会議に参加する各ユーザに関連付けられたデータを保持する記憶手段を有する電子会議システムにおける制御方法を提供する。本制御方法は、進行中の議題に関連するキーワードを逐次的に抽出するステップと、抽出したキーワードに基づいて、記憶手段に保持されるデータに対して検索を行するステップと、会議に参加中のユーザの各々について、検索結果または検索結果に基づく情報を提示するための形態の指定を受付けるステップと、会議に参加中のユーザの別に、受付けられた対応する指定に応じた態様で、検索結果または検索結果に基づく情報を提示するステップとを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、会議において進行中の議題と各参加者との間の関連性について、各参加者の立場などに応じた情報を逐次提供することができる。これにより、会議の生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に従う電子会議システムの一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に従うMFPの概略のハードウェア構造を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に従うMFPのBOXに保持される電子ファイルの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に従うPCの概略のハードウェア構造を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に従うPCのBOXに保持される電子ファイルの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおいて提供されるType_Aのユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおいて提供されるType_Bのユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおいて提供されるType_Cのユーザインターフェイス画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおける全体処理を示すシーケンス図である。
【図10】本実施の形態に従う電子会議システムを提供するための制御構造を示す模式図である。
【図11】本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおける全体処理を示すフローチャートである。
【図12】図11に示すキーワード抽出処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。
【図13】図11に示す個人BOX検索要求処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。
【図14】図11に示す個人BOX検索処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。
【図15】図11に示す検索結果集約処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。
【図16】図11に示す検索結果表示処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。
【図17】図16に示す関連強度通知処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0023】
<A.全体概要>
図1は、本発明の実施の形態に従う電子会議システムの一例を示す図である。図1に示す電子会議システムにおいては、情報処理装置の一例である、複合機(Multi Function Peripheral;以下「MFP」とも称す。)100およびパーソナルコンピュータ(Personal Computer;以下「PC」とも称す。)200−1,200−2,200−3,200−4(以下「PC200」とも総称する。)がネットワークNWを介して互いに接続されている。これらのPC200は、会議の各参加者が利用することが想定されている。特に、PC200−1は、何らかの会議資料を発表するプレゼンテータ(発表者)により利用されることが想定されており、このPC200−1には、会議資料を投影するためのプロジェクタ装置10が接続されている。なお、PC200としては、汎用的なコンピュータに代えて、携帯端末、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話などの各種の情報処理端末であってもよい。
【0024】
なお、後述するように、会議資料をPC200の画面上に表示するので、プロジェクタ装置10は必ずしも必要ではない。
【0025】
以下、MFP100またはPC200における電子ファイルなどを保持する機能またはその記憶領域自体を「BOX機能」あるいは「BOX」と称することもある。
【0026】
図1に示す電子会議システムにおいては、MFP100が会議の進行中における議題に関連するキーワードを逐次的に抽出する。なお、議題に関連するキーワードを逐次的に抽出する方法としては、後述するように、プレゼンテータが発する音声に基づく方法や、プレゼンテータによるページめくり指示を検出する方法などが挙げられる。代替的に、プレゼンテータ側で、各議題に対して主なキーワードを予め設定しておいてもよい。
【0027】
そして、MFP100および各PC200に保持されている、会議に参加中のユーザ(以下「会議参加者」とも称する。)に関連付けられたデータ(電子ファイル)に対して、抽出したキーワードに基づいて検索を実行する。なお、検索対象となるデータ(電子ファイル)としては、各会議参加者が何らかの業務や活動のアウトプットとして作成した文書(ドキュメント)の一式を含み得、送受信された電子メールを含んでいてもよい。すなわち、各会議参加者が担当していた/している領域の文書の一切を検索対象としてもよい。
【0028】
そして、この検索結果または検索結果に基づく情報を各会議参加者に対して提示される。この検索結果に基づく情報の一例としては、検索でヒットした電子ファイルについての、ヒットした数量、作成や更新の時期、リンク情報などが含まれる。
【0029】
特に、本実施の形態に従う電子会議システムにおいては、MFP100が各会議参加者について、検索結果または検索結果に基づく情報を提示するための形態の指定を受付けておき、会議参加者の別に、当該指定された表示態様で、検索結果または検索結果に基づく情報を提示する。より具体的には、この表示態様は、会議における役割または立場の別に必要な情報に応じて予め複数が用意される。
【0030】
以下の説明では、典型的な表示態様として、以下の3つを考える。
(1) Type_A:会議に深く関与して質疑などに参加する可能性の高い立場に向けられたもの。このType_Aでは、提示先の会議参加者(自身)に関連付けられたデータのうち、キーワードと一致またはキーワードを含むデータを特定するための情報が提示される。すなわち、このType_Aを選択する会議参加者について、議題に関連して自身が過去に作成したデータなどに直ぐにアクセスしたいというニーズを想定したものである。
【0031】
(2)Type_B:会議の内容には深くは関与せず、一部の議題の情報収集が主目的である立場に向けられたもの。このType_Bでは、提示先のユーザに関連付けられたデータに対する検索結果に基づいて、進行中の議題と当該ユーザとの関連性の度合いが提示される。すなわち、このType_Bを選択する会議参加者について、自身に関連する議題を聞き漏らさないようにしたいというニーズを想定したものである。
【0032】
(3)Type_C:会議を進行しなければならない立場の参加者の場合に向けられたもの。このType_Cでは、他のいずれかの会議参加者に関連付けられたデータに対する検索結果に基づいて、進行中の議題と他の会議参加者の各々との関連性の度合いをユーザ別に提示される。すなわち、このType_Cを選択する会議参加者について、進行中の議題に関連性の強い参加者を特定するために、参加者全員と議題との関連情報が欲しいというニーズを想定したものである。言い換えれば、いずれの会議参加者が進行中の議題について詳しいのかを知りたいというニーズを想定したものである。
【0033】
<B.装置構成>
まず、本実施の形態に従う電子会議システムを実現するための装置構成について説明する。本実施の形態に従う電子会議システムでは、進行中の議題に関連するキーワードを抽出する機能や、抽出したキーワードに基づいて検索を実行する機能を提供できる情報処理装置であれば、どのようなハードウェアを採用してもよいが、一例として、MFP100を採用する場合について説明する。
【0034】
(b1.MFP)
図2は、本発明の実施の形態に従うMFP100の概略のハードウェア構造を示すブロック図である。図3は、本発明の実施の形態に従うMFP100のBOXに保持される電子ファイルの一例を示す図である。
【0035】
図2を参照して、本実施の形態に従うMFP100は、複写機能、プリント機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能といった複数の機能を搭載している。より具体的には、MFP100の各々は、全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)102と、スキャナ104と、プリントエンジン106と、音声認識部108と、メモリ110と、ハードディスクドライブ(HDD)112と、ネットワークインターフェイス114とを含む。
【0036】
CPU102は、メモリ110などに保持される命令セットを読出して、逐次実行することで、必要な制御機能を提供する。
【0037】
スキャナ104は、MFP100に提供される原稿からその中に含まれる画像情報を読取り、その画像情報(入力画像データ)をプリントエンジン106へ出力する。
【0038】
プリントエンジン106は、典型的には、電子写真方式の印字に必要な、作像器、転写ローラ、現像器、定着器などからなり、スキャナ104で読取られた画像データなどに基づいて、紙媒体上にプリントを行なう。
【0039】
音声認識部108は、マイクなどにより集音された音声データを解析する。特に、本実施の形態においては、音声認識部108は、会議中におけるプレゼンテータなどからの音声を認識して、議題に関連するキーワードを抽出する。
【0040】
メモリ110は、不揮発性のROM(Read Only Memory)および揮発性のRAM(Dynamic Random Access Memory)などからなる。
【0041】
HDD112は、MFP100で取扱われるジョブファイルなどが格納されるとともに、PCなどからネットワークを介して受信した各種ファイルが格納される。特に、HDD112は、ユーザ別に定義されたBOXを含んでおり、各ユーザのBOXには、MFP100を利用可能なユーザが作成等した電子ファイルが格納される。
【0042】
より具体的には、図3に示すように、共有のフォルダ(ディレクトリ)と、ユーザ別のフォルダ(ディレクトリ)とが構築されており、各フォルダには、それぞれに関連付けられた、あるいは、それぞれが所有者(オーナ)となった電子ファイルが格納されている。
【0043】
ネットワークインターフェイス114は、ネットワークNWを介してMFP100と接続されているPC200との間でのデータの遣り取りを仲介する。
【0044】
(b2.PC)
図4は、本発明の実施の形態に従うPC200の概略のハードウェア構造を示すブロック図である。図5は、本発明の実施の形態に従うPC200のBOXに保持される電子ファイルの一例を示す図である。
【0045】
図4を参照して、本実施の形態に従うPC200は、典型的には、汎用目的コンピュータであり、各種処理を実行するためのCPU202と、メモリ204と、ハードディスクドライブ(HDD)206と、ディスプレイ208と、入力部210と、ネットワークインターフェイス212とを含む。各部は、バス214を介して、互いにデータ通信可能に構成される。
【0046】
HDD206は、対応するPC200を使用するユーザ(会議参加者)が作成等した電子ファイルや送受信されたメールのデータなどが格納される。
【0047】
より具体的には、図5に示すように、PC200の各々には、それを使用するユーザが送受信したメールなどが保持されている。なお、プレゼンテータが利用するPC200−1には、少なくとも、会議資料Pが保持されているものとする。
【0048】
各部の構造や機能については、周知であるので、これ以上の詳細な説明は行なわない。
<C.ユーザインターフェイス例>
図6は、本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおいて提供されるType_Aのユーザインターフェイス画面301の一例を示す図である。図7は、本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおいて提供されるType_Bのユーザインターフェイス画面302の一例を示す図である。図8は、本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおいて提供されるType_Cのユーザインターフェイス画面303の一例を示す図である。
【0049】
MFP100内のBOXは、共有化されており、各会議参加者の利用するPC200からネットワーク経由でその中に保持されている電子ファイルなどへアクセスすることができる。MFP100は、プレゼンテータの利用するPC200で保持されている会議資料Pへアクセスするとともに、各時点で会議参加者へ提示されているページ番号などを認識する。さらにMFP100は、各ページにおいて、対応する議題および当該議題に関連するキーワードを抽出する。会議資料からプレゼンテータが予め設定しておいたキーワード候補を読み出すようにしてもよい。
【0050】
会議参加者は、上述したような、検索結果を提示するための複数の表示態様(Type_A,Type_B,Type_C)から、その会議における役割または立場に応じて適切なものを予め指定している。
【0051】
MFP100は、会議参加者の利用するすべてのPC200との間でデータ通信を行なうことで、各会議参加者が設定した表示態様を取得する。なお、各会議参加者が設定する表示態様については、1つの会議中に複数の議題がある場合には、1つまたは複数の議題の別に独立して指定することも可能である。
【0052】
そして、MFP100は、会議参加者が利用するPC200のそれぞれに対して、設定されている表示態様に応じた表示を行なうために必要な検索結果を提供する。
【0053】
(1) Type_A
上述したように、Type_Aは、会議に深く関与して質疑などに参加する可能性の高い立場に向けられたものである。
【0054】
図6に示すユーザインターフェイス画面301においては、プレゼンテータが提供する会議資料が表示される会議資料表示領域311と、当該会議参加者が設定している表示態様を表示するための表示態様表示領域312と、抽出されているキーワードを表示するためのキーワード表示領域313と、リンク情報を表示するためのリンク情報表示領域314とが配置される。
【0055】
会議資料表示領域311に表示される内容は、基本的には、プレゼンテータが利用するPC200−1と同期した内容が表示されており、プレゼンテータの操作により随時更新される。
【0056】
表示態様表示領域312に表示される表示態様(Type_?)は、各PC200において任意に設定可能であり、典型的には、プルダウンメニューなどから会議参加者が選択することになる。
【0057】
キーワード表示領域313には、後述するように、進行中の議題に関連するキーワードが逐次的に抽出された結果が表示される。
【0058】
リンク情報表示領域314には、抽出されたキーワードに関連する当該会議参加者自身が過去に作成した電子ファイルについてのリンク情報が一覧表示される。このリンク情報は、抽出されたキーワードに基づく検索処理によってヒットされたファイルへアクセスするための情報(いわば、ショートカットアイコン)である。すなわち、リンク情報表示領域314は、提示先のユーザに関連付けられたデータのうち、キーワードと一致またはキーワードを含むデータを特定するための情報を提示する。
【0059】
このように、Type_Aを選択した会議参加者は、リンク情報表示領域314に対して操作を行なうことで、進行中の議題に関連した自身が作成したファイルなどに簡単にアクセスすることができる。これにより、会議の進行中に質疑の参考とすることができる。
【0060】
(2) Type_B
上述したように、Type_Bは、会議の内容には深くは関与せず、一部の議題の情報収集が主目的である立場に向けられたものである。
【0061】
図7に示すユーザインターフェイス画面302においては、プレゼンテータが提供する会議資料が表示される会議資料表示領域311と、当該会議参加者が設定している表示態様を表示するための表示態様表示領域312と、当該会議参加者と進行中の議題との関連性を示す関連強度表示領域315とが配置される。
【0062】
会議資料表示領域311および表示態様表示領域312については、図6に示すユーザインターフェイス画面301と同様である。
【0063】
関連強度表示領域315には、抽出されたキーワードに関連する当該会議参加者自身が過去に作成した電子ファイルの数が表示される。この表示される内容は、抽出されたキーワードに基づく検索処理によってヒットしたファイルの数である。すなわち、関連強度表示領域315は、提示先のユーザに関連付けられたデータに対する検索結果に基づいて、進行中の議題と当該会議参加者との関連性の度合いを提示する。
【0064】
関連性の度合いについては、単にキーワードに基づく検索処理によってヒットしたファイル数ではなく、1つのファイル内に目的のキーワードまたは当該キーワードの類義語がいくつ含まれているかによって、重み付けを行なった上で算出するようにしてもよい。さらに、ヒットしたファイルの作成日(更新日)やファイルの大きさなどを評価に加えてもよい。
【0065】
なお、関連性の提示については、図7に示すような視覚的手段に加えて、あるいは、それに代えて、聴覚的手段や触覚的手段を用いて会議参加者へ提示してもよい。すなわち、図7に示すようなPC200上でのメッセージ表示の他、イヤフォンなどを装着した会議参加者へ音声でメッセージを通知したり、会議参加者が装着する腕時計や携帯電話などを振動させたりしてもよい。
【0066】
さらに、進行中の議題との関連性の度合いが相対的に高い場合に、会議参加者への提示期間をより長くしてもよい。たとえば、進行中の議題と当該会議参加者との関連性の度合いに応じて、関連性が相対的に高ければ、関連強度表示領域315内のメッセージを常時表示し、関連性が相対的に低ければ、関連強度表示領域315内のメッセージをスクロール表示してもよい。
【0067】
このように、Type_Bを選択した会議参加者に対しては、自身に関連する議題を聞き漏らさないように、PC200の画面上(関連強度表示領域315内)に進行中の議題との関連性が表示される。これにより、進行中の議題と自身との間の関連性の度合いをリアルタイムに判別でき、会議の間、注力すべき部分とそうでない部分とを容易に区別できる。
【0068】
(3) Type_C
上述したように、Type_Cは、会議を進行しなければならない立場の参加者の場合に向けられたものである。
【0069】
図8に示すユーザインターフェイス画面303においては、プレゼンテータが提供する会議資料が表示される会議資料表示領域311と、当該会議参加者が設定している表示態様を表示するための表示態様表示領域312と、すべての会議参加者についての進行中の議題との関連性を示す関連強度表示領域316とが配置される。
【0070】
会議資料表示領域311および表示態様表示領域312については、図6に示すユーザインターフェイス画面301と同様である。
【0071】
関連強度表示領域316には、抽出されたキーワードに関連する、(全部または一部の)会議参加者が過去に作成した電子ファイルの数が、会議参加者の別に表示される。この表示される内容は、抽出されたキーワードに基づく検索処理によってヒットした会議参加者ごとのファイルの数である。すなわち、関連強度表示領域316は、会議に参加する他のいずれかのユーザに関連付けられたデータに対する検索結果に基づいて、進行中の議題と当該他のユーザの各々との関連性の度合いをユーザ別に提示する。
【0072】
上述のType_Bにおいて説明したように、関連性の度合いについては、単にキーワードに基づく検索処理によってヒットしたファイル数ではなく、1つのファイル内に目的のキーワードまたは当該キーワードの類義語がいくつ含まれているかによって、重み付けを行なった上で算出するようにしてもよい。さらに、ヒットしたファイルの作成日(更新日)やファイルの大きさなどを評価に加えてもよい。
【0073】
このように、Type_Cを選択した会議参加者に対しては、PC200の画面上(関連強度表示領域316内)に進行中の議題との関連性が会議参加者別に表示される。これにより、進行中の議題と各会議参加者との間の関連性の度合いをリアルタイムに判別でき、いずれの会議参加者が進行中の議題について詳しいのかを容易に知ることができる。
【0074】
<D.全体処理概要>
図9は、本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおける全体処理を示すシーケンス図である。本発明の実施の形態に従う電子会議システムは、MFP100と各PC200との間でデータを遣り取りすることで実現される。なお、図9に示すシーケンス図においては、プレゼンテータがPC200−1を使用する場合を想定している。
【0075】
図9を参照して、まず、PC200−1において会議資料の提示処理が開始されるとする(シーケンスSQ200)。すると、MFP100は、会議の進行中における議題に関連するキーワードを逐次的に抽出するためのキーワード抽出処理を実行する(シーケンスSQ100)。このキーワード抽出処理では、MFP100がプレゼンテータの利用するPC200−1で提示されている会議資料へアクセスすることで、キーワードを抽出する。
【0076】
キーワードの抽出が完了すると、MFP100は、会議参加者がそれぞれ利用するPC200に対して、各会議参加者について検索させるために、個人BOX検索要求処理を実行する(シーケンスSQ102)。この個人BOX検索要求処理において、MFP100は、抽出したキーワードを各PC200へ送信する(シーケンスSQ104)とともに、BOX検索要求についても各PC200へ送信する(シーケンスSQ106)。
【0077】
これに対して、各PC200は、個人BOX検索処理を実行する(シーケンスSQ202)。一方、MFP100は、必要に応じて(具体的には、いずれかのPC200においてType_Cが選択されている場合に)、各PC200による検索結果を集約するために検索結果集約処理を実行する(シーケンスSQ108)。このとき、検索結果を集約する必要がある場合には、MFP100は、各PC200に対して、検索結果転送要求を送信する(シーケンスSQ110)。
【0078】
各PC200は、個人BOX検索処理において、検索結果転送要求を受信している場合には、検索の結果得られたリンク情報(キーワードに基づく検索によりヒットしたファイルを特定するための情報)をそれぞれMFP100へ送信する(シーケンスSQ204)。MFP100は、各PC200からリンク情報が送信されると、これらを集約して得られた集約検索結果を特定の(Type_Cが選択されている)PC200へ送信する(シーケンスSQ112)。
【0079】
最終的に、各PC200は、先に実行した個人BOX検索処理の結果、および、MFP100から受信した集約検索結果に基づいて、上述の図6〜図8に示すようなユーザインターフェイス画面を提供するための検索結果表示処理を実行する(シーケンスSQ206)。
【0080】
以下、キーワードが更新されるたびに、上述の処理が繰返される。
上述のような処理を実現するための構成などについて、以下より詳細に説明する。
【0081】
<E.制御機能>
図10は、本実施の形態に従う電子会議システムを提供するための制御構造を示す模式図である。
【0082】
図10(a)を参照して、MFP100は、制御構造として、記憶モジュール150と、抽出モジュール152と、集約モジュール154とを含む。これらの制御構造は、典型的には、CPU102(図2)がプログラムコードを実行することで提供される。
【0083】
また、PC200の各々は、制御構造として、記憶モジュール250と、検索モジュール252と、指定モジュール254と、提示モジュール256とを含む。これらの制御構造は、典型的には、CPU202(図4)がプログラムコードを実行することで提供される。
【0084】
記憶モジュール150および250は、会議参加者に関連付けられたデータを保持する。
【0085】
抽出モジュール152は、進行中の議題に関連するキーワードを逐次的に抽出する。
集約モジュール154は、各PC200により検索された結果を集約する。
【0086】
検索モジュール252は、抽出したキーワードに基づいて、記憶モジュール150および/または250に保持されるデータに対して検索を実行する。
【0087】
提示モジュール256は、会議参加者に対して、検索モジュール252による検索結果または検索結果に基づく情報を提示する。提示モジュール256は、集約モジュール154により集約された検索結果についても会議参加者に対して提示する。特に、提示モジュール256は、会議参加者の別に、指定モジュール254によって受付けられた対応する指定に応じた表示態様で、検索結果または検索結果に基づく情報を提示する。
【0088】
指定モジュール254は、会議参加者の各々について、検索結果または検索結果に基づく情報を提示するための形態(Type_?)の指定を受付ける。
【0089】
(変形例)
上述の例では、各PC200が検索処理を実行する形態について例示したが、MFP100が一括してキーワードに基づく検索処理を実行するようにしてもよい。この場合には、図10(b)に示すように、PC200が有していた検索モジュール252を省略するとともに、MFP100に対して検索モジュール156を追加することで実現できる。
【0090】
<F.処理フロー>
(f1.全体処理)
図11は、本発明の実施の形態に従う電子会議システムにおける全体処理を示すフローチャートである。図11に示すように、MFP100および各PC200においてそれぞれ処理が繰返し実行される。
【0091】
図11を参照して、ステップS10において、MFP100(より具体的には、MFP100を構成するCPU102(図2))は、キーワード抽出処理を実行する。このキーワード抽出処理については、図12を参照して後述する。続くステップS12において、CPU102は、個人BOX検索要求処理を実行する。この個人BOX検索要求処理については、図13を参照して後述する。さらに続くステップS14において、CPU102は、検索結果集約処理を実行する。この検索結果集約処理については、図15を参照して後述する。最終的に、ステップS16において、CPU102は、その他の処理が実行された後、ステップS10以下の処理が再度実行される。
【0092】
一方、ステップS20において、PC200(より具体的には、PC200を構成するCPU202(図4))は、個人BOX検索処理を実行する。この個人BOX検索処理については、図14を参照して後述する。
【0093】
続くステップS22において、CPU202は、検索結果表示処理を実行する。この検索結果表示処理は、図16および図17を参照して後述する。最終的に、ステップS24において、CPU202は、その他の処理が実行された後、ステップS20以下の処理が再度実行される。
【0094】
図11に示すように、MFP100において実行される個人BOX検索要求処理(ステップS12)とPC200において実行される個人BOX検索処理(ステップS20)とは、相互に連携して実行される。また、MFP100において実行される検索結果集約処理(ステップS14)とPC200において実行される個人BOX検索処理(ステップS20)および検索結果表示処理(ステップS22)との間についても、相互に連携して実行される。
【0095】
(f2.キーワード抽出処理)
図12は、図11に示すキーワード抽出処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。図12を参照して、まず、ステップS100において、MFP100を構成するCPU102は、キーワード候補を準備する。
【0096】
このキーワード候補は、後述するキーワード抽出処理の精度を高めるための前処理であり、会議の議題に関連するとして抽出される可能性のあるキーワードを予め取得する。このキーワード候補を取得する方法としては、プレゼンテータの使用するPC200−1に保持される会議資料から抽出する方法や、予めプレゼンテータが登録する方法が考えられる。なお、前者の場合には、Nグラム方式、形態素解析方式、意味解析方式といった公知の言語解析手段を利用することができる。また、この場合、会議資料に含まれる目次、アジェンダ、しおりなどの項目に着目することが有効である。
【0097】
続くステップS102において、CPU102は、キーワードを抽出するためのモードを判断する。本実施の形態においては、「音声認識モード」と「ページめくりモード」とが用意されているものとする。「音声認識モード」では、MFP100の音声認識部108(図2)がプレゼンテータなどからの音声を認識してキーワードを抽出する。一方、「ページめくりモード」では、プレゼンテータが各時点で説明等しているページを特定し、当該特定したページに含まれるキーワードを有効なものとして抽出する。
【0098】
「音声認識モード」が選択されている場合には、処理はステップS104へ進み、「ページめくりモード」が選択されている場合には、処理はステップS114へ進む。
【0099】
ステップS104において、CPU102は、ターゲットの音声を取得できたか否かを判断する。この「ターゲットの音声」は、プレゼンテータからの発生を予め登録しておき、当該登録した音声に近似した音声を選択的に抽出することで判断することができる。あるいは、音声を取得するためのマイクロフォンを主としてプレゼンテータからの音声を収集できるように配置しておき、所定レベル以上の音声が取得されたか否かに基づいて判断してもよい。
【0100】
ターゲットの音声を取得できなかった場合(ステップS104においてNOの場合)には、処理はリターンする。これに対して、ターゲットの音声を取得できた場合(ステップS104においてYESの場合)には、処理はステップS106へ進み、CPU102は、予め用意されているキーワード候補を参照する。そして、続くステップS108において、CPU102は、キーワード候補のうち取得したターゲットの音声と一致するものが存在するか否かを判断する。キーワード候補のうち取得したターゲットの音声と一致するものが存在しない場合(ステップS108においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0101】
これに対して、キーワード候補のうち取得したターゲットの音声と一致するものが存在した場合(ステップS108においてYESの場合)には、処理はステップS110へ進み、CPU102は、当該一致したキーワードを新たなキーワードとして更新する。そして、処理はリターンする。なお、「音声認識モード」においては、キーワードは、所定時間毎に更新されることになる。
【0102】
一方、ステップS114において、CPU102は、ページめくり動作があったか否かを判断する。この「ページめくり動作」は、プレゼンテータがPC200−1に対して所定の操作を行なったか否かに基づいて判断することができる。
【0103】
ページめくり動作がなかった場合(ステップS114においてNOの場合)には、処理はリターンする。これに対して、ページめくり動作があった場合(ステップS114においてYESの場合)には、処理はステップS116へ進み、CPU102は、各時点で提示されている会議資料のページ番号を取得する。続くステップS118において、CPU102は、キーワード群のうち、現在のページ番号に対応するキーワードを抽出する。そして続くステップS120において、CPU102は、ステップS118において抽出したキーワードを新たなキーワードとして更新する。そして、処理はリターンする。なお、「ページめくりモード」においては、キーワードは、会議資料のページ単位で更新されることになる。
【0104】
(f3.個人BOX検索要求処理)
図13は、図11に示す個人BOX検索要求処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。図13を参照して、まず、ステップS120において、MFP100を構成するCPU102は、上述したキーワード抽出処理においてキーワードが更新されたか否かを判断する。キーワードが更新されていない場合(ステップS120においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0105】
これに対して、キーワードが更新された場合(ステップS120においてYESの場合)には、処理はステップS122へ進み、CPU102は、更新により新たに追加されたキーワードを一時的に保持する。続くステップS124において、CPU102は、すべての会議参加者について、各会議参加者が利用するPC200に向けてキーワードを送信する。さらに続くステップS126において、CPU102は、すべての会議参加者について、各会議参加者が利用するPC200に向けてBOX検索要求を送信する。そして、処理はリターンする。
【0106】
(f4.個人BOX検索処理)
図14は、図11に示す個人BOX検索処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。図14を参照して、まず、ステップS200において、PC200の各々を構成するCPU202は、上述した個人BOX検索要求処理で送信されるBOX検索要求を受信したか否かを判断する。BOX検索要求を受信していない場合(ステップS200においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0107】
これに対して、BOX検索要求を受信した場合(ステップS200においてYESの場合)には、処理はステップS202へ進み、CPU202は、MFP100から送信されたキーワードを一時的に保持する。続くステップS204において、CPU202は、自装置を利用しているユーザのMFP100にあるBOXに対して、一時的に保持したキーワードに基づいて検索を実行する。さらに続くステップS206において、CPU202は、自装置のBOX(メールボックスなどを含む)に対して、一時的に保持したキーワードに基づいて検索を実行する。
【0108】
その後、ステップS208において、CPU202は、後述する検索結果集約処理で送信される検索結果転送要求を受信したか否かを判断する。検索結果転送要求を受信していない場合(ステップS208においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0109】
これに対して、検索結果転送要求を受信していない場合(ステップS208においてNOの場合)には、処理はステップS210へ進み、CPU202は、ステップS204およびS206における検索処理によってヒットしたリンク情報のすべてをMFP100へ送信する。そして、処理はリターンする。
【0110】
(f5.検索結果集約処理)
図15は、図11に示す検索結果集約処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。図15を参照して、まず、ステップS140において、MFP100を構成するCPU102は、すべての会議参加者について、設定されている表示態様(Type_?)を取得する。より具体的には、CPU102は、それぞれの会議参加者が利用するPC200に問い合わせを行なうことで、これらの情報を取得する。
【0111】
続くステップS142において、CPU102は、ステップS140において取得した表示態様のうち、Type_C(会議を進行しなければならない立場の参加者の場合)を設定している会議参加者が存在するか否かを判断する。Type_Cを設定している会議参加者が存在しない場合(ステップS142においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0112】
これに対して、Type_Cを設定している会議参加者が存在している場合(ステップS142においてYESの場合)には、処理はステップS144へ進み、CPU102は、個人BOX検索要求処理(図13)においてBOX検索要求が送信済であるか否かを判断する。
【0113】
BOX検索要求が送信済である場合(ステップS144においてYESの場合)には、処理はステップS146へ進み、CPU102は、すべての会議参加者について、各会議参加者が利用するPC200に向けて検索結果転送要求を送信する。そして、処理はステップS148へ進む。これに対して、BOX検索要求が送信済ではない場合(ステップS144においてNOの場合)には、ステップS144の処理が繰返される。
【0114】
ステップS148において、CPU102は、すべてのPC200からのヒットしたリンク情報(検索結果)の受信が完了したか否かを判断する。すべてのPC200からのヒットしたリンク情報(検索結果)の受信が完了した場合(ステップS148においてYESの場合)には、処理はステップS150へ進む。これに対して、いずれかのPC200からのヒットしたリンク情報(検索結果)の受信が未だである場合(ステップS148においてNOの場合)には、ステップS148の処理が繰返される。
【0115】
ステップS150において、CPU102は、すべてのPC200からのヒットしたリンク情報(検索結果)を集約する。続くステップS152において、CPU102は、集約処理の結果得られた集約検索結果を、Type_Cを設定している会議参加者が利用しているPC200へ送信する。そして、処理はリターンする。
【0116】
(f6.検索結果表示処理)
図16は、図11に示す検索結果表示処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。
【0117】
図16を参照して、まず、ステップS220において、PC200の各々を構成するCPU202は、キーワード候補を準備する。このキーワード候補は、PC200がMFP100からキーワード候補を取得する。
【0118】
続くステップS221において、CPU202は、自装置において設定されている表示態様(Type_?)を判断する。「Type_A」が設定されている場合(ステップS221において「Type_A」の場合)には、処理はステップS222へ進む。「Type_B」が設定されている場合(ステップS221において「Type_B」の場合)には、処理はステップS226へ進む。「Type_C」が設定されている場合(ステップS221において「Type_C」の場合)には、処理はステップS230へ進む。
【0119】
ステップS222において、MFP100からの通知に基づいて、キーワードが更新されたか否かを判断する。キーワードが更新されていない場合(ステップS222においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0120】
キーワードが更新されている場合(ステップS222においてYESの場合)には、処理はステップS223へ進み、CPU202は、MFP100から受信したキーワードを表示する。すなわち、図6に示すキーワード表示領域313の表示内容を更新する。続くステップS224において、CPU202は、ステップS20に示す個人BOX検索処理が完了しているか否かを判断する。個人BOX検索処理が完了していない場合(ステップS224においてNOの場合)には、個人BOX検索処理が完了するまでステップS224の処理を繰返す。
【0121】
これに対して、個人BOX検索処理が完了している場合(ステップS224においてYESの場合)には、処理はステップS225へ進み、CPU202は、個人BOX検索処理の結果に基づいて、抽出されたキーワードに関連する当該会議参加者自身が過去に作成した電子ファイルについてのリンク情報を一覧表示する。すなわち、図6に示すリンク情報表示領域314の表示内容を更新する。そして、処理はリターンする。
【0122】
ステップS226において、MFP100からの通知に基づいて、キーワードが更新されたか否かを判断する。キーワードが更新されていない場合(ステップS226においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0123】
キーワードが更新されている場合(ステップS226においてYESの場合)には、処理はステップS227へ進み、CPU202は、MFP100から受信したキーワードを表示する。すなわち、図7に示すキーワード表示領域313の表示内容を更新する。続くステップS228において、CPU202は、ステップS20に示す個人BOX検索処理が完了しているか否かを判断する。個人BOX検索処理が完了していない場合(ステップS228においてNOの場合)には、個人BOX検索処理が完了するまでステップS228の処理を繰返す。
【0124】
これに対して、個人BOX検索処理が完了している場合(ステップS228においてYESの場合)には、処理はステップS229へ進み、CPU202は、関連強度通知処理を実行する。この関連強度通知処理については、図17を参照して、詳細に説明する。そして、処理はリターンする。
【0125】
ステップS230において、MFP100からの通知に基づいて、キーワードが更新されたか否かを判断する。キーワードが更新されていない場合(ステップS230においてNOの場合)には、処理はリターンする。
【0126】
キーワードが更新されている場合(ステップS230においてYESの場合)には、処理はステップS231へ進み、CPU202は、MFP100から受信したキーワードを表示する。すなわち、図8に示すキーワード表示領域313の表示内容を更新する。続くステップS232において、CPU202は、MFP100から集約処理の結果得られた集約検索結果の受信が完了しているか否かを判断する。集約検索結果の受信が完了していない場合(ステップS232においてNOの場合)には、集約検索結果の受信が完了するまでステップS232の処理を繰返す。
【0127】
これに対して、集約検索結果の受信が完了している場合(ステップS232においてYESの場合)には、処理はステップS233へ進み、CPU202は、受信した集約検索結果に基づいて、すべての会議参加者についての進行中の議題との関連性を表示する。すなわち、図8に示す関連強度表示領域316の表示内容を更新する。そして、処理はリターンする。
【0128】
(f7.関連強度通知処理)
図17は、図16に示す関連強度通知処理のより詳細な内容を示すフローチャートである。
【0129】
図17を参照して、まず、ステップS2290において、CPU202は、関連強度を通知するためのモードを判断する。本実施の形態においては、「画面表示モード」、「音声通知モード」、および「振動通知モード」が用意されているものとする。
【0130】
「画面表示モード」が設定されている場合(ステップS2290において「画面表示モード」の場合)には、処理はステップS2291へ進む。「音声通知モード」が設定されている場合(ステップS2290において「音声通知モード」の場合)には、処理はステップS2292へ進む。「振動通知モード」が設定されている場合(ステップS2290において「振動通知モード」の場合)には、処理はステップS2293へ進む。
【0131】
ステップS2291において、CPU202は、個人BOX検索処理の結果に基づいて、当該会議参加者と進行中の議題との関連性の度合いを表示する。すなわち、図7の関連強度表示領域315において示すように、当該会議参加者と抽出されたキーワードとの関連性(ヒット数)などがアイコンなどを用いて表される。さらに、進行中の議題と当該会議参加者との関連性の度合いに応じて、関連性が相対的に高ければ、関連強度表示領域315内のメッセージを常時表示し、関連性が相対的に低ければ、関連強度表示領域315内のメッセージをスクロール表示してもよい。そして、処理はリターンする。
【0132】
ステップS2292において、CPU202は、個人BOX検索処理の結果に基づいて、当該会議参加者と進行中の議題との関連性の度合いを示す情報を音声出力する。典型的には、当該会議参加者と抽出されたキーワードとの関連性(ヒット数)を示す音声が会議参加者の装着するイヤフォンや携帯電話へ出力される。そして、処理はリターンする。
【0133】
ステップS2293において、CPU202は、個人BOX検索処理の結果に基づいて、当該会議参加者と進行中の議題との関連性の度合いを示す情報を振動として出力する。典型的には、会議参加者が保持する携帯電話を、当該会議参加者と抽出されたキーワードとの関連性(ヒット数)の度合いに応じた強度で振動させる。そして、処理はリターンする。
【0134】
<G.作用効果>
本発明の実施の形態に従う電子会議システムによれば、何らかの会議に参加しているユーザは、それぞれその役割や立場が異なっているので、このような役割や立場の別に、より適した情報を会議中にリアルタイムに提供できる。これにより、会議における生産性をより高めることができる。
【0135】
<H.その他の実施形態>
本発明に係るプログラム(コード)は、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させることで提供されてもよい。この場合、プログラム自体には上記のようなモジュールは含まれず、OSと協働して処理が実行される。また、本発明に係るプログラムは、他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。このような場合にも、プログラム自体には上記のような他のプログラムに含まれるモジュールは含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。
【0136】
上述のような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本発明に係るプログラムの技術的範囲に含まれる。
【0137】
さらに、本発明に係るプログラムによって実現される機能の一部または全部を専用のハードウェアによって構成してもよい。
【0138】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0139】
10 プロジェクタ装置、102,202 CPU、104 スキャナ、106 プリントエンジン、108 音声認識部、110,204 メモリ、114,212 ネットワークインターフェイス、150,250 記憶モジュール、152 抽出モジュール、154 集約モジュール、156,252 検索モジュール、208 ディスプレイ、210 入力部、214 バス、254 指定モジュール、256 提示モジュール、NW ネットワーク、P 会議資料。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子会議システムであって、
会議に参加する各ユーザに関連付けられたデータを保持する記憶手段と、
進行中の議題に関連するキーワードを逐次的に抽出する抽出手段と、
抽出した前記キーワードに基づいて、前記記憶手段に保持されるデータに対して検索を実行する検索手段と、
会議に参加中のユーザに対して、前記検索手段による検索結果または検索結果に基づく情報を提示する提示手段と、
会議に参加中のユーザの各々について、前記検索結果または前記検索結果に基づく情報を提示するための形態の指定を受付ける指定手段とを備え、
前記提示手段は、会議に参加中のユーザの別に、前記指定手段によって受付けられた対応する指定に応じた態様で、前記検索結果または前記検索結果に基づく情報を提示する、電子会議システム。
【請求項2】
前記検索結果を提示するための形態の指定は、会議における役割または立場の別に必要な情報に応じて予め用意された複数の形態から選択される、請求項1に記載の電子会議システム。
【請求項3】
前記予め用意された複数の形態は、提示先のユーザに関連付けられたデータのうち、前記キーワードと一致または前記キーワードを含むデータを特定するための情報を提示する態様を含む、請求項2に記載の電子会議システム。
【請求項4】
前記予め用意された複数の形態は、提示先のユーザに関連付けられたデータに対する検索結果に基づいて、進行中の議題と当該ユーザとの関連性の度合いを提示する態様を含む、請求項2または3に記載の電子会議システム。
【請求項5】
前記予め用意された複数の形態は、会議に参加する他のいずれかのユーザに関連付けられたデータに対する検索結果に基づいて、進行中の議題と他のユーザの各々との関連性の度合いをユーザ別に提示する態様を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電子会議システム。
【請求項6】
前記提示手段は、進行中の議題との関連性の度合いが相対的に高い場合に、ユーザへの提示期間をより長くする、請求項4または5に記載の電子会議システム。
【請求項7】
前記提示手段は、視覚的手段、聴覚的手段、触覚的手段の少なくとも1つを用いて、前記検索結果または前記検索結果に基づく情報を提示する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の電子会議システム。
【請求項8】
前記指定手段は、複数の議題について、議題の別に独立して、前記検索結果を提示するための形態の指定が可能である、請求項2〜7のいずれか1項に記載の電子会議システム。
【請求項9】
会議に参加する各ユーザに関連付けられたデータを保持する記憶手段を有する電子会議システムにおける制御方法であって、
進行中の議題に関連するキーワードを逐次的に抽出するステップと、
抽出した前記キーワードに基づいて、前記記憶手段に保持されるデータに対して検索を実行するステップと、
会議に参加中のユーザの各々について、検索結果または検索結果に基づく情報を提示するための形態の指定を受付けるステップと、
会議に参加中のユーザの別に、受付けられた対応する指定に応じた態様で、前記検索結果または前記検索結果に基づく情報を提示するステップとを備える、制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−244319(P2011−244319A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116236(P2010−116236)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】