電子会議支援プログラム、電子会議支援方法、電子会議システムにおける情報端末装置
【課題】会議資料を画面表示しながら議論を行う電子会議において、議論に関連して残しておきたいメモ等の画面イメージを、簡単な操作によって当該議論に関する表示内容と関連付けて管理可能にする。
【解決手段】会議参加者が表示画面中の議論の内容表示部分を含む切取画面を選択すると、メモ編集機能処理部35は、ディスプレイに白紙の生成と同時に、会議参加者が指定した切取画面に関する情報を共有切取画面情報記憶部41から取り出し、切取画面を表示領域情報により特定できる白紙の位置に貼り付ける。メモ編集機能処理部35は、メモ編集終了指示がされた時点においてディスプレイに表示されている画面イメージに関する情報を画面イメージ情報記憶部40のメモ編集画面保存領域49に保存する。
【解決手段】会議参加者が表示画面中の議論の内容表示部分を含む切取画面を選択すると、メモ編集機能処理部35は、ディスプレイに白紙の生成と同時に、会議参加者が指定した切取画面に関する情報を共有切取画面情報記憶部41から取り出し、切取画面を表示領域情報により特定できる白紙の位置に貼り付ける。メモ編集機能処理部35は、メモ編集終了指示がされた時点においてディスプレイに表示されている画面イメージに関する情報を画面イメージ情報記憶部40のメモ編集画面保存領域49に保存する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発表者が使用し、システム内で共有する画面イメージを表示する発表者端末装置と、参加者が個々に使用し、発表者端末装置に表示された画面イメージを取得して表示する会議参加者端末装置とを有する電子会議システムにおいて、特に会議参加者端末装置側において共有画面イメージと会議参加者が個別に生成する画面イメージとの関連付けに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議の効率化等を図るために電子会議システムを導入する企業は少なくない。従来の電子会議システムは、例えば富士ゼロックス社製のInteractiveWall(登録商標)で代表されるように会議室にいる会議参加者全員から見える位置に電子白板のようなタッチパネル表示デバイスと、会議室内の各参加者が個別に使用するための情報端末装置(以下、「参加者端末」)とを有している。会議の発表者は、会議資料をタッチパネル表示デバイスに表示することによって会議を進行していく。タッチパネル表示デバイスに表示された内容は、参加者端末にもリアルタイムに表示されるので、会議参加者は、タッチパネル表示デバイスあるいは各自が使用する参加者端末に表示された会議資料を参照しながら議論を行う。また、参加者端末には、メモ編集機能が搭載されており、会議参加者により現在表示中の画面イメージにメモが書き込まれると、そのメモを表示中の画面イメージと合成してメモ編集画面イメージとして保存する。会議参加者は、このメモ編集機能を利用することによって、画面に表示された会議資料に関連付けしてメモを残すことができるので、会議終了後に書き込んだメモを参照するとき、そのメモがどの会議資料を用いた議論に関係しているのかを容易に把握することができる。
【0003】
なお、メモ等の情報の共有化についての技術として、例えば特許文献1,2がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−94833号公報
【特許文献2】特開平10−322331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、会議資料は、基本的にはメモ書きのためのスペースを考慮してページレイアウトを決めるものではないので、メモ書きしたくてもその画面表示されたページ上にメモを書き込むスペースが確保されていない場合もある。従来の電子会議システムに含まれる会議者端末には、このような場合を考慮して、白紙のページを新たに生成、表示することによって画面表示される会議資料の間に白紙を挿入できる機能が搭載されているものがあるので、この機能を利用すれば、十分なメモ書きのためのスペースを確保することは可能である。しかしながら、白紙上には、書き込むメモと関連付けすべき記載がないため、そのメモがどの会議資料を用いた議論に関係しているのかを関連付けることができない。もちろん、会議者端末に表示される画面イメージは、通常、時系列的に保持管理されるため、白紙に書き込まれたメモ内容は、その白紙の直前の会議資料に関係している内容であると予想することはできる。しかし、現在している議論の前に議論したことについて思いついたことなどをメモとして残しておきたいような場合、白紙の挿入位置だけでは、そのメモを議論に用いた会議資料と関連付けることはできない。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、会議資料を画面表示しながら議論を行う電子会議において、議論に関連して残しておきたいメモ等の画面イメージを、簡単な操作によって当該議論に関する表示内容と関連付けて管理可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するために、本発明に係る電子会議装置は、発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を記憶装置に記憶させる切取画面情報管理手段と、前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトに関する情報を、前記切取画面情報管理手段から取得し、その取得した情報を参照して当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成する画面イメージ生成処理手段と、前記画面イメージ生成処理手段により生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報とを対応付けして記憶する編集画面情報記憶手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る電子会議支援プログラムは、発表者側表示手段を接続した、発表者使用の発表者端末装置と、前記発表者側表示手段に表示された画面イメージを受信し、接続した参加者側表示手段に画面表示する、参加者使用の参加者端末装置と、前記発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を保持管理する切取画面情報管理手段とを有する電子会議システムに含まれる前記参加者端末装置を構成するコンピュータを、前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトに関する情報を前記切取画面情報管理手段から取得し、その取得した情報を参照に当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成する画面イメージ生成処理手段、前記画面イメージ生成処理手段により生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報とを対応付けして編集画面情報記憶手段に登録する手段として機能させるものである。
【0009】
前記画面イメージ生成処理手段は、前記編集画面情報記憶手段を参照することによって、指定された切取画面オブジェクトと同じ画面イメージに含まれる他の切取画面オブジェクトを特定し、指定された切取画面オブジェクトと共に特定した切取画面オブジェクトを、前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことを特徴とする。
【0010】
また、前記コンピュータを更に、前記参加者端末装置側でローカルに生成した画面イメージを前記発表者端末装置に送信することにより、送信した画面イメージを切取画面オブジェクトとして生成させ、その切取画面オブジェクトを前記発表者側表示手段に表示中の画面イメージに表示させるローカル画像共有化処理手段として機能させるものである。
【0011】
また、前記コンピュータを更に、前記編集画面情報記憶手段に保持されている切取画面オブジェクトを取得して前記参加者側表示手段に一覧表示し、その一覧表示された切取画面オブジェクトの中から選択された切取画面オブジェクトを取り込んだメモ編集画面を前記参加者側表示手段に表示する表示制御手段として機能させるものである。
【0012】
また、前記表示制御手段は、その一覧表示された切取画面オブジェクトの中から選択された切取画面オブジェクトを取り込んだメモ編集画面が複数存在するとき、その複数のメモ編集画面を前記参加者側表示手段にサムネイル表示し、その簡易表示されたもの中から選択されたメモ編集画面を前記参加者側表示手段に表示するものである。
【0013】
本発明に係る電子会議支援方法は、発表者側表示手段を接続した、発表者使用の発表者端末装置と、参加者側表示手段を接続した、参加者使用の参加者端末装置とを有する電子会議システムに含まれる前記参加者端末装置により実施され、前記発表者側表示手段に表示された画面イメージを受信し、前記参加者側表示手段に表示するステップと、前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトを受け付けるステップと、前記発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を保持管理する切取画面情報管理手段から、指定された切取画面オブジェクトに関する情報を読み出し取得するステップと、取得した切取画面オブジェクトに関する情報を参照に当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成するステップと、生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報との関連付けた情報を編集画面情報記憶手段に登録するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画面表示された会議資料の画面イメージのうち議論の対象となった内容等の表示部分の画面イメージを抽出して生成された切取画面オブジェクトを会議参加者に指定させることで、当該切取画面オブジェクトを会議参加者端末装置の参加者側表示手段に表示されている画面イメージに取り込ませることができるようにしたので、その取り込んだ画面イメージに書き込まれたメモと、議論の対象となった内容とを関連付けして保持管理することができる。会議参加者からしてみれば、表示された画面イメージの中から切取画面オブジェクトを選択するという簡単な操作で、メモと議論の対象となった内容とを関連付けを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態における電子会議システムの全体構成図である。図1には、ネットワークの一形態であるLAN2でそれぞれ接続された電子会議の発表者が使用する情報端末装置(以下、「発表者端末」)10、発表者端末10と同じ会議室内に設置され、電子会議の参加者が個々に使用する複数台の情報端末装置(参加者端末)30、電子会議に参加するユーザに関する情報を保持管理する情報管理サーバ4及び発表者が予め用意した会議資料の電子データ等を保持管理する文書管理サーバ6が示されている。発表者端末10は、例えば電子白板のように参加者が表示内容を参照できるように設置されたタッチパネル表示デバイス11と、タッチパネル表示デバイス11の表示画面上に書込みを行うために用いる電子ペン12とを有している。各参加者端末30は、会議に参加するユーザの認証のために会議参加者所有のICカードを読み取るICカードリーダ31と、発表者端末10のタッチパネル表示デバイス11への表示内容がリアルタイムに表示されるディスプレイ32と、ディスプレイ32の表示画面上に書込みを行うために用いる電子ペン29とを有している。各参加者端末30には、ディスプレイ32への表示内容に参加者によるメモ書きなどの書込みが可能なメモ編集機能等が搭載されている。
【0017】
図2は、本実施の形態における電子会議システムのブロック構成図である。なお、各参加者端末30は、同等のハードウェア及びソフトウェアで構成するので、図2には1台のみ図示した。
【0018】
情報管理サーバ4は、電子会議システムの運用に必要な情報を保持管理し、また要求に応じて該当する情報の提供等を行うサーバコンピュータである。例えば、ユーザ認証に必要な情報や各ユーザが所属する会議体など電子会議に参加する各ユーザに関する情報、電子会議システムが導入された会議室に関する情報、各ユーザが所属する会議体に関する情報が管理される。
【0019】
文書管理サーバ6は、電子会議に参加する各ユーザが所有する電子文書を格納するサーバコンピュータである。会議発表者は、会議に使用する会議資料等を文書管理サーバ6に事前に登録しておき、発表者端末10は、会議発表者による操作指示に応じて該当する会議資料の画像データを取り出しタッチパネル表示デバイス11に表示する。
【0020】
会議発表者が使用する発表者端末10は、ユーザインタフェース部13、イメージ送受信処理部14、切取画面生成処理部15、切取画面情報管理部16、会議制御部17及び共有切取画面情報記憶部18を有している。ユーザインタフェース部13は、電子ペン12などの入力手段を用いたユーザ操作を受け付けるユーザ操作入力処理部19及びタッチパネル表示デバイス11への表示制御を行う表示制御部20を有している。イメージ送受信処理部14は、タッチパネル表示デバイス11に表示した画面イメージの参加者端末30への配信、参加者端末30から送られてきた画面イメージの受信等画面イメージの送受信を行う。切取画面生成処理部15は、会議発表者による切取画面オブジェクト生成操作に応じて切取画面オブジェクトを生成する。共有切取画面情報記憶部18には、参加者端末30を利用する会議参加者が共有可能な切取画面に関する情報が登録されているが、切取画面情報管理部16は、共有切取画面情報記憶部18にて保持管理されている切取画面オブジェクトの参加者端末30への配信、参加者端末30から受信した切取画面オブジェクトの登録等、共有切取画面情報記憶部18に登録して管理する切取画面に関する情報の管理を行う。会議制御部17は、前述した各構成要素13〜16の起動等の動作制御を行うことで、電子会議全体の制御を行う。発表者端末10の上記各手段13〜16における処理機能は、発表者端末10を構築するコンピュータと、そのコンピュータ搭載のCPUで動作する電子会議支援プログラムとの協調動作により実現される。また、共有切取画面情報記憶部18は、HDD等の外部記憶装置により実現することを想定している。もちろん、共有切取画面情報記憶部18は、必ずしも発表者端末10に持たせておく必要はなく、ネットワーク経由でアクセス可能なコンピュータに持たせておき、必要なときに必要な情報を読み書きするように構成してもよい。
【0021】
会議参加者が使用する参加者端末30は、ユーザ認証部33、ユーザ情報取得処理部34、メモ編集機能処理部35、イメージ送受信処理部36、ユーザインタフェース部37、情報管理部38及び会議制御部39を有している。ユーザ認証部33は、電子会議に参加する者のユーザ認証を行う。ユーザ情報取得処理部34は、会議参加者に関する情報を情報管理サーバ4から取得する。本実施の形態における参加者端末30は、電子メール送信機能等種々の機能が搭載されているが、このうち、メモ編集機能処理部35は、メモ編集機能処理の実行制御を行う。メモ編集機能は、参加者端末30のディスプレイに画面表示されている画面イメージに対してメモ書きを行うための処理機能である。書込対象とする画面イメージは、基本的には発表者端末10から送信された画面イメージあるいは参加者端末30にて新規に生成、表示する白紙の画面イメージである。本実施の形態におけるメモ編集機能処理部35は、白紙生成部43、切取画面処理部44及び共有化処理部45を有している。白紙生成部43は、ユーザ操作に応じて前述した白紙を生成する。切取画面処理部44は、詳細は後述するようにメモ編集機能利用時に処理対象の切取画面のディスプレイ32への一覧表示、ディスプレイ32に表示している画面イメージへの切取画面の取り込み、ローカルに生成した切取画面の保存等メモ編集機能利用時において取り扱う切取画面に対する処理を行う。共有化処理部45は、ローカルに生成した切取画面を発表者端末10に送信するなどして共有化を図る。
【0022】
イメージ送受信処理部36は、発表者端末10から送信されてくる画面イメージを受信する。また、ユーザからの指示に応じてディスプレイ32に表示している画面イメージを発表者端末10へ送信する。ユーザインタフェース部37は、入力手段を用いたユーザ操作を受け付けるユーザ操作入力処理部46及びディスプレイ32への表示制御を行う表示制御部47を有している。本実施の形態における参加者端末30には、記憶手段として画面イメージ情報及び共有切取画面情報をそれぞれ記憶する記憶部40,41が設けられているが、情報管理部38は、他の構成要素からの要求に応じて各種情報の読み書きを行うなど情報管理を行う。会議制御部39は、前述した各構成要素33〜38の起動等の動作制御を行うことで、電子会議全体の制御を行う。参加者端末30の上記各手段33〜38における処理機能は、参加者端末30を構築するコンピュータと、そのコンピュータ搭載のCPUで動作する電子会議支援プログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部40,41は、HDD等の外部記憶装置により実現することを想定している。もちろん、必ずしも参加者端末30に持たせておく必要はなく、ネットワーク経由でアクセス可能なコンピュータに持たせておき、必要なときに必要な情報を読み書きするように構成してもよい。
【0023】
本願において電子会議システムというのは、上記システム構成からも理解できるように、必ずしも遠隔地間を接続して実施する会議に限定されるものではなく、発表者端末10や参加者端末30などのコンピュータを利用しながら行われる会議のことを総称している。本実施の形態は、例えば電子会議システムとして既に市販されている富士ゼロックス社製のInteractiveWall(登録商標)に、後述する処理機能を組み込んで実施するのに好適である。
【0024】
次に、本実施の形態における動作について説明するが、まず電子会議システムを利用した会議の基本的な流れについて説明し、次に発表者端末10側における切取画面の生成処理について、最後に、本実施の形態において特徴とする切取画面との関連付けをした画面イメージの保存等の処理について説明する。
【0025】
最初に、会議の基本的な流れについてであるが、電子会議において議論を開始するまでの処理手順は、次の通りである。すなわち、会議への各参加者は、会議室内の参加者端末30が設置された所定位置に着席し、ICカードリーダ31に自己所有のICカードを読み取らせると、ユーザ認証部33は、ICカードリーダ31が読み取った参加者のユーザIDを情報管理サーバ4へ送信してICカード所有者の属性を問い合わせる。情報管理サーバ4による認証処理の結果、ユーザが認証されると、ユーザ情報取得処理部34は、情報管理サーバ4から、電子会議への参加に必要な情報、例えば、当該会議参加者が使用するレポジトリの情報等を取得する。以上のようにして、会議に参加することになる。
【0026】
会議が開始され、会議の発表者が発表者端末10を利用しながら会議を進行することになる。各会議制御部17,39の連携動作によりイメージ送受信処理部14,36間で画面イメージの転送が行われることで、発表者端末10のタッチパネル表示デバイス11に表示された画面イメージは、各参加者端末30のディスプレイ32に表示される。また、タッチパネル表示デバイス11に表示される画面イメージが変更されると、その変更された画面イメージによって各参加者端末30のディスプレイ32の表示内容がリアルタイムに変更される。この画面表示の基本動作は、従来と同様でよい。
【0027】
会議の参加者は、タッチパネル表示デバイス11若しくはディスプレイ32への表示内容を参照しながら会議に参加するが、表示された画面イメージに何らかのメモを書き込みたい場合には参加者端末30のメモ編集機能を利用してディスプレイ32の画面イメージに書込みを行う。ここで、図3を用いて本実施の形態におけるユーザインタフェース部37の動作並びにユーザ操作について簡単に説明する。
【0028】
参加者端末30のディスプレイ32には、主画面51及び子画面52の各表示領域、保管した画面イメージの表示領域53、更に各種機能処理を実施させるためにGUI部品である各種ボタンが設けられる。これらの各表示領域やボタンの表示は、表示制御部47により行われる。主画面51には、前述した発表者端末10から送信されてくる画面イメージが表示される。また、メモ編集作業領域ともなる。発表者端末10から送信されてくる画面イメージを表示する際には表示する内容をリアルタイムに更新するので、主画面51の表示内容は動的に更新されるが、メモ編集機能実施時には、画面が逐次更新されないように表示中の画面イメージは固定される。子画面52には、主画面51がメモ書きのために静止画状態にあるときに発表者端末10から送信されてくる画面イメージが表示される。保管画面イメージ表示領域53には、画面イメージ情報記憶部40に記憶された画面イメージが時系列的に並べられてサムネイル表示される。本実施の形態では、発表者画面とメモ編集画面をそれぞれ異なる保存領域48,49に分けて保存するが、発表者画面タブ54あるいはメモ一覧選択タブ55のいずれかを選択することで、保存領域48,49に保存されたいずれかの画面イメージ群が切替可能に表示される。また、保存した画面イメージ数が増えたときには必要に応じてスクロールボタン56を操作して所望の画面イメージを表示させることができる。
【0029】
サービス機能提供のためのボタンとして、本実施の形態では、「発表者に送信」、「切取画面表示」、「メモ削除」、「メモ保存」、「モード切替」及び「白紙追加」という各種ボタン57〜62を設けている。なお、各種ボタン57〜62が選択されることによって実行される各サービス機能については、後述するが、会議参加者は、主画面51に電子ペン29等を用いた所定の入力操作により主画面51に表示された会議資料等の画面イメージに書込みを行い、メモ保存ボタン60を押下するなどしてメモ編集画面イメージを保存する。また、表示中の会議資料に余白部分が少ないために十分にメモが書き込めそうにないときには、白紙追加ボタン60を押下することで白紙の画面イメージを主画面51に表示する。そして、メモ保存ボタン60を押下するなどしてメモ編集画面イメージを保存する。もし、メモ書きが不要なときにはメモ削除ボタン59を押下することで破棄する。
【0030】
以上が、電子会議システムを利用して行われる会議における基本的な流れである。次に切取画面の生成処理について説明する。
【0031】
図4は、本実施の形態において切取画面オブジェクトを生成するユーザ操作を説明するために用いる図である。本実施の形態では、発表者端末10を使用する会議発表者が切取画面オブジェクトを基本的に生成することになる。
【0032】
まず、会議発表者は、切取画面オブジェクトの生成モードを選択する。会議発表者は、例えば電子ペン12に設けられたモード切替スイッチの操作、各モードに対応させて用意された電子ペンの中から生成モード用の電子ペンの利用等で所望するモードを選択できる。会議制御部39は、このユーザ操作を検出することで切取画面オブジェクトの生成モードが選択されたと判断すると、切取画面生成処理部15を起動する。会議発表者が画面上で電子ペン12を用いて閉曲線を描画して閉空間を形成すると、切取画面生成処理部15は、その閉空間内に含まれる画面イメージを抽出してビットマップデータを得る。このように、表示中の画面イメージからユーザにより指定された閉空間内に含まれる画面イメージが切取画面オブジェクトに相当する。切取画面生成処理部15は、また表示領域情報を生成する。表示領域情報は、画面イメージ上における閉空間の表示位置を特定するための情報である。閉空間は、線分がつながれて形成されるので、表示領域情報は、各線分の端点の座標データ及び形状で表すことができる。また、閉空間を囲む矩形形状を求め、その矩形形状の角の座標データを表示領域情報として設定するようにしてもよい。また、切取画面生成処理部15は、生成された切取画面オブジェクトに切取画面IDを新規に割り当て、切取画面オブジェクトが生成された画面イメージの画面IDを取得する。切取画面生成処理部15は、以上のようにして取得した切取画面ID、画面ID、表示領域情報、ビットマップデータを対応付けして共有切取画面情報記憶部18に登録する。
【0033】
図5は、本実施の形態における共有切取画面情報記憶部18に設定登録される共有切取画面情報のデータ構成例を示した図である。共有切取画面情報記憶部18には、切取画面が生成される度に新たなレコードが生成され登録される。切取画面ID、切取画面毎にユニークに割り当てられた情報であり、切取画面ID、共有画面ID、表示領域情報及び実データは、それぞれ前述した切取画面ID、画面ID、表示領域情報及びビットマップデータに相当する。また、1つの画面イメージから複数の切取画面オブジェクトを生成することができるが、関連切取画面IDには、当該切取画面が生成された画面イメージから生成された他の切取画面の切取画面IDが設定される。図5に示した登録例によると、画面ID“C0001”の画面イメージから切取画面ID“S001”、“S002”、“S003”の切取画面が生成されたことが把握できる。
【0034】
以上のようにして、切取画面は、発表者による操作に応じて生成され、その切取画面に関する情報は、共有切取画面情報記憶部18に設定登録される。この共有切取画面情報記憶部18に登録される情報は、各参加者端末30の共有切取画面情報記憶部41にも設定登録される。これは、次のようにして行われる。
【0035】
発表者端末10のタッチパネル表示デバイス11に表示される画面イメージは、各参加者端末30のディスプレイ32にもリアルタイムに表示されると言うことに関しては、前述したとおりである。このディスプレイ32への表示処理をより詳細に説明すると、次のように実施している。すなわち、会議参加者によりログインされた各参加者端末30は、定期的、例えば1秒ごとに発表者端末10に新たな画面イメージの表示の有無を問い合わせている。タッチパネル表示デバイス11に新たな画面イメージが表示されると、発表者端末10は、問い合わせされた参加者端末30へその新たな画面イメージを送信する。この更新タイミングが1秒ごとという短時間であるために、発表者端末10での画面表示の更新をディスプレイ32にもリアルタイムに反映できる。切取画面に関する情報についても同様で、会議参加者によりログインされた各参加者端末30は、定期的、例えば1秒ごとに発表者端末10に切取画面の新規生成を問い合わせており、この問合せに応じて送られてきた情報を共有切取画面情報記憶部41に登録する。従って、発表者端末10の共有切取画面情報記憶部18と各参加者端末30の共有切取画面情報記憶部41との内容は、実質的に同一となる。
【0036】
続いて、本実施の形態において特徴的な切取画面とメモ内容との関連付け処理について説明する。まず最初に、図6に示したディスプレイ32への表示画面の遷移図及び図7に示したフローチャートを用いて、本実施の形態が提供する基本機能について説明する。
【0037】
図6(a)には、発表者端末10から送信されてきた画面イメージが表示されているときの例であり、この画面イメージには、3つの切取画面71,72,73が含まれているものとする。ここで、会議参加者が「経営環境について」という内容に関してメモを付けたいとする。このとき、会議参加者は、所定のモード切替操作を行って切取画面指定モードを選択した後、「経営環境について」を含む切取画面72を電子ペン29やマウス等の入力手段で選択する。ディスプレイ32の画面表面に対するユーザ操作を検出すると、会議制御部39は、表示中の画面イメージを固定表示すると共にメモ編集機能処理部35を起動する。ディスプレイ32に対する入力操作が切取画面72の指定操作と認識すると、メモ編集機能処理部35は、共有切取画面情報記憶部41に登録されている切取画面の各表示領域情報と、ポイント位置情報を比較、照合することでいずれの切取画面が選択されたかを特定する(ステップ110)。この例では、切取画面72が指定されたので、メモ編集機能処理部35は、切取画面72の表示領域情報を参照にして切取画面72に対応する位置にプルダウンメニュー74を表示する。そして、プルダウンメニュー74の中から“取得”が選択されると、その“取得”に対応して設けたサブメニュー75を更に表示する(ステップ120)。図6(a)では、サブメニュー75の中から“単独”が選択された例を示している。会議参加者による指示を受け付けると(ステップ130)、その指示が “単独”の場合、メモ編集機能処理部35は、白紙生成部43を動作させてディスプレイ32に白紙を自動生成させて、新たに画面表示する。また、切取画面処理部44は、白紙の生成と同時に、会議参加者が指定した切取画面72に関する情報を共有切取画面情報記憶部41から取り出し、切取画面72を表示領域情報により特定できる白紙の位置に貼り付ける(ステップ140)。この切取画面72のオブジェクトを白紙に表示したときの状態を図6(b)に示す。会議参加者は、その後、切取画面72が表示された画面上にメモ編集機能を利用してメモを書き込む。メモ保存ボタン60の押下等メモ編集機能の終了指示を受け付けると(ステップ150)、メモ編集機能処理部35は、情報管理部38に指示することで、終了指示がされた時点においてディスプレイ32に表示されている画面イメージに関する情報を画面イメージ情報記憶部40のメモ編集画面保存領域49に保存する(ステップ160)。
【0038】
図8は、本実施の形態におけるメモ編集画面に関する情報のデータ構成例を示した図である。メモ編集画面に関する情報は、メモ編集機能が利用されることによって発表者端末10から送信されてくる画面イメージへの書込み、若しくはこの例のように新たに用意された白紙の画面イメージへの書込みがされることによって新たに生成され、画面イメージ情報記憶部40に登録される。メモ編集画面に関する情報は、図8に示したように、メモ編集画面ID、メモ実データ格納情報、切取画面ID及び表示領域情報とで構成される。メモ編集画面IDには、新たに生成されたメモ編集画面を識別するためにユニークに割り当てられる識別情報が設定される。メモ実データ格納情報には、メモ編集画面の格納先を特定するための情報が設定される。切取画面IDには、当該メモ編集画面に取り込まれた切取画面の切取画面IDが設定される。切取画面に関する情報は、切取画面IDをキーに共有切取画面情報記憶部41を検索すれば取得できるので、本実施の形態では、切取画面に関しては切取画面IDのみをこの情報に含めるようにした。但し、本実施の形態では、切取画面オブジェクトをメモ編集画面イメージ上で移動できるようにするために、切取画面毎に表示領域情報を対応して保持するようにした。これにより、メモ編集画面に取り込んだ切取画面を共有画面イメージとは異なる位置に表示させることができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、画面イメージ情報記憶部40に登録するメモ編集画面に関する情報に、参加者端末30にて取り扱った切取画面を特定する情報、すなわち切取画面IDを付加して、切取画面に関する情報は、その切取画面IDに基づき必要な情報を逐次取り出してくるようなデータ構成としたが、ローカルで取り扱った切取画面に関する情報を参加者端末30にて個別に保持管理するようにしてもよい。また、本実施の形態では、メモ編集画面に関する情報を画面イメージ情報記憶部40にて保持するように構成したが、画面イメージ情報記憶部40とは別個に記憶手段を設けて、その記憶手段で保持するように構成してもよい。
【0040】
以上のように、議論している内容(上記例では「経営環境について」)についてメモ書きしたいスペースが表示中の画面イメージ上にとれないときには、白紙を自動生成して画面表示すると共に、議論内容の表示部分を含む切取画面72を自動的に抽出して、新たに表示した白紙上に貼り付けるようにしたので、その白紙へのメモ書きと議論内容との関連付けを行うことができる。会議参加者からしてみれば、所望の切取画面72を画面イメージ上から選択し、その選択操作によって表示されたメニューの中から所望の機能を選択するという簡単な操作を行うだけで、メモ書きのために十分な書込みスペースを確保できると同時に、白紙上に議論内容が自動的に貼り付けられることで、議論内容とメモ書きとの対応関係を容易に把握できるようになる。
【0041】
以上、切取画面とメモ書きとの関連付けを行うための基本機能について説明したが、続いて、本実施の形態が提供するその他の機能の応用例について説明する。
【0042】
図9は、ディスプレイ32への表示画面の遷移を示した図である。図6を用いた説明では、サブメニュー75から“単独”が選択された場合であったが、ここでは、“関連”が選択された場合について説明する。
【0043】
図9(a)には、例えば共有画面イメージから“単独”が選択されるなどして切取画面72のみが白紙に貼り付けられた状態の画面イメージが示されている。ここで、会議参加者が「経営環境について」に関連する切取画面、ここでは、「経営環境について」と同じ共有画面イメージに含まれている切取画面も合わせて取り込みたいとする。このとき、会議参加者は、切取画面72を選択してプルダウンメニュー74を表示させ、更に表示させたサブメニュー75の中から“関連”を選択する。会議参加者による選択指示を受け付けると、その指示が “関連”の場合、メモ編集機能処理部35は、切取画面72の切取画面IDをキーにして共有切取画面情報記憶部41を参照することで、切取画面72に対応した関連切取画面IDを取得する。これにより、切取画面72に関連した切取画面71,73を特定できるので、各切取画面に関する情報、具体的には表示領域情報と実データとを参照に当該切取画面71,73の各オブジェクトを現在表示中の画面イメージに合成して画面表示する。この処理の結果、図9(b)に示したように、切取画面72に関連した切取画面71,73も合わせて表示中の画面イメージに貼り付けることができる。
【0044】
なお、ここでは、切取画面72のみが先に貼り付けられた状態の画面イメージに関連する切取画面71,73を追って貼り付けるように説明したが、例えば、図6(a)に示した画面イメージにおいて、切取画面71〜73のうちいずれか1つの切取画面を選択し、サブメニュー75の中から“関連”を選択しても、新たに生成される白紙に複数の切取画面71〜73を同時に貼り付けることができ、結果として図9(b)と同じ画面イメージを取得することができる。この後、図9(c)に例示したように、会議参加者は、画面イメージにメモ書きをして保存することになるが、この処理は、“単独”を選択したときと同じなので説明を省略する。
【0045】
ただ、メモ編集画面には、複数の切取画面が含まれることになるので、図8のメモ編集画面ID“M0002”のデータ登録例のように、複数の切取画面IDを対応付けて登録することになる。
【0046】
以上は、発表者端末10から送られてきた画面イメージに含まれている切取画面に関する処理について説明した。以降では、すでに取得済みの画面イメージに対する処理である。例えば、会議中に、すでに終了した議論についてひらめいたことをメモに残しておきたいような場合があるが、ここで説明する機能は、このような場合に好適である。
【0047】
図10は、本実施の形態におけるディスプレイ32に表示される他の画面レイアウトの例を示した図である。図10には、画面イメージを表示する主画面51と、切取画面オブジェクトを表示する切取画面表示領域63と、各種ボタン61,62,64が示されている。切取画面表示領域63には、共有切取画面とローカルにて取り扱った切取画面とを区別して表示でき、かつ表示を切り替えられるように、それぞれに対応させて共有タブ65及び個人タブ66が設けられている。
【0048】
ディスプレイ32には、通常、図3に示した画面が表示されているが、すでに終了した議論についてメモを残したくなったとする。このとき、会議参加者は、図3においてモード切替ボタン61を選択する。ユーザ操作入力処理部46が受け付けたユーザ操作を解析することで画面レイアウトのモード切替えが指示されたと認識すると、会議制御部39は、表示制御部47にディスプレイ32の表示を図10に示した画面レイアウトに切り替えさせると共に、メモ編集機能処理部35を起動する。メモ編集機能処理部35は、画面切替え時の初期設定に従い、白紙を自動生成して主画面51に表示すると共に、共有切取画面情報記憶部18に登録されている切取画面を抽出して、各切取画面イメージを切取画面表示領域63に一覧表示する。会議参加者は、表示された切取画面の中から、これから書き込むメモを対応付けたい内容が記載された切取画面76を選択し、主画面51に貼り付ける。本実施の形態では、破線矢印Aで示したマウスを用いたドラッグ&ドロップ操作によって主画面51に貼り付けることができるようにした。図10には、この貼付後の表示状態が示されている。その後、主画面51に対する書き込み、メモ書きされたメモ編集画面イメージの保存については、前述した処理と同じでよいので、説明を省略する。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、過去に表示され、画面イメージ情報記憶部40の発表者画面保存領域48に保存された画面イメージに含まれる共有切取画面を取り出して、メモ書きと関連付けすることができる。これにより、議論後にひらめいたことでも、当該議論に関連する内容を含む切取画面との関連付けを容易に行うことができる。
【0050】
なお、この例では、モードの切替えによって発表者画面、より正確に言うと発表者端末10のタッチパネル表示デバイス11に表示され、ダウンロードされてきた共有画面イメージということになるが、この共有画面イメージに含まれている切取画面を共有切取画面情報記憶部41から抽出して切取画面表示領域63に一覧表示し、その中からメモ書きを関連付けたい切取画面を選択できるようにした。但し、切取画面表示領域63に表示されるのは、切取画面、つまり画面イメージの一部分だけである。画面イメージ全体を確認しながら切取画面を選択したい場合を考慮して、例えば、図3に示した画面の保管画面イメージ表示領域53の中から発表者画面イメージを選択して、更にその画面イメージに含まれる切取画面を選択できるようにしてもよい。なお、保管画面イメージ表示領域53には、保存した画面イメージをサムネイル表示するため、保管画面イメージ表示領域53に表示された画面イメージを見ても、各画面イメージに切取画面が含まれているかどうかが確認しにくいかもしれない。そこで、本実施の形態では、図3に示したように切取画面明示ボタン58を設けた、つまり、会議参加者が切取画面明示ボタン58を選択すると、表示制御部47は、サムネイルに含まれている切取画面部分を色、輝度、点滅等の表示形態を変化させることで切取画面の存在や内容をモード切替え前に容易に確認させることができる。
【0051】
図11は、本実施の形態の他の機能を説明するために、タッチパネル表示デバイス11及びディスプレイ32の各画面表示例を示した図である。上記説明では、切取画面は、発表者端末10から参加者端末30に送られる場合であったが、ここで説明する機能は、参加者端末30で生成された画面イメージを発表者端末10へアップロードすることで、その画面イメージを新たな共有切取画面として取り扱うことができる機能についてである。
【0052】
すなわち、参加者端末30において、会議参加者は、メモを書く。この例では、手書きではなく内部に保存していたグラフ77を読み込み、白紙に貼り付けている。そして、共有化ボタン64を選択する。会議制御部39は、このユーザ操作による共有化指示を受け付けると、主画面51に表示されている画面イメージを発表者端末10へアップロードする。画面イメージがアップロードされたことを検出すると、発表者端末10の会議制御部17は、表示制御部20にその画面イメージをタッチパネル表示デバイス11に現在表示されている画面イメージと合成することで表示させる。この参加者端末30から送られてきた画面イメージは、現在表示されている画面イメージに含まれる切取画面78として取り扱われることになる。
【0053】
なお、切取画面78は、まだ表示位置が確定されたわけではなく、参加者端末30から仮表示した画面イメージの共有化指示があった旨の表示に留められており、例えば切取画面78の表示位置を画面上でゆっくり移動させたり、点滅させたりするなどして共有化指示があったことを明示する。発表者等は、所定の操作により切取画面78を画面上に固定化する。これにより、現在表示中の共有画面イメージには、既存の切取画面71〜73に新たな切取画面78が加えられたことになり、これにより、ローカルに存在した画面イメージに基づく切取画面78は、共有化されることになる。
【0054】
本実施の形態によれば、このようにしてローカルサイド、つまり参加者端末30にあった画面イメージの共有化を図ることができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、参加者端末30から発表者端末10には、主画面51に表示されている画面イメージをアップロードし、発表者端末10にて、画面イメージを切取画面として生成させ、その表示位置を決定させ、また必要に応じて切取画面オブジェクトを拡縮して表示サイズを決定させるようにした。発表者端末10にて画面イメージを切取画面として生成させるようにしたのは、切取画面78が組み込まれる画面イメージは共有画面イメージであること、その共有画面イメージの表示等の制御、管理を行う手段は発表者端末10であること、切取画面の生成処理機能は発表者端末10のみ有していること、などである。従って、構成要素の拡充や運用によって、参加者端末30側で切取画面を生成し、また、表示サイズや表示位置を特定してアップロードするようにしてもよい。
【0056】
図11を用いた説明は、1台の参加者端末30からアップロードされた場合の処理であるが、複数台の参加者端末30からアップロードされた場合にも対応することができる。このときのタッチパネル表示デバイス11に表示される画面レイアウト例並びに画面表示の概念を図12に示す。
【0057】
例えば、発表者がある議題に対し情報提供や意見等を各参加者端末30から収集したい場合、基本的には図11に示したように各参加者端末30からアップロードされた画面イメージをそれぞれ切取画面として貼り付けることになるが、画面表示モードの切替えによってタッチパネル表示デバイス11に表示する画面レイアウトを図12のように切り替える。これにより、各参加者端末30からアップロードされた画面イメージを一覧表示することができるので、各参加者からの意見等を比較・検討しやすくなる。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態の基本機能を用いることで、切取画面とメモ書きを関連付けてメモ編集画面を生成することができる。以降では、貼り付けた切取画面を利用してメモ編集画面を参照するための機能について説明する。
【0059】
図13は、本実施の形態の他の機能を説明するために、ディスプレイ32の画面表示例を示した図である。この画面は、図10に示した画面レイアウトと同じであるが、個人タブ66が選択されたときの表示例である。個人タブ66が選択されたことによって切取画面表示領域63に、ローカルにて利用した切取画面、具体的には画面イメージ情報記憶部40のメモ編集画面保存領域49に保存されたメモ編集画面に関する情報に含まれている各切取画面のオブジェクトが一覧表示される。
【0060】
会議参加者は、切取画面表示領域63に表示された切取画面オブジェクトの中からいずれか1つを選択して、メモ表示ボタン67の押下若しくは選択した切取画面オブジェクト79をダブルクリックする。この選択操作に応じて、会議制御部39は、図8に示したメモ編集画面に関する情報を参照することで、選択された切取画面に該当するメモ編集画面を特定し、主画面51に表示する。図13には、メモ編集画面表示後の状態が示されている。
【0061】
ところで、本実施の形態では、1つの切取画面が複数のメモ編集画面に貼り付けられている可能性がある。切取画面とメモ編集画面とが1対1の関係であれば、図13を用いて説明したように、該当するメモ編集画面を主画面51に表示すればよいが、切取画面とメモ編集画面とが1対多の関係であれば、どのメモ編集画面を表示すればよいのか特定できない。
【0062】
そこで、本実施の形態においては、会議参加者により選択された切取画面80が複数のメモ編集画面に貼り付けられている場合には、図14に示したように、主画面51に該当するメモ編集画面をサムネイル表示する。
【0063】
ここで、会議参加者が主画面51に表示された中から表示させたいメモ編集画面81を選択してメモ表示ボタン67の押下若しくは選択したメモ編集画面81をダブルクリックすると、この選択操作に応じて、会議制御部39は、選択されたメモ編集画面を主画面51に表示する。このメモ編集画面が表示されたときの例を図15に示す。
【0064】
もし、主画面51に表示するメモ編集画面を選択しなおしたいとき、会議参加者は、「すべてのメモ表示」ボタン68を押下する。これにより、図13に示した画面表示に戻るので、会議参加者は、表示させたいメモ編集画面を改めて選択することができる。
【0065】
本実施の形態によれば、会議中に、議論している内容についてメモ書きしたいスペースが表示画面上にないときには、ユーザにより指定された議論内容の表示部分を含む切取画面を抽出して、自動生成した白紙の画面イメージ上に貼り付けるようにしたので、その白紙へのメモ書きと議論内容との関連付けを簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施の形態における電子会議システムの全体構成図である。
【図2】本実施の形態における電子会議システムのブロック構成図である。
【図3】本実施の形態における参加者端末のディスプレイに表示される画面レイアウトの一例を示した図である。
【図4】本実施の形態において切取画面オブジェクトを生成するユーザ操作を説明するために用いる図である。
【図5】本実施の形態における共有切取画面情報記憶部に設定登録される共有切取画面情報のデータ構成例を示した図である。
【図6】本実施の形態における参加者端末のディスプレイに表示される画面イメージの遷移図である。
【図7】本実施の形態における切取画面とメモ内容との関連付け処理を示したフローチャートである。
【図8】本実施の形態におけるメモ編集画面に関する情報のデータ構成例を示した図である。
【図9】本実施の形態における参加者端末のディスプレイに表示される画面イメージの遷移図である。
【図10】本実施の形態におけるディスプレイに表示される他の画面レイアウトの例を示した図である。
【図11】本実施の形態の他の機能を説明するために、タッチパネル表示デバイス及びディスプレイの各画面表示例を示した図である。
【図12】本実施の形態においてタッチパネル表示デバイス及びディスプレイの各画面表示の概念図である。
【図13】本実施の形態の他の機能を説明するために、ディスプレイの画面表示例を示した図である。
【図14】本実施の形態の他の機能を説明するために、ディスプレイの他の画面表示例を示した図である。
【図15】本実施の形態の他の機能を説明するために、ディスプレイの他の画面表示例を示した図である。
【符号の説明】
【0067】
2 LAN、4 情報管理サーバ、6 文書管理サーバ、10 発表者端末、11 タッチパネル表示デバイス、12,29 電子ペン、13,37 ユーザインタフェース部、14,36 イメージ送受信処理部、15 切取画面生成処理部、16 切取画面情報管理部、17,39 会議制御部、18,41 共有切取画面情報記憶部、19,46 ユーザ操作入力処理部、20,47 表示制御部、30 参加者端末、31 ICカードリーダ、32 ディスプレイ、33 ユーザ認証部、34 ユーザ情報取得処理部、35 メモ編集機能処理部、38 情報管理部、40 画面イメージ情報記憶部、43 白紙生成部、44 切取画面処理部、45 共有化処理部、48 発表者画面保存領域、49 メモ編集画面保存領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、発表者が使用し、システム内で共有する画面イメージを表示する発表者端末装置と、参加者が個々に使用し、発表者端末装置に表示された画面イメージを取得して表示する会議参加者端末装置とを有する電子会議システムにおいて、特に会議参加者端末装置側において共有画面イメージと会議参加者が個別に生成する画面イメージとの関連付けに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議の効率化等を図るために電子会議システムを導入する企業は少なくない。従来の電子会議システムは、例えば富士ゼロックス社製のInteractiveWall(登録商標)で代表されるように会議室にいる会議参加者全員から見える位置に電子白板のようなタッチパネル表示デバイスと、会議室内の各参加者が個別に使用するための情報端末装置(以下、「参加者端末」)とを有している。会議の発表者は、会議資料をタッチパネル表示デバイスに表示することによって会議を進行していく。タッチパネル表示デバイスに表示された内容は、参加者端末にもリアルタイムに表示されるので、会議参加者は、タッチパネル表示デバイスあるいは各自が使用する参加者端末に表示された会議資料を参照しながら議論を行う。また、参加者端末には、メモ編集機能が搭載されており、会議参加者により現在表示中の画面イメージにメモが書き込まれると、そのメモを表示中の画面イメージと合成してメモ編集画面イメージとして保存する。会議参加者は、このメモ編集機能を利用することによって、画面に表示された会議資料に関連付けしてメモを残すことができるので、会議終了後に書き込んだメモを参照するとき、そのメモがどの会議資料を用いた議論に関係しているのかを容易に把握することができる。
【0003】
なお、メモ等の情報の共有化についての技術として、例えば特許文献1,2がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−94833号公報
【特許文献2】特開平10−322331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、会議資料は、基本的にはメモ書きのためのスペースを考慮してページレイアウトを決めるものではないので、メモ書きしたくてもその画面表示されたページ上にメモを書き込むスペースが確保されていない場合もある。従来の電子会議システムに含まれる会議者端末には、このような場合を考慮して、白紙のページを新たに生成、表示することによって画面表示される会議資料の間に白紙を挿入できる機能が搭載されているものがあるので、この機能を利用すれば、十分なメモ書きのためのスペースを確保することは可能である。しかしながら、白紙上には、書き込むメモと関連付けすべき記載がないため、そのメモがどの会議資料を用いた議論に関係しているのかを関連付けることができない。もちろん、会議者端末に表示される画面イメージは、通常、時系列的に保持管理されるため、白紙に書き込まれたメモ内容は、その白紙の直前の会議資料に関係している内容であると予想することはできる。しかし、現在している議論の前に議論したことについて思いついたことなどをメモとして残しておきたいような場合、白紙の挿入位置だけでは、そのメモを議論に用いた会議資料と関連付けることはできない。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、会議資料を画面表示しながら議論を行う電子会議において、議論に関連して残しておきたいメモ等の画面イメージを、簡単な操作によって当該議論に関する表示内容と関連付けて管理可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するために、本発明に係る電子会議装置は、発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を記憶装置に記憶させる切取画面情報管理手段と、前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトに関する情報を、前記切取画面情報管理手段から取得し、その取得した情報を参照して当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成する画面イメージ生成処理手段と、前記画面イメージ生成処理手段により生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報とを対応付けして記憶する編集画面情報記憶手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る電子会議支援プログラムは、発表者側表示手段を接続した、発表者使用の発表者端末装置と、前記発表者側表示手段に表示された画面イメージを受信し、接続した参加者側表示手段に画面表示する、参加者使用の参加者端末装置と、前記発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を保持管理する切取画面情報管理手段とを有する電子会議システムに含まれる前記参加者端末装置を構成するコンピュータを、前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトに関する情報を前記切取画面情報管理手段から取得し、その取得した情報を参照に当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成する画面イメージ生成処理手段、前記画面イメージ生成処理手段により生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報とを対応付けして編集画面情報記憶手段に登録する手段として機能させるものである。
【0009】
前記画面イメージ生成処理手段は、前記編集画面情報記憶手段を参照することによって、指定された切取画面オブジェクトと同じ画面イメージに含まれる他の切取画面オブジェクトを特定し、指定された切取画面オブジェクトと共に特定した切取画面オブジェクトを、前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことを特徴とする。
【0010】
また、前記コンピュータを更に、前記参加者端末装置側でローカルに生成した画面イメージを前記発表者端末装置に送信することにより、送信した画面イメージを切取画面オブジェクトとして生成させ、その切取画面オブジェクトを前記発表者側表示手段に表示中の画面イメージに表示させるローカル画像共有化処理手段として機能させるものである。
【0011】
また、前記コンピュータを更に、前記編集画面情報記憶手段に保持されている切取画面オブジェクトを取得して前記参加者側表示手段に一覧表示し、その一覧表示された切取画面オブジェクトの中から選択された切取画面オブジェクトを取り込んだメモ編集画面を前記参加者側表示手段に表示する表示制御手段として機能させるものである。
【0012】
また、前記表示制御手段は、その一覧表示された切取画面オブジェクトの中から選択された切取画面オブジェクトを取り込んだメモ編集画面が複数存在するとき、その複数のメモ編集画面を前記参加者側表示手段にサムネイル表示し、その簡易表示されたもの中から選択されたメモ編集画面を前記参加者側表示手段に表示するものである。
【0013】
本発明に係る電子会議支援方法は、発表者側表示手段を接続した、発表者使用の発表者端末装置と、参加者側表示手段を接続した、参加者使用の参加者端末装置とを有する電子会議システムに含まれる前記参加者端末装置により実施され、前記発表者側表示手段に表示された画面イメージを受信し、前記参加者側表示手段に表示するステップと、前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトを受け付けるステップと、前記発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を保持管理する切取画面情報管理手段から、指定された切取画面オブジェクトに関する情報を読み出し取得するステップと、取得した切取画面オブジェクトに関する情報を参照に当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成するステップと、生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報との関連付けた情報を編集画面情報記憶手段に登録するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画面表示された会議資料の画面イメージのうち議論の対象となった内容等の表示部分の画面イメージを抽出して生成された切取画面オブジェクトを会議参加者に指定させることで、当該切取画面オブジェクトを会議参加者端末装置の参加者側表示手段に表示されている画面イメージに取り込ませることができるようにしたので、その取り込んだ画面イメージに書き込まれたメモと、議論の対象となった内容とを関連付けして保持管理することができる。会議参加者からしてみれば、表示された画面イメージの中から切取画面オブジェクトを選択するという簡単な操作で、メモと議論の対象となった内容とを関連付けを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態における電子会議システムの全体構成図である。図1には、ネットワークの一形態であるLAN2でそれぞれ接続された電子会議の発表者が使用する情報端末装置(以下、「発表者端末」)10、発表者端末10と同じ会議室内に設置され、電子会議の参加者が個々に使用する複数台の情報端末装置(参加者端末)30、電子会議に参加するユーザに関する情報を保持管理する情報管理サーバ4及び発表者が予め用意した会議資料の電子データ等を保持管理する文書管理サーバ6が示されている。発表者端末10は、例えば電子白板のように参加者が表示内容を参照できるように設置されたタッチパネル表示デバイス11と、タッチパネル表示デバイス11の表示画面上に書込みを行うために用いる電子ペン12とを有している。各参加者端末30は、会議に参加するユーザの認証のために会議参加者所有のICカードを読み取るICカードリーダ31と、発表者端末10のタッチパネル表示デバイス11への表示内容がリアルタイムに表示されるディスプレイ32と、ディスプレイ32の表示画面上に書込みを行うために用いる電子ペン29とを有している。各参加者端末30には、ディスプレイ32への表示内容に参加者によるメモ書きなどの書込みが可能なメモ編集機能等が搭載されている。
【0017】
図2は、本実施の形態における電子会議システムのブロック構成図である。なお、各参加者端末30は、同等のハードウェア及びソフトウェアで構成するので、図2には1台のみ図示した。
【0018】
情報管理サーバ4は、電子会議システムの運用に必要な情報を保持管理し、また要求に応じて該当する情報の提供等を行うサーバコンピュータである。例えば、ユーザ認証に必要な情報や各ユーザが所属する会議体など電子会議に参加する各ユーザに関する情報、電子会議システムが導入された会議室に関する情報、各ユーザが所属する会議体に関する情報が管理される。
【0019】
文書管理サーバ6は、電子会議に参加する各ユーザが所有する電子文書を格納するサーバコンピュータである。会議発表者は、会議に使用する会議資料等を文書管理サーバ6に事前に登録しておき、発表者端末10は、会議発表者による操作指示に応じて該当する会議資料の画像データを取り出しタッチパネル表示デバイス11に表示する。
【0020】
会議発表者が使用する発表者端末10は、ユーザインタフェース部13、イメージ送受信処理部14、切取画面生成処理部15、切取画面情報管理部16、会議制御部17及び共有切取画面情報記憶部18を有している。ユーザインタフェース部13は、電子ペン12などの入力手段を用いたユーザ操作を受け付けるユーザ操作入力処理部19及びタッチパネル表示デバイス11への表示制御を行う表示制御部20を有している。イメージ送受信処理部14は、タッチパネル表示デバイス11に表示した画面イメージの参加者端末30への配信、参加者端末30から送られてきた画面イメージの受信等画面イメージの送受信を行う。切取画面生成処理部15は、会議発表者による切取画面オブジェクト生成操作に応じて切取画面オブジェクトを生成する。共有切取画面情報記憶部18には、参加者端末30を利用する会議参加者が共有可能な切取画面に関する情報が登録されているが、切取画面情報管理部16は、共有切取画面情報記憶部18にて保持管理されている切取画面オブジェクトの参加者端末30への配信、参加者端末30から受信した切取画面オブジェクトの登録等、共有切取画面情報記憶部18に登録して管理する切取画面に関する情報の管理を行う。会議制御部17は、前述した各構成要素13〜16の起動等の動作制御を行うことで、電子会議全体の制御を行う。発表者端末10の上記各手段13〜16における処理機能は、発表者端末10を構築するコンピュータと、そのコンピュータ搭載のCPUで動作する電子会議支援プログラムとの協調動作により実現される。また、共有切取画面情報記憶部18は、HDD等の外部記憶装置により実現することを想定している。もちろん、共有切取画面情報記憶部18は、必ずしも発表者端末10に持たせておく必要はなく、ネットワーク経由でアクセス可能なコンピュータに持たせておき、必要なときに必要な情報を読み書きするように構成してもよい。
【0021】
会議参加者が使用する参加者端末30は、ユーザ認証部33、ユーザ情報取得処理部34、メモ編集機能処理部35、イメージ送受信処理部36、ユーザインタフェース部37、情報管理部38及び会議制御部39を有している。ユーザ認証部33は、電子会議に参加する者のユーザ認証を行う。ユーザ情報取得処理部34は、会議参加者に関する情報を情報管理サーバ4から取得する。本実施の形態における参加者端末30は、電子メール送信機能等種々の機能が搭載されているが、このうち、メモ編集機能処理部35は、メモ編集機能処理の実行制御を行う。メモ編集機能は、参加者端末30のディスプレイに画面表示されている画面イメージに対してメモ書きを行うための処理機能である。書込対象とする画面イメージは、基本的には発表者端末10から送信された画面イメージあるいは参加者端末30にて新規に生成、表示する白紙の画面イメージである。本実施の形態におけるメモ編集機能処理部35は、白紙生成部43、切取画面処理部44及び共有化処理部45を有している。白紙生成部43は、ユーザ操作に応じて前述した白紙を生成する。切取画面処理部44は、詳細は後述するようにメモ編集機能利用時に処理対象の切取画面のディスプレイ32への一覧表示、ディスプレイ32に表示している画面イメージへの切取画面の取り込み、ローカルに生成した切取画面の保存等メモ編集機能利用時において取り扱う切取画面に対する処理を行う。共有化処理部45は、ローカルに生成した切取画面を発表者端末10に送信するなどして共有化を図る。
【0022】
イメージ送受信処理部36は、発表者端末10から送信されてくる画面イメージを受信する。また、ユーザからの指示に応じてディスプレイ32に表示している画面イメージを発表者端末10へ送信する。ユーザインタフェース部37は、入力手段を用いたユーザ操作を受け付けるユーザ操作入力処理部46及びディスプレイ32への表示制御を行う表示制御部47を有している。本実施の形態における参加者端末30には、記憶手段として画面イメージ情報及び共有切取画面情報をそれぞれ記憶する記憶部40,41が設けられているが、情報管理部38は、他の構成要素からの要求に応じて各種情報の読み書きを行うなど情報管理を行う。会議制御部39は、前述した各構成要素33〜38の起動等の動作制御を行うことで、電子会議全体の制御を行う。参加者端末30の上記各手段33〜38における処理機能は、参加者端末30を構築するコンピュータと、そのコンピュータ搭載のCPUで動作する電子会議支援プログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部40,41は、HDD等の外部記憶装置により実現することを想定している。もちろん、必ずしも参加者端末30に持たせておく必要はなく、ネットワーク経由でアクセス可能なコンピュータに持たせておき、必要なときに必要な情報を読み書きするように構成してもよい。
【0023】
本願において電子会議システムというのは、上記システム構成からも理解できるように、必ずしも遠隔地間を接続して実施する会議に限定されるものではなく、発表者端末10や参加者端末30などのコンピュータを利用しながら行われる会議のことを総称している。本実施の形態は、例えば電子会議システムとして既に市販されている富士ゼロックス社製のInteractiveWall(登録商標)に、後述する処理機能を組み込んで実施するのに好適である。
【0024】
次に、本実施の形態における動作について説明するが、まず電子会議システムを利用した会議の基本的な流れについて説明し、次に発表者端末10側における切取画面の生成処理について、最後に、本実施の形態において特徴とする切取画面との関連付けをした画面イメージの保存等の処理について説明する。
【0025】
最初に、会議の基本的な流れについてであるが、電子会議において議論を開始するまでの処理手順は、次の通りである。すなわち、会議への各参加者は、会議室内の参加者端末30が設置された所定位置に着席し、ICカードリーダ31に自己所有のICカードを読み取らせると、ユーザ認証部33は、ICカードリーダ31が読み取った参加者のユーザIDを情報管理サーバ4へ送信してICカード所有者の属性を問い合わせる。情報管理サーバ4による認証処理の結果、ユーザが認証されると、ユーザ情報取得処理部34は、情報管理サーバ4から、電子会議への参加に必要な情報、例えば、当該会議参加者が使用するレポジトリの情報等を取得する。以上のようにして、会議に参加することになる。
【0026】
会議が開始され、会議の発表者が発表者端末10を利用しながら会議を進行することになる。各会議制御部17,39の連携動作によりイメージ送受信処理部14,36間で画面イメージの転送が行われることで、発表者端末10のタッチパネル表示デバイス11に表示された画面イメージは、各参加者端末30のディスプレイ32に表示される。また、タッチパネル表示デバイス11に表示される画面イメージが変更されると、その変更された画面イメージによって各参加者端末30のディスプレイ32の表示内容がリアルタイムに変更される。この画面表示の基本動作は、従来と同様でよい。
【0027】
会議の参加者は、タッチパネル表示デバイス11若しくはディスプレイ32への表示内容を参照しながら会議に参加するが、表示された画面イメージに何らかのメモを書き込みたい場合には参加者端末30のメモ編集機能を利用してディスプレイ32の画面イメージに書込みを行う。ここで、図3を用いて本実施の形態におけるユーザインタフェース部37の動作並びにユーザ操作について簡単に説明する。
【0028】
参加者端末30のディスプレイ32には、主画面51及び子画面52の各表示領域、保管した画面イメージの表示領域53、更に各種機能処理を実施させるためにGUI部品である各種ボタンが設けられる。これらの各表示領域やボタンの表示は、表示制御部47により行われる。主画面51には、前述した発表者端末10から送信されてくる画面イメージが表示される。また、メモ編集作業領域ともなる。発表者端末10から送信されてくる画面イメージを表示する際には表示する内容をリアルタイムに更新するので、主画面51の表示内容は動的に更新されるが、メモ編集機能実施時には、画面が逐次更新されないように表示中の画面イメージは固定される。子画面52には、主画面51がメモ書きのために静止画状態にあるときに発表者端末10から送信されてくる画面イメージが表示される。保管画面イメージ表示領域53には、画面イメージ情報記憶部40に記憶された画面イメージが時系列的に並べられてサムネイル表示される。本実施の形態では、発表者画面とメモ編集画面をそれぞれ異なる保存領域48,49に分けて保存するが、発表者画面タブ54あるいはメモ一覧選択タブ55のいずれかを選択することで、保存領域48,49に保存されたいずれかの画面イメージ群が切替可能に表示される。また、保存した画面イメージ数が増えたときには必要に応じてスクロールボタン56を操作して所望の画面イメージを表示させることができる。
【0029】
サービス機能提供のためのボタンとして、本実施の形態では、「発表者に送信」、「切取画面表示」、「メモ削除」、「メモ保存」、「モード切替」及び「白紙追加」という各種ボタン57〜62を設けている。なお、各種ボタン57〜62が選択されることによって実行される各サービス機能については、後述するが、会議参加者は、主画面51に電子ペン29等を用いた所定の入力操作により主画面51に表示された会議資料等の画面イメージに書込みを行い、メモ保存ボタン60を押下するなどしてメモ編集画面イメージを保存する。また、表示中の会議資料に余白部分が少ないために十分にメモが書き込めそうにないときには、白紙追加ボタン60を押下することで白紙の画面イメージを主画面51に表示する。そして、メモ保存ボタン60を押下するなどしてメモ編集画面イメージを保存する。もし、メモ書きが不要なときにはメモ削除ボタン59を押下することで破棄する。
【0030】
以上が、電子会議システムを利用して行われる会議における基本的な流れである。次に切取画面の生成処理について説明する。
【0031】
図4は、本実施の形態において切取画面オブジェクトを生成するユーザ操作を説明するために用いる図である。本実施の形態では、発表者端末10を使用する会議発表者が切取画面オブジェクトを基本的に生成することになる。
【0032】
まず、会議発表者は、切取画面オブジェクトの生成モードを選択する。会議発表者は、例えば電子ペン12に設けられたモード切替スイッチの操作、各モードに対応させて用意された電子ペンの中から生成モード用の電子ペンの利用等で所望するモードを選択できる。会議制御部39は、このユーザ操作を検出することで切取画面オブジェクトの生成モードが選択されたと判断すると、切取画面生成処理部15を起動する。会議発表者が画面上で電子ペン12を用いて閉曲線を描画して閉空間を形成すると、切取画面生成処理部15は、その閉空間内に含まれる画面イメージを抽出してビットマップデータを得る。このように、表示中の画面イメージからユーザにより指定された閉空間内に含まれる画面イメージが切取画面オブジェクトに相当する。切取画面生成処理部15は、また表示領域情報を生成する。表示領域情報は、画面イメージ上における閉空間の表示位置を特定するための情報である。閉空間は、線分がつながれて形成されるので、表示領域情報は、各線分の端点の座標データ及び形状で表すことができる。また、閉空間を囲む矩形形状を求め、その矩形形状の角の座標データを表示領域情報として設定するようにしてもよい。また、切取画面生成処理部15は、生成された切取画面オブジェクトに切取画面IDを新規に割り当て、切取画面オブジェクトが生成された画面イメージの画面IDを取得する。切取画面生成処理部15は、以上のようにして取得した切取画面ID、画面ID、表示領域情報、ビットマップデータを対応付けして共有切取画面情報記憶部18に登録する。
【0033】
図5は、本実施の形態における共有切取画面情報記憶部18に設定登録される共有切取画面情報のデータ構成例を示した図である。共有切取画面情報記憶部18には、切取画面が生成される度に新たなレコードが生成され登録される。切取画面ID、切取画面毎にユニークに割り当てられた情報であり、切取画面ID、共有画面ID、表示領域情報及び実データは、それぞれ前述した切取画面ID、画面ID、表示領域情報及びビットマップデータに相当する。また、1つの画面イメージから複数の切取画面オブジェクトを生成することができるが、関連切取画面IDには、当該切取画面が生成された画面イメージから生成された他の切取画面の切取画面IDが設定される。図5に示した登録例によると、画面ID“C0001”の画面イメージから切取画面ID“S001”、“S002”、“S003”の切取画面が生成されたことが把握できる。
【0034】
以上のようにして、切取画面は、発表者による操作に応じて生成され、その切取画面に関する情報は、共有切取画面情報記憶部18に設定登録される。この共有切取画面情報記憶部18に登録される情報は、各参加者端末30の共有切取画面情報記憶部41にも設定登録される。これは、次のようにして行われる。
【0035】
発表者端末10のタッチパネル表示デバイス11に表示される画面イメージは、各参加者端末30のディスプレイ32にもリアルタイムに表示されると言うことに関しては、前述したとおりである。このディスプレイ32への表示処理をより詳細に説明すると、次のように実施している。すなわち、会議参加者によりログインされた各参加者端末30は、定期的、例えば1秒ごとに発表者端末10に新たな画面イメージの表示の有無を問い合わせている。タッチパネル表示デバイス11に新たな画面イメージが表示されると、発表者端末10は、問い合わせされた参加者端末30へその新たな画面イメージを送信する。この更新タイミングが1秒ごとという短時間であるために、発表者端末10での画面表示の更新をディスプレイ32にもリアルタイムに反映できる。切取画面に関する情報についても同様で、会議参加者によりログインされた各参加者端末30は、定期的、例えば1秒ごとに発表者端末10に切取画面の新規生成を問い合わせており、この問合せに応じて送られてきた情報を共有切取画面情報記憶部41に登録する。従って、発表者端末10の共有切取画面情報記憶部18と各参加者端末30の共有切取画面情報記憶部41との内容は、実質的に同一となる。
【0036】
続いて、本実施の形態において特徴的な切取画面とメモ内容との関連付け処理について説明する。まず最初に、図6に示したディスプレイ32への表示画面の遷移図及び図7に示したフローチャートを用いて、本実施の形態が提供する基本機能について説明する。
【0037】
図6(a)には、発表者端末10から送信されてきた画面イメージが表示されているときの例であり、この画面イメージには、3つの切取画面71,72,73が含まれているものとする。ここで、会議参加者が「経営環境について」という内容に関してメモを付けたいとする。このとき、会議参加者は、所定のモード切替操作を行って切取画面指定モードを選択した後、「経営環境について」を含む切取画面72を電子ペン29やマウス等の入力手段で選択する。ディスプレイ32の画面表面に対するユーザ操作を検出すると、会議制御部39は、表示中の画面イメージを固定表示すると共にメモ編集機能処理部35を起動する。ディスプレイ32に対する入力操作が切取画面72の指定操作と認識すると、メモ編集機能処理部35は、共有切取画面情報記憶部41に登録されている切取画面の各表示領域情報と、ポイント位置情報を比較、照合することでいずれの切取画面が選択されたかを特定する(ステップ110)。この例では、切取画面72が指定されたので、メモ編集機能処理部35は、切取画面72の表示領域情報を参照にして切取画面72に対応する位置にプルダウンメニュー74を表示する。そして、プルダウンメニュー74の中から“取得”が選択されると、その“取得”に対応して設けたサブメニュー75を更に表示する(ステップ120)。図6(a)では、サブメニュー75の中から“単独”が選択された例を示している。会議参加者による指示を受け付けると(ステップ130)、その指示が “単独”の場合、メモ編集機能処理部35は、白紙生成部43を動作させてディスプレイ32に白紙を自動生成させて、新たに画面表示する。また、切取画面処理部44は、白紙の生成と同時に、会議参加者が指定した切取画面72に関する情報を共有切取画面情報記憶部41から取り出し、切取画面72を表示領域情報により特定できる白紙の位置に貼り付ける(ステップ140)。この切取画面72のオブジェクトを白紙に表示したときの状態を図6(b)に示す。会議参加者は、その後、切取画面72が表示された画面上にメモ編集機能を利用してメモを書き込む。メモ保存ボタン60の押下等メモ編集機能の終了指示を受け付けると(ステップ150)、メモ編集機能処理部35は、情報管理部38に指示することで、終了指示がされた時点においてディスプレイ32に表示されている画面イメージに関する情報を画面イメージ情報記憶部40のメモ編集画面保存領域49に保存する(ステップ160)。
【0038】
図8は、本実施の形態におけるメモ編集画面に関する情報のデータ構成例を示した図である。メモ編集画面に関する情報は、メモ編集機能が利用されることによって発表者端末10から送信されてくる画面イメージへの書込み、若しくはこの例のように新たに用意された白紙の画面イメージへの書込みがされることによって新たに生成され、画面イメージ情報記憶部40に登録される。メモ編集画面に関する情報は、図8に示したように、メモ編集画面ID、メモ実データ格納情報、切取画面ID及び表示領域情報とで構成される。メモ編集画面IDには、新たに生成されたメモ編集画面を識別するためにユニークに割り当てられる識別情報が設定される。メモ実データ格納情報には、メモ編集画面の格納先を特定するための情報が設定される。切取画面IDには、当該メモ編集画面に取り込まれた切取画面の切取画面IDが設定される。切取画面に関する情報は、切取画面IDをキーに共有切取画面情報記憶部41を検索すれば取得できるので、本実施の形態では、切取画面に関しては切取画面IDのみをこの情報に含めるようにした。但し、本実施の形態では、切取画面オブジェクトをメモ編集画面イメージ上で移動できるようにするために、切取画面毎に表示領域情報を対応して保持するようにした。これにより、メモ編集画面に取り込んだ切取画面を共有画面イメージとは異なる位置に表示させることができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、画面イメージ情報記憶部40に登録するメモ編集画面に関する情報に、参加者端末30にて取り扱った切取画面を特定する情報、すなわち切取画面IDを付加して、切取画面に関する情報は、その切取画面IDに基づき必要な情報を逐次取り出してくるようなデータ構成としたが、ローカルで取り扱った切取画面に関する情報を参加者端末30にて個別に保持管理するようにしてもよい。また、本実施の形態では、メモ編集画面に関する情報を画面イメージ情報記憶部40にて保持するように構成したが、画面イメージ情報記憶部40とは別個に記憶手段を設けて、その記憶手段で保持するように構成してもよい。
【0040】
以上のように、議論している内容(上記例では「経営環境について」)についてメモ書きしたいスペースが表示中の画面イメージ上にとれないときには、白紙を自動生成して画面表示すると共に、議論内容の表示部分を含む切取画面72を自動的に抽出して、新たに表示した白紙上に貼り付けるようにしたので、その白紙へのメモ書きと議論内容との関連付けを行うことができる。会議参加者からしてみれば、所望の切取画面72を画面イメージ上から選択し、その選択操作によって表示されたメニューの中から所望の機能を選択するという簡単な操作を行うだけで、メモ書きのために十分な書込みスペースを確保できると同時に、白紙上に議論内容が自動的に貼り付けられることで、議論内容とメモ書きとの対応関係を容易に把握できるようになる。
【0041】
以上、切取画面とメモ書きとの関連付けを行うための基本機能について説明したが、続いて、本実施の形態が提供するその他の機能の応用例について説明する。
【0042】
図9は、ディスプレイ32への表示画面の遷移を示した図である。図6を用いた説明では、サブメニュー75から“単独”が選択された場合であったが、ここでは、“関連”が選択された場合について説明する。
【0043】
図9(a)には、例えば共有画面イメージから“単独”が選択されるなどして切取画面72のみが白紙に貼り付けられた状態の画面イメージが示されている。ここで、会議参加者が「経営環境について」に関連する切取画面、ここでは、「経営環境について」と同じ共有画面イメージに含まれている切取画面も合わせて取り込みたいとする。このとき、会議参加者は、切取画面72を選択してプルダウンメニュー74を表示させ、更に表示させたサブメニュー75の中から“関連”を選択する。会議参加者による選択指示を受け付けると、その指示が “関連”の場合、メモ編集機能処理部35は、切取画面72の切取画面IDをキーにして共有切取画面情報記憶部41を参照することで、切取画面72に対応した関連切取画面IDを取得する。これにより、切取画面72に関連した切取画面71,73を特定できるので、各切取画面に関する情報、具体的には表示領域情報と実データとを参照に当該切取画面71,73の各オブジェクトを現在表示中の画面イメージに合成して画面表示する。この処理の結果、図9(b)に示したように、切取画面72に関連した切取画面71,73も合わせて表示中の画面イメージに貼り付けることができる。
【0044】
なお、ここでは、切取画面72のみが先に貼り付けられた状態の画面イメージに関連する切取画面71,73を追って貼り付けるように説明したが、例えば、図6(a)に示した画面イメージにおいて、切取画面71〜73のうちいずれか1つの切取画面を選択し、サブメニュー75の中から“関連”を選択しても、新たに生成される白紙に複数の切取画面71〜73を同時に貼り付けることができ、結果として図9(b)と同じ画面イメージを取得することができる。この後、図9(c)に例示したように、会議参加者は、画面イメージにメモ書きをして保存することになるが、この処理は、“単独”を選択したときと同じなので説明を省略する。
【0045】
ただ、メモ編集画面には、複数の切取画面が含まれることになるので、図8のメモ編集画面ID“M0002”のデータ登録例のように、複数の切取画面IDを対応付けて登録することになる。
【0046】
以上は、発表者端末10から送られてきた画面イメージに含まれている切取画面に関する処理について説明した。以降では、すでに取得済みの画面イメージに対する処理である。例えば、会議中に、すでに終了した議論についてひらめいたことをメモに残しておきたいような場合があるが、ここで説明する機能は、このような場合に好適である。
【0047】
図10は、本実施の形態におけるディスプレイ32に表示される他の画面レイアウトの例を示した図である。図10には、画面イメージを表示する主画面51と、切取画面オブジェクトを表示する切取画面表示領域63と、各種ボタン61,62,64が示されている。切取画面表示領域63には、共有切取画面とローカルにて取り扱った切取画面とを区別して表示でき、かつ表示を切り替えられるように、それぞれに対応させて共有タブ65及び個人タブ66が設けられている。
【0048】
ディスプレイ32には、通常、図3に示した画面が表示されているが、すでに終了した議論についてメモを残したくなったとする。このとき、会議参加者は、図3においてモード切替ボタン61を選択する。ユーザ操作入力処理部46が受け付けたユーザ操作を解析することで画面レイアウトのモード切替えが指示されたと認識すると、会議制御部39は、表示制御部47にディスプレイ32の表示を図10に示した画面レイアウトに切り替えさせると共に、メモ編集機能処理部35を起動する。メモ編集機能処理部35は、画面切替え時の初期設定に従い、白紙を自動生成して主画面51に表示すると共に、共有切取画面情報記憶部18に登録されている切取画面を抽出して、各切取画面イメージを切取画面表示領域63に一覧表示する。会議参加者は、表示された切取画面の中から、これから書き込むメモを対応付けたい内容が記載された切取画面76を選択し、主画面51に貼り付ける。本実施の形態では、破線矢印Aで示したマウスを用いたドラッグ&ドロップ操作によって主画面51に貼り付けることができるようにした。図10には、この貼付後の表示状態が示されている。その後、主画面51に対する書き込み、メモ書きされたメモ編集画面イメージの保存については、前述した処理と同じでよいので、説明を省略する。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、過去に表示され、画面イメージ情報記憶部40の発表者画面保存領域48に保存された画面イメージに含まれる共有切取画面を取り出して、メモ書きと関連付けすることができる。これにより、議論後にひらめいたことでも、当該議論に関連する内容を含む切取画面との関連付けを容易に行うことができる。
【0050】
なお、この例では、モードの切替えによって発表者画面、より正確に言うと発表者端末10のタッチパネル表示デバイス11に表示され、ダウンロードされてきた共有画面イメージということになるが、この共有画面イメージに含まれている切取画面を共有切取画面情報記憶部41から抽出して切取画面表示領域63に一覧表示し、その中からメモ書きを関連付けたい切取画面を選択できるようにした。但し、切取画面表示領域63に表示されるのは、切取画面、つまり画面イメージの一部分だけである。画面イメージ全体を確認しながら切取画面を選択したい場合を考慮して、例えば、図3に示した画面の保管画面イメージ表示領域53の中から発表者画面イメージを選択して、更にその画面イメージに含まれる切取画面を選択できるようにしてもよい。なお、保管画面イメージ表示領域53には、保存した画面イメージをサムネイル表示するため、保管画面イメージ表示領域53に表示された画面イメージを見ても、各画面イメージに切取画面が含まれているかどうかが確認しにくいかもしれない。そこで、本実施の形態では、図3に示したように切取画面明示ボタン58を設けた、つまり、会議参加者が切取画面明示ボタン58を選択すると、表示制御部47は、サムネイルに含まれている切取画面部分を色、輝度、点滅等の表示形態を変化させることで切取画面の存在や内容をモード切替え前に容易に確認させることができる。
【0051】
図11は、本実施の形態の他の機能を説明するために、タッチパネル表示デバイス11及びディスプレイ32の各画面表示例を示した図である。上記説明では、切取画面は、発表者端末10から参加者端末30に送られる場合であったが、ここで説明する機能は、参加者端末30で生成された画面イメージを発表者端末10へアップロードすることで、その画面イメージを新たな共有切取画面として取り扱うことができる機能についてである。
【0052】
すなわち、参加者端末30において、会議参加者は、メモを書く。この例では、手書きではなく内部に保存していたグラフ77を読み込み、白紙に貼り付けている。そして、共有化ボタン64を選択する。会議制御部39は、このユーザ操作による共有化指示を受け付けると、主画面51に表示されている画面イメージを発表者端末10へアップロードする。画面イメージがアップロードされたことを検出すると、発表者端末10の会議制御部17は、表示制御部20にその画面イメージをタッチパネル表示デバイス11に現在表示されている画面イメージと合成することで表示させる。この参加者端末30から送られてきた画面イメージは、現在表示されている画面イメージに含まれる切取画面78として取り扱われることになる。
【0053】
なお、切取画面78は、まだ表示位置が確定されたわけではなく、参加者端末30から仮表示した画面イメージの共有化指示があった旨の表示に留められており、例えば切取画面78の表示位置を画面上でゆっくり移動させたり、点滅させたりするなどして共有化指示があったことを明示する。発表者等は、所定の操作により切取画面78を画面上に固定化する。これにより、現在表示中の共有画面イメージには、既存の切取画面71〜73に新たな切取画面78が加えられたことになり、これにより、ローカルに存在した画面イメージに基づく切取画面78は、共有化されることになる。
【0054】
本実施の形態によれば、このようにしてローカルサイド、つまり参加者端末30にあった画面イメージの共有化を図ることができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、参加者端末30から発表者端末10には、主画面51に表示されている画面イメージをアップロードし、発表者端末10にて、画面イメージを切取画面として生成させ、その表示位置を決定させ、また必要に応じて切取画面オブジェクトを拡縮して表示サイズを決定させるようにした。発表者端末10にて画面イメージを切取画面として生成させるようにしたのは、切取画面78が組み込まれる画面イメージは共有画面イメージであること、その共有画面イメージの表示等の制御、管理を行う手段は発表者端末10であること、切取画面の生成処理機能は発表者端末10のみ有していること、などである。従って、構成要素の拡充や運用によって、参加者端末30側で切取画面を生成し、また、表示サイズや表示位置を特定してアップロードするようにしてもよい。
【0056】
図11を用いた説明は、1台の参加者端末30からアップロードされた場合の処理であるが、複数台の参加者端末30からアップロードされた場合にも対応することができる。このときのタッチパネル表示デバイス11に表示される画面レイアウト例並びに画面表示の概念を図12に示す。
【0057】
例えば、発表者がある議題に対し情報提供や意見等を各参加者端末30から収集したい場合、基本的には図11に示したように各参加者端末30からアップロードされた画面イメージをそれぞれ切取画面として貼り付けることになるが、画面表示モードの切替えによってタッチパネル表示デバイス11に表示する画面レイアウトを図12のように切り替える。これにより、各参加者端末30からアップロードされた画面イメージを一覧表示することができるので、各参加者からの意見等を比較・検討しやすくなる。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態の基本機能を用いることで、切取画面とメモ書きを関連付けてメモ編集画面を生成することができる。以降では、貼り付けた切取画面を利用してメモ編集画面を参照するための機能について説明する。
【0059】
図13は、本実施の形態の他の機能を説明するために、ディスプレイ32の画面表示例を示した図である。この画面は、図10に示した画面レイアウトと同じであるが、個人タブ66が選択されたときの表示例である。個人タブ66が選択されたことによって切取画面表示領域63に、ローカルにて利用した切取画面、具体的には画面イメージ情報記憶部40のメモ編集画面保存領域49に保存されたメモ編集画面に関する情報に含まれている各切取画面のオブジェクトが一覧表示される。
【0060】
会議参加者は、切取画面表示領域63に表示された切取画面オブジェクトの中からいずれか1つを選択して、メモ表示ボタン67の押下若しくは選択した切取画面オブジェクト79をダブルクリックする。この選択操作に応じて、会議制御部39は、図8に示したメモ編集画面に関する情報を参照することで、選択された切取画面に該当するメモ編集画面を特定し、主画面51に表示する。図13には、メモ編集画面表示後の状態が示されている。
【0061】
ところで、本実施の形態では、1つの切取画面が複数のメモ編集画面に貼り付けられている可能性がある。切取画面とメモ編集画面とが1対1の関係であれば、図13を用いて説明したように、該当するメモ編集画面を主画面51に表示すればよいが、切取画面とメモ編集画面とが1対多の関係であれば、どのメモ編集画面を表示すればよいのか特定できない。
【0062】
そこで、本実施の形態においては、会議参加者により選択された切取画面80が複数のメモ編集画面に貼り付けられている場合には、図14に示したように、主画面51に該当するメモ編集画面をサムネイル表示する。
【0063】
ここで、会議参加者が主画面51に表示された中から表示させたいメモ編集画面81を選択してメモ表示ボタン67の押下若しくは選択したメモ編集画面81をダブルクリックすると、この選択操作に応じて、会議制御部39は、選択されたメモ編集画面を主画面51に表示する。このメモ編集画面が表示されたときの例を図15に示す。
【0064】
もし、主画面51に表示するメモ編集画面を選択しなおしたいとき、会議参加者は、「すべてのメモ表示」ボタン68を押下する。これにより、図13に示した画面表示に戻るので、会議参加者は、表示させたいメモ編集画面を改めて選択することができる。
【0065】
本実施の形態によれば、会議中に、議論している内容についてメモ書きしたいスペースが表示画面上にないときには、ユーザにより指定された議論内容の表示部分を含む切取画面を抽出して、自動生成した白紙の画面イメージ上に貼り付けるようにしたので、その白紙へのメモ書きと議論内容との関連付けを簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施の形態における電子会議システムの全体構成図である。
【図2】本実施の形態における電子会議システムのブロック構成図である。
【図3】本実施の形態における参加者端末のディスプレイに表示される画面レイアウトの一例を示した図である。
【図4】本実施の形態において切取画面オブジェクトを生成するユーザ操作を説明するために用いる図である。
【図5】本実施の形態における共有切取画面情報記憶部に設定登録される共有切取画面情報のデータ構成例を示した図である。
【図6】本実施の形態における参加者端末のディスプレイに表示される画面イメージの遷移図である。
【図7】本実施の形態における切取画面とメモ内容との関連付け処理を示したフローチャートである。
【図8】本実施の形態におけるメモ編集画面に関する情報のデータ構成例を示した図である。
【図9】本実施の形態における参加者端末のディスプレイに表示される画面イメージの遷移図である。
【図10】本実施の形態におけるディスプレイに表示される他の画面レイアウトの例を示した図である。
【図11】本実施の形態の他の機能を説明するために、タッチパネル表示デバイス及びディスプレイの各画面表示例を示した図である。
【図12】本実施の形態においてタッチパネル表示デバイス及びディスプレイの各画面表示の概念図である。
【図13】本実施の形態の他の機能を説明するために、ディスプレイの画面表示例を示した図である。
【図14】本実施の形態の他の機能を説明するために、ディスプレイの他の画面表示例を示した図である。
【図15】本実施の形態の他の機能を説明するために、ディスプレイの他の画面表示例を示した図である。
【符号の説明】
【0067】
2 LAN、4 情報管理サーバ、6 文書管理サーバ、10 発表者端末、11 タッチパネル表示デバイス、12,29 電子ペン、13,37 ユーザインタフェース部、14,36 イメージ送受信処理部、15 切取画面生成処理部、16 切取画面情報管理部、17,39 会議制御部、18,41 共有切取画面情報記憶部、19,46 ユーザ操作入力処理部、20,47 表示制御部、30 参加者端末、31 ICカードリーダ、32 ディスプレイ、33 ユーザ認証部、34 ユーザ情報取得処理部、35 メモ編集機能処理部、38 情報管理部、40 画面イメージ情報記憶部、43 白紙生成部、44 切取画面処理部、45 共有化処理部、48 発表者画面保存領域、49 メモ編集画面保存領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を記憶装置に記憶させる切取画面情報管理手段と、
参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトに関する情報を、前記切取画面情報管理手段から取得し、その取得した情報を参照して当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成する画面イメージ生成処理手段と、
前記画面イメージ生成処理手段により生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報とを対応付けして記憶する編集画面情報記憶手段と、
を有することを特徴とする電子会議装置。
【請求項2】
発表者側表示手段を接続した、発表者使用の発表者端末装置と、
前記発表者側表示手段に表示された画面イメージを受信し、接続した参加者側表示手段に画面表示する、参加者使用の参加者端末装置と、
前記発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を保持管理する切取画面情報管理手段と、
を有する電子会議システムに含まれる前記参加者端末装置を構成するコンピュータを、
前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトに関する情報を前記切取画面情報管理手段から取得し、その取得した情報を参照に当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成する画面イメージ生成処理手段、
前記画面イメージ生成処理手段により生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報とを対応付けして編集画面情報記憶手段に登録する手段、
として機能させる電子会議支援プログラム。
【請求項3】
請求項2記載の電子会議支援プログラムにおいて、
前記画面イメージ生成処理手段は、前記編集画面情報記憶手段を参照することによって、指定された切取画面オブジェクトと同じ画面イメージに含まれる他の切取画面オブジェクトを特定し、指定された切取画面オブジェクトと共に特定した切取画面オブジェクトを、前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことを特徴とする電子会議支援プログラム。
【請求項4】
請求項2記載の電子会議支援プログラムにおいて、前記コンピュータを更に、
前記参加者端末装置側でローカルに生成した画面イメージを前記発表者端末装置に送信することにより、送信した画面イメージを切取画面オブジェクトとして生成させ、その切取画面オブジェクトを前記発表者側表示手段に表示中の画面イメージに表示させるローカル画像共有化処理手段として機能させる電子会議支援プログラム。
【請求項5】
請求項2記載の電子会議支援プログラムにおいて、前記コンピュータを更に、
前記編集画面情報記憶手段に保持されている切取画面オブジェクトを取得して前記参加者側表示手段に一覧表示し、その一覧表示された切取画面オブジェクトの中から選択された切取画面オブジェクトを取り込んだメモ編集画面を前記参加者側表示手段に表示する表示制御手段として機能させる電子会議支援プログラム。
【請求項6】
請求項5記載の電子会議支援プログラムにおいて、
前記表示制御手段は、その一覧表示された切取画面オブジェクトの中から選択された切取画面オブジェクトを取り込んだメモ編集画面が複数存在するとき、その複数のメモ編集画面を前記参加者側表示手段にサムネイル表示し、その簡易表示されたもの中から選択されたメモ編集画面を前記参加者側表示手段に表示する電子会議支援プログラム。
【請求項7】
発表者側表示手段を接続した、発表者使用の発表者端末装置と、
参加者側表示手段を接続した、参加者使用の参加者端末装置と、
を有する電子会議システムに含まれる前記参加者端末装置により実施され、
前記発表者側表示手段に表示された画面イメージを受信し、前記参加者側表示手段に表示するステップと、
前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトを受け付けるステップと、
前記発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を保持管理する切取画面情報管理手段から、指定された切取画面オブジェクトに関する情報を読み出し取得するステップと、
取得した切取画面オブジェクトに関する情報を参照に当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成するステップと、
生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報との関連付けた情報を編集画面情報記憶手段に登録するステップと、
を含むことを特徴とする電子会議支援方法。
【請求項1】
発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を記憶装置に記憶させる切取画面情報管理手段と、
参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトに関する情報を、前記切取画面情報管理手段から取得し、その取得した情報を参照して当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成する画面イメージ生成処理手段と、
前記画面イメージ生成処理手段により生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報とを対応付けして記憶する編集画面情報記憶手段と、
を有することを特徴とする電子会議装置。
【請求項2】
発表者側表示手段を接続した、発表者使用の発表者端末装置と、
前記発表者側表示手段に表示された画面イメージを受信し、接続した参加者側表示手段に画面表示する、参加者使用の参加者端末装置と、
前記発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を保持管理する切取画面情報管理手段と、
を有する電子会議システムに含まれる前記参加者端末装置を構成するコンピュータを、
前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトに関する情報を前記切取画面情報管理手段から取得し、その取得した情報を参照に当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成する画面イメージ生成処理手段、
前記画面イメージ生成処理手段により生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報とを対応付けして編集画面情報記憶手段に登録する手段、
として機能させる電子会議支援プログラム。
【請求項3】
請求項2記載の電子会議支援プログラムにおいて、
前記画面イメージ生成処理手段は、前記編集画面情報記憶手段を参照することによって、指定された切取画面オブジェクトと同じ画面イメージに含まれる他の切取画面オブジェクトを特定し、指定された切取画面オブジェクトと共に特定した切取画面オブジェクトを、前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことを特徴とする電子会議支援プログラム。
【請求項4】
請求項2記載の電子会議支援プログラムにおいて、前記コンピュータを更に、
前記参加者端末装置側でローカルに生成した画面イメージを前記発表者端末装置に送信することにより、送信した画面イメージを切取画面オブジェクトとして生成させ、その切取画面オブジェクトを前記発表者側表示手段に表示中の画面イメージに表示させるローカル画像共有化処理手段として機能させる電子会議支援プログラム。
【請求項5】
請求項2記載の電子会議支援プログラムにおいて、前記コンピュータを更に、
前記編集画面情報記憶手段に保持されている切取画面オブジェクトを取得して前記参加者側表示手段に一覧表示し、その一覧表示された切取画面オブジェクトの中から選択された切取画面オブジェクトを取り込んだメモ編集画面を前記参加者側表示手段に表示する表示制御手段として機能させる電子会議支援プログラム。
【請求項6】
請求項5記載の電子会議支援プログラムにおいて、
前記表示制御手段は、その一覧表示された切取画面オブジェクトの中から選択された切取画面オブジェクトを取り込んだメモ編集画面が複数存在するとき、その複数のメモ編集画面を前記参加者側表示手段にサムネイル表示し、その簡易表示されたもの中から選択されたメモ編集画面を前記参加者側表示手段に表示する電子会議支援プログラム。
【請求項7】
発表者側表示手段を接続した、発表者使用の発表者端末装置と、
参加者側表示手段を接続した、参加者使用の参加者端末装置と、
を有する電子会議システムに含まれる前記参加者端末装置により実施され、
前記発表者側表示手段に表示された画面イメージを受信し、前記参加者側表示手段に表示するステップと、
前記参加者側表示手段に表示された画面イメージに含まれている切取画面オブジェクトの中から指定された切取画面オブジェクトを受け付けるステップと、
前記発表者側表示手段に表示された画面イメージの一部分を形成する切取画面オブジェクトに関する情報を保持管理する切取画面情報管理手段から、指定された切取画面オブジェクトに関する情報を読み出し取得するステップと、
取得した切取画面オブジェクトに関する情報を参照に当該切取画面オブジェクトを前記参加者側表示手段に新たに表示される画像データに取り込むことで画面イメージを生成するステップと、
生成された画面イメージに関する情報と、当該画面イメージに取り込まれた切取画面オブジェクトに関する情報との関連付けた情報を編集画面情報記憶手段に登録するステップと、
を含むことを特徴とする電子会議支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−280235(P2007−280235A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108266(P2006−108266)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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