説明

電子写真感光体用塗工液、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

【課題】特に導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを含む積層型電子写真感光体を製造するための電荷発生層塗工液、該塗工液を用いて製造される高感度で電子写真プロセスの高速化が達成可能な電子写真感光体を提供する。
【解決手段】少なくともチタニルフタロシアニン顔料とバインダー樹脂とを分散してなる積層型電子写真感光体の電荷発生層の形成塗工液であって、粒径分布の中央値が2〜20nmである金属微粒子を含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導電特性を利用した電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなどに用いられる電子写真感光体、該電子写真感光体を製造するのに用いられる塗工液、その塗工液による電子写真感光体の製造方法に関し、詳しくは、特に導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを含む積層型電子写真感光体の該電荷発生層形成のための塗工液、該塗工液を用いて製造される高感度で電子写真プロセスの高速化が達成可能な電子写真感光体、さらには、該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展は目覚ましく、特に情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うデジタル記録方式を用いたプリンタは、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。またこのデジタル記録方式はプリンタのみならず通常の複写機にも応用され、所謂デジタル複写機が開発されている。さらに、このデジタル複写機は、種々様々な情報処理機能が付加されるため今後その需要性が益々高まっていくと予想される。更に近年ではカラー画像の需要が高まり高画質化、光精彩化への要望として、感光体及び関連の技術の更なる進展が望まれている。
【0003】
現在、これらの方式に用いられる電子写真感光体は、有機系の感光材料を用いたものが、コスト、生産性及び環境安定性等の理由から一般に広く応用されている。これらの電子写真感光体の層構成としては、導電性支持体上に電荷発生機能を有する電荷発生層を形成しその上に電荷輸送機能を有する電荷輸送層を設けたいわゆる機能分離型積層感光体と、電荷発生機能と電荷輸送機能を一つの層に兼ね備えた単層型の感光体に大別される。特に、積層型感光体は材料の選択範囲が広いことに加え、感度や繰り返し安定性や機械的強度の技術進展により、現在ではこちらが主流になっている。さらには、機械的、もしくは化学的耐久性向上のため感光体最表面に表面保護層を形成する場合もある。
【0004】
この機能分離型積層感光体の電荷発生層に用いられる電荷発生物質としては、各種アゾ顔料や各種フタロシアニン顔料などといった様々なものが開発されている。それらの中でもフタロシアニン顔料は、600nm〜800nmのLEDやLD光源に合致した長波長領域にて高感度を有することから、これらの光源を用いたデジタル記録方式を用いたプリンタや複写機においてきわめて有用な材料といえる。特にチタニルフタロシアニンは、電荷発生効率向上の上で様々な結晶形態が利用されている。特許文献1(特開昭61−239248号公報)に記載されているα型、特許文献2(特開平1−17066号公報)に記載されているY型、特許文献3(特開昭61−109056号公報)に記載されているI型、特許文献4(特開昭62−67094号公報)に記載されているA型、特許文献5(特開昭63−364号公報)及び特許文献6(特開昭63−366号公報)に記載されているC型、特許文献7(特開2005−15682号公報)に記載されているB型、特許文献8(特開昭63−198067号公報)に記載されているm型、特許文献9(特開平1−123868号公報)に記載されている準非晶質型などが挙げられる。これらチタニルフタロシアニン顔料の高感度化の達成には、結晶中粒子中の水分子の影響が大きく(例えば、非特許文献1参照)、更なる高感度化の手段が見出されていないのが現状である。
【0005】
フタロシアニン顔料における高感度化達成手段の一つとして、表面に金属薄膜を有する「ハイブリッド系金属−フタロシアニン結晶」の利用が提案されている(例えば、特許文献10参照)。この提案によれば、「ハイブリッド系金属−フタロシアニンナノ結晶」は、コアとなるフタロシアニンの一次粒子の表面に、シェル層となる金属膜を有する、有機−金属複合体であり、このハイブリッド系金属−フタロシアニンナノ結晶を感光層中に含有させて露光すると、コアとシェルとにそれぞれ閉じ込められた光電場(光局所場)が表面プラズモン共鳴効果によって増大する(例えば、非特許文献2参照)と考えられ、それゆえ、電荷発生効率が向上するという結果が得られるというものである。しかしながら、「ハイブリッド系金属−フタロシアニン結晶」の利用は、顔料自身の表面を金属にて被覆するという工程を必要とするうえ、顔料表面に金属薄膜を有していることから、液分散性などの点での不安定さが懸念される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明は、光導電特性を利用した電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなどに用いられる、特に導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを含む積層型電子写真感光体を製造するための電荷発生層塗工液を提供することを目的とする。また本発明は、該電荷発生層塗工液を用いた電子写真感光体の製造方法とともに、該製造方法により作製することで高感度で電子写真プロセスの高速化が達成可能な電子写真感光体を提供することを目的とする。さらに本発明は、該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために積層型電子写真感光体の電荷発生層の高感度化を達成する手段について鋭意検討した結果、本発明を開発するに到った。したがって上記課題は、次の(1)〜(9)によって達成される。
【0008】
(1)少なくともチタニルフタロシアニン顔料とバインダー樹脂を分散してなる積層型電子写真感光体の電荷発生層塗工液であって、さらに粒径分布の中央値が2〜20nmである金属微粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体塗工液。
(2)前記金属微粒子は、バインダー樹脂膜上に金属の真空蒸着膜を形成した後に溶媒にて該バインダー樹脂膜を溶解させることで得られた、該バインダー樹脂溶液に分散された金属微粒子であることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体塗工液。
(3)前記金属微粒子は、ポリシラン化合物を含むバインダー樹脂膜の表面を酸化し、この上に金の真空蒸着膜を形成した後に150℃以下の加熱処理により金の微粒子を分散させた膜を溶媒にて溶解させることで得られた、該バインダー樹脂溶液に分散された金微粒子であることを特徴とする前記(1)に記載の電子写真感光体塗工液。
【0009】
(4)導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを含む積層型電子写真感光体の製造方法において、該電荷発生層を、少なくともチタニルフタロシアニン顔料、バインダー樹脂および粒径分布の中央値が2〜20nmである金属微粒子を含有する塗工液を塗布し、乾燥して形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【0010】
(5)導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを含む積層型電子写真感光体において、該電荷発生層中に、少なくともチタニルフタロシアニン顔料と、バインダー樹脂と、粒径分布の中央値が2〜20nmである金属微粒子とを含むことを特徴とする電子写真感光体。
【0011】
(6)電子写真感光体表面を帯電する帯電工程、帯電された感光体表面を露光して潜像を形成する工程、形成された潜像をトナーを用いて現像し可視像とする現像工程、形成されたトナー像を直接又は中間転写体を介して転写媒体上に転写する転写工程、転写媒体上のトナー像を定着させる定着工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が前記(5)に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
【0012】
(7)少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が前記(5)に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
(8)電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体となったカートリッジを搭載し、かつ該カートリッジが装置本体に対し着脱自在であることを特徴とする前記(7)に記載の画像形成装置。
【0013】
(9)電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、かつ画像形成装置本体に着脱自在であるカートリッジにおいて、該電子写真感光体が前記(5)に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、積層型電子写真感光体の電荷発生層は、金属ナノ微粒子(粒径分布の中央値が2〜20nmである金属微粒子)好ましくは金ナノ微粒子を含有しており、この金属ナノ粒子の示す表面プラズモン共鳴効果により、電荷発生剤(チタニルフタロシアニン顔料)の電荷発生効率を向上させることができる。このときの金属ナノ微粒子の表面プラズモン共鳴は、粒径や金属種類によって可視域に吸収帯を発現し、金ナノ粒子の場合には520nmに吸収極大を有する500nm程度から850nm程度までの光を吸収する。
また、本発明によれば、電荷発生層形成の塗工液は、バインダー樹脂溶液に電荷発生剤及び金属微粒子が分散されたものであるため調製が容易であり、また、液分散性での不安定性の懸念はなく、このような塗工液を用いて製造された積層型電子写真感光体は、高感度で電子写真プロセスの高速化が達成できるものである。特に、ポリシラン化合物を含むバインダー樹脂膜の表面を酸化し、金の真空蒸着膜を形成した後に150℃以下の加熱処理により金の微粒子を分散させた膜を溶媒にて溶解させることで得られた金微粒子を含有する電荷発生層塗工液を用いて製造した電子写真感光体では、分散する金属微粒子の小粒径化を達成し、表面プラズモン共鳴効果を積極的に引き起こすことが可能となり、より感度特性を向上できる。
そして、これらの積層型電子写真感光体を用いて画像形成方法、画像形成装置あるいは画像形成装置用プロセスカートリッジを構成することで、電子写真プロセスの高速化が達成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明における電子写真感光体の層構成を表した図である。
【図2】本発明における電子写真感光体の層構成を表した図である。
【図3】本発明における電子写真感光体の層構成を表した図である。
【図4】本発明における電子写真感光体の層構成を表した図である。
【図5】本発明の電子写真プロセスおよび画像形成装置を説明するための概略図である。
【図6】帯電手段を説明するための概略図である。
【図7】本発明のタンデム方式のフルカラー画像形成装置を説明するための概略図である。
【図8】本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジを説明するための図である。
【図9】合成例1で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線スペクトルを表わした図である。
【図10】本発明において得られた金微粒子の粒径のヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の電子写真感光体は、図1に示すように導電性支持体(1)上に、有機感光材料からなる電荷発生層(2)と有機感光材料からなる電荷輸送層(3)が積層された構成となっている。なお、図2のように、導電性支持体(1)と電荷発生層(2)との間に、樹脂から形成される下引き層(4)を形成してもよい。また図3および図4のように電荷輸送層(3)の上に保護層(5)を形成しても良い。これらの電子写真感光体はドラム状、シート状、エンドレスベルト状のいずれであってもよい。
【0017】
本発明の電子写真感光体における導電性支持体材料には、一般的な導電性材料を用いることができ、例えばアルミニウム、ニッケル、銅、チタン、金、白金、ステンレス、鉄、銀、亜鉛、鉛、錫、アンチモン、インジウムなどの金属や合金、あるいは前記金属の亜酸化物、酸化物、カーボン、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの導電性ポリマー、それらの混合物などが挙げられ、これらは支持体上に塗布、電鋳、蒸着、スパッタリング、イオンインジェクション等の各種方法により設けることができ、又は支持体材料を省略した形の自己支持性の基導電性支持体とすることもできる。
【0018】
本発明の電子写真感光体における電荷発生層は、電荷発生材料として少なくともチタニルフタロシアニン顔料を用い、表面プラズモン共鳴効果を示す金属微粒子と共にバインダー樹脂中に分散していることを特徴としている。ここで、プラズモンとは、金属中の自由電子が集団的に振動している粒子のことであるが、金属微粒子(ナノメートルオーダーの金属微粒子)ではプラズモンが表面に局在することになるので、局在(表面)プラズモンと呼ばれる。
【0019】
電荷発生層のバインダー樹脂には、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂等を使用することができ、適当な樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができるが、特に、これらのものに限定されるものではない。
また、ポリシラン化合物、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の光導電性樹脂を利用することも出来る。
【0020】
また、電荷発生層塗工液の調製に用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等の一般に用いられる有機溶剤が挙げられ、これらは、単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。電荷発生層の厚さは0.05〜5μmが適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0021】
表面プラズモン共鳴効果を示す金属微粒子に、金または銀を用いることによって表面プラズモン共鳴効果をより一層効率よく発現させることができる。これらの金属微粒子は、それぞれの塩化金属酸化合物からの還元反応を利用して調製することが出来る。
本発明においては、好ましくは、電荷発生層のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解し、乾燥して単独薄膜を形成した後に、このバインダー樹脂膜上に、これらの金属薄膜を蒸着により膜厚に形成した後に、有機溶剤にて再溶解することで、目的とする金属微粒子が分散した樹脂溶液を得ることが出来る。このときのバインダー樹脂の単独薄膜の膜厚は、0.5〜1μmが好ましく、0.5μm未満では有機溶媒に再溶解した場合に金属微粒子の溶媒中での凝集が顕著となり、1μmより厚い場合には媒質中の金属微粒子の配分比が低下し、十分な効果を引き出せないことになる。一方の蒸着する金属膜厚については、2〜10nmが好ましく、2nm未満であると、媒質中の金属微粒子の配分比が極端に低下し、十分な効果を引き出せず、10nmより厚い場合には、形成した金属薄膜同士の横方向のつながりが強くなり、微粒子として樹脂溶液へ分散することが困難になる。
また本発明においては、好ましくは、ポリシラン化合物(バインダー樹脂)を有機溶剤に溶解し、乾燥して0.5〜1.0μmの単独厚膜を形成した後に、紫外光照射により表面の10nm以内のポリシラン化合物の酸化反応を施し、この上に金属微粒子材料としての金を真空蒸着により積層して150℃以下、好ましくは120〜150℃の加熱処理によりポリシラン化合物膜中に金属微粒子を分散させる手段が挙げられる。このときにポリシラン化合物は、金微粒子により加熱処理中に酸化が促進されシロキサン結合を形成する。この結果、溶媒中で安定な金微粒子およびバインダー樹脂の分散溶液を得ることが出来る。
【0022】
このようにして得られた金属微粒子とバインダー樹脂との混合溶液を用いる場合、電荷発生層形成時に金属微粒子の含有率は特に限定されるものではないが、体積換算で0.1〜1vol.%であることが望ましい。上記範囲を下回る場合には、金属微粒子による表面プラズモン共鳴効果が不十分になるおそれがあり、一方で、金属微粒子の含有率が上記範囲を超える場合には、溶液状態での分散安定性が悪くなり金属微粒子の凝集が引き起こされる恐れがある。また、これらの金属微粒子の粒子径については、粒径分布の中央値が2〜20nmとなる必要がある。これは本発明による手法における金微粒子形成では2nmより小さい粒子は形成されないか、もしくは2次凝集を示し結果的に2nm以上として観察される。また、この値が20nmより大きな値を示すと、表面プラズモン共鳴効果が著しく低下する。
【0023】
次に、本発明において用いられるチタニルフタロシアニン顔料について説明する。チタニルフタロシアニン顔料は、従来公知のいずれの結晶型のものも用いることができるが、特にCuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θの回折ピーク(±0.2゜)として、少なくとも27.2゜に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料において感度が高く、本発明において有効に用いることができる。添加量は、バインダー樹脂1重量部に対し0.5〜5重量部が好ましく、より好ましくは1.0〜3重量部である。0.5重量部未満であると、感度が低下したり、電荷トラップが生じやすくなったりし、一方、5重量部より多くなると、顔料が十分に分散されない。
【0024】
本発明の電子写真感光体における電荷輸送層に用いる電荷輸送物質としては、所定の電界下で電荷移動度の大きい、有機材料あれば特に制限はないが、ポリ(N−ビニルカルバゾール)及びその誘導体、ポリ(γ−カルバゾリルエチルグルタメート)及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、アミノビフェニル誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、エナミン誘導体等の材料が挙げられる。これらの化合物を単独又は複数組み合わせて使うことも可能である。
【0025】
また、電荷輸送層に用いるバインダー樹脂として、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂などを用いることもできる。
【0026】
塗工溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、シクロヘキサノン、キシレン、アセトン、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
電荷輸送層の厚さは5〜50μmが適当である。
【0027】
さらに、電荷輸送層には、必要に応じて、公知の酸化防止剤(例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール等)または紫外線吸収剤(例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等)などが適当量添加してもよい。
【0028】
本発明の感光体においては、導電性支持体と電荷発生層の間に、下引き層を設けることができる。下引き層は、一般に、樹脂を主成分とするが、このような樹脂は、その上に溶剤を用いて感光層を塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対する耐溶剤性が高い樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、イソシアネート、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。また、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。下引き層の厚さは1.0〜10μmが適当である。
【0029】
本発明においては、感光体の最表面に耐磨耗性の向上のために、保護層を設けることができる。保護層としては、電荷輸送成分とバインダー成分とを重合させた高分子電荷輸送物質型、フィラーを含有させたフィラー分散型、硬化させた硬化型などが知られているが、本発明においては従来公知のいずれの保護層に対しても使用することができる。保護層の厚さは0.1〜10μmが適当である。
【0030】
<画像形成方法・装置>
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
図5は、本発明の電子写真プロセス及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。感光体(21)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャージャ(23)、転写前チャージャ(26)、転写チャージャ(29)、分離チャージャ(30)、クリーニング前チャージャ(32)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電部材あるいはブラシ状の帯電部材等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
【0031】
本発明における帯電部材には、コロナ帯電等の非接触帯電方式やローラあるいはブラシを用いた帯電部材による接触帯電方式等の一般的な方式を有効に使用することが可能である。特に、帯電ローラは、コロトロンやスコロトロン等に比べてオゾンの発生量を大幅に低減することが可能であり、感光体の繰り返し使用時における安定性や画質劣化防止に有効である。
【0032】
そこで、図6のごとく帯電ローラを感光体に対してギャップを介して、近接配置させることによって、汚染物質が帯電ローラに付着しにくく、あるいは除去しやすくなり、それらの影響を軽減することが可能である。この場合、感光体と帯電ローラとのギャップは小さい方が好ましく、100μm以下、より好ましくは50μm以下である。しかし、帯電ローラを非接触とすることによって、放電が不均一になり、感光体の帯電が不安定になる場合がある。直流成分に交流成分を重畳させることによって帯電の安定性を維持し、これによりオゾンの影響、帯電ローラの汚染の影響及び帯電性の影響を同時に軽減することが可能となる。
【0033】
画像露光部(24)、除電ランプ(22)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
【0034】
光源等は、図5に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。但し、除電工程における感光体への露光は、感光体に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。従って、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印可することによっても除電することが可能な場合もある。
【0035】
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0036】
転写手段には、一般に前述の帯電器を使用することができるが、図5に示されるように転写チャージャ(29)と分離チャージャ(30)を併用したものが効果的である。また、このような転写手段を用いて、感光体からトナー像を紙に直接転写されるが、本発明においては感光体上のトナー像を一度中間転写体に転写し、その後中間転写体から紙に転写する中間転写方式であることが感光体の高画質化においてより好ましい。
【0037】
また、中間転写方式は、フルカラー印刷が可能な画像形成装置に特に有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成した後に紙に一度に転写することによって、色ズレの防止の制御もしやすく高画質化に対しても有効である。中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能である。
【0038】
現像ユニット(25)により感光体(21)上に現像されたトナーは、転写紙(28)に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、感光体(21)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ(33)あるいはブレード(34)により、感光体より除去される。このクリーニング工程は、クリーニングブラシだけで行なわれるか、ブレードと併用して行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
【0039】
クリーニングは、前述のとおり転写後に感光体上に残ったトナー等を除く工程であるが、上記のブレードあるいはブラシ等によって感光体が繰り返し擦られることにより、感光体の摩耗が促進されたり、傷が入ったりすることによって異常画像が発生することがある。また、クリーニング不良によって感光体の表面が汚染されたりすると異常画像の発生の原因となるだけでなく、感光体の寿命を大幅に低減させることにつながる。特に、耐摩耗性の向上のためにフィラーを含有させた層を最表面に形成された感光体の場合には、感光体表面に付着した汚染物質が除去されにくいことから、フィルミングや異常画像の発生を助長することになる。従って、感光体のクリーニング性を高めることは感光体の高耐久化及び高画質化に対し非常に有効である。
【0040】
感光体のクリーニング性を高める手段としては、感光体表面の摩擦係数を低減させる方法が知られている。感光体表面の摩擦係数を低減させる方法としては、各種の潤滑性物質を感光体表面に含有させる方法と、外部より感光体表面に潤滑性物質を供給させる方法とに分類される。前者はエンジン廻りのレイアウトの自由度が高いため、小径感光体には有利であるが、繰り返し使用によって摩擦係数は顕著に増加するため、その持続性に課題が残されている。一方、後者は潤滑性物質を供給する部品を備える必要があるが、摩擦係数の安定性は高いことから感光体の高耐久化に対しては有効である。その中で、潤滑性物質を現像剤に含有させることによって現像時に感光体に付着させる方法は、エンジン廻りのレイアウトにも制約を受けずに、感光体表面の摩擦係数低減効果の持続性も高いため、感光体の高耐久化及び高画質化に対しては非常に有効な手段である。
【0041】
これらの潤滑性物質としては、シリコーンオイル、フッ素オイル等の潤滑性液体、PTFE、PFA、PVDF等の各種フッ素含有樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコングリース、フッ素グリース、パラフィンワックス、脂肪酸エステル類、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩、黒鉛、二硫化モリブデン等の潤滑性液体や固体、粉末等が挙げられるが、特に現像剤に混合させる場合には粉末状である必要があり、特にステアリン酸亜鉛は悪影響が少なく、極めて有効に使用することができる。ステアリン酸亜鉛粉末をトナーに含有させる場合には、それらのバランスやトナーに与える影響を考慮する必要があり、トナーに対して0.01〜0.5重量%が好ましく、0.1〜0.3重量%がより好ましい。
【0042】
本発明の感光体は、複数色のトナーに対応した各々の現像部に対して、対応した複数の感光体を具備し、それによって並列処理を行なう、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に極めて有効に使用される。上記タンデム方式の画像形成装置は、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(C)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の少なくとも4色のトナー及びそれらを保持する現像部を配置し、さらにそれらに対応した少なくとも4本の感光体を具備することによって、従来のフルカラー印刷が可能な画像形成装置に比べ極めて高速なフルカラー印刷を可能としている。
【0043】
図7は、本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。図7において、符号(51C,51M,51Y,51K)はドラム状の感光体であり、感光体は本発明の感光体である。この感光体(51C,51M,51Y,51K)は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(52C,52M,52Y,52K)、現像部材(54C,54M,54Y,54K)、クリーニング部材(55C,55M,55Y,55K)が配置されている。帯電部材(52C,52M,52Y,52K)は、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。
【0044】
この帯電部材(52C,52M,52Y,52K)と現像部材(54C,54M,54Y,54K)の間の感光体裏面側より、図示しない露光部材からのレーザー光(53C,53M,53Y,53K)が照射され、感光体(51C,51M,51Y,51K)に静電潜像が形成されるようになっている。そして、このような感光体(51C,51M,51Y,51K)を中心とした4つの画像形成要素(56C,56M,56Y,56K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(60)に沿って並置されている。転写搬送ベルト(60)は各画像形成ユニット(56C,56M,56Y,56K)の現像部材(54C,54M,54Y,54K)とクリーニング部材(55C,55M,55Y,55K)の間で感光体(51C,51M,51Y,51K)に当接しており、転写搬送ベルト(60)の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写ブラシ(61C,61M,61Y,61K)が配置されている。各画像形成要素(56C,56M,56Y,56K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
【0045】
図7に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(56C,56M,56Y,56K)において、感光体(51C,51M,51Y,51K)が矢印方向(感光体と連れ周り方向)に回転する帯電部材(52C,52M,52Y,52K)により帯電され、次に感光体の外側に配置された露光部(図示しない)でレーザー光(53C,53M,53Y,53K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
【0046】
次に現像部材(54C,54M,54Y,54K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材(54C,54M,54Y,54K)は、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像部材で、4つの感光体(1C,1M,1Y,1K)上で作られた各色のトナー像は転写紙上で重ねられる。転写紙(57)は給紙コロ(58)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(59)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト(60)に送られる。転写搬送ベルト(60)上に保持された転写紙(57)は搬送されて、各感光体(51C,51M,51Y,51K)との当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行なわれる。
【0047】
感光体上のトナー像は、転写ブラシ(61C,61M,61Y,61K)に印加された転写バイアスと感光体(51C,51M,51Y,51K)との電位差から形成される電界により、転写紙(57)上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた記録紙(57)は定着装置(62)に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(51C,51M,51Y,51K)上に残った残留トナーは、クリーニング装置(55C,55M,55Y,55K)で回収される。
【0048】
なお、図7の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(56C,56M,56Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。更に、図7において帯電部材は感光体と当接しているが、図6に示したような帯電機構にすることにより、両者の間に適当なギャップ(10〜200μm程度)を設けてやることにより、両者の摩耗量が低減できると共に、帯電部材へのトナーフィルミングが少なくて済み良好に使用できる。
【0049】
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、各々の電子写真要素はプロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段等を含んだ1つの装置(部品)である。
【0050】
<プロセスカートリッジ>
以上の図示した電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態でも可能である。以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状等は多く挙げられるが、一般的な例として、図8に示すものが挙げられる。感光体(101)は図1〜図4に示される本発明の電子写真感光体である。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例によって制限されるものではない。なお、ここでの部は重量部である。
【0052】
<チタニルフタロシアニン顔料の合成>
[合成例1]
特開2004−83859号公報、実施例1に準じて、顔料を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。得られた熱水洗浄処理した粗チタニルフタロシアニン顔料のうち60部を96%硫酸1000部に3〜5℃下攪拌、溶解し、ろ過した。得られた硫酸溶液を氷水35000部中に攪拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過、ついで洗浄液が中世になるまで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを得た。この水ペーストにテトラヒドロフラン1500部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス社製:MARK fモデル)により強烈に攪拌(2000rpm)し、ペーストの色が濃紺色から淡い青色に変化したら(攪拌開始後約20分)、攪拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。ろ過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキ98部を得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥してチタニルフタロシアニン顔料78部を得た。
【0053】
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、更に9.4±0.2°、9.6±0.2°、24.0±0.2°に主要なピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図9に示す。
【0054】
(X線回折スペクトル測定条件)
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
【0055】
<金微粒子分散溶液の調製>
[金微粒子分散液1]
アルミニウム基板上に、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製:BX−1)10部をMEK(メチルエチルケトン)200部に溶解した溶液から膜厚0.5μmとなるよう形成し、150℃で20分の乾燥を行い、樹脂膜を得た。この樹脂膜を所定の大きさ(5cm×5cm)に切り出し、市販の抵抗加熱式真空蒸着装置(サンユー電子社製:SVC−700TM/700−2)を用いて金を蒸着速度0.05nm/secにて膜厚5nmに蒸着した。この積層膜を複数枚準備し、MEKに再溶解することで金微粒子が分散したバインダー樹脂(ポリビニルブチラール樹脂)溶液を調製した。このときの、バインダー樹脂:金微粒子:MEKの重量比は、9部:1部:300部となるようにバインダー樹脂を追加することで調整した。この時の金微粒子の粒径分布の中央値は、溶液を観察用グリッドに塗布したサンプルの任意の複数点におけるTEM観察を行い、得られた写真の粒子直径を定規により直接計測してヒストグラムを作成して求めたところ16nmであった。その結果を図10(A)に示す。
【0056】
[金微粒子分散液2]
アルミニウム基板上に、ポリメチルフェニルシラン10部をトルエン200部に溶解した溶液から膜厚0.5μmとなるよう形成し、150℃で20分の乾燥を行い、樹脂膜を得た。この樹脂膜を所定の大きさ(5cm×5cm)に切り出し、市販の高圧水銀ランプ(ウシオ電機:UM−102)を用いて表面から10nmが分解するように紫外線照射を行った。表面から10nmが分解する条件は、市販の分光光度計(島津製作所社製:UV−3100)にてポリメチルフェニルシランの吸収帯(中心波長338nm)の減少により概算した。そのサンプル上に、市販の抵抗加熱式真空蒸着装置(サンユー電子社製:SVC−700TM/700−2)を用いて金を蒸着速度0.05nm/secにて膜厚5nmに蒸着した。この積層膜を複数枚準備し、トルエンに再溶解することで金微粒子が分散したバインダー樹脂(ポリメチルフェニルシラン)溶液を調製した。このときの、バインダー樹脂:金微粒子:トルエンの重量比は、9部:1部:300部となるようにした。この時の金微粒子の粒径分布の中央値は、溶液を観察用グリッドに塗布したサンプルのTEM観察を行い、得られた写真の粒子直径を定規により直接計測してヒストグラムを作成して求めたところ12nmであった。その結果を図10(B)に示す。
【0057】
(ポリメチルフェニルシランの合成)
なお、上記で用いたポリメチルフェニルシランは、公知であるウルツ型重縮合(例えば文献として:Am.Chem.Soc., 106, p293(1984).)を用いて以下の通りに重合した。乾燥トルエン100mLを用い、金属ナトリウム3.6gを混入し、120℃にて6時間の加熱還流を行い、減圧蒸留により精製したジクロロ(メチル)フェニルシラン(東京化成社製)20mLを、滴下ロートを用いて反応溶液が緩和な還流状態を保つように注意しながら注いだ。滴下終了後に3時間の還流を行った後に、室温に冷まして、反応停止液としてエタノールを注いだ。この反応液から溶媒を蒸発除去した後に、トルエンに再度溶解させ、水洗を3回行った。この溶液から再度溶媒を蒸発除去した後にトルエンに溶解させ、貧溶媒としてイソプロピルアルコールを用いて再沈殿を行い、白色沈殿物を得た。これろ過により分離し、常温真空中で24時間の乾燥を行い、白色パウダーを得た。重合の進行は、シリコン−シリコン1次元連鎖の成長により吸収極大波長が330nm付近の吸収スペクトルが発現することを利用して確認した。
【0058】
[金微粒子分散液3]
金の蒸着速度0.1nm/secに変更した以外は[金微粒子分散液2]と同様の方法で金微粒子が分散したバインダー樹脂溶液を調製した。この時の金微粒子の粒径分布の中央値は、溶液を観察用グリッドに塗布したサンプルのTEM観察を行い、得られた写真の粒子直径を定規により直接計測してヒストグラムを作成して求めたところ6nmであった。その結果を図10(C)に示す。
【0059】
[金微粒子分散液4]
金の蒸着速度0.2nm/secに変更した以外は[金微粒子分散液2]と同様の方法で金微粒子が分散したバインダー樹脂溶液を調製した。この時の金微粒子の粒径分布の中央値は、溶液を観察用グリッドに塗布したサンプルのTEM観察を行い、得られた写真の粒子直径を定規により直接計測してヒストグラムを作成して求めたところ2nmであった。その結果を図10(D)に示す。
【0060】
[金微粒子分散液5]
金の蒸着速度0.02nm/secに変更した以外は[金微粒子分散液1]と同様の方法で金微粒子が分散したバインダー樹脂溶液を調製した。この時の金微粒子の粒径分布の中央値は、溶液を観察用グリッドに塗布したサンプルのTEM観察を行い、得られた写真の粒子直径を定規により直接計測してヒストグラムを作成して求めたところ20nmであった。その結果を図10(E)に示す。
【0061】
[金微粒子分散液6]
金の蒸着膜厚を7nmとした以外は[金微粒子分散液5]と同様の方法で金微粒子が分散したバインダー樹脂溶液を調製した。この時の金微粒子の粒径分布の中央値は、溶液を観察用グリッドに塗布したサンプルのTEM観察を行い、得られた写真の粒子直径を定規により直接計測してヒストグラムを作成して求めたところ22nmであった。その結果を図10(F)に示す。
【0062】
[金微粒子分散液7]
金の蒸着膜厚を10nmとした以外は[金微粒子分散液5]と同様の方法で金微粒子が分散したバインダー樹脂溶液を調製した。この時の金微粒子の粒径分布の中央値は、溶液を観察用グリッドに塗布したサンプルのTEM観察を行い、得られた写真の粒子直径を定規により直接計測してヒストグラムを作成して求めたところ27nmであった。その結果を図10(G)に示す。
【0063】
〔実施例1〕
導電性支持体としての直径30mm、長さ340mmのアルミニウムシリンダーに、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液を、順次浸漬塗工・乾燥し、約3.5μmの下引き層、電荷発生層、約28μmの電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した。また、電荷発生層の膜厚は、780nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行ない、電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対照とし、市販の分光光度計(島津製作所社製:UV−3100)にて、780nmの透過率を評価した。また、各層の塗工後に指触乾燥を行った後、下引き層は130℃で20分、電荷発生層は150℃で20分、電荷輸送層は120℃で20分の乾燥を行い、電子写真感光体1を得た。
【0064】
(下引き層用塗工液)
酸化チタンCR−EL(石原産業社製) 50部
アルキッド樹脂ベッコライトM6401−50 14部
(固形分50重量%、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂L−145−60 8部
(固形分60重量%、大日本インキ化学工業社製)
2−ブタノン 120部
【0065】
(電荷発生層用塗工液1)
合成例1のチタニルフタロシアニン顔料 10部
ポリビニルブチラール樹脂 5.5部
(BX−1、積水化学工業社製)
金微粒子分散液1 155部
MEK 450部
【0066】
(電荷輸送層用塗工液)
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
下記構造式(1)の電荷輸送物質 7部
テトラヒドロフラン 80部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−1CS、信越化学工業社製)
【0067】
【化1】

【0068】
〔実施例2〕
実施例1において、電荷発生層用塗工液1を以下の電荷発生層用塗工液2に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体2を作成した。
(電荷発生層用塗工液2)
合成例1のチタニルフタロシアニン顔料 10部
ポリビニルブチラール樹脂 5.5部
(BX−1、積水化学工業社製)
金微粒子分散液2 155部
MEK 450部
【0069】
〔実施例3〕
実施例1において、電荷発生層用塗工液1を以下の電荷発生層用塗工液3に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体3を作成した。
(電荷発生層用塗工液3)
合成例1のチタニルフタロシアニン顔料 10部
ポリビニルブチラール樹脂 8部
(BX−1、積水化学工業社製)
金微粒子分散液3 77.5部
MEK 525部
【0070】
〔実施例4〕
実施例1において、電荷発生層用塗工液1を以下の電荷発生層用塗工液4に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体4を作成した。
(電荷発生層用塗工液4)
合成例1のチタニルフタロシアニン顔料 10部
ポリビニルブチラール樹脂 8部
(BX−1、積水化学工業社製)
金微粒子分散液4 77.5部
MEK 525部
【0071】
〔実施例5〕
実施例1において、電荷発生層用塗工液1を以下の電荷発生層用塗工液5に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体5を作成した。
(電荷発生層用塗工液5)
合成例1のチタニルフタロシアニン顔料 10部
ポリビニルブチラール樹脂 8部
(BX−1、積水化学工業社製)
金微粒子分散液5 77.5部
MEK 525部
【0072】
〔比較例1〕
実施例1において、電荷発生層用塗工液1を以下の電荷発生層用塗工液6に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体6を作成した。
(電荷発生層用塗工液6)
合成例1のチタニルフタロシアニン顔料 10部
ポリビニルブチラール樹脂 10部
(BX−1、積水化学工業社製)
MEK 600部
【0073】
〔比較例2〕
実施例1において、電荷発生層用塗工液1を以下の電荷発生層用塗工液7に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体7を作成した。
(電荷発生層用塗工液7)
合成例1のチタニルフタロシアニン顔料 10部
ポリビニルブチラール樹脂 10部
(BX−1、積水化学工業)
MEK 525部
トルエン 75部
【0074】
〔比較例3〕
実施例1において、電荷発生層用塗工液1を以下の電荷発生層用塗工液8に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体8を作成した。
(電荷発生層用塗工液8)
合成例1のチタニルフタロシアニン顔料 10部
ポリビニルブチラール樹脂 8部
(BX−1、積水化学工業社製)
金微粒子分散液6 77.5部
MEK 525部
【0075】
〔比較例4〕
実施例1において、電荷発生層用塗工液1を以下の電荷発生層用塗工液9に変更した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体9を作成した。
(電荷発生層用塗工液9)
合成例1のチタニルフタロシアニン顔料 10部
ポリビニルブチラール樹脂 8部
(BX−1、積水化学工業社製)
金微粒子分散液7 77.5部
MEK 525部
【0076】
<実機評価>
実機による通紙ランニングは、電子写真用プロセスカートリッジに前記電子写真感光体を装着し、リコー社製imagio Neo751改造機(感光体線速(プロセス線速):350mm/sec)を用いて、常温常湿環境での明部電位測定を、以下の方法で行った。常温常湿環境(温度23℃、湿度55%)に感光体を24時間保存したのち、明部電位(VL)を測定した。測定方法は、現像ユニットを分解し、表面電位計に接続された電位計プローブを、感光体の上端から120mmの位置に現像ユニットに取り付け、それに感光体をセットして、暗部電位が−800(V)になるようにグリッド電位を調節した後、黒ベタ画像を出力することによって、明部電位を測定した。表面電位計はTREK MODEL344を用いた。
【0077】
【表1】

【0078】
表1に示した結果より明らかなように、電荷発生層に粒径分布の中央値が2〜20nmの金属微粒子を含むチタニルフタロシアニン顔料の樹脂分散膜を使用した実施例1〜実施例5では、電荷発生層としてチタニルフタロシアニン顔料のみの樹脂分散膜を利用した比較例1よりも、電荷発生性の上昇に起因すると考えられる明部電位(VL)が小さく、電子写真感光体の感度特性が優れていた。さらに、実施例1〜5を比較すると金微粒子の粒径分布の中央値が小さいものほど感度特性の向上が効果的であることが示された。比較例2は電荷発生層塗工液において実施例2および実施例3と同量のトルエンを含有するものであるが、比較例1と同一の特性を示し、本効果が電荷発生層の塗工液にトルエンが含有されることで出現するわけではないことが明らかである。また、電荷発生層に粒径分布の中央値が20nm超の金属微粒子を含むチタニルフタロシアニン顔料の樹脂分散膜を使用した比較例3及び比較例4では、金属微粒子の表面プラズモン共鳴効果が著しく低下するため明部電位(VL)が大きく、電子写真感光体の感度特性が劣っていた。
【符号の説明】
【0079】
(図1〜4について)
11 導電性支持体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 下引き層
15 保護層

(図6について)
21 感光体
22 除電ランプ
23 帯電チャージャ
24 画像露光部
25 現像ユニット
26 転写前チャージャ
27 レジストローラ
28 転写紙
29 転写チャージャ
30 分離チャージャ
31 分離爪
32 クリーニング前チャージャ
33 ファーブラシ
34 クリーニングブレード

(図7について)
51C、51M、51Y、51K 感光体
52C、52M、52Y、52K 帯電部材
53C、53M、53Y、53K レーザー光
54C、54M、54Y、54K 現像部材
55C、55M、55Y、55K クリーニング部材
56C、56M、56Y、56K 画像形成要素
57 転写紙
58 給紙コロ
59 レジストラー
50 転写搬送ベルト
61C、61M、61Y、61K 転写ブラシ
62 定着装置

(図8について)
101 感光体
102 接触帯電装置
103 像露光
104 現像装置
105 転写体
106 接触転写装置
107 クリーニングユニット
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開昭61−239248号公報
【特許文献2】特開平1−17066号公報
【特許文献3】特開昭61−109056号公報
【特許文献4】特開昭62−67094号公報
【特許文献5】特開昭63−364号公報
【特許文献6】特開昭63−366号公報
【特許文献7】特開2005−15682号公報
【特許文献8】特開昭63−198067号公報
【特許文献9】特開平1−123868号公報
【特許文献10】特開2006−47396号公報
【非特許文献】
【0081】
【非特許文献1】Y. Fujimaki, Proc. IS&T’s 7th International Congress on Advances in Non-Impact Printing Technologies, 1, 269 (1991).
【非特許文献2】及川英俊ら、「ハイブリッド系有機−金属ナノ結晶における光・電子界面相互作用」、表面科学、第25巻、第3号、170〜176頁、2004年

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともチタニルフタロシアニン顔料とバインダー樹脂を分散してなる積層型電子写真感光体の電荷発生層塗工液であって、さらに粒径分布の中央値が2〜20nmである金属微粒子を含有することを特徴とする電子写真感光体塗工液。
【請求項2】
前記金属微粒子は、バインダー樹脂膜上に金属の真空蒸着膜を形成した後に溶媒にて該バインダー樹脂膜を溶解させることで得られた、該バインダー樹脂溶液に分散された金属微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体塗工液。
【請求項3】
前記金属微粒子は、ポリシラン化合物を含むバインダー樹脂膜の表面を酸化し、この上に金の真空蒸着膜を形成した後に150℃以下の加熱処理により金の微粒子を分散させた膜を溶媒にて溶解させることで得られた、該バインダー樹脂溶液に分散された金微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体塗工液。
【請求項4】
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを含む積層型電子写真感光体の製造方法において、該電荷発生層を、少なくともチタニルフタロシアニン顔料、バインダー樹脂および粒径分布の中央値が2〜20nmである金属微粒子を含有する塗工液を塗布し、乾燥して形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
【請求項5】
導電性支持体上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とを含む積層型電子写真感光体において、該電荷発生層中に、少なくともチタニルフタロシアニン顔料と、バインダー樹脂と、粒径分布の中央値が2〜20nmである金属微粒子とを含むことを特徴とする電子写真感光体。
【請求項6】
電子写真感光体表面を帯電する帯電工程、帯電された感光体表面を露光して潜像を形成する工程、形成された潜像をトナーを用いて現像し可視像とする現像工程、形成されたトナー像を直接又は中間転写体を介して転写媒体上に転写する転写工程、転写媒体上のトナー像を定着させる定着工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が請求項5に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成方法。
【請求項7】
少なくとも電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が請求項5に記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とが一体となったカートリッジを搭載し、かつ該カートリッジが装置本体に対し着脱自在であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、かつ画像形成装置本体に着脱自在であるカートリッジにおいて、該電子写真感光体が請求項5に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−13477(P2011−13477A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157830(P2009−157830)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】