説明

電子写真用導電性ローラー

【課題】 苛酷環境下に長期間放置されても特性の変化の少ない、導電性ローラー、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供すること。
【解決手段】 電子写真装置に用いられる導電性ローラーであり、40℃×95%RHの環境下に300時間放置後のローラー外径(D1)、マイクロ硬度(H1)、抵抗値(R1)と該環境放置前のローラー外径(D0),マイクロ硬度(H0),抵抗値(R0)との関係が、下記範囲を全て満たすことを特徴とする導電性ローラーとする。
0.8D0≦D1≦1.2D0
0.5H0≦H1≦1.5H0
0.1R0≦R1≦10R0

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性ローラー、この導電性ローラーを有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用した画像形成装置、いわゆる電子写真装置は、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有するものが一般的である。
【0003】
また、この帯電手段としては、電子写真感光体の表面に接触又は近接配置された帯電部材に電圧(直流電圧のみの電圧又は直流電圧に交流電圧を重畳した電圧)を印加することによって該電子写真感光体の表面を帯電する方式のものが多く採用されている。
【0004】
帯電部材に印加する電圧として、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を採用した場合、交流電源が必要となって電子写真装置の大型化やコストアップを招いたり、電力消費量が増加したり、交流電流の使用によるオゾン等の多量発生によって帯電部材や電子写真感光体の耐久性が低下したりするため、これらの観点からすると、帯電部材への印加電圧は直流電圧のみの電圧であることが好ましい。
【0005】
更には、帯電を安定に行う、オゾンの発生を低減する、あるいは、低コストという観点から、接触式の帯電方式が好んで用いられている。
【0006】
接触式の帯電方式の場合、帯電部材としての導電性ローラーは、電子写真感光体に対して、バネ等の押し圧力により当接され、従動回転するように配置される。また、導電性ローラーと被帯電体との当接力は固定されている場合が多い。
【0007】
電子写真装置や、これら電子写真装置の中心部分を収めた、いわゆるカートリッジ等の製品が製造されてからユーザーに初めて使用されるまで、数週間から数年という長期に放置されることもありうる。また、ユーザーが電子写真装置を使用しない場合には、当然、長期にわたって放置されてしまう可能性がある。これらの期間及びカートリッジの輸送中の環境は予測困難であり、当然、高温・高湿環境下に長期にわたって晒される可能性もある。通常、帯電部材としての導電性ローラーの構成としては、ゴムやエラストマーからなる弾性体及び単層あるいは複層からなる表面層とからなるのが一般的であり、このような弾性体は、上記のような高温・高湿環境下に長期間放置された場合、水分や温度の影響によってローラー外径が大きく変化したり、硬度が変化したり、また電気抵抗値が大きく変化してしまう場合がある。
【0008】
例えば、ローラー抵抗値や硬度の変化は、感光体に対する適正な帯電ができなくなり、結果的に画像不良を引き起こしてしまう。また、接触帯電方式の場合、通常、バネでローラーを感光体に押圧しているため、ローラー外径の変化は押圧力の変化となり、感光体に対する適正ニップが保持できなくなり、ひいては画像不良を引き起こしてしまうといった問題がある。また、通常帯電部材に使用されているゴム弾性体では、外径の変化は機械強度の低下も引き起こしてしまう。
【0009】
近年、電子写真装置に対する高速化、高画質化及び高耐久化の要求はますます高まってきている。こういった傾向は、僅かな外径変化、硬度変化、抵抗値変化であっても画像への影響が許容できなくなってきていることに他ならない。
【0010】
にもかかわらず、従来、苛酷環境下に晒された際の、帯電部材としての導電性ローラーの物性値変化をある範囲にコントロールするといった提案はなされていなかった。
【0011】
又、別の従来例としては、特許文献1をあげることが出来る。
【特許文献1】特開2003-107853号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、苛酷環境下に長期間放置されても特性の変化の少ない、導電性ローラー、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施態様に係る導電性ローラーは、
電子写真装置に用いられる導電性ローラーであり、40℃×95%RHの環境下に300時間放置後のローラー外径(D1)、マイクロ硬度(H1)、抵抗値(R1)と該環境放置前のローラー外径(D0),マイクロ硬度(H0),抵抗値(R0)との関係が、下記範囲を全て満たすことを特徴とする電子写真用導電性ローラーである。
【0014】
0.8D0≦D1≦1.2D0
0.5H0≦H1≦1.5H0
0.1R0≦R1≦10R0
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、苛酷環境下に長期間放置されても特性変化が少なく、結果的に長期にわたって安定して良好な画像出力が可能な電子写真用の導電性ローラー、また、このような導電性ローラーを有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の詳細を実施例の記述に従って説明する。
【0017】
本発明者等は、上記の課題に対し鋭意検討を重ねた結果、苛酷環境下に長期間放置されても、特性変化をある範囲内に抑え込み、良好な画像を長期に亘って安定して得ることができる導電性ローラーを見出し、本発明に至ったものである。
【0018】
本発明では、異なる3つの物性値を規定しているが、これらの物性値は帯電部材としての導電性ローラーとして非常に重要なものであり、このうち一つでも本発明の範囲を外れると本発明の効果を発現できない。3つの物性値が本発明の範囲を全て満たして、はじめて本発明の効果を発揮できるものである。
【0019】
例えば、苛酷環境(40℃×95%RH)に放置後のローラーのマイクロ硬度変化が本発明の範囲を外れて低く(軟らかく)なった場合(H1<0.5H0のとき)には当接ニップが広くなり、逆に高く(硬く)なった場合(H1>1.5H0のとき)には当接ニップが狭くなる。よって適正な当接ニップを保つことが困難となり、帯電が不安定となって、結果的に画像不良を引き起こしてしまう。
【0020】
また、苛酷環境に放置後のローラー抵抗値の変化が本発明の範囲を外れて低くなった場合(R1<0.1R0のとき)、帯電部材としての導電性ローラー全体の抵抗が小さくなり過ぎてしまい、被帯電体である電子写真感光体の表面のピンホールや傷等によるリークを防止することが困難になる。逆に、苛酷環境に放置後のローラー抵抗値の変化が本発明の範囲を外れて高くなった場合(R1>10R0のとき)、帯電部材としての導電性ローラーの帯電能力が低くなり、画像不良が目立ち易いという弊害が発生する。
【0021】
また、苛酷環境に放置後のローラー外径の変化が本発明の範囲を外れて大きくなった場合(D1>1.2D0のとき)、感光体に対する押圧力が強くなりすぎ、適正な帯電能が得られないばかりか、圧縮永久ひずみが大きくなり、所謂セット跡として画像不良を引き起こしてしまう。逆に本発明の範囲を外れて小さくなった場合(D1<0.8D0のとき)、感光体に対する押圧力が小さくなる傾向となり、感光体との連れ回りが上手くいかず、周方向に部分的に連続通電部分ができてしまうため、結果的に画像不良を引き起こしてしまう。また、導電性粒子によって抵抗調整した場合、ローラー外径の大きな変化は、導電性粒子間の距離が大きく変化してしまい、導電性にも影響を及ぼすことがある。
【0022】
本発明にかかる導電性ローラーは、本発明の範囲を満たすものであれば、特に制限されないが、好ましい構成としては、支持体上に弾性層を1層以上有する導電性ローラーである。
【0023】
まず、導電性ローラーの支持体としては、導電性を有していればよく(導電性支持体)、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属性(合金製)の支持体を用いることができる。また、これらの表面に耐傷性付与を目的として、導電性を損なわない範囲で、メッキ処理等を施してもよい。
【0024】
弾性層としては、従来から知られている様々な構成の材料を採用することができ、例えば、樹脂や、ゴム(天然ゴム(加硫処理をしてもよい)や合成ゴム)、熱可塑性エラストマー等のエラストマーを結着材料として用いたもの等が挙げられる。
【0025】
樹脂としては、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(SEBC)及びオレフィン−エチレン・ブチレン−オレフィン共重合体(CEBC)等が挙げられる。
【0026】
合成ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム及びエピクロルヒドリンゴム等が挙げられる。
【0027】
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー及び塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0028】
これらは、単独で用いてもよいし、混合又は共重合体として2種以上用いてもよい。
【0029】
弾性層としては、前述したゴムや熱可塑性エラストマー等のエラストマーを用いることが好ましく、その中でも、帯電ローラーと電子写真感光体との十分なニップを確保する観点から、ゴム、特には合成ゴムを用いることがより好ましい。
【0030】
合成ゴムの中でも、抵抗が均一であり、本発明の範囲を満たすという観点から、極性ゴムを用いるのが好ましい。極性ゴムとしては、NBR、エピクロルヒドリンゴムを挙げることができる。特に、弾性層の抵抗制御及び硬度制御を行い易いという意味で、エピクロルヒドリンゴムを主成分とするゴム成分を用いるのがより好ましいといえる。
【0031】
エピクロルヒドリンゴムに関しては、GECO(エチレンオキサイド(以下EOとも称す)−エピクロルヒドリン(以下EPとも称す)−アリルグリシジルエーテル(以下AGEとも称す)共重合体)やECO(エチレンオキサイド−エピクロルヒドリン共重合体)ではEOの共重合比率を変化させ、体積抵抗率を制御することが知られている。
【0032】
本発明を実現するために、エピクロルヒドリンゴムのエチレンオキサイド含有量は55〜85mol%であることが好ましい。55mol%未満だと体積抵抗値が高くなってしまう。一方、85mol%を超えると、本発明の範囲に諸物性値を抑えこむことが困難となるという弊害が発生するだけでなく、ポリマーが結晶化し易くなり、電気抵抗値が却って高くなるという問題も生じてしまう。
【0033】
本発明において、弾性層の体積抵抗率は、23℃/50%RH環境下で10〜10Ω・cmであることが好ましい。弾性層の体積抵抗率が10Ω・cmより大きいと、帯電部材としての導電性ローラーの帯電能力が低くなり、画像不良が目立ち易いという弊害が発生する。一方、弾性層の体積抵抗率が10Ω・cmより小さいと、帯電部材としての導電性ローラー全体の抵抗が小さくなり過ぎてしまい、被帯電体である電子写真感光体の表面のピンホールや傷等によるリークを防止することが困難になる。
【0034】
弾性層の導電性(体積抵抗率)は、上記の結着材料中に導電性物質を添加することで調整できる。例としては、カーボンブラック、カーボンファイバー、黒鉛、カーボンナノチューブ等のカーボン系材料、金属フレーク、金属粉末、金属繊維等の金属系材料、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン等の導電性金属酸化物及びそれらの複合体等、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0035】
エピクロルヒドリンゴム成分を使用する場合、特に、アンモニウム塩を用いることが好ましい。ただし、エピクロルヒドリンゴム成分を使用する場合は、前述の通り、体積抵抗率はエチレンオキサイド量によって、大きく左右されてしまうので注意が必要である。
【0036】
支持体上への弾性層の設け方として、予め弾性材料をチューブ押出にて作成しておき、その後、支持体に嵌入する方法でも良いし、弾性材料を押出しながら支持体と密着させる(例えばクロスヘッド押出)方法で用いても良い。
【0037】
また、弾性層の形状としては、帯電ローラーと電子写真感光体との均一密着性を良好にするという観点から、長手方向中央部が一番太く、長手方向両端部にいくほど細くなる形状、いわゆるクラウン形状に形成することが好ましい。帯電ローラーは、一般的に、支持体の両端部に所定の押圧力が与えられて電子写真感光体と当接することになり、押圧力が長手方向中央部において小さく、長手方向両端部にいくほど大きくなるため、中央部に対応する画像と両端部に対応する画像との間に濃度ムラが生じてしまう場合がある。クラウン形状はこれを防止するために形成される。クラウン量は、中央部と中央部から90mm離れた位置の外径の差が、30〜200μmが好ましい。30μmより小さいと、端部が当接して中央部が当接しないという状態が発生し易くなる。200μmより大きい場合、逆に、中央部は当接するが、端部が当接しないという状態が発生し易くなる。
【0038】
また、前記弾性層には更に、硬度等を調整するため、添加剤(軟化油、可塑剤等)や、各種の微粒子を添加してもよい。なお、弾性層を帯電部材としての導電性ローラーの最表面層としてもよいが、上述のように弾性層に軟化油や可塑剤等の添加剤を用いる場合は、導電性ローラーの表面に添加剤がブリードアウトしてしまうことを防止する観点から、この弾性層は導電性ローラーの最表面層でないことが好ましい。
【0039】
このように、弾性層に添加剤を用いる場合、添加剤のブリードアウト防止を強化し、電子写真感光体やその他の部材を汚染しないようにする観点から、弾性層上に更に、1層又は2層以上の表面層を設けてもよい。表面層を構成する材料としては、必要とする特性に応じて適宜選択すればよい。例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。例えば、熱可塑性樹脂としてポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としてポリイミド樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。中でも本発明においては耐オゾン性、耐久性の観点からポリウレタン樹脂が好適に用いられる。
【0040】
本発明における表面層の体積抵抗率は、23℃/50%RH環境下で1016Ω・cm以下であることが好ましく、また、弾性層の体積抵抗率よりも大きいことが好ましい。表面層の体積抵抗率が大き過ぎると、帯電部材としての導電性ローラーとしての帯電能力が低下し、画像不良がより目立ち易くなるという弊害や、帯電を均一に行う能力(帯電均一性)が低下してしまうという弊害が発生する。一方、表面層の体積抵抗率が弾性層の体積抵抗率よりも小さいと、被帯電体である電子写真感光体の表面のピンホールや傷等によるリークを防止することが困難になる。このように表面層の体積抵抗率を調整するために、表面層に1種又は2種以上の導電性物質を含有させてもよい。導電性物質としては、導電性ローラーの特性値を本発明の範囲に抑え込むことができれば、どのようなものを用いても構わない。
【0041】
通常、導電性を発現させる物質として、カーボンブラックは良く知られている。本発明者等の 検討によれば、カーボンブラックのみで抵抗調整しようとすると、本発明の範囲に物性値をコントロールすることが困難であった。このような課題に対し、本発明者等は更なる検討を重ねた結果、以下に示す複合粒子を表面層に含有させることで課題を解決することができた。
【0042】
複合粒子は、概略中心粒子にカーボンブラックが被覆した形態のものである。複合粒子の平均粒子径は1〜1000nmが好ましい。より好ましくは5〜500nmである。この範囲であれば、前述した構造における表面層の補強効果が十分に発揮される。また、複合粒子同士の凝集による表面層に対する分散性の制御も容易である。
【0043】
複合粒子形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であっても良いが、本発明の効果をより向上させるためには、球状又は粒状が好ましい。
【0044】
複合粒子の中心(コア)粒子は、金属酸化物又は複合金属酸化物微粒子であり、具体的には、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)、酸化鉄、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム及びジルコン酸カルシウム等を挙げることができる。より好ましくは、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムである。
【0045】
複合粒子の形状は、中心粒子の粒径や形状に大きく依存する。従って、中心粒子の平均粒子径も、1〜1000nmが好ましい。より好ましくは5〜500nmである。
【0046】
中心粒子の形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であっても良いが、本発明の効果をより向上させるためには、球状又は粒状が好ましい。
【0047】
中心粒子に被覆するカーボンブラックは、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック等が好ましく用いられる。
【0048】
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0049】
中心粒子は表面処理されていることが好ましい。これにより、中心粒子表面とカーボンブラックをより強固に付着させることができる。これにより、前記複合粒子をゴム、樹脂、エラストマー等に分散させる際に、カーボンブラックの脱離等を防ぐことができ、より本発明の効果を発揮することができる。
【0050】
表面処理としては、好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤、オリゴマー又は高分子化合物の一種又は二種以上を用いることができる。より好ましくはアルコキシシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤であり、更に、好ましくは、有機ケイ素化合物を挙げることができる。
【0051】
上記有機ケイ素化合物としては、式(1)で表わされるアルコキシシラン、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物、式(2)で表わされるポリシロキサン、式(3)で表わされる変成ポリシロキサン、式(4)で表わされる末端変成ポリシロキサン並びに式(5)で表されるフルオロアルキルシラン又はこれらの混合物を例示することができる。
【0052】
【化1】

アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン及びデシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0053】
中心粒子へのカーボンブラックの付着強度を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、又は、前記アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物がより好ましいといえる。
【0054】
【化2】

【0055】
【化3】

【0056】
【化4】

また、ポリシロキサンとしては、メチルハイドロジェンシロキサン単位を有するポリシロキサン、ポリエーテル変成ポリシロキサン及び末端がカルボン酸で変成された末端カルボン酸変成ポリシロキサンを挙げることができる。
【0057】
フルオロアルキルシランとしては、具体的には、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルロデシルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン及びヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0058】
【化5】

カップリング剤のうち、シラン系カップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及びγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0059】
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート及びビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0060】
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート及びアルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0061】
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート及びジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0062】
オリゴマーとしては、分子量300以上、10,000未満のものが好ましく、高分子化合物としては、分子量10,000以上、100,000程度のものが好ましい。中心粒子への均一な被覆処理を考慮すれば、液状、もしくは、水又は各種溶剤に可溶なオリゴマー又は高分子化合物が好ましい。
【0063】
表面処理剤の被覆量は、中心粒子に対して0.01〜15.0質量%が好ましい。0.01質量%未満の場合には、中心粒子に対してカーボンブラックを付着させることが困難である場合がある。15.0質量%あれば、カーボンブラックを中心粒子に対して、十分強固に、あるいは十分な量を付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない。より好ましくは0.02〜12.5質量%、最も好ましくは0.03〜10.0質量%である。
【0064】
本発明の複合粒子の体積抵抗値は、付着に用いるカーボンブラックの体積抵抗値と中心粒子の体積抵抗値との間で任意に制御することができる。具体的には1.0×10〜1.0×10Ω・cmであり、好ましくは5.0×10〜5.0×10Ω・cmである。
【0065】
カーボンブラックの付着量は、中心粒子100質量部に対して1〜500質量部である。1質量部未満の場合には、得られる複合粒子の電気抵抗を低減することが困難である。500質量部を超える場合には、電気抵抗の低減効果が十分に得られるので、500質量部を超えて必要以上に付着させる意味がない。
【0066】
複合粒子は、中心粒子とカーボンブラックとを混合することにより得ることができる。中心粒子を表面処理する場合には、まず、中心粒子を表面処理し、次いで、表面処理された中心粒子とカーボンブラックを混合することによって得ることができる。
【0067】
中心粒子への表面処理は、中心粒子と表面処理剤又は表面処理剤の溶液とを機械的に混合攪拌したり、中心粒子に表面処理剤又は表面処理剤の溶液を噴霧したりしながら機械的に混合攪拌すればよい。
【0068】
なお、表面処理剤としてアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランを用いた場合、被覆されたアルコキシシラン又はフルオロアルキルシランは、その一部が被覆工程を経ることによって生成する、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物として被覆されていてもよい。この場合においてもその後のカーボンブラックの付着に影響することはない。
【0069】
表面処理剤を均一に中心粒子の表面に被覆するためには、中心粒子の凝集を予め粉砕機を用いて解きほぐしておくことが好ましい。
【0070】
中心粒子とカーボンブラック、表面処理されている中心粒子とカーボンブラック、中心粒子と表面処理剤との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。また、混合攪拌後、必要に応じて更に乾燥乃至熱処理を行ってもよい。
【0071】
更に、中心粒子の表面処理に関しては、中心粒子と表面処理剤とを適当な溶剤中で混合、分散し、処理剤を粒子表面に付着させる方法を挙げることができる。分散の手段としては、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル及びパールミル等、従来公知の溶液分散手段を用いることができる。次に、この分散溶液から溶剤を除去し、粒子表面に表面処理剤を固着させる。また、必要に応じて、この後、更に熱処理を行ってもよい。また、混合溶液中には反応促進のための触媒を添加することができる。更に、必要に応じて表面処理後の粒子に更に粉砕処理を施してもよい。
【0072】
中心粒子は、微粒子表面を予め、アルミニウムの水酸化物、アルミニウムの酸化物、ケイ素の水酸化物及びケイ素の酸化物より選ばれる少なくとも1種からなる中間被覆物で被覆しておいてもよい。これにより、中心粒子表面とカーボンブラックとの付着力を強めることが可能な場合も存在するからである。
【0073】
中間被覆物による被覆量は、0.01〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満である場合には、カーボンブラックの付着向上効果が得られないことがある。20質量%を超えると、それ以上の付着力向上効果が得られないことから、必要以上に被覆する意味がない。
【0074】
本発明では、更に表面層中に上記導電性複合粒子の他、金属酸化物又は複合金属酸化物微粒子を添加するのが好ましい。表面層中に金属酸化物又は複合金属酸化物微粒子が存在すると、高温高湿環境下に放置したときの物性変化が少ないことが本発明者等の検討から明らかとなっている。理由は定かではないが、バインダー樹脂の補強効果を発揮し、物性の安定化を図っているものと推測する。
【0075】
本発明で好適に用いられる金属酸化物又は複合金属酸化物微粒子としては、具体的には、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン(二酸化チタン、一酸化チタン等)、酸化鉄、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム及びジルコン酸カルシウム等を挙げることができる。より好ましくは、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムである。
【0076】
上記の金属酸化物又は複合金属酸化物微粒子の平均粒子径は1nm〜1000nmが好ましい。より好ましくは5〜500nmである。この範囲内とすることで、本発明の効果を十分に発揮することができ、微粒子同士の凝集を抑え表面層中のバインダーへの分散性を良好に制御することができる。
【0077】
また、金属酸化物又は複合金属酸化物微粒子は、表面処理されていることが好ましい。表面処理としては、前述した複合粒子と同様の表面処理方法に加え、脂肪酸、脂肪酸金属塩による表面処理を挙げることができる。
【0078】
脂肪酸としては、飽和又は不飽和の脂肪酸を用いることができ、炭素数12〜22のものが好ましい。脂肪酸金属塩としては、飽和又は不飽和の脂肪酸と金属との塩類を用いることができ、炭素数12〜18の脂肪酸とマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等のアルカリ土類金属、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属及び亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、鉛、スズ等の金属との塩類を挙げることができる。
【0079】
本発明における金属酸化物の表面処理は、この中でも、特に、好ましくはアルコキシシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物による表面処理が好ましい。これは、これらの化合物は、金属酸化物微粒子表面への付着性が良好であると同時に、金属酸化物微粒子のゴム、樹脂、エラストマー等に対する分散性をより向上させる効果がある。また、複合粒子に使用する表面処理と類似する化合物にすることで、複合粒子間に別の金属酸化物微粒子を存在させるといった分散の制御をより容易にすることができるのである。
【0080】
表面処理剤の被覆量は、0.01〜15.0質量%が好ましい。この範囲内であれば、金属酸化物微粒子に十分な分散性を付与することができる。より好ましくは0.02〜12.5質量%、最も好ましくは0.03〜10.0質量%である。
【0081】
金属酸化物微粒子の表面処理方法としては、前記複合粒子と同様の方法で行うことができる。
【0082】
この中でも、特に、金属酸化物微粒子の表面処理方法は、前述した、溶液中への混合及び分散方法が好ましい。この方法によれば、金属酸化物微粒子表面に強固に、そして均一に表面処理を行うことが可能になり、金属酸化物微粒子の分散性を非常に向上させることができ、本発明の効果を十分に引き出すことができるものである。
【0083】
更に、本発明では、前記複合粒子や金属酸化物微粒子の他に、その他の微粒子を本発明の効果を損なわない程度に含有することも可能である。
【0084】
表面層に含有させる微粒子としては、導電性微粒子と絶縁性微粒子とに大別される。本発明において、「導電性微粒子」とは、体積抵抗率が1×10Ω・cm以下の粒子を意味し、「絶縁性微粒子」とは、前述したように、体積抵抗率が1×10Ω・cmを超える粒子を意味する。
【0085】
導電性微粒子としては、例えば、カーボンブラック、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、銅、アルミニウム及びニッケル等の粒子が挙げられる。
【0086】
絶縁性微粒子としては、高分子化合物の微粒子、例えば、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、及び、これらの共重合体や変性物、誘導体等の樹脂粒子や、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロルヒドリンゴム等のゴム微粒子や、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー及び塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー微粒子が挙げられる。
【0087】
また、その他の絶縁性微粒子としては、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、タルク、カオリンクレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト、ウオラストナイト、けいそう土、ガラスビーズ、ベントナイト、モンモリロナイト、アスベスト、中空ガラス球、黒鉛、もみ殻、有機金属化合物及び有機金属塩等の粒子を挙げることができる。また、フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等の酸化鉄類や活性炭等も使用することができる。フェライトとしては、例えば、“電子材料シリーズフェライト”(丸善(株),平成9年10月10日発行,第5刷)等に記載されているフェライトが挙げられ、具体的には、MnFe、FeFe、ZnFe、MgFe及びγ−Fe等を例示することができる。活性炭としては、例えば、“新版活性炭−基礎と応用”((株)講談社,1992年10月20日発行,第2刷)等に記載されている活性炭等が挙げられ、具体的には、木材系活性炭、ヤシ殻系活性炭、及び石炭系活性炭等を例示することができる。
【0088】
これらの粒子は1種でも2種以上併用してもよく、また、表面処理、変性、官能基や分子鎖の導入、コート等を施したものでもよい。粒子の分散性を制御するという観点から、粒子には表面処理を施すことが好ましい。表面処理としては、複合粒子の表面処理のときと同様の表面処理方法を用いることができる。
【0089】
また、表面層には、帯電部材としての導電性ローラーの表面の離型性を向上させるために、離型剤を含有させてもよい。表面層に離型剤を含有させることで、導電性ローラーの表面の汚れ付着を低減することができるので、導電性ローラーの耐久性が向上し、また、導電性ローラーと電子写真感光体との間での相対移動が滑らかになるので、スティックスリップのような不規則な移動状態の発生を減らし、その結果、帯電部材としての導電性ローラー表面の不規則な摩耗の発生や異音の発生等を改善することができる。なお、表面層に含有させる離型剤が液体の場合、表面層を形成するときにレベリング剤としても作用する。
【0090】
離型剤としては、低表面エネルギーを利用するものと摺動性を利用するものが多く、また、その性状も液体であったり、固体であったりする。固体で摺動性を有するもの(固体潤滑剤)としては、例えば固体潤滑ハンドブック(発行所;株式会社幸書房、昭和57年3月15日発行の二版)に記載の物質、具体的には、黒鉛、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、窒化ホウ素及び一酸化鉛等の金属酸化物を使用することができる。
【0091】
また、珪素やフッ素を分子内に含む化合物がオイル状、あるいは固体状(離型性樹脂あるいは粉末、ポリマーの一部に離形性を有する部位を導入したもの)で使用される。更には、ワックスや高級脂肪酸(その塩やエステル、その他誘導体を含む)も挙げることができる。
【0092】
また、上記の表面層及び弾性層には、上述の各種材料以外にも、様々な機能を有する材料を適宜含有させることができる。このような材料としては、例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール等の老化防止剤や、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の潤滑剤、酸化防止剤、顔料分散剤、充填剤、難燃剤等が挙げられる。
【0093】
また、上記の表面層及び弾性層の各表面には、表面処理を施してもよい。表面処理としては、例えば、UVや電子線を用いた表面加工処理や、化合物等を表面に付着及び/又は含浸させる表面改質処理等が挙げられる。
【0094】
上記の表面層の形成方法としては、例えば、予め所定の膜厚に形成されたシート形状又はチューブ形状の層を支持体に接着又は被覆することによって行ってもよいし、静電スプレー塗布やディッピング塗布等の塗布法によって行ってもよい。また、押し出し成形によって大まかに層形成した後、研磨等によって層の形状を整える方法であってもよいし、金型内で所定の形状に材料を硬化、成形する方法であってもよい。
【0095】
塗布法によって表面層を形成する場合、塗布液に用いられる溶剤としては、結着材料を溶解することができる溶剤であればよく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類や、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類や、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類や、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類や、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類や、クロロホルム、塩化エチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等の芳香族化合物等が挙げられる。
【0096】
微粒子を表面層材料に分散する方法としては、表面層材料と微粒子とを、リボンブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー又はスーパーミキサー等により混合する、あるいは、バンバリーミキサーや加圧ニーダー等で混合する等、既存の方法を用いることができる。
【0097】
また、塗布法によって表面層を形成する場合は、溶剤、表面層材料及び微粒子を混合し、前述した、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル及びパールミル等、従来公知の溶液分散手段を用いることができる。
【0098】
ここで、本発明の導電性ローラーの層構成の例を図3〜図5に示す。
【0099】
図3に示す導電性ローラーは、ローラー形状の帯電部材であり、支持体aと、支持体a上に形成された弾性層bと、弾性層b上に形成された表面層cと、を有する2層構成の導電性ローラーである。
【0100】
図4に示す導電性ローラーは、ローラー形状の帯電部材であり、図3に示す導電性ローラーの弾性層bと表面層cとの間に第二の表面層dを設けた3層構成の導電性ローラーである。
【0101】
図5に示す導電性ローラーは、ローラー形状の帯電部材であり、図4に示す導電性ローラーの第二の表面層dと表面層cとの間に第三の表面層eを設けた4層構成の導電性ローラーである。
【0102】
なお、ここでは表面層が複数からなる構成のものを例示しているが、本発明において弾性層が複数層からなる構成をとっても差し支えない。
【0103】
図1に、電子写真感光体及び本発明の導電性ローラーを有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
【0104】
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0105】
回転駆動される電子写真感光体1の表面は、帯電部材(図1ではローラー形状の帯電部材:帯電ローラー)3により、正又は負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4Lを受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0106】
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラー等)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙等)Pに順次転写されていく。
【0107】
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0108】
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレード等)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、電子写真感光体1の表面をクリーニング手段7によって清浄面化した後、帯電部材3による帯電の前に前露光光による電子写真感光体1の表面の除電処理を行ってもよい。
【0109】
上述の電子写真感光体1、帯電部材3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段7等の構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1、帯電部材3、現像手段5及びクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレール等の案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
【0110】
電子写真感光体1には、例えば、円筒状の支持体(導電性支持体)と該支持体上に形成された無機感光材料及び/又は有機感光材料を含有する感光層とを有する電子写真感光体等を採用することができる。また、電子写真感光体1は、電子写真感光体の表面を所定の極性、電位に帯電させるための電荷注入層を更に有していてもよい。
【0111】
現像手段3が採る現像方式としては、例えば、ジャンピング現像方式、接触現像方式、及び磁気ブラシ方式等が挙げられる。カラー画像(フルカラー画像)を出力する電子写真装置の場合は、トナーの飛散性改善等の目的より、特に接触現像方式が好ましい。
【0112】
以下、本発明における物性パラメーターの測定方法を示す。
【0113】
(1)マイクロ硬度
本発明における導電性ローラー表面のマイクロ硬度の測定は、マイクロ硬度計MD−1型(高分子計器株式会社製)を用い、23℃/55%RH環境においてピークホールドモードで測定する。より詳しくは導電性ローラーを金属製の板の上に置き、金属製のブロックを置いて導電性ローラーが転がらないように簡単に固定し、金属板に対して垂直方向から導電性ローラーの中心に正確に測定端子を押し当て5秒後の値を読み取る。これを導電性ローラーのゴム端部から30〜40mmの位置の両端部及び中央部のそれぞれ周方向に3箇所ずつ、計9箇所を測定し、この平均値をマイクロ硬度とする。
【0114】
(2)ローラー抵抗
導電性ローラー22をN/N環境(常温常湿:23℃/55%RH)に24時間放置し、図5に示す円筒電極(金属ローラー)31、固定抵抗器32、記録計(レコーダー)33等から構成された抵抗値測定装置によって、印加電圧200Vでの導電性ローラーの抵抗測定を行う。
【0115】
(3)ローラー外径
測定は、市販のレーザー外径測定装置を用い、帯電ローラーを45°ずつ回転させ周方向に計4位相測定を行う。本測定をローラー長手中央部と中央部から90mmの位置の3点測定し、全12点の測定値の平均を、導電性ローラーの外径とする。
【0116】
なお、これまで本発明の導電性ローラーを電子写真装置用の帯電ローラーとして用いた例を中心に説明してきたが、このローラーは帯電ローラーのみならず、電子写真装置中で使用される現像ローラー、転写ローラー等の各種機能性ローラーとしても好適に使用できる。
【0117】
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0118】
(実施例1)
(1)複合粒子の作製
複合粒子の中心粒子としてのシリカ微粒子(平均粒子径14nm、体積抵抗率2.6×108Ω・cm)8.0kgに、メチルハイドロジェンポリシロキサン160gを、エッジランナーを稼動させながらシリカ微粒子に添加し、588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で30分間混合攪拌を行った。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
【0119】
次に、カーボンブラック粒子(粒子径22nm、体積抵抗率2.0×10Ω・cm)8.0kgを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、更に588N/cm(60Kg/cm)の線荷重で60分間混合攪拌を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて80℃で60分間乾燥を行い、複合粒子を得た。なお、この時の攪拌速度は22rpmで行った。
【0120】
得られた複合粒子は、平均粒径が18nm、体積抵抗率は1.8×10Ω・cmであった。
【0121】
(2)表面処理された金属酸化物微粒子の作製
ルチル型酸化チタン微粒子(平均粒径15nm、体積抵抗率3.8×1010Ω・cm)を1kg、表面処理剤としてイソブチルトリメトキシシランを100g、溶媒としてトルエンを3000g、それぞれ配合してスラリーを調製した。
【0122】
このスラリーを、攪拌機で30分間混合した後、有効内容積の80%が平均粒子径0.8mmのガラスビーズで充填されたビスコミルに供給し、温度20±5℃で湿式解砕処理を行った。
【0123】
湿式解砕処理して得たスラリーは、ニーダーを用いて減圧蒸留(バス温度:110℃、製品温度:30〜60℃、減圧度:約100Torr)によりトルエンを分離し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理後の微粒子は、室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕した。
【0124】
(導電性ローラーの作製)
直径6mm、長さ252.5mmのステンレス製芯金を支持体(導電性支持体)とした。これに、熱硬化性接着剤(メタロックU−20 東洋化学研究所製)を塗布し、乾燥させた。
【0125】
次に、エピクロルヒドリンゴム三元共重合体(エチレンオキサイド(EO)/エピクロルヒドリン(EP)/アリルグリシジルエーテル(AGE)=73mol%/23mol%/4mol%)100質量部、酸化亜鉛2種 5質量部、ステアリン酸1質量部、2−メルカプトベンズイミダゾール(MB)(老化防止剤)0.5質量部、炭酸カルシウム45質量部、脂肪族ポリエステル系可塑剤5質量部、下記式で示される四級アンモニウム塩2質量部、
【0126】
【化6】

及び、カーボンブラック(平均粒径:50nm、体積抵抗率:0.1Ω・cm)5質量部を、50℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練(A練り)して、原料コンパウンドを調製した。
【0127】
この原料コンパウンドに、上記エピクロルヒドリンゴム三元共重合体に対して1質量%の硫黄(加硫剤)、1質量%のジベンゾチアジルスルフィド(DM)(加硫促進剤)及び1質量%のテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)を添加し、20℃に冷却した二本ロール機にて10分間混練(B練り)して、弾性層用コンパウンドを得た。
【0128】
接着剤を塗布した支持体上に、この弾性層用コンパウンドを押し出し成型機にて押し出し、外径が約13mmのローラー形状になるように成型し、次いで、160℃に温調された電気オーブンの中で1時間、加硫及び接着剤の硬化を行った後、ゴムの両端部を突っ切り、外径が約12mmのローラー形状になるように表面の研磨加工を行って、支持体上に弾性層を形成した。このときクラウン量(中央部と中央部から90mm離れた位置の外径の差)は110μmとした。
【0129】
続いて、カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液(商品名:プラクセルDC2016、ダイセル化学工業(株)製。プラクセルは登録商標。)にメチルイソブチルケトンを加え、固形分が21質量%となるように調整した。
【0130】
カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液100質量部に対して更に、
(1)で作製した複合粒子 14質量部
(2)で作製した金属酸化物微粒子 17.5質量部
変性ジメチルシリコーンオイル 0.166質量部
(商品名;SH28PA、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)
ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とイソホロンジイソシアネート
(IPDI)の各ブタノンオキシムブロック体の7:3の混合
56.1質量部
を入れ混合溶液を調整した。
【0131】
このとき、HDIとIPDIの混合物は、「NCO/OH=1.0」となるように添加した。HDIとIPDIについては、HDI(商品名:デュラネートTPA−B80E、旭化成工業製。デュラネートは登録商標。)、IPDI(商品名:ベスタナートB1370、デグサ・ヒュルス製)を使用した。
【0132】
450mLのガラス瓶に上記混合溶液250gと、メディアとしての平均粒径0.8mmのガラスビーズ200gを混合し、ペイントシェーカー分散機を用いて12時間分散し、分散溶液を得た。
【0133】
更に、この分散溶液に、カプロラクトン変性アクリルポリオール溶液100質量部に対して14質量部の架橋ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子(平均粒径:5.0μm(5000nm)、体積抵抗率:1.0×1015Ω・cm)を添加して更に1時間分散し、濾過によりガラスビーズと分離し、表面層用塗布液を得た。
【0134】
この表面層用塗布液を、弾性層上に1回ディッピング塗布し、常温で30分間以上風乾し、次いで80℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥し、更に160℃に設定した熱風循環乾燥機にて1時間乾燥して、弾性層上に表面層を形成した。なお、ディッピング塗布引き上げ速度は、初期速度が20mm/s、最終速度は2mm/sになるように速度調節し、20mm/sから2mm/sの間は、時間に対して直線的に速度を変化させた。
【0135】
このようにして、支持体上に弾性層及び表面層(最外層)をこの順に有する帯電部材としての導電性ローラーを作製した。
【0136】
本実施例にて作製した導電性ローラーのマイクロ硬度、外径、抵抗値を前述した方法にて測定した。測定後、この導電性ローラーを40℃/95%RH環境に300時間放置する。放置後、前記環境から取り出し、23℃/50%RH環境に24時間放置する。その後、再度導電性ローラーのマイクロ硬度、外径、抵抗値を測定した。結果を表1に示す。いずれの物性値も本発明の範囲に入っていた。
【0137】
その後、苛酷環境に放置された導電性ローラーを、図2に示す構成の電子写真装置(導電性ローラーには直流電圧のみの電圧を印加)に装着し、23℃/50%RH環境下において、ハーフトーン画像を出力し、その出力画像を評価した。
【0138】
この条件で画像が良好であれば、長期に亘って安定した画像が得られることが、我々の検討より明らかとなった。
【0139】
出力画像の評価結果を表1に示す。表1中、◎は非常に良い、○は良い、×はハーフトーン画像に画像欠陥が目立つ、という画像レベルである。
【0140】
以下に、図2に示す構成の電子写真装置について説明する。
【0141】
151は円筒状の電子写真感光体であり、本実施例では直径30mmとした。この電子写真感光体151は、矢印方向に所定のプロセススピード(188mm/s)で回転駆動する。
【0142】
153は本実施例の導電性ローラー(帯電ローラー)である。S1は帯電ローラーに直流電圧のみの電圧を印加するための電源である。帯電ローラー153は、電子写真感光体151に所定の押圧力(バネの圧力)で接触(当接)させてあり、電子写真感光体151の回転に対して順方向に回転駆動する(片側0.5kg重、両端で合計1kg重のバネによる押圧力で当接させている)。この帯電ローラー153には、電源S1から直流電圧−1000Vのみの電圧が印加されることで、電子写真感光体151の表面が−400Vに帯電(接触帯電)される。
【0143】
154は露光手段としてのレーザービームスキャナーである。帯電ローラー153により−400V(暗部電位)に帯電された電子写真感光体151の表面に、レーザービームスキャナー154により目的の画像情報に対応した露光(画像露光)光154Lが照射されることにより、電子写真感光体の表面の電位−400Vが選択的に−150V(明部電位)に減衰して、電子写真感光体151の表面に静電潜像が形成される。
【0144】
155は現像装置(現像手段)である。現像装置155は、トナー(現像剤)を収容する現像容器の開口部に配設されてトナーを担持搬送するトナー担持体155aと、収容されているトナーを撹拌する撹拌部材155bと、トナー担持体155aのトナーの担持量(トナー層厚)を規制するトナー規制部材155cとを有している。現像装置155は、電子写真感光体151の表面に形成された静電潜像の明部電位部に、−350V(現像バイアス)に帯電しているトナー(ネガトナー)を選択的に付着させて、静電潜像をトナー像として可視化する。トナー担持体155aは、電子写真感光体と接触している、又は、担持するトナーを介して電子写真感光体と接触している。つまり、接触現像方式を採る。そのため、トナー担持体155aは、接触安定性の確保という面から、導電性支持体上に導電性を付与した弾性層(ゴム製)を設けた現像ローラーとしている(もちろん、弾性層には弾性材料として発泡体を用いてもよいし、また、弾性層上に別途層を設けたり、表面処理(UVや電子線を用いた表面加工処理や、化合物等を表面に付着及び/又は含浸させる表面改質処理等)を施したりしてもよい)。
【0145】
156は転写手段としての転写ローラーである。転写ローラー156は、導電性支持体上に中抵抗に調整された弾性樹脂層を被覆してなる転写ローラーである。転写ローラー156は、電子写真感光体151に所定の押圧力で接触させて転写ニップ部を形成させてあり、電子写真感光体151の回転と順方向に電子写真感光体151の回転周速度とほぼ同じ周速度で回転する。また、電源S2からトナーの帯電特性とは逆極性の転写電圧が印加される。転写ニップ部に対して不図示の給紙機構部から転写材Pが所定のタイミングで給紙され、その転写材Pの裏面が転写電圧を印加した転写ローラー156により、トナーの帯電極性とは逆極性に帯電されることにより、転写ニップ部において電子写真感光体151の表面のトナー像が転写材Pの表面(電子写真感光体151に対向する面)に静電転写される。
【0146】
転写ニップ部でトナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体151の表面から分離されて、不図示の定着装置へ導入されて、トナー像の定着を受けて画像形成物として出力される(両面画像形成モードや多重画像形成モードの場合は、この画像形成物が不図示の再循環搬送機機構に導入されて転写ニップ部へ再導入される。)。
【0147】
電子写真感光体151表面の転写残りのトナーは、不図示のクリーニングブレードによって回収される。この後、電子写真感光体151は再び帯電ローラー153によって表面が帯電され、繰り返し画像形成を行う。
【0148】
本実施例にて作製した導電性ローラーを上記のの電子写真装置に装着して画像出力を行ったところ、極めて良好な画像が得られたことから、このローラーは長期にわたって良好な画像が得ることができる帯電部材としての導電性ローラーであることが明らかとなった。
【0149】
(実施例2〜実施例7、比較例1〜比較例6)
弾性層、表面層の配合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして導電性ローラーを作製した。作製した導電性ローラーを実施例1と同様にしてローラー抵抗値、外径、マイクロ硬度を測定し、画像評価を行った。結果を表1に示す。
【0150】
なお、図6は、本発明の帯電部材である導電性ローラーの抵抗値測定装置を示す概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【図1】電子写真感光体及び本発明の導電性ローラーを有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
【図2】実施例及び比較例に用いた電子写真装置の概略構成を示す図である。
【図3】ローラー形状の帯電部材の別の層構成の例を示す図である。
【図4】ローラー形状の帯電部材の別の層構成の例を示す図である。
【図5】ローラー形状の帯電部材の別の層構成の例を示す図である。
【図6】本発明の帯電部材である導電性ローラーの抵抗値測定装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0152】
a 支持体
b 弾性層
c 表面層
d 第二の表面層
e 第三の表面層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電部材(帯電ローラー)
4L 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
151 電子写真感光体
153 帯電ローラー
154 レーザービームスキャナー
154L 露光光
155 現像装置
155a トナー担持体
155b 撹拌部材
155c トナー規制部材
156 転写ローラー
S1 電源
S2 電源
22 導電性ローラー(帯電ローラー)
31 円筒電極(金属ローラー)
32 固定抵抗器
33 記録計(レコーダー)
S3 バイアス印加電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真装置に用いられる導電性ローラーであり、40℃×95%RHの環境下に300時間放置後のローラー外径(D1)、マイクロ硬度(H1)、抵抗値(R1)と該環境放置前のローラー外径(D0),マイクロ硬度(H0),抵抗値(R0)との関係が、下記範囲を全て満たすことを特徴とする導電性ローラー。
0.8D0≦D1≦1.2D0
0.5H0≦H1≦1.5H0
0.1R0≦R1≦10R0

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−187900(P2007−187900A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6183(P2006−6183)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】