説明

電子分光装置

【課題】 試料を傾斜しても所定の光電子分光測定が出来る様にする。
【解決手段】試料ステージコントロールユニット31,レンズステージコントロールユニット32,視野制限絞りコントロールユニット33,角度制限絞りコントロールユニット34及び電源ユニット20を連動して作動させる制御装置21と、試料ステージ5の傾斜角度に対して結像レンズ9が試料ステージ5に干渉しない位置、結像レンズ9の位置に対する視野制限絞り16の開口径,角度制限絞り17の開口径,及び、静電レンズ15への印加電圧と結像レンズ9への供給電流が記憶されるメモリ35とを設け、試料ステージ5の傾斜角度に応じた結像レンズ9の位置、及び、結像レンズ9の位置に対して所定の分析が行える視野制限絞り16の開口径,角度制限絞り17の開口径,静電レンズ15への印加電圧及び結像レンズ9への供給電流値をメモリ35から呼び出し、各ユニットを連動して作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電子分光装置等の電子分光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光電子分光装置は、X線を試料表面に照射し、該照射により試料から放出される光電子を電子分光器で分析してエネルギースペクトルを得る装置で、該得られたスペクトルを解析することにより、試料表面の元素及び該元素の化学状態等を知ることが出来る。
図1はこの様な光電子分光装置の一概略例を示したものである。
【0003】
図中1は分析室で、その内部は排気装置2により真空に排気される様に成っている。
【0004】
前記分析室1の中央部には試料ホルダ3に支持された試料4が配置されており、前記試料ホルダ3は試料ステージ5上に置かれている。この試料ステージは前記分析室1の側壁に取り付けられており、試料ステージ位置調整機構6を調整することにより三次元(X,Y,Z)方向に移動させたり、X軸若しくはY軸を回転軸として傾斜させたりすることが出来る様に成っている。
【0005】
7は光電子励起用X線源で、前記試料4にX線照射出来る様に前記分析室1の上部壁に取り付けられている。8はこのX線源の電源である。
【0006】
9は磁界型結像レンズで、前記試料4の下方に配置されており、レンズステージ10に取り付けられている。このレンズステージは前記分析室1の側壁に取り付けられており、レンズステージ位置調整機構11を調整することにより三次元(X,Y,Z)方向に移動させることが出来る様に成っている。
【0007】
前記分析室1の上蓋には電子分光器12が取り付けられている。該電子分光器は、インプットレンズ13と、該インプットレンズからの光電子をエネルギー分析するためのアナライザ14と、該アナライザで選別された光電子を検出するための検出器15から成っている。
【0008】
前記インプットレンズ13は、静電レンズ15を有しており、該静電レンズは集光された光電子を減速させると共に、前記アナライザ14に集束させるためのものである。
【0009】
前記インプットレンズ13には、又、前記試料4の表面上で発生した光電子を取り込む領域を制限するための視野制限絞り16と、該視野制限絞りを通過した光電子の取り込み角度を制限することにより、レンズ系の球面収差によるボケを低減し、試料表面上の分析領域の精度を補償する角度制限絞り17が設けられている。
【0010】
前記視野制限絞り16は、その開口K1の中心が前記インプットレンズ13の光軸O上に位置する様に、前記インプットレンズ13の筒内を仕切る様に配置されている。該視野制限絞り16として、例えば、虹彩絞りが使用されており、開口径調整機構18を調整することにより、開口径を連続して変えることが出来る様に成っている。
前記角度制限絞り17は、その開口K2の中心が前記インプットレンズ13の光軸O上に位置する様に、前記インプットレンズ13の筒内を仕切る様に配置されている。該角度制限絞り17として、例えば、虹彩絞りが使用されており、開口径調整機構19を調整することにより、開口径を連続して変えることが出来る様に成っている。
【0011】
20は電源ユニットで、前記磁界型結像レンズ9への電流、前記静電レンズ15への電圧、前記アナライザ14への電圧、及び前記検出器15への電圧を制御する。
【0012】
21は制御装置で、前記検出器15からの信号に基づいて、光電子スペクトルを生成して表示装置22に表示させたり、前記電源ユニット20に指令を送ったりする、いわゆる中央制御装置の働きをする。
【0013】
この様な構成の装置において、試料を分析する場合、オペレーターは開口径調整機構18を調整して、視野制限絞り16の開口径をこの時の試料分析に最適な所定の大きさに設定する。又、開口径調整機構19を調整して、角度制限絞り17の開口径を、レンズ系の球面収差によるボケを低減する所定の大きさに設定する。
【0014】
分析室1内の真空度は前記制御装置21で常に監視されており、前記分析室1の真空度が所定の範囲に入ると、前記制御装置21は試料4にX線照射を行うためのX線照射指令をX線源電源8に送る。又、該制御装置は前記電子分光器12の各構成要素(静電レンズ15,アナライザ14及び検出器15)にこの時の試料分析に適する所定の電圧を印加するための指令、及び、前記磁界型結像レンズ9にこの時の試料分析に適する所定の電流を流すための指令をそれぞれ電源ユニット20に送る。
【0015】
この様な指令により、前記電源ユニット20から前記静電レンズ15に、該静電レンズ15により試料4からの光電子が減速されて前記アナライザ14の入射スリット上に集束する様な電圧が印加され、前記磁界型結像レンズ9に、該結像レンズにより試料4からの光電子が前記視野制限絞り16の開口上に集束する様な電流が供給される。
【0016】
この様な状態において、前記制御装置21からの指令を受けた前記X線源電源8の作動により前記X線源7からX線が発生し、試料4に照射される。該X線照射により、該試料から光電子が放出される。
【0017】
該光電子は前記磁界型結像レンズ9によって視野制限絞り16上に集束され、該視野制限絞り16の開口K1,角度制限絞り17の開口K2を通過した光電子は静電レンズ15により減速及び集束されてアナライザ14に導かれる。
【0018】
該アナライザでエネルギー選別された光電子は検出器15で検出される。該検出器は検出した光電子の信号を電気信号に変換して出力する。
【0019】
前記制御装置21は、該出力信号に基づく光電子スペクトルを生成して表示装置22に表示させる。
【特許文献1】特開2003−004676号公報
【特許文献2】特開2003−187738号公報
【特許文献3】特開2002−214170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記光電子分光装置においては、前記試料4の下方に磁界型結像レンズ9を配置している。この磁界型結像レンズ9の配置理由を以下に説明する。
【0021】
光電子分光装置で試料4の微小領域を測定する場合、視野制限絞り16により試料上の測定領域を小さくすると、試料4からの光電子の感度が減少してしまう。そこで、試料下に磁界型結像レンズ9を配置すれば、試料位置近傍に磁場分布のピークを作ることが可能となり、それにより、レンズとしての収差係数が小さくなり、高い空間分解能が可能となる。この様な磁界型結像レンズ9の励磁電流を、試料から放出された光電子が視野制限絞り上に結像される様に制御して光電子の取り込み角度を広く取れば、試料4から放出された光電子をより多く静電レンズ15に取り込むことが出来、結果的に、多くの光電子をアナライザ14に導くことが出来、試料4からの光電子の感度を上げることが可能となる。
【0022】
さて、光電子分光装置における試料分析において、試料を高角度に傾斜させた状態において試料測定する場合(例.角度分解光電子分光測定)がある。その様な場合には、前記試料ステージ位置調整機構6を調整して、試料ステージ5をX軸若しくはY軸を回転軸として傾斜させる必要がある。
【0023】
しかしながら、試料ステージ5を高角度に傾斜させると、該試料ステージの下方の配置されている磁界型結像レンズ9に衝突してしまう恐れがある。又、該衝突を避けるために、前記磁界型結像レンズ9を、例えば、光軸Oに沿って下方へ移動させると、前記磁界型結像レンズ9の磁界が前記試料4からの光電子に及ぼす状態が変化し、所定の分析が不可能になる恐れがある。即ち、前記磁界型結像レンズ9を所定の位置からずらすことにより、前記視野制限絞り16による光電子取り込み領域と前記角度制限絞り17による試料表面上の分析精度が所定のものからずれ、前記試料4からの光電子が前記視野制限絞り16の開口K1上に集束しなくなり、該光電子が充分に減速されず且つ前記アナライザ14の入射スリットS上に集束しなり、結果的に、所望試料分析が困難になる。
【0024】
本発明はこの様に問題に鑑みてなされたものであり、試料ステージを傾斜させて試料測定を行う場合においても、著しく簡単に、試料ステージと磁界型結像レンズとの干渉無しで、所定の測定が出来る様に成した新規な電子分光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明の電子分光装置は、分析室内に試料ステージに支持されて配置された試料に電離放射線を照射する照射手段と、視野制限絞り,前記試料から放出された電子を減速及び集束させるレンズ,該減速及び集束された電子をエネルギーによって選別するアナライザ及び該アナライザで選別された電子を検出する検出器を備えた電子分光器と、前記試料の下方にレンズステージに支持されて配置され前記試料から放出された電子を前記視野制限絞りに結像させるための結像レンズと、前記試料ステージを少なくとも光軸に垂直な軸を回転軸として傾斜させることが出来る試料ステージ駆動機構と、前記レンズステージを少なくとも光軸方向に移動させることが出来るレンズステージ駆動機構と、前記視野制限絞りの開口径を変えることが出来る視野制限絞り開口径駆動機構と、前記各レンズの強度を変えることが出来るレンズ電源とを備えた電子分光装置において、前記試料ステージ駆動機構,レンズステージ駆動機構,視野制限絞り開口径駆動機構及びレンズ電源を制御する制御装置と、前記試料ステージの傾斜角度に対して前記結像レンズが該試料ステージに干渉しない位置,該結像レンズの位置に対する前記視野制限絞りの開口径及び前記各レンズの強度の情報が記憶される記憶手段とを設け、前記制御装置は、前記試料ステージを傾斜させた時に、前記記憶手段からその傾斜角度に応じた結像レンズの位置、及び、該結像レンズの位置に対して所定の分析が行える前記視野制限絞りの開口径,前記各レンズの強度の情報を呼び出し、該呼び出した情報に基づいて、前記レンズステージ駆動機構,視野制限絞り開口径駆動機構及びレンズ電源を制御する様に成したことを特徴とする。
【0026】
本発明の電子分光装置は、分析室内に試料ステージに支持されて配置された試料に電離放射線を照射する照射手段と、視野制限絞り,角度制限絞り,前記試料から放出された電子を減速及び集束させるレンズ,該減速及び集束された電子をエネルギーによって選別するアナライザ及び該アナライザで選別された電子を検出する検出器を備えた電子分光器と、前記試料の下方にレンズステージに支持されて配置され前記試料から放出された電子を前記視野制限絞りに結像させるための結像レンズと、前記試料ステージを少なくとも光軸に垂直な軸を回転軸として傾斜させることが出来る試料ステージ駆動機構と、前記レンズステージを少なくとも光軸方向に移動させることが出来るレンズステージ駆動機構と、前記視野制限絞りの開口径を変えることが出来る視野制限絞り開口径駆動機構と、前記角度制限絞りの開口径を変えることが出来る角度制限絞り開口径駆動機構と、前記各レンズの強度を変えることが出来るレンズ電源とを備えた電子分光装置において、前記試料ステージ駆動機構,レンズステージ駆動機構,視野制限絞り開口径駆動機構,角度制限絞り開口径駆動機構及びレンズ電源を制御する制御装置と、前記試料ステージの傾斜角度に対して前記結像レンズが該試料ステージに干渉しない位置,該結像レンズの位置に対する前記視野制限絞りの開口径,前記角度制限絞りの開口径,及び、前記各レンズの強度の情報が記憶される記憶手段とを設け、前記制御装置は、前記試料ステージを傾斜させた時に、前記記憶手段からその傾斜角度に応じた結像レンズの位置、及び、該結像レンズの位置に対して所定の分析が行える前記視野制限絞りの開口径,前記角度制限絞りの開口径,前記各レンズの強度の情報を呼び出し、該呼び出した情報に基づいて、前記レンズステージ駆動機構,視野制限絞り開口径駆動機構,角度制限絞り開口径駆動機構及びレンズ電源を制御する様に成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明のによれば、試料ステージを傾斜させて試料測定を行っても、著しく簡単に、試料ステージと磁界型結像レンズとの干渉無しで、所定の分析測定が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
図2は本発明に基づく電子分光装置の1概略例を表したものである。図中、前記図1にて使用された記号と同一記号の付されたものは同一構成要素を示す。
【0030】
図2に示す光電子分光装置が図1に示す光電子分光装置と構成上で異なるところは以下の通りである。
【0031】
ステージ位置調整機構6に、試料ステージ5のX,Y,Z方向への移動若しくは、X若しくはY軸を回転中心とした傾斜をコントロールする電気信号を送る試料ステージコントロールユニット31、レンズステージ位置調整機構11に、レンズステージ10のX,Y,Z方向への移動をコントロールする電気信号を送るレンズステージコントロールユニット32、視野制限絞り16の開口径調整機構18に、視野制限絞り16の開口径の大きさをコントロールするための電気信号を送る視野制限絞りコントロールユニット33、角度制限絞り17の開口径調整機構19に、角度制限絞り17の開口径の大きさをコントロールするための電気信号を送る角度制限絞りコントロールユニット34を新たに設け、これらのユニット及び電源ユニット20が制御装置21からの指令により連動して作動する様に成した。
【0032】
又、制御装置21の指令によってデータの読み込み読み出しを行うメモリ35を新たに設け、このメモリに、試料ステージ5の傾斜角度に対して試料ステージ5と磁界型結像レンズ9が干渉しない磁界型結像レンズ9の光軸上の位置(Z方向の位置)、該磁界型結像レンズ9の光軸上の位置に対して高分解能で高感度の光電子が検出器20に検出される、視野制限絞り16の開口径,角度制限絞り17の開口径,静電レンズ15への印加電圧,磁界型結像レンズ9への供給電流,アナライザ14への印加電圧に関するデータが、所定の分析測定を行うための最適条件として記憶されている。
【0033】
この様な構成の装置において、試料4を傾斜して分析する場合、制御装置21から試料ステージコントロールユニット31に試料4を所望の角度だけ傾斜させる指令が与えられると、ステージ位置調整機構6は前記試料ステージコントロールユニット31からの傾斜角度信号により試料ステージ5を所望の角度傾斜させる。
【0034】
この時、前記制御装置21は、メモリ35から前記傾斜角度に対応した、磁界型結像レンズ9の光軸上の位置,視野制限絞り16の開口径、角度制限絞り17の開口径、静電レンズ15への印加電圧、磁界型結像レンズ9への供給電流、アナライザ14への印加電圧にそれぞれ関する最適条件データを呼び出し、磁界型結像レンズ9の光軸上の位置データに基づく移動指令をレンズステージコントロールユニット32に、視野制限絞り16の開口径データに基づく開口径調整指令を視野制限絞りコントロールユニット33に、角度制限絞り17の開口径データに基づく開口径調整指令を角度制限絞りコントロールユニット34に、静電レンズ15への印加電圧データ,磁界型結像レンズ9への供給電流データ,及びアナライザ14への印加電圧データに基づく電圧印加,電流供給指令を電源コントロールユニット20に連動してそれぞれ送る。
【0035】
すると、連動して、レンズ位置調整機構11は前記レンズステージコントロールユニット31からの位置データに基づいて磁界型結像レンズ9の光軸上の位置を調整し、開口径調整機構18は前記視野制限絞りコントロールユニット33からの開口径データに基づいて視野制限絞り16の開口径を調整し、開口径調整機構19は前記角度制限絞りコントロールユニット34からの開口径データに基づいて角度制限絞り17の開口径を調整し、静電レンズ15には前記電源ユニット20からの印加電圧データに基づく電圧が印加され、磁界型結像レンズ9には前記電源ユニット20からの供給電流データに基づく電流が供給され、アナライザ14には前記電源ユニット20からの印加電圧データに基づく印加電圧が印加される。
【0036】
この結果、前記光電子分光装置は、前記磁界型結像レンズ9が傾斜した試料ステージ5に干渉せずに、高分解能で高感度の光電子が検出器20に検出出来る、いわゆる最適測定条件の状態となる。
【0037】
この状態において、X線源7からのX線が試料4に照射されると、該試料から光電子が放出され、該光電子は前記磁界型結像レンズ9によって視野制限絞り16上に集束され、該視野制限絞り16の開口K1,角度制限絞り17の開口K2を通過した光電子は静電レンズ15により減速及びアナライザ14の入射スリットS上に集束されて該アナライザ14に導かれる。
【0038】
該アナライザでエネルギー選別された光電子は検出器15で検出され、電気信号に変換されて出力される。
【0039】
前記制御装置21は、該出力信号に基づく光電子スペクトルを生成して表示装置22に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】従来の電子分光装置の一概略例を示したものである。
【図2】本発明の電子分光装置の一概略例を示したものである。
【符号の説明】
【0041】
1…分析室
2…排気装置
3…試料ホルダ
4…試料
5…試料ステージ
6…試料ステージ位置調整機構
7…光電子励起用X線源
8…X線源の電源
9…磁界型結像レンズ
10…レンズステージ
11…レンズステージ位置調整機構
12…電子分光器
13…インプットレンズ
14…アナライザ
15…検出器
16…視野制限絞り
17…角度制限絞り
18…開口径調整機構
19…開口径調整機構
20…電源ユニット
21…制御装置
22…表示装置
31…試料ステージコントロールユニット
32…レンズステージコントロールユニット
33…視野制限絞りコントロールユニット
34…角度制限絞りコントロールユニット
35…メモリ
S…入射スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析室内に試料ステージに支持されて配置された試料に電離放射線を照射する照射手段と、視野制限絞り,前記試料から放出された電子を減速及び集束させるレンズ,該減速及び集束された電子をエネルギーによって選別するアナライザ及び該アナライザで選別された電子を検出する検出器を備えた電子分光器と、前記試料の下方にレンズステージに支持されて配置され前記試料から放出された電子を前記視野制限絞りに結像させるための結像レンズと、前記試料ステージを少なくとも光軸に垂直な軸を回転軸として傾斜させることが出来る試料ステージ駆動機構と、前記レンズステージを少なくとも光軸方向に移動させることが出来るレンズステージ駆動機構と、前記視野制限絞りの開口径を変えることが出来る視野制限絞り開口径駆動機構と、前記各レンズの強度を変えることが出来るレンズ電源とを備えた電子分光装置において、前記試料ステージ駆動機構,レンズステージ駆動機構,視野制限絞り開口径駆動機構及びレンズ電源を制御する制御装置と、前記試料ステージの傾斜角度に対して前記結像レンズが該試料ステージに干渉しない位置,該結像レンズの位置に対する前記視野制限絞りの開口径及び前記各レンズの強度の情報が記憶される記憶手段とを設け、前記制御装置は、前記試料ステージを傾斜させた時に、前記記憶手段からその傾斜角度に応じた結像レンズの位置、及び、該結像レンズの位置に対して所定の分析が行える前記視野制限絞りの開口径,前記各レンズの強度の情報を呼び出し、該呼び出した情報に基づいて、前記レンズステージ駆動機構,視野制限絞り開口径駆動機構及びレンズ電源を制御する様に成した電子分光装置。
【請求項2】
分析室内に試料ステージに支持されて配置された試料に電離放射線を照射する照射手段と、視野制限絞り,角度制限絞り,前記試料から放出された電子を減速及び集束させるレンズ,該減速及び集束された電子をエネルギーによって選別するアナライザ及び該アナライザで選別された電子を検出する検出器を備えた電子分光器と、前記試料の下方にレンズステージに支持されて配置され前記試料から放出された電子を前記視野制限絞りに結像させるための結像レンズと、前記試料ステージを少なくとも光軸に垂直な軸を回転軸として傾斜させることが出来る試料ステージ駆動機構と、前記レンズステージを少なくとも光軸方向に移動させることが出来るレンズステージ駆動機構と、前記視野制限絞りの開口径を変えることが出来る視野制限絞り開口径駆動機構と、前記角度制限絞りの開口径を変えることが出来る角度制限絞り開口径駆動機構と、前記各レンズの強度を変えることが出来るレンズ電源とを備えた電子分光装置において、前記試料ステージ駆動機構,レンズステージ駆動機構,視野制限絞り開口径駆動機構,角度制限絞り開口径駆動機構及びレンズ電源を制御する制御装置と、前記試料ステージの傾斜角度に対して前記結像レンズが該試料ステージに干渉しない位置,該結像レンズの位置に対する前記視野制限絞りの開口径,前記角度制限絞りの開口径,及び、前記各レンズの強度の情報が記憶される記憶手段とを設け、前記制御装置は、前記試料ステージを傾斜させた時に、前記記憶手段からその傾斜角度に応じた結像レンズの位置、及び、該結像レンズの位置に対して所定の分析が行える前記視野制限絞りの開口径,前記角度制限絞りの開口径,前記各レンズの強度の情報を呼び出し、該呼び出した情報に基づいて、前記レンズステージ駆動機構,視野制限絞り開口径駆動機構,角度制限絞り開口径駆動機構及びレンズ電源を制御する様に成した電子分光装置。
【請求項3】
前記電離放射線はX線である前記請求項1若しくは2記載の電子分光装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−225407(P2007−225407A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−46175(P2006−46175)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000004271)日本電子株式会社 (811)
【Fターム(参考)】