説明

電子回路

【課題】低電源電圧を用いて高性能な電子回路を提供すること。
【解決手段】信号が入力される制御端子と第1端子と第2端子とを有する第1トランジスタT1と、第1トランジスタの第2端子が接続された制御端子と第1端子と第2端子とを有する第2トランジスタT2と、第2トランジスタの第2端子が接続された制御端子と第1端子と第2端子とを有する第3トランジスタT3と、第2および第3トランジスタの少なくとも一方における第1および第2端子間を経由し、経由したトランジスタよりも前段に位置するトランジスタの第2端子に直流電流を供給する第1直流経路31と、第2および第3トランジスタの少なくとも一方における第1および第2端子間を経由し、経由したトランジスタよりも前段に位置するトランジスタの第2端子に直流電流を供給する第1直流経路とは異なる第2直流経路32と、第1および第2直流経路の間を共通に接続する共通接続点N1と、を具備する電子回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子回路に関し、例えば、カレントリユース電子回路に関する。
【背景技術】
【0002】
複数段の電子回路において、後段のDC(直流)電流を前段のDC電流にも用いるカレントリユース電子回路が知られている。例えば、特許文献1には、カレントリユース電子回路を逓倍器に用いる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−35083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のカレントリユース電子回路は、2段のトランジスタにより構成される。例えば、電子回路の性能向上のため、カレントリユース電子回路を3段以上のトランジスタで構成しようとすると、1段当りの電圧を小さくするか、電源電圧を高くすることになる。しかしながら、1段当りの電圧を小さくすると、電子回路の性能が劣化する。また、電源電圧を高くするためには、高い電圧の電源を準備することになる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、低電源電圧を用いて高性能な電子回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、信号が入力される制御端子と、第1端子と、第2端子と、を有する第1トランジスタと、前記第1トランジスタの第2端子が接続された制御端子と、第1端子と、第2端子と、を有する第2トランジスタと、前記第2トランジスタの第2端子が接続された制御端子と、第1端子と、第2端子と、を有する第3トランジスタと、前記第2および第3トランジスタの少なくとも一方における前記第1および第2端子間を経由し、当該経由したトランジスタよりも前段に位置するトランジスタの第2端子に直流電流を供給する第1直流経路と、前記第2および第3トランジスタの少なくとも一方における前記第1および第2端子間を経由し、当該経由したトランジスタよりも前段に位置するトランジスタの第2端子に直流電流を供給する前記第1直流経路とは異なる第2直流経路と、前記第1および第2直流経路の間を共通に接続する共通接続点と、を具備することを特徴とする電子回路である。本発明によれば、低電源電圧を用いて高性能な電子回路を提供することができる。
【0007】
上記構成において、前記共通接続点は、前記第1トランジスタの第2端子に接続し、前記第1直流経路は、前記共通接続点と前記第3トランジスタの第1端子との間を接続する経路を含み、前記第2直流経路は、前記共通接続点と前記第2トランジスタの第1端子との間を接続する経路を含む構成とすることができる。この構成によれば、第2トランジスタと第3トランジスタとを直流的に並列接続させることができる。
【0008】
上記構成において、前記第1直流経路内に直列に接続された第1抵抗と、前記第2直流経路内に直列に接続された第2抵抗と、を具備する構成とすることができる。
【0009】
上記構成において、前記第1直流経路内には、第1分布定数線路が前記第1抵抗と直列に設けられ、前記第2直流経路内には、第2分布定数線路が前記第2抵抗と直列に設けられる構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記第2トランジスタの第2端子と第3トランジスタの制御端子との間に設けられたキャパシタと、一端が前記第1直流経路に接続され、他端が前記キャパシタと前記第3トランジスタの制御端子との間に接続されたバイアス経路と、を具備する構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記共通接続点は、前記第3トランジスタの第1端子に接続し、前記第1直流経路は、前記共通接続点と前記第2トランジスタの第2端子との間を接続する経路を含み、前記第2直流経路は、前記共通接続点と前記第1トランジスタの第2端子との間を接続する経路を含む構成とすることができる。この構成によれば、第1トランジスタと第2トランジスタとを直流的に並列接続させることができる。
【0012】
上記構成において、前記共通接続点と前記第2トランジスタの第2端子との間に接続された第1抵抗と、前記共通接続点と前記第1トランジスタの第2端子との間に接続された第2抵抗と、を具備する構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記共通接続点と前記第3トランジスタの第1端子との間に接続された第1抵抗を具備する構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記共通接続点と前記第2トランジスタの第2端子との間に接続された第1分布定数線路と、前記共通接続点と前記第1トランジスタの第2端子との間に接続された第2分布定数線路と、を具備する構成とすることができる。
【0015】
上記構成において、前記第1直流経路は、前記第3トランジスタの制御端子にバイアスを供給する構成とすることができる。
【0016】
上記構成において、前記第1トランジスタの第2端子と前記第2トランジスタの制御端子との間に接続されたキャパシタを具備し、前記第2直流経路は、前記キャパシタと前記第1トランジスタの前記第2端子との間を接続する経路を有し、前記キャパシタと前記第2トランジスタの制御端子との間には、前記第2電流経路とは前記キャパシタによって直流的に分離されたバイアスが供給されてなる構成とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、低電源電圧を用いて高性能な電子回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1(a)は、比較例1に係る電子回路の回路図であり、図1(b)は、比較例1に係る電子回路を直流的にみた回路図である。
【図2】図2(a)は、比較例2に係る電子回路の回路図であり、図2(b)は、比較例2に係る電子回路を直流的にみた回路図である。
【図3】図3(a)は、実施例1に係る電子回路の回路図であり、図3(b)は、実施例1に係る電子回路を直流的にみた回路図である。
【図4】図4は、実施例1に係る電子回路の周波数に対する利得をシミュレーションした結果である。
【図5】図5(a)は、実施例2に係る電子回路の回路図であり、図5(b)は、実施例2に係る電子回路を直流的にみた回路図である。
【図6】図6は、実施例2の変形例に係る電子回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
まず、比較例を用いカレントリユース増幅回路について説明する。図1(a)は、比較例1に係る電子回路の回路図であり、図1(b)は、比較例1に係る電子回路を直流的にみた回路図である。図1(a)を参照し、電子回路55は第1トランジスタT1および第2トランジスタT2を有する2段増幅回路である。第1トランジスタT1および第2トランジスタT2としてFET(Field Effect Transistor)の場合を例に説明する。
【0020】
電子回路55の入力端子Tinは第1トランジスタT1のゲートG1(制御端子)に接続されている。第1トランジスタT1のソースS1(第1端子)はキャパシタC1と抵抗R5とを介し接地されている。キャパシタC1と抵抗R5とは並列に接続されている。キャパシタC1は、ソースS1を高周波的に接地する。抵抗R5は、ソースS1を直流的に接地する。また、ソースS1の電位を定める。これにより、ソースS1が直流的かつ高周波的に接地される。第1トランジスタT1のドレインD1(第2端子)は分布定数線路L1およびL5を介し第2トランジスタT2のゲートG2(制御端子)に接続されている。
【0021】
第2トランジスタT2のソースS2(第1端子)はキャパシタC2を介し接地されている。キャパシタC2は、ソースS2を高周波的に接地するが、直流的には接地させない。分布定数線路L1とL5との間のノードN1と、ソースS2と、の間に分布定数線路L2と第1抵抗R1とが直列に接続されている。分布定数線路L1、L2およびL5は、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間のインピーダンスを整合させる。第1抵抗R1は、ソースS2とゲートG2との間に電位差を設け、ゲートG2に加わる電位を定める。さらに、第1抵抗R1は、1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間のインピーダンスを整合させる際に、抵抗整合的に機能する。第1抵抗R1はノードN1と分布定数線路L2との間に接続されていてもよい。第2トランジスタT2のドレインD2(第2端子)は、出力端子Toutに接続される。また。第2トランジスタT2のドレインD2には、スタブ等のチョークインダクタを介し直流電圧VDDが供給される。
【0022】
入力端子Tinから入力した信号は、第1トランジスタT1のゲートG1に入力され第1トランジスタT1により増幅され、ドレインD1より出力される。第1トランジスタT1により増幅された信号は、第2トランジスタT2のゲートG2に入力され第2トランジスタT2により増幅され、ドレインD2より出力端子Toutにされる。
【0023】
キャパシタC2により、第2トランジスタT2のソースS2は直流的には接地されていない。このため、図1(b)のように、直流電圧VDDを印加する電源からの直流電流は、第2トランジスタT2のドレインD2、ソースS2、第1抵抗R1、ノードN1、第1トランジスタT1のドレインD1、ソースS1および抵抗R5から構成される直流経路30(図1(a)参照)を流れる。これにより、直流電圧VDDは第1トランジスタT1と第2トランジスタT2とに直列に印加され、直流電圧VDDを印加する電源からの電流は第1トランジスタT1と第2トランジスタT2を流れる。
【0024】
このように、図1(a)において、高周波信号(電子回路55が増幅器として機能する周波数の信号)は第1トランジスタT1のドレインD1から第2トランジスタT2のゲートG2に高周波経路20を介し伝搬する。直流電流は、第2トランジスタT2のソースS2から第1トランジスタT1のドレインD1に直流経路30を介して流れる。このように、第2トランジスタT2のソースS2とドレインD2とに高周波経路20とは少なくとも一部が異なる直流経路30により直流電圧が印加される。
【0025】
これにより、各段のトランジスタに独立に電流を流す増幅回路に比べ、消費電流を削減することができる。例えば、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2とのゲート幅を同じとし、抵抗R1とR2の抵抗値を同じとすることにより、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2には同じ電圧が印加される。カレントリユース増幅回路は、利得が大きくかつ小型化できる。
【0026】
比較例1のようなカレントリユース回路の性能を向上させる方法として、トランジスタの段数を増やすことがある。例えば、増幅回路の利得を向上させる場合、増幅回路のトランジスタを2段から3段にする。比較例2は、トランジスタを3段とした場合のカレントリユース回路である。
【0027】
図2(a)は、比較例2に係る電子回路の回路図であり、図2(b)は、比較例2に係る電子回路を直流的にみた回路図である。図2(a)のように、電子回路56において、第2トランジスタT2のドレインD2は分布定数線路L4およびL6を介し第3トランジスタT3のゲートG3(制御端子)に接続されている。
【0028】
第3トランジスタT3のソースS3(第1端子)はキャパシタC3を介し接地されている。キャパシタC3は、ソースS2を高周波的に接地するが、直流的には接地させない。分布定数線路L4とL6との間のノードN2と、ソースS3と、の間に分布定数線路L3と第2抵抗R2とが直列に接続されている。分布定数線路L3、L4およびL6は、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3との間のインピーダンスを整合させる。第2抵抗R2は、ソースS3とゲートG3との間に電位差を設け、ゲートG3に加わる電位を定める。第3トランジスタT3のドレインD3は、出力端子Toutに接続される。第3トランジスタT3のドレインD3には、スタブ等のチョークインダクタを介し直流電圧VDDが供給される。その他の構成は、図1(a)と同じであり説明を省略する。
【0029】
図2(b)のように、直流電圧VDDを印加する電源からの直流電流は、第3トランジスタT3のドレインD3、ソースS3、第2抵抗R2、ノードN2、第2トランジスタT2のドレインD2、ソースS2、第1抵抗R1、ノードN1、第1トランジスタT1のドレインD1、ソースS1および抵抗R5を介し流れる。これにより、直流電圧VDDは第1トランジスタT1から第3トランジスタT3に直列に印加され、直流電源VDDを印加する電源から供給される電流は第1トランジスタT1から第3トランジスタT3を流れる。
【0030】
比較例2によれば、比較例1と同じ直流電圧VDDを印加すると、トランジスタ1段当たりの電圧が小さくなる。よって、電子回路56の性能は向上しない。例えば利得が向上しない。一方、性能を向上させるため、トランジスタ1段あたりの電圧を比較例1と同じとすると、直流電圧VDDは比較例1の1.5倍となる。この場合高い電源を準備することとなる。以下に、低電源電圧を用い、かつ高性能な電子回路を提供することができる実施例について説明する。
【実施例1】
【0031】
図3(a)は、実施例1に係る電子回路の回路図であり、図3(b)は、実施例1に係る電子回路を直流的にみた回路図である。電子回路50において、第2トランジスタT2のドレインD2と第3トランジスタT3のゲートG3との間に、分布定数線路L4、キャパシタC5および分布定数線路L6が直列に接続されている。分布定数線路L4とキャパシタC5との間のノードN2は分布定数線路L7とキャパシタC4を介し接地される。分布定数線路L7と直流カット用キャパシタC4との間のノードにはスタブ等のチョークインダクタを介し直流電圧VDDが供給される。ノードN1とソースS3との間に分布定数線路L3と第2抵抗R2が直列に接続されている。分布定数線路L3と第2抵抗R2との間の第3ノードN3と、キャパシタC5と分布定数線路L6とのノードと、の間には分布定数線路L8が接続されている。分布定数線路L4、L6、L7およびL8、キャパシタC5は、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3との間のインピーダンスを整合させる。また、キャパシタC5は、高周波信号を通過させ、直流電流を遮断する。
【0032】
第3トランジスタT3のソースS3はキャパシタC3を介し接地されている。キャパシタC3は、ソースS3を高周波的に接地するが、直流的には接地させない。また、第3トランジスタT3のゲートG3と第3トランジスタT3のソースS3との間には、分布定数線路L6と分布定数線路L8と第2抵抗R2とが直列に接続されている。分布定数線路L3と分布定数線路L8とは、ノードN3で並列に接続されている。第2抵抗R2は、ソースS3とゲートG3との間に電位差を設け、ゲートG3に加わる電位を定める。ノードN1と分布定数線路L3との間および分布定数線路L6と分布定数線路L8との間にそれぞれ第2抵抗R2と同じ抵抗値の抵抗を接続してもよい。第3トランジスタT3のドレインD3には、スタブ等のチョークインダクタを介し直流電圧VDDが供給される。その他の構成は、図1(a)と同じであり説明を省略する。
【0033】
入力端子Tinから入力した信号は、第1トランジスタT1のゲートG1に入力され第1トランジスタT1により増幅され、ドレインD1より出力される。第1トランジスタT1により増幅された信号は、第2トランジスタT2のゲートG2に入力され第2トランジスタT2により増幅され、ドレインD2より出力される。第2トランジスタT2により増幅された信号は、第3トランジスタT3のゲートG3に入力され第3トランジスタT3により増幅され、ドレインD3より出力端子Toutにされる。このように、電子回路50は、3段増幅回路として機能する。
【0034】
一方、図3(b)のように、直流電圧VDDを印加する電源からの直流電流は、第2トランジスタT2のドレインD2、ソースS2、第1抵抗R1、ノードN1、第1トランジスタT1のドレインD1、ソースS1および抵抗R5から構成される第1直流経路31(図3(a)参照)を介し流れる。さらに、直流電圧VDDを印加する電源からの直流電流は、第3トランジスタT3のドレインD3、ソースS3、第2抵抗R2、ノードN1、第1トランジスタT1のドレインD1、ソースS1および抵抗R5から構成される第2直流経路32(図3(a)参照)を介し流れる。これにより、直流電圧VDDは、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2とに直列に印加され、さらに第1トランジスタT1と第3トランジスタT3とに直列に印加される。ノードN1は、第1直流経路31と第2直流経路32の共通接続点である。このように、共通接続点があるため、第1直流経路31と第2直流経路32とが並列に接続することができる。よって、直流電圧VDDの電圧を下げることができる。
【0035】
実施例1によれば、図3(a)において、第2トランジスタT2のゲートG2と第1トランジスタT1のドレインD1とが第1高周波経路21により高周波的に接続し、高周波信号は第1トランジスタT1のドレインD1から第2トランジスタT2のゲートG2に第1高周波経路21を介し伝搬する。直流電流は、第2トランジスタT2のソースS2から第1トランジスタT1のドレインD1に第1直流経路31を介して流れる。このように、第2トランジスタT2のソースS2とドレインD2とに第1高周波経路21とは少なくとも一部が異なる第1直流経路31により直流電圧が印加される。さらに、第3トランジスタT3のゲートG3と第2トランジスタT2のドレインD2とが第2高周波経路22により高周波的に接続し、高周波信号は第2トランジスタT2のドレインD2から第3トランジスタT3のゲートG3に第2高周波経路22を介し伝搬する。直流電流は、第3トランジスタT3のソースS3から第1トランジスタT1のドレインD1に第2直流経路32を介して流れる。このように、第3トランジスタT3のソースS3とドレインD3とに第1高周波経路21、第2高周波経路22および第1直流経路31とは少なくとも一部が異なる第2直流経路32により直流電圧が印加される。
【0036】
第1直流経路31は、第2および第3トランジスタの少なくとも一方(例えば、第2トランジスタT2)におけるソースS2およびドレインD2間を経由し、経由したトランジスタ(例えば第2トランジスタT2)よりも前段に位置するトランジスタ(例えば第1トランジスタT1)のドレインD1に直流電流を供給する。第2直流経路32は、第2および第3トランジスタの少なくとも一方(例えば、第3トランジスタT3)におけるソースS3およびドレインD3間を経由し、経由したトランジスタ(例えば第3トランジスタT3)よりも前段に位置するトランジスタ(例えば第1トランジスタT1)のドレインD1に直流電流を供給する。第2直流経路32は、第1直流経路31とは異なる。さらに、共通接続点(ノードN1)は、第1直流経路31と第2直流経路32との間を共通に接続する。
【0037】
以上により、直流的には電源とグランドとの間にトランジスタが2段接続されている。よって、直流電圧VDDは比較例1と同じで、トランジスタ3段による増幅が可能となり、低電源電圧を用いても高性能となる。
【0038】
また、実施例1によれば、第1高周波経路21内のノードN1と第2トランジスタT2のソースS2との間が第1直流経路31により接続される。ノードN1と第3トランジスタT3のソースS3との間が第2直流経路32により接続される。第2トランジスタT2のドレインD2と第3トランジスタT3のゲートG3とは直流的には接続されていない。第2トランジスタT2のソースS2は直流的に接地されず高周波的に接地され、第2トランジスタのドレインD2に直流電圧VDDが供給される。第3トランジスタT3のソースS3は直流的に接地されず高周波的に接地され、第3トランジスタT3のドレインD3に直流電圧VDDが供給される。
【0039】
共通接続点(ノードN1)は、第1トランジスタT1のドレインD1に接続する。第1直流経路31は、共通接続点(ノードN1)と第3トランジスタT3のソースS3との間を接続する経路を含む。第2直流経路32は、共通接続点(ノードN1)と第2トランジスタT2のソースS2との間を接続する経路を含む。
【0040】
これにより、直流的には第2トランジスタT2と第3トランジスタT3とは並列に接続される。高周波的にはトランジスタ3段が接続される。これにより、第1トランジスタT1には、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3とを流れた電流が流れるため、第1トランジスタT1のゲート幅は第2トランジスタT2および第3トランジスタT3より大きくなる。よって、初段の第1トランジスタT1のゲート幅が大きくなるため雑音指数(NF)を小さくすることができる。
【0041】
例えば、各トランジスタに同じ電圧を印加するためには、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3とのゲート幅を同じとし、第1トランジスタT1のゲート幅を第2トランジスタT2と第3トランジスタT3とのゲート幅の2倍とする。抵抗R1とR2との抵抗値を同じとし、抵抗R5の抵抗値を抵抗R1とR2との1/2とすることができる。
【0042】
さらに、実施例1によれば、第1抵抗R1が第1直流経路31内に直列に接続され、第2抵抗R2が第2直流経路32内に接続される。また、第2トランジスタT2のゲートG2に所定の電位が定まるように、第1抵抗R1は、第2トランジスタT2のソースS2と第2トランジスタT2のゲートG2との間に電位差を定める。第2抵抗R2は、第3トランジスタT3のソースS3と第3トランジスタT3のゲートG3との間に電位差を設け、第3トランジスタT3のゲートG3に加わる電位を定める。これにより、各トランジスタの電位を定めることができる。
【0043】
さらに、実施例1によれば、分布定数線路L1は、一端が第1トランジスタT1のドレインD1に、他端がノードN1に接続される。分布定数線路L2がノードN1と第2トランジスタT2のソースS2との間に、第1抵抗R1と直列に接続される。分布定数線路L3がノードN1と第3トランジスタT3のソースS3との間に、第2抵抗R2と直列に接続される。つまり、第1直流経路31内には、分布定数線路L1(第1分布定数線路)が第1抵抗R1と直列に設けられる。第2直流経路32内には、分布定数線路L2(第2分布定数線路)が第2抵抗R2と直列に設けられる。
【0044】
分布定数線路L4は、一端が第2トランジスタT2のドレインD2に、他端がノードN2に接続される。分布定数線路L6は、一端が第3トランジスタT3のゲートに、他端がキャパシタC5を介してノードN2に接続される。分布定数線路L7は、一端がノードN2に他端が直流電圧VDDに接続される。分布定数線路L8は、キャパシタC5と分布定数線路L6との間のノードと、第3トランジスタT3のソースS3と、の間に、第2抵抗R2と直列に接続される。
【0045】
分布定数線路L1と分布定数線路L5とは、第1トランジスタT1のドレインD1と第2トランジスタT2のゲートG2との間のインピーダンスを整合させる。分布定数線路L2と分布定数線路L3とは、それぞれ第1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間のオープンスタブとして機能することにより、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間のインピーダンスを整合させる。
【0046】
また、分布定数線路L4と分布定数線路L6とキャパシタC5とは、第2トランジスタT2のドレインD2と第3トランジスタT3のゲートG3との間のインピーダンスを整合させる。分布定数線路L7と分布定数線路L8とは、それぞれ第2トランジスタT2と第3トランジスタT3との間のオープンスタブとして機能することにより、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3との間のインピーダンスを整合させる。
【0047】
これにより、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間、および、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3との間のインピーダンスを整合させることができる。
【0048】
キャパシタC5が、第2トランジスタT2のドレインD2と第3トランジスタT3のゲートG3の間に設けられている。バイアス経路は、一端が第1直流経路31に接続され、他端がキャパシタC5と第3トランジスタT3のゲートG3との間に接続されている。キャパシタC5により、第2トランジスタT2のドレインD2と第3トランジスタT3のゲートG3とは直流的に分離される。第3トランジスタT3のゲートG3には、バイアス経路を介し、第1直流経路31より直流電圧が供給される。
【0049】
図4は、実施例1に係る電子回路の周波数に対する利得をシミュレーションした結果である。トランジスタT1からT3としては、ゲート長が0.1μm、電子供給層がAlGaAs、電子走行層がGaAsのHEMT(High Electron Mobility Transistor)とした。各トランジスタのゲート幅W、各抵抗の抵抗値、各キャパシタの容量値および各分布定数線路の寸法(長さLおよび幅W)は表1とした。なお、分布定数回路は基板を膜厚が250μmのGaAsとした。直流電圧VDDは5Vとした。
【表1】

【0050】
図4のように、実施例1においは、周波数が17GHzから31GHzにおける利得(S21)が20dBを越えている。例えば、周波数が24GHzのとき利得は21.5dBであり、30GHzのとき利得は20.6dBである。同じトランジスタを用い、比較例1の構成でシミュレーションしたところ、利得は最大でも15dBであった。このように、実施例1によれば、比較例1に比べ利得を向上させることができる。
【実施例2】
【0051】
図5(a)は、実施例2に係る電子回路の回路図であり、図5(b)は、実施例2に係る電子回路を直流的にみた回路図である。電子回路52において、第1トランジスタT1のドレインD1と第2トランジスタT2のゲートG2との間に、分布定数線路L1、キャパシタC6および分布定数線路L5が直列に接続されている。キャパシタC6と分布定数線路L5との間のノードは抵抗R7を介し接地される。分布定数線路L2と第1抵抗R1との間のノードN4と、分布定数線路L4と分布定数線路L6との間のノードN2と、の間に分布定数線路L3が接続されている。なお、図5(b)においては、抵抗R7は直流的に接地される。分布定数線路L1、L2およびL5、キャパシタC6は、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間のインピーダンスを整合させる。また、キャパシタC6は高周波信号を通過させ、直流電流を遮断する。第2トランジスタT2のソースS2は抵抗R6およびキャパシタC2を介し接地されている。ソースS2は、高周波的かつ直流的に接地される。
【0052】
第2トランジスタT2のドレインD2と第3トランジスタT3のゲートG3との間に、分布定数線路L4および分布定数線路L6が直列に接続されている。分布定数線路L3、L4およびL6は、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3との間のインピーダンスを整合させる。第3トランジスタT3のソースS3はキャパシタC3を介し接地されている。キャパシタC3は、ソースS3を高周波的に接地するが、直流的には接地させない。
【0053】
分布定数線路L1とキャパシタC6との間のノードN1と、第3トランジスタT3のソースS3とは、分布定数線路L2と第1抵抗R1とが直列に接続されている。分布定数線路L4と分布定数線路L6との間のノードN2と、第3トランジスタT3のソースS3とは、分布定数線路L3と第1抵抗R1とが直列に接続されている。分布定数線路L2と分布定数線路L3とは、ノードN4で並列に接続されている。ノードN1と分布定数線路L2との間およびノードN2と分布定数線路L3との間にそれぞれ第1抵抗R1と同じ抵抗値の抵抗を接続していてもよい。第3トランジスタT3のドレインD3には、スタブ等のチョークインダクタを介し直流電圧VDDが供給される。その他の構成は、図1(a)と同じであり説明を省略する。
【0054】
入力端子Tinから入力した信号は、第1トランジスタT1のゲートG1に入力され第1トランジスタT1により増幅され、ドレインD1より出力される。第1トランジスタT1により増幅された信号は、第2トランジスタT2のゲートG2に入力され第2トランジスタT2により増幅され、ドレインD2より出力される。第2トランジスタT2により増幅された信号は、第3トランジスタT3のゲートG3に入力され第3トランジスタT3により増幅され、ドレインD3より出力端子Toutにされる。このように、電子回路52は、3段増幅回路として機能する。
【0055】
一方、図5(b)のように、直流電圧VDDを印加する電源からの直流電流は、第3トランジスタT3のドレインD3、ソースS3、第1抵抗R1、第1トランジスタT1のドレインD1、ソースS1および抵抗R5から構成される第2直流経路32(図5(a)参照)を介し流れる。さらに、直流電圧VDDを印加する電源からの直流電流は、第3トランジスタT3のドレインD3、ソースS3、第1抵抗R1、第2トランジスタT2のドレインD2、ソースS2および抵抗R6から構成される第1直流経路31(図5(a)参照)を介し流れる。これにより、直流電圧VDDは、第1トランジスタT1と第3トランジスタT3とに直列に印加され、かつ第2トランジスタT2と第3トランジスタT3とに直列に印加される。ノードN4は、第1直流経路31と第2直流経路32の共通接続点である。このように、共通接続点があるため、第1直流経路31と第2直流経路32が並列に接続することができる。よって、直流電圧VDDの電圧を下げることができる。
【0056】
実施例2によれば、図5(a)において、第2トランジスタT2のゲートG2と第1トランジスタT1のドレインD1とが第1高周波経路21により高周波的に接続し、高周波信号は第1トランジスタT1のドレインD1から第2トランジスタT2のゲートG2に第1高周波経路21を介し伝搬する。直流電流は、第3トランジスタT3のソースS3から第2トランジスタT2のドレインD2に第1直流経路31を介して流れる。このように、第2トランジスタT2のソースS2とドレインD2とに第1高周波経路21とは少なくとも一部が異なる第1直流経路31により直流電圧が印加される。さらに、第3トランジスタT3のゲートG3と第2トランジスタT2のドレインD2とが第2高周波経路22により高周波的に接続し、高周波信号は第2トランジスタT2のドレインD2から第3トランジスタT3のゲートG3に第2高周波経路22を介し伝搬する。直流電流は、第3トランジスタT3のソースS3から第1トランジスタT1のドレインD1に第2直流経路32を介して流れる。
【0057】
このように、第3トランジスタT3のソースS3とドレインD3とに第1高周波経路21、第2高周波経路22および第1直流経路31とは少なくとも一部が異なる第2直流経路32により直流電圧が印加される。
【0058】
第1直流経路31は、第2および第3トランジスタの少なくとも一方(例えば第3トランジスタT3)におけるソースS3およびドレインD3間を経由し、経由したトランジスタよりも前段に位置するトランジスタの(例えば第2トランジスタT2)のドレインD2第2端子に直流電流を供給する。第2直流経路32は、第2および第3トランジスタの少なくとも一方(例えば第3トランジシタT3)におけるソースS3およびドレインD3間を経由し、経由したトランジスタよりも前段に位置するトランジスタ(例えば第1トランジスタT1)のドレインD1に直流電流を供給する。さらに、共通接続点(ノードN4)が第1直流経路31と第2直流経路32との間を共通に接続する。
【0059】
以上により、直流的には電源とグランドとの間にトランジスタが2段接続されている。よって、直流電圧VDDは比較例1と同じで、トランジスタ3段による増幅が可能となり、低電源電圧を用いても高利得となる。
【0060】
さらに、実施例2によれば、第1高周波経路21内のノードN1と第3トランジスタT3のソースS3との間が第2直流経路32により接続される。第2高周波経路22内のノードN2と第3トランジスタT3のソースS3との間が第1直流経路31により接続される。第1トランジスタT1のドレインD1と第2トランジスタT2のゲートG2とは直流的には接続されていない。第2トランジスタT2のソースS2は直流的かつ高周波的に接地され、第3トランジスタT3のソースS1は直流的に接地されず高周波的に接地される。第3トランジスタT3のドレインD3に直流電圧VDDが供給される。
【0061】
共通接続点(ノードN4)は、第3トランジスタT3のソースS3に接続する。第1直流経路31は、共通接続点(ノードN4)と第2トランジスタT2のドレインD2との間を接続する経路を含む。第2直流経路32は、共通接続点(ノードN4)と第1トランジスタT1のドレインとの間を接続する経路を含む。
【0062】
これにより、直流的には第1トランジスタT1と第2トランジスタT2とは並列に接続される。これにより、高周波的にはトランジスタ3段が接続される。これにより、第3トランジスタT3には、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2とを流れた電流が流れるため、第3トランジスタT3のゲート幅は第1トランジスタT1および第2トランジスタT2より大きくなる。よって、最終段の第3トランジスタT3のゲート幅が大きくなるため高出力かつ低歪みとすることができる。
【0063】
例えば、各トランジスタに同じ電圧を印加するためには、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2とのゲート幅を同じとし、第3トランジスタT3のゲート幅を第1トランジスタT1と第2トランジスタT2とのゲート幅の2倍とする。抵抗R5とR6との抵抗値を同じとし、第1抵抗R1の抵抗値を抵抗R5とR6との1/2とすることができる。
【0064】
さらに、第1抵抗R1が共通接続点(ノードN4)と第3トランジスタT3のソースS3との間に接続されている。これにより、各トランジスタの電位を定めることができる。
【0065】
さらに、分布定数線路L1の一端が第1トランジスタT1のドレインD1に、他端がノードN1に接続される。分布定数線路L2がノードN1と第3トランジスタT3のソースS3との間に、抵抗R1(第2抵抗)と直列に接続される。分布定数線路L2(第2分布定数線路)は、ノードN4と第1トランジスタT1のドレインD1との間に接続されている。分布定数線路L5は、一端が第2トランジスタT2のゲートG2に、他端がキャパシタC6を介してノードN1に接続される。分布定数線路L3がノードN2と第3トランジスタT3のソースS3との間に、第1抵抗R1と直列に接続される。分布定数線路L3(第1分布定数線路)は、ノードN4と第2トランジスタT2のドレインD2との間に接続されている。分布定数線路L4の一端が第2トランジスタT2のドレインD2に、他端がノードN2に接続される。分布定数線路L6は、一端が第3トランジスタT3のゲートG3に、他端がノードN2に接続される。
【0066】
分布定数線路L1とキャパシタC6と分布定数線路L5とは、第1トランジスタT1のドレインD1と第2トランジスタT2のゲートG2との間のインピーダンスを整合させる。分布定数線路L2は、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間のオープンスタブとして機能することにより、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間のインピーダンスを整合させる。
【0067】
また、分布定数線路L4と分布定数線路L6とは、第2トランジスタT2のドレインD2と第3トランジスタT3のゲートG3との間のインピーダンスを整合させる。分布定数線路L3は、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3の間のオープンスタブとして機能することにより、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3の間のインピーダンスを整合させる。これにより、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2との間、および、第2トランジスタT2と第3トランジスタT3との間のインピーダンスを整合させることができる。
【0068】
さらに、第1直流経路31は、第3トランジスタT3のゲートG3に直流バイアスを供給する。このように、第3トランジスタT3のゲートG3には、第1直流経路31より直流電圧を印加できる。
【0069】
一方、第1トランジスタT1のドレインD1と第2トランジスタT2のゲートG2との間にキャパシタC6が接続されており、第2直流経路32は、キャパシタC6と第1トランジスタT1のドレインD1との間を接続する経路を有している。キャパシタC6と第2トランジスタT2のゲートG2との間には、第2電流経路32とはキャパシタC6によって直流的に分離されたバイアスが供給されている。これにより、第2トランジスタT2のゲートG2に、直流電圧を印加することができる。
【0070】
図6は、実施例2の変形例に係る電子回路の回路図である。図6のように、第1抵抗R1がノードN4と分布定数線路L3との間に接続されている。また、第2抵抗R2がノードN4と分布定数線路L2との間に接続されている。ノードN4とソースS3との間に抵抗は接続されていない。その他の構成は実施例2の図5(a)と同じであり、説明を省略する。このように、第1抵抗R1が、ノードN4と第2トランジスタT2のドレインD2との間に接続されていてもよい。また、第2抵抗R2が、ノードN4と第1トランジスタT1のドレインD1との間に接続されていてもよい。これにより、各トランジスタの電位を定めることができる。なお、第1抵抗R1は、ノードN2とノードN4との間に接続されていればよく、第2抵抗R2は、ノードN1とノードN4との間に接続されていればよい。
【0071】
実施例1および実施例2において、第1トランジスタT1から第3トランジスタT3としてFET(Field Effect Transistor)の例を説明したが、第1トランジスタT1から第3トランジスタT3はバイポーラトランジスタでもよい。この場合、エミッタが第1端子、コレクタが第2端子、ベースが制御端子に対応する。また、分布定数線路は、インダクタ等のインダクタンス素子でもよい。実施例1および2は、3つのトランジスタを用いた例であったが、4以上のトランジスタを用いてもよい。さらに、電子回路として増幅回路を例に説明したが、増幅回路以外の電子回路でもよい。
【0072】
実施例1および実施例2において、高周波的に接続とは、例えば、電子回路が機能する周波数帯域を少なくとも含む周波数の信号が接続することである。直流的に接続とは、例えば電子回路が機能する周波数帯域より十分に低周波の信号が接続することである。
【0073】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
21 第1信号線路
22 第2信号線路
31 第1直流線路
32 第2直流線路
L1、L2 分布定数線路
N1、N4 ノード
T1 第1トランジスタ
T2 第2トランジスタ
T3 第3トランジスタ
R1 第1抵抗
R2 第2抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号が入力される制御端子と、第1端子と、第2端子と、を有する第1トランジスタと、
前記第1トランジスタの第2端子が接続された制御端子と、第1端子と、第2端子と、を有する第2トランジスタと、
前記第2トランジスタの第2端子が接続された制御端子と、第1端子と、第2端子と、を有する第3トランジスタと、
前記第2および第3トランジスタの少なくとも一方における前記第1および第2端子間を経由し、当該経由したトランジスタよりも前段に位置するトランジスタの第2端子に直流電流を供給する第1直流経路と、
前記第2および第3トランジスタの少なくとも一方における前記第1および第2端子間を経由し、当該経由したトランジスタよりも前段に位置するトランジスタの第2端子に直流電流を供給する前記第1直流経路とは異なる第2直流経路と、
前記第1および第2直流経路の間を共通に接続する共通接続点と、
を具備することを特徴とする電子回路。
【請求項2】
前記共通接続点は、前記第1トランジスタの第2端子に接続し、
前記第1直流経路は、前記共通接続点と前記第3トランジスタの第1端子との間を接続する経路を含み、
前記第2直流経路は、前記共通接続点と前記第2トランジスタの第1端子との間を接続する経路を含むことを特徴とする請求項1記載の電子回路。
【請求項3】
前記第1直流経路内に直列に接続された第1抵抗と、
前記第2直流経路内に直列に接続された第2抵抗と、
を具備することを特徴とする請求項2記載の電子回路。
【請求項4】
前記第1直流経路内には、第1分布定数線路が前記第1抵抗と直列に設けられ、
前記第2直流経路内には、第2分布定数線路が前記第2抵抗と直列に設けられることを特徴とする請求項3に記載の電子回路。
【請求項5】
前記第2トランジスタの第2端子と第3トランジスタの制御端子との間に設けられたキャパシタと、
一端が前記第1直流経路に接続され、他端が前記キャパシタと前記第3トランジスタの制御端子との間に接続されたバイアス経路と、
を具備することを特徴とする請求項2に記載の電子回路。
【請求項6】
前記共通接続点は、前記第3トランジスタの第1端子に接続し、
前記第1直流経路は、前記共通接続点と前記第2トランジスタの第2端子との間を接続する経路を含み、
前記第2直流経路は、前記共通接続点と前記第1トランジスタの第2端子との間を接続する経路を含むことを特徴とする請求項1記載の電子回路。
【請求項7】
前記共通接続点と前記第2トランジスタの第2端子との間に接続された第1抵抗と、
前記共通接続点と前記第1トランジスタの第2端子との間に接続された第2抵抗と、
を具備することを特徴とする請求項6記載の電子回路。
【請求項8】
前記共通接続点と前記第3トランジスタの第1端子との間に接続された第1抵抗を具備することを特徴とする請求項6記載の電子回路。
【請求項9】
前記共通接続点と前記第2トランジスタの第2端子との間に接続された第1分布定数線路と、
前記共通接続点と前記第1トランジスタの第2端子との間に接続された第2分布定数線路と、
を具備することを特徴とする請求項7または8記載の電子回路。
【請求項10】
前記第1直流経路は、前記第3トランジスタの制御端子にバイアスを供給することを特徴とする請求項7または8記載の電子回路。
【請求項11】
前記第1トランジスタの第2端子と前記第2トランジスタの制御端子との間に接続されたキャパシタを具備し、
前記第2直流経路は、前記キャパシタと前記第1トランジスタの前記第2端子との間を接続する経路を有し、
前記キャパシタと前記第2トランジスタの制御端子との間には、前記第2電流経路とは前記キャパシタによって直流的に分離されたバイアスが供給されてなることを特徴とする請求項6記載の電子回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−70282(P2012−70282A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214471(P2010−214471)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(000154325)住友電工デバイス・イノベーション株式会社 (291)
【Fターム(参考)】