説明

電子書籍ビューアを用いたビデオ会議

【課題】改良型の電子書籍ビューワ及び/又は電子書籍配送システムを用いて、会議コール、好ましくはビデオ会議コールを実行する。
【解決手段】電子書籍ビューワは、メモリと、ビデオ・ディスプレイと、スピーカと、マイクロフォンと、送信機と、受信機とを備えている。電子書籍を表すデータは、メモリに記憶しビデオ・ディスプレイ上に表示できる。送信機はマイクロフォンに接続され、スピーカは受信機に接続されている。送信機と受信機とは、会議コールを提供するのに十分な帯域幅を有する。電子書籍ビューワは、更にプロセッサと、会議コール・ソフトウェアとを備えている。プロセッサは、他の構成要素に接続されており、会議コール・ソフトウェアがプロセッサ上で動作し、電子書籍ビューワが会議コールに利用されることが可能になる。会議コールは、電子書籍ビューワによって受信されビデオ・ディスプレイ上に表示されるビデオを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、同じ譲受人に譲渡され同時出願中である次の(1)ないし(4)の米国出願の一部継続出願である。すなわち、(1)発明の名称が"Electronic Book Alternative Delivery Systems"であり、1999年4月13日に出願された米国特許出願第09/289,957号、(2)発明の名称が"Electronic Book Alternative Delivery Methods"であり、1999年4月13日に出願された米国特許出願第09/289,956号、(3)発明の名称が"Electronic Book with Information Manipulation Features"であり、1999年6月17日に出願された米国特許出願第09/335,268号及び(4)発明の名称が"Electronic Book with Voice Emulation Features"であり、1999年6月25日に出願された米国特許出願第09/344,499号である。そして、以上の出願は、それぞれが、とりわけ、発明の名称が"Electronic Book Selection and Delivery System"であり、1994年11月7日に出願された米国特許出願第08/336,247号の一部継続出願である。この最後の出願は、(a)発明の名称が"Television Program Packaging and Delivery System with Menu Driven Subscriber Access"であり、1992年12月9日に出願された米国特許出願第07/991,074号と、(b)発明の名称が"Advanced Set Top Terminal for Cable Television Delivery Systems"であり、1993年12月2日に出願された米国特許出願第08/160,194号との一部継続出願である。以上に掲げた米国特許出願は、すべて、本出願において援用する。
【0002】
本発明は、電子書籍ビューワに関する。更に詳しくは、本発明は、会議コール機能とそれに関連する通信システム及びプロセスとを備えた電子書籍ビューワに関する。
【背景技術】
【0003】
情報スーパーハイウェイの構想に示唆を受け、書籍の分配に革命が生じる。グーテンベルグによる可動なタイプセット印刷の発明以来、世界は、テキスト・マテリアルの分配においてこのような革命のきわに立ったことはない。「書籍」(book)という語の定義は、近い将来、劇的に変化するであろう。セキュリティ、便利さ、コスト、そしてそれ以外の技術的な問題などの理由により、書籍及び雑誌出版社は、現在、紙の形式でしか、その製品を分配することができない。しかし、本発明による電子書籍システムによれば、出版社が直面している問題を解決ことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電子書籍配送システムに対する改良である。更に詳しくは、本発明は、強化された電子書籍ビューワ及び/又は電子書籍配送システムを用いて、会議コールを(好ましくはビデオ会議コールを)実行する能力を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、会議コールにおいて用いることができる電子書籍ビューワを提供する。ある実施例では、この電子書籍ビューワは、メモリと、ビデオ・ディスプレイと、スピーカと、マイクロフォンと、送信機と、受信機とを備えている。電子書籍を表すデータは、メモリに記憶し、ビデオ・ディスプレイ上に表示することができる。送信機と受信機とは、会議コールを提供するのに十分な帯域幅を有している。別の実施例では、この電子書籍ビューワは、メモリと、ビデオ・ディスプレイと、スピーカと、マイクロフォンと、送信機と、受信機と、プロセッサと、会議コール・ソフトウェアとを備えている。プロセッサは、他の構成要素に接続されており、会議コール・ソフトウェアは、プロセッサ上で動作し、それによって、この電子書籍ビューワを会議コールで用いることが可能になる。オプションとして、会議コールは、電子書籍ビューワに受信されビデオ・ディスプレイ上に表示されるビデオ(画像)を含む。別のオプションとして、電子書籍ビューワは、送信機に接続されたカメラを更に備えており、会議コールは、電子書籍ビューワから送信されたビデオを含む。
【0006】
本発明は、また、少なくとも1つの電子書籍ビューワと、少なくとも1つのエンド装置と、相互接続ネットワークとを備えた会議システムを提供する。この相互接続ネットワークは、少なくとも1つの電子書籍ビューワと少なくとも1つのエンド装置との中の少なくとも2つを会議コールにおいてリンクさせることができる。
【0007】
本発明は、また、電子書籍ビューワを用いた会議方法も提供する。この方法は、電子書籍ビューワの上に電子書籍を表示するステップと、前記電子書籍を見ながら会議コールに参加するステップと、会議コールの情報コンテンツを電子書籍ビューワと通信するステップとを含む。会議コールへの参加は、例えば、会議コールの開始又は受信を含む。
【0008】
本発明は、また、電子書籍ビューワを用いた遠隔教育方法を提供する。この遠隔教育方法は、学習のための材料を電子書籍ビューワの上に電子書籍として表示するステップと、電子書籍を表示しながら会議コールに参加するステップと、会議コールの情報コンテンツを電子書籍ビューワと通信するステップとを含む。例えば、学習のための材料は教科書を含み、会議コールはその教科書の内容に関する対話型の講義でありうる。
【0009】
この出願において用いられている「会議コール」という用語は、時にはより単純に「コール」とも称されるが、伝統的な2参加者のコール(呼)を意味すると共に、他の者に記憶され将来アクセスされる複数参加者又は単独参加者のコールを意味し、複数のタイプの媒体(例えば、ボイスのみ、ボイス+ビデオ及び/又はデータやプログラムなどそれ以外の媒体)の中のただ1つ又は複数の組合せを用いているコールを含み、更に、一方向のブロードキャスト・コール(すなわち、見るだけ)であると共に全二重コール又は一方向ブロードキャストと全二重の混合された媒体の組合せ(例えば、1人の参加者からのブロードキャストや、すべての参加者からの共有されるリターン・オーディオなど)も含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施例は、所望の効果を達成することができる。電子書籍ビューワは、ハイテクの魅力を有するのと同時に非常に実用的で携帯可能であり使用が容易な日常的な家電製品であるから、電子書籍ビューワの機能を強化してビデオ会議をサポートするようにすることは非常に効果的である。ビデオ会議コールへ参加しながら電子書籍を見るという組み合わされた便利さからは、シナジ的な(synergistic)効果が生じる。例えば、コール接続番号や住所を含むディレクトリである電子書籍を見ながら、会議コールを開始することができる。他の例としては、コールのトピックである又はコールと共に全体を又はその一部を伝送することができる電子書籍を見ながら、会議コールを開始することができる。更に別の例として、退屈であり混乱を与えるものであるとユーザが感じる会議コールに参加しているユーザは、会議コールの接続を維持しながら電子書籍を見ていることができる。本発明のこれ以外の効果及び長所は、以下の好適実施例の詳細な説明を添付の図面を参照することによって、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】電子書籍選択及び分配システムの全体を示す概観図である。
【図2】4つの構成要素からなるホーム・サブシステムに対するハードウェア構成のブロック図である。
【図3】2ユニットのホーム・サブシステムに対するハードウェア構成のブロック図である。
【図4】ライブラリ・ユニットの一例のブロック図である。
【図5】電子書籍ビューワのブロック図である。
【図6】ビデオ会議機能を備えた電子書籍ビューワのブロック図である。
【図7】本発明の好適実施例による、様々なビデオ会議ネットワーク接続の図である。
【図8】本発明の好適実施例による、中央ノードを有していないミニ・ネットワークの図である。
【図9】本発明の好適実施例による、ライブラリ中央ノードを有するミニ・ネットワークの図である。
【図10】3つのビューワの間での会議コールの接続図である。
【図11】ビデオ会議中央ノードのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
I.電子書籍配送システムの概要
電子書籍選択及び搬送システムは、書籍を書店、図書館、学校そして消費者に分配する新たな方法である。本発明の技術的なブレークスルーにより、選択された電子書籍を配送し支払いを受け取る信頼性の高い電子的なシステムが提供される。このシステムは、消費者に、高度な技術的魅力を備えていながら同時に非常に実用的であって携帯可能で使用が容易な日常的で身近な装置を提供する。
【0013】
電子書籍の効果は、紙の書籍やコンピュータ・メモリ装置などの物理的な物体を移動させることを、書籍分配システムから取り除いたことである。書籍の購入は、ペイパーリード(pay-per-readTM)な事柄となり、現在の書籍分配システムに付随しているオーバヘッド、「中間的な人間」、印刷コスト、そして、時間的遅延を回避できる。大統領のスピーチ、新たな立法、堕胎に関する判決、OJシンプソンの証言などの出版されたマテリアル及びテキストを、最小の費用で、消費者に直ちに入手可能とすることができる。
【0014】
電子書籍配送システムの基本的コンポーネントは、配送するためのテキストを準備するサブシステムと、配送されたテキストを受信し選択するサブシステムとである。本発明の書店、図書館、学校、そして消費者による使用に向くように構成することができる。消費者向けのシステムは、4つのサブシステムで構成される。すなわち、(1)オペレーション・センタ、(2)分配システム、(3)受信、選択、読書、トランザクション(商取引)及び伝送機能を含むホーム・サブシステム、そして、(4)課金及び集金システム、である。
【0015】
オペレーション・センタは、複数の基本機能を実行する。すなわち、テキスト・データの処理(テキスト・データの受信、フォーマット化及び記憶を含む)、テキストのセキュリティ符号化、書籍のカタログ化、メッセージング・センタ機能の提供、そして、アップリンク機能の実行である。ある実施例では、このシステムは、オペレーション・センタからのテキストを、テキスト・データをアナログ・ビデオ信号の中に挿入することによって、消費者の自宅に配送する。テキストの挿入は、一般に、オペレーション・センタ内にある又はその近くにあるアップリンク・サイトでエンコーダによって実行される。このシステムは、垂直ブランキング期間(VBI)の複数のライン、アナログ・ビデオ信号のすべてのライン、デジタル・ビデオ信号、又は、帯域幅の未使用部分を用いてテキスト・データを送ることができる。VBI配送方法を用いると、トップの10又は20の書籍タイトルを、加入者のビデオ受信を妨げることなく、既存のケーブル又はブロードキャスト伝送能力を用いて、通常のプログラミングの間にビデオと共に伝送することができる。ビデオ信号全体を用いると、数千冊の書籍を僅かに1時間の放送時間内に伝送できる。ほぼどのようなアナログ又はデジタル・ビデオ配送システムでも、テキスト・データを配送するのに用いることができる。上述した米国特許出願第09/289,956号には、分配システムに関する更なる詳細が提供されている。
【0016】
ホーム・サブシステムは、少なくとも4つの機能を実行する。すなわち、分配システムへの接続、テキストの選択、テキストの記憶、そして、通信機構を通じたトランザクションである。ホーム・サブシステムのコンポーネントは、様々なハードウェア構成を有することができる。それぞれの機能は、別個のコンポーネントによって実行することができ、コンポーネントは統合することもでき、又は、既存のケーブル・セットトップ・コンバータ・ボックス、コンピュータ及びテレビジョンの能力を用いることもできる。コネクタ、ライブラリ・ユニット、そしてビューワ・ユニットが用いられる。ある実施例では、ホーム・サブシステムのコネクタ部分は、アナログ・ビデオ信号を受け取り、テキストをビデオから引き離す又は抽出する。ホーム・ライブラリは、テキスト信号を記憶し、システムへのユーザ・フレンドリなインターフェースを提供し、消費者の自宅でトランザクションを処理する。ビューワは、テキスト又はメニュを見るためのスクリーンと、新規なユーザ・フレンドリなコントロールズ(操作装置)とを提供する。
【0017】
見るための装置は、好ましくは、1冊又は複数冊の書籍を記憶しホーム・ライブラリ・ユニットと相互作用するスクリーンを提供する携帯型の書籍状のビューワである。ある実施例では、高解像度のLCDディスプレイが、書籍を読むのとホーム・ライブラリ・ユニットとの相互作用との両方に用いられる。オプションの電話コネクタ又はリターン・パス・ケーブル接続が、電話コールを開始し、ライブラリの補助を得て必要なデータを伝送し、注文と消費者のトランザクションの課金部分とを完了させる。課金及び集金システムは、トランザクションの管理、認証、集金、そして出版社への支払いを、自動的に実行する。
【0018】
図1は、電子書籍選択及び配送システム200の実施例を示している。システム200には、アップリンク・サイト254を含むオペレーション・センタ250と、ビデオ分配システム208と、ビデオ・コネクタ212とライブラリ262とビューワ266と電話コネクタ270とを含む電子書籍装置又はホーム・システム258と、電話システム274と、インターネット・ウェブ・サイト279と、課金及び集金サブシステム278とが含まれる。やはり図1に示されているように、ホーム・システム258は、テレビジョン259への接続を含むことがあり、プリンタ318とパーソナル・コンピュータ261とは、メニュ・スクリーン、電子書籍、電子ファイル、又は、電子書籍配送システム200と関連する他の任意の情報を表示するのに用いることができる。更に、テレビジョン259とパーソナル・コンピュータ261とは、ビューワ266の機能を複写し補完する制御機能を提供する。
【0019】
オペレーション・センタ250は、出版社、新聞及びオンライン・サービスなどの外部ソース282からテキスト・マテリアルを受け取る。あるいは、外部ソースは、電子書籍をインターネット・ウェブ・サイト279に維持することもできる。外部ソース282は、テキスト及びグラフィクス・マテリアルを、デジタル・フォーマットに変換するか、又は、別のベンダにコンタクトしてこのサービスを提供することもできる。オペレーション・センタ250は、このテキスト及びグラフィクス・マテリアルを様々なデジタル・フォーマットで受け取り、記憶のために、それを標準的な圧縮されたフォーマットに変換する。そうする際に、オペレーション・センタ250は、ホーム・システム258に配送できるテキスト・マテリアルのプールを作成する。テキスト・マテリアルは、アクセスを容易にするために、書籍又はタイトル別にグループ分けされている。
【0020】
ここでは、「書籍」とは、任意の小説、百科事典、記事、雑誌、新聞、カタログ、定期刊行物又はマニュアルなどに含まれているテキスト又はグラフィクス情報を意味する。「タイトル」という語は、著者によって書籍に割り当てられた実際のタイトルや、特定のグループ、部分、又はテキスト情報のカテゴリを指示する任意のそれ以外の指定を意味する。タイトルは、一連の関係のあるテキスト情報、一群のテキスト情報、又はテキスト・データの一部を指しうる。例えば、「最新のハーレクインロマンス」、「(10歳から12歳向けの)フォー・チャイルド・リーディング・ブックス(Four Child Reading Books)」、「ブリタニカ百科事典」、「大統領のスピーチ」、「インストラクション・マニュアル」、「7月4日のイベントの予定」、「ペット・ハンドブック」、「ロー対ウェード」、そして、「ジョイオブクッキング」などは、適切なタイトルである。また、タイトルは、グラフィカルなシンボル又はアイコンでもよい。従って、レンチの絵は修理本のタイトルになりうるし、コンピュータの絵はコンピュータ本のタイトルになりうるし、電話のグラフィカルなシンボルは電話帳のタイトルになりうるし、ダガーの絵はミステリ本のタイトルになりうるし、バットとボールの絵はスポーツ本のタイトルになりうるし、チッカーテープの絵はビジネス本のタイトルになりうる。
【0021】
オペレーション・センタ250は、テキストを通信信号上に配置しその通信信号を分配システムに送るアップリンク・サイト254を含む。アップリンク・サイト254は、一般に、テキストを通信信号上に符号化するエンコーダ(図1には示されていない)を含む。
【0022】
多くのアナログ及びデジタル・ビデオ分配システムを、配送システム200と共に用いることができる。例えば、ケーブル・テレビジョン分配システム、ブロードキャスト・テレビジョン分配システム、電話システムを介して分配されるビデオ、直接衛星ブロードキャスト分配システム、そして、それ以外の有線及び無線の分配システムなどである。ビデオ信号を含む通信信号を配送することができる分配システムであれば、ほとんどどのようなシステムでも、電子書籍配送システム200と共にうまく機能する。また、上述の米国特許出願第09/289,956号に詳細に記載されている通信信号を用いることなく、電子書籍を分配することも可能である。
【0023】
ホーム・システム258は、電子書籍を受信し見ることに関して、5つの基本機能を実行する。すなわち、(1)ビデオ配送システムとの接続、(2)データの選択、(3)データの記憶、(4)データの表示、そして、(5)商取引(トランザクション)の処理である。ホーム・システム258の重要なオプションの機能は、ある実施例では、電話通信システム274を用いた通信である。ホーム・システム258は、4つの部分で構成されている。すなわち、分配システム208と接続するためのビデオ・コネクタ212又は類似のタイプのコネクタと、記憶及び処理のためのライブラリ262と、メニュ及びテキストを見るためのビューワ・ユニット266と、電話通信システム274と接続するための電話コネクタ270と、である。
【0024】
課金及び集金サブシステム278は、オペレーション・センタ250と同じ場所に配置されてもよいし、オペレーション・センタとは離れていてもよい。課金及び集金サブシステム278は、電話タイプの通信システム(例えば、274)を介して、ホーム・システム258と通信する。セルラ・システムやインターネットなどの、米国特許出願第09/289,956号に記載されているような任意の数の電話タイプの通信システムが、課金及び集金システム278と共に動作する。課金及び集金システム278は、加入者によって選択され注文された書籍又は一部のテキストを記録する。課金及び集金システム278は、加入者のクレジット口座に請求するか、加入者に課金する。更に、課金及び集金システム278は、テキスト・データ、又は、テキスト配送システム200を動作させるためのエア時間などそれ以外のサービスを提供した出版社又はそれ以外の外部ソースが権利を有している金額をモニタする。
【0025】
本発明の範囲に含まれるものとして、電子書籍を分配し流通させる私的な分配ネットワークの一部として用いることができ、図1に図解されている実施例にあるイントラネット構成がある。例えば、大学図書館や書店は、そのようなイントラネットを用いて、電子書籍を大学の学生と教授とに流通させることができる。
【0026】
電子書籍の選択及び配送システム200に関する追加的な詳細は、上述の米国特許出願第09/289,956号及び第08/336,247号に記載されている。
II.電子書籍ホーム・システム
4コンポーネント型のホーム・システム258のためのハードウェア構成が、図2に示されている。図3は、2コンポーネントのホーム・システムのためのハードウェア構成を示している。ホーム・システム258は、データ及びビデオ伝送を受信する、データをビデオ信号からストリップ(又は、抽出)する、データをスクリーニングし記憶する、ユーザ・フレンドリなインターフェース・ソフトウェアを提供する、メニュ及びテキストを表示する、トランザクションを処理する、電話コールを開始する、課金データを伝送するなど、複数の機能を実行する。様々なハードウェア構成を用いて、ホーム・システム258の希望する機能を達成することができる。例えば、図3に示されているように、ホーム・システム258は、ケーブル・コンバータ・ボックスとテレビジョン601とネットワーク化された複数のコンピュータの現在インストールされている加入者ベースの受信及びチャネル・チューニング能力を利用するように構成することができる。ホーム・システム258は、また、メニュ発生能力、電子メモリ及び電話モデムなど進歩型のセットトップ端末として設計することもできる。
【0027】
ホーム・システム258を構成する電子コンポーネントは、様々な方法で配置することができる。図2の4ユニット型サブシステムでは、ビューワ266とライブラリ・ユニット262とを相互にワイヤード接続し、他方で、残りのコンポーネントは、RFトランシーバ604を介して通信する。ホーム・システム258の単純なバージョンでは、ライブラリ・ユニット262とビューワ266という2つのユニットだけが存在する。図3には、いくらかのオプション機能を備えた2ユニット型のホーム・システム258が示されている。
【0028】
ビューワ266は、一般に、高解像度のビューイング領域602と、デジタル・ロジック(鍵605と、セキュリティ606と、マイクロプロセッサ621とを含む)と、ビデオ・グラフィクス制御及びメモリ607と、電源回路(図示せず)と、オプションのバッテリ603と、オプションのRFトランシーバ604とを備えている。2ユニット型の構成では、ライブラリ262は、電子書籍分配システムへのコネクタ機能と、公共電話通信システムへのコネクタ機能と、メモリ600(取り外し可能な携帯型600’(図4)でもよい)とを含む。更に詳しくは、ライブラリ262は、データ・ストリップ機能617と、デジタル・ロジック609と、メモリ・ストレージ600と、電源回路610と、オプションの接続部611(セルラ又はPCN611’を含む)と、オプションのバッテリ(図示せず)と、オプションのチューナ・モジュール613と、オプションのRFトランシーバ604とを含む。ビデオ・コネクタ212と公共電話システム接続部270とは、ライブラリ262の取り外し可能な携帯型のメモリ・ユニット600’と同じように、別個のコンポーネントに分けることもできる。(図3には、取り外し可能なカートリッジ614を備えた取り外し可能な携帯型のハードディスク・メモリ600’が示されている。)最後に、ホーム・システム258は、付属のキーボード267又は無線のキーボード268を含む。付属したキーボード267と無線式のキーボード268とは、共に、ビューワ266(図示せず)又はライブラリ・ユニット262と通信するのに用いられる。無線キーボード268は、例えば、RFシグナリングを用いて通信することができる。
【0029】
別の実施例では、ホーム・システム258のすべての機能を単一のユニットの中に組み入れることもできる。ライブラリ262の機能は、例えば、ビューワ266の中のカード又はチップセットによって実行されうる。ホーム・システム258を様々な通信ネットワークに結合するのに必要なすべての通信装置を、ビューワの中に組み入れることが可能である。ホーム・システム258と加入者との間のすべてのインターフェースは、ビューワ266の中に含めることができる。この実施例では、ビューワ266は、別個のキーボードからの入力を受け取る通信装置を含む。
【0030】
従って、ホーム・システム258は、相互に通信する別個のコンポーネントを最大で5つ有していることになる。ホーム・システムを構成する2つ、3つ、4つ又は5つの別個のコンポーネントは、様々な方法で相互に通信することができる。これには、例えば、ハードワイヤード接続615、RFトランシーバ604、そしてそれ以外の無線での方法などが含まれる。
【0031】
家庭でRF通信が用いられることによって、別々のコンポーネントを家庭の全体において制限なく配置できるからである。ユニットの間で通信されるデータは、セキュリティが保証されたデータである。更に、ライブラリ・ユニット262は、ハードワイヤード接続リンク615を介してビューワ266に電力を供給することができる。
【0032】
消費者の自宅でデータを受信しビデオ信号から切り離す(ストリップする)には、ケーブル・インターフェース・デバイス又はケーブル・コネクタ212、212’などのデバイスが用いられる。ケーブル・コネクタ・デバイス212’はチューナ613を含み、それに対して、ケーブル・インターフェース・デバイス212は、家庭にある既存の同調装置を利用する。どちらの構成でも、データは、ビデオ信号から切り離されてライブラリ262における加入者の位置に記憶される。電話コネクタ270とオプションであるコネクタ611とモジュラ・コネクタとが電話コールを開始し、注文及び課金情報をオペレーション・センタ250又は課金及び集金システム278に伝送する。デジタル・コネクタ619がセットトップ端末601とデジタル情報を通信するために提供される。ライブラリ262は、ホーム・サブシステムのインテリジェントなコンポーネントであり、テキスト・データを記憶し、メニュを発生し、購入のトランザクションを実現するのに必要なハードウェア及びソフトウェアを内蔵している。RFトランシーバ604に加えて、ホーム・ライブラリ262は、システムがビューワ266に接続されることを可能にするのに必要なジャック及び接続部(例えば、通信コネクタ270’)を含む。図3に示されているように、ライブラリ262は、テキスト・データをビューワ266まで、復号化に鍵605を要する安全なフォーマットで通信する。テキストは、読まれる直前に、ページごとに復号化されるのが一般的である。
【0033】
A.ビデオ・コネクタ
ビデオ配送システムへの接続は、図3に示されているように、ケーブル・テレビジョン配送システムへのケーブル・コネクタである。このケーブル・コネクタにはデータ・ストリッパ回路617が含まれており、これが、セットトップ端末601、TV若しくはVCR、又は、ケーブル・コネクタ212’を介してCATV信号を受け取るオプションのチューナ・ブロック613のいずれかからビデオ入力を受け取る。データ・ストリッパ回路617は、データをビデオから引き離し、デジタル・ビット・ストリームをライブラリ・ユニット262のデジタル・ロジック部分609に出力する。データは、ビデオ信号の垂直ブランキング期間又はアクティブ・ビデオ部分に暗号化され圧縮されたフォーマットで埋め込まれている。データ・ストリッパ回路617は、セットトップ端末601、TV又はライブラリ・ユニットの内部に配置することができる。データ・ストリッパ回路617は、ライブラリのデジタル・ロジック609によって用いられるデジタル・ビット・ストリームを出力する。
【0034】
ビデオ・コネクタ212は、ビデオ・チャネルに同調し引き離されるデータを含むビデオへのアクセスを提供することができるチャネル・チューナ・モジュール613を含む。オプションのチューナ・モジュール613を用いると、セットトップ端末、VCR又はTVチューナは、ホーム・サブシステムでは不要である。オプションのチューナ・モジュール613は、ケーブル・コネクタ212’を介して直接にCATV信号を受信することができる。別の配送方法を用いて電子書籍のコンテンツを受信することを可能にする追加的なコネクタのオプションが可能である。このいたる所での(ユビクイタスな)アクセスは、図3に示されているモジュラ・コネクタを用いて提供される。
【0035】
B.ライブラリ
2ユニット型のホーム・サブシステムのためのライブラリ262の実施例が、図3と図4との両方に示されている。ここで示されている実施例には、次のようなオプションのパーツが含まれている。すなわち、取り外し可能な携帯型メモリ600’、マイクロプロセッサ628、命令メモリ・ユニット632、デジタル・ロジック636、そして、電源ユニット640に加えて、ビデオ・コネクタ212、電話コネクタ270、RFトランシーバ604、そして、バッテリ・パックである。
【0036】
ライブラリ262は、マイクロプロセッサ628とデジタル・ロジック636と命令メモリ・ユニット632とを含むデジタル・ロジック部609(図4には示されていない)を含んでいる。マイクロプロセッサ628は、モトローラ社から販売されているMotSC21などの信頼性の高いマイクロプロセッサでありうる。デジタル・ロジック部609は、シリアル・デジタル・ビット・ストリームをデータ・ストリッパ回路617から受け取り、データを処理する。誤り訂正もデジタル・ロジック部609によって実行され、データは、適切なアドレスに関してチェックされる。データのアドレスが正しく、ライブラリ262がそのデータを受け取ることについて承認されている場合には、そのデータは、メモリ・ストレージ・ユニット600及び600’に転送される。データを受け取る承認は、ケーブル・ヘッドエンド又はそれ以外の分配点によって提供される。承認コードをシリアルなデジタル・ビット・ストリームにおいて送ることも可能である。デジタル・ロジック部609は、適切なテキスト及びグラフィクス・データをメモリ・ストレージ・ユニット600及び600’に送る。このデータは、圧縮され暗号化されたフォーマットで転送され、圧縮され暗号化されたフォーマットのままで記憶される。
【0037】
1.メモリ・ストレージ・ユニット
ライブラリのメモリ・ストレージ・ユニットは、取り外し可能な携帯型のメモリ・ユニット600’(図2−4に示されている)でありうる。メモリ・ストレージには、様々なオプションを利用できる。すなわち、80メガバイト又は200メガバイトの容量を有するハードディスク・ドライブ、取り外し可能なプラッタを有するハードディスク、CD−ROMなどである。図3を参照すると、取り外し可能なプラッタを含むハードディスク・ドライブ・ユニット600’も利用できる。これによって、ライブラリは、ほぼ無制限な記憶容量を得ることになる。データは、メモリ・ストレージ・ユニットに圧縮され暗号化されたフォーマットで記憶される。図3に示されているように、データは、ビューワ266のID又は鍵と一致する鍵又は一意的なID番号を有している。一意的な鍵又はID番号のこのような一致により、メモリ・ストレージ・ユニットから未承認のビューワへ、テキスト・データが転送されることが防止される。スマート・カード、電子メモリ・カード又はPCMCIA(パーソナル・コンピュータ・メモリ・カード・インダストリ・アソシエーション)カードなどの小型のメモリ・デバイスを用いてデータを記憶することもできる。
【0038】
2.電源回路
図3及び図4に示されているように、ライブラリ262は、ACの壁電源610、DC電源640又はオプションのバッテリ電源624から電力を提供される。電源回路610及び640は、ライブラリにおける様々な回路に対してバッテリ624又はACユニットのいずれかからすべての必要な電圧を供給することが好ましい。電源回路610及び640は、ビューワ266に接続されると、単一のデータ・ケーブルを介してビューワに電力を提供する。電源回路610及び640は、動作中に、AC電源を用いてバッテリを再充電することもできる。オプションのバッテリ・ユニット624がインストールされると、ライブラリ262は、携帯型のユニットとなり、電力をビューワ266に提供することができる。バッテリの寿命を長くするために、使用されないときにはメモリ・システムをシャットダウンするなど、電力節約策が講じられる。ビューワ266が用いられているときにはライブラリ回路は用いられず、ほぼすべての電力が、ライブラリ・ユニット262に対して遮断される。
【0039】
3.公共電話システムへの接続
ある実施例では、電話システムへの接続は、モデムによって構成されるコネクタ・デバイス611によって提供される。様々な入手可能なモデムを用いて、この機能を実行することができる。図3に示されているように、セルラ電話又はPCN電話接続611’も提供されうる。ホーム・システム258が最初に始動されるときに、モデムを用いて、消費者の氏名とクレジット・カード情報とが課金及び集金サブシステム278に転送される。電話接続270は、電子書籍が消費者に購入されるたびに用いられ、商取引を完了し記録する。電話接続270は、テキスト・データをオペレーション・センタ250から受け取り、ビデオ分配システム208をバイパスするのに用いることができる。電話接続270は、図3に示されているように、別個のユニットであってもよい。しかし、ホーム・システム258を課金及び集金システム278又はオペレーション・センタ250に接続するための別の手段も存在する。モジュラ・コネクタ(図3及び4に示されている)は、それぞれの通信ネットワークへのアクセスを提供し、ホーム・システム258から課金及び集金システム278又はオペレーション・センタ250への経路を提供する。
【0040】
ホーム・システム258に関する更なる詳細は、上述した同時出願中の米国特許出願第09/289,956号において見ることができる。
III.電子書籍ビューワ
図5は、ビューワ266のブロック図であり、その内部コンポーネントが示されている。図5のビューワ266は、図3に示されているビューワ266と類似している。ビューワ266は、製本された書籍と物理的に類似するように設計されるのが好ましい。ビューワ266は、5つの基本コンポーネントといくつかのオプショナルなコンポーネントとで構成されている。すなわち、(1)LCDディスプレイ602、(2)デジタル回路(図示せず)、(3)ビデオ・グラフィクス・コントローラ607’、(4)入力コントロールズ740’、(5)書籍メモリ728、(6)オプショナルな電源回路736、(7)オプショナルなバッテリ603’、(8)オプショナルなRFトランシーバ604、(9)セルラ又はモバイル・コネクタ611のような、オプショナルな別の通信インターフェース装置、(10)オプショナルなキーボード267及び268、そして、(11)オプションのスピーカ及び/又はマイクロフォン608’である。
【0041】
(1)VGAクオリティである高解像度のLCDスクリーンが、テキスト及びグラフィクス・イメージを表示するのにビューワ266で用いられる。あるいは、スクリーン602に、フラット・パネルCRT技術を用いることもできる。このスクリーン602は、書籍の1ページのサイズである。2ページ型のスクリーンや2つのスクリーンをビューワ266において用いることも可能である。
【0042】
(2)信頼性の高いマイクロプロセッサ621、命令メモリ732及びデジタル・ロジックを含むデジタル回路である。データがビューワ266に転送される際は、圧縮され暗号化されたフォーマットを有する。信頼性の高いマイクロプロセッサ621は、ビューワ266のID番号を入力されてくるデータ・ストリームと比較し、ビューワ266のID番号がデータ・ストリーム内部のID番号と一致する場合には、テキスト・データを記憶するだけである。ビューワ266は、テキスト・データ又はそれ以外のデータを出力せず、見るときにだけそして現に見られているページについてだけ解凍され復号化されるように構成することができる。このような措置は、データへの認証のないアクセスに対する追加的なセキュリティを提供する。
【0043】
(3)VGAクオリティのテキスト及びグラフィクス・イメージを補助し表示することができるビデオ・グラフィクス・コントローラ607’が、ビューワ266に含まれている。グラフィクス・コントローラ607’は、上述のデジタル回路によって制御される。テキストは、複数のフォント・サイズで表示することができる。
【0044】
(4)図5のビューワ266は、タッチパネル式のコントロールズ(操作装置)を有する。これらのユニークで新規なコントロールズを用いて、消費者は、記憶されている電子書籍とカタログにある電子書籍とを選択し、カーソルを移動させ、書籍の中のページをめくることが可能になる。典型的には、コントロールズは、次項ボタン及び前項ボタンと、カーソル移動のためのボールと、1又は複数の選択ボタンと、現在の書籍ボタンと、ブックマーク・ボタンとを含む。
【0045】
(5)少なくとも1冊の電子書籍又はそれ以外のデータのための書籍メモリ728が、ビューワ266に含まれている。メモリ728は、テキストと、書籍中の写真を表す任意のグラフィクスとを記憶する。また、メモリ728は、メニュ・グラフィクス・データを記憶することもできる。ビューワ266では、2つの異なるメモリ・デバイス728を用いることができる。第1は、デジタル回路の中のマイクロプロセッサ621に対する命令用のものであり、第2は、書籍メモリ728(及び、グラフィクス)のために用いられ得るものである。ROM、RAM又は小型のハードディスクなど、市販されている様々なメモリ装置を用いることができる。1冊の電子書籍は約0.6メガバイトのストレージを必要とするので、約60メガバイトのストレージを提供する小型のハードディスクは、約100冊分の電子書籍のメモリを提供することができる。
【0046】
電子書籍のテキストは様々なフォント・サイズで表示することができる。表示のために様々なフォントを与えるために、様々なフォントが命令732又は書籍メモリ728に記憶されている。従って、より大きな又はより小さなフォントを必要に応じてメモリ621及び728から呼び出して、加入者の希望する表示を行うことができる。
【0047】
(6)ビューワ266における電源回路736は、AC電源、オプショナルなバッテリ603’又はライブラリ262のいずれかから電力を受け取る。電源回路736は、ビューワ266内部の様々なシステムに必要な電圧を提供する。
【0048】
(7)オプショナルなバッテリ603’が、ある実施例では提供される。バッテリ603’は、AC電源が利用可能なときには自動的に再充電される。
(8)ビューワ266とホーム・サブシステムの他のコンポーネントとの間に双方向のデータ・リンクを提供するオプショナルなRFトランシーバ604を、ビューワ266に含めることもできる。
【0049】
(9)オプションである別の通信インターフェース装置によって、ビューワ266が様々な通信経路を用いることが可能になる。例えば、ビューワ266は、移動通信のためのセルラ又はPCNトランシーバ611を含むこともありうる。
【0050】
(10)オプショナルな有線(付属型)キーボード267と無線(例えば、RF)キーボード268(図2を参照のこと)を、ビューワ266とともに用いて、加入者とビューワ266との間の通信を行うことができる。
【0051】
(11)スピーカ及びマイクロフォン608’によって、ビューワ266は、オーディオ信号を加入者に提供することが可能になり、また、加入者がオーディオ(音声)入力を行うことが可能になる。スピーカ及びマイクロフォン608’は、セルラ・トランシーバ608又はそれ以外の通信装置と共に用いることによって、テレフォニ及びデータの送受信が得られる。
【0052】
図5のビューワ266は、ライブラリ744、電子カード・メモリ748、CD−ROMユニット752及び携帯用メモリ・ユニット756(図3に示されている600’など)を提供することができるパーツを有する。PCMCIAなど、様々な電子メモリ・カードを、ビューワ266と共に用いて、電子書籍を供給し記憶することができる。
【0053】
セキュリティと、低い電力消費と、優れた表示技術とが、ビューワ266の設計に求められる特徴である。ビューワ266は、軽量かつ携帯可能でなければならない。ビューワ266は、電子書籍を記憶し、読み、消去することを可能し、更に、書籍を注文し、それをシステム・オペレータが決めた所定の時間メモリに保持しておくという機能を含むソフトウェアであるオペレーティング・システムを含む。このソフトウェアは、ある期間(例えば、2週間)の間はその書籍を読むことが可能でその後には自動的に消去される、1回読めば消去される、又は、恒久的にメモリに保持できる、などのように構成することが可能である。各ビューワ266は、一意的な鍵605を有している。データ・ストレージは、すべて、個別のビューワ266のための鍵605を用いて暗号化し、複数のビューワ266がテキスト・ファイル又は書籍ファイルにアクセスすることを防止することができる。
【0054】
ビデオ会議をサポートするため、図5に示されているように、ビューワ266に追加的な機能を付加することが可能である。これらの追加的な機能は、改良型の電子書籍ビューワ266の中に一体化することができるし、又は、より基本的な電子書籍ビューワ266への1又は複数のアップグレードとして提供することができる。図5では、カメラ608”と入力装置740’とが、ビューワ266の中に含まれている。カメラ608”は、ビューワ266上に配置された小型のビデオ・カメラであり、典型的にはディスプレイ602を見ている人間の顔、胴体又は全身の方向を向くように方向付けられているのが好ましい。向き付けは、ユーザによって手動で調整可能である。あるいは、又はそれに追加して、カメラ608”は、電子的に、ステアリング、合焦及びそれ以外の制御が可能とすることもできる。
【0055】
入力装置740’は、多くの形態をとることができる。入力装置740’は、ユーザ入力を受け取る機能を実行して、会議コールを確立し管理する。例えば、参加者のIDを入力したり、電話を切ったりする。入力装置740’の例示的な形態には、電話型の数字キーパッド、(トラック・ボール、ジョイスティック、タッチ・パッドなどの)カーソル/ポインタ移動装置、クリック式ボタン、別個のキーボードへのワイヤード又は無線インターフェースなどが含まれる。あるいは、又はこれに加えて、ディスプレイ602と入力装置740’とをタッチスクリーンの形式に組み合わせることができる。入力装置740’は、上述した例示的なものを含む複数の異なる形式の組合せでありうる。
【0056】
会議コールは、また、十分な帯域幅を有するアップストリーム(又は、反対経路又は送信)通信能力を必要とする。ビデオ会議のためのアップストリーム通信能力は、テキスト状の書籍データを受信することができるダウンストリーム通信能力に対して付加されるものであり、アップストリーム通信能力は、電子書籍に関係する注文又は課金に最小限要求されるよりも、はるかに広い帯域幅を必要とする。
【0057】
会議コールをサポートするために、ビューワ266の命令メモリ732は、コールの確立及び管理のためのプログラムを含むのが好ましい。このプログラムは、表示及びそれ以外の出力特性に加えて、コールの開始、コールへの参加者の追加、入来コールの受け入れ、コールの終了、コール特性の設定などのためのメニュ及びグラフィカル・ユーザ・インターフェースを提供する。
【0058】
図6は、電子書籍ビューワ266のビデオ会議送受信機能を示すブロック図である。送信に関しては、カメラ608”からのビデオ信号は、ビデオ・ソース・エンコーダ705によってソース符号化され(すなわち、スペクトル効率がよい又は圧縮されたデジタル形式への変換)、スピーカ/マイクロフォン608’からのオーディオ信号が、オーディオ・ソース・エンコーダ710によってソース・符号化される。ソース・エンコードされたビデオ及びオーディオ信号は、シンクロナイザ・マルチプレクサ715によって同期がとられ多重化される。ビデオ・ソース・エンコーダ705とオーディオ・ソース・エンコーダ710とシンクロナイザ・マルチプレクサ715とは、協働して、この技術分野において広く知られているMPEG、ITU、H.261、H.263など、標準的なオーディオ/ビジュアル符号化アルゴリズムを実行するように機能することができる。これ以外の媒体信号又はシグナリング情報を含む信号であっても、後で詳述するように、オーディオ及びビデオ信号と多重化することが可能である。シンクロナイザ・マルチプレクサ715からの多重化されたオーディオ/ビジュアル信号出力は、上流にある送信機730によってビデオ会議接続ネットワークの中に送信される前に、オプションではあるが、暗号器720によって暗号化され、チャネル・エンコーダ725によって符号化される(例えば、順方向の誤り訂正符号化及び/又はインターリーブ)。この技術分野の当業者であれば理解するように、図6に図解されている送信機能は、図解されている順序とは異なる順序で実現することも可能である。
【0059】
受信に関しては、入来(すなわち、ダウンストリーム)ビデオ会議信号は、受信機750によって受信され、チャネル・デコーダ755によってデコードされ、解凍器760によって解凍され、デマチプレクサ・シンクロナイザ765によってビデオ、オーディオ及びそれ以外のデータ成分の間の適切な相対的タイミングでデマチプレクスされる。ビデオ信号は、ビデオ・ソース・デコーダ770によって、表示のために解凍され出力される。オーディオ信号は、オーディオ・ソース・デコーダ775によって、再生のために解凍され出力される。やはり、処理の順序は、図解されている順序とは異なることも可能である。
【0060】
オーディオ及びビデオ会議コール信号との多重化が可能である他の信号には、例えば、データ・ファイル、電子書籍、ATVEF(Advanced television enhancement forum)仕様によるHTMLベースのコンテンツなどが含まれる。HTMLコンテンツは、ビューワ266上に表示されたり、後で用いるためにホーム・システムに記憶されたり、直ちに又は後で表示するためにホーム・システムのコンポーネントに付随しているテレビ又はコンピュータなどの装置に送られたりできる。ブロードキャスト・データのトリガ、告知(アナウンスメント)及びコンテンツ・リソースは、ビデオ会議信号と共に配送される補助データ・チャネルにおけるビデオ会議ビデオ信号のVBIにおいて送ることができる。告知は、対話型のプログラミング・コンテンツが与えられたビデオ会議又はビデオ会議の一部に対して利用可能であることをビューワ266に示すために用いられる。コンテンツ・リソースは、受信側の装置上で実行される実際のコンテンツ又はプログラミングを含む。そのようなコンテンツには、ウェブ・ページ、スクリプト、イメージなどが含まれる。ブロードキャスト・データ・トリガは、対話型のプログラミング・コンテンツの開始を継続中のビデオ会議に同期させるのに用いられる。
【0061】
IV.ビデオ会議のネットワーク
図7は、ビデオ会議ネットワーク1000と、ビューワ266(又は、それ以外のビデオ会議用のエンド装置1005)をネットワーク1000に接続する様々な構成とを図解している。ネットワーク1000は、与えられたビデオ会議コールに関係するビューワ266の間における全二重の相互接続性を提供する。ネットワーク1000は、多くの同時的なコールをサポートすることができる。ビューワをネットワーク1000に接続する典型的な構成の1つとして、図7の下側中央の領域に示されているようなライブラリ経由のものがある。この場合には、ビューワ266aがライブラリ262aに接続され、ライブラリ262aはネットワーク1000に接続されている。この構成の変形が図7の左上の領域に示されており、この場合には、セットトップ端末601がネットワーク1000とビューワ266bにリンクされたライブラリ262bとの中間に存在する。別の典型的な接続構成として、コミュニケータがオプションで設けられているビューワ266cや統合型のライブラリ機能を有するビューワ266dと、ネットワーク1000との間の直接的な接続がある。
【0062】
A.ミニ・ネットワーク
図7には、また、ミニ・ネットワーク1010が図解されている。ミニ・ネットワーク1010は、限定された領域(例えば、家庭、建物、構内の中など)にある複数のビューワ266の間に全二重の相互接続を提供することができ、それによって、ネットワーク1000と関係せずにビデオ会議コールがサポートされることになる。例えば、ミニ・ネットワーク1010の中の2つのビューワ266e及び266fの間のビデオ会議コールの場合には、これらビューワ266eとビューワ266fとの間の接続は、直接的な接続であるか、又は、ライブラリ・ユニット262cを経由する接続でありうる。図8及び9は、それぞれが、これら2つの接続オプションを図解している。
【0063】
1.ビューワ間の直接接続
図8では、第3のビューワ266gだけでなくビューワ266e及び266fもまた、中間的な媒介物なしで相互に通信している。ビューワ266e−266gの間の通信経路は、無線リンクであるのが好ましい。ある実施例では、この無線リンクは、それぞれのビューワ266e−266gにおいてRFトランシーバ604を用いるRFリンクである。無線赤外線リンクでもよい。別の実施例では、通信経路は、既存のデータ又はコンピュータ・ネットワーク(例えば、LAN)、既存のテレビ回線、既存の家庭用/ビル用の電力配線(例えば、この出願において援用する米国特許第5,319,634号に開示されている)などのワイヤード・ネットワークによって提供することもできる。どの場合でも、ビューワ266e−266gをリンクするチャネルは、3つのビューワ266e−266gを完全にメッシュ型のネットワークで接続する6つの単方向リンクを提供するように、多重化される。この技術分野における当業者であればTDMA(時分割多重アクセス)やFDMA(周波数分割多重アクセス)を含む多くの多重化方式が可能であるということを理解するはずであるが、この多重化方式では、CDMA(符号分割多重アクセス)を用いるのが好ましい。CDMAは、SSMA(スプレッド・スペクトル多重アクセス)とも称される。この場合のCDMAの長所には、伝送のセキュリティが含まれ、また、FCC(米国の連邦通信委員会)の規則がこれらの伝送には適用されないという事実も含まれる。
【0064】
ある実施例では、共通スプレディング符号を備えた非同期直接シーケンスCDMAシステムが用いられる。類似するCDMAシステムは広く知られており、例えば、米国特許第5,103,459号及び第5,546,381号において論じられている。これらの米国特許は、この出願において援用する。このようなシステムでは、それぞれのビューワ266e−266fのトランシーバ604には、全方向性又はほぼ全方向性のアンテナが含まれ、それによって、ビューワ266e−266fはそれぞれが他の2つのビューワからの送信を受け取ることができるようになっている。ビューワ266e−266gは、それぞれが、直接的なシーケンス拡散符号と同じであるが位相が異なるM系列(m-sequence)を用いてその伝送を符号化する。例えば、ビューワ266eは相対符号位相がゼロで伝送し、ビューワ266fは−3.2のチップの相対符号位相で伝送し、ビューワ266gは+38.0のチップの相対符号位相で伝送する。実際には、ビューワ266e−266gは、ランダム符号位相で伝送することができ、その際、受信機回路は符号位相の衝突を解決する何らかのコンテンション・プロトコルだけでなく、サーチ/選択アルゴリズムを含む。この実施例のビューワ266e−266gのそれぞれのトランシーバ604はCDMA受信機であり、このCDMA受信機は、自己受信インターフェースを抑圧し、入来符号の様々な位相を有する受信信号を拡散解除(despread)し、これらの位相をトラッキングし、マルチパス及び/又はユーザ相互間の干渉を緩和する。
【0065】
図8のミニ・ネットワーク1010は、完全に網目状(meshed)であるから、分散型の制御の下で動作することができる。好ましくは、受信機指向型の制御プロトコルが用いられる。ビデオ会議コールに参加しているビューワはそれぞれがそのオーディオ/ビデオ信号をブロードキャストし、その信号を受信する任意のビューワが必要な処理を行って受信した信号の成分と組み合わせてオーディオ及びビデオ成分を出力する。好ましくは、入来信号のビデオはスケーリングされディスプレイ602上である構成で共に表示され、他方、入来信号のオーディオ部分は、加算され必要に応じて同期がとられ、それによって、加算され同期がとられたオーディオ信号がスピーカ/マイクロフォン608’から出力されることになる。
【0066】
2.中央ノードとしてのライブラリ・ユニットの使用
図9では、ライブラリ・ユニット262cはミニ・ネットワーク1010における中央ノードとして用いられ、接続1200、1205及び1210は、ライブラリ・ユニット262cをビューワ266e−266gのそれぞれにリンクしている。図9は接続1200、1205及び1210をスター(星状)構成として示しているが、例えばリング状などそれ以外の構成も可能である。接続1200、1205及び1210が共通の媒体(例えば、ハードワイヤード・リングや、無線接続の場合には自由空間)を共有する場合には、多重化方式が必要となる。やはり、TDMA及びFDMAを含めて、多くのよく知られた多重化方式が可能であるが、無線接続については、多重化方式はCDMAが用いられるのが好ましい。この場合には、集中化されたノード(すなわち、ライブラリ・ユニット262c)によって、同期式で直交CDMAシステムを用いることが可能になる。
【0067】
特に、ウォルシュ・アダマール(Walsh-Hadamard)符号などの同期式直交CDMA拡散符号が、ビューワ266e−266gのそれぞれからライブラリ・ユニット262cまでのアップリンク上で用いられる。それと同時に、ブロードキャスト・ダウンリンクがライブラリ・ユニット262cから送信されビューワ266e−266gのそれぞれによって受信される。ある実施例では、ブロードキャスト・ダウンリンクが、アップリンクによっては用いられていないウォルシュ・アダマール符号の1つを用いて拡散され、会議コールに参加しているそれぞれのビューワからの合成されたオーディオ/ビデオ信号を含むデータだけでなく、アップリンク・タイミングのための制御データと伝送電力制御フィードバックとを含む。
【0068】
ある実施例では、ライブラリ・ユニット262cは、ビデオ会議コールに関係する通信の集中的な制御を提供する。このような集中的な制御は、コールの設定、オーディオ加算及びビデオ結合を含む。あるいは、ライブラリ・ユニット262cはスイッチング及び接続機能だけを実行し、ライブラリ・ユニット262cが存在しない直接的に接続されたミニネットワークの場合のように、それぞれのビューワ266e−gが制御機能を実行する、ということもありうる。
【0069】
ライブラリ・ユニット262cのアクセス制御は、会議コールの間に複数のビューワ接続を提供するように修正することができる。電子書籍の配送のための通常の使用の間は、1つのビューワだけがライブラリ・ユニット262cに対する暗号鍵を保持する。これは、電子書籍の未承認の配分を回避するためである。しかし、図9に示されているように、ライブラリ・ユニット262cは、1回の会議コールの間に複数のビューワ266e−266gと通信することもできる。これは、ライブラリ・ユニット262cを会議コールの間「クリア」モードで動作させることによって、達成される。ライブラリ・ユニット262cからのクリア・モードでの送信は暗号化されておらず、又は、好ましくは、ライブラリ・ユニット262cからのクリア・モードでの送信では、すべてのビューワ266e−266gがアクセスを有する共通鍵を用いている。
【0070】
B.大規模ネットワーク
上述したミニ・ネットワークは、ネットワーク1000とは無関係に、比較的小さな地理的領域の中で複数のビューワの間のコールをサポートすることができる。より広い領域でのコールには、ネットワーク1000が必要である。全国的又は全世界的な接続は、ネットワーク1000を用いて可能である。ネットワーク1000は、以下で述べるように様々な形態をとり、以下の混合形態(ハイブリッド)を含む。
【0071】
1.ケーブル・テレビ・バックボーン
ある実施例では、ネットワーク1000は、ケーブル・テレビ伝送ネットワークを用いる。ケーブル・テレビ分配ネットワークは、米国特許第5,559,549号に記載されている。この米国特許は、この出願において援用する。一般的に、ケーブル・テレビ伝送ネットワークは、ヘッドエンドで構成され、このヘッドエンドはそれぞれが多数の加入者にサービスを提供する。ヘッドエンドと加入者との間の接続は、金属製同軸ケーブル、光ファイバ又はハイブリッド(例えば、ファイバ及び同軸のハイブリッド(HFC)など)でありうる。今日最も普及しているケーブル・ネットワークは、HFCネットワークであるが、将来は、100%の光ファイバ・ネットワーク、すなわち、カーブまでのファイバ(fiber to the curb = FTTC)がより普及するであろう。
【0072】
会議コールをサポートするには、ケーブル・テレビ・ネットワークとケーブル・ネットワークへのホーム・インターフェースとが、双方向の通信をサポートしなければならない。これは、同じファイバ/ケーブル又は両者の何らかの組合せの上で物理的ファイバ/ケーブル又は指向性多重化を有することによって、達成される。例えば、5MHZから42MHZまでの周波数レンジがアップストリーム(アップリンクとも称される)の伝送(すなわち、加入者からヘッドエンドまで)に配分される。典型的なHFCレイアウトでは、ヘッドエンドと複数の近傍のファイバ・ノードそれぞれとの間のアップストリーム及びダウンストリームの伝送に対して、別々の光ファイバが存在し、信号は、光形式と電気形式との間で変換される。しかし、アップストリーム及びダウンストリーム伝送は、ファイバ・ノードを加入者サイト(例えば、家庭やオフィス)にリンクする同じ同軸ケーブルの上に相互に多重化される。ダイプレクサを用いている双方向の増幅器が、ファイバ・ノードと加入者サイトとの間の同軸部分では用いられるのが通常である。双方向のケーブル・テレビ・システムの更なる詳細については、発明の名称が"Method and Apparatus for Using Programs Watched Data"であり1998年7月29日に出願された米国特許出願第09/124,043号に含まれている。この米国特許出願は、この出願において援用する。ケーブル・プラントの別の使用としては、ビューワ又はライブラリ・ユニットとヘッドエンドとの間においてケーブル・モデム・ペアを介してなされる。
【0073】
ケーブル・ヘッドエンドから更にアップストリーム(上流)には、1又は複数のオペレーション・センタがある。オペレーション・センタの一般的なダウンストリーム機能は、プログラム及び/又はデータを収集し、収集したプログラム及び/又はデータをパッケージングし、パッケージングされたプログラム及び/又はデータをヘッドエンドに伝送することである。オペレーション・センタとヘッドエンドとの間のリンクは、固定された地上媒体(例えば、ケーブル/ファイバ)、地上マイクロ波、衛星、又は複数のチャネルの何らかの組合せを含む。ただし、現時点では衛星チャネルが最も一般的である。ヘッドエンドとオペレーション・センタとの間のリンクは、双方向であり、電子ビューワの間での二重コールをサポートしている。オペレーション・センタは、更に大きな地理的エリア上のサポートを提供するように、互いにリンクすることができる。
【0074】
直接ブロードキャスト衛星(DBS)システムにおいて、ヘッドエンドはないか又はバイパスされ、オペレーション・センタは、衛星を介して加入者と直接に通信する。DBS衛星リンクが十分なアップストリーム帯域幅を有し双方向的である限りは、DBSシステムを用いて電子ビューワの間のコールをサポートすることができる。DBSの代わりとしては、衛星の別個の専用のシステムを本発明と共に用いて、ネットワーク1000のための衛星バックボーンを提供することができる。あるいは、電話又はインターネットなど様々な通信チャネルを用いて、ダウンストリーム衛星伝送と共にアップストリーム通信を提供することもできる。例えば、教師又は教授からのオーディオ及びビデオのダウンストリーム衛星ブロードキャストと様々な通信チャネルを介する学生からのオーディオのみのアップストリーム通信とは、本発明の会議コール能力を用いた遠隔教育への応用に適している。
【0075】
ケーブル・テレビ・システムに双方向の通信能力が存在する程度によって、電子ビューワ266の間のコールのサポートが決定される。ある実施例では、ネットワーク1000の中の中央ノードが、信号処理及び調整を実行して、複数参加者によるビデオ会議コールを確立し感知する。これについては、後述する。ビデオ会議中央ノードは、ケーブル・テレビ・ネットワークにおける他の供給と結合させたり同じ位置に配置したりすることができる。例えば、中央ノードは、オペレーション・センタと関連させることにより、全国的又は地域的なカバレッジ(カバー領域)を提供することができる。より狭いカバレッジであれば、ファイバ・ノードと関連する中央ノードによってサポートすることができる。更にもう1つステップを進めると、中央ノードがライブラリ・ユニットと関連付けられると、上述したミニ・ネットワークが結果的に得られる。
【0076】
2.セルラ電話バックボーン
セルラ電話システムは、セルラ・トランシーバを備えた複数の電子ビューワ266の間でのコールのために用いることができる双方向の通信ネットワークである。アナログ及びデジタル・セルラ電話システムは、この分野では広く知られており、ビデオなしの2参加者による会議コールを容易にサポートする。デジタル・セルラ・システムは、本発明と共に用いるのに適しているが、その理由は、ビデオの伝送に必要な広い帯域幅を提供するからである。セルラ・ネットワークにおけるビデオ会議のための中央ノードは、セルラ・ベース局(すなわち、セルの中心にある)、又は、ベース局を相互にリンクするスイッチング局である。
【0077】
3.PCSバックボーン
無線PCS(パーソナル・コミュニケーション・システム)は、この技術分野で広く知られている別の双方向通信ネットワークであり、PCSトランシーバを有する電子書籍ビューワの間のコールのために用いることができる。PCSは、例えば、PCNである。
【0078】
4.PSTNバックボーン
PSTN(公衆交換式電話ネットワーク)は、本発明と共に用いて、PSTNインターフェースを有するビューワ266の間でビデオ会議コールを通信するのに用いることができる。PSTNは、世界中に到達し、地上線(金属及び光ファイバの両方)、地上マイクロ波リンク、衛星リンクを含み、更に、非常に多くのスイッチング・センタと交換局とも含んでいる。PSTNは、この技術分野において広く知られているが、特に、PSTNにおける多数参加者を有する会議コールはこの技術分野において知られている。例えば、米国特許第5,563,882(米国特許’882号)には、ISDNとH.320ビデオ電話プロトコルとを用いるビデオ会議システムが開示されている。この米国特許は、この出願において、援用する。米国特許’882号は、この出願において用いられているビデオ会議中央ノードの一例である「マルチポイント制御ユニット(MCU)」を開示している。
【0079】
5.ハイブリッド
ケーブル・テレビ・ネットワーク、セルラ電話ネットワーク、PCN、PSTN及びインターネットなどのそれ以外のネットワークのハイブリッドが可能である。例えば、あるケーブル・テレビ・ネットワークは、現在、PSTN及びインターネットへの相互接続を提供しており、それによって、テレビ・ケーブルは、家庭又はオフィスへの単一の通信コンジットでありうる。PCN及び/又はセルラ・ネットワークへの更なる統合及び相互接続は、技術的には直線的であり、将来においては有望である。
【0080】
V.会議のプロセス及び方法
A.コールの確立
ビデオ会議コールは、様々な態様で確立することができる。合成されたオーディオ、ビデオ及びおそらくそれ以外のデータに対する1又は複数のチャネルを、コールの最初に設定することができる。あるいは、ビデオ及びおそらくそれ以外のデータ通信を、当初はそれほどの媒体又は媒体チャネルを有していない既存のコール、例えばオーディオ(音声)だけのコールに追加することができる。
【0081】
いずれの場合でも、様々な媒体のためのチャネルが、コールへの参加者の中の1人によってリクエストされるのが通常である。リクエストは、ビデオ会議の中央ノードに、そのコールの媒体コンテンツに関して帯域内又は帯域外であり得るシグナリング・ネットワークを介して、通信される。回路交換式又は接続指向型ネットワークでは、リクエストは、1又は複数のビデオ会議中央ノードによって処理され、それによって、リクエストされた媒体をサポートする必要に応じて、リクエストされた媒体チャネルがルーティングされ、適切なスイッチ・ポートが予約され、及び/又は、コール参加者の間の様々なスイッチが構成される。例えば、既に確立されているオーディオのみのコールにおけるビデオ通信ミッドストリームに対するリクエストは、ビデオ会議中央ノードに、そのビデオ・スイッチを構成して二重ビデオ伝送を提供するのに十分な帯域幅の1又は複数の接続を確立することを促し、あるいは、ビデオ伝送を既存のオーディオ通信に記録、結合又は同期させるためのそれ以外の処理を実行することを促す。ビデオ会議システムにおけるリクエスト方式の別の例は、上述の米国特許’882号と、米国特許第5,896,128号(米国特許’128号)とに開示されている。後者の米国特許もこの出願において援用する。パケット交換式又は無接続(connectionless)ネットワークでは、上述したリクエストは、必要でない場合もある。非同期転送モード(ATM)ネットワークの場合には、回路交換式とパケット交換式との両方の性質をいくぶん有しているので、リクエストの使用は、この技術分野において広く知られている理解に従って、適切に修正される。
【0082】
また、継続中のビデオ会議コールに参加者を追加することも可能である。例えば、2点間の2人の間のコールを、ブリッジされた3人の間のコールに変換することも可能である。中断なしにそれを行う技術は、上述の米国特許’882号に開示されている。
【0083】
特定の参加者が、希望するならば、会議コールの他のどの参加者がその信号のすべて又は一部を受け取ることができるのかを選択することができる。この選択は、当初のコール確立の間に、又は、継続中に(on the fly)行うことができる。例えば、参加者A―Cの間の3方向の会議コールへの参加者Aは、参加者Cには秘密にしながら参加者Bに何かを開示することを望む場合には、参加者Cが参加者Aの信号を聞いたり見たりする能力を一時的に停止することができる。
【0084】
B.ビューワの信号処理及び機能
ビューワ266は、コールのコンテンツの送信及び受信に関連する信号処理を実行する。送信に関しては、スピーカ/マイクロフォン608’によって感知されたオーディオ信号が、デジタル形式に変換され、圧縮される。ボイス又はスピーチ・オーディオのためには、次のアルゴリズム群が、特に適している。すなわち、パルス符号変調(PCM)、デルタ変調(DM)及び線形予測コーディング(LPC)である。これらのアルゴリズム群は、それぞれが、差動型(differential)の変形や適応型(adaptive)の変形などの変形(variation)を含む。同様に、カメラ608”によって感知されたビデオ信号も、デジタル形式に変換され、圧縮される。イメージ圧縮の基本的な技術には、ベクトル量子化、離散的余弦変換、ランレングス符号化などが含まれる。これらの技術の組合せも可能である。イメージのビデオ・シーケンスに対しては、動き予測に基づくインターフレーム符号化を適用して、更なる圧縮ゲインを提供することができる。これらの技術及びそれ以外の技術が、ビデオ会議のための低速MPEG及びITU標準H.261及びH.263を含む標準的なビデオ圧縮アルゴリズムにおいて用いられる。ネットワークを介するビデオ及び/又はオーディオ伝送に対して十分に低いビット速度を生じ、十分に小さな遅延を伴うリアルタイムで実現することができる圧縮アルゴリズムであれば、どのようなアルゴリズムでも本発明において用いるのに適している。ビデオ及びオーディオの符号化は、別個であったり、又は、相互に関係する。例を挙げると、MPEGは、ビデオ及びオーディオの両方に対する結合型の標準である。これらの及びそれ以外の特徴は、米国特許’128号に更に詳しく開示されている。
【0085】
受信に関しては、ビューワ266は、圧縮アルゴリズムに対応する解凍アルゴリズムを実行する。更に、ビューワ266は、受信された信号の追加的な処理も実行することがある。例えば、ビューワ266は、その特定のビューワ266上への出力について一部の又はすべての他の会議コール参加者を削除し、ビデオ・イメージをスケーリングし、ビデオ・イメージを重複させ、そうでない場合には表示及び出力特性をカスタマイズすることができる。更に、ビューワ266を、会議コールのオーディオ成分に基づいて支配的なスピーカを自動的に選択し、対応するビデオ出力のサイズ及び/又は表示解像度を拡大するように、プログラムすることができる。これらの及びそれ以外の信号処理機能は、上述の米国特許’128号や、米国特許第5,801,756号に開示されている。後者の米国特許もこの出願において援用する。
【0086】
オプションであるが、このビデオ会議システムは、ビデオ及びカメラ機能のより高度で遠隔的な参加者制御をサポートすることができる。例えば、ビューワ・カメラ608”は、ローカルに又は遠隔的に電子制御することが可能であり(例えば、電子的なステアリング、合焦、ズーム、パンなどが可能)、1又は複数の他の参加しているビューワ266は、カメラ608”のこれらの電子的に制御可能な機能に指令を発し、カメラ608”によって感知されるビデオ・イメージの特性をカスタマイズし動的に変更することができる。また、同じ「カメラ」のビデオ効果を、信号処理技術を用いて達成することもできる。カメラ・コマンドと関連するビデオ操作コマンドとは、遠くにある(制御を行っている側の)ビューワから対象となっている(制御されている側の)ビューワまで、低速のシグナリング・チャネルによって通信することができる。
【0087】
これ以外の会議表示制御も可能である。これには、例えば、(1)所定のシーケンスでのラウンド・ロビン表示、(2)誰でもそのトークンを有している参加者を見ることができるというビジュアル・トークン受渡し、(3)最大音量のオーディオ信号を有する者が表示される支配的ボイス付勢、(4)チェッカーボードのように、すべての参加者が共同で配列される「ハリウッド・スクエア」型の表示などが含まれる。
【0088】
非ビデオ媒体に対しては、追加的な出力操作が可能である。非ビデオ媒体(オーディオ以外)の例としては、電子書籍、データ・ファイル、ドキュメント、スプレッドシート、グラフィクス、プログラム、テキスト・ストリーム、ウェブ・ページ、対話型ホワイトボードなどが含まれる。上述の例は、それぞれが、ディスプレイ602上のウィンドウの中に含ませることができ、ユーザの好みに適するようなサイズ、配置、層にすることが可能である。あるいは、上述の例は、それぞれが、上述の米国特許出願第09/335,268号に記載されているように、ピクチャ・イン・ピクチャ型に提供することも可能である。本発明のあるプロセスによると、表示のための新たなオブジェクトは、ビューワ266において受信されると、小さなアイコンとして最初に表示される。ユーザがそのアイコンを開く入力を提供する(例えば、それをクリックする)と、アイコンは、デフォルトのサイズ及び位置のウィンドウに変換される。そして、ユーザは、ウィンドウの表示特性を調整することができる。対話型ホワイトボードの場合には、会議コールのそれぞれの参加者は、ホワイトボードのコンテンツを見て潜在的に編集することができる。ここで、ホワイトボードは、好ましくは、単純な図面、グラフィクス及びテキストを入力することができるウィンドウである。コールの参加者は、それぞれが、同じバージョンのホワイトボードを見ていて、このホワイトボードは、周期的に又は必要に応じて、全体的に更新される。
【0089】
十分なメモリを有する受信側のビューワ266は、コールの全体を又は選択されたその一部を記録することができ、それには、それ自身のオーディオ、ビデオ又はそれ以外の成分が含まれる。コール又はコールの成分を記憶して後で検索するという能力は、記録の保持、再収集又はメッセージの配送に有用である。記録機能は、受信側ビューワ266において、人間であるユーザがいなくとも動作するようにプログラムすることができる。この場合には、記録機能は、ビューワ266に、ビデオ及び/又はそれ以外の媒体の実施例を伴う留守番電話(アンサリング・マシン)又はボイス・メール・システムの能力を与えてくれる。この能力の例として、参加していないビューワ266が、発呼側の参加者からのビデオ・コールを受け取ることができる。そして、この参加していないビューワ266は、そのコールに自動的に応答して、発呼側の参加者にオーディオ/ビデオの挨拶を送信する。この挨拶に応答して、発呼側の参加者は、オーディオ/ビデオのメッセージを参加していないビューワ266に送り、参加していないビューワ266は、このメッセージを記録する。
【0090】
受信側のビューワ266もまた、この技術分野において広く知られているアルゴリズム(例えば、ボイス・アルゴリズム)に従って、オーディオ・メッセージをテキストに変換することができる。結果として得られるテキスト・ファイルは、ビューワ266のディスプレイ602上に表示することができるし、又は、ビューワ266の中の書籍メモリ728などのメモリに記憶することもできる。この機能は、コールのトランスクリプトを作成したり、コール又はメッセージを静かに「聴く」のに有用である。同じスピーチ・テキスト変換能力は、継続中のコール又はメッセージと共に用いることも可能である。例えば、ユーザは、自らのオーディオ信号の代わりに、又は、それに加えて、自らのオーディオ信号をテキスト・ストリームとして送信することを選択することができる。ビューワ266は、広く知られたアルゴリズムに従って、テキストをスピーチに変換するようにプログラムすることもできる。この機能は、見る又は読むことに困難を有するユーザにとって、有用である。スピーチとテキストとの間のビューワによる変換の更なる詳細については、上述した米国特許出願第09/344,449号に提供されている。
【0091】
C.中央ユニットの機能
これまでに述べたビューワの機能の一部又は全部は、代わりに(又は、それに加えて)、ビデオ会議中央ノードによって行われることが可能である。例えば、記録及び記憶機能は、複数のビューワの間に分散されているよりも、容易に、そして場合によっては効果的に、中央記憶ノードに配置することができる。更なる例として、中央ノードは、スピーチ・テキスト変換を実行することができ、対話型ホワイトボードを記憶し管理することができる。中央ユニットによる記録、記憶及び管理は、ビデオ会議コールのコンテンツが講義又は発表に関するときに、望ましい。
【0092】
好適実施例では、ビデオ会議中央コールが、会議コールのための中央での結合を行う。中央での結合は、固定された又は境界の明確な帯域幅を有する全二重接続を参加しているそれぞれのビューワ266と中央ノードとの間に確立することによって、会議コールに参加しているビューワ266の間の通信を簡略化する。中央ノードは、コールのすべての側面を管理し、その単一のチャネル上のそれぞれの参加しているビューワによって受信された情報の選択に対して最終的に責任を有する。中央ノードは、ビデオ、オーディオ及びおそらくはそれ以外の媒体のアップリンク伝送のすべてを受け取る。そして、中央ノードは、アップリンク・データの様々な結合を行い、1つの結合が参加しているそれぞれのビューワ266に伝送される。それぞれの参加しているビューワ266は、構成コマンドを中央ノードに通信することによって、上述したように、そのダウンリンク結合と出力表示とをカスタマイズすることができる。これによって、リクエストされた構成が生じる。ビデオ会議のための中央結合の更なる詳細は、上述した米国特許7128号と、米国特許第5,657,096号とに開示されている。後者も、この出願において援用する。
【0093】
図10は、3つのビューワ266a、266b及び266cの間の会議コールのための中央での結合を図解している。ノード1025は、このコールのための中央ノードである。ノード1030及び1035は、ビューワ266aの接続のために用いられる。この例では、ネットワーク1000は、最初に、ノード1025が中央ノードとして機能すると判断する。会議コールが確立されると、ネットワーク1000内部でのシグナリングが生じて、ノード1025を中央ノードとして設定し、ノード1030及び1035においてスイッチを構成し、それによって、回路交換の場合の接続を示されているように作成する。パケット交換の場合には、図解されているルートは、与えられたパケットに対する多くの可能なルートの中のいくつか又は最も可能性の高いいくつかであり得る。ビューワ266aにおいて発生される又は生じるビデオ、オーディオ及び/又はそれ以外の媒体などの信号は、中央ノード1025に伝送される。同様に、ビューワ266b及びビューワ266cは、それぞれが、アップリンク信号を中央ノード1025に伝送する。ある実施例では、ビューワ266266a−cは、それぞれが、シグナリング接続を介して、そのディスプレイ設定及びそれ以外の機能に関する構成情報も送る。この構成情報に基づいて、中央ノード1025は、2つのアップリンクの一部又は全部からのデータの結合を行い、ビューワ266a−cのそれぞれに1つずつ、3つのカスタマイズされたダウンリンク信号を作成し、それらのダウンリンク信号を示されている経路に沿って送る。当業者であれば理解するように、与えられたビューワとの間のアップリンク及びダウンリンク伝送は、物理的又は論理的に同じ経路を共有する必要はない。
【0094】
ある実施例では、中央ノード1025は、オーディオ結合を行う。典型的には、参加しているすべての他のビューワ266からのオーディオ・アップリンク成分が加算されて、和又は結合オーディオ信号が作成され、これが、そのダウンリンク伝送の一部又は全部として、参加しているビューワに送られる。オーディオ加算結合の効果として、コール参加者全員が、すべての他の参加者を聞くことが可能になる。これは、面と向かった会議で生じるのと同じである。オプションとして、ビューワ自身のアップリンク・オーディオ信号を、それ自身が受信した和ダウンリンクオーディオに加算して、サイド・トーンを与えることができる。この加算は、重み付けされた和であり、この重み付けは動的に変更することが可能である。例えば、相対的なオーディオの重み、すなわち増幅は、特定のビューワのスクリーン上のそのスピーカの対応するビデオ・イメージのサイズに比例することがあり得る。別の例として、任意の時点における支配的なスピーカの相対的なオーディオ重み付けを増加させることができる。成分オーディオ信号とその対応するビデオ信号との間の時間的な関係は、必要に応じて維持され同期がとられる。当業者であれば以上を理解することができ、また、オーディオ会議の広く知られた技術から、多くの他の変更例や機能を想到することができる。
【0095】
本発明のある実施例では、中央ノード1025は、ビデオ処理を実行して、ビデオ会議コールの様々なビデオ成分を結合する。最も単純な場合には、中央ノード1025は、1又は複数のアップリンクからのビデオ信号を、それらのビデオ信号のコンテンツを処理することなく、与えられたダウンリンクにスイッチングする。この場合には、それぞれのビューワは、任意のビデオ・コンテンツ処理を実行する。より積極的な役割としては、中央ノード1025は、アップリンク・ビデオ信号の実質的な処理を行って、参加しているそれぞれのビューワ266に対して複合ビデオ信号を作成する。このより積極的な役割では、中央ノード1025は、他の媒体に加えて利用可能なアップリンク・ビデオ・イメージ(静止画又は動画)から、位置を選択し、イメージをスケーリングする。イメージの下方スケーリング(縮小)は、結果的に、対応するビデオ・アップリンク信号と比較して、解像度の低下を生じさせる。イメージの上方スケーリング(拡大又は増大)は、より粗いイメージを生じさせるが、この解像度は、例えば、イメージ補間又はエッジ強化など広く知られた技術を用いて改善することができる。次に、参加しているそれぞれのビューワ266に対する複合イメージが、伝送のために符号化される。例えば、MPEG、H.261、H.263など、動画のための標準的なデジタル符号化フォーマットが好ましい。
【0096】
図11は、ビデオ会議中央ノード1025のブロック図である。中央ノード1025は、上述した機能を実行するための回路を含む。これには、ビデオ・コンバイナ1410、オーディオ加算コンバイナ1415、スイッチ1420などがある。また、中央ノード1025は、オーディオ信号とビデオ信号との間の相対的なタイミングを必要に応じて調整するシンクロナイザ1425と、信号を将来の検索と再生とのために記録することができるメモリ1430とを含む。シグナリング・モジュール1435は、ビューワ266や他のノードとの間で、シグナリング情報を送受信する。最後に、コントローラ1440が、それ以外の回路の動作を制御する。この技術分野の当業者であれば、図11に図解されているもの以外の構成でもかまわないことを理解するし、他のノード又は中央ノードが図解されているよりも少ない回路を含む場合もあることを理解するはずである。
【0097】
VI.応用例
本発明は、ビデオ会議コールへの参加と関連して電子書籍を見ることができるという便利さが組み合わされることにより、シナジ的な効果を奏する。
【0098】
最も基本的なレベルでは、本発明によるビューワ266は、電子書籍を見る及び会議コールに参加するという二重の機能を実行することができる単一の装置が得られるという効果及び便宜を提供する。この組合せでは、両方の機能に用いることができるディスプレイ602や通信能力など、共通の構成要素を利用する。ビューワ266は、複数の別々の装置よりも、携帯や利用において単純である。更に、ビューワ266は、とりわけ無線通信の際のその携帯性により、家庭やオフィスを含む様々な場所で、そして、旅行中でも、更にはビーチでも用いることができる。
【0099】
本発明のシナジ的な効果の別の例として、電子書籍を見ながら会議コールを開始することができる点がある。電子書籍は、会議コールに直接的に関係あるものでありうる。例えば、電子書籍は、「ホワイトページ」や「イエローページ」など電話接続番号のディレクトリ、リスト、住所などや、個人的な契約ブックレットでありうる。ビューワ266上で電子書籍ディレクトリを見て1又は複数の電話をかける相手先を探している間に、又は、その直後に、同じビューワ266を用いて便利に会議コールを確立することができる。ビューワ266は、ユーザから接続番号又は住所をマスクするようにプログラムすることができ、そうする場合には、ユーザは、電話の相手先の名前又はより親しみのある「ハンドル名」とだけ関わればよいことになる。特に、ユーザは、ディレクトリから名前を単純に強調する、クリックする又はそれ以外の手段で選択することができ、そうすると、ビューワが、適切な接続情報を自動的に獲得してコールを開始する。ディレクトリは、また、このようにして、新たな相手先を既存のコールに追加するのに用いることもできる。
【0100】
別の例であるが、電子書籍は、商品カタログでもありうる。カタログを読んでいる間に、ユーザは、店又は売主へのコールを開始して、カタログの中の品目を注文したり、追加的な情報を得たりすることができる。電子書籍カタログは、カタログのコンテンツに関係して容易で自動的なコールを提供するように書かれていることもありうる。例えば、ユーザは、カタログの中の品目を強調する、クリックする又はそれ以外の手段で選択して1つのボタン(例えば、「ダイアル」又は「接続」ボタン)を押すことにより、コールを開始することができる。実施例によっては、このコールは会議コールであって、選択された品目のオークションが行われ、発呼者がそのオークションにライブで参加できる。より一般的には、電子書籍はカタログであることは必要ないのであって、電話をかけることができる店の広告、商品又は特別の情報サービス(例えば、スポーツの結果、天気情報、星占い、ディーラー・ロケータ・サービス(dealer locator services)又は成人向け娯楽など)を含む任意の出版物でありうる。
【0101】
他のシナジ的な効果は、電子書籍が会議コールとは直接に関係のない場合に生じる。電子書籍を見ているユーザは、最小限の中断の効果だけでコールを開始又は受信することができる。というのは、コールと電子書籍とを同じビューワ266上で見ることができるからである。更に、ユーザは、コールを開始する又は受信するときには、現に見ている電子書籍の現在のページに自動的にしるしを付けることができ、コールが終了した後で容易に電子書籍の読書に戻ることができる。ユーザは会議コールに参加していて、それが退屈であり迷惑であると考えるときには、その会議コールに関心があるふりをしながら、同じビューワ266上の電子書籍を目立たずに容易に読むことができる。電子書籍ビューワ266のディスプレイ602が実際には2つの別々のスクリーンであるときには、一方のスクリーン上に電子書籍又はテキストを表示しながら、他方のスクリーンはビデオ会議を表示するのに用いることもできる。入来コールについては、発呼者の識別(「発呼者ID」)は、この技術分野において広く知られている技術に従って行われ、この発呼者IDはディスプレイ602上に表示される。
【0102】
おそらくはより重要なことであるが、本発明は、遠隔教育(通信教育、ディスタンス・ラーニング)に応用することによって、効果的に用いることができる。教科書や講義又は発表の教材(例えば、講義や発表の概要又はスライドなど)は、電子書籍という形式をとることができ、講義、発表又は議論は、ビデオ会議コールとして行うことが可能である。好適実施例では、ビデオを教授又は発表者からコールへの参加者全員に向けてブロードキャストし、その際に、すべてのコール参加者(教授又は発表者を含む)からはオーディオだけを結合させ、全員が他の参加者の音声を聞くことができ、教授又は発表者だけが見られるという状態にすることができる。このようにして、質疑応答を交換することができる。別の好適実施例では、ビジュアル・トークンを手渡すという方式が用いられ、この方式において、教授又は発表者はデフォルトのトークン所持者であるが、教授又は発表者はトークンを学生又は聴衆に手渡すことができ、それによって、例えば、学生又は聴衆が質問をするときに、誰もが学生又は聴衆のカメラ608”のビデオを見ることができるようにすることができる。対話型のホワイトボードが会議コールに組み入れられていることが望ましく、そうすることで、非言語的に表現される方がより自然であるような学生の質問や入力(例えば、スケッチや、数学的な数式など)が容易になる。テキスト・ファイル、テキスト・バナー、グラフィクス・ファイル、ビデオ・クリップ、コンピュータ・プログラム、それ以外のデータなども、会議コールにうまく組み入れることができ、それにより、効果的な通信及び学習に役立つ。例えば、教授又は発表者は、講義又は発表の一部として、ビデオの記録を再生することができるし、コンピュータ・シミュレーションを行うこともできる。
【0103】
本発明は、遠隔教育において用いられると、これ以外の多くの利点及び効果を提供することができる。例えば、学生は、多くの大部で重い書籍ではなく、軽量のビューワ266を1つもっているだけでよくなる。ビューワ266は、十分なメモリ容量を備えていれば、1セメスタのコース全体で1人の忙しい学生によって用いられるすべての書籍を容易に記憶することができる。別の例としては、本発明によるスピーチ・テキスト能力により、学生がノートをとる手間が単純化される。更に別の例であるが、遠隔教育の会議コールでの講義の一部又は全部の構成要素を記憶することができることによって、講義を欠席した学生は、出席しなかった講義を容易に聴講することが可能になる。また、特定のトピックを復習することを望む学生は、オフィス・アワーの間に教授に会って教授に講義で話された内容をもう一度教えてもらわなくても、検索し再生するために、そのトピックをカバーしている講義に容易にアクセスすることができる。学生が教授にやはり会うことを望むときには、会議コールの形式で会うことができ、教科書の関連する部分(例えば、宿題として出された問題など)を表示し、それについて話すことも容易である。教授と学生との面会では、本発明によって提供されるホワイトボードを効果的に用いることもできる。学校や大学は、本発明を利用することにより、教室の大きさや物理的施設の容量という伝統的な物理的制約を受けることなく、非常に多数の学生に経済的に遠隔教育の授業を提供することができる。
【0104】
端的にいえば、本発明は、キャンパスや教育プロセスを改革することができ、500年前にグーテンベルグによる印刷技術がそうであったように、教育の新たな再生を刻もうとしている。
【0105】
この出願において用いられた用語及び記述は、例示のためのものであり、限定を意図したものではない。この技術分野の当業者であれば、冒頭の特許請求の範囲とその均等物によって定義される本発明の精神と範囲とから逸脱することなく、多くの改変が可能であることを理解するはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子書籍ビューワであって、
電子書籍を表すデータを記憶することができるメモリと、
前記メモリに接続されており、前記電子書籍を表示することができるビデオ・ディスプレイと、
スピーカと、
マイクロフォンと、
前記マイクロフォンに接続された送信機と、
前記スピーカに接続された受信機と、
を備えており、前記送信機と前記受信機とが、会議コールを提供するのに十分な帯域幅を有しているため、会議コールにおいて用いることが可能であることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項2】
請求項1記載の電子書籍ビューワにおいて、前記ビデオ・ディスプレイは前記受信機に接続されており、前記会議コールはこの電子書籍ビューワによって受信されるビデオを含むことを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項3】
請求項1記載の電子書籍ビューワにおいて、
前記送信機に接続されたカメラを更に備えており、それによって、前記会議コールはこの電子書籍ビューワから伝送されたビデオを含むことを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項4】
請求項3記載の電子書籍ビューワにおいて、前記カメラは電子的に制御可能であることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項5】
請求項4記載の電子書籍ビューワにおいて、前記受信機は前記カメラを制御するコマンドを受け取ることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項6】
請求項1記載の電子書籍ビューワにおいて、前記送信機と前記受信機とは、無線トランシーバ、CDMAトランシーバ、ケーブル・テレビ・トランシーバ、セルラ電話トランシーバ、PCSトランシーバ、PSTNモデム及び衛星トランシーバから構成されるグループの中の1つを備えていることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項7】
請求項1記載の電子書籍ビューワにおいて、前記受信機は衛星受信機を備えていることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項8】
請求項1記載の電子書籍ビューワにおいて、前記受信機の帯域幅は前記送信機の帯域幅よりも広いことを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項9】
請求項1記載の電子書籍ビューワにおいて、
前記メモリと前記ビデオ・ディスプレイと前記スピーカと前記マイクロフォンとに接続されたプロセッサと、
前記プロセッサ上で実行される会議コール・ソフトウェアと、
を更に備えていることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項10】
請求項1記載の電子書籍ビューワにおいて、携帯型であることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項11】
請求項1記載の電子書籍ビューワにおいて、前記ビデオ・ディスプレイは2つのスクリーンを備えていることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項12】
請求項11記載の電子書籍ビューワにおいて、前記ビデオ・ディスプレイは前記受信機に接続され、前記会議コールはこの電子書籍ビューワによって受け取られるビデオを含み、前記2つのスクリーンの第1のスクリーンの上には電子書籍を表示することができ、その際に、前記2つのスクリーンの第2のスクリーンの上には前記会議コールのビデオが同時に表示されることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項13】
電子書籍ビューワであって、
電子書籍を表すデータを記憶することができるメモリと、
前記メモリに接続されており、前記電子書籍を表示することができるビデオ・ディスプレイと、
スピーカと、
マイクロフォンと、
前記スピーカに接続された受信機と、
前記マイクロフォンに接続された送信機と、
前記メモリと前記ビデオ・ディスプレイと前記スピーカと前記マイクロフォンと前記受信機と前記送信機とに接続されたプロセッサと、
前記プロセッサ上で実行されることにより、この電子書籍ビューワを会議コールで用いることが可能になる会議コール・ソフトウェアと、
を備えていることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項14】
請求項13記載の電子書籍ビューワにおいて、前記ビデオ・ディスプレイは前記受信機に接続されており、前記会議コールはこの電子書籍ビューワによって受信されるビデオを含むことを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項15】
請求項13記載の電子書籍ビューワにおいて、
前記送信機に接続されたカメラを更に備えており、それによって、前記会議コールはこの電子書籍ビューワから伝送されたビデオを含むことを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項16】
請求項15記載の電子書籍ビューワにおいて、前記カメラは電子的に制御可能であることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項17】
請求項16記載の電子書籍ビューワにおいて、前記受信機は前記カメラを制御するコマンドを受け取ることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項18】
請求項13記載の電子書籍ビューワにおいて、前記送信機と前記受信機とは、無線トランシーバ、CDMAトランシーバ、ケーブル・テレビ・トランシーバ、セルラ電話トランシーバ、PCSトランシーバ、PSTNモデム及び衛星トランシーバから構成されるグループの中の1つを備えていることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項19】
請求項13記載の電子書籍ビューワにおいて、前記受信機は衛星受信機を備えていることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項20】
請求項13記載の電子書籍ビューワにおいて、前記受信機の帯域幅は前記送信機の帯域幅よりも広いことを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項21】
請求項13記載の電子書籍ビューワにおいて、携帯型であることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項22】
請求項13記載の電子書籍ビューワにおいて、前記ビデオ・ディスプレイは2つのスクリーンを備えていることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項23】
請求項22記載の電子書籍ビューワにおいて、前記ビデオ・ディスプレイは前記受信機に接続され、前記会議コールはこの電子書籍ビューワによって受け取られるビデオを含み、前記2つのスクリーンの第1のスクリーンの上には電子書籍を表示することができ、その際に、前記2つのスクリーンの第2のスクリーンの上には前記会議コールのビデオが同時に表示されることを特徴とする電子書籍ビューワ。
【請求項24】
少なくとも1つの電子書籍ビューワを備えている会議システムであって、前記少なくとも1つの電子書籍ビューワは、
電子書籍を表すデータを記憶することができるメモリと、
前記メモリに接続されており、前記電子書籍を表示することができるビデオ・ディスプレイと、
スピーカと、
マイクロフォンと、
前記マイクロフォンに接続された送信機と、
前記スピーカに接続された受信機と、
を備えており、前記送信機と前記受信機とが、会議コールを提供するのに十分な帯域幅を有しているため、前記少なくとも1つの電子書籍ビューワを会議コールにおいて用いることが可能となり、この会議システムは、更に、
少なくとも1つのエンド装置と、
前記少なくとも1つの電子書籍ビューワと前記少なくとも1つのエンド装置との中の少なくとも2つを会議コールにおいてリンクさせることができる相互接続ネットワークと、
を備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項25】
請求項24記載の会議システムにおいて、前記少なくとも1つのエンド装置は別の電子書籍ビューワであることを特徴とする会議システム。
【請求項26】
請求項24記載の会議システムにおいて、前記相互接続ネットワークは、前記少なくとも1つの電子書籍ビューワと前記少なくとも1つのエンド装置との間の直接的な接続を備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項27】
請求項26記載の会議システムにおいて、前記直接的な接続はハードワイヤード接続であることを特徴とする会議システム。
【請求項28】
請求項27記載の会議システムにおいて、前記ハードワイヤード接続は、家庭内電話配線、家庭内電源配線、家庭内同軸ケーブル及びコンピュータ・ネットワークから構成されるグループの中の少なくとも1つを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項29】
請求項26記載の会議システムにおいて、前記直接的な接続は無線接続であることを特徴とする会議システム。
【請求項30】
請求項29記載の会議システムにおいて、前記無線接続は、無線周波数リンクと赤外線リンクとから構成されるグループの中の少なくとも1つを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項31】
請求項24の会議システムにおいて、前記相互接続ネットワークは、
ライブラリ・ユニットと、
前記ライブラリ・ユニットと前記少なくとも1つの電子書籍ビューワの1又は複数との間の接続と、
を備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項32】
請求項31記載の会議システムにおいて、前記接続はハードワイヤード接続であることを特徴とする会議システム。
【請求項33】
請求項32記載の会議システムにおいて、前記ハードワイヤード接続は、家庭内電話配線、家庭内電源配線、家庭内同軸ケーブル及びコンピュータ・ネットワークから構成されるグループの中の少なくとも1つを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項34】
請求項31記載の会議システムにおいて、前記直接的な接続は無線接続であることを特徴とする会議システム。
【請求項35】
請求項34記載の会議システムにおいて、前記無線接続は、無線周波数リンクと赤外線リンクとから構成されるグループの中の少なくとも1つを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項36】
請求項31記載の会議システムにおいて、前記相互接続ネットワークは、前記ライブラリ・ユニットに接続されたセットトップ端末を更に備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項37】
請求項36記載の会議システムにおいて、前記相互接続ネットワークは、双方向通信経路を介して前記セットトップ端末に接続されたビデオ分配システムを更に備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項38】
請求項37記載の会議システムにおいて、前記ビデオ分配システムはケーブル・テレビ・システムであることを特徴とする会議システム。
【請求項39】
請求項37記載の会議システムにおいて、前記ビデオ分配システムは、直接ブロードキャスト衛星テレビ・システムであることを特徴とする会議システム。
【請求項40】
請求項24記載の会議システムにおいて、前記相互接続ネットワークは、セルラ電話ネットワークとPCSと公衆交換式電話ネットワークとインターネットとLANと衛星通信ネットワークとから構成されるグループの中の1又は複数を備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項41】
請求項24記載の会議システムにおいて、前記相互接続ネットワークは中央結合ノードを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項42】
請求項41記載の会議システムにおいて、前記中央結合ノードはビデオ・コンバイナを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項43】
請求項41記載の会議システムにおいて、前記中央結合ノードはオーディオ信号加算モジュールを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項44】
請求項41記載の会議システムにおいて、前記中央結合ノードはスイッチを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項45】
請求項41記載の会議システムにおいて、前記中央結合ノードはコントローラを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項46】
請求項41記載の会議システムにおいて、前記中央結合ノードはシグナリング・モジュールを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項47】
請求項41記載の会議システムにおいて、前記中央結合ノードは前記会議コールの成分を記憶することができるメモリを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項48】
請求項47記載の会議システムにおいて、前記会議コールの記憶された成分は、オーディオ信号とビデオ信号とプログラム・ファイルとデータ・ファイルとテキスト・ファイルと電子書籍から構成されるグループから選択された少なくとも1つを備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項49】
請求項1記載の会議システムにおいて、
前記メモリと前記ビデオ・ディスプレイと前記スピーカと前記マイクロフォンとに接続されたプロセッサと、
前記プロセッサ上で実行される会議コール・ソフトウェアと、
を更に備えていることを特徴とする会議システム。
【請求項50】
電子書籍ビューワを用いて会議をする方法であって、
前記電子書籍ビューワの上に電子書籍を表示するステップと、
前記電子書籍を見ながら会議コールに参加するステップと、
前記会議コールの情報コンテンツを前記電子書籍ビューワと通信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
請求項50記載の方法において、前記参加するステップは、
前記電子書籍を見ながら1又は複数の当事者への会議コールを開始するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項51記載の方法において、
前記開始するステップに応答して、前記電子書籍における現在のページ位置をマークするステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項50記載の方法において、前記コールは前記電子書籍と関係していることを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項53記載の方法において、前記電子書籍はコール開始情報のディレクトリであり、前記ディレクトリの1つのエントリは前記1又は複数のコールされた当事者の中の少なくとも1人と関係していることを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項54記載の方法において、コール開始データの前記ディレクトリは個人用のディレクトリであることを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項54記載の方法において、コール開始データの前記ディレクトリは公開されているディレクトリであることを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項54記載の方法において、前記ディレクトリの1つのエントリは、当該エントリのための会議コールの特徴の利用可能性に関する情報を含むことを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項57記載の方法において、前記会議コールの特徴は、オーディオ能力とビデオ受信能力とビデオ送信能力と電子書籍を見る能力から構成されたグループから選択された少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項59】
請求項53記載の方法において、前記電子書籍は商品カタログであることを特徴とする方法。
【請求項60】
請求項53記載の方法において、前記電子書籍は企業の広告を含み、前記コールされた当事者は前記企業であることを特徴とする方法。
【請求項61】
請求項53記載の方法において、前記会議コールは遠隔学習用の会議コールであり、前記電子書籍は前記学習に関することを特徴とする方法。
【請求項62】
請求項50記載の方法において、
前記会議コールをカスタマイズするステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項63】
請求項50記載の方法において、
動的に前記会議コールに成分を加える又は前記会議コールから成分を削除するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項64】
請求項50記載の方法において、
前記会議コールの1又は複数の成分を記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項65】
請求項64記載の方法において、前記記憶するステップは前記電子書籍ビューワにおいて実行されることを特徴とする方法。
【請求項66】
請求項64記載の方法において、前記記憶するステップは前記コールを接続するネットワークにおけるノードにおいて実行されることを特徴とする方法。
【請求項67】
請求項64記載の方法において、
前記会議コールの終了の後で、前記会議コールの記憶された成分の一部又は全部を検索するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項68】
請求項67記載の方法において、
前記検索するステップの前に前記会議コールの記憶された成分へのアクセスを承認するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項69】
請求項50記載の方法において、前記参加するステップは、
前記電子書籍を表示しながら会議コールを受信するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項70】
請求項69記載の方法において、
前記受信するステップに応答して、前記電子書籍における現在のページ位置をマークするステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項71】
請求項69記載の方法において、
発呼者又は発呼装置のIDを表示するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項72】
請求項50記載の方法において、前記会議コールはスピーチを含んでおり、この方法は、
前記スピーチの少なくとも一部をテキストに変換するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項73】
請求項50記載の方法において、前記表示するステップは前記参加するステップの開始の後に実行されることを特徴とする方法。
【請求項74】
電子書籍ビューワを用いた遠隔学習の方法であって、
学習のための材料を前記電子書籍ビューワの上に電子書籍として表示するステップと、
前記電子書籍を表示しながら会議コールに参加するステップと、
前記会議コールの情報コンテンツを前記電子書籍ビューワと通信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項75】
請求項74記載の方法において、前記学習のための材料は教科書を含むことを特徴とする方法。
【請求項76】
請求項74記載の方法において、前記学習のための材料はアウトラインを含むことを特徴とする方法。
【請求項77】
請求項74記載の方法において、前記通信するステップは前記電子書籍ビューワにおいてビデオ信号を受信するステップを含み、この方法は、
前記ビデオ信号に関係するビデオ・イメージを前記電子書籍ビューワ上に表示するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項78】
請求項74記載の方法において、前記通信するステップは前記電子書籍ビューワからのオーディオ情報を伝送するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項79】
請求項78記載の方法において、前記オーディオ情報は質問であることを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項74記載の方法において、
前記会議コールの少なくとも一部を記憶するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項81】
請求項80記載の方法において、
前記記憶された会議コールを検索するステップを更に含むことを特徴とする方法。
【請求項82】
請求項74記載の方法において、前記会議コールはスピーチを含んでおり、この方法は、
前記スピーチの少なくとも一部をテキストに変換するステップを更に含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−239444(P2011−239444A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−145226(P2011−145226)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【分割の表示】特願2001−522408(P2001−522408)の分割
【原出願日】平成12年9月8日(2000.9.8)
【出願人】(511090431)アドレア エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】