説明

電子楽器および半自動演奏方法

【課題】様々な楽曲をいわゆるワンキー演奏により演奏すること。
【解決手段】楽曲の波形を示しているオーディオデータに基づいてその楽曲を複数部分に分割するステップS1〜S5と、所定の操作に応答してその複数部分のうちの前回に出力した部分の次の部分を自動演奏するステップとを備えている。このとき、本発明による半自動演奏方法は、任意の楽曲を構成する複数の部分を所定の操作ごとに順次に発音する、いわゆるワンキー演奏をすることができ、たとえば、その楽曲を構成する複数の楽音がそれぞれ発音される複数のタイミングを示している音符データ(たとえば、MIDIデータ)で表現されていない楽曲をワンキー演奏することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子楽器および半自動演奏方法に関し、特に、単純な操作により楽曲を演奏するときに利用される電子楽器および半自動演奏方法に関する。
【背景技術】
【0002】
楽曲を構成する複数の楽音に関する楽音情報を用いて、鍵盤の押下ごとに楽音情報を1つずつ読み出して発音するワンキー演奏が知られている。このようなワンキー演奏によれば、演奏者は、楽器の演奏に熟練していない場合でも、登録された楽曲を単純な操作により演奏することができる。様々な楽曲をワンキー演奏することができる電子楽器が望まれている。
【0003】
特許第2753640号公報には、簡単な構成で確実に同期を取ることを可能とし、一般的に普及している記録媒体を通常の仕様で用いることを可能とし、更に、途中から楽器の自動演奏を開始するのに同期させて楽曲を再生することを可能とし、逆に、途中から楽曲を再生するのに同期させて楽器を自動演奏させる自動演奏装置が開示されている。その自動演奏装置は、自動演奏データに基づいて自動演奏を行う音源手段と、記録媒体に記録されているオーディオデータの再生を行う再生手段と、該再生手段による前記オーディオデータの再生動作に同期して、前記記録媒体に記録されている前記再生中のオーディオデータの各タイミングを示す位置データを順次読み出す位置データ読み出し手段と、前記自動演奏データを記憶し、その場合に、該自動演奏データのうち所定の自動演奏データによる前記音源手段での自動演奏と同期して前記再生手段で再生されるべき前記オーディオデータのタイミングを示す前記位置データを、前記所定の自動演奏データと共に記憶する自動演奏データ記憶手段と、同期開始時点をユーザに指定させる同期開始時点指定手段と、該同期開始時点の指定動作に応じて、前記自動演奏データ記憶手段に記憶されている前記位置データに基づいて、又は該位置データと前記位置データ読み出し手段から順次読み出される前記位置データに基づいて、前記同期開始時点に対応するタイミングからの前記オーディオデータの再生開始を前記再生手段に指示し、該指示動作に同期して前記自動演奏データ記憶手段に記憶されている前記自動演奏データを前記同期開始時点に対応する前記自動演奏データから順に読み出しそれに基づいて前記音源手段に自動演奏を行わせる同期制御手段とを有することを特徴としている。
【0004】
特開2000−148142号公報には、装飾音符をリアルに再現でき、しかもリアルタイム入力で作成された音符データ及び外部から受信したMIDIメッセージをそのままコンサートマジック自動演奏に使用することのできるコンサートマジック自動演奏装置が開示されている。そのコンサートマジック自動演奏装置は、各々に発音タイミングを規定するためのステップタイム値が含まれた複数の音符データで成る自動演奏データを記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された自動演奏データに含まれる音符データの読み出し位置を示すポインタ手段と、自動演奏の進行を指示する指示手段と、該指示手段の指示に応答して、前記ポインタ手段で示された音符データから所定範囲のステップタイム値を有する音符データまでの各音符データを前記記憶手段から順次読み出し、該読み出した音符データに基づき楽音を発生する楽音発生手段とを有している。
【0005】
【特許文献1】特許第2753640号公報
【特許文献2】特開2000−148142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、様々な楽曲を単純な操作により演奏する電子楽器および半自動演奏方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0008】
本発明による電子楽器(1)は、楽曲分割部(23)とコンサートマジック部(24)とを備えている。楽曲分割部(23)は、楽曲の波形を示しているオーディオデータに基づいてその楽曲を複数部分に分割する。コンサートマジック部(24)は、所定の操作に応答してその複数部分のうちの前回に出力した部分の次の部分を自動演奏する。このとき、電子楽器(1)は、任意の楽曲を構成する複数の部分を所定の操作ごとに順次に発音する、いわゆるワンキー演奏をすることができ、たとえば、その楽曲を構成する複数の楽音がそれぞれ発音される複数のタイミングを示している音符データ(たとえば、MIDIデータ(SMF))で表現されていない楽曲をワンキー演奏することができる。
【0009】
楽曲分割部(23)は、その楽曲の音量の変化に基づいてその楽曲をその複数部分に分割する。このとき、電子楽器(1)は、その楽曲を構成する複数の楽音のうちの1つの楽音が発音され始めてからその複数の楽音のうちのその1つの楽音の次の楽音が発音され始めるまでを算出することができ、その楽曲をより適切に複数部分に分割することができる。
【0010】
楽曲分割部(23)は、その楽曲の周波数の変化に基づいてその楽曲をその複数部分に分割する。このとき、電子楽器(1)は、その楽曲を構成する複数の楽音のうちの1つの楽音が発音され始めてからその複数の楽音のうちのその1つの楽音の次の楽音が発音され始めるまでを算出することができ、その楽曲をより適切に複数部分に分割することができる。
【0011】
楽曲分割部(23)は、その楽曲を構成する複数の楽音がそれぞれ発音される複数のタイミングを示している音符データに基づいてその楽曲をその複数部分に分割する。すなわち、電子楽器(1)は、このような音符データが存在するときに、その音符データに基づいてその楽曲をより適切に複数部分に分割することができる。
【0012】
本発明による電子楽器(1)は、そのオーディオデータに基づいてその音符データを算出する解析部をさらに備えている。そのオーディオデータに基づいてその音符データを算出するアルゴリズムは、周知である。このとき、電子楽器(1)は、このような音符データが存在しないときに、そのオーディオデータに基づいてその音符データを生成することにより、その楽曲をより適切に分割することができる。
【0013】
本発明による電子楽器(1)は、ドライバを用いてそのオーディオデータを記録する記録媒体からその音符データをそのオーディオデータとともに読み出すデータ読出部をさらに備えている。その記録媒体は、そのオーディオデータとともにその音符データを記録している。このような記録媒体としては、CDが例示され、このようなフォーマットとしては、CD−MIDIが例示される。すなわち、電子楽器(1)は、記録媒体がオーディオデータとともに音符データを記録しているときに、その音符データに基づいてその楽曲をより適切に分割することができる。
【0014】
その複数部分は、それぞれ、その楽曲を構成する複数の楽音のうちの1つの楽音が発音され始めてからその複数の楽音のうちのその1つの楽音の次の楽音が発音され始めるまでを示していることが好ましい。
【0015】
その複数部分は、それぞれ、その楽曲を構成する複数の拍のうちの1つの拍が発音され始めてからその複数の拍のうちのその1つの拍と異なる他の拍が発音され始めるまでを示していることが好ましい。
【0016】
本発明による半自動演奏方法は、楽曲の波形を示しているオーディオデータに基づいてその楽曲を複数部分に分割するステップ(S1〜S5)と、所定の操作に応答してその複数部分のうちの前回に出力した部分の次の部分を自動演奏するステップとを備えている。このとき、本発明による半自動演奏方法は、任意の楽曲を構成する複数の部分を所定の操作ごとに順次に発音する、いわゆるワンキー演奏をすることができ、たとえば、その楽曲を構成する複数の楽音がそれぞれ発音される複数のタイミングを示している音符データ(たとえば、MIDIデータ(SMF))で表現されていない楽曲をワンキー演奏することができる。
【0017】
その楽曲は、その楽曲の音量の変化に基づいてその複数部分に分割される。このとき、本発明による半自動演奏方法は、その楽曲を構成する複数の楽音のうちの1つの楽音が発音され始めてからその複数の楽音のうちのその1つの楽音の次の楽音が発音され始めるまでを算出することができ、その楽曲をより適切に複数部分に分割することができる。
【0018】
その楽曲は、その楽曲の周波数の変化に基づいてその複数部分に分割される。このとき、本発明による半自動演奏方法は、その楽曲を構成する複数の楽音のうちの1つの楽音が発音され始めてからその複数の楽音のうちのその1つの楽音の次の楽音が発音され始めるまでを算出することができ、その楽曲をより適切に複数部分に分割することができる。
【0019】
その楽曲は、その楽曲を構成する複数の楽音がそれぞれ発音される複数のタイミングを示している音符データに基づいてその複数部分に分割される。すなわち、本発明による半自動演奏方法は、このような音符データが存在するときに、その音符データに基づいてその楽曲をより適切に複数部分に分割することができる。
【0020】
本発明による半自動演奏方法は、そのオーディオデータに基づいてその音符データを算出するステップ(S4)をさらに備えている。そのオーディオデータに基づいてその音符データを算出するアルゴリズムは、周知である。このとき、本発明による半自動演奏方法は、このような音符データが存在しないときに、そのオーディオデータに基づいてその音符データを生成することにより、その楽曲をより適切に分割することができる。
【0021】
本発明による半自動演奏方法は、ドライバを用いてそのオーディオデータを記録する記録媒体からその音符データをそのオーディオデータとともに読み出すステップ(S3)をさらに備えている。その記録媒体は、そのオーディオデータとともにその音符データを記録している。このような記録媒体としては、CDが例示され、このようなフォーマットとしては、CD−MIDIが例示される。すなわち、本発明による半自動演奏方法は、記録媒体がオーディオデータとともに音符データを記録しているときに、その音符データに基づいてその楽曲をより適切に分割することができる。
【0022】
その複数部分は、それぞれ、その楽曲を構成する複数の楽音のうちの1つの楽音が発音され始めてからその複数の楽音のうちのその1つの楽音の次の楽音が発音され始めるまでを示していることが好ましい。
【0023】
その複数部分は、それぞれ、その楽曲を構成する複数の拍のうちの1つの拍が発音され始めてからその複数の拍のうちのその1つの拍と異なる他の拍が発音され始めるまでを示していることが好ましい。
【0024】
本発明による半自動演奏プログラムは、本発明による半自動演奏方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0025】
本発明による電子楽器および半自動演奏方法によれば、ユーザは、単純な操作により任意の楽曲を演奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図面を参照して、本発明による電子楽器の実施の形態を記載する。その電子楽器1は、図1に示されているように、バス2を介して複数の電気回路が互いに双方向に情報を伝送することができるように接続されている。その複数の電気回路は、CPU3とROM5とRAM6と外部記憶装置7と操作パネル表示器8と外部インターフェース10と音源11とを含んでいる。
【0027】
CPU3は、電子楽器1にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、ROM5とRAM6と外部記憶装置7と操作パネル表示器8と外部インターフェース10と音源11とを制御する。ROM5は、そのコンピュータプログラムを記録している。RAM6は、CPU3により生成される情報を一時的に記録する。
【0028】
外部記憶装置7は、コンパクトディスクが内部に挿入されることができるように形成されている。外部記憶装置7は、その挿入されたコンパクトディスクに記録された情報を読み出し、その情報をCPU3に出力する。なお、そのコンパクトディスクは、他の記録媒体に置換されることもできる。その記録媒体としては、DVD、フラッシュメモリが例示される。
【0029】
操作パネル表示器8は、入力装置と表示装置とを備えている。その入力装置は、鍵盤と複数のスイッチとを備えている。その鍵盤は、演奏に用いられる複数の鍵を備えている。その複数の鍵は、複数の白鍵と複数の黒鍵とから形成され、それぞれ、互いに異なる複数の音高に対応している。その鍵盤は、打鍵された鍵を識別する情報とその打鍵強度とをCPU3に出力する。その複数のスイッチは、ユーザに操作されることにより情報を生成し、その情報をCPU3に出力する。その表示装置は、CPU3により生成される画像を表示する。
【0030】
音源11は、CPU3により制御されて、楽音の波形を示す波形データを生成し、その波形データをアナログ楽音信号に変換する。
【0031】
電子楽器1は、さらに、アンプ12とスピーカ14とを備えている。アンプ12は、音源11により生成されたアナログ楽音信号を増幅する。スピーカ14は、1個ないし複数個から形成され、アンプ12により増幅されたアナログ楽音信号を楽音に変換して放音する。
【0032】
外部インターフェース10は、電子楽器1に接続される外部機器により生成される情報をCPU3に出力し、CPU3により生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器としては、スピーカ14と異なる他の音響装置(ヘッドホン)が例示される。その音響装置は、電子楽器1に接続されたときに、音源11により生成されたアナログ楽音信号を増幅し、その増幅されたアナログ楽音信号を楽音に変換して放音する。
【0033】
図2は、電子楽器1にインストールされているコンピュータプログラムを示している。そのコンピュータプログラムは、データ読み出し部21と解析部22と楽曲分割部23とコンサートマジック部24と演奏部25とを含んでいる。
【0034】
データ読み出し部21は、外部記憶装置7を用いて、外部記憶装置7に挿入されたコンパクトディスクに記録された情報を読み出し、その情報に基づいてそのコンパクトディスクに記録された複数の楽曲を識別する複数の楽曲識別番号を読み出す。データ読み出し部21は、さらに、操作パネル表示器8を介して入力される情報に基づいてその複数の楽曲のうちから1つの楽曲を選択し、その選択された楽曲を示すオーディオデータを読み出す。そのオーディオデータは、その楽曲の波形を示している。データ読み出し部21は、さらに、そのコンパクトディスクが楽曲を示す音符データを記録されているかどうかを判別し、その音符データが記録されているときに、その音符データを読み出す。その音符データは、その楽曲を構成する複数の楽音に対応する複数の音符情報を示している。その音符情報は、その対応する楽音の音高とその楽音が発音されるタイミングとを示している。このような音符情報としては、スタンダードMIDIファイル(SMF)が例示される。すなわち、データ読み出し部21は、そのコンパクトディスクがCD−MIDIフォーマットによりそのオーディオデータを記録されているかどうかを判別し、CD−MIDIフォーマットにより記録されているときに、その選択された楽曲を示すスタンダードMIDIファイル(SMF)を音符データとして読み出す。
【0035】
解析部22は、データ読み出し部21により読み出されたオーディオデータを解析することにより音符データを作成する。その音符データは、その楽曲を構成する複数の楽音の音高とその楽音が発音されるタイミングとを示している。このような解析方法は、周知であり、たとえば、河合楽器製作所製「バンドプロデューサー(登録商標)」に適用されている。解析部22は、さらに、その音符データに基づいてその楽曲を構成する複数の楽音がそれぞれ発音され始める複数のタイミングを算出する。
【0036】
楽曲分割部23は、解析部22により算出された複数のタイミングで、データ読み出し部21により読み出されたオーディオデータが示す楽曲を複数の部分に分割する。その複数の部分は、それぞれ、その楽曲を構成する複数の楽音のうちの1つの楽音が発音され始めるタイミングからその1つの楽音の次に発音される楽音が発音され始めるタイミングまでの期間の音声を示し、その音声の波形により表現されている。その複数の部分には、順番が割り当てられている。その順番は、その部分がその楽曲で出現する順番に一致している。
【0037】
コンサートマジック部24は、操作パネル表示器8の鍵盤のいずれかの鍵が打鍵されるごとに、楽曲分割部23により分割された複数の部分のうちの1つの部分を自動演奏する。このとき、コンサートマジック部24は、複数の部分を順番通りに自動演奏する。すなわち、その鍵が打鍵されることに応答して、その複数の部分のうちの前回に自動演奏された部分の次の部分を自動演奏する。
【0038】
演奏部25は、操作パネル表示器8の鍵盤のうちのいずれかの鍵が打鍵されることに応答して、その打鍵された鍵に対応する楽音を操作パネル表示器8の演奏用ボリュームスイッチが操作されて更新された演奏用ボリュームで音響装置から出力する。
【0039】
本発明による半自動演奏方法の実施の形態は、電子楽器1により実行され、楽曲を複数の部分に分割する動作とコンサートマジックを実行する動作とを備えている。
【0040】
図3は、楽曲を複数の部分に分割する動作を示している。ユーザは、電子楽器1を用いて楽曲をワンキー演奏したいときに、まず、その楽曲が記録されているコンパクトディスクを外部記憶装置7に挿入し、操作パネル表示器8を操作することによりそのコンパクトディスクに記録されている複数の楽曲のうちからその楽曲を選択する。電子楽器1は、このとき、外部記憶装置7を用いてその選択された楽曲を示すオーディオデータをそのコンパクトディスクから読み出す(ステップS1)。
【0041】
電子楽器1は、次いで、その楽曲を示す音符データがそのコンパクトディスクに記録されているかどうかを判別する(ステップS2)。電子楽器1は、その音符データがそのコンパクトディスクに記録されているときに(ステップS2、YES)、外部記憶装置7を用いて、その音符データをそのコンパクトディスクから読み出す(ステップS3)。電子楽器1は、その音符データがそのコンパクトディスクに記録されていないときに(ステップS2、NO)、そのオーディオデータを解析することによりその楽曲を示す音符データを算出する(ステップS4)。電子楽器1は、ステップS3またはステップS4が実行された後に、その音符データに基づいてオーディオデータが示す楽曲を複数の部分に分割する(ステップS5)。
【0042】
コンサートマジックを実行する動作は、操作パネル表示器8の鍵盤のいずれかの鍵が打鍵されるごとに実行される。電子楽器1は、楽曲を複数の部分に分割する動作が実行されてから操作パネル表示器8の鍵盤のいずれかの鍵が最初に打鍵されることに応答して、その複数の部分のうちの最初の部分を自動演奏する。電子楽器1は、次いで、操作パネル表示器8の鍵盤のいずれかの鍵が最初に打鍵されることに応答して、その複数の部分のうちの前回に自動演奏された部分の次の部分を自動演奏する。
【0043】
このような半自動演奏方法によれば、電子楽器1は、CDに録音されている任意の楽曲を鍵盤のいずれかの鍵が打鍵するごとに演奏する、いわゆる、ワンキー演奏をすることができる。
【0044】
なお、電子楽器1は、オーディオデータを音符データに変換する方法と異なる他の解析方法によりオーディオデータを解析することにより複数の部分に分割することもできる。
その解析方法としては、楽曲を示す波形の周波数変化を検出する方法、楽曲を示す波形の音量変化が例示される。このような解析方法によれば、既述のオーディオデータを音符データに変換する方法と同様にして、楽曲を楽音ごとに分割することができる。
【0045】
なお、本発明による電子楽器は、楽曲を楽音ごとに複数の部分に分割することに置換して、他の条件で分割することもできる。その条件としては、楽曲を1拍ごとに分割すること、複数拍ごとに(たとえば、1小節ごとに)分割すること、所定時間ごとに(たとえば、1秒毎に)分割することが例示される。このような電子楽器は、ワンキー演奏を多様化させる点で好ましい。
【0046】
なお、電子楽器1は、記録媒体に記録された楽曲をワンキー演奏することと同様にして、インターネットで公開されている楽曲をワンキー演奏こともできる。このとき、電子楽器1は、インターネットを介して楽曲をダウンロードするための装置をさらに備えている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、本発明による電子楽器の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、電子楽器にインストールされるコンピュータプログラムを示すブロック図である。
【図3】図3は、楽曲を複数の部分に分割する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 :電子楽器
2 :バス
7 :外部記憶装置
8 :操作パネル表示器
10:外部インターフェース
11:音源
12:アンプ
14:スピーカ
21:データ読み出し部
22:解析部
23:楽曲分割部
24:コンサートマジック部
25:演奏部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲の波形を示すオーディオデータに基づいて前記楽曲を複数部分に分割する楽曲分割部と、
所定の操作に応答して前記複数部分のうちの前回に出力した部分の次の部分を自動演奏するコンサートマジック部
とを具備する電子楽器。
【請求項2】
請求項1において、
前記楽曲分割部は、前記楽曲の音量の変化に基づいて前記楽曲を前記複数部分に分割する
電子楽器。
【請求項3】
請求項1において、
前記楽曲分割部は、前記楽曲の周波数の変化に基づいて前記楽曲を前記複数部分に分割する
電子楽器。
【請求項4】
請求項1において、
前記楽曲分割部は、前記楽曲を構成する複数の楽音がそれぞれ発音される複数のタイミングを示す音符データに基づいて前記楽曲を前記複数部分に分割する
電子楽器。
【請求項5】
請求項4において、
前記オーディオデータに基づいて前記音符データを算出する解析部
を更に具備する電子楽器。
【請求項6】
請求項4において、
ドライバを用いて前記オーディオデータを記録する記録媒体から前記音符データを前記オーディオデータとともに読み出すデータ読出部
を更に具備する電子楽器。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記複数部分は、それぞれ、前記楽曲を構成する複数の楽音のうちの1つの楽音が発音され始めてから前記複数の楽音のうちの前記1つの楽音の次の楽音が発音され始めるまでを示す
電子楽器。
【請求項8】
請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
前記複数部分は、それぞれ、前記楽曲を構成する複数の拍のうちの1つの拍が発音され始めてから前記複数の拍のうちの前記1つの拍と異なる他の拍が発音され始めるまでを示す
電子楽器。
【請求項9】
楽曲の波形を示すオーディオデータに基づいて前記楽曲を複数部分に分割するステップと、
所定の操作に応答して前記複数部分のうちの前回に出力した部分の次の部分を自動演奏するステップ
とを具備する半自動演奏方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記楽曲は、前記楽曲の音量の変化に基づいて前記複数部分に分割される
半自動演奏方法。
【請求項11】
請求項9において、
前記楽曲は、前記楽曲の周波数の変化に基づいて前記複数部分に分割される
半自動演奏方法。
【請求項12】
請求項9において、
前記楽曲は、前記楽曲を構成する複数の楽音がそれぞれ発音される複数のタイミングを示す音符データに基づいて前記複数部分に分割される
半自動演奏方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記オーディオデータに基づいて前記音符データを算出するステップ
を更に具備する半自動演奏方法。
【請求項14】
請求項12において、
ドライバを用いて前記オーディオデータを記録する記録媒体から前記音符データを前記オーディオデータとともに読み出すステップ
を更に具備する半自動演奏方法。
【請求項15】
請求項9〜請求項14のいずれかにおいて、
前記複数部分は、それぞれ、前記楽曲を構成する複数の楽音のうちの1つの楽音が発音され始めてから前記複数の楽音のうちの前記1つの楽音の次の楽音が発音され始めるまでを示す
半自動演奏方法。
【請求項16】
請求項9〜請求項14のいずれかにおいて、
前記複数部分は、それぞれ、前記楽曲を構成する複数の拍のうちの1つの拍が発音され始めてから前記複数の拍のうちの前記1つの拍と異なる他の拍が発音され始めるまでを示す
半自動演奏方法。
【請求項17】
請求項9〜請求項16のいずれかに記載される半自動演奏方法を
コンピュータに実行させる半自動演奏プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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