説明

電子機器、電子機器の制御方法、電子機器の制御プログラム

【課題】映像表示装置に給電するバッテリの充電量が不十分な場合は、映像表示装置の使用ができなくなることがあった。このため、映像表示装置において、商用電源の停電を考慮したバッテリ充電を行なうことが課題になっていた。
【解決手段】実施形態の電子機器は、自機器の電力受給情報が入力される入力部を備える。また、前記入力された自機器の電力受給情報を用い、自機器の停電の予定情報を取得する停電予定情報取得部を備える。また、前記取得された自機器の停電の予定情報を用い、前記予定された停電開始時刻より予め決めた時間前からバッテリの充電を開始するよう指示する充電開始指示部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器、電子機器の制御方法、電子機器の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリを内蔵したバッテリ内蔵テレビ等の映像表示装置が普及しつつある。
これらの映像表示装置は、例えば、商用電源の停電時に上記バッテリからの給電に切替えることで、停電時においても映像表示装置を使用することが可能である。
しかし、映像表示装置に給電するバッテリの充電量が不十分な場合は、映像表示装置の使用ができなくなることがあった。
このため、映像表示装置において、商用電源の停電を考慮したバッテリ充電を行なうことが課題になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−25382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
映像表示装置に給電するバッテリの充電量が不十分な場合は、映像表示装置の使用ができなくなることがあった。
このため、映像表示装置において、商用電源の停電を考慮したバッテリ充電を行なうことが課題になっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の電子機器は、自機器の電力受給情報が入力される入力部を備える。
また、前記入力された自機器の電力受給情報を用い、自機器の停電の予定情報を取得する停電予定情報取得部を備える。
また、前記取得された自機器の停電の予定情報を用い、前記予定された停電開始時刻より予め決めた時間前からバッテリの充電を開始するよう指示する充電開始指示部を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施形態に係わる電子機器の外観を示す図。
【図2】実施形態に係わる電子機器の構成を示すブロック図。
【図3】実施形態に係わる電子機器の映像表示部(表示画面)に表示される、この電子機器の電力受給情報が入力される表示を示す図。
【図4】実施形態に係わる電子機器が取得する電子機器(自機器)の停電予定情報の一例を示す図。
【図5】実施形態に係わる電子機器の動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照し、実施の形態を説明する。
図1は、実施形態に係わる電子機器の外観を示す図である。
映像表示装置(テレビ)1は、例えば、ユーザによってリモコン(リモートコントローラ)21が操作される。このリモコン21から出力されたリモコン信号が映像表示装置(テレビ)1の操作受信部20で受信される。
【0008】
リモコン信号を受信した映像表示装置(テレビ)1は、このリモコン信号の指示によって動作し、例えば、LCD(Liquid Crystal Display、液晶ディスプレイ)等で構成される表示画面(映像表示部)8に、所定の映像を表示出力する。
【0009】
また、この映像表示装置(テレビ)1は、例えば、USB端子等で外付けされる外部記憶機器(HDD等)19を備えている。そして、例えば、映像表示装置1で受信された放送を、この外部記憶機器19に録画することが可能である。
【0010】
また、この映像表示装置(テレビ)1は、この映像表示装置(テレビ)1に接続、あるいは、内蔵されるバッテリ30を備えている。
このバッテリ30は、例えば、上記商用電源から給電を受け、充電することが可能である。
ここで、上記バッテリ30の説明をする。バッテリ30は、例えば、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンポリマー二次電池を用いたバッテリパックで構成される。
【0011】
リチウムイオン二次電池は、非水電解質二次電池の一種で、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。現在、正極にリチウム金属酸化物を用い、負極にグラファイトなどの炭素材を用いるものが多い。リチウムイオン二次電池は、リチウムイオン電池、リチウムイオンバッテリー、Li−ion電池、LIB、LiBとも表記されることがある。
【0012】
また、リチウムイオンポリマー二次電池は、電解質として電解液のかわりに高分子ゲルを使用する。これも、リチウムイオン電池の一種である。
この実施の形態に係る映像表示装置(テレビ)1は、通常、商用電源(AC電源、図示せず)から給電を受け、動作するが、例えば、商用電源が停電し、給電が受けられない場合等に、このバッテリ30からの給電に切替えて、動作を行なうことが可能である。
【0013】
このバッテリ30からの給電と商用電源からの給電の切替えは、例えば、リモコン21に設けられた給電切替えボタン21aをユーザが操作することで実現される。
図2は、実施形態に係わる電子機器の構成を示すブロック図である。
この実施形態においては、制御部11はCPU(12)を備えている。そして、CPU(12)は映像表示装置(テレビ)1を制御する。また、RAM(13)、ROM(14)、フラッシュメモリ15は、例えば、制御部11で行われる処理に利用される。
【0014】
例えば、放送局25からデジタル放送で映像コンテンツが放送される。放送局25から放送されたデジタル放送はチューナ3で受信され、選局処理が行われ、デジタル信号の映像コンテンツが信号処理部4に送信される。
【0015】
信号処理部4で受信されたデジタル信号の映像コンテンツは信号処理が施され、音声処理部6および映像処理部5に送信される。
音声処理部6は、信号処理が施された映像コンテンツを受信し、音声処理を施した信号をスピーカ9に送信する。
スピーカ9は、音声処理が施された信号を受信し、音声を出力する。
また、映像処理部5は、信号処理が施された映像コンテンツを受信し、映像処理を施した信号を表示装置7に送信する。
表示装置7は、映像処理が施された信号を受信し、LCDパネル等で構成される表示画面(映像表示部)8に映像を表示する。
また、この実施の形態においては、映像表示装置(テレビ)1は内部記憶装置17を備えている。この内部記憶装置17は、上記外部記録機器19と同様に、例えば、他の映像表示装置(相手方)101から送信され、映像表示装置(テレビ)1で受信されたテレビ電話通信の映像コンテンツ(映像および音声)を録画することが可能である。この内部記憶装置17は、上記受信された映像コンテンツを記録することが可能である。
【0016】
また、この実施の形態においては、映像表示装置(テレビ)1は、上記のようにUSB接続やLAN接続される外部記憶機器19を備えている。上記受信された映像コンテンツはこの外部記憶機器19に記録することも可能である。
【0017】
また、上記のように、映像表示装置(テレビ)1に対するユーザの操作は、例えばリモコン(リモートコントローラ)21等の操作機器によって指示される。
これらの処理は、上記のように、制御部11に制御される。
また、映像表示装置(テレビ)1は、送受信部(ネットワークインターフェース)22、ネットワーク(インターネット)26を介してサーバ27に接続され、次に説明する映像表示装置(テレビ)1の電力受給情報を用い、例えば、CPU(12)の指示で、映像表示装置(テレビ)1の停電の予定情報を、このネットワーク(インターネット)26を介して取得することが可能である。
【0018】
上記のように、映像表示装置(テレビ)1は、内蔵バッテリ30を備えている。なお、この内蔵バッテリ30は、その外観が全て映像表示装置(テレビ)1に含まれることはなく、接続される形態でも良い。
【0019】
図3は、実施形態に係わる電子機器の映像表示部(表示画面)に表示される、この電子機器の電力受給情報が入力される表示を示す図である。
この表示は、例えば、上記表示画面(映像表示部)8に表示される。
ここでは、図3に示すように、入力画面が表示され、例えば、リモコン21を操作するユーザによって、映像表示装置(テレビ)1の電力受給情報が入力される。
この実施の形態においては、ユーザは、この表示画面(映像表示部)8の表示を見ながら、例えば、映像表示装置(テレビ)1の電力受給情報を入力する。
ここでは、映像表示装置(テレビ)1の電力受給情報は、例えば、映像表示装置(テレビ)1が商用電源の電力を受給する「電力会社」とこの電力会社が計画する計画停電の区分、すなわち「計画停電区分」である。
【0020】
ここでは、例えば、「電力会社」はA電力41、「計画停電区分」はA区分が指定され、入力される。
この入力情報は、例えば、フラッシュメモリ15に記憶される。
図4は、実施形態に係わる電子機器が取得する電子機器(自機器)の停電予定情報の一例を示す図である。
上記のように、ユーザによって、電子機器(自機器)1の電力受給情報が電子機器(自機器)1に入力され、記憶される。
そして、電子機器(自機器)1は、この電力受給情報を用い、電子機器(自機器)1の停電の予定情報を取得する。
例えば、図2に示すように、電子機器(自機器)1は、インターネット26を介して停電情報(例えば、計画停電情報)を取得する。
そして、例えば、電子機器(自機器)1は、A電力のHP(ホームページ)にアクセスし、A電力の停電情報(例えば、計画停電情報)を取得する。
ここでは、この電子機器(自機器)1は上記のように、「電力会社」はA電力41、「計画停電区分」はA区分であることから、「8/10(水)」の計画停電は、図4の50に示すように、「9−12」に行なわれることが取得される。
【0021】
同様に、「8/11(木)」の計画停電は「12−15」に、「8/12(金)」の計画停電は「15−18」に行なわれることが取得される。
この停電情報(例えば、計画停電情報)の取得は、例えば、CPU(12)によって制御される。
図5は、実施形態に係わる電子機器の動作を説明するフローチャートである。
ステップS100は、ここでの開始ステップである。続いて、ステップS101に進む。
ステップS101は、ユーザが映像表示装置(テレビ)1に、上記映像表示装置(テレビ)1の電力受給情報を入力するステップである。続いて、ステップS102に進む。
【0022】
ステップS102は、映像表示装置(テレビ)1は、自機器の電力受給情報をフラッシュメモリ15に記憶するステップである。続いて、ステップS103に進む。
ステップS103は、映像表示装置(テレビ)1のCPU12は、ユーザのテレビのデータを用い、自機器に関係する電力会社(A電力)のHPにアクセスし、自機器(テレビ1)に関係する計画停電の予定情報(A電力、A地区)を取得指示し、取得するステップである。続いて、ステップS104に進む。
【0023】
ステップS104は、映像表示装置(テレビ)1のCPU12は取得した自機器(テレビ1)に関係する計画停電の予定をフラッシュメモリ15に記憶指示し、記憶するステップである。続いて、ステップS105に進む。
【0024】
ステップS105は、例えば、映像表示装置(テレビ)1のCPU12が、今日は計画停電実施日であるかを判別するステップである。映像表示装置(テレビ)1のCPU12が、今日が計画停電実施日であると判別する場合は、ステップS106に進む(Yes)。映像表示装置(テレビ)1のCPU12が、今日は計画停電実施日であると判別しない場合は、ここでの処理を繰り返す(No)。
【0025】
ステップS106は、映像表示装置(テレビ)1のCPU12は取得した自機器(テレビ1)に関係する計画停電の予定(データ)を用い、例えば、停電開始予定時刻の5時間(予め決めた時間、フル充電)より前からバッテリ30の充電を行なうように設定するステップである。
【0026】
なお、上記バッテリ30の充電を行なう場合は、上記フル充電に所定時間(例えば、5時間程度)を要する。このため、この実施の形態においては、例えば、上記停電開始予定時刻の予め決めた時間(例えば、5時間)前からは、上記給電切替えボタン21aを無効にし、上記バッテリ30から映像表示装置(テレビ)1への給電はできないように構成しても良い。
【0027】
また、この実施の形態においては、上記バッテリ30から映像表示装置(テレビ)1への給電切替えが可能な場合は、例えば、LEDを表示し、ユーザにバッテリ30から映像表示装置(テレビ)1への給電切替えが可能であることを示すように構成しても良い(図示せず)。
【0028】
また、例えば、1日における電力使用のピーク時間帯においては、例外的に、上記バッテリ30から映像表示装置(テレビ)1への給電を可能にするように構成しても良い(図示せず)。
【0029】
続いて、ステップS107に進む。
ステップS107は、上記設定された時刻になったかを判別するステップである。上記設定時刻になったと判別される場合は、ステップS108に進む(Yes)。上記設定時刻になったと判別されない場合は、ここでの処理を繰り返す(No)。
【0030】
ステップS108は、上記バッテリ30の充電を開始するステップである。このとき、この実施の形態においては、例えば、映像表示装置(テレビ)1の電源はOFFでなくとも(例えば、映像表示装置(テレビ)1の電源がONで番組視聴中であっても)、上記バッテリ30の充電を開始する。続いて、ステップS109に進む。
【0031】
ステップS109は、バッテリ30はフル充電かを判別するステップである。続いて、ステップS105に進み、上記処理を繰り返す。
すなわち、この実施の形態においては、映像表示装置(テレビ)1には、自機器(映像表示装置(テレビ)1)の電力受給情報が入力される(図3)。
また、映像表示装置(テレビ)1は、上記入力された自機器(映像表示装置(テレビ)1)の電力受給情報を用い、自機器(映像表示装置(テレビ)1)の停電の予定情報を取得する。
【0032】
また、映像表示装置(テレビ)1は、上記取得された自機器(映像表示装置(テレビ)1)の停電の予定情報を用い、上記予定された停電開始時刻より予め決めた時間前からバッテリの充電を開始する。
【0033】
また、映像表示装置(テレビ)1は、上記指示に応じて、上記バッテリの充電を行なう。
また、映像表示装置(テレビ)1は、上記自機器(映像表示装置(テレビ)1)の停電の予定情報はインターネットを介して取得する。
また、映像表示装置(テレビ)1は、上記自機器(映像表示装置(テレビ)1)の電力受給情報は電力会社または停電区分の一方またはその両方を含む。
また、映像表示装置(テレビ)1は、上記取得された自機器(映像表示装置(テレビ)1)の停電の予定情報を記憶する。
また、映像表示装置(テレビ)1は、上記自機器(映像表示装置(テレビ)1)の電力受給情報の入力に用いられる表示を表示する。
また、映像表示装置(テレビ)1は、商用電源からの給電と上記バッテリからの給電を切替え可能である。
上記のように構成することによって、この実施の形態においては、商用電源の停電を考慮したバッテリ充電を行なうことが可能になる。
また、例えば、停電時に、実質的に、フル充電の状態でバッテリを使用することが可能になる。
なお、上記説明においては、映像表示装置の一例として、テレビを用いて説明を行ったが、この実施の形態はこれに限定されず、スマートフォーンやスレートPC等の携帯可能な電子機器に適用することも可能である。
【0034】
なお、上記実施形態の制御処理の手順は全てソフトウェアによって実行することが可能である。このため、制御処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、上記実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0035】
なお、上記実施形態は、記述そのものに限定されるものではなく、実施段階では、その趣旨を逸脱しない範囲で、構成要素を種々変形して具体化することが可能である。
【0036】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1…映像表示装置(テレビ)、8…表示画面、20…受信部、21…リモコン(リモートコントローラ)、21a…給電切替えボタン、30…バッテリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機器の電力受給情報が入力される入力部と、
前記入力された自機器の電力受給情報を用い、自機器の停電の予定情報を取得する停電予定情報取得部と、
前記取得された自機器の停電の予定情報を用い、前記予定された停電開始時刻より予め決めた時間前からバッテリの充電を開始するよう指示する充電開始指示部を備える電子機器。
【請求項2】
前記指示に応じて、前記バッテリの充電を行なう充電部を備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記自機器の停電の予定情報はインターネットを介して取得される請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記自機器の電力受給情報は電力会社または停電区分の一方またはその両方を含む請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記取得された自機器の停電の予定情報を記憶する記憶部を備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記自機器の電力受給情報の入力に用いられる表示を表示する表示部を備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
商用電源からの給電と前記バッテリからの給電を切替え可能な切替え部を備える請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記切替え部を、前記予定された停電開始時刻より予め決めた時間前から無効にする請求項2に記載の電子機器。
【請求項9】
自機器の電力受給情報が入力されるステップと、
前記入力された自機器の電力受給情報を用い、自機器の停電の予定情報を取得するステップと、
前記取得された自機器の停電の予定情報を用い、前記予定された停電開始時刻より予め決めた時間前からバッテリの充電を開始するよう指示するステップを備える電子機器の制御方法。
【請求項10】
自機器の電力受給情報が入力されるステップと、
前記入力された自機器の電力受給情報を用い、自機器の停電の予定情報を取得するステップと、
前記取得された自機器の停電の予定情報を用い、前記予定された停電開始時刻より予め決めた時間前からバッテリの充電を開始するよう指示するステップを備える電子機器の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−37500(P2013−37500A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172413(P2011−172413)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】