説明

電子機器およびプログラム

【課題】 製品出荷後に登録される位置情報を含む動的データの登録可能な件数を多くしつつ、迅速な検索処理が行えるようにすること
【解決手段】 所定の電波を受信した際に警報を発する警報制御手段を備えた目標物検出装置であり、動的データを登録する動的データ記憶手段を備え、警報制御手段は、位置検出手段で検出された現在の位置と、動的データ記憶手段に格納された動的データに基づき警報制御する。動的データの登録対象となる領域を複数のエリアに分割する。動的データ記憶手段に登録すべき動的データが生じた際に、その動的データの位置情報から複数のエリアの中から該当するエリアを決定し、決定したエリアにおいて初めての動的データの場合、設定されたサイズの連続したメモリ領域(ボックス)を動的データ記憶手段内に確保するとともに動的データを格納し、決定したエリアのボックスがすでに存在する場合にはそこに追加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の現在位置に基づいて周囲の目標物を検出する目標物検出装置や、ナビゲーション装置等のGPSその他の位置検出機能を備えた電子機器およびプログラムに関するもので、より具体的には、電子機器が記憶保持する位置情報を含む動的データ(製品出荷後に更新されるデータ)の記憶部への格納並びに読み書きの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
車両速度測定装置等の検出対象となる目標物の位置情報を記憶保持しておき、GPSにより検出した自車の現在位置と目標物の位置とが所定の位置関係になった場合に警報を発するようにした目標物検出装置がある(例えば、特許文献1等)。上記の特許文献1等の目標物検出装置の場合、例えば、検出対象物と車両の現在位置が設定された距離(例えば、1kmや500m等)に至った際に、「500m先、○○です。」(○○は、目標物を特定する情報(ループコイル等)等の音声による警報を出力したり、ディスプレイ上に係る情報をテキストで出力表示したりする。
【0003】
これらの目標物検出装置は、例えば車両速度測定装置への接近をドライバーに知らせることで、ドライバーが知らず知らずのうちに速度を出しすぎてしまうのを予防することに貢献している。特に、車両速度測定装置は、一般的に速度を超過しやすい場所等に設置されていることが多いため、危険性のある場所で、ドライバーに対して速度超過への注意を喚起することができる。
【0004】
そして、正しい警報動作を行うためには、目標物についての情報が、実際の設置状況に合っている必要がある。そこで、この目標物の位置情報は、出荷時に予め登録しているが、公知の各種の手法により、更新可能としている。この更新作業により、最新のデータにすることができ、警報動作の正確性が向上する。
【0005】
一方、目標物の一つである車両速度測定装置は、所定周波数のマイクロ波を出射するものがある。そこで、位置情報に加えて、マイクロ波受信機を備え、所定周波数のマイクロ波を受信した場合(他の条件を付加することもある)に、目標物があると認識し、所定の警報を発する機能を備えた目標物検出装置もある。そして、その所定周波数は、たとえば、自動ドアの人感センサから出射されるマイクロ波の周波数と同じであるため、係る自動ドアの前を通過した場合に、目標物を検出したと判断して誤警報を発する恐れがある。そこで、係る事態の発生を防止するため、係る自動ドア等の誤動作源についてもその位置情報を登録しておき、その誤動作源の位置の周囲で所定周波数のマイクロ波を受信した場合には、警報を発しない(正規の警報を発しない)ようにしたものがある。この場合、係る誤動作源の位置情報を登録する必要があり、係る登録は、実際にマイクロ波の受信に基づく警報が発せられている際に、ユーザがスイッチ操作により登録の指示を与えると、その指示を受けたときの位置情報等を誤動作源の位置情報として登録する。そして、その誤動作源の位置の周囲の一定の範囲内を誤動作源による警報禁止領域とする。また、誤動作源からのマイクロ波か否かを判別し、自動的に登録するようにした機能を備えたものもある。
【0006】
一方、自宅の周辺等のよく知った場所では、特に警報を発しなくてもよい。そこで、自宅の周辺等ではスイッチ操作により目標物の検出動作を停止させても良いが、係る自宅周辺から外部に移動するような場合には、その自宅の周辺の境界付近でスイッチ操作により目標物の検出動作の停止/稼働を切り替える必要があるので煩雑となる。そこで、自宅の周辺等の動作を停止させても良い場所の代表地点の位置情報を登録し、その代表地点の周囲の所定距離の範囲内を警報禁止領域とする。これらの警報禁止領域では、正常な警報動作が禁止される。具体的には、目標物の検出処理自体を停止したり、受信感度を低くしたり、警報の種類を変えたりする。
【0007】
このように、使用に伴い、誤動作源や、自宅周辺等の正規の警報を抑制するための位置情報が逐次登録されていくが、係る位置情報(誤動作源,自宅周辺等の種類も関連づけられる)等のデータは、不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)等に登録される。また、係る製品の出荷後に、自動もしくは手動による登録・削除により目標物の検出のためのデータは、逐次更新されてその記憶された内容が変化することから、本明細書では、“動的データ”とも称する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3070388号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように、製品の出荷後に、自動もしくは手動による登録・削除により目標物の検出のためのデータ(動的データ)を変更するシステムは、従来から実現されている。しかし、この種の従来の装置では、以下に示す課題がある。
【0010】
まず、係る動的データを記憶するストレージベースとして、上述したようにEEPROMを用いている。そのため、MPUの能力が上がってもアクセス・読み書きのための処理速度が上昇できないので、システムボトルネックとなっていた。この課題を解決するため、EEPROMのみのシステムから、RAMへ完全ミラーリングするシステムも提案されたが、動的データの登録件数が少ないうちは実現可能であるが、たとえば、登録件数が1万件以上と多い場合には、RAMの使用量も爆発的に増加するので、低コストシステムに向かないという課題がある。さらに、このように1万件以上の登録件数を想定した場合、EEPROMのみを用いる従来方式では、処理速度の問題はもちろんのこと、コストも高くなるという同様の課題を有する。
【0011】
そこで、誤動作源の位置情報を登録する場合、あらかじめ登録件数に上限を設定し、その上限を超えた場合には、所定のルールに従って登録済みの誤動作源の位置情報を削除するとともに新たな誤動作源の位置情報を登録するようにしている。この所定のルールは、たとえば、通過履歴が最も少ないものや、登録日(最終通過日)がもっとも古いものなどが想定されるが、通過履歴が少ないもの等の上限に合致するものが必ずしも不要(重要性が低い)とは限らないとともに、そのように削除するデータを選択するための情報(通過履歴等)をさらに記録したり、その情報から削除するデータを選択したりする作業が必要となり、処理負担が増す。特に、誤動作源からのマイクロ波を受信したと判断した場合にその位置情報を自動的に登録する機能を備えた場合、自動ドア等の誤動作源は、町中に多数あることから、走行に伴い新規に登録されるデータが増えるので、たとえば上限を100〜数100程度にした場合には、すぐに上限に達してしまい、削除処理が必要となり上記の問題が発生するという課題がある。
【0012】
さらに、上記の動的データは、単独の目標物検出装置で使用するのではなく、他の車両に搭載された目標物検出装置で登録された動的データを相互に利用することが考えられている。これにより、自車は初めて訪れる地域であっても、当該地域を走行した別の車両に搭載された目標物検出装置で登録された動的データを取得し・利用することで、当該地域に存在する誤動作源からのマイクロ波を受信したとしても、最初(1回目の受信)から正規の警報発生を抑制できる効果が得られるので好ましい。しかし、そのように他の目標物検出装置で登録した動的データも取得するようにした場合、動的データの登録数は飛躍的に増加するので、今までの登録件数の上限では全く足りず、たとえば、10000件以上の動的データを記憶することが可能であることが要求される。
【0013】
さらに、マイクロ波を受信した場合にそれが登録された誤動作源からのものか否かを判断するため、登録済みの誤動作源の位置情報を検索し、車両の現在位置が誤動作源による警報抑制領域内か否かを判断する必要がある。そして、誤動作源の登録件数が100件程度であれば、先頭から順にすべてのデータをサーチしても処理時間・負荷にさほど問題はないが、上記のように、登録件数の増加にともない、効率的な検索システムにより処理時間・負荷への影響を抑制する必要があるといった課題も新たに生じる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明は、(1)自機の位置を検出する位置検出手段と、製品出荷後に位置情報を含む動的データを登録する動的データ記憶手段と、を備え、製品出荷後に登録する位置情報を含む動的データを登録する動的データ記憶手段と、を備え、前記位置検出手段で検出された現在の位置と、前記動的データ記憶手段に格納された動的データに基づき所定の制御をする機能を備え、前記動的データの登録対象となる領域を複数のエリアに分割し、前記動的データ記憶手段に登録すべき前記動的データが生じた際に、その動的データの位置情報から前記複数のエリアの中から該当するエリアを決定し、その決定したエリアにおいて初めての動的データの場合には、設定されたサイズの連続したメモリ領域であるボックスを前記動的データ記憶手段内に確保するとともに、そのボックス内に前記動的データを格納し、前記決定したエリアについて前記ボックスが確保されている場合には当該ボックス内に前記動的データを格納する制御手段を備えるようにした。
【0015】
登録対象となる領域は、全世界,全国,特定の一部の地域など各種の領域が設定できる。実施形態では、経度で分割したため、全世界が対象としている。位置検出手段としては、例えば、GPS、無線LAN、RFID等を用いて現在位置を検出する技術を用いることができる。電子機器としては、現在位置に基づいて周囲の目標物を検出する目標物検出装置や、ナビゲーションシステム等のGPSを用いた位置検出機能を備えた各種の装置がある。所定の制御としては、電子機器が、位置情報に基づいて警報を発する機能を備えたものの場合、当該警報を制御する(実施形態では、正規の警報の抑制)ものがある。また、所定の制御の他の例としては、情報の入力制御、出力制御、記録制御などが挙げられる。例えば出力制御として、他の装置等への信号制御、報知制御(例えば、施設位置の報知)などとすることができる。記録制御としては、例えば、現在位置での情報(例えば映像等)の記録制御などが挙げられる。もちろん、これ以外の制御でもよい。
【0016】
本発明では、複数のエリアに分割し、エリアごとに所定のサイズで連続したメモリ領域(ボックス)が確保されるので、ある動的データを登録する場合、その登録するデータの位置情報からどのエリアについての動的データかを認識し、該当するエリアに振り分けられたメモリ領域に登録する。よって、検索時には、現在位置から該当するエリアを認識し、そのエリアに振り分けられたメモリ領域(ボックス)のみをサーチすればよいので、短時間で該当する動的データの有無を判断することができる。また、実際の動的データ記憶手段に対するメモリ領域の確保は、登録すべき動的データが発生した際に初めて行われるので、未使用のメモリ領域が無駄に確保されることがない。
【0017】
(2)前記制御手段は、前記決定したエリアについて確保された前記ボックス内に登録可能な件数の動的データが格納されている場合、そのエリアについての新規なボックスを確保し、その新規なボックス内に前記動的データを格納するものとすることができる。そのようにすると、必要以上に各エリアについて割り当てるサイズを大きくする必要がないので、メモリを有効に利用できる。すなわち、上記のように、あるエリアについて登録すべき動的データが発生すると、そのエリアについてのボックス(連続したメモリ領域)が動的データ記憶手段に確保される。従って、仮に当該サイズを必要以上に大きく設定した場合において実際に登録する動的データの数が少ないと、そのボックス内で未使用のメモリ領域が多く発生するので好ましくない。一方、あまりサイズが小さいと、すぐにいっぱいになってしまい、それ以上登録できない(あるいはすでに登録済みの動的データを削除して新規追加)とすると、動的データを適切に登録できずに好ましくないが、本発明によれば、いっぱいなった場合に新たにボックスを追加確保し、そこに新規の動的データを登録できる。
【0018】
(3)前記設定されたサイズは、段階的に設定した固定サイズであって、前記動的データの登録予想数の多いエリアほど大きい固定サイズを割り当てるとよい。このようにすると、各ボックスのサイズが適切になり、必要以上に大きく設定してボックス内の未使用のメモリ領域が増える弊害や、逆にすぐに動的データの登録件数がサイズで許容される最大値に達してしまうことを抑止できる。登録予想数の多少は、実施形態では、目標物の登録件数に応じて割り振ったが、本発明はこれに限ることはなく、たとえば人口密度その他の条件に基づいて割り振ることができる。
【0019】
(4)所定の電波を受信した際に警報を発する警報制御手段を備え、前記動的データは、前記警報制御手段が行う正規の警報を抑制する範囲を特定する情報とすることができる。正規の警報を抑制する範囲は、実施形態に示すように、検出対象物から発せられる電波と同じ周波数帯の電波を発生する誤動作源の周囲や、ユーザの自宅周辺やよく行く場所で警報を発生する必要性が低い範囲等がある。
【0020】
(5)前記動的データは、他の電子機器にて登録された動的データを取得したものを含むようにするとよい。他の電子機器にて登録された動的データを取得市、それを自機に登録することで、実際に行っていない場所の動的データをあらかじめ入手することができ、初めて訪れた場所でも当該動的データを利用することで、最初から適切な制御を行うことができる。動的データを取得する手段として、各種の二メモリカード等の携帯可能な記録メディアを利用したり、通信を利用したりすることができる。
【0021】
(6)前記動的データ記憶手段は、フラッシュメモリを用いるとよい。このようにすると、安価でメモリ容量が確保できるので好ましい。
【0022】
(7)前記制御手段は、前記フラッシュメモリへの動的データの登録は、データ面を複数面用意するとともに使用面となっているデータ面に対して行い、動的データごとに有効/無効マーキングを設定するとともに登録した動的データの削除は、対応する有効/無効マーキングを無効にすることで行い、使用面となっているデータ面の削除データが基準量を超えた場合に、有効マーキング設定した動的データを新たな使用面となるデータ面にコピーした後、前記使用面を、当該新たな使用面となるデータ面に切り替えるガベージコレクション処理する機能を備えるとよい。このようにすることで、ガベージコレクション中に電源が切断された場合などに、データが破壊される可能性を小さくすることができる。なお、削除データが基準量を超えた場合に使用面の切り替えを行うタイミングであるが、超えた場合に、すぐにあるいは一定の期間経過後に行うようにしてもよいが、より好ましくは、実施形態で記載するように、時間手な余裕がある次回の起動時に行うことである。
【0023】
(8)前記有効/無効マーキングとして、無効マーキングの値を0とし、有効マーキングの値を0以外とするとよい。フラッシュメモリは、0にすることは簡単に行えるので、登録済みの動的データの削除を簡単に行うことができる。
【0024】
(9)また、前記ガベージコレクション処理は、自機の電源が投入された直後に、表示手段に対するオープニング画面の描画処理中に行うようにするとよい。このようにすると、時間的に余裕がある起動時にガベージコレクション処理を行うことができ、実際の検出動作等への影響が少ない。
【0025】
(10)前記ガベレージコレクション処理を行った際に、同一のボックス内のデータがすべてなくなった場合には、そのボックス自体を削除する処理を行う機能を備えるとよい。係る機能を設けることで、実質的に不要となったボックスを解放することができ、新たな動的データの登録をする領域を増やすことができる。
【0026】
(11)本発明のプログラムは、上記の(1)〜(10)のいずれかに記載の電子機器における制御手段としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラムとすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、エリアごとに連続したメモリ領域のボックスを確保し、同一のエリアに属する動的データは、そのボックス内に格納するようにしたので、たとえ動的データ記憶手段のメモリ容量を大きくしたとしても、検索の際には、対応するボックス内を検索すればよいので迅速に処理できる。さらに、あらかじめすべてのエリアに対応するボックスを確保するのでなく、登録する動的データが発生した場合に、該当するエリアに適切なサイズのボックスを確保するので、メモリの有効利用がはかれる。さらに、動的データ記憶手段にフラッシュメモリを使用するようにした場合には、安価にメモリ容量を大きくすることができ、登録可能な件数を大きく採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の好適な一実施形態を示す図である。
【図2】フラッシュメモリのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】EEPROMのデータ構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を用いて本発明の好適な実施形態を説明する。図1は、本発明の好適な一実施の形態を示している。図1に示すように、各種の電波等を受信する受信機として、位置検出手段たるGPS受信機1と、マイクロ波受信機2と、無線受信機3と、を備えている。GPS受信機1は、GPS信号を受信し、その受信したGPS信号から現在位置を求め、その求めた現在位置の位置情報(経度,緯度)を制御部4に送る。
【0030】
マイクロ波受信機2は、所定周波数帯のマイクロ波を受信するもので、その設定された周波数帯のマイクロ波を受信した場合に、その受信したマイクロ波の信号レベルを検出する。具体的には、その信号レベルであり電界強度に対応するRSSI電圧を利用する。上記の所定周波数帯は、たとえば車両速度測定装置から出射されるマイクロ波の周波数が含まれる周波数帯としている。無線受信機3は、飛来する所定周波数帯の無線を受信する。この所定周波数は、例えば、緊急車両が基地局に対して自車位置を通知する際に使用する無線の周波数帯とすることができる。
【0031】
制御部4は、上記の各種の受信機から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(表示部6,警報ランプ7,スピーカ8等)を利用して所定の警報・メッセージを出力する。この受信機から入力される情報に基づく警報内容を決定する所定の処理は、基本的従来と同様のものを利用することができる。つまり、一定の条件を具備する信号を受信・取得した場合には、対応する警報を出力する。なお、スピーカ8を用いた警報は、ブザーや音声等がある。
【0032】
本発明と関係する、GPS受信機1により検出した位置情報(自車両の現在位置情報)に基づく警報について、さらに説明する。データベース5には、検出対象の目標物(交通監視装置等の交通監視ポイントや、道の駅などの交通に関係する施設その他の目標物)について、その監視の種類と位置情報(経度:緯度)が関連づけられたテーブル構造として格納している。さらに、目標物が車両速度測定装置のように監視方向・監視領域がある場合には、その監視領域を特定する情報を関連付けて登録する。
【0033】
これらの目標物に関する情報は、出荷時に一定の目標物について登録している。このデータは、公知の各種の手法により、更新可能としている。データベース5は、制御部4のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)により実現できる。
【0034】
さらに、このデータベース5には、動的データの一つとして、上記の車両速度測定装置から出射されるマイクロ波と同一周波数帯のマイクロ波を出射する自動ドア等の誤動作源についてのデータを格納している。このデータは、誤動作源であることと、その位置情報を含む。誤動作源によって正規の警報が抑制される警報抑制領域は、誤動作源の位置を中心とした所定の半径の円内としたり、誤動作源から出射されるマイクロ波はその出射される方向があることから、出射方向の左右所定角度範囲内のような扇形としたりするなど、各種の方式がとれる。所定の半径や、形状を誤動作源ごとに変える場合には、誤動作源に関する情報として位置情報と関連づけてそれらの特定する情報も格納するし、半径等をすべての誤動作源に共通にする場合には、共通にする情報は個々に登録する必要はないので、位置情報等の固有の情報のみ格納する。
【0035】
この動的データは、製品の出荷後に実際にマイクロ波受信機2にて所定周波数帯のマイクロ波を受信した場合に、制御部4が、自動的に、あるいは、ユーザからのスイッチ操作に伴う手動的に誤動作源と判断・認識した場合に、制御部4がそのときの自車の現在位置を誤動作源の位置情報として登録することでデータベース5に格納・更新する。なお、マイクロ波を受信した際に自動的に誤動作源と判断して登録する機能は、従来公知の技術を用いることができるので、詳細な説明を省略する。
【0036】
制御部4は、現在位置に基づき、データベース5を検索し、その周囲に警報対象の目標物があるか否かを判断し、当該目標物を検出した場合には、その目標物に関する情報を所定の出力機器を用いた報知する。また、マイクロ波受信機2にて所定周波数のマイクロ波を受信したり、無線受信機3にて所定無線信号を受信したりした場合には、それぞれ対応する警報を発する。
【0037】
一方、制御部4は、現在位置が誤動作源の周囲に設定された警報抑制領域内と判断した場合、マイクロ波受信機2にて所定周波数のマイクロ波を受信したとしても、上記の設定された正規の警報を発しない制御を行う。ここで、正規の警報を発しないとは、警報自体を行わない場合はもちろんのこと、警報の仕方を変える場合も含む。つまり、正規の警報が、表示部6に目標物を示すシンボルやメッセージを描画したり、スピーカ8から音声による警報を発生したりするもののとすると、正規の警報の仕方と異なる警報は、たとえばテキストによるメッセージのみや、メッセージの内容を変える(警報抑制領域内でマイクロ波を受信中であることがわかる内容にする)など、簡易・軽微な警報がある。また、マイクロ波受信機2の受信感度を低くしたり、受信したと判断する際の受信レベルの閾値を高くしたりするなどして検出しにくくするような制御を行うこともできる。
【0038】
ここで本実施形態では、動的データのデータベース5への登録件数の上限を10000件(あるいはそれ以上の適宜な値)と大きく設定し、通常の使用状態では、動的データの登録数が上限を超えたことを理由に登録済みのデータを消去しなければならなくなる事態の発生を抑制している。もちろん、誤登録や不要になるなどの理由で登録済みの動的データを消去することはある。そして、このように、登録可能な件数を増加したことにともない、効率的な検索システムにより処理時間の短縮を図るとともに、制御部4(MPU)の処理負荷の軽減を図り、さらに、低コスト化の実現を図るために、以下に示すような構成を採った。
【0039】
まず、データベース5を、フラッシュメモリ11と、EEPROM12の2種類の記憶媒体を用いて構成した。すなわち、EEPROM12は補助的利用にとどめ、そのメモリ容量を小容量化してコストを下げるとともに、動的データの実体(位置情報等)を容量対コストの最も高い大容量のフラッシュメモリ11に格納するデータ構造を採った。そして、フラッシュメモリ11は、高速アクセスが可能であるが、EEPROM12のように特定番地のみを「任意の値」に変更することはできない。ただし、フラッシュメモリの特性で、「1」→「0」は常に書き込み可能であることを利用し、削除と追加を繰り返すことで動的データの変更・更新を行う。
【0040】
つまり、よく知られているように、フラッシュメモリ11はERASEでビットが「1」になり、「1」を「0」にすることはいつでもできるものの、「0」を一旦書くとERASEしない限り戻らない。そこで、データを追加する場合、ERASE済みの領域に書き込みで行う。また、データの格納エリアには、有効/無効マーキングを関連づけており、有効マーキングが関連づけたデータは、そこに格納されたデータが動的データとして有効であると判定するようにしている。また、無効マーキングが登録された場合、それに関連づけられたデータは無効と判定するようにしているので、削除されたものとなる。そして、つまり、一旦書き込んだデータを削除するには、有効/無効マーキングを無効マーキングにすればよい。そこで、たとえば、有効マーキングは「0xA5」とし、無効マーキングは「0x00」とし、有効/無効マーキングを無効側に上書きで書き換えることにより行うようにした。この有効/無効マーキングは、動的データごとに設ける。具体的には図2の一番右の1つの箱(例:グループ100 データ0)ごとにその箱の中に記憶する。
【0041】
また、このようにデータ更新に伴い削除と追加を繰り返すと削除データが容量を圧迫するので、ガベージコレクションが必要となる。すなわち、一度削除を行った領域は、そのままでは、追加には使えず、追加・削除を繰り返していると使えない領域が多数を占めることになり、データ追加ができなくなる。そこで、図2に示すように、データ面を2面(「フラッシュ面0」と「フラッシュ面1」)用意し、一定量削除データが発生した時点で、EEPROM12にガベージコレクション要求(デフラグ指示)を記憶し、次回の起動時に現在の使用面でない面をERASEした上で、有効なデータをコピーして移行処理する。完全に移行が終了したならば、EEPROM12のガベージコレクション要求を消去する。起動直後はオープニング画面等々を表示部6に表示する処理の背後で上述したガベージコレクションの処理(整頓の処理)を行う[0]時間的余裕もあるため、この整頓の処理に10秒程度かかっても問題はないし、仮に移行中に電源切断しても完了するまで再度整頓すればよいので問題はない。
【0042】
メモリ容量が大きいフラッシュメモリ11に対し、誤動作源に基づく登録すべき動的データを検出する都度、単純に先頭から順次データを追加していくだけでは、現在位置近傍のデータを検索する際に、フラッシュメモリ11に登録された全ての登録データをチェックする必要がある。これは非効率であり、時間もかかるだけでなく、制御部4の負荷も大きくなるので好ましくない。
【0043】
そこで、実際の地域を複数のエリアに分割し、エリアごとにメモリ領域を振り分けるようにした。これにより、ある動的データを登録する場合、制御部4は、その登録するデータの位置情報からどのエリアについての動的データかを認識し、該当するエリアに振り分けられたメモリ領域に登録する。制御部4は、各メモリ領域では、先頭から順に書き込む。このようにすると、検索時には、現在位置から該当するエリアを認識し、そのエリアに振り分けられたメモリ領域のみをサーチすればよいので、短時間で該当する動的データの有無を判断することができ、制御部4の負荷も軽減される。
【0044】
そして、本実施形態では、各エリアを経度に基づき分割した。具体的には、576分割したため、1つのエリアの幅は3km程度とした。さらに、各エリアに割り当てるメモリ容量を、状況に応じて異なるようにした。すなわち、仮に、最大登録数を10000件とすると、各エリアに均等にメモリ容量(登録可能数)を割り当てると、“10000/576”より、約17件となる。すると、人口密集地域等の登録対象が多いと予想される領域では、登録可能数があまりに少なく、すぐに登録可能な上限を超えてしまう。
【0045】
また、人の多いところは動的データの登録数が多く入る可能性が高いという理由で画一的に都会に属するエリアに割り当てるメモリ容量を多くすると、今度は地方の人が使ったときに登録可能数がさらに少なくなってしまう。そこで、本実施形態では、あらかじめフラッシュメモリ11にエリアごとの記憶領域を確保するのではなく、登録すべき動的データが生じた場合に、そのエリアについて割り当てたサイズ(メモリ容量)の記憶エリアを確保し、その記憶エリア内の先頭から順に動的データを登録する。この記憶エリアをボックス(BOX)と称し、そのボックスのサイズは、各エリアに付したランクに応じて変えるようにしている。具体的には、
ランク1 ボックスサイズ=8
ランク2 ボックスサイズ=16
ランク3 ボックスサイズ=32
ランク4 ボックスサイズ=48
ランク5 ボックスサイズ=64
ランク6 ボックスサイズ=96
の6つのランク分けをした。ボックスサイズの数値は、当該ボックスに登録可能な動的データの数である。このランクは、グループごとにプログラム内にテーブルとして保持するようにしてもよいし、EEPROM12に記憶しておくようにしてもよい。
【0046】
そして、このランク分けは、たとえば都市部(都会)になるほど高いランクに設定し、地方になるほど低いランクに設定する。都会の程度は、たとえば人口密度等に応じて設定できる。また、データベース5には、目標物に関する情報が登録されているが、同一のエリア内に登録されている目標物の数に応じてランク分けをしてもよい。つまり、登録される目標物の数が多いほど、高いランクを設定する。ここで目標物の数とは、必ずしも実際にデータベース5に登録されているものに限ることはなく、製造メーカ等が保有しているデータを用いてもよい。
【0047】
このようにすることで、ユーザが行かないようなエリア,登録対象の動的データが存在しないエリアのために、フラッシュメモリ11のメモリ領域が確保されてしまうことが抑止できる。しかも、一旦登録対象の動的データが検出された場合には、そのエリアについて所定のボックスサイズの連続したメモリ領域が確保されるので、その後に同一エリアにおいて別の動的データが検出された場合に、上記の確保されたボックスに追加登録することできる。よって、同一エリア内に存在する誤動作源等の動的データは、連続したメモリ領域であるボックス内に格納されるので、実際に自車が所定のエリア内に存在し、誤動作源等の動的データの有無を判断する場合には、そのエリアに対応するボックスを検索するだけでよいので迅速かつ簡単に処理できる。
【0048】
さらに、ランクに応じてボックスサイズを設定するようにしたので、必要以上に多くのメモリ領域が確保されることによる実質的な最大登録件数の減少を抑止できる。なお、割り当てられたボックスがいっぱいになった状態で新たな登録対象の動的データが発生した場合には、新規にボックスを追加することで、登録済みの動的データを削除することなく追加登録できる。
【0049】
このフラッシュメモリへの動的データの登録(データ構造)の一例を示すと、図2に示すようになる。この例では、動的データを格納するメモリ領域は、フラッシュ面0を使用する。グループ番号に対応するエリアに割り当てられたボックスサイズは、グループ99が8個、グループ100が8個、グループ101が16個、グループ200が8個の動的データが格納できる容量とした。各ボックスに登録されている動的データは、グループ99が設定された8個となり、ボックスがいっぱいになっているので次にグループ99のエリア内の新たな動的データが発生した場合には、新規にボックスが確保され、そこに登録される。この場合も、確保するボックスのボックスサイズは同じ(8個)とする。また、他のボックスについては、ボックス内に未使用領域があるので、新たな登録対象の動的データが発生した場合には、該当するボックス内に登録する。さらに、別のグループのエリアについて登録対象の動的データが発生した場合には、割り当てたボックスサイズのボックスを確保するとともに、そのボックスの先頭に当該動的データを登録する。
【0050】
また、上記のフラッシュメモリ11に格納するデータの管理情報は、EEPROM12に格納する。具体的には、図3に示すように、ボックスの使用数(図2の例では、BOX0から4の5個)と、選択面(図2の例では、0)と、ボックス番号とそれに割り当てられたエリア(グループ番号)の対応テーブル(未使用はグループ番号が0)と、グループ別の登録数と、デフラグ指示フラグを格納するデータ構造を採る。
【0051】
グループ別登録数が0の場合、そのグループのエリアについての動的データは登録されておらず、フラッシュメモリ11のボックスも確保されていないことになる。また、グループ別登録数が、そのグループに割り当てられるボックスサイズと同じか倍数の場合には、確保されたボックスがいっぱいの状態で次に登録するためには新たにボックスを確保する必要があることかわかる。また、上記の対応テーブルに格納されたグループ番号を見ることで、すでにフラッシュメモリ11にボックスが確保されているエリアか否かを判断することもできる。
【0052】
たとえば、登録すべき動的データが検出された場合、制御部4は、その位置情報からどのエリア(グループ番号)に属するものかを判断し、上記の対応テーブルを先頭からサーチし、該当するグルーブ番号があるか否かを判断する。そして、対応テーブルは、フラッシュメモリ11の所定のボックスに動的データを登録した場合に、その動的データの属するエリアのグループ番号を、そのボックスのボックス番号に関連づけて登録したテーブルであるので、対応テーブルにグループ番号がある場合、そのグループ番号のエリア(現在位置のエリア)で登録済みの動的データがあることになるので、そのボックス番号を取得し、無い場合には、未使用のボックス番号を取得する。なお、動的データが1つのボックスの登録可能な件数を超えて多数存在する場合、同一のグルーブ番号の動的データを格納するボックスが複数存在することになる。そこで、複数存在する場合、一番後ろのボックス番号を取得する。そして、制御部4は、取得したボックス番号に対応するフラッシュメモリ11のメモリ領域に動的データの格納処理を行う。
【0053】
具体的には、すでに同一エリアで登録された動的データが存在している場合、そのボックスに格納済みの動的データと、今回登録しようとする動的データの位置情報を比較し、同一箇所について登録されたものがあるか否かを判断し、無い場合には追加登録する。また、同一エリアでの登録された動的データが無い場合、制御部4は、フラッシュメモリ11内にそのエリアに設定されているボックスサイズのボックスを確保し、その確保したボックスの先頭に動的データを登録する。
【0054】
なお、ボックス使用数と選択面と対応テーブルについては、装置の起動後にRAMに展開し、読み出しはRAMから行い、書き込みはRAMとEEPROM12に行うようにしている。これにより、高速処理が行える。
【0055】
また、登録済みの動的データが不要になったり、他の内容に変更したりする場合、当該登録済の動的データを削除(無効マーキング)する。したがって、使用が進むにつて、同一のボックス内のデータがすべて削除されてなくなることがある。係る削除されたデータ自体は、ガベレージコレクション処理(デフラグ)を行うことで、新たに使用面となったフラッシュ面にコピーさないが、ボックス自体は残ってしまう。係るボックスは、そのボックスに割り当てたエリア(グループ)の動的データが発生した場合に格納する領域として残しておいてもよいが、ガベレージコレクション処理を行った際に、同一のボックス内のデータがすべてなくなった場合には、そのボックス自体を削除する処理を行う機能を備えるとよい。これは、例えばグループ別登録数をデクリメントする処理などで実現できる。このようにすると、必要以上にボックスを確保してしまうことを抑制できる。
【0056】
通常の目標物の検出処理時に動的データを利用する場合、制御部4は、現在位置に基づいて該当するエリア(グループ番号)を認識し、対応テーブル(実際にはRAMに展開したデータを利用)からそのエリアについての動的データが登録されているボックス番号を取得し、そのボックスに格納されている動的データの位置情報を検索し、現在位置が警報禁止領域か否かを判断し、警報禁止領域の場合には所定のマイクロ波を受信しても正規の警報を発しないようにする。また、上記のデータの読み出しに際し、現在位置のエリアに対応して読み出そうとするグループ番号を決定したならば、グループ別登録数のテーブルに格納された当該決定したグループ番号に関連づけられている登録数をEEPROM12より読み出し、登録数分データを読み出す。そして、読み出したボックスで登録数に達しない場合、そのボックスにはすでにいっぱいに動的データが登録されていると共に、さらに別のボックスが確保されていることになるので、当該別のボックスから該当するデータを読み出す。なお、この別のボックスの検索は、先に行った対応テーブルに対する検索の際に、対応テーブルの先頭からすべてサーチし、該当するグループ番号に一致するものを予めすべて取得しておいても良いし、最初の検索では、該当するボックスが1つ見つかった場合にはそれに基づいて動的データの読み出しを行い、不足分がある(他のボックスがある)とわかった段階で、再度対応テーブルをサーチして別のボックスを取得するようにしても良い。
【0057】
上述した実施形態では、不揮発性の記憶媒体としてEEPROM12を用いたが、MRAM、FeRAMや、各種の記録媒体、例えば、SDカードを用いてもよい。また、動的データとして追加するデータは、上述したように、目標物検出装置の稼働中にスイッチ操作等でそのときの現在位置情報に基づいて登録するものに限ることはなく、たとえば、SDカード等の着脱可能な記憶媒体を装着し、当該SDカードに格納されたデータを読み出してフラッシュメモリ11に格納するとともに必要な管理情報をEEPROM12に格納したり、通信によってデータを取り込むようにしてもよい。
【0058】
このようにSDカードや無線通信で動的データを送受することで、他の目標物検出装置で登録した動的データを取り込み利用することができる。これにより、初めて訪れる場所でも、当該場所で他の目標物検出装置で登録された動的データを予め取得しておくことで、最初から当該動的データに基づく適切な制御(正規の警報の禁止等)を行うことができる。
【0059】
さらにまた、コストを考慮すると、上述したようにフラッシュメモリ11を実装し、そこに動的データを格納するのがよいが、動的データの最大登録件数を多くしつつ、迅速に検出するようにするためには、フラッシュメモリ11を用いるのではなく従来同様にEEPROMを用いてもよい。その場合でも、登録する動的データが発生した場合に、実際にそのエリアについてボックスを確保して動的データを格納するようにすれば、実際に使用しない不要なエリアに対して無駄にメモリ容量が確保されてしまうことを防止できるとともに、同一のエリア内に存在する動的データは、連続したメモリ領域であるボックス内にまとめて格納されるので、検索時には、そのエリアに対応するボックスのみをサーチすれば足りるので、迅速に検出することができる。
【0060】
さらにまた、上述した実施形態では、電子機器の一例である車載機器の一つとして目標物検出装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限ることはなく、たとえば、カーナビゲーション装置にも適用することができる。ナビゲーション装置の場合、自宅・会社・学校その他のユーザに関連するランドマークを動的データとして登録する。これにより、現在位置の周囲(表示画面の表示エリア内)にその登録したランドマークが存在する場合に、地図上にランドマークを描画することができ、本実施携帯を利用することで登録可能なランドマークの数を多くできる。さらには、カーナビゲーション装置以外の車載機器はもちろんのこと、車載機器に限ることはなく、GPS信号を受信し、各種の処理を行うことのできる携帯型のナビゲーション装置、GPS内蔵カメラ、GPS内蔵ビデオカメラ、GPSロガー等の位置記録装置、GPS信号の記録装置その他のGPS機器にも適用することができる。さらに、位置検出手段としてGPSを利用したものをGPS機器と称しているが、例えば、GPS以外にも無線LAN、RFID等を用いて現在位置を検出する技術を用いた各種の電子機器に適用できるのはもちろんである。
【0061】
これらの各GPS機器等の電子機器において、現在位置が動的データで指定される範囲内に存在している場合に、情報の入力制御、出力制御、記録制御などを行うことができる。出力制御として、他の装置等への信号制御、報知制御(例えば、施設位置の報知)などとすることができる。記録制御としては、例えば、現在位置での情報(例えば映像等)の記録制御などがある。
【符号の説明】
【0062】
1 GPS受信機
2 マイクロ波受信機
3 無線受信機
4 制御部
5 データベース
6 表示部
7 ランプ
8 スピーカ
11 フラッシュメモリ
12 EEPROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機の位置を検出する位置検出手段と、
製品出荷後に位置情報を含む動的データを登録する動的データ記憶手段と、
を備え、
前記位置検出手段で検出された現在の位置と、前記動的データ記憶手段に格納された動的データに基づく所定の制御をする機能を備え、
前記動的データの登録対象となる領域を複数のエリアに分割し、
前記動的データ記憶手段に登録すべき前記動的データが生じた際に、その動的データの位置情報から前記複数のエリアの中から該当するエリアを決定し、その決定したエリアにおいて初めての動的データの場合には、設定されたサイズの連続したメモリ領域であるボックスを前記動的データ記憶手段内に確保するとともに、そのボックス内に前記動的データを格納し、前記決定したエリアについて前記ボックスが確保されている場合には当該ボックス内に前記動的データを格納する制御手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記決定したエリアについて確保された前記ボックス内に登録可能な件数の動的データが格納されている場合、そのエリアについての新規なボックスを確保し、その新規なボックス内に前記動的データを格納するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記設定されたサイズは、段階的に設定した固定サイズであって、前記動的データの登録予想数の多いエリアほど大きい固定サイズを割り当てることを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
所定の電波を受信した際に警報を発する警報制御手段を備え、
前記動的データは、前記警報制御手段が行う正規の警報を抑制する範囲を特定する情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記動的データは、他の電子機器にて登録された動的データを取得したものを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記動的データ記憶手段は、フラッシュメモリであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記フラッシュメモリへの動的データの登録は、データ面を複数面用意するとともに使用面となっているデータ面に対して行い、
動的データごとに有効/無効マーキングを設定するとともに登録した動的データの削除は、対応する有効/無効マーキングを無効にすることで行い、
使用面となっているデータ面の削除データが基準量を超えた場合に、有効マーキング設定した動的データを新たな使用面となるデータ面にコピーした後、前記使用面を、当該新たな使用面となるデータ面に切り替えるガベージコレクション処理する機能を備えたことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記有効/無効マーキングとして、無効マーキングの値を0とし、有効マーキングの値を0以外とすることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記ガベージコレクション処理は、自機の電源が投入された直後に、表示手段に対するオープニング画面の描画処理中に行うこと
を特徴とする請求項7または8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記ガベレージコレクション処理を行った際に、同一のボックス内のデータがすべてなくなった場合には、そのボックス自体を削除する処理を行う機能を備えたことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の電子機器における制御手段としての機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−176268(P2010−176268A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16512(P2009−16512)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(391001848)株式会社ユピテル (238)
【Fターム(参考)】