説明

電子機器のための制御インタフェース装置

タッチセンシティブ入力検出層(102)と、前記タッチセンシティブ入力検出層内でタッチにより生じたキャパシタンスの変化を検出するために前記タッチセンシティブ入力検出層に接続された入力センサ(201)と、を備えた、電子機器のための入力インタフェース装置であって、前記タッチセンシティブ入力検出層は透明であり、前記タッチセンシティブ入力検出層の下方に高分子発光ダイオード(PLED)の高分子層(103)が配置され、前記タッチセンシティブ入力検出層を通して光を放出するように構成されている。前記高分子層は、前記高分子発光ダイオードの一対の導電電極層(102、104)の間に挟まれて配置され、前記タッチセンシティブ入力検出層は、前記一対の導電電極層のいずれかを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のためのマンマシンインタフェース装置に関し、具体的には、例えば、携帯電話及びコンピュータ、並びに、電子メディアプレーヤ及びレコーダーなどのデータ通信又はプロセッサデバイスのためのデータ入力インタフェース装置に関する。特に、本発明は、タッチセンシティブ入力デバイス(touch-sensitive input devices)に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ、携帯電話およびオーディオ/ビデオ機器などの制御入力機能(control input capabilities)を持つ電子機器の使用は、ここ10年間で世界中で大きく発展した。従来は、キーボード又はキーパッドがそのような電子機器にデータや制御コマンドを入力するのに使用されてきた。補助入力手段は、ジョイスティック又はジョグボール(jog balls)及び音声制御システムを含む。電子機器からのデータ出力は、さらに画像、テキスト及び数字が視覚化されるディスプレイによって主に提供される。
【0003】
より小型の電子機器を作製すること、特に、携帯電話、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、mp3プレーヤなどの携帯用途のために、多くの努力がなされてきた。電子部品の小型化やより効率的なバッテリーの開発に非常に助けられてきた。移動通信では、通信システムは、わずか20〜30年の間に、アナログからデジタルとなり、これと同時に、通信端末装置の寸法もブリーフケースサイズから今日のポケットサイズの電話までになった。多くのメーカーは、現在、パケット指向(packet-oriented)の伝送と多重無線帯域の適用範囲(coverage)などの多種多様の機能とサービスを持つポケットサイズの端末を提供する。現在でも、携帯電話はますます小型化され、一般的に、そのサイズはエンドカスタマーにとって重要な要素であると考えられている。異なるタイプの内蔵アンテナは、突き出していたアンテナ要素の必要性を排除した。同時に、端末は、端末とネットワークシステムの発展によって、より高度な機能とサービスを実行することがますます可能となってきた。新しい伝送方式、すなわち、現在用いられているいわゆる第3世代移動システムと10年以内に期待されている第4世代の開発によって、より高度なデータをリアルタイムビデオなどの無線通信端末まで伝送することも可能となる。
【0004】
携帯型のコンピュータやメディアプレーヤと同様に、携帯電話では、エンドユーザが多くの対立する事項を要求する。基本的に、デバイスは可能な限り小さく軽くなければならない。さらに、デバイスは更に高度な機能を提供し、長いバッテリー時間を持ち、ユーザフレンドリなインタフェース装置を持たなければならない。現在でも、電子機器には限られたスペースしかなく、競争に勝つためには、発明された素子が注意深くパッケージされなければならない。
【0005】
近年、入力インタフェース装置のタッチセンシティブデバイスの使用が急速に増加してきた。電子機器分野のトレンドは、データ出力インタフェース装置として機能するより大きなディスプレイを提供することであり、これは映像を送信し提供することを可能とする無線伝送方式によって特に注目されている。さらに、そのようなディスプレイはまた、タッチセンシティブであり、多くの場合は、望ましくはペン型のスタイラス(pen-like stylus)によって操作されるデータ入力インタフェース装置として機能する。タッチセンシティブ入力手段はまた、アップル(登録商標)のiPOD MP3プレーヤなど出力手段と組み合わせることなく用いられる。このような最新のデバイスは、リング状の入力エリアを持つように考案され、指を表面に接触させた状態で動かすことによってメニューをスクロールさせるために使用されうる。リング状の表面をセクター部分に分割することによって、各セクター部分はスクロール機能の1ステップを表すことができる。
【0006】
タッチセンシティブ入力デバイスは、例えば、キャパシタ技術(capacitive technology)と連動している。そこでは、入力表面の特定部分が導電材料の電極を構成する。ユーザの指が接触するか又は十分近くに来たとき、電極のキャパシタンスが変化し、その変化はキャパシタンス検出回路によって検出される。
【0007】
タッチセンシティブディスプレイ内の出力デバイスと組み合わせた入力デバイスを含むマン・マシン・インタフェース装置は、特に、データ入力とデータ出力との間の直感的な相関関係(intuitive correlation)によって、一般的に非常にユーザーフレンドリであると感じられる。しかしながら、純粋な出力ディスプレイに比べて、そのようなタッチセンシティブディスプレイは、比較的大きなディスプレイうを通常必要とする。さらに、キーパッドに比べて、ディスプレイは比較的高価な要素であり、ディスプレイ寸法の増加は、生産コストの上昇をもたらす。
【発明の開示】
【0008】
発明の概要
本発明は、直感的でユーザフレンドリーなデザイン(design)を持った、携帯電話、PDA、ラップトップコンピュータ及びメディアプレーヤ(media players)などの電子機器のためのデータ入力手段を提供することを目的とする。本発明はまた、小型かつ軽量であるという利点を持った、携帯型ポータブル電子機器への実装に適したデータ入力手段を提供することを目的とする。
【0009】
第1の側面によれば、本発明の目的は、タッチセンシティブ入力検出層と、前記タッチセンシティブ入力検出層内でタッチにより生じたキャパシタンスの変化を検出するために前記タッチセンシティブ入力検出層に接続された入力センサと、を備えた、電子機器のための入力インタフェース装置によって達成される。本発明によれば、前記タッチセンシティブ入力検出層は、透明であり、前記タッチセンシティブ入力検出層の下方に高分子発光ダイオードの高分子層が配置され、前記タッチセンシティブ入力検出層を通して光を放出するように構成されている。
【0010】
好適には、前記高分子層は、前記高分子発光ダイオードの一対の導電電極層の間に挟まれて配置され、前記タッチセンシティブ入力検出層は、前記一対の導電電極層のいずれかを構成する。
【0011】
一実施形態では、前記タッチセンシティブ入力検出層は、前記高分子発光ダイオードのアノードである。
【0012】
好適な実施形態では、前記タッチセンシティブ入力検出層は、インジウムスズ酸化物基板を含む。
【0013】
一実施形態では、前記高分子層は、ノンドープ共役高分子を含む。
【0014】
好適には、前記入力センサは、直流電圧ブロッキングコンデンサを介して前記タッチセンシティブ入力検出層に接続されている。
【0015】
一実施形態では、前記タッチセンシティブ入力検出層は、スイッチに接続され、前記スイッチは、前記入力センサと、前記高分子発光ダイオードのための駆動部と、に接続され、前記スイッチは、前記タッチセンシティブ入力検出層を、前記入力センサ又は前記駆動部のいずれかと接続するように切り替えるよう構成され、前記タッチセンシティブ入力検出層の上方に透明な保護層が配置されている。
【0016】
好適には、前記タッチセンシティブ入力検出層の上方に透明な保護層が配置されている。
【0017】
一実施形態では、前記入力センサと、前記高分子発光ダイオードのための駆動部と、に制御部が接続され、前記制御部は、前記入力センサによって感知された入力信号に応じて、前記高分子発光ダイオードからの光放出を活性化するために前記駆動部を制御するよう構成されている。
【0018】
好適には、前記タッチセンシティブ入力検出層は、別々の入力領域を表した、複数の別々の区分を含む。
【0019】
一実施形態では、前記タッチセンシティブ入力検出層の前記複数の別々の区分の下方に、前記高分子発光ダイオードの連続的な高分子層が配置されている。
【0020】
他の実施形態では、前記タッチセンシティブ入力検出層の前記複数の別々の区分の下方に、別々の高分子層部が配置されている。
【0021】
第2の側面によれば、本発明の目的は、タッチセンシティブ入力検出層と、前記タッチセンシティブ入力検出層内でタッチにより生じたキャパシタンスの変化を検出するために前記タッチセンシティブ入力検出層に接続された入力センサと、を有する入力インタフェース装置を備える電子機器によって達成される。本発明によれば、前記タッチセンシティブ入力検出層は、透明であり、前記タッチセンシティブ入力検出層の下方に高分子発光ダイオードの高分子層が配置され、前記タッチセンシティブ入力検出層を通して光を放出するように構成されている。
【0022】
好適には、前記高分子層は、前記高分子発光ダイオードの一対の導電電極層の間に挟まれて配置され、前記タッチセンシティブ入力検出層は、前記一対の導電電極層のいずれかを構成する。
【0023】
さらに、好適には、前記電子機器は、上述した構成のうちいずれか1つを備える。
【0024】
一実施形態では、前記電子機器は、無線通信端末を備える。
【0025】
他の実施形態では、前記電子機器は、メディアプレーヤを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明は、例示的に示される好適な実施の形態を参照して、図面を参照しながらより詳細に説明される。
【0027】
好適な実施の形態の詳細な説明
本説明は、データ通信、プロセスデバイス、無線通信端末及びメディアプレーヤなどの電子機器のための入力インタフェース装置(input interface)の分野に関する。本開示で参照する電子機器は、無線局との無線通信のために考案される全てのすべての移動機器を含む。無線局はまた、移動機であるか、又は、例えば静止した基地局であってもよい。従って、端末という用語は、移動電話、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、高度自動機能電話(smartphones)、各種PDA(Personal Digital Assistants)及び各種DECT端末(Digital Enhanced Cordless Telephony)などのデータ通信デバイスを含む。本発明は、コンピュータ、例えば、ここで使用される電子機器に含まれるラップトップにも適用可能である。本発明は、特に、軽量かつ小サイズが関連するパラメータである携帯デバイスに適しているが、本発明は、デスクトップコンピュータ、有線の電話、ハイファイ機器などの静止したデバイスにも同様にも用いられうる。さらに、備えている又は備える(comprising or comprises)という用語が、本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられて、フィーチャ(feature)、要素又はステップを含むことを示す場合には、明示的に示された以外の他のフィーチャ(feature)、要素又はステップの存在を排除するものとして解釈されてはならない点に留意すべきである。
【0028】
以下、添付の図面を参照して好適な実施形態を説明する。
【0029】
図1は、高分子膜発光ダイオード100を示す図であり、その技術は本発明で使用される。本発明に用いられるこのタイプのデバイスは、一般的に、高分子発光ダイオード(PLED)又はまたは有機発光ダイオード(OLED)と呼ばれる。PLEDは、近年の間に急速に発展しているバックライティング、照明及びディスプレイ技術であり、その基本機能は、図1を参照して説明されうる。PLEDは、高分子、好適には、ノンドープ共役高分子(conjugated polymer)の薄層103を含み、この薄層103はアノード102とカソード104との間に挟まれる。様々なアプリケーションで用いられる高分子の例としては、ポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p-フェニレンベンゾビスチアゾール)(PBT)及びポリ(p-フェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)が挙げられる。層103の高分子は、電気にさらされると光を放出する。DC駆動部105によって供給されるバイアス電圧によって、電子e-及びホールhがカソード104及びアノード102から1つ又は複数の分子高分子層(molecular polymer layer or layers)にそれぞれ注入される。これらの2種類のキャリアは、互いに移動し、それらの一部は再結合して光を放出する。
【0030】
電極102、104の少なくとも1つ、一般的には、アノード102は、放出光を通す。一実施形態では、アノード102は、透明なインジウムスズ酸化物(ITO)基板であるが、カソード104はアルミニウム層であってもよい。従来技術に示されている様々なPLEDは、例えば、電子又はホールの注入効率を向上させるために、材料の付加的な層が電極102と電極104との間に含まれてもよい。電子注入効率を向上させるために、例えば、LiF、A1203又はCaの薄層を高分子層103と電極104との間に挿入することが提案されている。透明な保護層101は、好適にはアノード102に適用される。実際には、保護層101はガラス基板である場合が多いが、当業者に周知の方法でスピニング(spinning)や蒸着(evaporation deposition)によって、その上に他の層が与えられる基体(base)として用いられる。
【0031】
図2は、本発明に係る入力インタフェース装置の実施形態を示す図である。この入力インタフェース装置は、入力センサ201に接続されたタッチセンシティブな検出入力層102を含む。好適な実施形態では、検出層102は導電性電極であり、入力センサ201は交流電流ACを検出層102に印加するように構成され、ある共振周波数を持つ同調回路の一部を形成する。ユーザが、入力インタフェース装置の外側表面を触るか又はその近くに指を置くと、検出層102のキャパシタンスが影響を受ける。ここで、この外側表面は、検出層102又は好適な実施の形態では保護層101によって定められる。キャパシタンスの変化は次に同調回路に影響を与え、交流電流の周波数又は周波数偏移をモニターすることによって、入力センサ201は、タッチセンシングによる入力を検出しうる。
【0032】
本発明によれば、入力インタフェース装置は、検出層の裏側からのバックライティングを提供するように構成されたPLED又はOLEDを更に含む。PLEDは、高分子層103、透明な上部電極102及び下部電極104を含む。好適には、上部電極102はアノードであり、下部電極104はカソードであるが、その逆であってもよい。電極102及び104は、図中に矢印で示されるように、透明な上部電極102及びその保護層を通して光が放出されるように、駆動部105に接続され、高分子層103に直流電圧を印加するように構成されている。保護層101は、上述したように、ガラスで形成されてもよいが、好適な実施の形態では、透明なプラスチックの層が望ましくは使用される。バックライティング用のPLED技術とキャパシタンス依存性の入力タッチセンシングを用いることによって、小型で(low profile)軽量な(low weight)コンパクトな入力インタフェース装置が得られる。さらに、タッチセンシティブ入力検出層102とPLEDは共に、薄くて曲げやすく、これらの要素の組み合わせは、結果として、内蔵バックライティングを持つ歪曲したインタフェース装置を作り出すために使用されうる。PLEDは、好適には、サポート基板204上に与えられる。補助入力インタフェース装置として電子部が従来のキーパッドを含む実施形態については、サポート基板204は、従来技術に従ってその上にキーパッドのキーが取り付けられるキーパッド演算部(keypad math)となりうる。
【0033】
本発明の好適な実施形態によれば、PLEDの上部電極102は、入力検出のための検出層として使用される。この場合、より少ない要素又は層が必要とされ、これによりスペース及び潜在的には生産コスト及び製造時間をも節約することになる。好適には、検出層102は、駆動部105の直流結合(DC coupling)が入力センサ201に接続されないように、直流電圧ブロッキングコンデンサ(DC-voltage blocking capacitor)203上の入力センサ201に接続される。
【0034】
本実施形態のより高度なバージョンでは、光放出で感知した入力を相互に関連付ける(correlate)ために、制御装置202が接続される。制御部202は、例えば、関連するオペレーティングシステムとアプリケーションソフトを用いて、マイクロプロセッサシステムの一部を形成しうる。好適には、制御装置は、入力センサ201とPLED駆動部105の両方に接続している。一実施形態では、制御部202は、入力信号が入力センサ201によって感知される、すなわちユーザが検出層102の適用範囲(coverage)によって定められる入力表面に触れるか又はもう少しで触れるときに検出し、このような検出があると電極102及び104上に直流電圧を印加するように駆動部105を調整する(trig)。ここで、タッチ(接触)により生じた入力によって、入力表面が光るようになっている。
【0035】
本実施形態の変形においては、感知された入力は、放出光の色、すなわち波長を変更するために使用されうる。更に他のオプションは、制御装置202が、入力を検出したときにPLEDをオフにするか、又は、PLEDを点滅させかである。
【0036】
いずれの場合でも、本発明のこれらの実施形態によって、まさに直接にフィードバックがもたらされる。
【0037】
図3は、図2の実施形態の変形例を示す図である。電極と検出層の組みあわせで構成されるPLEDの同様の要素は、図2と同じであり、参照符号は付していない。容量結合203は省略したが、随意的に含まれうる。本実施形態では、入力センサ201とPLEDのための駆動部105とが、異なった方法で接続される。具体的には、検出層/電極102へ共通結線が使用され、配線を低減している。高速マルチプレクシングスイッチ301が共通検出層102に接続され、順番に駆動部105及び入力センサ201に接続するように切り替わる。本実施形態によれば、スイッチ301は、PLEDの駆動と、入力信号を検出するための交流の印加との間で切り替わるように構成されている。図2の実施形態に関しては、制御装置202は、PLEDによる光放出と入力信号を相関させるために(correlating)使用されうる。
【0038】
図4は、図示の都合により図1〜3に示した関連回路(associated circuits)を省略し、入力信号の検出のためにも同様に用いられる上部電極102を備えたPLEDを示す図である。図4は、単一の高分子層103が、どのように単一のカソード104及び2つの異なるアノード401と402と共に用いられるのかを示す図である。共通の保護層101は、アノード401と402の両方の上に与えられる。図4は、更に、オプションのフィーチャ(optional feature)として、電極401と電極402との間の境界を示した、高くなった突起部(raised rib)403が上部保護層101を図示している。このフィーチャ(feature)は、別々の入力領域を識別するために含まれてもよい。突起部(rib)の代替手段として、溝(groove)を用いてもよい。
【0039】
図5は、図4と同様の実施形態を示すが、図5では別々の電極401と402の下でそれぞれ別々の高分子層501と502が使用される。図5の実施形態では、共通のカソード104が依然として使用される。
【0040】
図6は、図5と同様の更に他の実施形態を示す図であり、別々の高分子層501と502が別々の電極401と402の下で使用されている状態を示している。図6の実施形態では、別々のカソード601と602がそれぞれ更に使用される。
【0041】
図4〜6の実施形態では、アノード401と402が入力センサを分離するために接続され、随意的に共通の入力センサの異なるポートに接続される。同様にして、アノード401と402が異なるDCドライバ又は共通のDCドライバーの異なるポートに接続される。さらに、図2の実施形態に係る別々の接続が用いられるか、又は、図3の実施形態に係るスイッチを通した接続が用いられる。図4の突出部(rib)403は、図5及び6の実施形態にも当然用いられうる。図4〜6の実施形態は、個別のアノード401と402の適用範囲によって定められた、2つ以上の入力領域を含む簡単な方法を示す図であり、異なる領域が異なるキー(keys)として機能しうる。
【0042】
例示的な実施形態では、接着された配線又はフレックスケーブル(flex cables)によって、電極への接続がなされうる。
【0043】
図7は、本発明の実施の形態に係る入力インタフェース装置が含まれる携帯電話などの無線通信端末の形態で電子機器701を示す図である。端末701は、マイクロホンの形態でユーザの音声入力を運び、スピーカ(不図示)の形態でユーザの音声出力を運ぶシャーシ(chassis)又は筺体(housing)705を備える。ディスプレイ702を備えるデータ出力インタフェース装置は、当業者に周知の方法で、通信情報やアドレスリストなどを表示よう構成されている。端末701は、無線送受信機器(radio transmission and reception electronics)(不図示)を含み、筺体705内部に内蔵アンテナを備えて構成される。データ入力インタフェース装置として、例えば、確立された技術であるダイアリング(dialling)の使用に適した1セットのキー703が含まれうる。しかしながら、データとコマンド信号の入力に対して、本発明に係る入力インタフェース装置も含まれうる。本実施形態では、タッチセンシティブ領域を本発明に係るバックライティング用のPLEDと組み合わせる入力インタフェース装置が、円形の表面704として構成されている。点線は、図4〜6のいずれかに示す異なる電極401と402に対応した、別々の入力表面の部分間の分離を示す。この分離は、平坦な保護層101を含むことによって、ユーザにとってはほとんど見えないかもしれない。これに代えて、突起部(ribs)又は溝(grooves)が、入力領域間を検出可能に区別できるようにするために用いられてもよい。例示的に実施の形態では、単に一例に過ぎないが、入力インタフェース装置704は、リング状の部分と中央部分の区分(segments)で構成される。そのような入力インタフェース装置は、例えば、リング状の部分の周りのいずれかの方向にメニュー内で指を動かすことによって、スクロールするために用いられるのに対し、中央部分は、呼び出しの開始や、呼び出しに応じるときに電話を取る機能(phone lift function)として用いられうる。そのようなインタフェース装置は、例えば、Bang&OlufsenからBeocom 6000シリーズの携帯電話機で以前から実施され、同様の手法が上述のiPODで使用されている。しかしながら、本発明の入力インタフェース装置は、バックライティングを用いた従来の解決手段、好適には、タッチセンシングとPLEDを併用した上部電極に更なる技術的な効果をもたらす。
【0044】
本発明に係るPLEDの使用によって、いくつかの利点がもたらされる。PLEDはホイルで作られ、従来の点光源のLEDと比べると面光源である。白とRGBを含めて、全ての色が可能である。また、本発明に係るデザインを用いて、入力インタフェース装置のデザインを行うことも可能である。視野角依存性(viewing angle dependence)に優れ、基本的には、角度依存性が全く認められない。提案したデザインはまた、その構造が単純であり、従来のLEDを使用するよりも低コストである。最後に、機械的な構造物の高さが低く、時に、PLEDとタッチセンサーとの組み合わせを用いた実施形態に有利である。
【0045】
上述のように、本発明の原理、好適な実施形態及び動作モードを説明した。しかしながら、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものと理解されるべきでなく、これらの実施形態において、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の技術的範囲から逸脱しない限り、当業者によって変形がなされ、これらの実施形態は限定を意図したものではなく、例示的なものであると考えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、本発明の基礎となる実施の形態に係る高分子発光ダイオードの基本構造の一例を概略的に示す図である。
【図2】図2は、本発明に係る入力インタフェース装置の実施形態を概略的に示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る入力インタフェース装置の他の実施形態を概略的に示す図である。
【図4】図4は、複数の入力領域を含む入力インタフェース装置の一実施形態の一部を概略的に示す図である。
【図5】図5は、複数の入力領域を含む入力インタフェース装置の他の実施形態の一部を概略的に示す図である。
【図6】図6は、複数の入力領域を含む入力インタフェース装置の更に他の実施形態の一部を概略的に示す図である。
【図7】図7は、本発明に係る入力インタフェース装置の実施形態を組み込んだ電子機器を概略的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチセンシティブ入力検出層(102)と、前記タッチセンシティブ入力検出層内でタッチにより生じたキャパシタンスの変化を検出するために前記タッチセンシティブ入力検出層に接続された入力センサ(201)と、を備えた、電子機器のための入力インタフェース装置であって、
前記タッチセンシティブ入力検出層は、透明であり、
前記タッチセンシティブ入力検出層の下方に高分子発光ダイオード(PLED)の高分子層(103)が配置され、前記タッチセンシティブ入力検出層を通して光を放出するように構成されていることを特徴とする入力インタフェース装置。
【請求項2】
前記高分子層は、前記高分子発光ダイオードの一対の導電電極層(102、104)の間に挟まれて配置され、
前記タッチセンシティブ入力検出層は、前記一対の導電電極層のいずれかを構成することを特徴とする請求項1に記載の入力インタフェース装置。
【請求項3】
前記タッチセンシティブ入力検出層は、前記高分子発光ダイオードのアノードであることを特徴とする請求項2に記載の入力インタフェース装置。
【請求項4】
前記タッチセンシティブ入力検出層は、インジウムスズ酸化物基板を含むことを特徴とする請求項2に記載の入力インタフェース装置。
【請求項5】
前記高分子層は、ノンドープ共役高分子を含むことを特徴とする請求項2に記載の入力インタフェース装置。
【請求項6】
前記入力センサは、直流電圧ブロッキングコンデンサ(203)を介して前記タッチセンシティブ入力検出層に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の入力インタフェース装置。
【請求項7】
前記タッチセンシティブ入力検出層は、スイッチ(301)に接続され、
前記スイッチは、前記入力センサと、前記高分子発光ダイオードのための駆動部(105)と、に接続され、
前記スイッチは、前記タッチセンシティブ入力検出層を、前記入力センサ又は前記駆動部のいずれかと接続するように切り替えるよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の入力インタフェース装置。
【請求項8】
前記タッチセンシティブ入力検出層の上方に透明な保護層(101)が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の入力インタフェース装置。
【請求項9】
前記入力センサと、前記高分子発光ダイオードのための駆動部(105)と、に制御部(202)が接続され、
前記制御部は、前記入力センサによって感知された入力信号に応じて、前記高分子発光ダイオードからの光放出を活性化するために前記駆動部を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の入力インタフェース装置。
【請求項10】
前記タッチセンシティブ入力検出層は、別々の入力領域を表した、複数の別々の区分(401、402)を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の入力インタフェース装置。
【請求項11】
前記タッチセンシティブ入力検出層の前記複数の別々の区分の下方に、前記高分子発光ダイオードの連続的な高分子層(103)が配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の入力インタフェース装置。
【請求項12】
前記タッチセンシティブ入力検出層の前記複数の別々の区分の下方に、別々の高分子層部(501、502)が配置されていることを特徴とする請求項10に記載の入力インタフェース装置。
【請求項13】
入力インタフェース装置(704)を備える電子機器(701)であって、
前記入力インタフェース装置は、
タッチセンシティブ入力検出層(102)と、前記タッチセンシティブ入力検出層内でタッチにより生じたキャパシタンスの変化を検出するために前記タッチセンシティブ入力検出層に接続された入力センサ(201)と、
を含み、
前記タッチセンシティブ入力検出層は、透明であり、
前記タッチセンシティブ入力検出層の下方に高分子発光ダイオード(PLED)の高分子層(103)が配置され、前記タッチセンシティブ入力検出層を通して光を放出するように構成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項14】
前記高分子層は、前記高分子発光ダイオードの一対の導電電極層(102、104)の間に挟まれて配置され、
前記タッチセンシティブ入力検出層は、前記一対の導電電極層のいずれかを構成することを特徴とする請求項13に記載の電子機器。
【請求項15】
請求項3乃至請求項12のいずれか1項に記載された構成を備えることを特徴とする請求項13に記載の電子機器。
【請求項16】
無線通信端末を備えることを特徴とする請求項13に記載の電子機器。
【請求項17】
メディアプレーヤを備えることを特徴とする請求項13に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−534070(P2007−534070A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508897(P2007−508897)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051600
【国際公開番号】WO2005/103864
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】