説明

電子機器のインジケータ構造、および、車載オーディオ装置

【課題】より小さなスペースにスイッチやインジケータを配置できるようにする。
【解決手段】車載オーディオ装置1のエスカッション41に、インジケータ3の一部を露出させて埋設し、露出した発光面31をエスカッション41内に押し込む方向に移動可能として、このインジケータ3が押し込まれたことを検出するスイッチ14を配設し、さらに、インジケータ3に向けて光を照射するLED発光部13を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のインジケータ構造、および、車載オーディオ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器には、スイッチとインジケータとを並べて配設して、スイッチ操作の結果に応じてインジケータの点灯状態を変化させる構成が多く用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−256865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、電子機器の多機能化に伴って、電子機器が備えるスイッチおよびインジケータの数は増加する一方であり、スイッチおよびインジケータを配置するためのスペースの確保が難しくなっている。特に車載用電子機器等、サイズが規格化された電子機器では、限られたスペースに効率よく部品を配置しなければならないため、スイッチおよびインジケータの小型化や、効率的な配置が要求されていた。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑み、より小さなスペースにスイッチやインジケータを配置できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、電子機器の表面パネル上で発光するインジケータ構造であって、前記表面パネル上に一部が露出するとともに、この露出部分を前記表面パネル内に押し込み可能に導光体を埋設し、前記導光体を押し込む操作を検出するスイッチを設け、さらに、前記導光体に向けて光を照射する発光体を配設したこと、を特徴とする電子機器のインジケータ構造を提供する。
この構成によれば、表面パネル上に露出した導光体が、発光体の光により発光し、かつ、導光体を押し込む操作がスイッチにより検出される。すなわち、インジケータとスイッチ操作部とを兼ね備えた構造を実現できる。この構造は、インジケータとスイッチとを別に設けた場合に比べて極めて小さいスペースに設置でき、小型の電子機器に容易に適用できる。また、電子機器の部品点数を減らすことができ、低コスト化に寄与できる。
【0006】
上記構成において、前記スイッチは所定方向からの押圧操作を検出するスイッチであり、前記スイッチの所定方向側に前記導光体が位置するよう構成されたものとしてもよい。この場合、導光体を押し込んだ場合にスイッチが確実に操作を検出できる。また、汎用的なスイッチを用いることで、より一層の低コスト化が図れる。
【0007】
また、上記構成において、前記導光体は、前記発光体が照射する光を前記導光体の露出部分へ案内する導光構造を有するものとしてもよい。この場合、発光体が、表面パネルに露出する部分に十分な光を送れない位置にあっても、導光構造により光が十分に送られる。これにより、導光体が十分な光量で発光することができるので、発光体の位置に係る制限が大幅に緩くなるので、実装上の自由度が増すという利点がある。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明は、表面パネル上で発光するインジケータを備えた車載オーディオ装置において、前記インジケータは、前記表面パネル上に一部が露出するとともに、この露出部分を前記表面パネル内に押し込み可能に埋設された導光体と、前記導光体を押し込む操作を検出するスイッチと、前記導光体に向けて光を照射する発光体とを備え、さらに、前記発光体の点灯状態を制御する制御手段を備えたこと、を特徴とする車載オーディオ装置を提供する。
この構成によれば、制御手段の制御に従って発光するインジケータがスイッチ操作部を兼ねた構成となっているため、インジケータとスイッチとを別に設けた場合に比べて極めて小さいスペースに設置でき、効率よく実装できる。これにより、設置スペースやサイズが制限された車載オーディオ装置における設計の自由度を高めるとともに、部品点数を減らすことで低コスト化に寄与できる。
【0009】
上記構成において、前記制御手段は、当該車載オーディオ装置の動作異常が発生した場合に前記発光体を所定周期で点滅させ、この点滅を開始した後に前記スイッチが操作を検出した場合には、前記発光体の点滅を終了させるとともに、当該車載オーディオ装置の動作状態を初期化するものとしてもよい。
この場合、インジケータとして車載オーディオ装置の動作異常を報知するとともに、このインジケータがスイッチ操作部として機能し、車載オーディオ装置の動作状態の初期化を指示できる。すなわち、動作異常の報知および解消を一つのインジケータで行えるので、直感的な操作が可能となり、車載オーディオ装置の操作性が高まるという利点がある。
【0010】
また、上記構成において、前記制御手段は、前記スイッチの検出状態に応じて、当該車載オーディオ装置に接続された他装置の動作状態を制御するとともに、前記他装置の動作状態に対応して前記発光体を点灯または点滅させるものとしてもよい。
この場合、スイッチ操作部を兼ねるインジケータにより、他装置の動作の制御と、その動作状態の報知とを行うことができ、直感的な操作が可能となるので、車載オーディオ装置の操作性が高まるという利点がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インジケータがスイッチ操作部を兼ねた構成となるので、インジケータとスイッチとを別に設けた場合に比べて極めて小さいスペースに設置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した第1の実施の形態に係る車載オーディオ装置1の構成を示すブロック図である。
電子機器としての車載オーディオ装置1は、ユーザが操作部23を操作することにより、音源22から出力される音声信号を音声出力部21によって処理し、スピーカ24に出力することで、車輌に搭載されたスピーカ24から音声を出力するものである。
音源22としては、AM/FM放送等を受信するチューナ、CDドライブ、DVDドライブ、カセットテープ再生装置の他、半導体記憶素子を用いた記録媒体やハードディスク装置から音声データを読み出して復調し、音声信号を出力する装置等が挙げられる。
【0013】
また、車載オーディオ装置1には警戒装置2が外部接続されている。警戒装置2は、車載オーディオ装置1が搭載された車輌(図示略)の盗難を防止するための警戒動作を実行し、車室内部の気圧変化、車輌に加わる振動等を検出した場合に警報を出力する。警戒装置2が出力する警報としては、例えば、警戒装置2が内蔵するスピーカ(図示略)からの警告音声の出力、警戒装置2が内蔵するライトの発光等が挙げられるが、スピーカ24を用いて警告音声を出力するようにしてもよい。
【0014】
そして、車載オーディオ装置1は、音声出力部21の動作を制御するとともに、警戒装置2による警戒動作の開始および終了を制御する制御手段としての制御部11を備える。制御部11には、発光体としてのLED発光部13、および、スイッチ14が接続される。制御部11は、スイッチ14の操作に従って警戒装置2の警戒動作を開始/終了させるとともに、警戒装置2による警戒動作の実行中に、LED発光部13を、例えば1秒間隔で点滅させる。
【0015】
また、制御部11は、車載オーディオ装置1に動作異常が発生してシステムエラーとなった場合には、LED発光部13を、例えば0.5秒間隔で点滅させる。ここで、LED発光部13が、例えば1秒以上連続して操作された場合には、車載オーディオ装置1をリセットするとともに、LED発光部13の点滅を終了する。
ここで、車載オーディオ装置1におけるシステムエラーとしては、音源22における動作異常、操作部23の不正な操作による音声出力部21の動作異常等が挙げられる。音源22における動作異常とは、具体的には、車載オーディオ装置1に適合しないCD、DVD等の記録媒体がセットされたことによる記録媒体の読み取り異常、駆動時の動作異常等である。
【0016】
LED発光部13およびスイッチ14は、車載オーディオ装置1の筐体を構成するエスカッションに埋設されたインジケータとして一体に配設される。以下、このインジケータの構造について説明する。
【0017】
図2は、車載オーディオ装置1におけるインジケータの構成を示す要部外観図である。また、図3は図2のA−A線における断面視図である。以下の説明では、便宜的に、図3中に図示した状態をもとに上下左右を定めて説明する。
図2および図3に示すように、インジケータ3は、表面パネルとしてのエスカッション41に形成された孔41Cから露出する導光体として構成される。この導光体は、光を透過する透光性を有し、かつ、その屈折率が空気の屈折率とは異なるものが望ましく、例えばガラスまたは合成樹脂等の材料からなり、より好ましくは、PC(ポリカーボネート)やPMMA(ポリメチルメタクリレート、いわゆるアクリル樹脂)等の透光性の高い材料で構成される。
【0018】
インジケータ3は、エスカッション41の孔41Cから露出する発光面31を押下することで、エスカッション41内部に移動可能に構成される。インジケータ3の上部は段階的に先細りする形状を有し、これに対応して、エスカッション41に穿設された孔41Cは段階的に先細りする。この形状により、インジケータ3の脱落および過度の突出が防止される。
また、エスカッション41の下方には、基板42が、エスカッション41のリブ41Aに当接してエスカッション41の表面と略平行に配設される。これにより、基板42とエスカッション41とで囲まれた空間が形成される。この空間内において、インジケータ3は発光面31より幅広に構成される。そして、発光面31を便宜的にインジケータ3の上面とすれば、インジケータ3の底面には、LED発光部13とスイッチ14とが並べて配設される。これらLED発光部13およびスイッチ14は基板42に実装され、この基板42に形成された配線(図示略)を介して、制御部11(図1)に接続される。
【0019】
LED発光部13は、1または複数のLED(発光ダイオード)を備えた上面発光型の発光デバイスであり、制御部11の制御に従って、基板42とは反対側、すなわち上に向けて光を発する。
スイッチ14は、発光面31のほぼ直下に位置するタクトスイッチであり、発光面31に対する押圧操作によりインジケータ3が下方に移動した場合に、インジケータ3の底面により押圧されてONとなる。ここで、発光面31に対する押圧力がなくなった場合、インジケータ3は、スイッチ14が内蔵するゴム(図示略)またはバネ(図示略)の弾性力により、もとの位置に復帰するようにしてもよいし、或いは、インジケータ3を上方へ向けて付勢するバネやゴム等の付勢手段を、インジケータ3の下に設けてもよい。
【0020】
ところで、LED発光部13は発光面31の真下からずれた位置にあるため、LED発光部13から上向きに照射された光が、発光面31に届きにくくなっている。
このため、LED発光部13の真上においては、インジケータ3の上端が斜めに切り欠かれて第1反射面32が形成されている。この第1反射面32は、好ましくは水平面(または基板42)に対して45度の角度を有する平坦な斜面で構成され、LED発光部13の上面からインジケータ3に入射した光を、発光面31側へ反射する。
また、発光面31の真下において、インジケータ3には、その側面に開口する凹部33が形成される。この凹部33の先端は第2反射面34となっている。第2反射面34は、好ましくは水平面(または基板42)に対して45度の角度を有する平坦な斜面で構成され、発光面31の真下に位置し、かつ、第1反射面32と同一の高さ位置にある。この第2反射面34によって、第1反射面32により反射された光が、発光面31へ向けて反射される。
【0021】
従って、LED発光部13が発した光は、図中一点鎖線で示すように、第1反射面32で反射され、さらに第2反射面34で反射されて発光面31に向かい、発光面31から外部に放射される。この導光構造としての第1反射面32、第2反射面34により、LED発光部13の点灯時には、車載オーディオ装置1が設置された車室の内外から、発光面31の発光を視認できる。ここで、インジケータ3の屈折率と空気中の屈折率との差が十分にあれば、第1反射面32および第2反射面34は、特に加工を施さなくとも十分な反射率で光を反射するが、反射率をより高くするため、第1反射面32および第2反射面34にアルミニウム等を蒸着または塗布してもよい。
【0022】
図4は、制御部11の制御によるLED発光部13の点灯状態の例を示す図である。
制御部11は、車載オーディオ装置1においてシステムエラーが発生した場合には、図4(A)に例示するように、点灯と消灯とを0.5秒ずつ繰り返す短サイクル点滅を行う。また、制御部11は、インジケータ3の発光面31が所定時間(例えば、1秒)以上押し込まれて、車載オーディオ装置1を初期化(リセット)した場合には、リセットを行った旨を報知するため、図4(B)に例示するようにLED発光部13を点灯させ、1秒後に消灯する。また、制御部11は、インジケータ3の押下操作により警戒装置2の動作開始が指示されて、警戒装置2が警戒動作を行っている間は、図4(C)に例示するように、点灯と消灯とを1秒ずつ繰り返す長サイクル点滅を行う。
【0023】
従って、ユーザは、インジケータ3の点灯状態を見て、警戒装置2が警戒動作中であること、車載オーディオ装置1のシステムエラーが発生したこと、および、リセットがなされたこと等を知ることができる。また、図4(A)〜(C)に例示したように、車載オーディオ装置1の状態に応じて点滅サイクルや点灯の回数が大きく異なるようにすれば、より明確に、ユーザが車載オーディオ装置1の状態を知ることができる。
【0024】
図5は、車載オーディオ装置1の動作を示すフローチャートであり、詳細には、スイッチ14の操作に応じたLED発光部13の点灯状態の制御を示す。
制御部11は、スイッチ14によりインジケータ3の押圧操作を検出するまで待機し(ステップS11)、インジケータ3の操作が検出されると、この操作が1秒以上継続されるか否かを判別する(ステップS12)。この判別は、スイッチ14がONになってからOFFになるまでの時間を計測することで行う。
【0025】
インジケータ3の押圧操作が1秒以上継続した場合(ステップS12;Yes)、制御部11は、車載オーディオ装置1の各部を初期化するリセットを行い(ステップS13)、続いてLED発光部13を1回だけ、1秒間発光させて(ステップS14)、ステップS11の待機状態に戻る。
【0026】
また、インジケータ3の押圧操作が1秒より短かった場合(ステップS12;No)、制御部11は、警戒装置2が警戒動作中であるか否かを判別する(ステップS15)。ここで、警戒装置2が警戒動作中の場合(ステップS15;Yes)、制御部11は警戒装置2の警戒動作を停止させるとともに、LED発光部13の長サイクル点滅を終了させて(ステップS16)、ステップS11の待機状態に戻る。
一方、警戒装置2が警戒動作中でない場合(ステップS15;No)、制御部11は警戒装置2の警戒動作を開始させるとともに、LED発光部13の長サイクル点滅を開始させて(ステップS17)、ステップS11の待機状態に戻る。
この図5に示す動作により、インジケータ3の押圧操作に応じて、車載オーディオ装置1がリセットされ、或いは、警戒装置2の警戒動作がON/OFFされる。また、リセット動作の実行後、および、警戒装置2の警戒動作中には、LED発光部13が点灯して、ユーザにその旨を報知する。
【0027】
以上のように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、車載オーディオ装置1のシステムエラーの発生、車載オーディオ装置1のリセットの実行、警戒装置2の警戒動作の実行等を表示するインジケータ3を備え、このインジケータ3に対する押圧操作によって、車載オーディオ装置1のリセットおよび警戒装置2の警戒動作のON/OFFの切り替えが行われる。すなわち、インジケータ3は、インジケータとしての機能とスイッチとしての機能を合わせ持ち、インジケータとスイッチとを別に設けた場合に比べて極めて小さいスペースに設置可能であり、効率のよい実装を実現できる。このため、設置スペースやサイズが制限された車載オーディオ装置1における設計の自由度を高めるとともに、部品点数を減らすことで低コスト化に寄与できる。
また、上方からの押圧操作を検出するスイッチ14をインジケータ3の真下に配置したので、インジケータ3を押し込んだ場合にスイッチ14が確実にONになり、スイッチ14として汎用的なタクトスイッチを用いれば、より一層の低コスト化が図れる。
【0028】
さらに、LED発光部13の光を第1反射面32および第2反射面34により発光面31に導く構成を有するので、LED発光部13の設置位置に係る制限がなく、実装上の自由度が高いという利点がある。
さらにまた、インジケータ3により、車載オーディオ装置1のシステムエラーの報知と、このシステムエラーを解消するためのリセット操作とを行うことができるので、ユーザは、システムエラーの発生を知った場合に、速やかにリセットを指示できる。つまり、インジケータ3のみによって、システムエラーに係る報知と操作とを行えるので、直感的な操作が可能になり、操作性が高められる。同様に、インジケータ3によって、警戒装置2の動作状態の報知と、警戒装置2の動作状態の切り替え操作とを行うことができ、直感的に警戒装置2を操作できる。
【0029】
なお、上記第1の実施の形態においては、コード入力部17における発光色に基づいてコードを入力する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、コード入力部17により数字を出力してコードを入力させることもできる。この場合について、以下、第2の実施の形態として説明する。
【0030】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る車載オーディオ装置1が有するインジケータ5の構成を示す断面視図である。本第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される各部については同符号を付して図示および説明を省略する。
この第2の実施の形態では、エスカッション41に設けられた孔41Dから露出する発光面51の真下にLED発光部13を配設した例について説明する。この例では、LED発光部13が上向きに発した光が、図6中に一点鎖線で示すように、発光面51に直接届くので、第1反射面32や第2反射面34を設ける必要がない。このため、簡単な構成により、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0031】
第2の実施の形態に係るインジケータ5は、エスカッション41の孔41Dに露出する発光面51と、この発光面51の下方において水平方向に延びる導光部52とを有する。導光部52の一端には腕部53が立設され、この腕部53の先端部54は、エスカッション41のリブ41Aに埋設されて固定される。インジケータ5は、先端部54を介してリブ41Aによって支持されており、発光面51が押圧された場合には、腕部53が撓み、先端部54を支点として導光部52が下方に回動する。
これにより、先端部54から離れた側において導光部52の下に配設されたスイッチ14が、回動した導光部52によって押圧されて、ONになる。
また、発光面51への押圧力がなくなると、導光部52は腕部53の弾性によってもとの位置に復帰する。
【0032】
このように、本第2の実施の形態によれば、先端部54を介してリブ41Aによってインジケータ5を支持することで、押圧操作時に導光部52が先端部54を支点として回動する構成としたので、回動時に最も大きく変位する位置にスイッチ14を配設することで、スイッチ14を発光面51の真下から外れた位置に配置し、かつ、押圧操作時に確実にスイッチ14がONになる構成を実現できる。この構成では、発光面51の直下にLED発光部13を配設することができるので、LED発光部13の光を導く特段の構成を設けなくても、発光面51に十分な光を送ることができる。
【0033】
なお、上述した各実施の形態は本発明の一実施態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用可能であることは勿論である。例えば、上記第各実施の形態においては、LED発光部13をインジケータ3、5の下方に設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、エスカッション41から遠く離れた箇所にLED発光部13を配置し、このLED発光部13の光を導く光ファイバを配設し、この光ファイバの末端面がエスカッション41の表面に達する構成としてもよい。この場合、上記各実施の形態と同様の効果が得られる上、LED発光部13の位置を工夫することで車載オーディオ装置1の小型化が期待できる。
【0034】
また、上記各実施の形態で、制御部11は、車載オーディオ装置1の状態に応じてLED発光部13の点滅サイクル(点灯時間、消灯時間)、点灯回数等を制御するものとして説明したが、LED発光部13が複数色のLEDを備え、これら複数色および中間色で点灯可能な場合には、LED発光部13の点灯色を変えることで、制御部11の状態をユーザに知らせるようにしてもよい。この場合、ユーザが、車載オーディオ装置1の状態をより明確に知ることができるという利点がある。また、LED発光部13に変えて、電球と、この電球の発光色を任意の色とするためのカラーフィルタ等を用いてもよい。
また、上記各実施の形態では、警戒装置2の警戒動作として、車載オーディオ装置1が搭載された車輌の盗難を防止するため、車室内部の気圧変化や車輌に加わる振動等を検出し、警報を出力するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、単にインジケータ3を点滅させることで、盗難防止を意図した威嚇を行うものとしてもよい。すなわち、警戒装置2が実質的な動作を行わないで、制御部11によるインジケータ3の点滅を、そのまま警戒動作としてもよい。この場合も、警戒動作として点滅するインジケータ3自体が、警戒動作の開始/終了を指示するスイッチとなっているので、直感的に操作できるという利点がある。
【0035】
さらに、上記実施の形態に係る車載オーディオ装置1は、車両に搭載される車載オーディオ装置として説明したが、建物内に設置されたスピーカから音声を出力する家庭用または業務用オーディオ装置等に本発明を適用することも可能である。さらに、音源22として、ネットワークを介してオーディオ装置1に接続されたコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録されたデータを、ネットワークを介して取得し、このデータを復調して音声信号を出力する装置を用いてもよい。また、インジケータ3の発光面31またはインジケータ5の発光面51に、透光性を有する別部材を載せて、押圧操作時の触感を変化させることも可能である。
その他、インジケータ3の発光面31、インジケータ5の発光面51をはじめとする各部の具体的形状、スピーカ24の数、LED発光部13の短サイクル点滅および長サイクル点滅時の点灯時間および消灯時間等の具体的な細部構成については、本発明の趣旨を損なうことのない範囲において任意に変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態に係るオーディオ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】インジケータ構造を示す要部外観図である。
【図3】図2中のA−A線における断面視図である。
【図4】LED発光部の点灯状態の例を示す図である。
【図5】車載オーディオ装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係る車載オーディオ装置のインジケータ構造を示す要部断面視図である。
【符号の説明】
【0037】
1 オーディオ装置(電子機器)
2 警戒装置(他装置)
3、5 インジケータ(導光体)
11 制御部(制御手段)
13 LED発光部(発光体)
14 スイッチ
21 音声出力部
22 音源
23 操作部
24 スピーカ
31 発光面
32 第1反射面(導光構造)
33 凹部
34 第2反射面(導光構造)
41 エスカッション(表面パネル)
41A リブ
41B、41C、41D 孔
42 基板
51 発光面
52 導光部
53 腕部
54 先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の表面パネル上で発光するインジケータ構造であって、
前記表面パネル上に一部が露出するとともに、この露出部分を前記表面パネル内に押し込み可能に導光体を埋設し、
前記導光体を押し込む操作を検出するスイッチを設け、
さらに、前記導光体に向けて光を照射する発光体を配設したこと、
を特徴とする電子機器のインジケータ構造。
【請求項2】
前記スイッチは所定方向からの押圧操作を検出するスイッチであり、前記スイッチの所定方向側に前記導光体が位置するよう構成されたこと、を特徴とする請求項1記載の電子機器のインジケータ構造。
【請求項3】
前記導光体は、前記発光体が照射する光を前記導光体の露出部分へ案内する導光構造を有することを特徴とする請求項1または2記載の電子機器のインジケータ構造。
【請求項4】
表面パネル上で発光するインジケータを備えた車載オーディオ装置において、
前記インジケータは、
前記表面パネル上に一部が露出するとともに、この露出部分を前記表面パネル内に押し込み可能に埋設された導光体と、
前記導光体を押し込む操作を検出するスイッチと、
前記導光体に向けて光を照射する発光体とを備え、
さらに、前記発光体の点灯状態を制御する制御手段を備えたこと、
を特徴とする車載オーディオ装置。
【請求項5】
前記制御手段は、当該車載オーディオ装置の動作異常が発生した場合に前記発光体を所定周期で点滅させ、この点滅を開始した後に前記スイッチが操作を検出した場合には、前記発光体の点滅を終了させるとともに、当該車載オーディオ装置の動作状態を初期化すること、を特徴とする請求項4記載の車載オーディオ装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記スイッチの検出状態に応じて、当該車載オーディオ装置に接続された他装置の動作状態を制御するとともに、前記他装置の動作状態に対応して前記発光体を点灯または点滅させること、を特徴とする請求項4または5記載の車載オーディオ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−265787(P2007−265787A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−89043(P2006−89043)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】