説明

電子機器用電池蓋、デジタルカメラおよび携帯電話機

【課題】デジタルカメラや携帯電話機などの電子機器とは別にメモリカード変換アダプタを携行しなくとも、コンピュータ等の外部機器へデータ転送が可能な電子機器用電池蓋、デジタルカメラおよび携帯電話機を提供することを目的とする。
【解決手段】電子機器用電池蓋は、マイクロSDカード接続部52を備えたデジタルカメラ100に用いられ、マイクロSDカード110を装着することによりマイクロSDカード110の接点部形状を同種異形のメモリカード(SDカード)の接点部形状に変換するメモリカード変換アダプタ112を収納する収納部114を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラや携帯電話機などに用いられる電子機器用電池蓋、デジタルカメラおよび携帯電話機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの記録メディアとして一般的なSD(Secure Digital)カード(登録商標)を使用するデジタルカメラでは、SDカード用スロットがカメラ本体に内蔵されている。
【0003】
近年、デジタルカメラの小型化が求められ、記録メディアとして、SDカードより寸法が小さいマイクロSDカード(登録商標)を装着可能なスロットを装備したデジタルカメラが提案されている。
【0004】
一方、コンピュータ等の外部機器は、その本体に各種の拡張スロットを設けていて、SDカードやCF(Compact Flash)カード等に記録されたデータを読み込む。しかし、マイクロSDカードのような小型の記録メディアに対応した拡張スロットは、現状では設けられていない。
【0005】
したがって、マイクロSDカードに記録された画像データ等をコンピュータ等の外部機器に読み込む場合は、メモリカード変換アダプタ(例えば特許文献1)が必須となる。メモリカード変換アダプタによれば、あるメモリカードの接点形状を、同種異形、あるいは異種のメモリカードの接点部形状に変換可能である。
【特許文献1】特開2001−188883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、デジタルカメラで撮像した画像データをコンピュータ等の外部機器へデータ転送することが想定されるため、デジタルカメラ等の電子機器とは別に、メモリカード変換アダプタを常に携行することは、不便である。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑み、デジタルカメラや携帯電話機などの電子機器から、コンピュータ等の外部機器へのデータ転送をする際に、電子機器とは別にメモリカード変換アダプタを携行しなくてはならないという不便を解消できる電子機器用電池蓋、デジタルカメラおよび携帯電話機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の代表的な構成は、第1のメモリカードが接続される接続部を備えた電子機器に用いられる電子機器用電池蓋において、第1のメモリカードを装着することにより第1のメモリカードの接点部形状を第2のメモリカードの接点部形状に変換するメモリカード変換アダプタを収納する収納部を有することを特徴とする。
【0009】
上記の収納部は、メモリカード変換アダプタを、略平板状の当該電子機器用電池蓋と略平行な姿勢で、当該電子機器用電池蓋の厚みの範囲に収納してよい。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の他の代表的な構成は、第1のメモリカードが接続される接続部を備えた電子機器に用いられる電子機器用電池蓋において、第1のメモリカードを装着することにより第1のメモリカードの接点部形状を第2のメモリカードの接点部形状に変換するメモリカード変換アダプタとして機能する変換アダプタ機能部と、変換アダプタ機能部を装着することにより、電子機器用電池蓋全体を形成する装着部材と、を含むことを特徴とする。
【0011】
上記の装着部材は、変換アダプタ機能部を、略平板状の装着部材と略平行な姿勢で、装着部材の端部に装着させる装着部を有してよい。
【0012】
上記の装着部は、変換アダプタ機能部を、装着部材に抜き差し自在に装着させる機構を有してよい。
【0013】
上述の抜き差し自在に装着させる機構は、ラッチ機構であってよい。
【0014】
上記の電子機器用電池蓋は、電子機器本体に着脱式に取り付けられるようにしてもよい。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明にかかるデジタルカメラの代表的な構成は、上述のいずれかの電子機器用電池蓋を有することを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明にかかる携帯電話機の代表的な構成は、上述のいずれかの電子機器用電池蓋を有することを特徴とする。
【0017】
上述した電子機器用電池蓋における技術的思想に対応する構成要素やその説明は、当該デジタルカメラおよび携帯電話機にも適用可能である。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、デジタルカメラや携帯電話機などの電子機器とは別にメモリカード変換アダプタを携行しなくとも、電子機器からコンピュータ等への外部機器へデータ転送を可能とする構成を有する、電子機器用電池蓋、デジタルカメラおよび携帯電話機を提供可能である。
【0019】
また本発明によれば、電子機器の小型化を阻害することもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。さらに、信号や電流はそれらが通る線路の符号によって表記するものとする。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態である電子機器用電池蓋の構成図である。本実施形態では電子機器としてデジタルカメラ100を用い、図1(a)は、デジタルカメラ100の概略正面図である。電子機器用電池蓋(以下「電池蓋」と略称する)102は、本実施形態ではデジタルカメラ100の底面に設けられている。ただし電池蓋102は、底面に限らず、デジタルカメラ100の筐体のどの部位に配置してもよい。
【0022】
電池蓋102は略平板状の形状を有し、その一端に設けられた貫通孔104に、デジタルカメラ100内部の回転支軸(図示省略)を通して軸支されている。電池蓋102の他端には、電池収納室106に形成された凹部と係合するフック(図示省略)が形成されている。かかる構造により、電池蓋102は、回転支軸を中心として回転し、ヒンジ式に開閉される。ただし電池蓋102は、ヒンジ式に限られず、スライド式その他、いかなる方式で開閉されるものでもよい。
【0023】
デジタルカメラ100は、その筐体内に、マイクロSDカード接続部52を備え、ここに第1のメモリカード(本実施形態ではマイクロSDカード110)を接続可能である。
【0024】
電池蓋102が閉じられることにより、電池収納室106に収納された電池108は電池収納室106に固定される。一方、マイクロSDカード接続部52には、マイクロSDカード110を接続して固定することができる。本実施形態では電池108をリチウムイオン型充電池としたが、他の種類の電池を用いてもよい。
【0025】
図1(b)(c)は、それぞれ、電池蓋102部分の平面図および正面図である。図1(d)は電池蓋102からメモリカード変換アダプタ112を取り外した状態を示す。図1(d)に示すように、メモリカード変換アダプタ112のメモリカード用スロット111には、マイクロSDカード110が装着できる。電池蓋102は、同種異形の第2のメモリカード(本実施形態ではSDカード)の接点部形状に変換するメモリカード変換アダプタ112を収納する収納部114を有する。
【0026】
上記構成によれば、マイクロSDカード110を装着したメモリカード変換アダプタ112を電池蓋102に収納可能であるため、コンピュータ等の外部機器へのデータ転送用のアダプタをデジタルカメラ100と別に携行する不便さを解消できる。
【0027】
しかも、メモリカード変換アダプタ112は、デジタルカメラ100の筐体内部に収納されず、電池蓋102の内部に収納されるため、デジタルカメラ100の筐体内のスペースが節減できる。したがって、デジタルカメラ100の小型化を阻害することもない。
【0028】
図1(b)(c)に示すように、収納部114は、メモリカード変換アダプタ112を、略平板状の電池蓋102と略平行な姿勢で、電池蓋102の厚みdの範囲に収納している。厚みの薄い平板状の電池蓋102にメモリカード変換アダプタ112を収納する必要があることから、収納部114は、メモリカード変換アダプタ112またはSDカードそのものを、電池蓋102と略平行な姿勢で収納するようにしたものである。
【0029】
本実施形態では、メモリカード変換アダプタ112は、図1(d)の矢印116に示すように、電池蓋102の短手方向に収納されているが、長手方向に収納してもよい。
【0030】
(比較例)
図7は本発明の各実施形態との比較例を示す構成図である。以下、比較例について、第1の実施形態と異なる点のみ説明する。電池108およびマイクロSDカード110は、いずれも、デジタルカメラ50の筐体内に設けられた電池収納室106およびマイクロSDカード接続部52に、それぞれ接続される。そして、マイクロSDカード110は、マイクロSDカード接続部52に挿し込むことによって固定され、電池108は、電池蓋54が閉じられることによって固定される。
【0031】
しかし比較例の構成では、コンピュータ等の外部機器へデータを転送することが想定される場合に、デジタルカメラ50とは別に、メモリカード変換アダプタ112を常に携行する必要があるため、不便さは否めない。
【0032】
(第2の実施形態)
図2は本発明の第2の実施形態である電子機器用電池蓋の構成図である。以下では、第1の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では電子機器としてデジタルカメラ200を用いる。図2(a)は、デジタルカメラ200の概略正面図である。電池蓋202(変換アダプタ機能部202Aおよび装着部材202Bから成る)は、本実施形態でもデジタルカメラ200の底面に設けられているが、底面に限らず、デジタルカメラ200の筐体のどの部位に配置してもよい。
【0033】
電池蓋202は略平板状の形状を有し、その一端には、弾性を有する断面略C字型の着脱部204が設けられている。この着脱部204を、デジタルカメラ200内部の回転支軸(図示省略)に押圧して嵌めこむことにより、電池蓋202は、回転支軸を中心として回転し、ヒンジ式に開閉される。
【0034】
図2(b)(c)は、それぞれ、電池蓋202の平面図および正面図である。一方、図2(d)(e)は、それぞれ、変換アダプタ機能部202Aと装着部材202Bとを分離した平面図および正面図である。
【0035】
図2(d)(e)に示すように、変換アダプタ機能部202Aは、マイクロSDカード110をメモリカード用スロット211に装着してSDカードの接点部形状に変換するメモリカード変換アダプタとして機能する。電池蓋202は、変換アダプタ機能部202Aと、変換アダプタ機能部202Aを装着することにより、電池蓋202全体を形成する装着部材202Bと、により構成される。
【0036】
上記構成では、電池蓋202の一部である変換アダプタ機能部202Aをメモリカード変換アダプタとして利用できるため、メモリカード変換アダプタをデジタルカメラ200と別に携行する不便さを解消できるし、デジタルカメラの小型化を阻害することもない。
【0037】
また、電池蓋202を開けないと、電池蓋202から変換アダプタ機能部202Aを分離できない構造とすれば、電池108による通電中に、不用意にマイクロSDカード110を外すことを回避することができる。
【0038】
図2(b)〜(e)に示すように、装着部206は、変換アダプタ機能部202Aを、略平板状の装着部材202Bと略平行な姿勢で、装着部材202Bの端部に装着させる。これも、電池蓋202の形状を考慮して、変換アダプタ機能部202Aを、電池蓋202と略平行な姿勢で装着させるようにしたものである。
【0039】
本実施形態では、変換アダプタ機能部202Aは、図2(d)に示すように、電池蓋202の長手方向(矢印216方向)に接続されているが、短手方向に接続してもよい。
【0040】
装着部206は、変換アダプタ機能部202Aを、装着部材202Bに抜き差し自在に装着させる機構を有する。すなわち装着部206には、着脱が容易な抜き差し自在の機構としている。本実施形態においては、例えばラッチ機構を用いることができる。
【0041】
図2においてラッチ機構を具体的に説明する。変換アダプタ機能部202Aが装着部材202Bを装着しているとき、装着部材202Bの半球型の突起220が変換アダプタ機能部202Aの半球型の窪み222に嵌る。かかる半球型の突起220は、抜き差しのとき、図2(e)の端部Aで引っかかり、また、図2(d)の破線B上で擦れる。ここで、装着部206と変換アダプタ機能部202Aとの嵌め込み部分に、厚み方向に僅かに変形できるような遊びを持たせ(図2(c)の遊び幅C)、半球型の突起220の高さはその変形で十分抜き差し可能となる程度とする。かかる構成により、変換アダプタ機能部202Aの着脱が容易で抜き差し自在な機構を簡易な構成で実現でき、製造コストの削減が可能である。
【0042】
なお、本実施形態では、装着部206をラッチ機構としたが、バネやスライドによる機構を用いることもできる。
【0043】
電池蓋202自体も、既に説明した着脱部204によって、デジタルカメラ200に着脱式に取り付けられている。これにより、電池蓋202をオプション品とすることができる。例えば、デジタルカメラ200には、当初、図7の電池蓋54のような通常の電池蓋を標準装備しておく。そしてユーザは、その要望に応じて、その一部(変換アダプタ機能部202A)がメモリカード変換アダプタとして機能する、本実施形態にかかる電池蓋202を、別途入手できる。したがってデジタルカメラ全体を取り替える必要はない。
【0044】
(第3の実施形態)
図3は本発明の第3の実施形態である電子機器用電池蓋の構成図である。これは第2の実施形態を変形したものであり、以下では、第2の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では電子機器としてデジタルカメラ300を用いる。図3(a)は、デジタルカメラ300の概略正面図である。図3(b)(c)は、それぞれ、図3(a)の電池蓋302部分の平面図および正面図である。図3(d)(e)は、それぞれ、変換アダプタ機能部302Aと装着部材302Bとを分離した平面図および正面図である。
【0045】
本実施形態では、第2の実施形態とは対照的に、SDカード310からマイクロSDカードへのメディア変換を行うものである。デジタルカメラ300は、その筐体内に、SDカード接続部56を有し、ここにSDカード310を接続可能である。変換アダプタ機能部302Aは、SDカード310をメモリカード用スロット311に装着してマイクロSDカードの接点部形状に変換するメモリカード変換アダプタとして機能する。電池蓋302は、変換アダプタ機能部302Aと、変換アダプタ機能部302Aを装着することにより、電池蓋302全体を形成する装着部材302Bと、により構成される。
【0046】
このように、本実施形態における電池蓋は、2つの同種異形のメディアカードがある場合、どちらのメディアカードから他方のメディアカードに接点部形状を変換してもよい。また、電池蓋は、1対1の変換に限られず、多対多の変換に用いてもよい。変換対象となるメディアも、同種異形のSDカードやマイクロSDカードに限られず、異種のメディア、例えばコンパクトフラッシュ(登録商標)カード、マルチメディアカードなど、既存の様々な形式のフラッシュメモリに適用してよい。
【0047】
(第4の実施形態)
図4は本発明の第4の実施形態である携帯電話機の構成図である。本実施形態は、図1の第1の実施形態における電池蓋102を、携帯電話機350に適用したものである。電池蓋352は、メモリカード変換アダプタ112を収納する収納部114を有する。メモリカード変換アダプタ112にマイクロSDカード110を装着することにより、マイクロSDカード110の接点部形状をSDカード310の接点部形状に変換する。電池蓋352は、矢印356で示す方向に摺動するスライド式であり、携帯電話機350の所定の位置に取り付けると、電池308を覆う。
【0048】
本実施形態では折り畳み式の携帯電話機350の筐体354、356のうち、操作ボタン(図示は省略)を有する筐体356の端部に、電池蓋352が設けられている。しかし電池蓋352は筐体356の側面に設けてもよいし、画面(図示は省略)を有する筐体354に設けてもよい。
【0049】
携帯電話機350の筐体356は、マイクロSDカード110を接続可能なマイクロSDカード用スロット361を有している。このマイクロSDカード用スロット361に装着されるマイクロSDカード110を、図4に示すように、電池蓋352に収納されたメモリカード変換アダプタ112に装着可能である。そして、メモリカード変換アダプタ112をコンピュータ等の外部機器へ接続することにより、マイクロSDカード110内のデータを転送可能である。
【0050】
本実施形態は、第1の実施形態における電池蓋102を、携帯電話機350に適用したものであるが、第2および第3の実施形態を携帯電話機に適用してもよいことは言うまでもない。
【0051】
本実施形態は、折り畳み式の携帯電話機350であるが、ストレート型の筐体を有する携帯電話機(図示は省略)に、第1〜第3の実施形態における電池蓋を適用してもよい。
【0052】
第1〜第3の実施形態における電池蓋102、202、302は、本実施形態のような携帯電話機だけでなく、他の電子機器にも適用可能である。例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、音楽プレーヤ、カーナビゲーション、ポータブルテレビ、ゲーム機器、DVDプレーヤ、リモートコントローラ等、様々な電子機器に適用可能である。
【0053】
(デジタルカメラ構成)
図5はデジタルカメラの機能的構成の一例を示すブロック図である。図6はデジタルカメラの外観の一例を示す図であり、図6(a)は正面から見た図、図6(b)は背面から見た図である。図5および図6を用いて、電池蓋以外のデジタルカメラの構成について、以下、説明する。
【0054】
図5のCCD(Charge Coupled Device; 電荷結合素子)420は、被写界を撮像して電子的な画像信号を生成する撮像手段であり、例えば1600×1200個の画素を有する。CCD420は、撮像レンズ410によって結像された被写体の光像を、画素毎にR(赤)、G(緑)、B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。
【0055】
CCD420から得られる画像信号(アナログ信号)は、アナログ信号処理回路430に与えられる。アナログ信号処理回路430は、画像信号に対して所定のアナログ信号処理を行う回路である。アナログ信号処理回路430は、少なくとも相関二重サンプリング回路(Correlated Double Sampling:CDS。図示省略)およびオートゲインコントロール(Auto Gain Controlled: AGC。図示省略)回路を含む。相関二重サンプリング回路によって画像信号のノイズ低減処理が行われ、オートゲインコントロール回路でゲイン調整することによって、画像信号のレベル調整が行われる。
【0056】
A/D変換器440は、画像信号の各画素信号を、例えば12ビットのデジタル信号に変換する。変換後のデジタル信号は、中央処理装置(CPU: Central Processing Unit)450に与えられ、画像データとして一時的にRAM(Random Access Memory)460に格納される。RAM460に保存された画像データは、画像処理部480によって色補正処理等を施された後、圧縮伸張部490による圧縮処理等が施される。
【0057】
また、マイク500から得られる音声信号は、音声処理部510に入力される。音声処理部510に入力された音声信号は、音声処理部510内に設けられたA/D変換器(図示省略)により、デジタル信号に変換され、一時的にRAM460に格納される。デジタル化された音声信号は、再び音声処理部510に送り、スピーカ502から再生可能である。
【0058】
操作部520は、電源ボタン520A、各種の操作ボタン520B、シャッタレリーズボタン520C等を含み、ユーザがデジタルカメラ100の設定を変更操作する際や撮像操作を行う際等に用いられる。
【0059】
電池108は、デジタルカメラ100に対する電源供給源である。これはリチウムイオン電池などの二次電池を用いてよい。
【0060】
リアルタイムクロック540は、現在時刻を取得するためのもので、画像への日付写し込み等で必要となる撮像日時の取得に利用される。
【0061】
CPU450は、RAM460およびROM(Read Only Memory)550に記録された所定のプログラムを実行することにより、上記各部を統括的に制御する。なお、RAM460は、高速アクセス可能な半導体メモリであり、ROM550は電気的に書き換えが不可能な不揮発の半導体メモリ(例えばフラッシュROM)として構成される。また、RAM460内における一部の領域は、一時記憶用のバッファエリアとして機能し、画像データおよび音声データを一時的に記憶する。
【0062】
CPU450は、画像処理部480、圧縮伸張部490および音声処理部510を有する。これら各処理部480、490、510は、マイクロコンピュータが所定のプログラムを実行することにより実現される、機能部位である。
【0063】
画像処理部480は、WB(ホワイトバランス)処理、γ補正処理等の各種のデジタル画像処理を施す処理部である。WB処理は、R、G、Bの各色成分のレベル変換を行い、カラーバランスを調整する処理であり、γ補正処理は、画素データの階調を補正する処理である。圧縮伸張部490は、画像処理部480によって色補正処理等が行われた画像データを、さらに圧縮する。圧縮方式としては、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式などが採用される。音声処理部510は、音声データに対する各種のデジタル処理を施す処理部である。
【0064】
このような構成を有するCPU450によって、撮像モード、再生モードの処理が行われる。例えば、撮像モードにおいては、まずCCD420をビューファインダ(LCD610)画像出力用の動作モードに設定した上で所定周期(例えば30コマ/秒)の撮像を行い、撮像に応じた画像データを逐次出力する(予備撮像)。CCD420から出力された画像データは、アナログ信号処理回路430、A/D変換器440、画像処理部480を介してLCD610にビューファインダ画像として表示される。この状態で、シャッタレリーズボタン520Cがユーザによって半押し(予備撮像)されると、CPU450は、CCD420から入力される予備撮像の画像データに基づき、AE(Auto Exposure)評価値およびAF(Auto Focus)評価値を求める。CPU450はAF評価値に基づいて合焦位置を、公知の例えば山登り方式によって求め、AE/AF部560を用いて、合焦位置に撮像レンズ410を移動させる。また、CPU450はAE評価値に基づいて、本撮像時のシャッタスピード(CCD420における電荷蓄積時間)、撮像レンズ410の絞り値およびアナログ信号処理回路430におけるオートゲインコントロールのゲイン値とを決定する。
【0065】
CPU450は、撮像モードにおいてシャッタレリーズボタン520Cが全押し(本撮像)されると、CCD420の動作モードを本撮像用の動作モードに設定した上で被写体を撮像し、CCD420で取得された撮像画像データに基づき、圧縮伸張部490で圧縮画像を生成する。そして、圧縮された高解像度の画像データは、記録メディアであるマイクロSDカード110に記録される。このマイクロSDカード110におけるデータ構造を、以下、説明する。
【0066】
マイクロSDカード110には、デジタルカメラ100によって記録された静止画像および動画像の各コマが順に配列されて記憶される。各コマは、ファイル属性とタグ情報とJPEG形式で圧縮された高解像度画像データ(1600×1200画素)が記録されている。このファイル属性AT(ATtribute)では、読み取り専用属性(R)、アーカイブ属性(A)、システムファイル属性(S)および隠しファイル属性(H)が設定可能である。
【0067】
タグ情報には、ファイル名、撮像日時、撮像に使用したデジタルカメラのシリアルナンバーおよび画像データに関連付けられた音声ファイルの情報が記録されている。この撮像日時については、リアルタイムクロック540における撮像時の計時情報に基づき、マイクロSDカード110に記録され、写し込み設定などに利用される。
【0068】
カードインターフェース(カードI/F)580は、マイクロSDカード接続部52に装着されるマイクロSDカード110への画像データの書き込みおよび読み出しを行うインターフェースである。
【0069】
既に図1において説明したように、電池蓋102は、マイクロSDカード110を装着してSDカードの接点部形状に変換するメモリカード変換アダプタ112を接続し、あるいは、SDカードそのものを接続する収納部114を有する。
【0070】
マイクロSDカード110に対する画像データの読み書き時には、圧縮伸張部490において、例えばJPEG形式で画像データの圧縮処理が行われ、カードインターフェース580を介して画像データがRAM460とマイクロSDカード110との問で送受信される。また、音声データの読み書き時においても、カードインターフェース580を介して音声データがRAM460とマイクロSDカード110との間で送受信される。
【0071】
さらに、デジタルカメラ100は、このカードインターフェース580を用いて、画像および音声等のデータを送受信するだけではなく、デジタルカメラ100で動作されるプログラムを取り込むことも可能である。例えば、マイクロSDカード110に記録される制御プログラムを、CPU450を介して、RAM460またはROM550内に取り込むことができる。これにより、制御プログラムを更新することも可能である。
【0072】
フラッシュ590は、発光が許可されている状態で撮影補助光を発して被写体を照射する発光装置である。セルフタイマランプ600は、セルフタイマ作動時に点滅するランプである。
【0073】
LCD(Liquid Crystal Display)610は、被写界を表示するほか、ユーザに対する各種メニューを表示し、操作のための情報を提供する表示装置である。
【0074】
デジタルカメラ100には、さらに、USB(Universal Serial Bus)端子620が設けられていて、USB規格に対応したメモリその他の周辺機器を接続可能である。
【0075】
本実施形態によれば、メモリカード変換アダプタを常に電子機器用電池蓋に収納可能であるため、コンピュータ等の外部機器へのデータ転送用のアダプタをカメラと別に携行する不便さを解消できる。
【0076】
しかも、メモリカード変換アダプタは、電子機器の筐体内部に収納されず、電子機器用電池蓋の内部の使われていなかった空間に収納されるため、電子機器の筐体内のスペースが節減できる。したがって、電子機器の小型化を阻害することもない。
【0077】
本実施形態によれば、厚みの薄い平板状の電池蓋にメモリカード変換アダプタを収納する必要があることから、収納部は、アダプタまたは同種異形のメモリカードを、電池蓋と略平行な姿勢で収納するようにしている。
【0078】
本実施形態によれば、電子機器用電池蓋の一部である変換アダプタ機能部をメモリカード変換アダプタとして利用できるため、アダプタをカメラと別に携行する不便さを解消できるし、電子機器の小型化を阻害することもない。
【0079】
本実施形態によれば、電池蓋の形状を考慮して、アダプタを、電池蓋と略平行な姿勢で接続することができる。
【0080】
本実施形態によれば、装着部には、着脱に力を要するバネやスライド機構などを用いず、着脱が容易で抜き差し自在な機構になっている。
【0081】
本実施形態によれば、装着部は、着脱が容易で抜き差し自在な機構を簡易な構成で実現でき、製造コストの削減が可能である。
【0082】
本実施形態によれば、メモリカード変換アダプタとして機能する電池蓋を、オプション品とすることができる。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されるものではない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、デジタルカメラや携帯電話機などに用いられる電子機器用電池蓋、デジタルカメラおよび携帯電話機に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の第1の実施形態である電子機器用電池蓋の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態である電子機器用電池蓋の構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態である電子機器用電池蓋の構成図である。
【図4】本発明の第4の実施形態である携帯電話機の構成図である。
【図5】図1のデジタルカメラの構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図5のデジタルカメラの外観の一例を示す図である。
【図7】本発明の各実施形態との比較例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0086】
100、200、300 …デジタルカメラ
102、202、302、352 …電池蓋
104 …貫通孔
106 …電池収納室
108 …電池
110 …マイクロSDカード
112 …メモリカード変換アダプタ
114 …収納部
202A …変換アダプタ機能部
202B …装着部材
204 …着脱部
206、306 …装着部
350 …携帯電話機
354、356 …筐体
361 …マイクロSDカード用スロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のメモリカードが接続される接続部を備えた電子機器に用いられる電子機器用電池蓋において、
第1のメモリカードを装着することにより第1のメモリカードの接点部形状を第2のメモリカードの接点部形状に変換するメモリカード変換アダプタを収納する収納部を有することを特徴とする電子機器用電池蓋。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器用電池蓋において、
前記収納部は、前記メモリカード変換アダプタを、略平板状の当該電子機器用電池蓋と略平行な姿勢で、当該電子機器用電池蓋の厚みの範囲に収納することを特徴とする電子機器用電池蓋。
【請求項3】
第1のメモリカードが接続される接続部を備えた電子機器に用いられる電子機器用電池蓋において、
第1のメモリカードを装着することにより第1のメモリカードの接点部形状を第2のメモリカードの接点部形状に変換するメモリカード変換アダプタとして機能する変換アダプタ機能部と、
前記変換アダプタ機能部を装着することにより、前記電子機器用電池蓋全体を形成する装着部材と、
を含むことを特徴とする電子機器用電池蓋。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器用電池蓋において、
前記装着部材は、前記変換アダプタ機能部を、略平板状の該装着部材と略平行な姿勢で、該装着部材の端部に装着させる装着部を有することを特徴とする電子機器用電池蓋。
【請求項5】
請求項3または4に記載の電子機器用電池蓋において、
前記装着部は、前記変換アダプタ機能部を、前記装着部材に抜き差し自在に装着させる機構を有することを特徴とする電子機器用電池蓋。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器用電池蓋において、
前記抜き差し自在に装着させる機構は、ラッチ機構であることを特徴とする電子機器用電池蓋。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器用電池蓋において、
当該電子機器用電池蓋は、前記電子機器本体に着脱式に取り付けられることを特徴とする電子機器用電池蓋。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の電子機器用電池蓋を有することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の電子機器用電池蓋を有することを特徴とする携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−146313(P2010−146313A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323218(P2008−323218)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】