説明

電子機器

【課題】電子機器の表面に設けられる部材の経年変化等によって発生する不具合を改善する工夫が施された電子機器を提供する。
【解決手段】上記課題を達成する本発明の電子機器は、予め記憶している形状に復帰可能な形状記憶素子からなるキー入力用の操作板をキー入力部の表面に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー入力部を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
キー入力部を備えた電子機器の一種である携帯電話は、持ち運びの利便性やデザイン上、薄型化が要求されてきている。特に、キー入力部の薄型化が要求されている状況において、薄型化の技術の一例として、携帯電話のキー入力に用いられているばね部材を形状記憶合金に置き換えて、キー入力部の薄型化を施した技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、薄型化の技術の一例として、ユーザが指で押圧するキー入力部のキートップをシート状にした金属製の操作板を用いて、キー入力部の薄型化を施した携帯電話なども製品化されている。この金属製の操作板の場合には、例えば、キートップに表示されている数字を貫通溝で形成して、その貫通溝を塞ぐように凸状部を有するゴム製の支持板を操作板の背面側に設けて、構成されている。ところが、操作板の経年変化等によって、操作板が変形を引き起こし、当該操作板がめくれあがったり、はがれるなどの不具合が生じる場合がある。この不具合をさらに詳細に説明するため、具体例をあげて以下説明する。
【0004】
図8は、ステンレス(金属)製の操作板の一例を表す正面図である。図9は、図8に示す、数字のゼロのキートップ部分の拡大図である。図8に示す操作板20において、斜線で表した数字、文字、記号等の入力キーや同じく斜線で表した入力キー相互間を区分けするための溝(21a〜21e)は、貫通溝である。これらの貫通溝は、後述する凸状部を有するゴム製の支持板22を操作板20の背面側に設けることで塞がれている。なお、図8において、斜線で表した箇所は、貫通溝がゴムで塞がれた後の図を描いている。
【0005】
このようなステンレス製の操作板20を採用した携帯電話では、ユーザがキートップを押圧することにより外的な荷重がかかり、例えば、図9に符号aで図示した数字「0」の一部分、つまり、ほぼ周囲が貫通溝で囲まれた内側部分と、その外側部分との連結部分は、構造的に強度が弱いため経年変化等によって変形を引き起こす場合がある。その結果、図9に符号bで図示した箇所、つまり、ほぼ貫通溝で囲まれた内側部分がめくれあがってしまう場合が生じる。
【0006】
さらに、図9のX−X’線の断面図である図10を参照して説明する。支持板22は、貫通溝を塞ぐように当該貫通溝の形状に対応した形状の凸状部を有する支持部材である。例えば、支持板22において、図9に示す数字のゼロの形状に位置する部分である符号22a、22bの部分や入力キー相互間を区分けする貫通溝を塞ぐ符号22c、22dの部分は、凸形状になっている。この支持板22を操作板20の背面側に設けることで、操作板20の一部分であるS1とS2との間、および、S2とS3との間、つまり、貫通溝部分、は塞がれている(図10(a))。ところが、上述した通り、操作板20の経年変化等によって変形を引き起こし、図10(b)に示すように矢印で図示したb面がめくれあがってしまう、という問題が生じる。
【0007】
【特許文献1】特開2000−299031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、電子機器の表面に設けられる部材の経年変化等によって発生する不具合を改善する工夫が施された電子機器を提供する、ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の電子機器は、
キー入力部を備え、
予め記憶している形状に復帰可能な形状記憶部材にて形成されているキー入力用の操作板を上記キー入力部の表面に設けた、という構成を採っている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の電子機器によれば、操作板が予め記憶している形状に復帰可能な形状記憶部材にて形成されているため、経年変化等によって操作板自体に変形が生じたとしても元の形状に復帰する。これにより、ユーザの操作性の低下を抑制することができる、という従来に無い優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の電子機器は、予め記憶している形状に復帰可能な形状記憶部材にて形成されたキー入力用の操作板を上記キー入力部の表面に設ける。これにより、上述した通り、経年変化等によって操作板自体に変形が生じたとしても元の形状に復帰する。
【0012】
また、本発明では、上記操作板は、当該操作板を板厚方向に貫通する貫通溝を有する、という構成を採る。かかる構成の場合には、貫通溝の近辺で操作板に変形が生じ易くなるが、上述同様にその変形を復帰させることができる。従って、貫通溝を形成することによるデザイン性の向上を図りつつ、キー表面の変形を抑制することができる。
【0013】
また、本発明では、上記貫通溝は、湾曲又は屈曲形状部分を有する、という構成を採る。かかる構成の場合には、さらに、湾曲又は屈曲形状部分の近辺で操作板に変形が生じ易くなるが、上述同様にその変形を復帰させることができる。従って、湾曲又は屈曲形状部分の貫通溝を形成することによるデザイン性の向上をさらに図りつつ、キー表面の変形を抑制することができる。
【0014】
また、本発明では、上記貫通溝は、略C又は略Uの字形状部分を有する、という構成を採る。かかる構成の場合には、略C又は略Uの字形状の部分は強度的に弱く、変形が特に生じ易くなるが、上述同様にその変形を復帰させることができる。従って、操作板に略C又は略Uの字形状の貫通溝を形成することによるデザイン性の向上をさらに図りつつ、キー表面の変形を抑制することができる。
【0015】
また、本発明では、上記貫通溝は、上記操作板に表示されているキーの種別を表す識別子を表示する形状の溝、及び/又は、各キーを相互に区分けする形状の溝である、という構成を採る。これにより、デザイン性、機能性の向上を図るべく、上記貫通溝をキーの文字や区切りに使用した場合であっても、上述したように、キー表面の変形を抑制することができる。
【0016】
また、本発明では、上記貫通溝を塞ぐように凸状部を有する支持部材を上記操作板の背面側に設ける、という構成を採る。これにより、上述したように、キー表面の変形を抑制しつつ、支持部材で操作板を支持しているため、キー構成の安定化、強度の向上を図ることができる。
【0017】
ここで、本発明では、上記操作板を形成する形状記憶部材は、特定の温度領域において予め記憶している形状に復帰する形状記憶合金である、という構成を採る。これにより、形状記憶合金は合金の組成を変えることで、特定の温度領域の範囲を変えることができるため、用途に応じて、適切に形状復帰可能な形状記憶合金の操作板を選択することができる。
【0018】
また、本発明では、上記特定の温度領域は、上記電子機器に内蔵されたバッテリの充電時にそのバッテリが放熱する温度である、という構成を採る。これにより、形状記憶合金の形状が変化した場合であっても、バッテリの充電時の当該バッテリからの発熱で変形した操作板の形状を復元させることができる。
【0019】
また、本発明では、上記特定の温度領域は、30℃以上40℃以下である、という構成を採る。これにより、ユーザが電子機器の使用時に手で把持することで熱伝導により人体の体温が操作板に伝わり、この熱で形状記憶合金の形状を回復させることができる。
【0020】
さらに、本発明では、上記形状記憶合金が、NiTi合金、NiTiCo合金、NiTiCu合金のいずれかで構成されている、という構成を採る。これにより、これらの形状記憶合金は、形状回復する温度領域の範囲がそれぞれ異なるため、用途に応じて適した形状記憶合金の操作板を選択することができる。
【0021】
ここで、上記目的を達成する本発明の組付け方法は、
キー入力部を有する電子機器の組付け方法であって、
予め記憶している形状に復帰可能な形状記憶素子からなるキー入力用の操作板を上記キー入力部の表面に設ける操作板組付工程を有する、という構成を採っている。
【0022】
本発明の組付け方法によれば、上記操作板組付工程にて、予め記憶している形状に復帰可能な形状記憶素子からなるキー入力用の操作板を上記キー入力部の表面に設ける。これにより、電子機器の表面に設けられる部材の経年変化等によって発生する不具合を改善する工夫が施された電子機器が得られる。
【0023】
また、本発明では、上記操作板組付工程の前に、その操作板にその板厚方向に貫通する貫通溝を形成する貫通溝形成工程を有する、という構成を採る。この場合、貫通溝の近辺で操作板に変形が生じ易くなるが、形状記憶素子が予め記憶している形状に復帰する。従って、貫通溝を形成することによるデザイン性の向上を図りつつ、キー表面の変形を抑制することができる。
【0024】
さらに、本発明では、上記操作板組付工程は、上記操作板に形成された上記貫通溝を塞ぐように凸状部を有する支持部材を上記操作板の背面側に設ける、という構成を採る。これにより、キー表面の変形を抑制しつつ、支持部材で操作板を支持しているため、キー構成の安定化、強度の向上を図ることができる。
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下では、電子機器の一例として携帯電話を挙げて説明するが、キー入力部を有するあらゆる電子機器に適用可能である。
【実施例1】
【0026】
[構成]
図1は、本発明の電子機器の一実施例である携帯電話の正面図である。図1に示すように、携帯電話1は、ヒンジ部13で相互にヒンジ接続されて開閉される上部筐体11と下部筐体12とを備えた折り畳み式の携帯電話である。この上部筐体11は、液晶表示用の液晶LCD(LCD:Liquid CrystalDisplay)からなる表示部14を有する。また、下部筐体12には、キー入力部5が設けられている。このキー入力部5は、操作板15に後述する支持板151が組付けられることによってシート状のシートキーを形成する。なお、図1に示す携帯電話1の操作板15は、支持板151が組付けられた後の状態を示している。
【0027】
図2は、上記携帯電話の主なブロック構成図である。この図に示すように、携帯電話1には、制御部2、メモリ3、バッテリ4が設けられている。
【0028】
制御部2は、中央処理装置(CPU:Central processing Unit)であって、携帯電話1の動作をデータバス8を介して総合的に制御するものである。メモリ3は、不揮発性メモリであって、制御部2で実行するプログラム等を記憶しておくものである。バッテリ4は、携帯電話の電源である。なお、本実施例のバッテリ4は、バッテリ充電時に、当該バッテリからの放熱温度が40℃程度になり、後述するように形状記憶合金の形状回復が可能となる。
【0029】
また、この携帯電話1には、表示部14、キー入力部5、音声処理部6、無線部7、およびアンテナ71が設けられている。表示部14、キー入力部5は、既に上述した通りである。音声処理部6は、携帯電話利用時において、マイクで集音した音声や、スピーカから出力する音声を処理するものである。無線部7は、アンテナ71を介して、電波の送受信を行う。なお、本実施例では、折り畳み式の携帯電話を使用しているが、必ずしも折り畳み式の携帯電話でなくてもよく、折り畳み式以外の携帯電話であってもよい。
【0030】
図3は、形状記憶合金からなる操作板の一例を表す正面図である。この操作板15は、携帯電話1の下部筐体12のほぼ一面を覆う略長方形状の薄板部材である。そして、この操作板15には、板厚方向に貫通する貫通溝が複数形成されている。この貫通溝は、例えば、操作板15に各キーの種別を表す識別子を表したり、各キー(識別子)領域を区分けするために形成されている。具体的には、まず、複数本の線状の貫通溝15a〜15eが横方向に沿って形成されており、この各線状の貫通溝15a〜15eに連結するよう縦方向に切り込む貫通溝が形成されている。これにより、それぞれL字型、あるいは、コの字型の溝に囲まれた各キー領域が形成される。また、貫通溝にて、数字(0〜9)、記号(*、♯、電話の記号など)を形成し、識別子自体を表示している。
【0031】
このとき、例えば、数字の「0」は、完全に環状の貫通溝で形成せずに、溝の一部が途切れた形状になっている。つまり、操作板15が、「0」の内部部分と外部部分とが連結するよう、一部に開口部を有するアルファベットの「C」字状に形成されている。なお、開口部の位置は任意である。これにより、数字「0」の内部部分が操作板15本体から分離することは無い。また、その他、数字の「6」、「8」、「9」などの環状部分が形成されるものについても同様に、一部に内部部分と外部部分とが連結する開口部が形成された文字形状にて貫通溝が形成されている。なお、これらの数字「0」、「6」、「8」、「9」の貫通溝は、本発明にいう湾曲部分を有する貫通溝の一例であり、また、図1に示す入力キー「#」の貫通溝は、本発明にいう屈曲形状部分を有する貫通溝の一例に相当する。
【0032】
図4は、上記操作板15を形成する材料である形状記憶合金の形状回復温度の一例を表す図である。図4において、NiTi(ニッケルチタン)合金の場合、Niの含有量(%)は、54〜56%であり、残りがTiである。この場合、形状回復温度は20〜100℃である。また、NiTiCo(ニッケルチタンコバルト)合金の場合、Niの含有量(%)は、53〜55%であり、Coの含有量(%)は、1〜3%であり、残りがTiである。この場合、形状回復温度は、−30〜30℃である。また、NiTiCu(ニッケルチタン銅)合金の場合、Niの含有量(%)は、53〜55%であり、Cuの含有量(%)は、5〜9%であり、残りがTiである。この場合、形状回復温度は、40〜70℃である。なお、この図は一例であって、本発明に採用する形状記憶合金が、NiTi、NiTiCo、若しくは、NiTiCuに限定されるものではない。
【0033】
本実施例では、操作板15には、約40℃で形状回復可能なNiTiCuの形状記憶合金を採用した。これにより、バッテリの充電の際、バッテリの放熱温度が操作板15に熱伝導によって伝わり、操作板15が40℃程度に加熱されると、変形を起こしていても形状を回復させることができる。
【0034】
図5は、支持板の一例を表す正面図である。なお、支持板151が本発明にいう支持部材の一例に相当する。この支持板151はゴム製であって、薄板形状に形成されている。そして、その表面には、上述した操作板15に形成された数字、文字、図形、および区分け用の貫通溝の形状に対応し、当該貫通溝を塞ぐ凸形状の凸状部が形成されている。そして、この支持板151は、後述するように、上記操作板15の背面側から当該操作板15に組み付けられる。このとき、支持板151に形成された上記凸状部が、操作板15に形成された貫通溝に嵌合し、かかる貫通溝が凸状部で塞がれた状態となる。これにより、操作板15と支持板151が一体的となり、両板15,151は薄板であるため、比較的薄いシートキーが構成される。次に、本発明の組付け方法について説明する。
【0035】
図6は、携帯電話1の組付け方法の一例を表すフローチャートである。まず、NiTiCuの形状記憶合金の操作板にその板厚方向に貫通する貫通溝を形成する(ステップS101、貫通溝形成工程)。その結果、図3に示す操作板15が形成される。続いて、NiTiCuの形状記憶合金の操作板15の背面に、支持板151を組付ける(ステップS102、操作板組付工程)。このとき、支持板151に形成された凸状部の形状と操作板15の貫通溝との形状が一致するよう組付ける。これにより、図3に示す操作板15の貫通溝は、支持板151の凸状部にて塞がれ、NiTiCuの形状記憶合金の操作板15は、キー入力部5の表面に設けられる。なお、上記組付け方法としては、接着材や両面テープによる貼り付けであってもよい。また、インサート成形により行ってもよい。
【0036】
その後、上述したように、操作板15に支持板151が組付けられて構成されたシートキーを、携帯電話の下部筐体12に組付ける。そして、他の部品を組付けることにより、携帯電話1を構成することができる。
【0037】
図7は、上述した構成の携帯電話のキー入力部、特に、操作板と支持板とを組付けたシートキー部分の断面図である。まず、図7(a)に示すように、操作板15と支持板151とからなるシートキーは、初期状態では操作板15に変形が生じておらず、当該操作板15にめくれなどは生じていない。ここで、図7(b)には、操作板15が、経年変化等によって矢印で図示したb面が変形し、めくれあがった場合を示している。しかしながら、本発明の操作板15は、図10に示すステンレス製の操作板22と異なり、NiTiCuの形状記憶合金であるため、バッテリ充電時に図2に示すバッテリ4から放熱される熱が操作板15に伝達し、これにより操作板15が40℃程度に上昇すると、めくれあがった操作板15のb面部分は、もとの形状に回復することができる(図7(c))。
【0038】
以上より、操作板15が形状記憶合金であるため、経年変化等によって操作板15に変形が生じたとしても、元の形状に復帰する。これにより、ユーザの操作性の向上を図ることができる。
【0039】
そして、上述したような操作板15が捲り上がる変形は、特に、貫通溝が湾曲あるいは屈曲して形成されている部分、例えば、略Cあるいは略U字形状に形成された数字「0」などの部分、さらには、各キーの区切り部分で生じる可能性が高い。従って、貫通溝で上記のような数字や区切りの形成が必要な携帯電話に対して、本発明は特に有効である。
【実施例2】
【0040】
次に、本発明の第2の実施例を説明する。本実施例における携帯電話は、上述した実施例1のものとほぼ同様の構成であるが、操作板15を形成する形状記憶合金の組成が異なる。例えば、形状回復温度が約30度であるNiTi合金を採用している。この温度は、例えば、人体の熱、つまり、ユーザの手の温度を想定している。これにより、ユーザが携帯電話を使用している最中に、手から体温が熱伝導にて携帯電話の操作板15に伝わる。すると、かかる熱で操作板15を形成する形状記憶合金が形状回復温度まで加熱され、形状回復が行われる。従って、使用時には、常に操作板15の変形を抑制することができ、ユーザの操作性の向上を図ることができる。なお、上述したように約30度に形状回復する形状記憶合金は一例であって、人体の熱で形状回復を行うよう操作板15を形成する場合には、人間の体温の範囲、例えば、30度から40度の範囲で形状回復する形状記憶合金を用いるとよい。
【0041】
ここで、形状記憶合金にて形成された操作板15を加熱する手段は、上述したようにバッテリからの放熱やユーザの体温によることに限定されず、いかなる熱を利用してもよい。例えば、携帯電話を使用することによって内部回路から発生する熱が操作板15を加熱し、当該操作板15の形状回復が行われてもよい。この場合には、内部回路からの熱によって加熱された操作板15が達しうる温度にて形状回復する形状記憶合金を操作板15に使用すると望ましい。なお、操作板15を形成する形状記憶合金の形状回復温度は、上述した温度に限定されず、いかなる温度に設定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、携帯電話などのキー入力部を有する電子機器に利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の電子機器の一実施例である携帯電話の正面図である。
【図2】上記携帯電話の主なブロック構成図である。
【図3】形状記憶合金からなる操作板の一例を表す正面図である。
【図4】形状記憶合金の形状回復温度の一例を表す図である。
【図5】支持板の一例を表す正面図である。
【図6】携帯電話1の組付け方法の一例を表すフローチャートである。
【図7】上述した構成の携帯電話のキー入力部、特に、操作板と支持板とを組付けたシートキー部分の断面図である。
【図8】ステンレス(金属)製の操作板の一例を表す正面図である。
【図9】図8に示す、数字のゼロのキートップ部分の拡大図である。
【図10】図9のX−X’線の断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 携帯電話
2 制御部
3 メモリ
4 バッテリ
5 キー入力部
6 音声処理部
7 無線部
8 データバス
11 上部筐体
12 下部筐体
13 ヒンジ部
14 表示部
15 操作板
15a〜15e 溝
20 操作板
21a〜21e 溝
22 支持板
71 アンテナ
151 支持板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キー入力部を備えた電子機器であって、
予め記憶している形状に復帰可能な形状記憶部材にて形成されたキー入力用の操作板を前記キー入力部の表面に設けた、ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記操作板は、当該操作板を板厚方向に貫通する貫通溝を有する、ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記貫通溝は、湾曲又は屈曲形状部分を有する、ことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記貫通溝は、略C又は略Uの字形状部分を有する、ことを特徴とする請求項2又は3記載の電子機器。
【請求項5】
前記貫通溝は、前記操作板に表示されているキーの種別を表す識別子を表示する形状の溝、及び/又は、各キーを相互に区分けする形状の溝である、ことを特徴とする請求項2から4のうちいずれか1項記載の電子機器。
【請求項6】
前記貫通溝を塞ぐように凸状部を有する支持部材を前記操作板の背面側に設けた、ことを特徴とする請求項2から5のうちいずれか1項記載の電子機器。
【請求項7】
前記操作板を形成する前記形状記憶部材は、特定の温度領域において予め記憶している形状に復帰する形状記憶合金である、ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項記載の電子機器。
【請求項8】
前記特定の温度領域は、前記電子機器に内蔵されたバッテリの充電時に該バッテリが放熱する温度である、ことを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項9】
前記特定の温度領域は、30℃以上40℃以下である、ことを特徴とする請求項7又は8記載の電子機器。
【請求項10】
前記形状記憶合金が、NiTi合金、NiTiCo合金、NiTiCu合金のいずれかで構成されている、ことを特徴とする請求項7記載の電子機器。
【請求項11】
キー入力部を有する電子機器の組付け方法であって、
予め記憶している形状に復帰可能な形状記憶部材にて形成されたキー入力用の操作板を前記キー入力部の表面に設ける操作板組付工程を有する、ことを特徴とする電子機器の組付け方法。
【請求項12】
前記操作板組付工程の前に、前記操作板にその板厚方向に貫通する貫通溝を形成する貫通溝形成工程を有する、ことを特徴とする請求項11記載の電子機器の組付け方法。
【請求項13】
前記操作板組付工程は、前記操作板に形成された前記貫通溝を塞ぐように凸状部を有する支持部材を前記操作板の背面側に設ける、ことを特徴とする請求項12記載の電子機器の組付け方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−16099(P2009−16099A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174771(P2007−174771)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】