説明

電子機器

【課題】本発明は、追加で搭載した認証モジュールを自動的に選択できる電子機器の提案を目的とする。
【解決手段】主制御部1が、第2認証モジュール6の接続の有無を確認するために、命令信号をインターフェース2からスイッチ部4に送信する。そして、第2認証モジュール6からの応答信号をインターフェース2が受信した場合、主制御部1は、スイッチ部4による第2認証モジュール6との接続を確認する。これにより、主制御部1が、第2認証モジュール6を初期化して、第2認証モジュールを利用してユーザを認証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証モジュールによるユーザの認証を行う電子機器に関し、特に、複数の認証モジュールを択一的に使用する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複写機、プリンタ、複合機等の各種電子機器は、内部に搭載したメモリにデータを記憶する。そして、このメモリに記憶されるデータによっては、特定のユーザ以外には秘密とすることがある。そのため、使用するユーザ毎に認証するとともに認証したユーザによって使用できる範囲を制限する電子機器が、一般に普及されている。
【0003】
このような電子機器における認証方法として、ユーザIDとパスワードを用いたコードの入力による認証方法が広く利用される。更に、近年では、回路の高集積回路化或いは画像処理技術の発達などによって、IC(Integrated Circuit)カードを利用したカード認証、或いは、ユーザの生体情報を利用した生体認証などを利用して認証を行う電子機器が提案されている。
【0004】
そして、手の静脈パターン、指紋、網膜、或いは虹彩といった画像データによってユーザの認証を行う生体認証は、認証を行う際に複雑且つ高精度な画像処理を必要であった。よって、短時間で認証を行うには、認証のための画像処理を行う演算回路への負荷が大きくなるため、認証時の画像処理による演算量の低減化が要求される。そのため、生体認証で利用する生体情報は、画像データから抽出される特徴点、或いは、周波数成分などによって構成される(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0005】
この生体認証は、生体情報を構成するための画像データからの抽出方式、又は、生体情報との照合方式などによっては、認証の精度が低くなるだけでなく、識別が不可能なパターンが存在する場合がある。よって、生体認証による認証性を向上するために、特許文献1は、ICカードに記憶したデータより認証用に参照する生体情報を生成して生体認証を行う生体認証装置を提案している。一方、特許文献2は、生体認証を行うMFP(Multi Function Printer)システムにおいて、そのシステム内に、ユーザIDそれぞれに対して登録される照合用データ(登録照合用データ)を記録するサーバを設置し、段階的に認証を行える技術が開示されている。
【0006】
特許文献1の生体認証装置は、まず、ユーザIDの入力によって、ユーザIDに応じたランレングス符号化テーブルを特定する。そして、この生体認証装置は、特定したランレングス符号化テーブルを利用して、ICカードに記憶した2次データから認証用の生体情報を取得し、この生体情報による生体認証を行う。
【0007】
特許文献2のMFPシステムは、まず、MFP本体に入力されたユーザの生体情報による照合用データが、既に登録された複数の登録照合用データと、1対複数の関係で照合される。そして、この複数の登録照合用データによる照合が失敗したとき、ユーザIDがMFP本体を通じて入力される。これにより、ユーザIDに応じた1つの登録照合用データがサーバで読み出されて、先の入力された照合データが、この1つの登録照合用データと1対1で照合される。
【0008】
このように、特許文献1及び特許文献2のいずれにおいても、確実に生体認証するために、ユーザIDの入力による認証を併用し、個人が特定できる構成とされる。そして、特定した個人に対して既に登録された生体情報が、ICカード又はサーバに記録したデータから取得されて、確実に生体認証ができる。
【特許文献1】特開2006−139424号公報
【特許文献2】特開2006−202212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、ユーザの認証が可能な電子機器を利用するユーザによっては、生体認証による認証方法を利用することを望まない場合もあり、このような場合、生体認証以外の認証方法が選択される。このとき、特許文献1及び特許文献2に代表されるような生体認証を行う生体認証モジュールを備えた電子機器に対して、生体認証以外の認証方法で認証できる認証モジュールが追加で装着される。
【0010】
この複数の認証モジュールより1つの認証モジュールを選択できる電子機器は、選択する認証モジュールを決定するための信号が必要であるだけでなく、搭載された認証モジュールを認識するための信号が必要である。又、既に標準で設けられる認証モジュール以外に追加で認証モジュールが搭載される場合であっても、認証モジュールが追加されたか否かを判別するための信号が必要となる。
【0011】
このように、従来、複数の認証モジュールから1つの認証モジュールを選択できる電子機器は、電子機器のシステムと接続できる認証モジュールを検出するために、検出用の信号が必要となるので、この信号を受け付けるための信号線や回路が必要であった。更に、従来の構成では、電子機器のユーザが要望して認証モジュールを追加したとしても、標準で設けられた認証モジュールから追加した認証モジュールをシステムに接続させるために、ユーザからの指示が必要であったため、その操作が煩雑であった。
【0012】
このような問題に鑑みて、本発明は、追加で搭載した認証モジュールを自動的に選択できる電子機器の提案を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、第1の認証方法によりユーザを認証する第1認証モジュールと、装置本体のシステムを制御する主制御部と、前記主制御部と接続されて前記第1認証モジュールとの間で信号の送受信を行うインターフェースと、を備える電子機器において、前記第1の認証方法と異なる第2の認証方法によりユーザを認証する第2認証モジュールと、前記第1認証モジュールとを、選択的に前記インターフェースに接続するスイッチを備え、本体起動時に、前記第2認証モジュールが前記スイッチと接続されているときには、前記スイッチにより前記第2認証モジュールを前記インターフェースに接続することを特徴とする。
【0014】
このような構成により、製造時から装置本体に前記第1認証モジュールが組み込まれた電子機器に対して、前記第2認証モジュールが後付で設置されるとき、この後付で組み込まれた前記第2認証モジュールが優先的に選択される。これにより、電子機器は、ユーザが所望して後付で組み込んだ前記第2認証モジュールを自動的に選択できる。
【0015】
この電子機器において、本体起動時に、前記スイッチが前記インターフェースを前記第2認証モジュール側に接続させて、前記主制御部が前記インターフェースを通じて前記第2認証モジュールからの応答信号の有無を確認し、前記第2認証モジュールから応答信号があるときは、前記スイッチが前記第2認証モジュール側の接続を維持する一方で、前記第2認証モジュールから応答信号がないときは、前記スイッチが前記第1認証モジュール側との接続に切り換えてもよい。
【0016】
更に、前記インターフェースを通じて前記第2認証モジュールからの応答信号を前記主制御部が確認したとき、前記第2認証モジュールを初期化するコマンドを前記インターフェースから前記第2認証モジュールに送信し、前記第2認証モジュールが前記コマンドにより正常に初期化されたときは、前記スイッチが前記第2認証モジュール側との接続を維持する一方で、前記第2認証モジュールの前記コマンドによる初期化に異常があったときは、前記スイッチが前記第1認証モジュール側との接続に切り換えてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、追加で接続した第2認証モジュールがスイッチにより選択されて、インターフェースに自動的に接続される。そのため、第2認証モジュールのスイッチへの接続だけで、ユーザが所望する認証方式に対応した認証モジュールを、据付とされた第1認証モジュールと後付となる第2認証モジュールとの間から簡単に選択し、自動的に決定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
<本発明の概要>
本発明の電子機器の概要について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の電子機器の構成を示すブロック図である。
【0019】
図1に示す電子機器は、装置本体を動作させる主制御部1と、主制御部1を構成する回路部品が搭載される基板に取り付けられたインターフェース2と、インターフェース2と接続される信号線3とを備える。そして、この電子機器は、信号線3に接続されたスイッチ部4と、スイッチ部4によってインターフェース2に接続される第1認証モジュール5とを備える。更に、この電子機器は、第1認証モジュールにおける第1の認証方法と異なる第2の認証方法によりユーザを認証する第2認証モジュール6がスイッチ部4に接続されて、この第2認証モジュール6を追加で接続できる。
【0020】
第1及び第2認証モジュール5,6はそれぞれ、ユーザの認証を行うためのプログラムの一部を有するとともに、信号線3及びインターフェース2を介して主制御部1と通信する。即ち、ユーザを認証するとき、第1又は第2認証モジュール5,6は、自身が備えるプログラムに応じて動作し、ユーザを認証するための情報を取得する。そして、第1又は第2認証モジュール5,6が取得した情報が、信号線3及びインターフェース2を介して主制御部1に送信されて、第1又は第2認証モジュール5,6によりその操作が受け付けられたユーザを、主制御部1が認証する。この主制御部1による認証結果は、第1又は第2認証モジュール5,6に与えられ、第1又は第2認証モジュール5,6により認証結果がユーザに報知される。
【0021】
図2に示すように、信号線3は、主制御部1が送信する信号が流れる送信用信号線31と、主制御部1が受信する信号が流れる受信用信号線32と、電源を供給する電源線33と、接地された接地線34と、制御信号が流れる制御線35とを備える。制御線35には、主制御部1がスイッチ部4の切換を制御するための制御信号が流れる。この制御線35よりスイッチ部4に与えられる制御信号によって、スイッチ部4内の後述のスイッチ41〜43が切り換えられ、インターフェース2と接続する認証モジュールが決定される。
【0022】
又、スイッチ部4は、送信用信号線31、受信用信号線32、及び電源線33のそれぞれにその可動接点411,421,431が接続された単極双投(SPDT:Single Pole Double Throw)型のスイッチ41〜43を備える。このスイッチ41〜43はそれぞれ、その可動接点411,421,431との接続が切り換えられる2接点412,413,422,423,432,433を備える。
【0023】
そして、スイッチ41の接点412、スイッチ42の接点422、スイッチ43の接点432のそれぞれと、接地線34とが、第1認証モジュール5に接続される。又、第2認証モジュール6が追加で設置される場合は、スイッチ41の接点413、スイッチ42の接点423、スイッチ43の接点433のそれぞれと、接地線34とが、第2認証モジュール6に接続される。
【0024】
これにより、スイッチ41〜43のそれぞれが、その可動接点411,421,431を接点412,422,432に接続したとき、送信用信号線31、受信用信号線32、及び電源線33のそれぞれが第1認証モジュール5に接続する。よって、電源線33及び接地線34が第1認証モジュール5に接続され、第1認証モジュール5に電力が供給されるとともに、送信用信号線31及び受信用信号線32が第1認証モジュール5に接続され、第1認証モジュール5と主制御部1との通信が可能となる。
【0025】
一方、スイッチ41〜43のそれぞれが、その可動接点411,421,431を接点413,423,433に接続したとき、送信用信号線31、受信用信号線32、及び電源線33のそれぞれが第2認証モジュール6に接続する。よって、電源線33及び接地線34が第2認証モジュール6に接続され、第2認証モジュール6に電力が供給されるとともに、送信用信号線31及び受信用信号線32が第2認証モジュール6に接続され、第2認証モジュール6と主制御部1との通信ができる。尚、スイッチ41〜43は、機械式のスイッチで説明しているが、接点を有さないアナログスイッチを用いてもよい。
【0026】
このように構成される電子機器の実施の形態について、以下に説明する。尚、以下の各実施形態における電子機器はいずれも、上述した図1及び図2による構成を備える。そして、以下の各実施系では、スイッチ部によるインターフェースと接続する認証モジュールを設定する際の動作が異なる。よって、以下の各実施形態では、スイッチ部によるインターフェースと接続する認証モジュールを設定する際の動作について説明する。
【0027】
<第1の実施形態>
図1及び図2に示す構成を備えた本発明の電子機器における第1の実施形態について、図面を参照して以下に説明する。尚、図3は、本実施形態の電子機器が認証モジュールを選択するときの動作を示すフローチャートである。
【0028】
図3のフローチャートに示すように、不図示の操作部が操作される等して、電子機器に電源が投入される(S1)。これにより、主制御部1に電力が供給され、主制御部1が動作を開始して、主制御部1自身を初期化した後に、主制御部1と通信する他の回路部品を初期化するために動作する。よって、主制御部1は、信号線3及びスイッチ部4を介してインターフェース2により通信を行う第1又は第2認証モジュール5,6も、初期化する。
【0029】
このとき、スイッチ部4では、第2認証モジュール6との接続がなくても、スイッチ41〜43のそれぞれにおいて、可動接点411,421,431のそれぞれが、第2認証モジュール6と接続される接点413,423,433のそれぞれに接続される。即ち、電源が投入されたばかりの初期状態では、スイッチ部4は、第2認証モジュール6の搭載の有無にかかわらず、第2の認証モジュール6側をインターフェース2に接続する。そのため、初期状態では、インターフェース2に対して第1認証モジュール5が接続されていない。
【0030】
そして、S1での電源投入後、主制御部1は、第2認証モジュール6との接続を確認するために、第2認証モジュール6が解析して応答できる命令信号を、主制御部1がインターフェース2を介して送信する(S2)。この命令信号は、信号線3の送信用信号線31を介して、スイッチ部4のスイッチ41の接点413に伝達される。よって、このスイッチ41の接点413に第2認証モジュール6が接続されている場合は、第2認証モジュール6が、主制御部1からの命令信号を受信する。
【0031】
主制御部1は、インターフェース2から命令信号を送信した後、第2認証モジュール6からの応答を受信するために待機した時間の経過を確認する。そのため、主制御部1は、応答の確認のために待機する時間の測定を開始する(S3)。そして、インターフェース2が第2認証モジュール6からの応答信号を受信したか否かにより、S1で送信した命令信号に対する応答の有無を、主制御部1が判断する(S4)。
【0032】
このとき、後付となる第2認証モジュール6がスイッチ部4に接続されていない場合、スイッチ部4のスイッチ41〜43それぞれの接点413,423,433がそれぞれ開放された状態である。よって、S2で、主制御部1が命令信号をインターフェース2から送信したとしても、スイッチ42が開放された状態であるため、スイッチ42に接続される受信用信号線32に応答信号が与えられない。
【0033】
そして、主制御部1は、インターフェース2による応答信号の受信を確認しなかったとき(S4でNo)、S3で測定を開始した待機時間が所定時間に到達したか否かを確認する(S5)。命令信号の送信後、待機時間が所定時間に達していない場合は(S5でNo)、S4に移行して、第2認証モジュール6からの応答の有無が確認される。一方、待機時間が所定時間に達した場合は(S5でYes)、第2認証モジュール6の後付による設置がないものと、主制御部1が判断する。よって、主制御部1が、画像による表示或いは音声による出力などにより、第2認証モジュール6が未接続である旨をユーザに対して通知する(S6)。
【0034】
尚、第2認証モジュール6に設けられた不図示の受信用端子とスイッチ41の接点413との接触に不良が生じた場合も、第2認証モジュール6が命令信号を受信しないため、第2認証モジュール6から応答信号が送信されない。又、第2認証モジュール6に設けられた不図示の受信用端子とスイッチ42の接点423との接触に不良が生じた場合も、第2認証モジュール6が応答信号を送信できない。更に、第2認証モジュール6に設けられた不図示の電源用端子とスイッチ43の接点433との接触に不良が生じた場合も、第2認証モジュール6に電源が供給されていないため、第2認証モジュール6から応答信号が送信されない。
【0035】
よって、スイッチ41〜43と第2認証モジュール6との間の接触が正常でない場合も、S4、S5の動作により、応答信号の待機時間の経過が確認され、主制御部1により、第2認証モジュール6が未接続と判断される。そして、S6に移行して、第2認証モジュール6が未接続である旨が、主制御部1によってユーザに通知される。これにより、ユーザは第2認証モジュール6の接続を目視により確認している場合、第2認証モジュール6とスイッチ部4との接続の不良を認識できる。
【0036】
又、第2認証モジュール6がスイッチ部4に正常に接続される場合、第2認証モジュール6は、スイッチ41を介して送信用信号線31と接続されるため、主制御部1からの命令信号を、スイッチ41の接点413より受信する。そして、第2認証モジュール6は、主制御部1からの命令信号を解析し、この命令信号に対する応答信号を生成すると、スイッチ42の接点423に対して出力する。これにより、第2認証モジュール6からの応答信号が、スイッチ42及び受信用信号線32を介して、インターフェース2に送信される。
【0037】
そして、主制御部1は、インターフェース2による応答信号の受信を確認したとき(S4でYes)、受信した応答信号を主制御部1が解析し、第2認証モジュール6でエラーの発生の有無を確認する(S7)。尚、第2認証モジュール6では、命令信号を受信した際にエラーが発生した場合、エラーの発生を示す応答信号を送信しても良いし、発生したエラーの内容を追加した応答信号を送信してもよい。そして、主制御部1が、応答信号より第2認証モジュール6でのエラーの発生を確認したとき(S7でYes)、主制御部1が、画像による表示或いは音声による出力などにより、第2認証モジュール6でエラーが発生した旨をユーザに対して通知する(S8)。
【0038】
一方、主制御部1が、応答信号より第2認証モジュール6でエラーの発生がないことを確認したとき(S7でNo)、主制御部1は、第2認証モジュール6がスイッチ部4に正常に接続された上、第2認証モジュール6が利用できることを確認する。よって、主制御部1は、第2認証モジュール6を初期化するためのプログラムを読み出し、インターフェース2、信号線3、及びスイッチ部4を介して、第2認証モジュール6と通信して、第2認証モジュールの初期化を実行する(S9)。
【0039】
このとき、主制御部1が、送信用信号線31により第2認証モジュール6に信号を送信して、第2認証モジュール6に対して初期化を指示する。そして、第2認証モジュール6は、受信用信号線32により主制御部1に信号を送信して、設定された状態を主制御部1に通知する。その後、主制御部1は、第2認証モジュール6から初期化が終了した旨を通知する信号をインターフェース2で受信したか否かを確認する(S10)。
【0040】
そして、主制御部1は、第2認証モジュール6からの信号に基づき、初期化の設定中を確認した場合(S10でNo)、S9に移行し、第2認証モジュール6との通信を続行し、第2認証モジュール6の初期化を続ける。一方、主制御部1は、第2認証モジュール6からの信号に基づき、初期化の終了を確認した場合(S10でYes)、第2認証モジュール6の初期化におけるエラーの有無を確認する(S11)。
【0041】
主制御部1が、第2認証モジュール6から正常な初期化の終了を示す信号をインターフェース2で受信し、この信号により第2認証モジュール6の初期化の正常を確認した場合(S11でNo)、第2認証モジュール6による認証を許可する。即ち、主制御部1は、第2認証モジュール6を利用したユーザの認証を許可し、第2認証モジュール6に対して、送信用信号線31を通じて、ユーザからの操作を受け付けるための待機を指示し(S12)、動作を終了する。
【0042】
一方、主制御部1が、第2認証モジュール6からエラーによる初期化の終了を示す信号をインターフェース2で受信し、第2認証モジュール6の初期化にエラーの発生を確認した場合(S11でNo)、S8に移行する。即ち、主制御部1が、第2認証モジュール6の初期化にエラーが発生した旨を、画像による表示或いは音声による出力などによりユーザに対して通知する。
【0043】
そして、上述のS6又はS8のそれぞれで、ユーザに対して主制御部1が第2認証モジュール6の未接続或いはエラーの通知を行うと、主制御部1は、スイッチ部4に対して、スイッチ41〜43の接点の切換を指示する(S13)。即ち、主制御部1が、スイッチ部4へ切換を指示するための制御信号を生成し、インターフェース2より、信号線3の制御線35を介して、スイッチ部4へ送信する。これにより、スイッチ部4は、スイッチ41〜43の可動接点411,421,431のそれぞれを、接点412,422,432に接続して、インターフェース2に対して第1認証モジュール5を接続させる。
【0044】
このスイッチ部4の接点の切換によって、主制御部1が、インターフェース2を介して第1認証モジュール5と通信できる状態となる。そのため、主制御部1は、第1認証モジュール5を初期化するためのプログラムを読み出し、インターフェース2、信号線3、及びスイッチ部4を介して、第1認証モジュール5と通信して、第1認証モジュール5の初期化を実行する(S14)。
【0045】
そして、主制御部1は、第1認証モジュール5の初期化が終了したか否かを確認し(S15)、初期化が終了していない場合(S15でNo)、S14に移行して初期化を続行し、初期化が終了した場合(S15でYes)、第1認証モジュール5に待機の指示を与える(S16)。尚、S14、S15、及びS16のそれぞれにおける動作は、第2認証モジュール6が対象でなく、第1認証モジュール5を対象としていることを除けば、S9、S10、及びS12のそれぞれの動作と同様である。
【0046】
尚、本実施形態において、電源が投入されて主制御部1の初期化が終了した後、主制御部1が、スイッチ部4に対して制御信号を与えて、第2認証モジュール6側への接続を指示してもよい。即ち、主制御部1が、インターフェース2から制御線35を通じて、制御信号をスイッチ部4に与えて、可動接点411,421,431のそれぞれを、接点413,423,433のそれぞれへ接続する指示を与える。
【0047】
<第2の実施形態>
図1及び図2に示す構成を備えた本発明の電子機器における第2の実施形態について、図面を参照して以下に説明する。尚、図4は、本実施形態の電子機器が認証モジュールを選択するときの動作を示すフローチャートである。又、図4のフローチャートにおいて、図3のフローチャートと同一の動作については、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。更に、本実施形態の電子機器は、図1において不図示であるが、ユーザからの操作を受け付ける操作部を備え、この操作部に対する操作により、認証モジュールの設定がなされる。
【0048】
まず、電子機器に電源が投入されると(S1)、不図示の操作部への操作に基づいて、ユーザにより認証モジュールの設定が要求されたか否かを、主制御部1が確認する(S101)。ユーザによる操作がなかった場合(S101でNo)、S101に移行し、主制御部1は、ユーザの操作部に対する操作による要求を受け付けるために待機する。ユーザによる操作がなされ、認証モジュールの設定の要求を主制御部1が確認すると(S101でYes)、主制御部1は、スイッチ部4に対して、第2認証モジュール6側への接続を指示する(S102)。
【0049】
即ち、主制御部1が、スイッチ部4に対する制御信号を生成して、インターフェース2より制御線35を介して送信する。この制御信号を受けたスイッチ部4は、スイッチ41〜43に対して、可動接点411,421,431のそれぞれを、接点413,423,433に接続させる。これにより、主制御部1からの命令信号が、信号線3及びスイッチ部4を介して、第2認証モジュール6へ送信でき、主制御部1は、インターフェース2による第2認証モジュール6からの応答信号の受信の有無を確認できる。
【0050】
第2認証モジュール6と主制御部1との間で通信が可能になると、主制御部1から命令信号が送信されて、第2認証モジュール6のスイッチ部4への接続が確認される(S2〜S5)。第2認証モジュール6が未接続である場合は(S5でYes)、主制御部1がユーザに対して第2認証モジュール6が未接続である旨を通知する(S6)。一方、第2認証モジュール6が接続されているときは(S4でYes)、主制御部1が、第2認証モジュール6におけるエラーの発生の有無を確認し、エラーなく第2認証モジュール6が初期化されると、初期化された第2認証モジュール6を待機させる(S7〜S12)。このとき、第2認証モジュール6が、受信した命令信号に対してエラーの発生を示す応答信号を送信した場合(S7でYes)、又は、初期化時にエラーが発生したとき(S11でYes)、主制御部1がユーザに対して第2認証モジュール6でエラーが発生した旨を通知する(S8)。
【0051】
上述の動作を行っている際に、第2認証モジュール6が未接続である通知(S6)、或いは、第2認証モジュール6でのエラー発生の通知(S8)がなされたとき、本実施形態では、主制御部1が、第1認証モジュール5の利用の可否をユーザに確認するための通知を行う(S103)。このとき、S6及びS8での通知と同様、主制御部1が、画像による表示或いは音声による出力などにより通知して、第1認証モジュール5への切換の可否をユーザに確認する。
【0052】
その後、不図示の操作部によるユーザからの操作を受け付け、第1認証モジュール5への切換の可否を主制御部1が確認する(S104)。このとき、ユーザの操作により第1認証モジュール5への切換が許可されなかったとき(S104でNo)、S101に移行し、主制御部1は、ユーザにより認証モジュールの設定が要求されたか否かを確認する。一方、ユーザの操作により第1認証モジュール5への切換が許可されたとき(S104でYes)、スイッチ部4が第1認証モジュール5との接続に切り換えて、第1認証モジュール5が初期化された後に待機状態となる(S13〜S16)。
【0053】
このように、本実施形態では、第1の実施形態と異なり、ユーザが不図示の操作部を操作して、後付した第2認証モジュール6を利用するための設定が、主制御部1に設定される。又、第2認証モジュール6が接続されていない場合は、第1認証モジュール5の利用の可否をユーザに問い合わせるため、誤動作による第1認証モジュール5への設定を防止できる。
【0054】
尚、本発明の電子機器は、使用する認証モジュールを決定する動作について、第1及び第2の実施形態による動作を組み合わせても良い。例えば、電源投入後に、第1及び第2認証モジュール5,6のいずれかの初期化が既に終了されて、第1及び第2認証モジュール5,6のいずれかが電子機器本体のシステムに組み込まれた状態であるか否かを、主制御部1が確認する。そして、第1及び第2認証モジュール5,6のいずれについても初期化されていない場合は、第1の実施形態における図3のフローチャートに従って、利用する認証モジュールを初期化する。一方、第1及び第2認証モジュール5,6のいずれかが既に初期化されている場合は、第2の実施形態における図4のフローチャートに従って、ユーザの操作部への操作があったときに、利用する認証モジュールを初期化する。
【実施例1】
【0055】
本実施例は、第1又は第2の実施形態の電子機器として複合機を適用した実施例である。本実施例の複合機は、生体認証方式によりユーザを認証する第1認証モジュールを備え、カード認証方式によりユーザを認証する第2認証モジュールを後付で搭載できる。尚、図5は、本実施例における複合機の内部構成を示すブロック図である。又、本実施例による複合機の認証モジュールの設定動作は、上述の第1又は第2の実施形態で説明した動作に基づいている。よって、以下では、複合機自身の構成と、複合機の各構成と図1に示す電子機器の構成との関係とを、図5を参照して説明する。
【0056】
図5に示すように、本実施例の複合機は、装置全体を制御する主制御部1(図1参照)の一部として、MPU(Micro Processing Unit)100と、ROM(Read Only
Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102を備える。即ち、MPU100が、ROM101に格納された各種プログラムを読み出すとともに、読み出したプログラムに対するワークエリアとしてRAM102を利用して、プログラムを実行する。このMPU100によるプログラムの実行により、後述する各ブロックとバス回線を介してデータを送受信することで、複合機における各種機能が実現される。
【0057】
この複合機は、ファクシミリ機能を実現するための構成として、送受信の対象となる画像データを記憶するSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)104と、このSDRAM104に対する読み出し及び書き込みを制御するメモリコントローラ103とを備える。そして、画像データを圧縮及び伸張するCODEC(Coder and Decoder)105と、外部の公衆交換電話網(PSTN:Public
Switched Telephone Network)で送受信される音声信号と画像データによるデータ列との間で相互に変換させる変復調を行うモデム106と、PSTNと接続するNCU(Network Control Unit)107とを備える。
【0058】
又、本実施例の複合機は、プリンタ機能を実現するためのプリンタ部108と、スキャナ機能を実現するためのスキャナ部109と、LAN(Local Area Network)と接続されたLANインターフェース110とを備える。プリンタ部108は、記録紙へ画像を印字するためのプリンタエンジンと、このプリンタエンジンを駆動する制御回路と、印字する画像となる画像データをプリントヘッドに与える画像処理回路とによって構成される。スキャナ部109は、原稿へ光を照射する白色灯或いは白色LED(light Emitting Diode)を有する光源と、原稿からの反射光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)を有する撮像部とによって構成される。
【0059】
即ち、プリンタ部108は、プリンタエンジンのプリントヘッドに、画像処理回路からの画像データが与えられると同時に、プリンタエンジンを構成する定着ヒータ或いは給紙ローラなどが制御回路により駆動されて、記録紙へ画像を印字する。又、FBS(Flat Bed Scanner)又はADF(Auto Document Feeder)として構成されるスキャナ部109は、光源から原稿に光を照射するとともに、原稿の濃淡を示す反射光を撮像部で受光して電気信号に変換し、原稿の画像を読み取る。
【0060】
更に、本実施例の複合機は、MPU100によって動作するメインシステムと通信するサブシステムコントローラ111と、ユーザからの指令を受け付ける操作部112と、画像を表示する表示部113とによって、サブシステムが構成される。このサブシステムにより、操作部113で受け付けたユーザからの指令が、サブシステムコントローラ111を通じて、MPU100に通知される。又、サブシステムコントローラ111により制御される表示部113は、スキャナ機能により読み取った画像、ファクシミリ受信による画像、或いは、LANを通じて受信した画像などを表示する。尚、表示部113に操作用の表示をし、操作部112と表示部113とを一体化させて、タッチパネルが構成されてもよい。
【0061】
このように構成するとき、本実施例の複合機が第2の実施形態の電子機器として動作する際、操作部112が、第2の実施形態で説明した不図示の操作部に相当する。即ち、図4のフローチャートにおける、S101又はS104それぞれでのユーザの操作が、操作部112に対する操作に相当する。又、表示部113は、第1及び第2の実施形態で説明した動作におけるS6又はS8による通知、或いは、第2の実施形態で説明した動作におけるS103による通知を行うために、その通知内容を表示する。更に、第1及び第2の実施形態で説明した動作による認証モジュールの設定が完了したとき、選択して初期化した認証モジュールを表示部113が表示して、ユーザに通知してもよい。
【0062】
又、本実施例の複合機は、第1及び第2の実施形態で説明した機能を備えるために、インターフェース2、第1認証モジュール5、及び第2認証モジュール6のそれぞれに相当するUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)200、指紋入力部500、及びリーダライタ600を備える。そして、この複合機は、指紋入力部500或いはリーダライタ600とUART200との間で通信するために、信号線3と、スイッチ部4とを備える。
【0063】
即ち、MPU100などによって構成される主制御部1(図1参照)を備えるメイン基板に、UART200が設けられ、このUART200に対して、スイッチ部4を設けた信号線3を接続する。そして、スイッチ部4の一方に、標準で装備される(据付とされる)指紋入力部500内の認証モジュールが接続され、スイッチ部4の他方に、後付で装備されるリーダライタ600内の認証モジュールが接続される。又、指紋入力部500は、指紋を読み取るための読取部が、操作用パネル上に、表示部112及び操作部113と共に設置される。
【0064】
このように構成する複合機が第1の実施形態の電子機器として動作する場合、リーダライタ600を利用したICカードによるユーザの認証を、複合機のシステムに組み込むとき、リーダライタ600をスイッチ部4に接続した後に、電源を投入する。これにより、図3のフローチャートに示す動作を行い、リーダライタ600をMPU100が初期化して、リーダライタ600を用いたカード認証方式によるユーザの認証が可能となる。一方、標準の指紋認証方式を利用する場合は、スイッチ部4へリーダライタ600を接続せずに、電源を投入して、指紋入力部500を初期化し、指紋入力部500によるユーザの認証を設定できる。又、複合機が第2の実施形態の電子機器として動作する場合は、操作部113の操作とスイッチ部4へのリーダライタ600の接続とによって、使用する認証モジュールを、指紋入力部500及びリーダライタ600から選択する。
【0065】
このように、本実施例の複合機は、接続部4にリーダライタ600の接続がない場合、ユーザを認証するために、標準に装備された指紋入力部500を利用する。このとき、指紋入力部500が、ユーザの指紋を読み取ったとき、認証するためのデータが登録されていないときは、読み取った指紋の画像の特徴点による認証するためのデータが生成され、RAM102に記憶される。又、RAM102に既に認証するためのデータが登録されている場合は、読み取った指紋の画像による特徴点が生成され、RAM102に登録されたデータと比較されて、ユーザを認証する。
【0066】
一方、接続部4にリーダライタ600が接続された場合、ユーザを認証するために、後付で設置されたリーダライタ600を利用する。このとき、複合機の利用が許可されたユーザの情報が、操作部113によって入力され、RAM102に登録される。そして、ユーザがICカードをリーダライタ600に挿入するなどしたとき、リーダライタ600とICカードとの間で非接触又は接触による通信が行われる。そして、リーダライタ600は、通信相手となるICカードを認証し、通信可能なICカードであると判断したとき、ICカードに記録されたユーザ情報を受信して、MPU100に与える。これにより、MPU100では、RAM102に登録されたユーザ情報と照合して、ユーザを認証する。
【0067】
尚、本実施例による複合機は、標準に装備される第1認証モジュール5を、指紋認証を行う指紋入力部500とし、後付で装備される第2認証モジュール6を、カード認証を行うリーダライタ600としたが、本実施例による複合機の構成に限るものではない。よって、例えば、第1認証モジュール5をリーダライタとし、第2認証モジュール6を指紋入力部とするなど、第1及び第2認証モジュール5,6が異なる認証方式による認証モジュールであれば、図5以外の認証方式の認証モジュールとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、1つの認証モジュールを標準に装備し、標準に装備されたものと異なる方式による認証モジュールを後付けできる電子機器に対して、利用できる。そして、この本発明を適用した電子機器は、それぞれの認証モジュールの認証方式として、静脈パターン、指紋、網膜、或いは虹彩といった画像データを利用した認証方式、声紋などの音声データを利用した認証方式と、或いはICカードを利用した認証方式などを採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】は、本発明の電子機器の内部構成を示すブロック図である。
【図2】は、図1の電子機器における信号線とスイッチ部との関係を示す図である。
【図3】は、第1の実施形態の電子機器による認証モジュールの設定動作を示すフローチャートである。
【図4】は、第2の実施形態の電子機器による認証モジュールの設定動作を示すフローチャートである。
【図5】は、本発明の電子機器に適用させた複合装置の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0070】
1 主制御部
2 インターフェース
3 信号線
4 スイッチ部
5 第1認証モジュール
6 第2認証モジュール
31 送信用信号線
32 受信用信号線
33 電源線
34 接地線
35 制御線
100 MPU
101 ROM
102 RAM
103 メモリコントローラ
104 SDRAM
105 CODEC
106 モデム
107 NCU
108 プリンタ部
109 スキャナ部
110 LANインターフェース
111 サブシステムコントローラ
112 操作部
113 表示部
200 UART
500 指紋入力部
600 リーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の認証方法によりユーザを認証する第1認証モジュールと、装置本体のシステムを制御する主制御部と、前記主制御部と接続されて前記第1認証モジュールとの間で信号の送受信を行うインターフェースと、を備える電子機器において、
前記第1の認証方法と異なる第2の認証方法によりユーザを認証する第2認証モジュールと、前記第1認証モジュールとを、選択的に前記インターフェースに接続するスイッチを備え、
本体起動時に、前記第2認証モジュールが前記スイッチと接続されているときには、前記スイッチにより前記第2認証モジュールを前記インターフェースに接続することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1において、
本体起動時に、前記スイッチが前記インターフェースを前記第2認証モジュール側に接続させて、前記主制御部が前記インターフェースを通じて前記第2認証モジュールからの応答信号の有無を確認し、
前記第2認証モジュールから応答信号があるときは、前記スイッチが前記第2認証モジュール側の接続を維持する一方で、前記第2認証モジュールから応答信号がないときは、前記スイッチが前記第1認証モジュール側との接続に切り換えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2において、
前記インターフェースを通じて前記第2認証モジュールからの応答信号を前記主制御部が確認したとき、前記第2認証モジュールを初期化するコマンドを前記インターフェースから前記第2認証モジュールに送信し、
前記第2認証モジュールが前記コマンドにより正常に初期化されたときは、前記スイッチが前記第2認証モジュール側との接続を維持する一方で、前記第2認証モジュールの前記コマンドによる初期化に異常があったときは、前記スイッチが前記第1認証モジュール側との接続に切り換えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−294818(P2009−294818A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146471(P2008−146471)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】