電子機器
【課題】コネクタ挿入に関する利便性を向上させた電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、コネクタ24と、導体31が設けられる第1の面26Aと、第1の面26Aとは反対側の第2の面26Bと、コネクタ24に取り付けられる先端部26Cと、を有する基板本体26と、基板本体26を補強するように先端部26Cの第2の面26Bに取付けられる補強板27と、を有するフレキシブルプリント配線板23と、コネクタ24に設けられるとともに、フレキシブルプリント配線板23に接触する突出部と、を具備する。補強板27は、突出部が嵌め入れられる窪み部35を基板本体26に対向する面とは反対側の面に有する。窪み部35は、先端部26Cに対応する補強板27の端面36に向けて拡開した窪み部本体41と、窪み部本体41と連通するように端面36に設けられた開口部42と、を有する。
【解決手段】電子機器は、コネクタ24と、導体31が設けられる第1の面26Aと、第1の面26Aとは反対側の第2の面26Bと、コネクタ24に取り付けられる先端部26Cと、を有する基板本体26と、基板本体26を補強するように先端部26Cの第2の面26Bに取付けられる補強板27と、を有するフレキシブルプリント配線板23と、コネクタ24に設けられるとともに、フレキシブルプリント配線板23に接触する突出部と、を具備する。補強板27は、突出部が嵌め入れられる窪み部35を基板本体26に対向する面とは反対側の面に有する。窪み部35は、先端部26Cに対応する補強板27の端面36に向けて拡開した窪み部本体41と、窪み部本体41と連通するように端面36に設けられた開口部42と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに取り付けられるフレキシブルプリント配線板を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導体パターンを保護するためのカバーレイフィルムを備えたフレキシブルプリント配線板が電子機器に用いられている。このようなフレキシブルプリント配線板は、先端部において導体パターンがカバーレイフィルムから露出された露出部と、先端部において導体パターン同士の間を仕切るようにカバーレイフィルムと一体に形成されたダム部と、を有している。このダム部は、先端位置に近づくにしたがって、幅が狭くなるように形成されている。
【0003】
このフレキシブルプリント配線板では、コネクタ挿入時に前記ダム部がコネクタ接片をガイドする効果があり、コネクタ接片のダムへの乗り上げが防止されるとしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−190157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のフレキシブルプリント配線板では、コネクタ挿入処理における厚み方向に対するガイドについて考慮がなされていない。例えば、特許文献1ではコネクタ挿入口の長手方向に対する位置ずれを回避するためにガイドが形成されているが、コネクタ挿入口の長手方向とは交差する方向に対してフレキシブルプリント配線板を所定位置まで導く仕組みがない。従って、コネクタにフレキシブルプリント配線板を差し込む際には、カバーレイフィルムが破損しないように意識する必要があり、利便性に欠ける。
【0006】
本発明の目的は、コネクタ挿入に関する利便性を向上させた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、コネクタと、導体が設けられる第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、前記コネクタに取り付けられる先端部と、を有する基板本体と、前記基板本体を補強するように前記先端部の前記第2の面に取付けられる補強板と、を有するフレキシブルプリント配線板と、前記コネクタに設けられるとともに、前記フレキシブルプリント配線板に接触する突出部と、を具備し、前記補強板は、前記突出部が嵌め入れられるとともに、前記先端部に対応する前記補強板の端面に向けて拡開した窪み部本体と、前記窪み部本体と連通するように前記端面に設けられた開口部と、これらを規定する壁部と、を有する窪み部を前記基板本体に対向する面とは反対側の面に有する。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係るフレキシブルプリント配線板は、導体が設けられる第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、先端部と、を有する基板本体と、前記基板本体を補強するように前記先端部の前記第2の面に取付けられる補強板と、を具備し、前記補強板は、前記先端部に対応する前記補強板の端面に近づくにつれて拡開した窪み部本体と、前記窪み部本体と連通するように前記端面に設けられた開口部と、これらを規定する壁部と、を有する窪み部を、前記基板本体に対向する面とは反対側の面に有する。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成によれば、コネクタ挿入に関する利便性を向上させた電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを示す斜視図。
【図2】図1に示すポータブルコンピュータの本体ユニットのケースの内部に収容されるフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【図3】図2に示すフレキシブルプリント配線板の斜視図。
【図4】図3に示すフレキシブルプリント配線板の下面図。
【図5】図4に示すフレキシブルプリント配線板のF5−F5線に沿った断面図。
【図6】図5に示すフレキシブルプリント配線板の先端部をコネクタに対して差し込んだ状態を示した断面図。
【図7】図6に示すコネクタの第2のコンタクトが窪み部の底部に当接した状態を示した断面図。
【図8】図7に示すコネクタの第2のコンタクトが窪み部の凹所に嵌った状態を示した断面図。
【図9】第1の実施形態の変形例に係るポータブルコンピュータのフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【図10】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータのフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【図11】図10に示すコネクタに対してフレキシブルプリント配線板を差し込む途中の状態を示した断面図。
【図12】第3の実施形態に係るポータブルコンピュータのフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【図13】図12に示すフレキシブルプリント配線板の斜視図。
【図14】図13に示すフレキシブルプリント配線板の下面図。
【図15】図14に示すフレキシブルプリント配線板のF15−F15線に沿った断面図。
【図16】第4の実施形態に係るポータブルコンピュータのフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図1から図8を参照して、電子機器の第1の実施形態について説明する。本明細書において、手前側(即ちユーザ側)を前方向F、ユーザから見て奥側を後方向R、ユーザから見て左側を左方向、ユーザから見て右側を右方向、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。
【0012】
図1に示すように、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、表示ユニット13と、本体ユニット12と表示ユニット13との間に設けられるヒンジ部14と、を備えている。ヒンジ部14は、表示ユニット13を回転可能に支持している。
【0013】
図1に示すように、表示ユニット13は、ディスプレイの一例である液晶ディスプレイ15と、液晶ディスプレイ15の周囲を取り囲む合成樹脂製のカバー16と、を有している。
【0014】
図1と図2に示すように、本体ユニット12は、その外殻をなしたケース17と、ケース17の上面に取り付けられたキーボード18およびタッチパッド19と、ケース17の内部に収容されたプリント回路板22と、プリント回路板22とは独立に設けられたフレキシブルプリント配線板23と、プリント回路板22とフレキシブルプリント配線板23とを電気的に接続するコネクタ24と、を有している。
【0015】
プリント回路板22は、プリント配線板25と、プリント配線板25上に実装される回路部品と、を有している。プリント回路板22上に、コネクタ24が実装されている。
【0016】
フレキシブルプリント配線板23は、基板本体26と、基板本体26を補強するための補強板(補強部材)27と、を有している。基板本体26と補強板27との間には、接着剤が介在されている。基板本体26は、第1の面26Aと、第1の面26Aとは反対側の第2の面26Bと、コネクタ24に取り付けられる先端部26Cと、を有している。基板本体26の第1の面26Aに、導体31が設けられる。導体31の一例として、本実施形態では銅箔が用いられる。
【0017】
コネクタ24は、基板本体26の先端部の四周を取り囲んだハウジング32と、基板本体26の導体31に突き当たる接触子である第1のコンタクト33と、フレキシブルプリント配線板23の補強板27に突き当たる接触子である第2のコンタクト34と、を有している。第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、それぞれ先端部の近傍で弓状に折れ曲がった板ばね状に形成されている。第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、フレキシブルプリント配線板23の挿入方向Dとは交差する方向に突出した突出部の一例である。第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、プリント回路板22に電気的に接続されている。
【0018】
第1のコンタクト33と第2のコンタクト34は、例えば、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに同一の位置に配置されている。コネクタ24は、いわゆる上下両接点コネクタである。このため、本実施形態では、第1のコンタクト33が導体31に接触し、第2のコンタクト34が補強板27に接触するようにしているが、これとは逆に、第1のコンタクト33が補強板27に接触し、第2のコンタクト34が導体31に接触するようにしてもよい。
【0019】
図3から図5に示すように、補強板27は、例えば、ポリイミドないしPET(polyethylene terephthalate)によって方形の厚板状に形成されている。補強板27は、基板本体26の第2の面26Bに取り付けられている。補強板27は、基板本体26に対向する一方の面27Aと、一方の面27Aとは反対側の他方の面27Bと、他方の面27Bに設けられるとともに第2のコンタクト34が嵌め入れられる窪み部35と、を有している。補強板27は、さらに、基板本体26の先端部26Cに対応する位置に設けられる端面36を有している。補強板(補強部材)27は、さらに、端部28と、端部よりも大きい肉厚を有した補強部29と、を有する。
【0020】
窪み部35は、端面36に向けて拡開した窪み部本体41と、窪み部本体41と連通するように端面36に設けられた開口部42と、開口部42とは反対側の端部に設けられる凹所43と、窪み部本体41、開口部42、凹所43をそれぞれ規定する壁部50と、を有している。窪み部35の窪み部本体41は、端面36に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなっており、その底部41Aが斜めになったテーパ面となっている。壁部50は、端部28と補強部29とに亘って、フレキシブルプリント配線板23の挿入方向Dに沿うように起立している。
【0021】
凹所43は、補強部29に設けられており、窪み部本体41よりも深さ寸法が大きくなっている。凹所43に対して、第2のコンタクト34が内側に嵌め入れられる。凹所43は、第2のコンタクト34の凸部51Aと相補的な形状をなすように、ドーム状に窪んでいる。窪み部35の窪み部本体41、開口部42、凹所43は、補強板27に対するレーザ加工によって形成される。窪み部本体41および凹所43の深さは、レーザのエネルギー量およびショット数を操作することによって調整される。これによって、例えば公差±30μmの高い精度で窪み部が加工される。なお近年、フレキシブルプリント配線板23の高密度化およびコネクタ24のコンタクトの数の増加に対して、フレキシブルプリント配線板23とコネクタ24との位置合わせの精度が重要になってきている。本実施形態のフレキシブルプリント配線板23では、窪み部35の加工にレーザを用いることで、窪み部35を高精度に形成し、フレキシブルプリント配線板23の高密度化にも円滑に対応することができる。
【0022】
続いて、図6から図8を参照して、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に固定する際の動作について説明する。コネクタ24は、予めプリント回路板22に固定されている。
【0023】
図6に示すように、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト34の先端部26Cが窪み部の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、図7に示すように第2のコンタクト34の凸部が窪み部35の底部41Aに当接する。そして、さらにフレキシブルプリント配線板23の先端部をコネクタ24に近づく方向に前進させると、第2のコンタクト34は窪み部35の底部41Aの斜面に沿って、下方に押下げられてガイドされる。そして、底部41Aのうち、最も深さが浅くなったピーク部44を第2のコンタクト34が過ぎると、図8に示すように、第2のコンタクト34が凹所43の内側に嵌り込む。これによって、コネクタ24に対してフレキシブルプリント配線板23が勝手に外れることがない、いわゆるロック状態になる。これによって、コネクタ24に対するフレキシブルプリント配線板23の固定が終了する。
【0024】
第1の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、コネクタ24と、導体31が設けられる第1の面26Aと、第1の面26Aとは反対側の第2の面26Bと、コネクタ24に取り付けられる先端部26Cと、を有する基板本体26と、基板本体26を補強するように先端部26Cの第2の面26Bに取付けられる補強板27と、を有するフレキシブルプリント配線板23と、コネクタ24に設けられるとともに、フレキシブルプリント配線板23に接触する突出部と、を具備し、補強板27は、突出部が嵌め入れられるとともに、先端部26Cに対応する補強板27の端面36に向けて拡開した窪み部本体41と、窪み部本体41と連通するように端面36に設けられた開口部42と、これらを規定する壁部50と、を有する窪み部35を基板本体26に対向する面とは反対側の面に有する。
【0025】
この構成によれば、突出部が嵌め入れられる窪み部35を補強板27に設けているため、十分な強度でフレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に対して位置決めすることができる。また、一定の強度を有する補強板27に対して窪み部35を形成しているため、加工性を良好にして製品の歩留りを向上できる。さらに、窪み部本体41は、端面36に向けて拡開しているため、例えば、フレキシブルプリント配線板23が補強板27と沿った方向に位置ずれしている場合などに、コネクタ24に対してフレキシブルプリント配線板23を正しい位置に誘導することができる。これによって、フレキシブルプリント配線板23のコネクタ24への固定を円滑に行うことができる。
【0026】
この場合、窪み部35は、端面36に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなる。この構成によれば、補強板27の延びている方向と沿った方向だけでなく、補強板27の厚み方向に沿った方向にもフレキシブルプリント配線板23をガイドすることができる。これによって、第2のコンタクト34に対してフレキシブルプリント配線板23が補強板27の厚み方向に位置ずれしている場合にも、フレキシブルプリント配線板23を正しい位置に誘導して、フレキシブルプリント配線板23の取付け作業を円滑に行うことができる。また、補強板27は一定の厚みを有しているので、シート状のカバーレイに加工する場合に比して、端面36に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなるような窪み部35の加工も容易である。
【0027】
このとき、窪み部35は、凹所43を有し、この凹所43は、窪み部35のうち開口部42とは反対側の端部に設けられるとともに、窪み部本体41よりも深さ寸法が大きくなっている。この構成によれば、凹所43において第2のコンタクト34をロックすることができるため、作業者が意図しないときにフレキシブルプリント配線板23がコネクタ24から外れてしまうことを防止することができる。また、フレキシブルプリント配線板23を最もコネクタ24の奥部に差し込んで第2のコンタクト34が凹所43に落ち込む際に、作業者に手ごたえ(クリック感)が得られるため、フレキシブルプリント配線板23が正しくコネクタ24に挿入されたことを作業者が確認することができる。これによって、コネクタ24に対してフレキシブルプリント配線板23を差し込みすぎてしまったり、コネクタ24に対するフレキシブルプリント配線板23の差し込み量が少なかったりする事態の発生を防止して、フレキシブルプリント配線板23の取付けをより一層円滑に行うことができる。
【0028】
この場合、突出部は、導体31に接触する第1のコンタクト33と、補強板27に接触する第2のコンタクト34と、を含み、第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、それぞれ板ばね状をなしている。この構成によれば、第1のコンタクト33および第2のコンタクト34に可撓性を持たせることができるため、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に差し込む際の抵抗を低減して、フレキシブルプリント配線板23の取り付けをより一層円滑に行うことができる。
【0029】
また、コネクタ24は、両接点コネクタである。このため、フレキシブルプリント配線板23の表裏を気にすることなく、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に接続することができる。これによって、電子機器の内部においてフレキシブルプリント配線板23およびコネクタ24のレイアウトの自由度を向上することができる。また、既存の両接点コネクタを用いる場合には、新たにコネクタを設計する必要がないため、製造コストを削減することができる。
【0030】
続いて、図9を参照して、第1の実施形態の変形例について説明する。この変形例では、フレキシブルプリント配線板23の構造は第1の実施形態と同様であるが、コネクタ24の第1のコンタクト51および第2のコンタクト52の形状が異なっている。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0031】
この変形例のコネクタ24は、いわゆる上下両接点コネクタである。また、第1のコンタクト51と第2のコンタクト52とは、それぞれ非対称形に形成されている。第1のコンタクト51および第2のコンタクト52は、突出部の一例である。第1のコンタクト51は、先端部の近傍で、導体に向かって凸になった凸部51Aを有している。また、第2のコンタクト52は、先端部の近傍に山型になった山部52Aを有している。また、第1のコンタクト51の凸部51Aと、第2のコンタクト52の山部52Aとは、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。
【0032】
本変形例では、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト52の先端部が窪み部35の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、第2のコンタクト52は窪み部35の底部41Aの斜面に沿って、下方に押下げられてガイドされる。そして、第2のコンタクト52がピーク部44を過ぎると、図9に示すように、第2のコンタクト52の山部52Aが凹所43の内側に嵌り込む。これによって、フレキシブルプリント配線板23がコネクタ24に対してロックされる。
【0033】
本変形例によれば、非対称形のコンタクトを利用する場合であっても、フレキシブルプリント配線板23の固定を円滑に行うことができる。このように、第1のコンタクト51および第2のコンタクト52の形状は、互いに非対称形のものであってもよいし、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれしているものでもよく、様々な形状をとることができる。
【0034】
次に、図10、図11を参照して、電子機器の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62の構成が第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。ポータブルコンピュータ11は、図1に示す第1の実施形態のものと同様の外観を有する。
【0035】
図10に示すように、コネクタ24は、基板本体26の先端部の四周を取り囲んだハウジング32と、基板本体26の導体31に突き当たる第1のコンタクト61と、フレキシブルプリント配線板23の補強板27に突き当たる第2のコンタクト62と、を有している。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、それぞれ固定的に設けられたピンで構成されている。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、突出部の一例である。
【0036】
第1のコンタクト61と第2のコンタクト62とは、例えばフレキシブルプリント配線板23に対する接触圧力を低めに調整する目的で、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、プリント回路板22に電気的に接続されている。
【0037】
コネクタ24は、いわゆる上下両接点コネクタである。このため、本実施形態では、第1のコンタクト61が導体31に接触し、第2のコンタクト62が補強板27に接触するようにしているが、これとは逆に、第1のコンタクト61が補強板27に接触し、第2のコンタクト62が導体31に接触するようにしてもよい。
【0038】
本実施形態では、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト62の先端部が窪み部35の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、第2のコンタクト62は窪み部35の底部41Aの斜面に沿ってガイドされる。なお、本実施形態では、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62が固定的であるため、フレキシブルプリント配線板23を抜き差しする際には、図11に示すように、フレキシブルプリント配線板23は、差し込み方向Dに対して若干斜めになった状態で抜き差しする。
【0039】
そして、第2のコンタクト62がピーク部44を過ぎると、図11に2点鎖線や、図10に示すように、第2のコンタクト62が凹所43の内側に嵌り込む。これによって、フレキシブルプリント配線板23がコネクタ24に対してロックされる。
【0040】
第2の実施形態によれば、突出部は、導体31に接触する第1のコンタクト61と、補強板27に接触する第2のコンタクト62と、を含み、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、それぞれ固定的に設けられたピンであるとともに、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に差し込む際の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。この構成によれば、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62が固定的に設けられるものであっても、補強板27を介してフレキシブルプリント配線板23を正しい位置に誘導することができる。また、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62の接触圧力を適正に調整することができる。
【0041】
次に、図12から図15を参照して、電子機器の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、フレキシブルプリント配線板23の構成が第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。ポータブルコンピュータ11は、図1に示す第1の実施形態のものと同様の外観を有する。
【0042】
図12と図13に示すように、フレキシブルプリント配線板23は、基板本体26と、基板本体26を補強するための補強板27と、を有している。基板本体26は、第1の面26Aと、第1の面26Aとは反対側の第2の面26Bと、コネクタ24に取り付けられる先端部26Cと、を有している。基板本体26の第1の面26Aに、導体31が設けられる。導体31の一例として、本実施形態では銅箔を用いている。
【0043】
補強板27は、例えば、ポリイミドないしPET(polyethylene terephthalate)によって方形の厚板状に形成されている。補強板27は、基板本体26に対向する一方の面27Aと、一方の面27Aとは反対側の他方の面27Bと、他方の面27Bに設けられた窪み部35と、を有している。補強板27は、さらに、基板本体26の先端部26Cに対応する位置に設けられる端面36を有している。
【0044】
図14と図15に示すように、窪み部35は、端面36に向けて拡開した窪み部本体41と、窪み部本体41と連通するように端面36に設けられた開口部42と、開口部42とは反対側の端部に設けられる貫通孔71と、窪み部本体41、開口部42、貫通孔71をそれぞれ規定する壁部50と、を有している。窪み部35の窪み部本体41は、端面36に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなっている。貫通孔71には、第2のコンタクト34が嵌め入れられる。この貫通孔71は、補強板27を厚み方向に貫通している。また、この貫通孔71は、基板本体26をその厚み方向に貫通するように、基板本体26にも連続して形成されている。貫通孔71は、基板本体26および補強板27に対してドリルを用いた切削加工を行って形成される。ドリルを用いた切削加工の場合には、例えば公差±50μmの精度で貫通孔71を形成することができる。
【0045】
また、窪み部の窪み部本体41、開口部42は、補強板27に対するレーザ加工によって形成される。窪み部本体41の深さは、レーザのエネルギー量およびショット数を操作することによって調整される。これによって、例えば公差±30μmの精度で窪み部35が加工される。
【0046】
フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト34の先端部26Cが窪み部35の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、第2のコンタクト34は窪み部35の底部41Aの斜面に沿ってガイドされ、下方に押し下げられる。そして、第2のコンタクト34がピーク部44を過ぎると、図12に示すように、第2のコンタクト34の山部が貫通孔71の内側に嵌り込む。これによって、フレキシブルプリント配線板23がコネクタ24に対してロックされた状態となる。
【0047】
第3の実施形態によれば、窪み部35は、貫通孔71を有し、この貫通孔71は、窪み部35のうち開口部42とは反対側の端部に設けられるとともに、補強板27を厚み方向に貫通している。この構成によれば、貫通孔71において第2のコンタクト34をロックすることができるため、作業者が意図しないときにフレキシブルプリント配線板23がコネクタ24から外れてしまうことを防止することができる。
【0048】
また、フレキシブルプリント配線板23を最もコネクタ24の奥部に差し込んで第2のコンタクト34が貫通孔71内に落ち込む際に、作業者に手ごたえ(クリック感)が得られるため、フレキシブルプリント配線板23が正しくコネクタ24に挿入されたことを作業者が確認することができる。さらに、本実施形態では、第1の実施形態の凹所43に代えて貫通孔71が設けられているため、レーザのエネルギー量およびショット数を微調整して凹所43を形成する必要がなく、ドリル等を用いた切削加工で貫通孔71を簡単に形成することができる。
【0049】
また、第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、それぞれ板ばね状をなしている。このため、第1のコンタクト33および第2のコンタクト34に可撓性を持たせることができ、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に差し込む際の抵抗を低減して、フレキシブルプリント配線板23の取り付けをより一層円滑に行うことができる。
【0050】
コネクタ24は、両接点コネクタである。このため、電子機器の内部においてフレキシブルプリント配線板23およびコネクタ24のレイアウトの自由度を向上することができる。また、既存の両接点コネクタを用いる場合には、新たにコネクタを設計する必要がないため、製造コストを削減することができる。
【0051】
次に、図16を参照して、電子機器の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62の構成が第3の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第3の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。ポータブルコンピュータ11は、図1に示す第1の実施形態のものと同様の外観を有する。
【0052】
図16に示すように、コネクタ24は、基板本体26の先端部の四周を取り囲んだハウジング32と、基板本体26の導体31に突き当たる第1のコンタクト61と、フレキシブルプリント配線板23の補強板27に突き当たる第2のコンタクト62と、を有している。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、それぞれ固定的に設けられたピンで構成されている。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、突出部の一例である。第1のコンタクト61と第2のコンタクト62は、例えば、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。
【0053】
コネクタ24は、いわゆる上下両接点コネクタである。このため、本実施形態では、第1のコンタクト61が導体31に接触し、第2のコンタクト62が補強板27に接触するようにしているが、これとは逆に、第1のコンタクト61が補強板27に接触し、第2のコンタクト62が導体31に接触するようにしてもよい。
【0054】
本実施形態では、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト62の先端部が窪み部35の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、第2のコンタクト62は窪み部35の底部41Aの斜面に沿ってガイドされる。なお、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62が固定的であるため、フレキシブルプリント配線板23を抜き差しする際には、図11に示すものと同様に、フレキシブルプリント配線板23は、差し込み方向Dに対して若干斜めになった状態で抜き差しされる。
【0055】
そして、第2のコンタクト62がピーク部44を過ぎると、図16に示すように、第2のコンタクト62のが貫通孔71の内側に嵌り込む。これによって、フレキシブルプリント配線板23がコネクタ24に対してロックされる。
【0056】
第4の実施形態によれば、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、それぞれ固定的に設けられたピンであるとともに、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に差し込む際の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。この構成によれば、第1のコンタクト33および第2のコンタクト62が固定的に設けられるものであっても、補強板27を介してフレキシブルプリント配線板23を正しい位置に誘導することができる。
【0057】
電子機器は、上記実施形態に示したポータブルコンピュータ11用に限らず、例えば携帯電話機のようなその他の電子機器に対しても実施可能である。上記各実施形態では、窪み部35をレーザ加工によって形成するようにしているが、これに限定されるものではない。窪み部35は、例えばエッチング等の他の手段によっても形成することができる。その他、電子機器は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0058】
11…ポータブルコンピュータ、23…フレキシブルプリント配線板、24…コネクタ、26…基板本体、26A…第1の面、26B…第2の面、26C…先端部、27…補強板、27A…一方の面、27B…他方の面、31…導体、33、51、61…第1のコンタクト、34、52、62…第2のコンタクト、35…窪み部、36…端面、41…窪み部本体、42…開口部、43…凹所、51A…凸部、52A…山部、71…貫通孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに取り付けられるフレキシブルプリント配線板を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導体パターンを保護するためのカバーレイフィルムを備えたフレキシブルプリント配線板が電子機器に用いられている。このようなフレキシブルプリント配線板は、先端部において導体パターンがカバーレイフィルムから露出された露出部と、先端部において導体パターン同士の間を仕切るようにカバーレイフィルムと一体に形成されたダム部と、を有している。このダム部は、先端位置に近づくにしたがって、幅が狭くなるように形成されている。
【0003】
このフレキシブルプリント配線板では、コネクタ挿入時に前記ダム部がコネクタ接片をガイドする効果があり、コネクタ接片のダムへの乗り上げが防止されるとしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−190157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のフレキシブルプリント配線板では、コネクタ挿入処理における厚み方向に対するガイドについて考慮がなされていない。例えば、特許文献1ではコネクタ挿入口の長手方向に対する位置ずれを回避するためにガイドが形成されているが、コネクタ挿入口の長手方向とは交差する方向に対してフレキシブルプリント配線板を所定位置まで導く仕組みがない。従って、コネクタにフレキシブルプリント配線板を差し込む際には、カバーレイフィルムが破損しないように意識する必要があり、利便性に欠ける。
【0006】
本発明の目的は、コネクタ挿入に関する利便性を向上させた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、コネクタと、導体が設けられる第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、前記コネクタに取り付けられる先端部と、を有する基板本体と、前記基板本体を補強するように前記先端部の前記第2の面に取付けられる補強板と、を有するフレキシブルプリント配線板と、前記コネクタに設けられるとともに、前記フレキシブルプリント配線板に接触する突出部と、を具備し、前記補強板は、前記突出部が嵌め入れられるとともに、前記先端部に対応する前記補強板の端面に向けて拡開した窪み部本体と、前記窪み部本体と連通するように前記端面に設けられた開口部と、これらを規定する壁部と、を有する窪み部を前記基板本体に対向する面とは反対側の面に有する。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係るフレキシブルプリント配線板は、導体が設けられる第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、先端部と、を有する基板本体と、前記基板本体を補強するように前記先端部の前記第2の面に取付けられる補強板と、を具備し、前記補強板は、前記先端部に対応する前記補強板の端面に近づくにつれて拡開した窪み部本体と、前記窪み部本体と連通するように前記端面に設けられた開口部と、これらを規定する壁部と、を有する窪み部を、前記基板本体に対向する面とは反対側の面に有する。
【発明の効果】
【0009】
上記の構成によれば、コネクタ挿入に関する利便性を向上させた電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを示す斜視図。
【図2】図1に示すポータブルコンピュータの本体ユニットのケースの内部に収容されるフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【図3】図2に示すフレキシブルプリント配線板の斜視図。
【図4】図3に示すフレキシブルプリント配線板の下面図。
【図5】図4に示すフレキシブルプリント配線板のF5−F5線に沿った断面図。
【図6】図5に示すフレキシブルプリント配線板の先端部をコネクタに対して差し込んだ状態を示した断面図。
【図7】図6に示すコネクタの第2のコンタクトが窪み部の底部に当接した状態を示した断面図。
【図8】図7に示すコネクタの第2のコンタクトが窪み部の凹所に嵌った状態を示した断面図。
【図9】第1の実施形態の変形例に係るポータブルコンピュータのフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【図10】第2の実施形態に係るポータブルコンピュータのフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【図11】図10に示すコネクタに対してフレキシブルプリント配線板を差し込む途中の状態を示した断面図。
【図12】第3の実施形態に係るポータブルコンピュータのフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【図13】図12に示すフレキシブルプリント配線板の斜視図。
【図14】図13に示すフレキシブルプリント配線板の下面図。
【図15】図14に示すフレキシブルプリント配線板のF15−F15線に沿った断面図。
【図16】第4の実施形態に係るポータブルコンピュータのフレキシブルプリント配線板およびコネクタの縦方向に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図1から図8を参照して、電子機器の第1の実施形態について説明する。本明細書において、手前側(即ちユーザ側)を前方向F、ユーザから見て奥側を後方向R、ユーザから見て左側を左方向、ユーザから見て右側を右方向、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。
【0012】
図1に示すように、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、表示ユニット13と、本体ユニット12と表示ユニット13との間に設けられるヒンジ部14と、を備えている。ヒンジ部14は、表示ユニット13を回転可能に支持している。
【0013】
図1に示すように、表示ユニット13は、ディスプレイの一例である液晶ディスプレイ15と、液晶ディスプレイ15の周囲を取り囲む合成樹脂製のカバー16と、を有している。
【0014】
図1と図2に示すように、本体ユニット12は、その外殻をなしたケース17と、ケース17の上面に取り付けられたキーボード18およびタッチパッド19と、ケース17の内部に収容されたプリント回路板22と、プリント回路板22とは独立に設けられたフレキシブルプリント配線板23と、プリント回路板22とフレキシブルプリント配線板23とを電気的に接続するコネクタ24と、を有している。
【0015】
プリント回路板22は、プリント配線板25と、プリント配線板25上に実装される回路部品と、を有している。プリント回路板22上に、コネクタ24が実装されている。
【0016】
フレキシブルプリント配線板23は、基板本体26と、基板本体26を補強するための補強板(補強部材)27と、を有している。基板本体26と補強板27との間には、接着剤が介在されている。基板本体26は、第1の面26Aと、第1の面26Aとは反対側の第2の面26Bと、コネクタ24に取り付けられる先端部26Cと、を有している。基板本体26の第1の面26Aに、導体31が設けられる。導体31の一例として、本実施形態では銅箔が用いられる。
【0017】
コネクタ24は、基板本体26の先端部の四周を取り囲んだハウジング32と、基板本体26の導体31に突き当たる接触子である第1のコンタクト33と、フレキシブルプリント配線板23の補強板27に突き当たる接触子である第2のコンタクト34と、を有している。第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、それぞれ先端部の近傍で弓状に折れ曲がった板ばね状に形成されている。第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、フレキシブルプリント配線板23の挿入方向Dとは交差する方向に突出した突出部の一例である。第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、プリント回路板22に電気的に接続されている。
【0018】
第1のコンタクト33と第2のコンタクト34は、例えば、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに同一の位置に配置されている。コネクタ24は、いわゆる上下両接点コネクタである。このため、本実施形態では、第1のコンタクト33が導体31に接触し、第2のコンタクト34が補強板27に接触するようにしているが、これとは逆に、第1のコンタクト33が補強板27に接触し、第2のコンタクト34が導体31に接触するようにしてもよい。
【0019】
図3から図5に示すように、補強板27は、例えば、ポリイミドないしPET(polyethylene terephthalate)によって方形の厚板状に形成されている。補強板27は、基板本体26の第2の面26Bに取り付けられている。補強板27は、基板本体26に対向する一方の面27Aと、一方の面27Aとは反対側の他方の面27Bと、他方の面27Bに設けられるとともに第2のコンタクト34が嵌め入れられる窪み部35と、を有している。補強板27は、さらに、基板本体26の先端部26Cに対応する位置に設けられる端面36を有している。補強板(補強部材)27は、さらに、端部28と、端部よりも大きい肉厚を有した補強部29と、を有する。
【0020】
窪み部35は、端面36に向けて拡開した窪み部本体41と、窪み部本体41と連通するように端面36に設けられた開口部42と、開口部42とは反対側の端部に設けられる凹所43と、窪み部本体41、開口部42、凹所43をそれぞれ規定する壁部50と、を有している。窪み部35の窪み部本体41は、端面36に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなっており、その底部41Aが斜めになったテーパ面となっている。壁部50は、端部28と補強部29とに亘って、フレキシブルプリント配線板23の挿入方向Dに沿うように起立している。
【0021】
凹所43は、補強部29に設けられており、窪み部本体41よりも深さ寸法が大きくなっている。凹所43に対して、第2のコンタクト34が内側に嵌め入れられる。凹所43は、第2のコンタクト34の凸部51Aと相補的な形状をなすように、ドーム状に窪んでいる。窪み部35の窪み部本体41、開口部42、凹所43は、補強板27に対するレーザ加工によって形成される。窪み部本体41および凹所43の深さは、レーザのエネルギー量およびショット数を操作することによって調整される。これによって、例えば公差±30μmの高い精度で窪み部が加工される。なお近年、フレキシブルプリント配線板23の高密度化およびコネクタ24のコンタクトの数の増加に対して、フレキシブルプリント配線板23とコネクタ24との位置合わせの精度が重要になってきている。本実施形態のフレキシブルプリント配線板23では、窪み部35の加工にレーザを用いることで、窪み部35を高精度に形成し、フレキシブルプリント配線板23の高密度化にも円滑に対応することができる。
【0022】
続いて、図6から図8を参照して、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に固定する際の動作について説明する。コネクタ24は、予めプリント回路板22に固定されている。
【0023】
図6に示すように、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト34の先端部26Cが窪み部の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、図7に示すように第2のコンタクト34の凸部が窪み部35の底部41Aに当接する。そして、さらにフレキシブルプリント配線板23の先端部をコネクタ24に近づく方向に前進させると、第2のコンタクト34は窪み部35の底部41Aの斜面に沿って、下方に押下げられてガイドされる。そして、底部41Aのうち、最も深さが浅くなったピーク部44を第2のコンタクト34が過ぎると、図8に示すように、第2のコンタクト34が凹所43の内側に嵌り込む。これによって、コネクタ24に対してフレキシブルプリント配線板23が勝手に外れることがない、いわゆるロック状態になる。これによって、コネクタ24に対するフレキシブルプリント配線板23の固定が終了する。
【0024】
第1の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、コネクタ24と、導体31が設けられる第1の面26Aと、第1の面26Aとは反対側の第2の面26Bと、コネクタ24に取り付けられる先端部26Cと、を有する基板本体26と、基板本体26を補強するように先端部26Cの第2の面26Bに取付けられる補強板27と、を有するフレキシブルプリント配線板23と、コネクタ24に設けられるとともに、フレキシブルプリント配線板23に接触する突出部と、を具備し、補強板27は、突出部が嵌め入れられるとともに、先端部26Cに対応する補強板27の端面36に向けて拡開した窪み部本体41と、窪み部本体41と連通するように端面36に設けられた開口部42と、これらを規定する壁部50と、を有する窪み部35を基板本体26に対向する面とは反対側の面に有する。
【0025】
この構成によれば、突出部が嵌め入れられる窪み部35を補強板27に設けているため、十分な強度でフレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に対して位置決めすることができる。また、一定の強度を有する補強板27に対して窪み部35を形成しているため、加工性を良好にして製品の歩留りを向上できる。さらに、窪み部本体41は、端面36に向けて拡開しているため、例えば、フレキシブルプリント配線板23が補強板27と沿った方向に位置ずれしている場合などに、コネクタ24に対してフレキシブルプリント配線板23を正しい位置に誘導することができる。これによって、フレキシブルプリント配線板23のコネクタ24への固定を円滑に行うことができる。
【0026】
この場合、窪み部35は、端面36に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなる。この構成によれば、補強板27の延びている方向と沿った方向だけでなく、補強板27の厚み方向に沿った方向にもフレキシブルプリント配線板23をガイドすることができる。これによって、第2のコンタクト34に対してフレキシブルプリント配線板23が補強板27の厚み方向に位置ずれしている場合にも、フレキシブルプリント配線板23を正しい位置に誘導して、フレキシブルプリント配線板23の取付け作業を円滑に行うことができる。また、補強板27は一定の厚みを有しているので、シート状のカバーレイに加工する場合に比して、端面36に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなるような窪み部35の加工も容易である。
【0027】
このとき、窪み部35は、凹所43を有し、この凹所43は、窪み部35のうち開口部42とは反対側の端部に設けられるとともに、窪み部本体41よりも深さ寸法が大きくなっている。この構成によれば、凹所43において第2のコンタクト34をロックすることができるため、作業者が意図しないときにフレキシブルプリント配線板23がコネクタ24から外れてしまうことを防止することができる。また、フレキシブルプリント配線板23を最もコネクタ24の奥部に差し込んで第2のコンタクト34が凹所43に落ち込む際に、作業者に手ごたえ(クリック感)が得られるため、フレキシブルプリント配線板23が正しくコネクタ24に挿入されたことを作業者が確認することができる。これによって、コネクタ24に対してフレキシブルプリント配線板23を差し込みすぎてしまったり、コネクタ24に対するフレキシブルプリント配線板23の差し込み量が少なかったりする事態の発生を防止して、フレキシブルプリント配線板23の取付けをより一層円滑に行うことができる。
【0028】
この場合、突出部は、導体31に接触する第1のコンタクト33と、補強板27に接触する第2のコンタクト34と、を含み、第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、それぞれ板ばね状をなしている。この構成によれば、第1のコンタクト33および第2のコンタクト34に可撓性を持たせることができるため、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に差し込む際の抵抗を低減して、フレキシブルプリント配線板23の取り付けをより一層円滑に行うことができる。
【0029】
また、コネクタ24は、両接点コネクタである。このため、フレキシブルプリント配線板23の表裏を気にすることなく、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に接続することができる。これによって、電子機器の内部においてフレキシブルプリント配線板23およびコネクタ24のレイアウトの自由度を向上することができる。また、既存の両接点コネクタを用いる場合には、新たにコネクタを設計する必要がないため、製造コストを削減することができる。
【0030】
続いて、図9を参照して、第1の実施形態の変形例について説明する。この変形例では、フレキシブルプリント配線板23の構造は第1の実施形態と同様であるが、コネクタ24の第1のコンタクト51および第2のコンタクト52の形状が異なっている。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。
【0031】
この変形例のコネクタ24は、いわゆる上下両接点コネクタである。また、第1のコンタクト51と第2のコンタクト52とは、それぞれ非対称形に形成されている。第1のコンタクト51および第2のコンタクト52は、突出部の一例である。第1のコンタクト51は、先端部の近傍で、導体に向かって凸になった凸部51Aを有している。また、第2のコンタクト52は、先端部の近傍に山型になった山部52Aを有している。また、第1のコンタクト51の凸部51Aと、第2のコンタクト52の山部52Aとは、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。
【0032】
本変形例では、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト52の先端部が窪み部35の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、第2のコンタクト52は窪み部35の底部41Aの斜面に沿って、下方に押下げられてガイドされる。そして、第2のコンタクト52がピーク部44を過ぎると、図9に示すように、第2のコンタクト52の山部52Aが凹所43の内側に嵌り込む。これによって、フレキシブルプリント配線板23がコネクタ24に対してロックされる。
【0033】
本変形例によれば、非対称形のコンタクトを利用する場合であっても、フレキシブルプリント配線板23の固定を円滑に行うことができる。このように、第1のコンタクト51および第2のコンタクト52の形状は、互いに非対称形のものであってもよいし、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれしているものでもよく、様々な形状をとることができる。
【0034】
次に、図10、図11を参照して、電子機器の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62の構成が第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。ポータブルコンピュータ11は、図1に示す第1の実施形態のものと同様の外観を有する。
【0035】
図10に示すように、コネクタ24は、基板本体26の先端部の四周を取り囲んだハウジング32と、基板本体26の導体31に突き当たる第1のコンタクト61と、フレキシブルプリント配線板23の補強板27に突き当たる第2のコンタクト62と、を有している。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、それぞれ固定的に設けられたピンで構成されている。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、突出部の一例である。
【0036】
第1のコンタクト61と第2のコンタクト62とは、例えばフレキシブルプリント配線板23に対する接触圧力を低めに調整する目的で、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、プリント回路板22に電気的に接続されている。
【0037】
コネクタ24は、いわゆる上下両接点コネクタである。このため、本実施形態では、第1のコンタクト61が導体31に接触し、第2のコンタクト62が補強板27に接触するようにしているが、これとは逆に、第1のコンタクト61が補強板27に接触し、第2のコンタクト62が導体31に接触するようにしてもよい。
【0038】
本実施形態では、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト62の先端部が窪み部35の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、第2のコンタクト62は窪み部35の底部41Aの斜面に沿ってガイドされる。なお、本実施形態では、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62が固定的であるため、フレキシブルプリント配線板23を抜き差しする際には、図11に示すように、フレキシブルプリント配線板23は、差し込み方向Dに対して若干斜めになった状態で抜き差しする。
【0039】
そして、第2のコンタクト62がピーク部44を過ぎると、図11に2点鎖線や、図10に示すように、第2のコンタクト62が凹所43の内側に嵌り込む。これによって、フレキシブルプリント配線板23がコネクタ24に対してロックされる。
【0040】
第2の実施形態によれば、突出部は、導体31に接触する第1のコンタクト61と、補強板27に接触する第2のコンタクト62と、を含み、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、それぞれ固定的に設けられたピンであるとともに、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に差し込む際の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。この構成によれば、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62が固定的に設けられるものであっても、補強板27を介してフレキシブルプリント配線板23を正しい位置に誘導することができる。また、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62の接触圧力を適正に調整することができる。
【0041】
次に、図12から図15を参照して、電子機器の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、フレキシブルプリント配線板23の構成が第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第1の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。ポータブルコンピュータ11は、図1に示す第1の実施形態のものと同様の外観を有する。
【0042】
図12と図13に示すように、フレキシブルプリント配線板23は、基板本体26と、基板本体26を補強するための補強板27と、を有している。基板本体26は、第1の面26Aと、第1の面26Aとは反対側の第2の面26Bと、コネクタ24に取り付けられる先端部26Cと、を有している。基板本体26の第1の面26Aに、導体31が設けられる。導体31の一例として、本実施形態では銅箔を用いている。
【0043】
補強板27は、例えば、ポリイミドないしPET(polyethylene terephthalate)によって方形の厚板状に形成されている。補強板27は、基板本体26に対向する一方の面27Aと、一方の面27Aとは反対側の他方の面27Bと、他方の面27Bに設けられた窪み部35と、を有している。補強板27は、さらに、基板本体26の先端部26Cに対応する位置に設けられる端面36を有している。
【0044】
図14と図15に示すように、窪み部35は、端面36に向けて拡開した窪み部本体41と、窪み部本体41と連通するように端面36に設けられた開口部42と、開口部42とは反対側の端部に設けられる貫通孔71と、窪み部本体41、開口部42、貫通孔71をそれぞれ規定する壁部50と、を有している。窪み部35の窪み部本体41は、端面36に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなっている。貫通孔71には、第2のコンタクト34が嵌め入れられる。この貫通孔71は、補強板27を厚み方向に貫通している。また、この貫通孔71は、基板本体26をその厚み方向に貫通するように、基板本体26にも連続して形成されている。貫通孔71は、基板本体26および補強板27に対してドリルを用いた切削加工を行って形成される。ドリルを用いた切削加工の場合には、例えば公差±50μmの精度で貫通孔71を形成することができる。
【0045】
また、窪み部の窪み部本体41、開口部42は、補強板27に対するレーザ加工によって形成される。窪み部本体41の深さは、レーザのエネルギー量およびショット数を操作することによって調整される。これによって、例えば公差±30μmの精度で窪み部35が加工される。
【0046】
フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト34の先端部26Cが窪み部35の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、第2のコンタクト34は窪み部35の底部41Aの斜面に沿ってガイドされ、下方に押し下げられる。そして、第2のコンタクト34がピーク部44を過ぎると、図12に示すように、第2のコンタクト34の山部が貫通孔71の内側に嵌り込む。これによって、フレキシブルプリント配線板23がコネクタ24に対してロックされた状態となる。
【0047】
第3の実施形態によれば、窪み部35は、貫通孔71を有し、この貫通孔71は、窪み部35のうち開口部42とは反対側の端部に設けられるとともに、補強板27を厚み方向に貫通している。この構成によれば、貫通孔71において第2のコンタクト34をロックすることができるため、作業者が意図しないときにフレキシブルプリント配線板23がコネクタ24から外れてしまうことを防止することができる。
【0048】
また、フレキシブルプリント配線板23を最もコネクタ24の奥部に差し込んで第2のコンタクト34が貫通孔71内に落ち込む際に、作業者に手ごたえ(クリック感)が得られるため、フレキシブルプリント配線板23が正しくコネクタ24に挿入されたことを作業者が確認することができる。さらに、本実施形態では、第1の実施形態の凹所43に代えて貫通孔71が設けられているため、レーザのエネルギー量およびショット数を微調整して凹所43を形成する必要がなく、ドリル等を用いた切削加工で貫通孔71を簡単に形成することができる。
【0049】
また、第1のコンタクト33および第2のコンタクト34は、それぞれ板ばね状をなしている。このため、第1のコンタクト33および第2のコンタクト34に可撓性を持たせることができ、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に差し込む際の抵抗を低減して、フレキシブルプリント配線板23の取り付けをより一層円滑に行うことができる。
【0050】
コネクタ24は、両接点コネクタである。このため、電子機器の内部においてフレキシブルプリント配線板23およびコネクタ24のレイアウトの自由度を向上することができる。また、既存の両接点コネクタを用いる場合には、新たにコネクタを設計する必要がないため、製造コストを削減することができる。
【0051】
次に、図16を参照して、電子機器の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62の構成が第3の実施形態のものと異なっているが、他の部分は第3の実施形態と共通している。このため、主として異なる部分について説明し、共通する部分については共通の符号を付して説明を省略する。ポータブルコンピュータ11は、図1に示す第1の実施形態のものと同様の外観を有する。
【0052】
図16に示すように、コネクタ24は、基板本体26の先端部の四周を取り囲んだハウジング32と、基板本体26の導体31に突き当たる第1のコンタクト61と、フレキシブルプリント配線板23の補強板27に突き当たる第2のコンタクト62と、を有している。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、それぞれ固定的に設けられたピンで構成されている。第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、突出部の一例である。第1のコンタクト61と第2のコンタクト62は、例えば、フレキシブルプリント配線板23の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。
【0053】
コネクタ24は、いわゆる上下両接点コネクタである。このため、本実施形態では、第1のコンタクト61が導体31に接触し、第2のコンタクト62が補強板27に接触するようにしているが、これとは逆に、第1のコンタクト61が補強板27に接触し、第2のコンタクト62が導体31に接触するようにしてもよい。
【0054】
本実施形態では、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して差し込むと、第2のコンタクト62の先端部が窪み部35の開口部42の内側に入る。さらに、フレキシブルプリント配線板23の先端部26Cをコネクタ24に対して前進させると、第2のコンタクト62は窪み部35の底部41Aの斜面に沿ってガイドされる。なお、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62が固定的であるため、フレキシブルプリント配線板23を抜き差しする際には、図11に示すものと同様に、フレキシブルプリント配線板23は、差し込み方向Dに対して若干斜めになった状態で抜き差しされる。
【0055】
そして、第2のコンタクト62がピーク部44を過ぎると、図16に示すように、第2のコンタクト62のが貫通孔71の内側に嵌り込む。これによって、フレキシブルプリント配線板23がコネクタ24に対してロックされる。
【0056】
第4の実施形態によれば、第1のコンタクト61および第2のコンタクト62は、それぞれ固定的に設けられたピンであるとともに、フレキシブルプリント配線板23をコネクタ24に差し込む際の差し込み方向Dにおいて互いに位置ずれして配置されている。この構成によれば、第1のコンタクト33および第2のコンタクト62が固定的に設けられるものであっても、補強板27を介してフレキシブルプリント配線板23を正しい位置に誘導することができる。
【0057】
電子機器は、上記実施形態に示したポータブルコンピュータ11用に限らず、例えば携帯電話機のようなその他の電子機器に対しても実施可能である。上記各実施形態では、窪み部35をレーザ加工によって形成するようにしているが、これに限定されるものではない。窪み部35は、例えばエッチング等の他の手段によっても形成することができる。その他、電子機器は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0058】
11…ポータブルコンピュータ、23…フレキシブルプリント配線板、24…コネクタ、26…基板本体、26A…第1の面、26B…第2の面、26C…先端部、27…補強板、27A…一方の面、27B…他方の面、31…導体、33、51、61…第1のコンタクト、34、52、62…第2のコンタクト、35…窪み部、36…端面、41…窪み部本体、42…開口部、43…凹所、51A…凸部、52A…山部、71…貫通孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタと、
導体が設けられる第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、前記コネクタに取り付けられる先端部と、を有する基板本体と、前記基板本体を補強するように前記先端部の前記第2の面に取付けられる補強板と、を有するフレキシブルプリント配線板と、
前記コネクタに設けられるとともに、前記フレキシブルプリント配線板に接触する突出部と、
を具備し、
前記補強板は、前記突出部が嵌め入れられるとともに、前記先端部に対応する前記補強板の端面に向けて拡開した窪み部本体と、前記窪み部本体と連通するように前記端面に設けられた開口部と、これらを規定する壁部と、を有する窪み部を前記基板本体に対向する面とは反対側の面に有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記窪み部は、前記端面に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記窪み部は、凹所を有し、この凹所は、前記補強板の窪み部のうち前記開口部とは反対側の端部に設けられるとともに、前記窪み部本体よりも深さ寸法が大きくなったことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記窪み部は、貫通孔を有し、この貫通孔は、前記窪み部のうち前記開口部とは反対側の端部に設けられるとともに、前記補強板を厚み方向に貫通したことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記突出部は、前記導体に接触する第1のコンタクトと、前記補強板に接触する第2のコンタクトと、を含み、
前記第1のコンタクトおよび前記第2のコンタクトは、それぞれ板ばね状をなしたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記コネクタは、両接点コネクタであることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記突出部は、前記導体に接触する第1のコンタクトと、前記補強板に接触する第2のコンタクトと、を含み、
前記第1のコンタクトおよび前記第2のコンタクトは、それぞれ固定的に設けられたピンであるとともに、前記フレキシブルプリント配線板を前記コネクタに差し込む際の差し込み方向において互いに位置ずれして配置されたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
導体が設けられる第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、先端部と、を有する基板本体と、
前記基板本体を補強するように前記先端部の前記第2の面に取付けられる補強板と、
を具備し、
前記補強板は、前記先端部に対応する前記補強板の端面に近づくにつれて拡開した窪み部本体と、前記窪み部本体と連通するように前記端面に設けられた開口部と、これらを規定する壁部と、を有する窪み部を、前記基板本体に対向する面とは反対側の面に有することを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項9】
前記窪み部は、前記端面に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項10】
前記窪み部は、凹所を有し、この凹所は、前記窪み部のうち前記開口部とは反対側の端部に設けられるとともに、前記窪み部本体よりも深さ寸法が大きくなったことを特徴とする請求項9に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項11】
前記窪み部は、貫通孔を有し、この貫通孔は、前記窪み部のうち前記開口部とは反対側の端部に設けられるとともに、前記補強板を厚み方向に貫通したことを特徴とする請求項9に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項12】
コネクタと、
前記コネクタに挿入された先端部を有するフレキシブルプリント配線板と、
前記コネクタに設けられ、前記フレキシブルプリント配線板の挿入方向とは交差する方向に突出した突出部と、
前記フレキシブルプリント配線板の1つの面に設けられて前記先端部を補強し、端部と、この端部より大きい肉厚を有した補強部と、この補強部に設けられて前記突出部の少なくとも一部を収容する凹所とを備えた補強部材と、
前記補強部材の端部と補強部とに亘って起立し、前記フレキシブルプリント配線板の挿入方向に沿って前記補強部材の端部と前記補強部材の凹所との間で前記突出部をガイドする壁部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項1】
コネクタと、
導体が設けられる第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、前記コネクタに取り付けられる先端部と、を有する基板本体と、前記基板本体を補強するように前記先端部の前記第2の面に取付けられる補強板と、を有するフレキシブルプリント配線板と、
前記コネクタに設けられるとともに、前記フレキシブルプリント配線板に接触する突出部と、
を具備し、
前記補強板は、前記突出部が嵌め入れられるとともに、前記先端部に対応する前記補強板の端面に向けて拡開した窪み部本体と、前記窪み部本体と連通するように前記端面に設けられた開口部と、これらを規定する壁部と、を有する窪み部を前記基板本体に対向する面とは反対側の面に有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記窪み部は、前記端面に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記窪み部は、凹所を有し、この凹所は、前記補強板の窪み部のうち前記開口部とは反対側の端部に設けられるとともに、前記窪み部本体よりも深さ寸法が大きくなったことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記窪み部は、貫通孔を有し、この貫通孔は、前記窪み部のうち前記開口部とは反対側の端部に設けられるとともに、前記補強板を厚み方向に貫通したことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記突出部は、前記導体に接触する第1のコンタクトと、前記補強板に接触する第2のコンタクトと、を含み、
前記第1のコンタクトおよび前記第2のコンタクトは、それぞれ板ばね状をなしたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記コネクタは、両接点コネクタであることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記突出部は、前記導体に接触する第1のコンタクトと、前記補強板に接触する第2のコンタクトと、を含み、
前記第1のコンタクトおよび前記第2のコンタクトは、それぞれ固定的に設けられたピンであるとともに、前記フレキシブルプリント配線板を前記コネクタに差し込む際の差し込み方向において互いに位置ずれして配置されたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電子機器。
【請求項8】
導体が設けられる第1の面と、前記第1の面とは反対側の第2の面と、先端部と、を有する基板本体と、
前記基板本体を補強するように前記先端部の前記第2の面に取付けられる補強板と、
を具備し、
前記補強板は、前記先端部に対応する前記補強板の端面に近づくにつれて拡開した窪み部本体と、前記窪み部本体と連通するように前記端面に設けられた開口部と、これらを規定する壁部と、を有する窪み部を、前記基板本体に対向する面とは反対側の面に有することを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項9】
前記窪み部は、前記端面に近づくにつれてその深さ寸法が大きくなることを特徴とする請求項8に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項10】
前記窪み部は、凹所を有し、この凹所は、前記窪み部のうち前記開口部とは反対側の端部に設けられるとともに、前記窪み部本体よりも深さ寸法が大きくなったことを特徴とする請求項9に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項11】
前記窪み部は、貫通孔を有し、この貫通孔は、前記窪み部のうち前記開口部とは反対側の端部に設けられるとともに、前記補強板を厚み方向に貫通したことを特徴とする請求項9に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項12】
コネクタと、
前記コネクタに挿入された先端部を有するフレキシブルプリント配線板と、
前記コネクタに設けられ、前記フレキシブルプリント配線板の挿入方向とは交差する方向に突出した突出部と、
前記フレキシブルプリント配線板の1つの面に設けられて前記先端部を補強し、端部と、この端部より大きい肉厚を有した補強部と、この補強部に設けられて前記突出部の少なくとも一部を収容する凹所とを備えた補強部材と、
前記補強部材の端部と補強部とに亘って起立し、前記フレキシブルプリント配線板の挿入方向に沿って前記補強部材の端部と前記補強部材の凹所との間で前記突出部をガイドする壁部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−277783(P2010−277783A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127890(P2009−127890)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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