説明

電子機器

【課題】利用者の煩雑な操作を伴うことなく、視聴中の放送内容を簡易に保存することができる電子機器を提供する。
【解決手段】放送を受信して出力可能な電子機器において、放送の受信を開始したとき、又は放送内容の出力を開始したとき、放送内容を連続保存する自動保存処理を開始する。自動保存処理の開始からの経過時間が所定の設定時間になったとき、自動保存処理を終了する。放送内容の累積記憶容量が所定の設定容量になったとき、自動保存処理を終了してもよい。所定の設定時間及び設定容量は変更可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビやラジオ等の放送局からの放送を受信可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電子機器として、視聴中のテレビ放送の内容を録画可能なビデオレコーダ、テレビ装置、テレビ受信機能を有する携帯電話機等が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のビデオレコーダ、テレビ装置、携帯電話機等において、視聴中の放送内容を録画するには、放送の視聴を開始した後、その放送内容の録画を開始するという煩雑な操作を行う必要があった。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、利用者の煩雑な操作を伴うことなく、視聴中の放送内容を簡易に保存することができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る電子機器は、放送を受信する放送受信手段と、該放送受信手段で受信した放送内容を出力する出力手段とを備えた電子機器であって、前記放送受信手段で受信した放送内容を記憶可能な記憶手段と、前記放送受信手段による放送の受信を開始したとき、又は前記出力手段による放送内容の出力を開始したとき、該放送内容を前記記憶手段に連続保存する自動保存処理を開始するように制御する制御手段と、を備える。
前記電子機器において、前記制御手段は、前記自動保存処理の開始からの経過時間が所定の設定時間になったとき、前記自動保存処理を終了するように制御し、前記設定時間を変更可能に構成してもよい。
また、前記電子機器において、前記制御手段は、前記自動保存処理の開始から連続保存されている前記記憶手段における前記放送内容の累積記憶容量が所定の設定容量になったとき、前記自動保存処理を終了するように制御し、前記設定容量を変更可能に構成してもよい。
また、前記電子機器において、前記制御手段は、前記記憶手段の空き容量が所定の下限容量よりも少なくなったときに、該記憶手段にすでに記憶されている放送内容をその保存時間が古いほうから削除するように制御してもよい。
また、前記電子機器において、前記記憶手段として、当該電子機器に内蔵された内蔵記憶媒体と、当該電子機器に着脱可能な外部記憶媒体とを備え、前記制御手段は、前記放送内容の保存先として予め設定された前記内蔵記憶媒体及び前記外部記憶媒体のいずれかに前記放送内容を連続保存するように制御し、前記放送内容の保存先を変更可能に構成してもよい。
また、前記電子機器において、前記放送受信手段で受信している放送内容を前記記憶手段に連続保存する手動保存処理の開始を指示可能な操作手段を更に備え、前記制御手段は、前記自動保存処理の実行中に、前記操作手段で前記手動保存処理の開始が指示されたとき、前記自動保存処理を停止し前記手動保存処理を開始するように制御してもよい。
また、前記電子機器において、前記制御手段は、前記手動保存処理を終了した後、該手動保存処理で連続保存された放送内容のファイルと前記自動保存処理で連続保存された放送内容のファイルとが互いに異なる場合に該2つのファイルを結合するように制御してもよい。
また、前記電子機器において、前記制御手段は、前記放送受信手段で受信している放送内容とともに番組の開始ポイントの情報を保存するように制御してもよい。
また、前記電子機器において、前記制御手段は、前記放送受信手段で受信している放送内容を、番組単位ごとに個別のファイルに保存するように制御してもよい。
【0006】
また、前記電子機器において、当該電子機器は、移動体通信ネットワークを介して通信を行う通信手段を備えた移動体通信端末であってもよい。この移動体通信端末としては、各種無線通信方式の携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、自動車電話機等の通話機能を有する電話機が挙げられる。また、この「移動体通信端末」としては、上記電話機のほか、通話機能を有するPDA(Personal Digital Assistance)等の通信端末も挙げられる。
また、前記電子機器において、当該電子機器は、携帯可能な放送受信装置であってもよい。
また、前記電子機器において、前記放送は、地上波デジタル放送やワンセグ放送等のデジタル放送でもよいし、アナログ放送であってもよい。また、前記電子機器において、前記放送は、画像及び音声を含むテレビ放送でもよいし、AMやFMなどのラジオ放送でもよい。
また、前記電子機器において、前記放送が文字情報を含む場合、前記記憶手段に保存する放送内容は該文字情報を含んでもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、放送の受信を開始したとき、又はその放送内容の出力を開始したときに、その放送内容を記憶手段に保存する自動保存処理が開始されるので、利用者の煩雑な操作を伴うことなく、視聴中の放送内容を簡易に保存することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、電子機器(移動体通信端末)としての携帯電話機20の外観の一例を示す正面図であり、図1(b)はその背面図である。また、図2は、その携帯電話機20のハードウェア構成の一例を示す概略構成図である。この携帯電話機20は、各種制御を行う制御装置、入力装置204、出力装置205、携帯電話通信網用通信装置206及びチューナー装置207を備えている。上記制御装置は、システムバス200、CPU201、RAM202、ROM203等を用いて構成されている。
【0009】
図2に示すCPU201やRAM202等の構成要素は、システムバス200を介して、互いに各種データや所定のプログラムの命令等のやり取りを行っている。上記入力装置204は、データ入力キー(テンキー、*キー、#キー)21、通話開始キー22、終話キー23、スクロールキー24、多機能キー25、マイク26などから構成されている。上記出力装置205は、液晶ディスプレイ(LCD)からなる表示部27、通話用スピーカ28、外部出力用スピーカ29、イヤホン30等から構成されている。上記携帯電話通信網用通信装置206は、移動体通信ネットワークとしての携帯電話通信網を介して他の携帯電話機と電話をしたり、携帯電話通信網を介してメールやショートメッセージ等の通信を行ったりするためのものである。上記チューナー装置207は、放送局から送信される電波放送を選局して受信するためのものである。
【0010】
図3は、上記携帯電話機20の主要部を抽出して示したブロック図である。
この携帯電話機20は、電話の通話手段としての電話通信部211、情報送受信手段としてのデータ通信部212、操作手段としての操作部213、主制御部215、放送内容出力手段としての出力部216、放送受信手段としてのチューナー部217、各種情報及びデータの記憶手段としての記憶部218等を備えている。
【0011】
なお、本実施形態では、チューナー部217がテレビのデジタル放送の一種であるワンセグ放送を受信する場合について説明するが、本発明は、チューナー部217がテレビの地上デジタル放送を受信する場合、テレビのアナログ放送を受信する場合、AMやFMのラジオ放送を受信する場合などにも適用できる。
【0012】
また、上記記憶部218はRAM等の内蔵記憶媒体で構成され、携帯電話機としての所定の動作を行うためのプログラムや各種データが記憶されているとともに、チューナー部217が放送受信時に使用するチャネル情報(例えば、チャネルIDや周波数情報)を予め記憶するチャネル情報記憶手段や、チューナー部217で受信した放送内容を記憶する放送内容記憶手段として用いられる。この記憶部218には、上記放送内容(画像及び音声)を記憶する記憶領域として所定の設定容量からなる録画用記憶エリアが設けられている。この設定容量は、ユーザー操作によって変更できるようにしてもよい。また、記憶部218は、上記放送内容を記憶部218に連続保存する自動保存処理としての自動録画処理及び手動保存処理としての手動録画処理を行うときの各種設定情報を保存する設定情報記憶手段としても用いられる。これらの設定情報もユーザー操作によって変更できるようにしてもよい。
【0013】
また、上記記憶部218は、上記内蔵メモリのほか、当該携帯電話機20に着脱可能な外部記憶媒体(例えば、メモリーカード)を備えるように構成してもよい。
【0014】
上記電話通信部211は、他の携帯電話機や固定電話機と電話通信を行うために、携帯電話通信網の基地局と無線通信を行うものであり、上述のハードウェア構成上の携帯電話通信網用通信装置206等に対応する。この電話通信部211で電話の着信信号を受信すると、電話の着信が出力部216によりユーザーに特定の音、表示、振動等で報知される。この電話の着信が報知された場合は、ユーザーは操作部213の通話開始キー22を押すことで通話を行うことができる。
【0015】
上記データ通信部212は、上記電話通信部211と同様に、上述のハードウェア構成上の携帯電話通信網用通信装置206等に対応する。このデータ通信部212は、携帯電話通信網を介して他の携帯電話機とメールのやり取りを行ったり、携帯電話通信網からゲートウェイサーバを介してインターネット等の外部通信ネットワークに接続し、インターネット上での電子メールのやり取りやWEBページの閲覧等を行ったりするためのものである。
【0016】
上記操作部213は、ユーザーが操作可能な上述のテンキー21、通話開始キー22、終話キー23等で構成されている。この操作部213を操作することにより、ユーザーは、電話着信の際に通話の開始及び終了を行ったり、携帯電話機20の各種設定や動作モードを選択したり、受信する放送局を選択したりすることができる。また、上記操作部213を操作することにより、チューナー部217で受信している放送内容を上記記憶部218に連続保存する手動録画処理の開始を指示することもできる。
【0017】
上記主制御部215は、上記電話通信部211、データ通信部212、操作部213、出力部216、チューナー部217及び記憶部218を制御するものであり、上述のシステムバス200、CPU201、RAM202、及び図示しない時計部等で構成されている。この主制御部215は、上記電話通信部211や上記データ通信部212等を制御するための通信制御用プログラムやユーザインターフェースを実行する。
【0018】
また、主制御部215は、各種アプリケーションプログラムを実行可能なアプリケーションプログラム実行手段として機能する。例えば、主制御部215は、上記チューナー部217及び出力部216を制御するための所定のテレビ放送受信プログラムを実行することで、テレビの放送局から送信される放送を視聴することを可能にする。
【0019】
また、上記主制御部215は、上記チューナー部217による放送の受信を開始したとき、又は出力部216による放送内容の出力を開始したとき、放送内容を記憶部218の所定の録画用記憶エリアに連続保存する自動録画処理を開始するように制御する手段としても機能する。例えば、主制御部215は、チューナー部217による放送受信と出力部216による放送内容の出力とを伴うテレビ放送受信プログラムが起動されたとき上記自動録画処理を開始するように制御する。
【0020】
また、上記主制御部215は、上記自動録画処理に関連して次のような各種制御を行うように構成してもよい。
(1)時計部からの出力に基づいて、上記自動保存処理の開始からの経過時間が所定の設定時間(例えば、2時間、1時間、30分)になったと判断したとき、上記自動録画処理を終了する制御。
(2)上記自動録画処理の開始から連続保存されている記憶部218における放送内容の累積記憶容量が所定の設定容量になったとき、上記自動録画処理を終了する制御。
(3)上記記憶部218の空き容量が所定の下限容量よりも少なくなったときに、記憶部218にすでに記憶されている放送内容をその保存時間が古いほうから削除する制御。
(4)上記内蔵記憶媒体と着脱可能な外部記憶媒体(例えば、メモリーカード)を備える場合に、放送内容の保存先として予め設定された内蔵記憶媒体及び外部記憶媒体のいずれかに放送内容を連続保存する制御。
(5)上記自動録画処理の実行中に、操作部213で手動録画処理の開始が指示されたとき、自動録画処理を停止し手動録画処理を開始する制御。
(6)上記手動録画処理を終了した後、上記手動録画処理で連続保存された放送内容のファイルと上記自動録画処理で連続保存された放送内容のファイルとが互いに異なる場合に、それらの2つのファイルを結合する制御。
(7)上記チューナー部217で受信している放送内容を、番組単位ごとに個別のファイルに保存する制御。
【0021】
上記出力部216は、表示部としてのLCD27、通話用スピーカ28、外部出力用スピーカ29及びイヤホン30、並びに外部出力用スピーカ29から出力される音量を調節するための音量調節手段である音量調節部等からなる出力装置205等で構成されている。この出力部216は、上記チューナー部217で受信した放送の画像や音声を出力する放送内容出力手段として用いられる。また、出力部216は、上記データ通信部212で受信したショートメッセージやメールの内容を上記主制御部215の制御の下、LCD27に表示する。また、出力部216のLCD27は、上記電話通信部211で電話を着信した旨をユーザーに報知するときに用いられる。また、上記データ通信部212でショートメッセージを着信した旨や情報提供サーバからの情報を着信した旨をユーザーに報知するときにも用いられる。具体的には、これらの着信を受けると、主制御部215により、出力部216のLCD27に着信報知画像を表示したり、外部出力用スピーカ29から着信音を出力させたりする。
【0022】
また、出力部216は、携帯電話機本体外部に露出したイヤホン端子を備えている。イヤホン30は、このイヤホン端子に対して着脱自在に構成されている。そして、出力部216は、このイヤホン30から出力される音量を調節するためのイヤホン音量調節部(イヤホン音量調節部)を有し、このイヤホン音量調節部は、放送用音量調節部及び一般音量調節部とは独立して主制御部215によって独立に制御される。
【0023】
上記チューナー部217は、上述のハードウェア構成上のチューナー装置207や放送受信用アンテナ等に対応する。このチューナー部217は、放送局から送信される放送電波のうち、主制御部215から指示された周波数の電波を選択的に受波し、その電波放送を受信する一般的なテレビやラジオのチューナーとしての機能を有する。このチューナー部217で受信した放送の内容は、出力部216のスピーカやディスプレイへ直接伝送されて出力される。また、チューナー部217で受信した放送の内容は、出力部216のイヤホン30からも出力することができる。
【0024】
図4は、上記構成の携帯電話機における自動録画処理の一例を示すフローチャートである。この例において、利用者が携帯電話機20のテレビ機能を起動するように操作する(S1)。例えば、携帯電話機20のの画面に表示されたメニューからテレビ機能を選択したり、携帯電話機20の外観の形態をテレビ機能を起動するように予め設定された所定の形態に変化させたりする。この操作により、携帯電話機20の主制御部215は、所定のテレビ放送受信プログラムを起動するとともに(S2)、チューナー部217で受信された放送内容を保存する自動録画処理を開始する(S3)。この自動録画処理では、例えば、その開始時に記憶部218の所定の録画用記憶エリアに録画ファイルが新規に作成され、利用者の選択等で設定されている所定のチャネルのテレビ放送内容(画像及び音声)が当該録画ファイルに連続保存される。このようにテレビ放送の受信及び出力を伴うテレビ機能を開始したときに、そのテレビ放送内容を記憶部218の所定の録画用記憶エリアに保存する自動録画処理が開始される。その後、利用者が携帯電話機20のテレビ機能を停止するように操作する(S4)と、主制御部215は、上記自動録画処理を終了し(S5)、上記テレビ放送受信プログラムを終了することによりテレビ機能を停止している(S6)。上記自動録画処理の終了の際には、テレビ放送内容が保存された録画ファイルを閉じる処理が実行される。
【0025】
なお、上記図4の自動録画処理では、自動録画処理を終了した後、テレビ放送受信プログラムを終了しているが、テレビ放送受信プログラムを終了する際に自動録画処理を終了するように制御してもよい。
【0026】
図5は、携帯電話機20における自動録画処理の他の例を示すフローチャートである。本例のS1からS3までの処理は上記図4の場合と共通するので説明を省略する。この例では、携帯電話機20の主制御部215は、内蔵の時計部からの出力に基づくタイマー機能により、上記自動録画処理が開始されてからの経過時間をカウントし、予め設定した所定の設定時間(例えば、2時間、1時間、又は、30分)が経過したか否かを判断する(S4)。主制御部215は、所定の設定時間が経過したと判断すると、上記自動録画処理を終了する(S5)。これにより、上記自動録画処理で録画される録画時間が一定時間内になるように管理することができる。なお、上記設定時間は、利用者が操作部213を操作し、所定のテレビ機能のメニュー画面から変更することができる。
【0027】
図6は、携帯電話機20における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャートである。本例のS1からS3までの処理は上記図4の場合と共通するので説明を省略する。この例では、携帯電話機20の主制御部215は、上記自動録画処理による録画に使用される記憶部218の累積記憶容量である録画記憶容量をモニターし、その録画記憶容量が、予め設定した所定の設定容量(例えば、上記録画用記憶エリアの容量よりも所定マージン分だけ少ない容量)に達したか否かを判断する(S4)。主制御部215は、上記録画記憶容量が所定の設定容量に達したと判断すると、上記自動録画処理を終了する(S5)。これにより、上記自動録画処理での録画に使用される録画記憶容量が、記憶部218に設定された所定容量(例えば、上記録画用記憶エリアの容量)内になるように管理することができる。なお、上記設定容量は、利用者が操作部213を操作し、所定のテレビ機能のメニュー画面から変更することができる。
【0028】
図7は、携帯電話機20における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャートである。本例のS1からS4までの処理は上記図6の場合と共通するので説明を省略する。この例では、携帯電話機20の主制御部215は、上記録画記憶容量が所定の設定容量に達したと判断すると、上記自動録画処理を終了せずに、古い録画データ部分を所定データ量だけ削除し(S5)、上記自動録画処理を継続する。これにより、上記自動録画処理での録画に使用される録画記憶容量が、記憶部218に設定された所定容量(例えば、上記録画用記憶エリアの容量)内になるように管理しつつ、上記自動録画処理を停止せずに継続することができる。
【0029】
図8は、携帯電話機20における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャートである。本例のS1、S2の処理は上記図1の場合と共通するので説明を省略する。この例では、携帯電話機20は、上記内蔵メモリのほか、外部記憶媒体としてのメモリーカードを着脱可能に構成されている。携帯電話機20の主制御部215は、所定のテレビ放送受信プログラムを起動したとき、チューナー部217で受信された放送内容の録画データの保存先が内蔵メモリ及びメモリカードのいずれであるかを判断する(S3)。ここで、録画データの保存先が内蔵メモリの場合は、チューナー部217で受信された放送内容の録画データを内蔵メモリ内の所定の記憶エリアに保存するように自動録画処理を開始する(S4)。一方、録画データの保存先がメモリーカードの場合は、チューナー部217で受信された放送内容の録画データをメモリーカード内の所定の記憶エリアに保存するように自動録画処理を開始する(S5)。
【0030】
なお、上記保存先は、利用者が操作部213を操作し、所定のテレビ機能のメニュー画面から変更することができる。また、上記保存先は、テレビ放送受信プログラムを起動したときに利用者が選択できるようにしてもよい。また、携帯電話機20に着脱可能な外部記憶媒体は上記メモリーカード以外の記憶媒体であってもよい。
【0031】
図9は、携帯電話機20における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャートである。本例のS1〜S3の処理は上記図1の場合と共通するので説明を省略する。この例では、携帯電話機20の主制御部215は、自動録画処理を開始した後、その録画処理対象の所定チャネルのテレビ放送について番組の区切りをモニターし、番組の開始ポイントを判断する(S4)。例えば、ニュース番組の後に野球の番組が放送されている場合、後者の野球の番組の開始ポイントを判断する。主制御部215は、番組の開始ポイントであると判断すると、録画データに番組開始ポイント情報(例えば、所定のタイムスタンプ)を付加し(S5)、自動録画処理を継続する。これにより、自動録画処理で保存された録画データには、番組の区切りごとに番組開始ポイント情報が付加され、録画データを番組単位で管理できるようになる。
【0032】
また、主制御部215は、上記自動録画処理の実行中に、利用者による手動録画処理を開始する操作の有無をモニターしている(S6)。ここで、ある番組の放送(例えば、上記野球の放送)を自動録画している途中に、操作部213で手動録画処理の開始を指示する操作があったときには、上記自動録画処理を終了するとともに、利用者が指示した手動録画処理を開始する(S7)。この手動録画処理では、上記自動録画処理で放送内容の録画データが保存されていた自動録画ファイルとは別の手動録画ファイルに、録画データが保存される。その後、当該番組の放送が終わって利用者が手動録画処理を終了する操作を行うと(S8)、主制御部215は、手動録画処理を終了するとともに、録画ファイルの結合処理を実行する(S10)。この録画ファイルの結合処理は、上記自動録画ファイルから、上記手動録画処理の開始のときに放送されていた番組の録画データ部分を抽出して結合用ファイルを作成し、その結合用ファイルと上記手動録画ファイルとを結合し、当該番組の録画データが連続して保存された録画ファイル(例えば、上記野球の放送全体が録画されたファイル)を作成する。これにより、ある番組の放送の途中で自動録画処理から手動録画処理に切り換えた場合でも、テレビ放送の録画データを番組単位の録画ファイルに録画して管理できるようになる。
【0033】
図10は、携帯電話機20における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャートである。本例のS1〜S3の処理は上記図1の場合と共通するので説明を省略する。この例では、携帯電話機20の主制御部215は、自動録画処理を開始した後、その録画処理対象の所定チャネルのテレビ放送について番組の区切りをモニターし、番組の開始ポイントを判断する(S4)。例えば、ニュース番組の後に野球の番組が放送されている場合、後者の野球の番組の開始ポイントを判断する。主制御部215は、番組の開始ポイントであると判断すると、録画ファイルを変更し(S5)、自動録画処理を継続する。これにより、自動録画処理で保存された録画データには、番組の区切りごとに設定された録画ファイルに保存され、録画データを番組単位で管理できるようになる。
【0034】
また、主制御部215は、上記自動録画処理の実行中に、利用者による手動録画処理を開始する操作の有無をモニターしている(S6)。ここで、ある番組の放送(例えば、上記野球の放送)を自動録画している途中に、操作部213で手動録画処理の開始を指示する操作があったときには、上記自動録画処理を終了するとともに、利用者が指示した手動録画処理を開始する(S7)。この手動録画処理では、上記自動録画処理で放送内容の録画データが保存されていた自動録画ファイルとは別の手動録画ファイルに、録画データが保存される。その後、当該番組の放送が終わって利用者が手動録画処理を終了する操作を行うと(S8)、主制御部215は、手動録画処理を終了するとともに、録画ファイルの結合処理を実行する(S10)。この録画ファイルの結合処理は、上記手動録画処理の開始のときに放送されていた番組の録画データが保存された自動録画ファイルと、同じ番組の残りの放送内容の録画データが保存された手動録画ファイルとを結合し、当該番組の録画データが連続して保存された録画ファイル(例えば、上記野球の放送全体が録画されたファイル)を作成する。これにより、ある番組の放送の途中で自動録画処理から手動録画処理に切り換えた場合でも、テレビ放送の録画データを番組単位の録画ファイルに録画して管理できるようになる。
【0035】
なお、上記図9、10の例では、テレビ放送の番組の区切りを番組の開始ポイントで判断しているが、番組の終了ポイントで判断するようにしてもよい。また、テレビ放送の各番組の開始タイミングに各番組の開始を識別可能な番組関連情報を含む文字情報を、テレビ放送の放送内容と一緒に受信する場合、上記テレビ放送の番組の区切りは当該文字情報に基づいて判断してもよい。
【0036】
また、上記図9、10の例において、上記自動録画処理での録画データの保存先と上記手動録画処理での録画データの保存先とを、互いに異なる別々の記憶媒体に設定してもよい。例えば、上記自動録画処理での録画データの保存先を内蔵メモリ等の内蔵記憶媒体に設定し、上記手動録画処理での録画データの保存先をメモリカード等の外部記憶媒体に設定してもよい。逆に、上記自動録画処理での録画データの保存先を外部記憶媒体に設定し、上記手動録画処理での録画データの保存先を内蔵記憶媒体に設定してもよい。このように各録画処理での録画データの保存先を互いに異なる別々の記憶媒体に設定した場合、上記結合後の録画ファイルは、内蔵記憶媒体及び外部記憶媒体のいずれか一方に保存される。例えば、手動録画処理での録画データの保存先が外部記憶媒体の場合、上記結合後の録画ファイルを同じ外部記憶媒体に保存してもよい。
【0037】
以上、本実施形態によれば、テレビ放送の受信及び出力を伴うテレビ機能を開始したときに、そのテレビ放送内容を記憶部218の所定の録画用記憶エリアに保存する自動保存処理が開始されるので、利用者の煩雑な操作を伴うことなく、視聴中のテレビ放送内容を簡易に保存することができる。
【0038】
なお、上記実施形態では、電子機器がワンセグのデジタルテレビ放送を受信可能な携帯電話機の場合について説明したが、本発明は、放送の受信及び出力が可能な他の電子機器の場合、例えば他の移動体通信端末等の情報通信端末や、家庭等に設置されるビデオレコーダ、テレビ装置等の電子機器の場合にも、同様に適用できる。また、本発明は、ワンセグ以外のデジタルテレビ放送(例えば、地上波デジタル放送)を受信する場合、アナログテレビ放送を受信する場合、ラジオ放送を受信する場合にも、同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係る携帯電話機の外観を示す正面図。(b)はその背面図。
【図2】同携帯電話機のハードウェア構成を示す概略構成図。
【図3】同携帯電話機の主要部を抽出して示したブロック図。
【図4】携帯電話機における自動録画処理の一例を示すフローチャート。
【図5】携帯電話機における自動録画処理の他の例を示すフローチャート。
【図6】携帯電話機における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャート。
【図7】携帯電話機における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャート。
【図8】携帯電話機における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャート。
【図9】携帯電話機における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャート。
【図10】携帯電話機における自動録画処理の更に他の例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0040】
20 携帯電話機
27 LCD(表示部)
29 外部出力用スピーカ
40 移動体通信ネットワーク(携帯電話通信網)
211 電話通信部
212 データ通信部
213 操作部
215 主制御部
216 出力部
217 チューナー部
218 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送を受信する放送受信手段と、該放送受信手段で受信した放送内容を出力する出力手段とを備えた電子機器であって、
前記放送受信手段で受信した放送内容を記憶可能な記憶手段と、
前記放送受信手段による放送の受信を開始したとき、又は前記出力手段による放送内容の出力を開始したとき、該放送内容を前記記憶手段に連続保存する自動保存処理を開始するように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1の電子機器において、
前記制御手段は、前記自動保存処理の開始からの経過時間が所定の設定時間になったとき、前記自動保存処理を終了するように制御し、
前記設定時間は変更可能なことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1の電子機器において、
前記制御手段は、前記自動保存処理の開始から連続保存されている前記記憶手段における前記放送内容の累積記憶容量が所定の設定容量になったとき、前記自動保存処理を終了するように制御し、
前記設定容量は変更可能なことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの電子機器において、
前記制御手段は、前記記憶手段の空き容量が所定の下限容量よりも少なくなったときに、該記憶手段にすでに記憶されている放送内容をその保存時間が古いほうから削除するように制御することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかの電子機器において、
前記記憶手段として、当該電子機器に内蔵された内蔵記憶媒体と、当該電子機器に着脱可能な外部記憶媒体とを備え、
前記制御手段は、前記放送内容の保存先として予め設定された前記内蔵記憶媒体及び前記外部記憶媒体のいずれかに前記放送内容を連続保存するように制御し、
前記放送内容の保存先は変更可能なことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかの電子機器において、
前記放送受信手段で受信している放送内容を前記記憶手段に連続保存する手動保存処理の開始を指示可能な操作手段を更に備え、
前記制御手段は、前記自動保存処理の実行中に、前記操作手段で前記手動保存処理の開始が指示されたとき、前記自動保存処理を停止し前記手動保存処理を開始するように制御することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6の電子機器において、
前記制御手段は、前記手動保存処理を終了した後、該手動保存処理で連続保存された放送内容のファイルと前記自動保存処理で連続保存された放送内容のファイルとが互いに異なる場合に該2つのファイルを結合するように制御することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかの電子機器において、
前記制御手段は、前記放送受信手段で受信している放送内容とともに番組の開始ポイントの情報を保存するように制御することを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかの電子機器において、
前記制御手段は、前記放送受信手段で受信している放送内容を、番組単位ごとに個別のファイルに保存するように制御することを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−98618(P2010−98618A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269223(P2008−269223)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】