説明

電子衝突X線源のデブリ低減

出口開口まで圧力下で液体物質を推進させることによって、相互作用領域を通って伝搬するターゲット噴流を形成するステップと、少なくとも1つの電子ビームを、前記ターゲット噴流と相互作用して前記電子ビームがX線放射を発生するように、前記相互作用領域内のターゲット噴流上に向けるステップとを含む、X線放射を発生させる方法であって、前記ターゲット噴流の横方向における前記電子ビームの半値全幅が前記ターゲット噴流の横寸法の約50%以下である、方法。この方法を実施するシステムもまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される本発明の改善は、一般に電子衝突X線源に関する。より詳細には、本開示は、液体噴流アノードを有する電子衝突X線源のデブリの低減およびX線輝度の改善を対象とする。
【背景技術】
【0002】
X線は、19世紀の変わり目のレントゲンによるその発見以来ずっと画像化に使用されてきた。利用可能なX線光学が厳格に限定されるので、X線造影は依然として主に吸収放射線写真に基づいている。このことは、基本的には最新のコンピュータ・トモグラフィ(CT)造影にも当てはまり、結果としてX線源の輝度が、多くの応用例において露出時間と達成可能な解像度の両方を限定する性能指数になる。
【0003】
現在、X線造影は、科学、医学および産業において普及している標準的な方法である。十分に確立されているとはいえ、輝度が増大されることにより大きな利益を得られるはずの多数の応用例がある。これらの中には、高い空間解像度を必要とするマンモグラフィおよび血管造影など医学の応用例、ならびに現在は妥当な露出時間で実現できない単色放射を必要とする新技術がある。また、現在はシンクロトロン放射施設でのみ可能な特定のタンパク質結晶学も、小型X線源を用いて実現可能なことがある。さらに、小型X線源の輝度の大幅な増加が、妥当な露出時間での位相造影を可能にしうる。このことは、位相コントラストが吸収コントラストよりもずっと高いことが多いので重要である。加えて、位相コントラスト造影では、造影中の吸収線量を低減することもできる。
【0004】
小型電子衝突X線源でのX線生成に関し依拠される基礎物理学は、レントゲンの時代から同じである。電子がターゲットに衝突すると、電子は2つの様式のうちの一方で、すなわち、原子核に近い電界内で電子が減速されて連続的な制動放射を放出することができるか、あるいは電子が内殻電子をたたき出すことができ、その結果、空所が埋められるときに固有X線光子が放出することになるか、のどちらかでエネルギーを失う。電子衝突によるX生成の効率は非常に悪く、一般に1%未満であり、電子ビームによって搬送されたエネルギーの大部分は熱に変換される。
【0005】
現在の最先端技術の小型電子衝突X線源の輝度は、アノード内の熱効果によって制限される。X線スペクトル輝度(すなわち、光子/(mm・sr・s・BW)、ここでBWは帯域幅を表す)は、アノードでの実効電子ビーム電力密度に比例し、アノードを溶解したり、あるいは損傷したりしないように制限されなければならない。アノードの電力負荷容量を改善するのに、最初の陰極線管からただ2つの基本技術、すなわち線焦点および回転アノードだけが導入されてきた。
【0006】
1920年代に導入された線焦点の原理は、X線放射が非ランベルトであって、ある角度でアノードを見ることによって見かけのX線源の面積をほとんど一定に保つこと以外に、ターゲットとされる領域を拡張することによって実効電力負荷容量を増大させるということを利用する。ヒール効果および視野を無視すると、この巧みな方策は、達成可能な電力負荷容量を約10×まで増大させる。回転アノードは1930年代に導入されて、継続して冷えたターゲット表面にするように円錐形アノードを回転させることによって実効電子ビーム加熱面積をさらに拡張した。
【0007】
これらの改善の後、輝度に関する進歩は、小型電子衝突X線源ではどちらかといえば緩慢であって、ターゲット材料、熱伝導、熱貯蔵、回転速度などの面での技術的完成によるものだけであった。現在の最先端技術のX線源では、今や100〜150kW/mmの実効電子ビーム電力密度が可能である。典型的な高性能の実施は、例えば10kW、0.3×0.3mmの実効X線スポット・サイズの血管造影システム、および1.5kW、0.1×0.1mmの実効X線スポット・サイズの高精度焦点のマンモグラフィ・システムである。低電力の微小焦点X線源(4W、5μmの実効X線スポット径)は、同様の実効電力密度(200kW/mm)を有し、やはり熱効果によって制限される。
【0008】
最新の回転アノードの電力負荷限度は次式で計算することができる。
【数1】

【0009】
上式で、Aeffectiveは見かけのX線源面積、Rはアノード半径、lはスポット高さ、2δはスポット幅、Tmaxは破壊前の最大許容温度、ΔTmarginは安全余裕、Tbaseはアノード始動温度、λは熱伝導率、ρは密度、cは比熱、fは回転周波数、tは負荷期間、ならびにkは、動径熱条件、放射による熱損失、およびアノードの厚さを考慮に入れた補正係数である。式1から分かるように、電力負荷限度を増加させる唯一のやり方は、スポット速度、すなわちfおよびRを増加させることである。残念ながら、全く非現実的なパラメータの組(1mの直径のアノード、および1kHzの回転)でさえ、出力線束を約6×に増加させるだけである。したがって、相当の技術的な努力によっても、従来のX線源技術がさらにずっと発展されてもよいことは可能性がないようである。
【0010】
電子衝突をベースとする小型の硬X線源の輝度を増大させるやり方は、より高い電子ビーム電力密度を可能にする根本的に異なるアノード構成になるはずである。この目的のために、新規の液体金属噴流アノードの構想が以前に報告されている。このアノード構成は、以下に説明されるように、根本的に異なる熱限界により現在の最先端技術よりも著しく高い(>100×)面積当たり熱負荷を許容することができる。液体噴流システムが、無視できるデブリのレーザ生成プラズマ軟X線源およびEUV源のターゲットとして広範に使用されてきた。液体ガリウム噴流もまた、フェムト秒レーザ・プラズマ実験での硬X線生成におけるターゲットとして使用されてきた。さらに、蛍光による低電力軟X線発生では、電子ビームが水噴流と組み合わされてきた。液体が静止しているか、または表面に流れるかどちらかの液体アノードを備えたX線管が以前に報告されているが、高輝度動作でのそれらの利点は、そのようなシステムの本質的に低い流速および冷却能力により限定される。最近の研究はまた、薄い窓の後に液体が流れる液体アノードも含む。
【0011】
従来のアノードと比べて非常に高い液体金属噴流システムの電力密度容量(大きさが2〜3桁以上)は、要するに3つの主な理由、すなわち、(i)固体アノードと比べて異なる液体噴流アノードの熱特性、(ii)回転アノードで可能なものよりも高い噴流速度の潜在能力、および(iii)アノードを損なわないで維持するための要件をより緩和する液体噴流の再生性質、による。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、このようなシステムの電力を増大させようとする場合には、デブリの放出が潜在的な実際上の難題になる。したがって、液体噴流アノードX線源のデブリの問題を軽減するために、改善が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
要約すれば、本明細書ではX線放射を発生させる方法が提案され、この方法は、ターゲット噴流の横方向における電子ビームの半値全幅がターゲット噴流の横寸法の約50%以下であることを特徴とする。この結果、ターゲット噴流上の非常に高温の電子ビーム衝突領域の大きな遮蔽効果が得られ、それによって、生成されるデブリの量が有利に低減することがこのたび発見された。加えて、X線スポットが側面から見られたときに実効電力密度が増大されるという、さらなる技術的効果が得られる。この後者は、序論で説明された線焦点の原理と類似している。
【0014】
したがって、本明細書で開示される本発明の原理は、ターゲット噴流伝搬速度を大幅に増大させることなく、ターゲット上での衝突時の半値全幅(FWHM)がターゲット噴流の横寸法の約半分になる電子ビームを使用することによって、デブリの低減が達成されることがあるという魅力的な利点を有する。ターゲット噴流の横寸法よりもかなり小さな電子ビームを使用することでターゲット噴流は、生成されるデブリの量を有利なように制限する遮蔽効果を生じさせる。
【0015】
本発明の原理はまた、X線輻射を発生させるシステムにも及び、前記システムは、その方法を実施する手段を備える。
【0016】
ターゲット噴流上での衝突時の電子ビームのサイズ(FWHM)は、ターゲット噴流の横寸法の50%よりもわずかに大きくてもよいが、それでもなお本発明の遮蔽効果をもたらすことが理解されるべきである。
【0017】
発生したX線放射は適切に、いくつか挙げると画像化、医療用途、結晶学、X線顕微鏡検査、近接または投影リソグラフィ、光電子分光法、あるいはX線蛍光などの応用例で使用されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、液体金属噴流X線源、すなわち本発明によるX線放射を発生するシステム10の実験用配置を示す。99.8%のスズからなる液体金属噴流15が、30μmまたは50μmの直径のガラス細管ノズルを通して真空チャンバ18内に注入される。最大60m/秒の噴流速度が、溶融スズに200バールの窒素圧を加えることによって達成されてもよい。したがって、ターゲット噴流の速度は、最速の回転アノードに匹敵する。電子ビーム・システム20は、連続動作で600W(50kV、12mA)の電子銃をベースとする。電子ビームは、磁界レンズによって、LaBカソードのサイズ(直径50μmまたは200μm)で決まる約15μmまたは約25μmの半値全幅(FWHM)直径のスポットに集束される。電子銃は、別個の250l/秒タービン・ドラグ・ポンプによって排気され、磁界レンズの端部の開口は、主真空チャンバ(約10−4ミリバール)と電子銃(約10−7ミリバール)の間に十分な圧力差を維持するのに十分なだけ小さい。しかし、理解されるように、ポンプは、一部の実施形態では省略されることもある。カソードは、厚さ120μmのアルミニウム箔内の、噴流と磁界レンズの間に配置された直径1mmの孔によってスズ蒸気から遮蔽される。カソード周辺の真空度は、銃の高電力動作時でも低10−7ミリバール域に保たれ、その結果、妥当なLaBカソードの寿命(>1000時間)が得られる。デブリ目撃プレート12が、X線源から約150mmの、主タンク内の4つの別々の位置に配置される。X線造影では、画素が9μmで、測定された点広がり関数(PSF)が約34μmのFWHMである、4008×2672画素の蛍光体被覆CCD検出器14を使用する。金のマンモグラフィ解像度被写体(resolution object)16(線および間隔が25μm幅で厚さが20μmの金)が、X線源から50mm、CCDの前190mmに配置される。12×ズーム顕微鏡17が、噴流の光学検査用に使用される。
【0019】
X線を生成する本発明の原理を評価するために実験が行われた。いくつかの異なるシステム・パラメータ、すなわち、38Wから86Wの電子ビーム電力、22m/秒または40m/秒の噴流速度、30μmまたは50μmの噴流径、および15μmまたは26μmの電子ビーム焦点、に対するデブリ堆積速度が調査された。目撃プレート12は、スズ蒸気に6〜24分間さらされて、表面プロフィルメータ(KLA Tencor P−15)を用いて解析された。図2は、その結果を示す。曲線1(22m/秒、30μm径噴流、24±2μm径スポット)は、デブリ堆積速度が、噴流に加えられた電力に指数関数的に従属することを示し、このことは温度の関数として増加するスズの蒸気圧と一致する。曲線2は、22m/秒、50μm径噴流で24±2μmスポットによるデブリ放出を示す。曲線1と2を比較することによって、増大された噴流径が低減されたデブリ放出速度になることが認められるはずである。このことは2つの理由、すなわち、(i)より大きい噴流の増大した流体質量が噴流の低下した平均温度になり、したがって低下した蒸発速度になる、(ii)噴流径は増大させるが電子ビームのサイズは一定に保つと、非常に高温の電子ビーム衝突領域のより効果的な遮蔽が、デブリ目撃プレートから見たとき噴流上に結果として得られる、ことによるものと考えられる。同じ効果が一般に、噴流サイズを電子ビーム・サイズ比まで増大させることによって得られてもよいことに留意すべきである。噴流サイズと比べて50%以下の電子ビーム・サイズを有することが特に有利であることが見出された。曲線3は、遮蔽構想にさらなる根拠を与える。曲線3は、曲線2と同じ噴流パラメータを有するが、X線スポットはより小さく(15.5±1.5μmのFWHM)、明らかに改善された遮蔽になる。72Wの印加電力において、小さい方の焦点は、24±2μm動作と比べて約16分の1のデブリ放出速度の低減をもたらした。最後に、曲線4は、増大されたターゲット速度(40m/秒、30μm径噴流、24±2μmスポット)のデブリ速度に与える影響を示している。約50%の印加電力の増加と併せた約80%の噴流速度の増加が、同じデブリ放出速度をもたらした。
【0020】
電子ビームの電力および電力密度を増加させることによって高輝度動作が試みられる場合、デブリ速度は必然的に増加する。本発明者らは、kW未満の電子銃では、カソード放射率による技術的な電子ビーム電力密度限界が数十MW/mmであること、すなわち本明細書で報告した金属噴流アノードの最高電力密度よりも2桁上の大きさであることに注目する。噴流アノードの電力密度容量の大幅な改善が、非常に高速の噴流を有することによって達成されてもよく、実際、安定したスズ噴流を少なくとも約500m/秒に達する速度で生成することが可能であるはずということが示された。一方、こうすることが、低減されたデブリ生成にするように噴流を改変する唯一のやり方では必ずしもないこともある。図2の結果によって示されるように、また本明細書で開示された本発明の原理によって、(電子ビームと比較して)大きい直径の中速噴流が、かなり高速ではあるが細い噴流よりも良好なデブリ低減特性を有することを実証することができる(曲線3および4参照)。
【0021】
ターゲット噴流上の電子ビームのスポットは、必要に応じて円焦点、楕円焦点、または線焦点とされてもよいことに留意されるべきである。例えば、図3に示されるように、楕円電子ビーム・スポット(線焦点)を使用することが好ましいことがあるが、このスポットは、ターゲット噴流の長手方向延長部に対し横向きの主軸を有し、また、本明細書で提案され特許請求の範囲に記載のように、ターゲット噴流径の約50%以下である、主軸に沿ったFWHMを有する。よく知られた線焦点の原理によれば、これは、ターゲット領域が側面から見られたときに、X線源の輝度を犠牲にすることなく増加した実効電力負荷容量をターゲットに与える。
【0022】
しかし、上記に応じて細長い電子ビーム・スポットが使用される場合、その延長部がターゲット噴流に対し横向きであることは必要とされない。楕円集束または線集束された電子ビーム・スポットの任意の全体的な向きが考えられ、発生したX線を適切な角度から見る(集める)ことによって、X線輝度の実効的な増大が得られることがある。例えば、ターゲット噴流に概して沿って延びる線焦点を有する電子ビーム・スポットが使用される場合、スポットをターゲット噴流に沿った斜めの角度から見ることによって、増大されたX線輝度が得られることがある。
【0023】
さらに、線焦点の原理はまた、円形の電子ビーム・スポットが利用される場合にも使用されてもよいことが指摘されるべきである。その理由は以下の通りである。電子ビームがターゲット噴流に衝突したとき、X線放射は、電子がターゲット噴流に貫入するにつれて、一般にターゲット材料の最初の数μm以内で発生される。非限定的な一例として、電子は、一般にターゲット材料内に約4μm貫入しうる。このことが、図1の拡大側面図に概略的に示されている。したがって、図1に示されたように側面から見られた場合には、X線放射は、わずか数μm幅の細長い輪郭を有する領域内に発生される。実例として、約100μm径のターゲット噴流に衝突する、サイズ(FWHM)が50μmの円形電子ビーム・スポットを考える。これは、ターゲット噴流内に、50μmの直径と、(ターゲット噴流表面の湾曲により)4μmよりもわずかに大きい「高さ」とを有する、大まかに円筒に似たX線領域(または「体積」)を生成する。このX線領域が電子ビームに沿って見られた場合、見かけのX線スポットは50μm径の円になる。しかし、同じX線領域が側面から見られた場合には、それが、約50μmの長さと4μmよりもわずかに大きい幅とを有する、すなわち見かけの面積が根本的に減少した細長い領域からなる全体形状を有することになり、その結果、この見る方向からのX線源では改善された輝度が得られる。したがって、発生したX線放射を電子ビームに対してある角度の方向から集めることが好ましいことがある。例えば、ターゲット噴流伝搬方向と電子ビーム伝搬方向が互いに直角の場合には、発生した放射線を電子ビームに対して直角の方向から集めることによって、X線源の輝度が最大化されてもよい。
【0024】
デブリを低減するために縮小サイズ電子ビームを使用する原理は、有利なことに、増大された噴流伝搬速度、デブリ緩和システムなど、デブリを低減する従来技術の技法と組み合わされてもよい。
【0025】
ターゲット噴流は導電性、または非導電性でよい。例えば、ターゲット噴流は、金属(スズまたはガリウム)、金属合金または低融点合金、極低温ガス、あるいは電子衝突X線源用のターゲットとして適切な他の任意の液体物質を含むことができる。
【0026】
ターゲット噴流は、任意の断面形状、例えば円形、長方形または楕円形を有してもよいことも理解されるべきである。
【0027】
ターゲット噴流の典型的な直径は、30μmまたは50μmなど約10μmから約100μmである。しかし、一部の応用例では、さらに大きなターゲット噴流断面が考えられる。相互作用領域内のターゲット噴流の伝搬速度は約500m/秒までとされてもよく、典型的な値は約20m/秒から約60m/秒である。理解されるように、ターゲット噴流の伝搬速度の増加は、噴流アノードの改善された電力密度容量になる。
【0028】
上記に示された例は、単に例示のため、および目的を可能にするためのものであり、本発明の範囲を限定するものではないことが理解されよう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の液体金属噴流X線源の概略的な設置を示す、上から見た図である。挿入写真は、低電力動作時の金属噴流(左側写真)および高電力動作時の金属噴流(右側写真)を示す。
【図2】加えられた電子ビーム電力、および電子ビーム焦点スポットの関数としてのデブリ放出速度を示すグラフである。誤差バーは標準偏差を示す。
【図3】電子ビームの楕円焦点または線焦点の使用を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口開口まで圧力下で液体物質を推進させることによって、相互作用領域を通って伝搬するターゲット噴流を形成するステップと、
少なくとも1つの電子ビームを、前記電子ビームが前記ターゲット噴流と相互作用してX線放射を発生するように、前記相互作用領域内のターゲット噴流上に向けるステップと
を含む、X線放射を発生させる方法であって、
前記ターゲット噴流の横方向における前記電子ビームの半値全幅が前記ターゲット噴流の横寸法の約50%以下である、方法。
【請求項2】
前記電子ビームが前記ターゲット噴流上に線焦点の形で向けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記相互作用領域での前記ターゲット噴流の伝搬速度が約20〜60m/秒である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記発生したX線放射を前記電子ビームに対してある角度の方向から集めるステップをさらに含む、いずれかの前記請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記発生した放射線が、前記電子ビームに対して直角の方向から集められる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲット噴流を形成する前記液体物質が導電物質である、いずれかの前記請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲット噴流を形成する前記液体物質が金属、合金、または低融点合金である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲット噴流を形成する前記液体物質が、室温および大気圧では液体である極低温ガスまたは物質である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ターゲット噴流が前記電子ビームのアノードを形成する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記発生したX線放射を画像化に用いるステップをさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記発生したX線放射をX線顕微鏡検査に用いるステップをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記発生したX線放射を近接リソグラフィまたは投影リソグラフィに用いるステップをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記発生したX線放射を光電子分光法に用いるステップをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記発生したX線放射をX線蛍光発光に用いるステップをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記発生したX線放射を結晶学に用いるステップをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
出口開口まで圧力下で液体物質を推進させることによってターゲット噴流を、相互作用領域を通って前記ターゲット噴流が伝搬するように形成する手段と、
少なくとも1つの電子ビームを、前記電子ビームが前記ターゲット噴流と相互作用してX線放射を発生するように、前記相互作用領域内のターゲット噴流上に向ける手段とを含む、X線放射を発生させるシステムであって、
前記ターゲット噴流を形成する前記手段と、少なくとも1つの電子ビームを前記ターゲット噴流上に向ける前記手段とが、前記ターゲット噴流の横方向における前記電子ビームの半値全幅が前記ターゲット噴流の横寸法の約50%以下になるように構成される、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−537062(P2009−537062A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509487(P2009−509487)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000448
【国際公開番号】WO2007/133144
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(304023776)ジェテック、アクチボラグ (1)
【Fターム(参考)】